JP2004333530A - 車両認証用ラベルを使用する保険システムとそれに使用する車両認証用ラベル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の車両認証用ラベルを使用する保険システムは、自動車の盗難防止をも図る保険システムであって、(1)自動車保険加入または継続の契約時に、自動車の所有者12が当該自動車にかかる保険金を保険会社11に支払いすることと、(2)当該契約時に、保険証書と共に、「車両ナンバー情報」と「保険情報」を記録した車両認証用ラベル1を保険会社が契約者に配布することと、(3)自動車の所有者は、当該契約車両の窓ガラスの内側に前記車両認証用ラベルを貼付しておくこと、を特徴とする。
本発明の車両認証用ラベルは、OVD効果を有し、レーザー光等により改ざん不能に描画可能なことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両認証用ラベルを使用する保険システムとそれに使用する車両認証用ラベルに関する。
詳しくは、車両認証用ラベルを車体の窓ガラスに貼付することで盗難車両の減少を図り、併せて車両保険への加入を促進することを目的とする自動車保険システム等に関する。
【0002】
【従来技術】
従来から車両のフロントとバックにはナンバープレートが備えられているが、このナンバープレートで自動車を特定できることが自動車の盗難を防止することに効果していると考えられる。しかし、ナンバープレートの模造や付け替え偽装は必ずしも不可能ではないため、完全に盗難を防止することはできない。
そのため、法的に規制されるものではないが、窓ガラス等に貼付する第三のナンバープレートを設ければ盗難を一層困難にできると考えられる。
そこで、本発明は自動車保険契約の際、保険証書と共に、第三のナンバープレートの効果を果たすことを目的として、車両ナンバー等を改ざん不能に記録したOVD(Optical Variable Device )ラベルを契約者に配布し、車の所有主である契約者が車体の窓ガラス内側に当該ラベルを貼付しておくことで、車両盗難を減らし、保険料の支払い低減により保険会社に生じる利益を契約者にも還元しようとするものである。
【0003】
ところで、このようなシステムでは保険契約の際、車両ナンバー情報と保険契約者であることを表示した認証用ラベルが必要となるが、偽造、変造を招くようなラベルでは、システムの円滑な運用を図れなくなる。
そこで、車体認証等に用いられるラベルに関して従来技術を調査すると、以下のような先行技術が見られる。
【0004】
特許文献1は、「車両認証用ステッカー」に関するものである。この技術は、ナンバー情報および情報読取用バーコードの印刷層を透明ホログラム層にて隠蔽した車両認証ラベルに関するが、印刷層は熱転写プリンタによる印字であるため、改ざんされ易いことと、意匠的にも優れたものを製造し難い問題がある。
特許文献2は、「商品管理システム」に関するものである。この技術は、ホログラムの複数ドットにレーザー光照射によりドットを任意に消去し可変情報を記録したOVDラベルを用い、商品流通の各段階(注文、請求、支払いなど)でリーダにて情報を読み取りし、サーバーのデータベースにアクセスして管理するシステムであるが、専用リーダを使用して初めて可変情報の意味が分かり、目視で直接に確認はできないという煩わしさがある。
【0005】
また、特許文献3は、「ホログラム情報記録システム及びホログラム情報記録方法」に関するが、この技術は、上記特許文献2の内容に加え、使用時の各段階において情報をレーザーで追記していくOVDおよびシステムについて記載している。ただし、特許文献2と同様に目視での確認はできないという煩わしさがある。
【0006】
【特許文献1】特開2002−366036号公報
【特許文献2】特開2001−180813号公報
【特許文献3】特開2002−245420号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来の自動車保険システムでは、自動車事故や盗難の際の加入保険者の被害の軽減を図る仕組みがなされているが、保険システムそのものが車両盗難の減少に効果している面は少ないと考えられる。そこで、本発明では、従来の自動車保険システムに第三のナンバープレートともいうべき車両認証用ラベルを採用することで、積極的に自動車盗難の低減にも寄与しようとするものである。
