JP2004337013A - クリームコロッケの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、成型用の型を使用することなく包あん機という汎用性の高い装置を用いて口溶けがよく、油ちょう時の破裂を抑制できるクリームコロッケの製造方法を提供する。さらに、低温まで冷却しなくとも常温にて手作業に適したクリームコロッケの製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】小麦粉、油脂および牛乳などの液状乳製品を主成分とするクリームコロッケを製造するにあたり、前記主成分中の水分含有比率の異なる2つの材料を用い、水分含有比率の高い材料を内材として、水分含有比率の低い材料を外材として包あん機で包被成形することを特徴とするクリームコロッケの中種の製造方法である。
また、上記クリームコロッケの中種を衣付けして油ちょうすることにより、外材と内材が略均一化することを特徴とするクリームコロッケの製造方法である。
【選択図】 図1
【解決手段】小麦粉、油脂および牛乳などの液状乳製品を主成分とするクリームコロッケを製造するにあたり、前記主成分中の水分含有比率の異なる2つの材料を用い、水分含有比率の高い材料を内材として、水分含有比率の低い材料を外材として包あん機で包被成形することを特徴とするクリームコロッケの中種の製造方法である。
また、上記クリームコロッケの中種を衣付けして油ちょうすることにより、外材と内材が略均一化することを特徴とするクリームコロッケの製造方法である。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、クリームコロッケの製造方法に関する。さらに詳しくは、包あん機を用いてクリームコロッケの中種を包被成形し、さらには、その中種を用いたクリームコロッケの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
クリームコロッケは小麦粉、バターなどの油脂および牛乳などの液状乳製品を主成分として製造される。よって、その種は粘性や流動性が高く、成形を困難にしていた。そこで、従来よりクリームコロッケを製造するために多くの手段が提案されてきた。例えば、クリームコロッケなどの粘性流動性を有する食品原料を型に流し込んで凍結し、その後、型から凍結成型物を剥離してクリームコロッケの中種を成型するものがある(例えば、特許文献1)。
また、クリームコロッケ等の流動性食品の成型に際しその重量のバラツキをなくす製造方法として、流動性食品を凍結し、フレーク状、小片状または粒状に破砕した後、得られた破砕物をモールド充填式成型機やモノポンプで押出し成型する製造方法がある(例えば、特許文献2)。
また、クリームコロッケの具の製造手段として、その具の主成分中の油脂に常温固体のパーム油を配合することにより、0〜4℃という低温まで冷却せずに10℃〜20℃程度の常温おいてコロッケ成形機を用いて成形を容易にするためものがある(例えば、特許文献3)。
さらに、クリームコロッケの中種を俵型に成形、凍結させて、これを包あん機を用いて餅生地で包んだ揚げ物の製造方法がある(例えば、特許文献4)。
【0003】
【特許文献1】
特開昭62−248474号公報(第2頁、第1図)
【特許文献2】
特開2000−354474号公報(第3頁)
【特許文献3】
特許第3268912号公報(第2頁)
【特許文献4】
特開平06−277012号公報(第3頁)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、成型用の型を使用する従来の成型手段では、製品の大きさに合わせた多くの型を準備する必要があり、その交換作業や洗浄などに多くの時間を費やさなければならないという問題があった。また、特開昭62−248474号公報に開示されるクリームコロッケ中種の成型手段は、型の搬送や凍結および解凍などその工程が複雑であり、設備も大規模化してしまうという問題がある。
また、特開2000−354474号公報に開示されるクリームコロッケの製造方法においては、その重量のバラツキが改善されるものの、専用の凍結、破砕装置が必要となり汎用的ではない。
