JP2002201099A - 炭化珪素単結晶基板の製造方法及び半導体装置の製造方法 - Google Patents

炭化珪素単結晶基板の製造方法及び半導体装置の製造方法

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JP2002201099A
JP2002201099A JP2000401634A JP2000401634A JP2002201099A JP 2002201099 A JP2002201099 A JP 2002201099A JP 2000401634 A JP2000401634 A JP 2000401634A JP 2000401634 A JP2000401634 A JP 2000401634A JP 2002201099 A JP2002201099 A JP 2002201099A
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Joji Nishio
譲司 西尾
Akihiro Hachiman
彰博 八幡
Takashi Shinohe
孝 四戸
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 積層欠陥が低減され、しかも表面リークパス
の原因が排除された3C−SiC単結晶を再現性良く製
造する。 【解決手段】 SiC単結晶基板の製造方法において、
Si基板11の表面に、頂部と底部が一方向に連続して
形成され、且つ頂部及び底部が一定間隔で周期的に配置
されたラインアンドスペース状のパターンを、相互に直
交させた格子状の起伏13を形成したのち、このSi基
板11の起伏13を有する表面上に第1の3C−SiC
層21をエピタキシャル成長し、次いで第1の3C−S
iC層21からSi基板11を除去し、しかるのち第1
の3C−SiC層21のSi基板11を除去した面と反
対側の面上に第2の3C−SiC層22をエピタキシャ
ル成長する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、3C(立方晶系)
のSiC単結晶の気相成長技術に係わり、特に半導体素
子を製造する上で望ましい結晶性の優れた3C−SiC
単結晶基板の製造方法、及びこの基板を用いた半導体装
置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、SiC(炭化珪素)の成長は、昇
華法によるバルク結晶成長と、基板上へSi化合物の原
料ガス及びC化合物の原料ガスを供給して反応によって
SiCを生成させる気相エピタキシャル成長法による薄
膜形成とに分類されてきた。
【0003】昇華法によるバルク結晶成長では、高温安
定相の結晶多形である六方晶系6HのSiC,同じく六
方晶系であるがやや低温相の4HのSiCの〈000
1〉成長が可能であり、実際にこのような(0001)
SiC基板が販売されるまでになっている。しかしなが
ら、未だマイクロバイブと呼ばれる欠陥の密度が高く、
また基板面積の拡大が困難な状況であった。
【0004】これに対し、単結晶基板上への気相エピタ
キシャル成長法を用いると、不純物添加の制御性が格段
に向上したり、基板面積の拡大により容易に大面積のエ
ピタキシャル成長膜が得られたり、前述のマイクロバイ
ブ密度の低減が実現できたりする。しかしながら、気相
エピタキシャル成長法では、しばしば基板材料とSiC
膜の格子定数の差に起因する欠陥密度の増大が問題にな
る。特に、成長時に用いられる基板として一般的なSi
はSiCとの格子定数差が大きいため、成長される3C
−SiC層内に双晶や反位相領域境界面(APB:Anti
Phase Boundary)の発生が著しく、これがSiC半導
体装置の実現を阻んでいた。
【0005】気相エピタキシャル成長法による3C−S
iC膜内の欠陥を低減させる方法として、例えば被成長
基板上に成長領域を設ける工程と、この成長領域にSi
C単結晶をその厚さが、基板の成長面方位に同有な厚さ
と同一又はそれ以上になるように成長させる工程を有
し、固有な厚さ以降の面欠陥を低減する技術が提案され
ている(特公平6−41400号公報)。しかしなが
ら、3C−SiC中に含まれる2種類の反位相領域同士