また、保険システムに用いられる証明用ラベルにも従来品には適切なものを見出し得ない。そこで、本願発明者は、目視可能な情報を担持し改ざんや偽造を高度に防止できる証明用ラベルを用いた保険システム、を構築すべく研究して本発明の完成に至ったものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明の要旨の第1は、自動車の盗難防止をも図る保険システムであって、(1)自動車保険加入または継続の契約時に、自動車の所有者が当該自動車にかかる保険金を保険会社に支払いすることと、(2)当該契約をした際に、保険証書と共に、「車両ナンバー情報」と「保険情報」を記録した車両認証用ラベルを保険会社が契約者に配布することと、(3)自動車の所有者は、当該契約車両の窓ガラスの内側に前記車両認証用ラベルを貼付しておくこと、を特徴とする車両認証用ラベルを使用する保険システム、にある。
【0009】
上記課題を解決するための本発明の要旨の第2は、車両の窓ガラス内面に貼付する車両認証用ラベルであって、支持体シート上に、(1)剥離層、(2)ホログラムまたは光回折格子形成層、(3)光反射金属層、(4)粘着剤層、(5)透明セパレートフィルム、が順次形成され、当該光反射金属層に、目視で認識可能な「車両ナンバー情報」と、目視では認識不可能であって機械認識可能な「保険情報」を、レーザー光描画法により記録したことを特徴とする車両認証用ラベル、にある。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明は、車両認証用ラベルを使用する保険システム(以下、「本保険システム」と略称する場合もある。)と車両認証用ラベルに関するが、以下順次、説明する。図1は、本保険システムを説明する図である。
【0011】
図1のように、本保険システム10は、保険会社11、自動車所有者12、整備会社13、ガソリンスタンド14等の自動車サービス業、ラベル製造元15、等の間で運用されるシステムに関する。
このシステムでは例えば、新車購入の際、購入者である自動車所有者12が、任意保険の自動車保険(特に車両保険)を保険会社11と契約する。
保険会社11は、保険証書8と車両認証用ラベル1を契約者である自動車所有者12に配布する。これから、本発明の保険システムが始まる。
以下、図1中の括弧付き番号を参照してシステムの手順を説明する。
【0012】
<システムの手順>
(1)自動車所有者12は、自動車保険(任意保険)加入の申請を保険会社11に対して行う。
(2)保険会社11は、申請に基づき加入者情報9のデータをラベル製造元15に送信する。加入者情報9には、「車両ナンバー情報」と「保険情報」が含まれる。「保険情報」とは、契約者氏名または社名、契約者ID、保険証書番号、保険有効期限、等に関する。
(3)ラベル製造元15は、加入者情報9をOVDラベルである車両認証用ラベル1に記録し保険会社11に納品する。
記録する加入者情報の内容は、目視可能なナンバープレート情報、機械読み取りする保険情報のバーコード、等である。記録情報量が多い場合は2次元バーコードの使用が有利である。
ラベルへの記録はレーザー光描画法または感熱転写法により印字する。
【0013】
(4)保険会社11は、保険証書8と車両認証用ラベル1を契約者である自動車所有者12に郵送する。
(5)自動車所有者12は、車両認証用ラベル1を、例えば、自動車のリアガラスやフロントガラスの内側に貼付する。
車の窓ガラスに貼着するのは、ナンバープレートとの照合を容易にする目的のためである。また、窓ガラスの内側に貼着するのは汚損や破損、紛失を防止したり、剥ぎ取りや悪戯を防止する目的である。
(6)自動車所有者12は、車両認証用ラベル1を貼付することで、保険会社と提携している整備会社13またはガソリンスタンド14等からサービスの特典を受けることができる。
【0014】
(7)整備会社13またはガソリンスタンド14は、サービス提供の際、ハンディータイプリーダライタにより、2次元(または1次元)バーコードを読取り、提携先保険会社への保険加入の有無を問い合わせする。保険会社11は、管理データベース16を備え、問い合わせに対応できるようにしている。
バーコードから読み取った内容が、管理データベース16に蓄積され正規に契約されたものであることが確認されても、車両ナンバー情報と不一致の場合は、サービスを受けられない。車両認証用ラベル1を付け替えたりする場合があるからである。ナンバープレート情報の確認は目視で行う。
【0015】
整備会社13またはガソリンスタンド14等が、保険契約者に対して、一定のサービスの特典を与えるのは、本保険システムにより保険会社に収益の向上が見込まれることを前提とする。
前記のように、第三のナンバープレートとしての車両認証用ラベル1が自動車の窓ガラスに貼られていることにより盗難を抑制する機能がはたらく。これにより盗難が減少すれば、保険会社の収益が向上し、収益の一部を保険加入者へ還元することも可能となる。
【0016】