また、特許3268912号公報に開示されるクリームコロッケの具の製造手段においては、常温での成形が可能となり成形しやすくなったものの、コロッケ成形機での成形に採用される手段であり、手作業に適するという記載はない。
従って、本発明は、成型用の型を使用することなく包あん機という汎用性の高い装置を用いて口溶けがよく、油ちょう時の破裂を抑制できるクリームコロッケの製造方法を提供する。さらに、低温まで冷却しなくとも常温にて手作業に適したクリームコロッケの製造方法を提供することを目的とする。なお、特開平06−277012号公報に開示された揚げ物の製造方法は、クリームコロッケを材料として包あん機で包被成形するものであるが、予め俵型に成形、凍結させたクリームコロッケの中種を餅生地で被覆して油ちょうしたものであり、その目的は新規な食感を得ようとするものであるのでクリームコロッケの製造方法とは異なるものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は前述の問題に鑑みてなされたものであり、小麦粉、油脂および牛乳などの液状乳製品を主成分とするクリームコロッケを製造するにあたり、前記主成分中の水分含有比率の異なる2つの材料を用い、水分含有比率の高い材料を内材として、水分含有比率の低い材料を外材として包あん機で包被成形することを特徴とするクリームコロッケの中種の製造方法である。
【0006】
また、上記クリームコロッケの中種を衣付けして油ちょうすることにより、外材と内材が略均一化することを特徴とするクリームコロッケの製造方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係るクリームコロッケの製造方法の実施例について説明する。図1は、本発明の実施の形態に係るクリームコロッケの油ちょう前の概略を示す断面説明図である。図2は、本発明の実施の形態に係るクリームコロッケの油ちょう後の概略を示す断面説明図である。
【0008】
まず、クリームコロッケの中種の外側を覆う外材の原料配合および内側の内材の原料配合を表1に示す。内材および外材の原料の主成分である小麦粉、油脂としてのバッターおよび加工乳製品(不二製油(株)製「プロベスト」)と水による液状乳製品の重量を比較すると、外材では小麦粉に対する液状乳製品の重量が7.4倍である。内材では、小麦粉に対する液状乳製品の重量が9.7倍と主成分中の水分含有率が外材に比べ高い比率で配合されている。なお、ここで使用する「プロベスト」とは、乳を主成分とする乳製品であり、無脂乳固形物20%、植物性脂肪分9%および香料などの食品添加物を含んだ液状の食品である。
【0009】
【表1】
【0010】
上記各原料を用いて、常法に基づいてクリームコロッケの種を加熱調理する。外材の製造工程を説明すると、まずバターを回転煮釜に入れ、弱火で溶融する。熱を加えながら小麦粉を少しずつ加えて炒める。そこに、鶏がらスープの粉末とフリーズドライされたチョップドオニオンを加えた液状乳製品(プロベストを水で希釈したもの)を少量ずつ加えてよく攪拌する。さらに塩と中双糖を加えて味を調整し、ゼラチンリーフを加えて攪拌する。内材に用いるクリームコロッケの種の製造工程は、外材の製造工程と同等であり、塩と中双糖を加えて味を調整した後にホールコーンを加える工程のみ相違する。これらの種を各々バットに移して室内に置き、24℃まで放冷した。
【0011】
放冷された各クリームコロッケの種をレオン自動機(株)製包あん機(型式:CN500型火星人)により包被成形する。この包あん機は、食品材料としての内材を供給する内材供給部と外材を供給する外材供給部を備え、内材供給部と連通する内ノズルを外材供給部と連通する外ノズルで同心状に囲撓した重合ノズル部を備えている。各供給部から食品材料を供給することにより内材を外材で被覆した棒状の食品材料が吐出される。さらに、重合ノズルの下方に包被切断装置を備えている。この包被切断装置は、シャッター片を複数枚組合せてその中央部分に開口を開閉自在設けたものであり、開口の閉動作により前記棒状食品材料から略球状の包被食品を包被切断成形するものである。そして、包被切断装置の下方には搬送コンベアをそなえている。搬送コンベアは上下動する包被切断装置と同調して上下動可能に設けられており、重合ノズル部から吐出される棒状食品材料を支持しながら包被切断成形を補助し、さらに、包被成形された包被食品を搬送するベルトコンベアである。