は、3C−SiCの膜厚増加に対して互いに直交した方
向へと拡大する特性を有しているため、反位相領域境界
界面を効果的に低減することができない。さらに、成長
した3C−SiC表面に形成される超構造の向きを任意
に制御することができないため、例えば離散した成長領
域同士が成長に伴って結合した場合には、この結合部に
新たに反位相領域境界面が形成されてしまい、所望の電
気的特性を実現することができない。
【0006】反位相領域境界面を効果的に低減する方法
として、表面法線軸を[100]から[110]方向に
僅かに傾けた(オフ角を導入した)Si(001)面基
板上への成長法が提案された(アブライド・フィジック
ス・レターズ、50巻、1987年、1888頁参
照)。この方法は、基板に微傾斜を付けることで、原子
レベルのステップが一方向に等間隔で導入されるため、
導入されたステップに平行な方向の面欠陥が伝播し、一
方、導入されたステップに垂直な方向(ステップを横切
る方向)への面欠陥の伝播を抑制する効果がある。そし
て、SiCの膜厚増加に伴って、膜中に含まれる2種類
の反位相領域の内、導入されたステップに平行な方向へ
拡大する反位相領域が、直交する方向へ拡大する反位相
領域に比べて優先的に拡大するため、反位相領域境界面
を効果的に低減することができる。しかしながら、この
方法は、SiC/Si界面のステップ密度の増大によ
り、不本意な反位相領域境界面の生成を引き起こしてし
まい、反位相領域境界面の完全解消には至らないと云う
問題があった。
【0007】これに対して被成長基板表面の全部又は一
部に一方向に平行に伸びる複数の起伏を具備させ、この
基板表面上にSiCを成長させる方法が提案されている
(特開2000−178740号公報)。この方法で
は、SiCの被成長結晶表面は鏡面対称な方位に配向し
たステップが統計的に釣り合った密度で導入されるた
め、被成長基板表面のステップにより不本意に導入され
たSiC層内の反位相領域境界面同士は効果的に会合
し、反位相領域境界面を完全に解消したSiC膜が得ら
れる。さらにこの方法では、オフ角を導入することによ
り個々の成長領域は全て同一方向に拡大する同位相領域
となるため、離散した成長領域同士が成長に伴って結合
した場合でも結合部に反位相領域境界面が生じない利点
がある。
【0008】しかしながら、この方法を用いて作製され
た3C−SiC基板を用いて作製される半導体装置でも
所望の特性が得られない。その理由につき本発明者等は
詳細な検討を行った結果、被成長基板に形成された一方
向に平行に伸びる複数の起伏と垂直方向に残った段差に
沿って電流のリークパスが形成されているためであるこ
とを突き止めた。さらに、このような表面モフォロジー
のせいであるとすれば、平坦に研磨することにより所望
の特性が得られる筈であると考え、表面に機械研磨を施
して鏡面を得た。光学顕微鏡で表面を観察すると、表面
モフォロジーとして特徴的であった前記段差は完全に除
去されていた。
【0009】ところが、SiCの研磨はスムーズエッチ
ングが可能な薬液が見つかっていないため、他の化合物
半導体基板に用いられるような機械−化学研磨ができ
ず、機械的に研磨するのみ可能である。そのため、光学
顕微鏡でも倍率を上げていくと、研磨傷と思われる無秩
序な方向の筋が観察された。このような3C−SiC基
板においては、今度は研磨傷がリークパスとなっている
と推定される不都合が起き、所望の電気的特性は得られ
なかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このように従来、半導
体装置の素子形成基板としてのSiC単結晶基板を形成
するために、オフ角を導入してSi(001)基板上に
SiC層を成長する方法や、一方向に平行に伸びる起伏
を有した基板上にSiC層を成長する方法などが提案さ
れているが、いずれの方法を用いても、積層欠陥が低減
された3C−SiC単結晶を再現性良く得ることは困難
であり、特に起伏を有した基板上にSiC層を成長する
方法ではリークパスが生じる問題があった。従って、所
望の電気的特性を満足できるような表面リークパスの大
幅に低減された優れた3C−SiC単結晶を工業的規模
で安定に供給し得る製造方法が必要とされている。
【0011】本発明は、上記事情を考慮して成されたも
