JP2004336079A - 化合物単結晶の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】炭化珪素や窒化ガリウムなどの化合物半導体単結晶を、エピタキシャル成長法を利用して製造する方法であって、面欠陥密度がより低い化合物単結晶を得ることができる方法を提供すること。
【解決手段】単結晶基板の表面にこの基板と同一または異なる化合物単結晶層の2層以上を順次エピタキシャル成長させる化合物単結晶の製造方法。前記基板表面の少なくとも一部が一方向に延在する複数の起伏を有し、かつ2回目以降のエピタキシャル成長は、直前に形成された化合物単結晶層の表面の少なくとも一部に一方向に延在する複数の起伏を形成した後に行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子材料として有用な炭化珪素単結晶を含む化合物単結晶の製造方法に関する。特に本発明は、半導体装置を作製する上で好ましい低欠陥密度、または結晶格子歪みの少ない炭化珪素単結晶を含む化合物単結晶(例えば、半導体)の製造方法に関する。
従来、炭化珪素の成長は、昇華法によるバルク成長と、基板上へのエピタキシャル成長による薄膜形成とに分類されてきた。昇華法によるバルク成長では、高温相の結晶多形である六方晶(6H、4H等)炭化珪素の成長が可能であり、かつ、炭化珪素自体の基板作製が実現されてきた。しかしながら、結晶内に導入される欠陥(特にマイクロパイプ)が極めて多く、かつ、基板面積の拡大が困難であった。これに対し、単結晶基板上へのエピタキシャル成長法を用いると、不純物添加の制御性向上や基板面積の拡大、そして昇華法で問題となっていたマイクロパイプの低減が実現される。しかしながら、エピタキシャル成長法では、しばしば基板材料と炭化珪素の格子常数の違いによる積層欠陥密度の増大が問題となっていた。特に、被成長基板として一般に用いられている珪素は、炭化珪素との格子不整合が大きいことから、炭化珪素成長層内における双晶(Twin)や反位相領域境界面(APB:anti phase boundary)の発生が著しく、これらがリーク電流などの原因のひとつとなり炭化珪素の電子素子としての特性を損なわせてきた。
効果的に反位相領域境界面を低減する方法として、K.Shibaharaらにより、表面法線軸を<001>方向から<110>方向に僅かに傾けた(オフ角を導入した)珪素(001)表面基板(図3参照)上への成長法が提案された。(アプライド フィジクス レター50巻、1987年、1888頁)。この方法では、基板に微傾斜をつけることで、原子レベルのステップが一方向に等間隔で導入されるため、気相成長法ではステップフローによるエピタキシャル成長がもたらされ、導入されたステップに垂直な方向(ステップを横切る方向)への面欠陥の伝搬を抑制する効果がある。このため、炭化珪素の膜厚増加に対して、膜中に含まれる二種類の反位相領域の内、導入されたステップに平行な方向へ拡大する反位相領域が、直交する方向へ拡大する反位相領域に比べて優先的に拡大するため、反位相領域境界面を効果的に低減することができる。しかしながら、図4に示すように、この方法は炭化珪素/珪素基板界面のステップ密度の増加により、不本意な反位相領域境界面1および双晶の生成を引き起こしてしまい、反位相領域境界面の完全解消には至らないという問題がある。なお、図4において、1は珪素基板の単原子ステップにて発生した反位相領域境界面、2は反位相領域境界面会合点、3は珪素基板表面テラスにて発生した反位相領域境界面、θはオフ角度、φはSi(001)面と反位相領域境界面のなす角(54.7°)を示している。珪素基板表面テラスにて発生した反位相領域境界面3は反位相領域境界面会合点2で消滅するが、珪素基板の単原子ステップにて発生した反位相領域境界面1は会合相手がなく、消滅しない。
K.Shibaharaら、アプライド フィジクス レター50巻、1987年、1888頁
このような炭化珪素内の面欠陥(Twin、APB)を低減する方法として、本出願人は、珪素基板表面に一方向に平行に延在する起伏を具備し、起伏加工を施された基板上に炭化珪素のエピタキシャル成長を実施することで、炭化珪素内に伝搬する面欠陥を解消する技術を提案した(特願2000-365443、特願平11-288844)。起伏形状を珪素基板上に具備した効果とは、図5のようにオフ斜面が互いに対向して珪素基板上に配置しているため、向かい合う面欠陥同士が図6のように互いに会合し、消滅し合うものである。
この方法により、面欠陥は大幅に解消された炭化珪素が得られるようになった。しかしながら、対向する面欠陥が会合し、消滅する際、会合するどちらか一方の面欠陥は残留し、伝搬を続けることになる。現実的な珪素基板上の起伏形状と炭化珪素の板厚、例えば起伏間隔2μmで炭化珪素の板厚が200μmでは、残留する面欠陥密度は単純計算(ひとつの起伏からひとつの面欠陥が残留し伝搬すると仮定した場合)で最小約30本/cmということになる。これらが完全解消するためには、炭化珪素の口径を1.41倍した板厚が必要となり(一番端の面欠陥が伝搬し終える箇所が成長表面ではなくなるまでの厚さ)、気相成長法などを用いる場合には成長時間がかかりすぎ、非現実的な厚さとなってしまう。