整備会社13のサービスとしては、引取納車サービス、代車サービス、洗車サービス、修理箇所の永久保証、等がある。また、ガソリンスタンド14のサービスとしては、ガソリンを充填する際のサービスポイントの付加や割引、洗車サービス、24時間営業スタンドの紹介、等がある。
整備会社13やガソリンスタンド14に生じる負担は、保険会社11から補填される。このようなサービスの特典により、当該保険会社への保険加入が促進されるという相乗効果が生じる。
【0017】
ラベルの貼り替えは次の時期に行われる。
(1)有効期限を過ぎた場合(保険更新時)。(2)保険会社を変更した場合。(3)転勤等により陸運支局を変更した場合(この際は、通常、ナンバープレートの変更が伴うからである。)。
これらの際は、新しい車両認証用ラベルが発行される。
【0018】
管理データベース16に蓄積する情報の内容は、例えば、以下のようになるが、全てを入力する必要はなく、必要な情報を適宜選択する。
(1)保険契約者情報
▲1▼契約者氏名または社名、▲2▼契約者ID、▲3▼住所または所在地、▲4▼性別、▲5▼年令、▲6▼電話番号、等
(2)加入保険情報
▲1▼保険有効期間、▲2▼保険証書番号、▲3▼車両保険金額、▲4▼保険会社名、等
(3)車両ナンバー情報
▲1▼ナンバープレート情報、▲2▼車種、▲3▼型式、▲4▼車台番号、等
(4)整備会社やガソリンスタンドが、保険契約者に与えた特典の内容。
これを逐次蓄積すれば、保険会社が、整備業者またはガソリンスタンド、等に対して補填する金額の算定が容易となる。
【0019】
次に、車両認証用ラベルについて説明する。
本保険システム10に使用する車両認証用ラベル1は、OVDラベルで構成されており、それ自体が製造が困難な特徴がある。
また、レーザー光描画する場合は、その記録は一般的には困難である。また、バーコードの記録も管理データベース16に登録されている契約内容と同一に記録することは、契約内容を知らない第三者には極めて困難である。
したがって、実質的に車両認証用ラベル1の模造、改ざんは不可能と考えて良い。
【0020】
図2は、車両認証用ラベルの層構成を示す図、図3は、車両認証用ラベルにレーザー光描画する状態を示す図、図4は、車両認証用ラベルを車両の窓ガラスに貼着した状態を示す図、図5は、車両認証用ラベルに記録するマークの例を示す図、である。
図6、図7は、車両認証用ラベルの読み取り状態を示す図である。
【0021】
本発明の車両認証用ラベル1の層構成は、図2のように支持体シート2の上に剥離層3を介して、または介さないで、ホログラムまたは光回折格子形成層(以下、「ホログラム形成層」とする。)4を設け、さらに光反射金属層5を形成してから、粘着剤層6と透明セパレートフィルム7を設けた構成となっている。
剥離層3は、ラベルを自己破壊型ラベルとするためのもので、改ざん等を試みた場合に容易に剥離して復元できなくするためのものである。従って、そのような目的としない場合は剥離層3を設けなくても良く、設けない場合は一般的な粘着型ラベルになる。通常、剥離層材料には、後述するように支持体シート2に対して強接着しない材料を選択する。
剥離層3とホログラム形成層4との間に中間層を設ける場合、または光反射金属層5と粘着剤層6間にアンカー層を設ける場合には自己破壊性が一層増進される。
【0022】
ホログラム形成層4は、ホログラムの干渉縞波面や光回折格子を記録したもので、これらの記録原版を複製した複製用型版から熱硬化性や熱可塑性樹脂材料面にエンボス的に複製再現するものである。
通常、ホログラム形成層4には、光の波長の1/4から2倍程度の干渉縞ピッチや回折格子が記録されているが、波形の凹凸高さは一般に、それよりは小さい値となる。ホログラム形成層4の厚みは、0.1〜6μm程度に形成する。
このホログラム形成層4により、ホログラム像や光の回折光パターンが生じることになる。回折格子絵柄を加える場合はラベルの意匠性を高め、かつ偽造防止性の向上を図ることができる。
【0023】
ホログラム形成層4は、まず、ホログラムの干渉縞を記録したホログラム原パターンを形成する。ホログラム原パターン自体もエンボス形成層に使用できるが、量産する場合は、これをホログラム型に記録した後、ベースフィルム上のホログラム転写層材料に連続的に転写することにより行なう。
ホログラム形成層材料は一般に熱硬化性樹脂や電離放射線硬化性樹脂が用いられ、ホログラムパターンを転写した後、熱または紫外線等の電離放射線を照射して熱硬化させることが行なわれる。
このようにホログララムや光回折格子のように、光学的効果を有するラベルは、OVDラベルといわれている。
【0024】
車両認証用ラベル1は、ホログラム形成層4の粘着剤層6側面に、光反射性金属材料を蒸着またはスパッタリングして設けた光反射金属層5を有している。