【0012】
(実施例1)主成分中の水分含有比率の高い内材3を内材供給部に投入し、水分含有重量比率の低い外材5を外材供給部に投入して重合ノズル部に供給し、内材3を外材5で被覆した丸棒状の食品材料を吐出する。そして、搬送コンベアで支持しながら包被切断装置により略球状に包被切断成形する。搬送コンベアで搬送される包被状のクリームコロッケの中種を手で拾い略円盤型に成形する。この中種は外材5が10g,内材3が20gで総重量30gあり、直径が約42mm,高さが約22mm,外材5の厚みが約2mmに成形された。この中種にバッター液およびパン粉付けによる衣7を付け、図1に示すようなクリームコロッケ1を成形した。このクリームコロッケ1を180℃の油で3分間油ちょう(フライ)してその食感を評価し、油ちょうによる破裂を観察した(表2参照)。
【0013】
(実施例2)実施例1で衣付けしたクリームコロッケ1を一晩冷凍庫で冷凍したものを180℃の油で4分30秒間油ちょうして食感を評価し、油ちょうによる破裂を観察した(表2参照)。
【0014】
(比較例A1)上記内材3のみを包あん機で30gに切断成形しようと試みた。しかしながら、重合ノズルから吐出されたクリームコッロッケの種は、水分含有比率が高いために流動性が高く、切断成形する前に落下してしまい定量に分割できなかった。さらに、この内材3を手で分割成形しようと試みたが、その粘性のために手に粘着してしまい成形できなかった。そこで、この内材3を冷凍庫で冷却し、固化したものを手で略円盤型に成形した。そして、実施例1と同様に衣付けし、180℃の油で3分間油ちょうして食感を評価し、油ちょうによる破裂を観察した(表2参照)。
【0015】
(比較例A2)比較例A1で衣付けしたクリームコロッケを一晩冷凍庫で冷凍したものを180℃の油でで4分30秒間油ちょうして食感を評価し、油ちょうによる破裂を観察した(表2参照)。
【0016】
(比較例B1)上記外材5のみを包あん機で30gに切断成形した。外材5は内材3に比べて主成分中の水分含有比率が低いため粘性や流動性が低く、重合ノズルからの落下もなく安定して分割できた。また、分割された外材を手で略円盤型に成形することも容易であった。この外材を実施例1と同様に衣付けし、180℃の油で3分間油ちょうして食感を評価し、油ちょうによる破裂を観察した(表2参照)。
【0017】
(比較例B2)上記比較例B1で衣付けしたクリームコロッケを一晩冷凍庫で冷凍したものを180℃の油で4分30秒間油ちょうして食感を評価し、油ちょうによる破裂を観察した(表2参照)。
それらの結果は、表2に示すとおりであった。
【0018】
【表2】
【0019】
食感を比較すると実施例1および2による包被状のクリームコロッケ1は口溶けがよいと評価できた。これは、図2に示すように油ちょうにより外材5が内材3と略一体化して内材のみによるクリームコロッケであるかのように感じられるためである。しかしながら、比較例B1およびB2による外材5のみのクリームコロッケは口溶けがよくないと評価された。これは、この外材5が一般的に作られるクリームコロッケに比べ、配合される水分の比率が低いためである。
【0020】
次に、油ちょうによる破裂の発生を比較する。実施例1,2および比較例B1,B2のクリームコロッケは、前記油ちょう時間内での破裂は確認できなかった。しかしながら、比較例A1およびA2による内材3のみのクリームコロッケでは、油ちょうが終わる前(衣がキツネ色になる前、浮きあがる前)から破裂するものが有り、比較例A1ではその約70%が破裂し、比較例A2ではその約62%が破裂した。この結果により、主成分中の水分の含有比率が高い内材を水分含有比率の低い外材で被覆することにより、油ちょう時の破裂を抑制できることが確認できた。
【0021】