また、炭化珪素以外に窒化ガリウムなどの化合物半導体は、青色LEDやパワーデバイス用材料として期待されている。近年、窒化ガリウムを炭化珪素基板上に成長させる報告事例が多い。それは、炭化珪素を窒化ガリウム成長用下地基板として用いることで、電極を形成しやすい、放熱が行いやすい、結晶の劈開方向が同じであるためハンドリングや加工が行いやすいなどの利点があるからである。しかし、大面積で高品質な炭化珪素基板を得る事が難しく、また、比較的格子定数の差が小さい炭化珪素と言えども界面の格子不整合により窒化ガリウム成長層に面欠陥が伝搬してしまうことが課題となっている。珪素基板上の炭化珪素成長と同様に、欠陥を解消する対策を検討しなくてはならない。
そこで本発明の目的は、炭化珪素や窒化ガリウムなどの化合物半導体単結晶を、エピタキシャル成長法を利用して製造する方法であって、面欠陥密度がより低い化合物単結晶を得ることができる方法を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明は以下の通りである。
(1)単結晶基板の表面にこの基板と同一または異なる化合物単結晶層の2層以上を順次エピタキシャル成長させる化合物単結晶の製造方法であって、
前記基板表面の少なくとも一部が一方向に延在する複数の起伏を有し、かつ2回目以降のエピタキシャル成長は、直前に形成された化合物単結晶層の表面の少なくとも一部に一方向に延在する複数の起伏を形成した後に行うことを特徴とする方法。
(2)化合物単結晶層が単結晶基板と異なる化合物単結晶であり、化合物単結晶層を構成する化合物単結晶と単結晶基板を構成する単結晶とは、相似形の空間格子を有する(1)に記載の製造方法。
(3)単結晶基板表面に延在する複数の起伏の方向と、該基板表面に形成された化合物単結晶層の表面に設けられる複数の起伏の延在方向は同一または直交する(1)または(2)に記載の製造方法。
(4)成長方向に隣接して設けられる化合物単結晶層の表面に設けられる複数の起伏の延在方向は同一または直交する(1)〜(3)のいずれかに記載の製造方法。
(5)単結晶基板が単結晶SiCである(1)〜(4)のいずれかに記載の製造方法。
(6)化合物単結晶層が単結晶SiCであるか、または窒化ガリウム、窒化アルミニウム、窒化アルミガリウムである(1)〜(5)のいずれかに記載の製造方法。
(7)単結晶SiC基板が、基底面が(001)面である立方晶SiCであまか、または基底面が(11−20)面若しくは(1−100)面である六方晶SiCである(1)〜(6)のいずれかに記載の製造方法。
本発明によれば、炭化珪素や窒化ガリウムなどの化合物半導体単結晶を、エピタキシャル成長法を利用して製造する方法であって、面欠陥密度がより低い化合物単結晶を得ることができる方法を提供することができる。
本発明の化合物単結晶の製造方法では、単結晶基板の表面にこの基板と同一または異なる化合物単結晶層の2層以上を順次エピタキシャル成長させる。
そして、単結晶基板としては、基板表面の少なくとも一部に一方向に延在する複数の起伏を設けたもの(以下、起伏加工単結晶基板ということがある)を使用すること、2回目以降のエピタキシャル成長は、直前に形成された化合物単結晶層の表面の少なくとも一部に一方向に延在する複数の起伏を形成した後に行うことを特徴とする。
起伏加工単結晶基板の表面に単結晶を積層していくと、徐々に起伏の高低差が淘汰され、単結晶層の厚さ数十μm程度で平滑な鏡面が得られる。したがって、膜厚がそれ以上になると、ステップ密度が低いために二次元核発生による成長がもたらされる。もしも界面から伝搬する伝搬性面欠陥が残留していた場合は、そのまま対向する面欠陥と会合するまで成長表面へ伝搬し続ける。
本発明の製造方法では、起伏加工単結晶基板の表面に単結晶層をエピタキシャル成長により形成し、さらにこの単結晶層表面に再度起伏加工を施す。これにより、単結晶層の基底面上に現れていた極性面が一旦排除され、新たに形成された起伏のオフ斜面効果によるステップフロー成長がもたらされる。そして、ステップからテラス幅方向への成長が支配的になり、界面からの面欠陥の伝搬を抑制する効果が得られる。その結果、起伏加工を施した単結晶基板の表面に単結晶層を形成する方法に比べて、面欠陥を低減することができる。起伏加工を施した単結晶基板の表面に単結晶層を形成する方法では、面欠陥同士が自然に会合して解消するのを待たなくてはならなかったが、本発明の製造方法では、従来の方法と比べて早期の段階で欠陥を解消することができる。
単結晶基板用単結晶としては、例えば、単結晶SiCを挙げることができ、さらに、具体的には、単結晶SiC基板は、基底面が(001)面である立方晶SiCであるか、または基底面が(11−20)面若しくは(1−100)面である六方晶SiCであることができる。上記以外の単結晶基板としては、例えば、単結晶Si基板を挙げることができる。