当該光反射金属層5により、ホログラム像や光回折格子パターンをより明るく鮮明にすると共に、目視で認識可能な「車両ナンバー情報」と機械認識可能な「保険情報」を当該層に書き込みすることができる。
光反射金属層5の使用材料は、後述するように各種の材料があるが、蒸着等が容易なものとしては、アルミニウムが最適と考えられる。ただし、ニッケル、錫、インジウム、等も実用性が望める。
【0025】
光反射金属層5は、光反射や光回折効率を高めるためにホログラム形成層4に薄膜状に設けるものである。光を全反射するシルバータイプの他、半透明な透明タイプが用いられる場合もある。
光反射金属層の形成方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの薄膜形成法が挙げられる。
当該光反射金属層5の厚みは、5nm〜1μmもあれば十分である。
【0026】
車両認証用ラベル1を自動車の窓ガラスに貼着する際は、透明セパレートフィルム7を剥離して粘着剤層6により窓ガラス面に貼着する。セパレートフィルムを透明にするのはレーザー光描画を可能とするためである。
レーザー光描画による「車両ナンバー情報」と「保険情報」の記録は、車両認証用ラベル1を自動車所有者13に渡す前に行うので、当然に窓ガラスに貼着する前で透明セパレートフィルム7が付いている状態で行われる。
【0027】
車両認証用ラベル1にレーザー描画する場合は、図3の状態になる。レーザー光描画機のレーザー光光源25から照射されたレーザー光25Lは、対物レンズ26により集束されて車両認証用ラベル1の光反射金属層5を照射する。光反射金属層5は、レーザー光により加熱溶融して描画部分27を形成する。
このようなレーザー光描画機は、各種機種が市販されていて通常の文字や微細文字、バーコードパターン等の短時間の記録が可能である。
【0028】
車両認証用ラベル1を車両の窓ガラス16に貼着した状態は、図4のようになる。図4(A)は、車両窓ガラスに貼着した状態の断面図、図4(B)は、同平面図、である。
図4(A)のように、車両認証用ラベル1を車両の窓ガラス16に貼り付けた場合、車両の外側からナンバープレート情報5Nやバーコードで表示した保険情報5Bを視認することができる(図5(B))。
有効期限5Yは、目視可能なように「043」と表示されている。これは、2004年3月が期限であることを表示するものである。バーコード5Bは車両の外部から専用読み取り装置による読み取りが可能である。保険情報のように個人情報を含む場合は、目視では読み取りできないことが好ましい。
【0029】
ホログラムパターン(星形)や光回折格子によるパターン4pは、車内からも車外からも視認可能である。
図5は、車両認証用ラベルに記録するマークの例を示す図である。2004年3月が、例えば、3つの星形で表示され、2005年3月が、3つの三日月形で表示されている。このように表示することに限定されるわけではないが、記号表示すれば、偽造、改ざんの困難性が向上する。
2次元バーコード5Bは、実際には白抜け状態で記録される。
【0030】
図6、図7は、保険情報を機械読み取りする状態で、1次元バーコードで記録した場合であるが、2次元バーコードでも同様である。バーコードに重ねて回折格子パターンを記録することもできる。
図6は、光回折格子パターンがバーコード部に無い場合である。この場合、車両認証用ラベル1の保険情報部の機械読み取りは、例えば、赤色LED等の発光部31とCCDラインセンサーからなる受光部32を有する読み取り装置30を用いて行うことができる。
バーコード5B部分の読み取りは、レーザー光で除去しないで残した金属層部分5kから反射したLED光L1は受光部32に正反射し、金属層を破壊し金属層部の無いスペース部分(樹脂層部)5nからはLED反射光が生じないで、拡散光のみが生じることを示している。
受光部32を正反射光位置に設置して反射率差を測定することにより、コードパターンを読取りすることができる。
【0031】
図7も保険情報の機械読み取り状態を示す図であるが、バーコーパターン部に光回折格子パターンがある場合である。この例では、レーザー回折光による検知状態を示している。金属層部分5kから反射したレーザー光L2は受光部32に45°の角度で回折し、金属層部の無い部分5nからのレーザー光L2も受光部32に45°の角度で回折するが、反射層を有するバーの部分の回折強度の方が強いため、バー/スペースの回折光強度差により、CCDラインセンサーがコードパターンを検知することを示している。
回折光受光位置に設置したCCDラインセンサーからなる受光部32にて検知し、コードパターンを読取りすることができる。回折光の検知であるため、光源にはレーザー光を用いるのが望ましい。
【0032】
<その他の材質に関する実施形態>
(1)支持体シート