本発明の実施の形態に係るクリームコロッケの製造については、概ね上記のとおりであるが、原料およびその配合は実施例で示したものに限らず、その嗜好に応じて変更可能である。例えば、本実施例で用いた液状乳製品は、プロベストに代表されるような乳製品に水を加えたものを使用したが、牛乳を用いて主成分中の水分含有比率を調整してもよく、さらには、水を加えてその比率を調整しても同様の効果が得られる。また、ホールコーンの缶詰の汁を主成分に配合し液状乳製品を調整してもよい。調味料や香辛料あるいはコーンに代表されるような粒状物については、適宜選択、配合すればよい。
【0022】
また、包あん機を使用することにより、クリームコロッケの重量や外材と内材の比率を自由に設定できる。本発明に係る実施においては、外材の比率は少ないほうが食感にあたえる影響が少ないが、内材と外材の調整によりそれらの比率は変更が可能である。また、包あん機は、実施例で用いた装置だけでなく、内材を外材で同心状に被覆して吐出するノズル部と、その吐出された棒状食品材料から包被食品を成形する包被切断装置を備えたものであればよい。
【0023】
また、クリームコロッケの中種を目的とする形状に成形するにあたり、手作業で成形するばかりではなく、ローラーや布などを用いた二次成形装置を用いて、小判型や俵型に成形することも可能である。
【0024】
【発明の効果】
以上の説明により理解されるように、本発明は、包あん機を用いて、主成分中の水分含有比率の高い内材を水分含有率の低い外材で包被成形してクリームコロッケの中種を成形する手段を採用した。このことにより、成形前にクリームコロッケの種(外材と内材)を冷却する必要がなく、常温での成形が可能となった。さらに、クリームコロッケの中種の表面の粘性が低くなり手で容易に扱えたり、成形機による俵型や小判型などの二次成形が容易にできるようになった。また、包あん機を用いることにより簡単な装置で重量の設定が自由に行えるなど汎用性が高くなった。
【0025】
また、前記クリームコロッケの中種を衣付けし、油ちょうする際に、破裂を抑制することができた。さらに、油ちょうされたクリームコロッケは、外材と内材が略一体化して内材だけで成形したかのような口溶けのよいクリームコロッケができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るクリームコロッケの油ちょう前の概略を示す断面説明図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るクリームコロッケの油ちょう後の概略を示す断面説明図である。
【符号の説明】
1 クリームコロッケ
3 内材
5 外材
7 衣材
【発明の属する技術分野】
本発明は、クリームコロッケの製造方法に関する。さらに詳しくは、包あん機を用いてクリームコロッケの中種を包被成形し、さらには、その中種を用いたクリームコロッケの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
クリームコロッケは小麦粉、バターなどの油脂および牛乳などの液状乳製品を主成分として製造される。よって、その種は粘性や流動性が高く、成形を困難にしていた。そこで、従来よりクリームコロッケを製造するために多くの手段が提案されてきた。例えば、クリームコロッケなどの粘性流動性を有する食品原料を型に流し込んで凍結し、その後、型から凍結成型物を剥離してクリームコロッケの中種を成型するものがある(例えば、特許文献1)。
また、クリームコロッケ等の流動性食品の成型に際しその重量のバラツキをなくす製造方法として、流動性食品を凍結し、フレーク状、小片状または粒状に破砕した後、得られた破砕物をモールド充填式成型機やモノポンプで押出し成型する製造方法がある(例えば、特許文献2)。
また、クリームコロッケの具の製造手段として、その具の主成分中の油脂に常温固体のパーム油を配合することにより、0〜4℃という低温まで冷却せずに10℃〜20℃程度の常温おいてコロッケ成形機を用いて成形を容易にするためものがある(例えば、特許文献3)。
さらに、クリームコロッケの中種を俵型に成形、凍結させて、これを包あん機を用いて餅生地で包んだ揚げ物の製造方法がある(例えば、特許文献4)。
【0003】
【特許文献1】
特開昭62−248474号公報(第2頁、第1図)
【特許文献2】
特開2000−354474号公報(第3頁)
【特許文献3】
特許第3268912号公報(第2頁)
【特許文献4】