化合物単結晶層を構成する結晶としては、例えば、SiCや窒化ガリウム、窒化アルミニウム、窒化アルミガリウム、窒化インジウムガリウム等を挙げることができる。
本発明の化合物単結晶の製造方法は、単結晶基板と同一または異なる化合物単結晶層の製造方法であるが、化合物単結晶層が単結晶基板と異なる化合物単結晶である場合には、化合物単結晶層を構成する化合物単結晶と単結晶基板を構成する単結晶とが相似形の空間格子を有する場合に特に有効である。
2つの単結晶が相似形の空間格子を有するとは、結晶の構成単位(基本単位構造)の原子の位置関係が相似であり、かつ原子間の結合方位も一致しており、同一の結晶軸方向に成長する(エピタキシャル成長)するという意味である。
また、相似形の空間格子を有する2つの単結晶としては、例えば、立方晶GaN/立方晶SiC、六方晶GaN/六方晶SiC、六方晶AlN/六方晶SiC、六方晶AlGaN/六方晶SiC、立方晶AlN/立方晶SiC、六方晶(4H)SiC/六方晶(6H)SiC等を挙げることができる。
単結晶基板の表面に施される起伏加工及び単結晶層表面に施される起伏加工について説明する。
単結晶基板の表面に施される起伏及び単結晶層表面に施される起伏は、一方向に延在する複数の起伏であり、単結晶層中の反位相領域境界面等の面欠陥を低減又は解消しうるものであれば特に制限はなく、より具体的には、各起伏の斜面においてK.Shibaharaらにより示されたオフ角の導入効果を得ることができる起伏である。但し、本発明でいう起伏は、数学的に厳密な意味での平行性や鏡面対称関係を要求されるわけではなく、面欠陥を効果的に低減又は解消しうるのに十分な程度の形態を有していればよい。
例えば、前記起伏は中心線平均粗さが3〜1000nmの範囲にあり、この起伏の斜面の斜度は、成長基板表面と、発生するツインバンド等の面欠陥とがなす角度より小さい角度であることができる。例えば、立方晶の結晶層では解消したい欠陥の面である{111}面と成長面(水平な面)である(001)面のなす角、即ち、54.7°以下の傾き、好ましくは1°から54.7°の範囲の傾きを有しているものであることができる(図7参照)。また、六方晶の場合、例えば、成長面(0001)に対して、{1−101}のなす角度より小さい角度(角度は結晶の格子定数によって異なる)であることができる。また、M面(01−10)やR面(1−102)に対してはC軸(0001)となす角以下の角度であることができる。
成長面と発生する面欠陥の例をいくつか挙げたが、これらはあくまでも例であり、斜度は上記に限られない。成長面と発生する面欠陥がなす角度より小さい斜度を有する起伏であれば、起伏の効果は得られる。即ち、対向する斜面から発生する面欠陥が対向した面欠陥同士衝突し、解消し得るに十分な角度であれば良い。
さらに前記起伏は、起伏が延在する方向と直交する断面において、斜面同士が隣接する部分の形状が曲線状であることができる。
ここでいう起伏は、山部と谷部の繰り返しにより形成され、所謂原子ステップ(atomic steps)ではなく、後述のように、原子ステップよりマクロな寸法を有するものである。そのような起伏は、例えば、中心線平均粗さが3〜1000nmの範囲にある起伏であり、上記山部は、基底面に対して、例えば、立方晶の場合、上述のように、1〜54.7°の傾きを持った斜面を有しているものであることができる。中心線平均粗さが3nm以上であれば効果的なオフ角が得られ易く、面欠陥の発生密度が低くなる。また、中心線平均粗さが1000nm以下であれば、面欠陥同士が衝突し解消する確率が高くなる。中心線平均粗さは10nm以上であること、及び100nm以下であることが望ましい。
尚、基板表面の中心線平均粗さは、B0601-1982(JISハンドブック1990)で定義される中心線平均粗さ(Ra)であり、粗さ曲線からその中心線の方向に測定長さLの部分を抜き取り、この抜き取り部分の中心線をX軸、縦倍率の方向をY軸とし、粗さ曲線をy=f(x)で表したとき、次式で表される値を(μm)で表したものをいう。
Figure 2004336079
尚、上記JIS B0601-1982での定義では、中心線平均粗さの単位はμmであるが、本発明ではナノメーター(nm)を使用する。また、中心線平均粗さ(Ra)を求めるための粗さ曲線は、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて測定される。
さらに、上記起伏の斜面の斜度は1°以上、及び54.7°以下の範囲内であることが好ましい。
本発明の方法では、被成長基板または単結晶層表面における原子レベルのステップ近傍での炭化珪素等の化合物単結晶の成長を促進することにより、その効果が発揮されることから、起伏の斜度は、斜面全面が単一ステップに覆われる(111)面の斜度54.7°以下の傾斜において本発明が実現される。