ので、その目的とするところは、積層欠陥の低減を図
り、且つ表面リークパスの原因となるものを極力排除し
た3C−SiC単結晶を再現性良く製造し得る3C−S
iC単結晶基板の製造方法、及びこの基板を用いた半導
体装置の製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】(構成)上記課題を解決
するために本発明は次のような構成を採用している。
【0013】即ち本発明は、炭化珪素単結晶基板の製造
方法において、バルク結晶基板(Si基板等の融液成長
法などで成長されたインゴットを、ダイアモンドブレー
ド等で切り出し、所定の厚さに研磨・成形されたウェー
ハ)の表面の全体又は一部に、一方向に平行に伸びる複
数の起伏とこれとは別の一方向に平行に伸びる複数の起
伏を形成する工程と、前記起伏が形成された結晶基板の
表面上に立方晶系のSiC層をエピタキシャル成長する
工程とを含むことを特徴とする。
【0014】また本発明は、炭化珪素単結晶基板の製造
方法において、バルク結晶基板の表面の全体又は一部
に、一方向に平行に伸びる複数の起伏とこれとは別の一
方向に平行に伸びる複数の起伏を形成する工程と、前記
起伏が形成された結晶基板の表面上に立方晶系の第1の
SiC層をエピタキシャル成長する工程と、第1のSi
C層から前記結晶基板を除去する工程と、第1のSiC
層の前記結晶基板を除去した面と反対側の面上に立方晶
系の第2のSiC層をエピタキシャル成長する工程とを
含むことを特徴とする。
【0015】また本発明は、半導体装置の製造方法にお
いて、バルク結晶基板の表面の全体又は一部に、一方向
に平行に伸びる複数の起伏とこれとは別の一方向に平行
に伸びる複数の起伏を形成する工程と、前記起伏が形成
された結晶基板の表面上に立方晶系のn+ 型SiC層を
エピタキシャル成長する工程と、前記n+ 型SiC層か
ら前記結晶基板を除去する工程と、次いで前記n+ 型S
iC層の前記結晶基板を除去した面と反対側の面上に立
方晶系のn- 型SiC層をエピタキシャル成長する工程
とを含むことを特徴とする。
【0016】ここで、本発明の望ましい実施態様として
は次のものが挙げられる。 (1) バルク結晶基板は、Si,Ge,又はSiGeであ
ること。 (2) 結晶基板の表面に形成する複数の起伏は、頂部と底
部が一方向に連続して形成され、且つ頂部及び底部が一
定間隔で周期的に配置されたラインアンドスペース状の
パターンを、相互に直交させた格子状のパターンである
こと。
【0017】(3) 結晶基板の面方位は(001)であ
り、ラインアンドスペース状のパターンは〈110〉方
向から数度傾けられていること。 (4) 単結晶基板を除去する際に、該基板をその途中まで
機械的に研磨した後に、残りを溶液を用いてエッチング
すること。
【0018】(作用)本発明によれば、複数の起伏が形
成されたバルク結晶基板の表面上に立方晶系の第1のS
iC層を成長しているので、起伏の斜面において双晶,
反位相領域境界面,積層欠陥などが存在していても、先
に説明したオフ角の導入効果を得ることができるため、
これらの欠陥が成長方向に伝播するのを有効に防止でき
る。
【0019】また本発明では、結晶基板上に形成する起
伏を一方向のみならずこれと直交する方向にも形成して
いるので、一方の起伏で形成されるステップフローと他
方の起伏で形成されるステップフローとが互いに垂直な
関係で競合する成長様式となるため、表面モフォロジー
として片方のステップフローを引きずったようなモフォ
ロジーは消滅し、アズグロウンの状態で平坦な表面が得
られる。そして、このようなSiC基板を用いることに
より表面でのリークパスを大幅に低減することが可能と
なり、所望の電気的特性が得られるようになる。さら
に、SiC層の表面状態が良好であるため、機械研磨に
よる加工の必要が無く、再現性良く優れた特性のSiC
基板を製造することが可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の詳細を図示の実施
形態によって説明する。
【0021】(第1の実施形態)図1〜図3は、本発明
の第1の実施形態に係わるSiC単結晶基板の製造方法
を説明するためのものであり、図1はバルク結晶基板の
表面に起伏を形成する工程を示す断面図、図2はバルク