特開平06−277012号公報(第3頁)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、成型用の型を使用する従来の成型手段では、製品の大きさに合わせた多くの型を準備する必要があり、その交換作業や洗浄などに多くの時間を費やさなければならないという問題があった。また、特開昭62−248474号公報に開示されるクリームコロッケ中種の成型手段は、型の搬送や凍結および解凍などその工程が複雑であり、設備も大規模化してしまうという問題がある。
また、特開2000−354474号公報に開示されるクリームコロッケの製造方法においては、その重量のバラツキが改善されるものの、専用の凍結、破砕装置が必要となり汎用的ではない。
また、特許3268912号公報に開示されるクリームコロッケの具の製造手段においては、常温での成形が可能となり成形しやすくなったものの、コロッケ成形機での成形に採用される手段であり、手作業に適するという記載はない。
従って、本発明は、成型用の型を使用することなく包あん機という汎用性の高い装置を用いて口溶けがよく、油ちょう時の破裂を抑制できるクリームコロッケの製造方法を提供する。さらに、低温まで冷却しなくとも常温にて手作業に適したクリームコロッケの製造方法を提供することを目的とする。なお、特開平06−277012号公報に開示された揚げ物の製造方法は、クリームコロッケを材料として包あん機で包被成形するものであるが、予め俵型に成形、凍結させたクリームコロッケの中種を餅生地で被覆して油ちょうしたものであり、その目的は新規な食感を得ようとするものであるのでクリームコロッケの製造方法とは異なるものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は前述の問題に鑑みてなされたものであり、小麦粉、油脂および牛乳などの液状乳製品を主成分とするクリームコロッケを製造するにあたり、前記主成分中の水分含有比率の異なる2つの材料を用い、水分含有比率の高い材料を内材として、水分含有比率の低い材料を外材として包あん機で包被成形することを特徴とするクリームコロッケの中種の製造方法である。
【0006】
また、上記クリームコロッケの中種を衣付けして油ちょうすることにより、外材と内材が略均一化することを特徴とするクリームコロッケの製造方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係るクリームコロッケの製造方法の実施例について説明する。図1は、本発明の実施の形態に係るクリームコロッケの油ちょう前の概略を示す断面説明図である。図2は、本発明の実施の形態に係るクリームコロッケの油ちょう後の概略を示す断面説明図である。
【0008】
まず、クリームコロッケの中種の外側を覆う外材の原料配合および内側の内材の原料配合を表1に示す。内材および外材の原料の主成分である小麦粉、油脂としてのバッターおよび加工乳製品(不二製油(株)製「プロベスト」)と水による液状乳製品の重量を比較すると、外材では小麦粉に対する液状乳製品の重量が7.4倍である。内材では、小麦粉に対する液状乳製品の重量が9.7倍と主成分中の水分含有率が外材に比べ高い比率で配合されている。なお、ここで使用する「プロベスト」とは、乳を主成分とする乳製品であり、無脂乳固形物20%、植物性脂肪分9%および香料などの食品添加物を含んだ液状の食品である。
【0009】
【表1】
【0010】
上記各原料を用いて、常法に基づいてクリームコロッケの種を加熱調理する。外材の製造工程を説明すると、まずバターを回転煮釜に入れ、弱火で溶融する。熱を加えながら小麦粉を少しずつ加えて炒める。そこに、鶏がらスープの粉末とフリーズドライされたチョップドオニオンを加えた液状乳製品(プロベストを水で希釈したもの)を少量ずつ加えてよく攪拌する。さらに塩と中双糖を加えて味を調整し、ゼラチンリーフを加えて攪拌する。内材に用いるクリームコロッケの種の製造工程は、外材の製造工程と同等であり、塩と中双糖を加えて味を調整した後にホールコーンを加える工程のみ相違する。これらの種を各々バットに移して室内に置き、24℃まで放冷した。
【0011】