また、1°未満の斜度においては起伏斜面のステップ密度が著しく減少するため、起伏の斜面の傾斜は1°以上である。さらに、起伏の斜面の傾斜角は2°以上であること、及び10°以下であることが好ましい。
なお、本発明において「起伏の斜面」は、平面、曲面などのあらゆる形態を含む。また、本発明において「起伏の斜面の斜度」は、本発明の効果に寄与する実質的な斜面の斜度を意味し、斜面の平均斜度を意味する。平均斜度とは、基板表面または単結晶層表面の結晶方位面と斜面の交わる角度(評価領域の平均値)を意味する。
さらに、上記起伏が延在する方向と直交する断面において、基板または単結晶層表面に存在する斜面同士が隣接する部分の形状が曲線状であることが好ましい。斜面同士が隣接する部分とは、表面に延在する起伏の溝の部分と尾根の部分であり、溝の底の部分も尾根の頂上も断面の形状が曲線状である。起伏が延在する方向と直交する断面における起伏の断面形状は、波長及び波高は一定である必要はないが、1種の正弦波のような形状を有する。このように溝の底の部分も尾根の頂上も断面の形状が曲線状であることで、面欠陥密度を低減することが可能である。
上記のように、基板表面及び単結晶層表面に複数の起伏を具備させることにより、各起伏の斜面においてK.Shibaharaらにより示されたオフ角の導入効果を得ることが可能となる。起伏頂部の間隔は、基板及単結晶層への起伏作製における微細加工技術の限度の観点からは0.01μm以上が好ましい。また、起伏頂部の間隔が1000μmを超えると反位相領域境界面どうしの会合の頻度が極端に低下するため、起伏頂部の間隔は1000μm以下であることが望ましい。さらに、本発明の効果が十分に発揮されるという観点から望ましい起伏頂部の間隔は、0.1μm以上であり、100μm以下である。
起伏の高低差及び間隔は起伏の傾斜度、つまりステップ密度を左右する。好ましいステップ密度は結晶成長条件によって変化するため一概には言えないが、通常必要な起伏高低差は起伏頂部間隔と同程度、つまり0.01μm以上20μm以下である。各起伏は、基底面に対し90°より小さい勾配を持った斜面が互いに対向するようにして形成されており、かつ基底面に対する表面の傾斜角を全表面にわたり積分した場合、その値が実質的に0°になるような形状に形成されているのが好ましい。
本発明では、上記のような基板及び単結晶層全体、又は基板及び単結晶層の一部の領域(但し、この領域は前記複数の起伏を有する)を、一つの成長域として、その上に、化合物単結晶膜を連続的に形成させる。基板及び単結晶層にこのような形状の起伏を設けることにより、まず基板上への単結晶層の成長に従って、斜面に存在するステップから発生し、成長する反位相領域境界面を前記複数の起伏間で互いに会合させることが可能であり、さらには、単結晶層に起伏を導入することで基底面上に現れていた極性面が一旦排除され、新たに形成された起伏のオフ斜面効果によるステップフロー成長がもたらされる。そのため、反位相領域境界面を効果的に消滅させて取り除くことが出来、欠陥の少ない化合物単結晶を得ることができる。
成長基板表面(例えば立方晶炭化珪素(001)面)にオフ斜面を形成する方法は、オフにカットする方法が考えられるが、例えば最もオフの効果が得られる4°というオフ斜面を得るためには、6インチφの基板では最低でも板厚10.5mm以上必要となる(10.5mmの板厚が得られないと4°にカットしても6インチ面の領域を得ることができない)。実際にはカットする際に取りしろが必要になるため、12〜20 mm厚必要となろう。しかしながら、起伏加工を施すことで、数μm厚の3C-SiC表面に対向するオフ斜面を形成することが可能となり、ステップフローモードでのエピタキシャル成長を導入できる。
基板及び単結晶層の表面に上記のような形状を有する起伏を形成するには、例えば、光リソグラフィ技術、プレス加工技術、レーザー加工や超音波加工技術、研磨加工技術などを用いることができる。何れの方法を用いる場合でも、被成長基板表面及び単結晶層の最終形態が、反位相領域境面を効果的に低減または解消し得るのに十分な程度の形態を有していれば良い。
光リソグラフィ技術を用いれば、基板又は単結晶層に転写するマスクパターンを任意に形成することで、任意の起伏形状を被成長基板又は単結晶層に転写することが可能である。パターンの、例えば線幅を変えることで起伏形状の幅を制御することが可能であり、また、レジストと基板又は単結晶層のエッチング選択比を制御することで起伏形状の深さや斜面の角度を制御することが可能である。基板又は単結晶層表面の起伏が延在する方向と直交する断面において、斜面同士が隣接する部分の形状が曲線状である基板を形成する場合には、レジストにパターン転写した後、熱処理によりレジストを軟化させることで、断面曲線状(波状形状)の起伏パターンを形成することが可能である。
プレス加工技術を用いれば、プレス用の型を任意に形成することで、被成長基板又は単結晶層上に任意の起伏形状を形成することが可能である。様々な形状の型を形成することで、様々な形状の起伏形状を被成長基板上に形成できる。