積層する各層を順次コーティングなどにより形成する際の耐熱性および耐溶剤性、また形成されたラベルをガラス面に転写する際、熱転写方式を利用する場合には、その耐熱性が必要とされる。
これらの性能を備えるプラスチックフィルムとしては、例えば2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、「PETフィルム」と表示する。)を好ましく使用できる。PETフィルムを使用する場合、支持体シート2の厚みは、5〜250μmのものが好ましく、加工適性や引張り強度、熱転写の際の熱効率を考慮すると10〜100μmがさらに好ましい。
【0033】
(2)剥離層
車両認証用ラベル1の剥離層3には、アクリル骨格樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、酢酸セルロースと熱硬化型アクリル樹脂、メラミン樹脂、ニトロセルロース樹脂、およびこれらとポリエチレンワックスとの混合物等から形成されるが、特にアクリル骨格樹脂を主成分とすることが好ましい。
または剥離層と支持体シート2との密着力を調整するために、ポリエステル樹脂等が好ましく用いられる。逆に剥離性を高めるためには、ワックス、シリコン系樹脂を添加することが行われる。
剥離層は、上記樹脂を適宜な溶剤に溶解または分散して、剥離層用塗工液を調整しこれを支持体シート2上に、グラビア印刷法、スクリーン印刷法またはリバースコーティング法、等の手段により塗布、乾燥して形成することができる。
剥離層の厚みは、0.1〜10μm程度の薄層にして用いる。
【0034】
(3)ホログラム形成層
ホログラムや光回折格子の精細パターンを再現できる樹脂材料が使用される。一般的には、ポリ塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン、エポキシ、アクリレート等の熱硬化性樹脂をそれぞれ単独、あるいは上記熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂とを混合して使用することができ、さらにラジカル重合性不飽和基を有する熱成形性物質、あるいはこれらにラジカル重合性不飽和単量体を加え、電離放射線硬化性としたものなどを使用することができる。
このようなホログラム形成層の膜厚は、0.1〜6μmの範囲が好ましく、1〜4μmの範囲がさらに好ましい。
【0035】
(4)光反射金属層材料
光を全反射する金属材料は、アルミニウム(Al)、亜鉛(Zn)、インジウム(In)、金(Au)、銀(Ag)、コバルト(Co)、錫(Sn)、セレン(Se)、チタニウム(Ti)、テルル(Te)、銅(Cu)、鉛(Pb)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)などの単体金属、もしくはそれらの合金を使用し得る。
金属薄膜の厚みは、色調やデザイン、用途等に応じて調整し得るが、一般的には5nm〜1μmの範囲が好ましく、より好ましくは10nm〜100nmの範囲である。透明性を有する着色光反射金属層を設けたい場合は、膜厚を20nm以下にするのが好ましい。また、隠蔽性を有する着色光反射金属層を設けたい場合は、膜厚を20nm以上にするのが望ましい。
【0036】
(5)粘着剤層
粘着剤層6に使用する粘着剤としては、アクリル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、またはこれらの共重合体、スチレンブタジエン共重合体樹脂、天然ゴム、カゼイン、ゼラチン、ロジンエステル、テルペン樹脂、フェノール系樹脂、スチレン系樹脂、クロマンインデン樹脂、ポリビニルエーテル樹脂、シリコーン樹脂、または、アルファシアノアクリレート系、シリコーン系、マレイミド系、スチロール系、ポリオレフィン系、レゾルシノール系、ポリビニルエーテル系、等の粘着剤を挙げることができる。
【0037】
また、粘着剤として、ヒートシール剤を使用してもよく、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、エチレン−イソブチルアクリレート共重合樹脂、ブチラール樹脂、ポリ酢酸ビニルおよびその共重合樹脂、セルロース誘導体、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリビニルエーテル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリプロピレン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)共重合体樹脂、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)共重合体樹脂等の各種熱可塑性エラストマー、または反応ホットメルト系樹脂等が挙げられる。