放冷された各クリームコロッケの種をレオン自動機(株)製包あん機(型式:CN500型火星人)により包被成形する。この包あん機は、食品材料としての内材を供給する内材供給部と外材を供給する外材供給部を備え、内材供給部と連通する内ノズルを外材供給部と連通する外ノズルで同心状に囲撓した重合ノズル部を備えている。各供給部から食品材料を供給することにより内材を外材で被覆した棒状の食品材料が吐出される。さらに、重合ノズルの下方に包被切断装置を備えている。この包被切断装置は、シャッター片を複数枚組合せてその中央部分に開口を開閉自在設けたものであり、開口の閉動作により前記棒状食品材料から略球状の包被食品を包被切断成形するものである。そして、包被切断装置の下方には搬送コンベアをそなえている。搬送コンベアは上下動する包被切断装置と同調して上下動可能に設けられており、重合ノズル部から吐出される棒状食品材料を支持しながら包被切断成形を補助し、さらに、包被成形された包被食品を搬送するベルトコンベアである。
【0012】
(実施例1)主成分中の水分含有比率の高い内材3を内材供給部に投入し、水分含有重量比率の低い外材5を外材供給部に投入して重合ノズル部に供給し、内材3を外材5で被覆した丸棒状の食品材料を吐出する。そして、搬送コンベアで支持しながら包被切断装置により略球状に包被切断成形する。搬送コンベアで搬送される包被状のクリームコロッケの中種を手で拾い略円盤型に成形する。この中種は外材5が10g,内材3が20gで総重量30gあり、直径が約42mm,高さが約22mm,外材5の厚みが約2mmに成形された。この中種にバッター液およびパン粉付けによる衣7を付け、図1に示すようなクリームコロッケ1を成形した。このクリームコロッケ1を180℃の油で3分間油ちょう(フライ)してその食感を評価し、油ちょうによる破裂を観察した(表2参照)。
【0013】
(実施例2)実施例1で衣付けしたクリームコロッケ1を一晩冷凍庫で冷凍したものを180℃の油で4分30秒間油ちょうして食感を評価し、油ちょうによる破裂を観察した(表2参照)。
【0014】
(比較例A1)上記内材3のみを包あん機で30gに切断成形しようと試みた。しかしながら、重合ノズルから吐出されたクリームコッロッケの種は、水分含有比率が高いために流動性が高く、切断成形する前に落下してしまい定量に分割できなかった。さらに、この内材3を手で分割成形しようと試みたが、その粘性のために手に粘着してしまい成形できなかった。そこで、この内材3を冷凍庫で冷却し、固化したものを手で略円盤型に成形した。そして、実施例1と同様に衣付けし、180℃の油で3分間油ちょうして食感を評価し、油ちょうによる破裂を観察した(表2参照)。
【0015】
(比較例A2)比較例A1で衣付けしたクリームコロッケを一晩冷凍庫で冷凍したものを180℃の油でで4分30秒間油ちょうして食感を評価し、油ちょうによる破裂を観察した(表2参照)。
【0016】
(比較例B1)上記外材5のみを包あん機で30gに切断成形した。外材5は内材3に比べて主成分中の水分含有比率が低いため粘性や流動性が低く、重合ノズルからの落下もなく安定して分割できた。また、分割された外材を手で略円盤型に成形することも容易であった。この外材を実施例1と同様に衣付けし、180℃の油で3分間油ちょうして食感を評価し、油ちょうによる破裂を観察した(表2参照)。
【0017】
(比較例B2)上記比較例B1で衣付けしたクリームコロッケを一晩冷凍庫で冷凍したものを180℃の油で4分30秒間油ちょうして食感を評価し、油ちょうによる破裂を観察した(表2参照)。
それらの結果は、表2に示すとおりであった。
【0018】
【表2】
【0019】
食感を比較すると実施例1および2による包被状のクリームコロッケ1は口溶けがよいと評価できた。これは、図2に示すように油ちょうにより外材5が内材3と略一体化して内材のみによるクリームコロッケであるかのように感じられるためである。しかしながら、比較例B1およびB2による外材5のみのクリームコロッケは口溶けがよくないと評価された。これは、この外材5が一般的に作られるクリームコロッケに比べ、配合される水分の比率が低いためである。
【0020】