レーザー加工や超音波加工技術を用いれば、基板又は単結晶層に直接起伏形状を加工形成するのでより微細な加工が可能である。
研磨加工を用いれば、研磨の砥粒径の大きさや加工圧力を変化することで、起伏形状の幅や深さを制御することが可能である。一方向起伏形状を設けた基板又は単結晶層を作製しようとする場合には、研磨は一方向のみに行われる。
ドライエッチング加工を用いれば、エッチングの条件とエッチング用マスクの形状を変化させることで、起伏形状の幅や深さを制御する事が可能である。基板又は単結晶層表面の起伏が延在する方向と直交する断面において、斜面同士が隣接する部分の形状が曲線状である基板を形成する場合は、エッチングマスクを被パターン転写基板から離して配置することにより、マスクと基板又は単結晶層の間でエッチングが拡散して行われるために、曲線状断面を有する波状のパターンを転写させることができる。また、マスクの窓の断面が被パターン転写基板側に末広がりの形の台形を有しているマスクでもよい。
本発明の製造方法においては、単結晶層表面への起伏の形成と、起伏を形成した単結晶層上への、新たな単結晶層の形成を少なくとも1回行う。単結晶層表面への起伏の形成と新たな単結晶層の形成とは、2回以上繰り返し行うこともでき、例えば、2〜10回の範囲で行うことができる。ただし、必要により10回を超える回数行うこともできる。
本発明の製造方法においては、単結晶基板表面に延在する複数の起伏の方向と、該基板表面に形成された化合物単結晶層の表面に設けられる複数の起伏の延在方向は、同一であっても、直交していてもよい。また、ある単結晶層表面に延在する複数の起伏の方向と、この単結晶層表面に形成された化合物単結晶層の表面に設けられる複数の起伏の延在方向は、同一であっても、直交していてもよい。
Si基板表面に延在する複数の起伏の方向と、この基板表面に形成された化合物単結晶層の表面に設けられる複数の起伏の延在方向が、同一である場合を図1に示す。この方法では、1)でSi基板表面に延在する複数の起伏が形成され、2)で、この基板表面に形成された化合物単結晶層が形成され、3)で、化合物単結晶層の表面に設けられる複数の起伏が設けられ(この起伏の延在方向は、Si基板表面に延在する起伏の延在方向と同一である)、4)で、さらに化合物単結晶層が形成される。
Si基板表面に延在する複数の起伏の方向と、この基板表面に形成された化合物単結晶層の表面に設けられる複数の起伏の延在方向が、直交する場合を図2に示す。この方法では、1)でSi基板表面に延在する複数の起伏が形成され、2)で、この基板表面に形成された化合物単結晶層が形成され、3)で、化合物単結晶層の表面に設けられる複数の起伏が設けられ(この起伏の延在方向は、Si基板表面に延在する起伏の延在方向と直交する)、4)で、さらに化合物単結晶層が形成される。
例えば、第n層目基板または単結晶層表面に形成された起伏の方位と第n+1層目の単結晶層表面に形成された起伏の方位が一致し、かつ第n層目の結晶の極性面と第n+1層目の結晶の同一極性を有する極性面が同一方位に配向していると、第n層目の結晶層から第n+1層目の層に欠陥が伝播してくるものを、ステップフロー成長を積極的に実施させることにより、抑制することができるという効果がある。
また、第n層目の基板または単結晶層表面に形成された起伏の方位と第n+1層目の単結晶層表面に形成された起伏の方位を同一とし、第n+1層目の単結晶層表面に形成された起伏の方位と第n+2層目の単結晶層表面に形成された起伏の方位を直交させること、あるいは第n層目の基板または単結晶層表面に形成された起伏の方位と第n+1層目の単結晶層表面に形成された起伏の方位を直交させ、第n+1層目の単結晶層表面に形成された起伏の方位と第n+2層目の単結晶層表面に形成された起伏の方位を同一とすることもできる。
いずれの場合にも、形成されるステップやテラスの向き、極性の向きが変わり、成長方向を強制的に変化させることで、成長層への面欠陥伝搬を抑制する効果があり、面欠陥の解消効果が大きくなり、より欠陥の少ない結晶層を得ることができる。
本発明の製造方法によれば、低欠陥密度の炭化珪素を得ることができる。界面からの伝搬性面欠陥が解消されたことによって、電気諸特性においてリーク電流などの発生が少なくなり、半導体材料として実用することが可能となる。
さらに、本発明の製造方法によれば低欠陥密度の炭化珪素上窒化ガリウムもしくは炭化珪素上窒化アルミニウムの化合物結晶を得ることができる。
さらに、本発明の製造方法によれば、六方晶の化合物結晶を得ることが可能となる。つまり、低欠陥密度の六方晶の炭化珪素、六方晶の窒化ガリウム、窒化アルミニウムを得ることが可能となる。
また、本発明の製造方法によれば、面欠陥密度が1本/cm以下である高品質な化合物結晶を得ることが可能となる。本発明により、半導体材料として十分実用可能な化合物結晶を得ることができる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
実施例1