結晶基板上に形成するレジストパターンを示す平面図、
図3はSiC層の成長工程を示す断面図である。
【0022】本実施形態では、バルク結晶基板としては
Si(001)基板を用いた。図1(a)に示すよう
に、このSi基板11の表面を熱酸化した後、フォトリ
ソグラフィー技術を用いて基板表面上に幅1.5μm,
長さ90mm,厚さ1μmのラインアンドスペースが互
いに直交するような格子状のレジストパターン12を形
成した。但し、レジストパターン12におけるライン方
向は図2(a)に示すように、<110>方向から2°
傾けた方向に平行とした。
【0023】この基板をホットプレート上で180℃,
10分間加熱することによって、レジストパターン12
がラインと直交する方向に向かって広がっていき、図1
(b)に示すように、起伏の頂点と底とが滑らかな曲線
でつながった波面状の断面のレジストパターン形状を得
た。次いで、図1(c)に示すように、このレジストパ
ターン12’の断面の起伏形状をドライエッチングによ
ってSi基板11に転写した。具体的には、レジスト及
びSiのエッチング速度がほぼ同じとなる条件でこれら
をRIE法でエッチングすることにより、Si基板11
の表面に、頂部と底部が一方向に連続して形成され、且
つ頂部及び底部が一定間隔で周期的に配置されたライン
アンドスペース状のパターンを、相互に直交させた格子
状の起伏13を形成した。
【0024】ここで、Si基板11上に形成するレジス
トパターン12は、必ずしも図2(a)に示すように、
直交するラインの全てにレジストを残すものに限らな
い。例えば、図2(b)に示すように、2つのラインの
交差部のみにレジストを残すようなパターンであっても
よい。
【0025】次いで、Si基板11の表面に残存したレ
ジストを過酸化水素水溶液と硫酸との混合液中で除去し
た後、表面に起伏13が形成されたSi基板11上に、
図3(a)に示すようにn+ 型の3C−SiC層(第1
のSiC層)21の成長を行った。
【0026】SiCの成長は、Si基板表面の炭化工程
と、原料ガスの交互供給によるSiC成長工程とに分け
られる。まず炭化工程では、炉内圧力2.7Paの減圧
アセチレン雰囲気中で上記加工済みSi基板11を室温
から1050℃まで約2時間かけて加熱した。このと
き、アセチレンの供給量は10sccmとした。この炭化工
程の後に温度をl050℃で保持したままジクロルシラ
ンとアセチレンをそれぞれ20sccmで10秒ずつ、各ガ
ス供給のインターバルを5秒として交互に基板表面に暴
露して、n+ 型の3C−SiC層21の成長を行った。
このとき、炉内圧力は最低で2.7Pa、最大で27P
aであった。
【0027】原料ガスの供給サイクル数を増やすことに
より3C−SiC層21の膜厚を増加させ、200μm
まで成長させた。なお、3C−SiC層21の膜厚は適
宜変更可能であるが、欠陥の少ない良好な結晶を得るた
めには50μm以上が望ましい。
【0028】次いで、上記の試料を室温まで冷却した後
に取り出し、HFとHNO3 の混酸(HF:HNO3
7:1)に浸すことにより、図3(b)に示すように、
3C−SiC層21からSi基板11を除去した。ここ
で、Si基板11が厚い場合は、その途中まで機械研磨
で削った後に、上記の混酸を用いてエッチングすればよ
い。
【0029】次いで、このようにして得られた3C−S
iC層21を基板として用い、該基板を容器内に収容
し、n- 型の3C−SiC層(第2のSiC層)22の
成長を行った。この段階でのSiCの成長は、ホモエピ
タキシーになるので炭化工程は当然省略して良い。炉内
圧力は2.7Paの減圧アセチレン雰囲気中で上記3C
−SiC層21を室温から1050℃まで約5分で加熱
した。このとき、アセチレンの供給量は10sccmとし
た。この炭化工程の後に、温度は1050℃で保持した
ままジクロルシランとアセチレンをそれぞれ20sccmで
10秒ずつ、各ガス供給のインターバルを5秒として交
互に基板表面に暴露して、3C−SiCの成長を実施し
た。このとき、炉内圧力は最低で2.7Pa、最大で2
7Paであった。
【0030】そして、原料ガスの供給サイクル数を増や
すことにより3C−SiC層22の膜厚を増加させ、1
5μm成長させたところで、原料供給流量をそれぞれ5