次に、油ちょうによる破裂の発生を比較する。実施例1,2および比較例B1,B2のクリームコロッケは、前記油ちょう時間内での破裂は確認できなかった。しかしながら、比較例A1およびA2による内材3のみのクリームコロッケでは、油ちょうが終わる前(衣がキツネ色になる前、浮きあがる前)から破裂するものが有り、比較例A1ではその約70%が破裂し、比較例A2ではその約62%が破裂した。この結果により、主成分中の水分の含有比率が高い内材を水分含有比率の低い外材で被覆することにより、油ちょう時の破裂を抑制できることが確認できた。
【0021】
本発明の実施の形態に係るクリームコロッケの製造については、概ね上記のとおりであるが、原料およびその配合は実施例で示したものに限らず、その嗜好に応じて変更可能である。例えば、本実施例で用いた液状乳製品は、プロベストに代表されるような乳製品に水を加えたものを使用したが、牛乳を用いて主成分中の水分含有比率を調整してもよく、さらには、水を加えてその比率を調整しても同様の効果が得られる。また、ホールコーンの缶詰の汁を主成分に配合し液状乳製品を調整してもよい。調味料や香辛料あるいはコーンに代表されるような粒状物については、適宜選択、配合すればよい。
【0022】
また、包あん機を使用することにより、クリームコロッケの重量や外材と内材の比率を自由に設定できる。本発明に係る実施においては、外材の比率は少ないほうが食感にあたえる影響が少ないが、内材と外材の調整によりそれらの比率は変更が可能である。また、包あん機は、実施例で用いた装置だけでなく、内材を外材で同心状に被覆して吐出するノズル部と、その吐出された棒状食品材料から包被食品を成形する包被切断装置を備えたものであればよい。
【0023】
また、クリームコロッケの中種を目的とする形状に成形するにあたり、手作業で成形するばかりではなく、ローラーや布などを用いた二次成形装置を用いて、小判型や俵型に成形することも可能である。
【0024】
【発明の効果】
以上の説明により理解されるように、本発明は、包あん機を用いて、主成分中の水分含有比率の高い内材を水分含有率の低い外材で包被成形してクリームコロッケの中種を成形する手段を採用した。このことにより、成形前にクリームコロッケの種(外材と内材)を冷却する必要がなく、常温での成形が可能となった。さらに、クリームコロッケの中種の表面の粘性が低くなり手で容易に扱えたり、成形機による俵型や小判型などの二次成形が容易にできるようになった。また、包あん機を用いることにより簡単な装置で重量の設定が自由に行えるなど汎用性が高くなった。
【0025】
また、前記クリームコロッケの中種を衣付けし、油ちょうする際に、破裂を抑制することができた。さらに、油ちょうされたクリームコロッケは、外材と内材が略一体化して内材だけで成形したかのような口溶けのよいクリームコロッケができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るクリームコロッケの油ちょう前の概略を示す断面説明図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るクリームコロッケの油ちょう後の概略を示す断面説明図である。
【符号の説明】
1 クリームコロッケ
3 内材
5 外材
7 衣材
Claims (2)
- 小麦粉、油脂および牛乳などの液状乳製品を主成分とするクリームコロッケを製造するにあたり、前記主成分中の水分含有比率の異なる2つの材料を用い、水分含有比率の高い材料を内材として、水分含有比率の低い材料を外材として包あん機で包被成形することを特徴とするクリームコロッケの中種の製造方法。
- 請求項1に記載のクリームコロッケの中種を衣付けして油ちょうすることにより、外材と内材が略均一化することを特徴とするクリームコロッケの製造方法。
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---|---|---|---|
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-
2003
- 2003-05-13 JP JP2003134151A patent/JP2004337013A/ja active Pending
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