直径6インチのSi(001)基板表面に、<110>方向に平行に研磨剤を擦りつける方法で、<110>方向に平行な起伏形成基板を作製した。研磨剤としては、市販されている約φ9μm径のダイヤモンドスラリー(エンギス社製ハイプレス)と市販の研磨クロス(エンギスM414)を用いた。クロスにダイヤモンドスラリーを一様に浸透させ、パッド上にSi(001)基板を置き、0.2kg/cm2の圧力をSi(001)基板全体に加えながら、<110>方向に平行にクロス上を約20cm程度の距離を約300回往復させた(一方向研磨処理)。Si(001)基板表面には<110>方向に平行な研磨傷(起伏)が無数に形成された。
一方向研磨処理を施したSi(001)基板表面に研磨砥粒などが付着しているので、超音波洗浄機で洗浄し、その後、過酸化水素水+硫酸混合溶液(1:1)、HF溶液にて洗浄した。洗浄した後、熱処理装置を用いて表1に示す条件にて起伏加工処理基板上に熱酸化膜を約1μm形成した。形成した熱酸化膜を、希フッ酸により除去した。基板表面は、得たい起伏以外にも細かいスパイク上の凹凸や欠陥が多く残存し、被成長基板としては用い難かった。しかし、熱酸化膜を1μmほど形成して改めて酸化膜を除去することで、基板表面を約2000Åほどエッチングし、細かい凹凸が除去されて非常にスムーズなアンジュレーション(起伏)を得ることができた。波状断面を見ると波状凹凸の大きさは不安定で不規則であるが、密度は高い。常に起伏の連続状態にある。溝の深さは30〜50nm、幅は1〜2μmであった。斜度は3〜5°であった。
Figure 2004336079
上記方法で得られた基板上に炭化珪素(3C-SiC)を気相成長法により形成した。成長条件は表2及び3の通りである。
Figure 2004336079
Figure 2004336079
反応管内へ、ジクロルシランとアセチレンを交互に供給しつつ、3C-SiCの成長を行った。そして、起伏加工を施したSi基板上へ板厚約200μmの3C-SiCを得た。表面は平滑で鏡面となり、下地基板に形成した起伏形状は表面に現れていない。
得られた3C-SiCのエッチピット密度と双晶密度を以下の如く求めた。
3C-SiCを溶融KOH(500度、5分)に曝した後、光学顕微鏡にて表面を観察したところ、積層欠陥や面欠陥(Twin、APB)らしきエッチピットは6インチ全面で1290個、7.3/cm2であった。さらに3C-SiC(111)面に対するX線回折ロッキングカーブ(XRD)の極点図作成をおこない、双晶面に相当する{115}面方位の信号強度と通常の単結晶面{111}面方位の信号強度比から双晶密度を算出した。その結果、双晶密度は3×10-3 Vol.%であることがわかった。
続いて上記で得られた3C-SiC上に、Si基板に形成した起伏と同様の起伏を形成した。形成方法は上述したものと全く同様である。起伏の延在方向は、<110>方位に平行とした。そして、起伏加工を施した3C-SiC上に、3C-SiCを厚さ100μm、ホモエピタキシャル成長した。
得られた3C-SiCのエッチピット密度と双晶密度を以下の如く求めた。
3C-SiCを溶融KOH(500℃、5分)に曝した後、光学顕微鏡にて表面を観察したところ、積層欠陥や面欠陥(Twin、APB)らしきエッチピットは6インチ全面で420個、2.4/cm2であった。さらに3C-SiC(111)面に対するX線回折ロッキングカーブ(XRD)の極点図作成をおこない、双晶面に相当する{115}面方位の信号強度と通常の単結晶面{111}面方位の信号強度比から双晶密度を算出した。その結果、双晶密度は測定限界である4×10-4 Vol.%以下であることがわかった。
比較のため、起伏加工を施したSi基板上に3C-SiCを連続して300μm厚形成した。この3C-SiCを溶融KOH(500℃、5分)に曝した後、光学顕微鏡にて表面を観察したところ、積層欠陥や面欠陥(Twin、APB)らしきエッチピットは6インチ全面で900個、5.1/cm2であった。さらに3C-SiC(111)面に対するX線回折ロッキングカーブ(XRD)の極点図作成をおこない、双晶面に相当する{115}面方位の信号強度と通常の単結晶面{111}面方位の信号強度比から双晶密度を算出した。その結果、双晶密度は2×10-3 Vol.%以下であることがわかった。
上記結果から、起伏加工を成長層表面へ施し、その上に3C-SiCを成長したことで、基板界面から成長層表面へ伝搬する面欠陥を早期に解消できることが分かる。
実施例2
直径6インチのSi(001)基板表面に、<110>方向に平行に研磨剤を擦りつける方法で、<110>方向に平行な起伏形成基板を作製することを試みた。研磨剤は市販されている約φ9μm径のダイヤモンドスラリー(エンギス社製ハイプレス)と市販の研磨クロス(エンギスM414)を用いた。クロスにダイヤモンドスラリーを一様に浸透させ、パッド上にSi(001)基板を置き、0.2kg/cm2の圧力をSi(001)基板全体に加えながら、<110>方向に平行にクロス上を約20cm程度の距離を約300回往復させた(一方向研磨処理)。Si(001)基板表面には<110>方向に平行な研磨傷(起伏)が無数に形成された。