sccmまで減らしてほぼ成長速度を1/4にした状態で最
後の5μmを成長した。
【0031】かくして本実施形態によれば、総厚220
μmの3C−SiC基板を得ることができた。このよう
にして成長した基板表面に対し、AFM観察することに
よって反位相領域境界面密度を測定した結果、観察領域
内では反位相領域境界面の存在は認められなかった。ま
た、積層欠陥の発生状況を調べるために、成長した基板
を(110)面でへき開し、断面の透過電子顕微鏡観察
を行ったが、起伏のパターンを付けておいた付近に若干
の積層欠陥らしきものは観察されたが、それは成長方向
に沿って伝播しておらず、特に起伏から5μm以上離れ
ると積層欠陥は全く観察されなかった。また、表面モフ
ォロジーは鏡面であり、特定方向に沿って伸びる筋や線
は観察されなかった。
【0032】このように本実施形態によれば、Si基板
11の表面に、2つのラインアンドスペースを直交させ
たような格子状の起伏13を設けておき、その上に第1
の3C−SiC層21をエピタキシャル成長することに
より、双晶,反位相領域境界面,積層欠陥などが成長方
向に伝播するのを有効に防止できる。特に本実施形態で
は、結晶基板上に形成する起伏を一方向のみならずこれ
と直交する方向にも形成しているので、各々の起伏で形
成されるステップフローが互いに垂直な関係で競合する
成長様式となり、表面モフォロジーとして片方のステッ
プフローを引きずったようなモフォロジーは消滅し、ア
ズグロウンの状態で平坦な表面が得られる。
【0033】しかも、Si基板11が除去された状態で
第2の3C−SiC層22を成長するため、SiCとS
iとの格子不整合の違いによる歪みが残らない状態で成
長を行うことができ、これによっても格子不整合に起因
する積層欠陥の発生を防止することができる。そして、
このようなSiC基板を用いることにより表面でのリー
クパスを大幅に低減することが可能となり、所望の電気
的特性が得られるようになる。さらに、SiC層の表面
状態が良好であるため、機械研磨による加工の必要が無
く、再現性良く優れた特性のSiC基板を製造すること
が可能となる。
【0034】(第2の実施形態)図4は、本発明の第2
の実施形態に係わるショットキーダイオードの素子構造
を示す断面図である。なお、図3と同一部分には同一符
号を付して、その詳しい説明は省略する。
【0035】まず、第1の実施形態と同様にして、図1
(a)〜(c)及び図3(a)〜(c)に示す工程によ
り、3C−SiC基板を作成した。このとき、SiC基
板は高濃度のn型(n+ 型)とした。
【0036】次いで、図4に示すように、3C−SiC
基板20の上層である3C−SiC層22の表面層にA
rのイオン注入によりイオン注入層26を形成し、該層
26上にTiAlからなる電極27を形成した。また、
SiC基板20の裏面側にはPtやAuからなる電極を
設けた。
【0037】かくして形成されたショットキーダイオー
ドにおいては、3C−SiC基板20が欠陥のない良質
な結晶であるため、素子特性の向上を図ることができ
る。また、基板裏面側のオーミックコンタクトは、基板
裏面が凹凸加工されているので接触面積が大きくなり、
コンタクト抵抗の低減を図り得るという利点もある。
【0038】なお、本発明は上述した各実施形態に限定
されるものではない。3CのSiCの成長温度は上記実
施形態に限らず、800〜1200℃の範囲で実施する
ことが可能である。特に、良好な結晶を得る上で900
〜1100℃の範囲の温度が好ましい。実施形態では、
バルク基板結晶としてSi基板を用いているが、これに
限らずGeやSiGeの単結晶基板を用いることも可能
である。また、実施形態では、バルク基板結晶の表面の
全体に起伏を設けたが、素子形成する領域が全体でない
場合などは、表面の一部に起伏を設けるようにしてもよ
い。さらに、起伏の形状や起伏を形成するための方法等
は、仕様に応じて適宜変更可能である。
【0039】また、本発明のSiC単結晶基板を用いた
半導体装置の製造においては、第1のSiC層21をn
+ 型、第2のSiC層22をn- 型とし、第2のSiC
層22に素子を形成したが、これらの導電型は適宜変更
可能である。さらに、これらの上に別のSiC層を形成
するようにしてもよい。また、ショットキーダイオード