一方向研磨処理を施したSi(001)基板表面に研磨砥粒などが付着しているので、超音波洗浄機で洗浄を実施、その後、過酸化水素水+硫酸混合溶液(1:1)、HF溶液にて洗浄した。洗浄した後、熱処理装置を用いて表に示す条件にて起伏加工処理基板上に熱酸化膜を約1μm形成した。形成した熱酸化膜を、希フッ酸により除去した。基板表面は、得たい起伏以外にも細かいスパイク上の凹凸や欠陥が多く残存し、被成長基板としては用い難い。しかし、熱酸化膜を1μmほど形成して改めて酸化膜を除去することで、基板表面を約2000Åほどエッチングし、細かい凹凸が除去されて非常にスムーズなアンジュレーション(起伏)を得ることができた。波状断面を見ると波状凹凸の大きさは不安定で不規則であるが、密度は高い。常に起伏の連続状態にある。溝の深さは30〜50nm、幅は1〜2μmであった。斜度は、ひとつひとつの斜度にばらつきはあるがおおむね3〜5°の範囲であった。
作製した起伏加工済みSi(001)基板上に、厚さ200μmの3C-SiCの成長を実施した。形成条件は表2及び3の通りである。
得られた3C-SiC表面に、起伏加工を施した。起伏延在方向は、<1−10>方向に平行とした。すなわち、下地基板上に形成した起伏の延在方向とは、<001>方位に試料を見た場合に直交する方向である。
上記で得られた3C-SiC上に、3C-SiCを厚さ100μmホモエピタキシャル成長した。成長方法は上述した方法と同様である。
得られた3C-SiCのエッチピット密度と双晶密度を以下の如く求めた。
3C-SiCを溶融KOH(500℃、5分)に曝した後、光学顕微鏡にて表面を観察したところ、積層欠陥や面欠陥(Twin、APB)らしきエッチピットは6インチ全面で380個、2.2/cm2であった。さらに3C-SiC(111)面に対するX線回折ロッキングカーブ(XRD)の極点図作成をおこない、双晶面に相当する{115}面方位の信号強度と通常の単結晶面{111}面方位の信号強度比から双晶密度を算出した。その結果、双晶密度は測定限界である4×10-4 Vol.%以下であることがわかった。
実施例3
本実施例では、実施例2で得た3C-SiC上に、起伏加工を施した。加工方法は実施例2の方法と同じである。そして、起伏加工を施した3C-SiC表面に、3C-SiCを厚さ100μmエピタキシャル成長した。成長方法は実施例2の方法と同じである。
得られた3C-SiCのエッチピット密度と双晶密度を以下の如く求めた。
3C-SiCを溶融KOH(500℃、5分)に曝した後、光学顕微鏡にて表面を観察したところ、積層欠陥や面欠陥(Twin、APB)らしきエッチピットは6インチ全面で240個、1.36/cm2であった。さらに3C-SiC<111>方位に対するX線回折ロッキングカーブ(XRD)の極点観察をおこない、双晶面に相当する{115}面方位の信号強度と通常の単結晶面{111}面方位の信号強度比から双晶密度を算出した。その結果、双晶密度は測定限界である4×10-4 Vol.%以下であることがわかった。
実施例4
直径6インチのSi(001)基板表面に、<110>方向に平行に研磨剤を擦りつける方法で、<110>方向に平行な起伏形成基板を作製することを試みた。研磨剤は市販されている約φ9μm径のダイヤモンドスラリー(エンギス社製ハイプレス)と市販の研磨クロス(エンギスM414)を用いた。クロスにダイヤモンドスラリーを一様に浸透させ、パッド上にSi(001)基板を置き、0.2kg/cm2の圧力をSi(001)基板全体に加えながら、<110>方向に平行にクロス上を約20cm程度の距離を約300回往復させた(一方向研磨処理)。Si(001)基板表面には<110>方向に平行な研磨傷(起伏)が無数に形成された。
一方向研磨処理を施したSi(001)基板表面に研磨砥粒などが付着しているので、超音波洗浄機で洗浄を実施、その後、過酸化水素水+硫酸混合溶液(1:1)、HF溶液にて洗浄した。洗浄した後、熱処理装置を用いて表に示す条件にて起伏加工処理基板上に熱酸化膜を約1μm形成した。形成した熱酸化膜を、希フッ酸により除去した。基板表面は、得たい起伏以外にも細かいスパイク上の凹凸や欠陥が多く残存し、被成長基板としては用い難い。しかし、熱酸化膜を1μmほど形成して改めて酸化膜を除去することで、基板表面を約2000Åほどエッチングし、細かい凹凸が除去されて非常にスムーズなアンジュレーション(起伏)を得ることができた。波状断面を見ると波状凹凸の大きさは不安定で不規則であるが、密度は高い。常に起伏の連続状態にある。溝の深さは30〜50nm、幅は1〜2μmであった。斜度は3〜5°であった。
上記で得られた基板上に炭化珪素(3C-SiC)を気相成長法により形成した。成長条件は表2及び3の通りである。
反応管内へ、ジクロルシランとアセチレンを交互に供給しつつ、3C-SiCの成長を行った。そして、起伏加工を施したSi基板上へ板厚約200μmの3C-SiCを得た。表面は平滑で鏡面となり、下地基板に形成した起伏形状は表面に現れていない。
得られた3C-SiCのエッチピット密度と双晶密度を以下の如く求めた。
3C-SiCを溶融KOH(500度、5分)に曝した後、光学顕微鏡にて表面を観察したところ、積層欠陥や面欠陥(Twin、APB)らしきエッチピットは6インチ全面で1290個、7.3/cm2であった。さらに3C-SiC<111>方位に対するX線回折ロッキングカーブ(XRD)の極点観察をおこない、双晶面に相当する{115}面方位の信号強度と通常の単結晶面{111}面方位の信号強度比から双晶密度を算出した。その結果、双晶密度は3×10-3 Vol.%であることがわかった。
上記で得られた3C-SiC上に、起伏加工を施し、窒化ガリウム(GaN)を形成することを試みた。有機金属化学蒸着(MOCVD)装置によって、トリメチルガリウムとアンモニアを供給し、GaNを形成した。成長温度は1100℃、キャリアガスとして窒素を20 slm、アンモニア(NH3)を10 slm、トリメチルガリウムを1×10-4 mol/min供給した。膜厚は約10μmである。
得られたGaNの双晶密度を以下の如く求めた。
GaN(111)面に対するX線回折ロッキングカーブ(XRD)の極点図作成をおこない、双晶面に相当する{115}面方位の信号強度と通常の単結晶面{111}面方位の信号強度比から双晶密度を算出した。その結果、双晶密度は測定限界である4×10-4 Vol.%以下であることがわかった。
比較例として、起伏加工を施していない3C-SiC上にGaNを形成した。形成方法は上述した方法と同様の方法でおこなった。得られたGaNの欠陥密度を次の如く求めた。GaN(111)面に対するX線回折ロッキングカーブ(XRD)の極点図作成をおこない、双晶面に相当する{115}面方位の信号強度と通常の単結晶面{111}面方位の信号強度比から双晶密度を算出した。その結果、双晶密度は5×10-3 Vol.%であることがわかった。
Si基板表面に延在する複数の起伏の方向と、この基板表面に形成された化合物単結晶層の表面に設けられる複数の起伏の延在方向が同一である場合の本発明の製造方法のスキームを示す。 Si基板表面に延在する複数の起伏の方向と、この基板表面に形成された化合物単結晶層の表面に設けられる複数の起伏の延在方向が直交する場合の本発明の製造方法のスキームを示す。 傾けた(オフ角を導入した)珪素(001)表面基板の概略図。 基板に微傾斜をつける従来法の説明図。 起伏加工を施され、オフ斜面が互いに対向した基板上に炭化珪素をエピタキシャル成長させる方法において、炭化珪素内に伝搬する面欠陥が解消される様子を示す説明図。 起伏加工を施され、オフ斜面が互いに対向した基板上に炭化珪素をエピタキシャル成長させる方法において、炭化珪素内に伝搬する面欠陥が解消される(向かい合う面欠陥同士が互いに会合し、消滅し合う)様子を示す説明図。 立方晶の結晶層における解消したい欠陥の面である{111}面と成長面(水平な面)である(001)面のなす角の説明図。

Claims (7)

  1. 単結晶基板の表面にこの基板と同一または異なる化合物単結晶層の2層以上を順次エピタキシャル成長させる化合物単結晶の製造方法であって、
    前記基板表面の少なくとも一部が一方向に延在する複数の起伏を有し、かつ2回目以降のエピタキシャル成長は、直前に形成された化合物単結晶層の表面の少なくとも一部に一方向に延在する複数の起伏を形成した後に行うことを特徴とする方法。
  2. 化合物単結晶層が単結晶基板と異なる化合物単結晶であり、化合物単結晶層を構成する化合物単結晶と単結晶基板を構成する単結晶とは、相似形の空間格子を有する請求項1に記載の製造方法。
  3. 単結晶基板表面に延在する複数の起伏の方向と、該基板表面に形成された化合物単結晶層の表面に設けられる複数の起伏の延在方向は同一または直交する請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 成長方向に隣接して設けられる化合物単結晶層の表面に設けられる複数の起伏の延在方向は同一または直交する請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 単結晶基板が単結晶SiCである請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 化合物単結晶層が単結晶SiCであるか、または窒化ガリウム、窒化アルミニウム、窒化アルミガリウムである請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 単結晶SiC基板が、基底面が(001)面である立方晶SiCであまか、または基底面が(11−20)面若しくは(1−100)面である六方晶SiCである請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。

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