に限らず、各種の素子の製造に適用できるのも勿論のこ
とである。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、
種々変形して実施することができる。
【0040】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、素
子形成基板として用いるSiC結晶基板の製造に際し
て、バルク結晶基板の表面に複数の起伏を形成し、その
上に第1の3C−SiC層をエピタキシャル成長するよ
うにしているので、反位相領域境界面や積層欠陥の著し
く低減された結晶の完全性が高いSiC単結晶基板を得
ることができる。しかも、バルク結晶基板の表面に形成
する起伏を一方向のみならずこれと直交する方向に設け
ているので、表面モフォロジーとして片方のステップフ
ローを引きずったようなモフォロジーを消滅させてアズ
グロウンの状態で平坦な表面が得られるため、表面での
リークパスを大幅に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係わるSiC単結晶基板の製
造方法を説明するためのもので、バルク結晶基板の表面
に起伏を形成する工程を示す断面図。
【図2】第1の実施形態に係わるSiC単結晶基板の製
造方法を説明するためのもので、バルク結晶基板上に形
成するレジストパターンを示す平面図。
【図3】第1の実施形態に係わるSiC単結晶基板の製
造方法を説明するためのもので、SiC層の成長工程を
示す断面図。
【図4】第2の実施形態に係わるショットキーダイオー
ドの製造工程を示す断面図。
【符号の説明】
11…Si基板(バルク結晶基板) 12…レジストパターン 13…起伏 20…3C−SiC単結晶基板 21…第1の3C−SiC層 22…第2の3C−SiC層 25…n- 型SiC層 26…イオン注入層 27,28…電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 四戸 孝 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 Fターム(参考) 4G077 AA03 BE08 DB13 ED04 ED06 EE07 TC12 TK04 5F045 AA03 AB06 AC03 AC09 AD14 AE17 AF02 AF03 BB12 DA63

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】バルク結晶基板の表面の全体又は一部に、
    一方向に平行に伸びる複数の起伏とこれとは別の一方向
    に平行に伸びる複数の起伏を形成する工程と、前記起伏
    が形成された結晶基板の表面上に立方晶系のSiC層を
    エピタキシャル成長する工程とを含むことを特徴とする
    炭化珪素単結晶基板の製造方法。
  2. 【請求項2】バルク結晶基板の表面の全体又は一部に、
    一方向に平行に伸びる複数の起伏とこれとは別の一方向
    に平行に伸びる複数の起伏を形成する工程と、前記起伏
    が形成された結晶基板の表面上に立方晶系の第1のSi
    C層をエピタキシャル成長する工程と、第1のSiC層
    から前記結晶基板を除去する工程と、第1のSiC層の
    前記結晶基板を除去した面と反対側の面上に立方晶系の
    第2のSiC層をエピタキシャル成長する工程とを含む
    ことを特徴とする炭化珪素単結晶基板の製造方法。
  3. 【請求項3】バルク結晶基板の表面の全体又は一部に、
    一方向に平行に伸びる複数の起伏とこれとは別の一方向
    に平行に伸びる複数の起伏を形成する工程と、前記起伏
    が形成された結晶基板の表面上に立方晶系のn+ 型Si
    C層をエピタキシャル成長する工程と、前記n+ 型Si
    C層から前記結晶基板を除去する工程と、次いで前記n
    + 型SiC層の前記結晶基板を除去した面と反対側の面
    上に立方晶系のn- 型SiC層をエピタキシャル成長す
    る工程とを含むことを特徴とする半導体装置の製造方
    法。
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