車両認証用ラベルは、前記のように車検の都度に更新することを前提とするので、粘着剤は貼付後に剥離し易いことも必要な条件となる。
粘着剤層の厚みとしては、3μm〜30μmとするのが好ましい。
【0038】
【発明の効果】
以上詳しく説明したように本発明によれば以下の効果が得られる。
(1)本保険システムによれば、偽造、模造が困難な光学効果を有するOVDラベルを車両認証用ラベルに用いており、当該車両認証用ラベルが第三のナンバープレートの機能をするので、保険システムそのものを自動車盗難の減少に寄与させることができる。
(2)本発明の車両認証用ラベルは、それ自体が製造が困難なOVDラベルで構成されており、レーザー光記録することで、偽造、模造を一層困難にできる。
また、第三者が「ナンバープレート情報」と「保険情報」を管理データベースに登録されている内容と同一に記録することは極めて困難であるため、偽造、模造を実質的に不可能にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本保険システムを説明する図である。
【図2】車両認証用ラベルの層構成を示す図である。
【図3】車両認証用ラベルにレーザー光描画する状態を示す図である。
【図4】車両認証用ラベルを車両の窓ガラスに貼着した状態を示す図である。
【図5】車両認証用ラベルに記録するマークの例を示す図である。
【図6】車両認証用ラベルの読み取り状態を示す図である。
【図7】車両認証用ラベルの読み取り状態を示す図である。
【符号の説明】
1 車両認証用ラベル
2 支持体シート
3 剥離層
4 ホログラムまたは光回折格子形成層(ホログラム形成層)
5 光反射金属層
6 粘着剤層
7 透明セパレートフィルム
8 保険証書
9 加入者情報
10 本保険システム
11 保険会社
12 自動車所有者
13 整備会社
14 ガソリンスタンド
15 ラベル製造元
16 車両の窓ガラス
Claims (12)
- 自動車の盗難防止をも図る保険システムであって、(1)自動車保険加入または継続の契約時に、自動車の所有者が当該自動車にかかる保険金を保険会社に支払いすることと、(2)当該契約をした際に、保険証書と共に、「車両ナンバー情報」と「保険情報」を記録した車両認証用ラベルを保険会社が契約者に配布することと、(3)自動車の所有者は、当該契約車両の窓ガラスの内側に前記車両認証用ラベルを貼付しておくこと、を特徴とする車両認証用ラベルを使用する保険システム。
- 車両認証用ラベルがホログラムパターンまたは光回折格子パターンを有するOVDラベルであることを特徴とする請求項1記載の車両認証用ラベルを使用する保険システム。
- 「保険情報」が自動車保険の有効期限、保険証書番号、を含むものであることを特徴とする請求項1記載の車両認証用ラベルを使用する保険システム。
- 「保険情報」が2次元バーコードで記録されていることを特徴とする請求項1または請求項3記載の車両認証用ラベルを使用する保険システム。
- 「車両ナンバー情報」がナンバープレート情報であって、レーザー光描画法により印字されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の車両認証用ラベルを使用する保険システム。
- 「車両ナンバー情報」がナンバープレート情報であって、感熱転写法により印字されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の車両認証用ラベルを使用する保険システム。
- 車両の窓ガラス内面に貼付する車両認証用ラベルであって、支持体シート上に、(1)剥離層、(2)ホログラムまたは光回折格子形成層、(3)光反射金属層、(4)粘着剤層、(5)透明セパレートフィルム、が順次形成され、当該光反射金属層に、目視で認識可能な「車両ナンバー情報」と、目視では認識不可能であって機械認識可能な「保険情報」を、レーザー光描画法により記録したことを特徴とする車両認証用ラベル。
- 剥離層とホログラムまたは光回折格子形成層との間に中間層、光反射金属層と粘着剤層との間にアンカー層、を入れたことを特徴とする請求項7記載の車両認証用ラベル。
- 「保険情報」が2次元バーコードであることを特徴とする請求項7または請求項8記載の車両認証用ラベル。
- 「車両ナンバー情報」がナンバープレート情報であることを特徴とする請求項7または請求項8記載の車両認証用ラベル。
- 光反射金属層をレーザー光照射によりバーコード状に破壊して記録し、金属層バー部分の正反射光と樹脂層スペース部分の拡散反射光の反射率差を、正反射光受光位置に設置したセンサーにて検知し、保険情報を読取りすることを特徴とする請求項7ないし請求項9記載の車両認証用ラベル。
- 光反射金属層をレーザー光照射によりバーコード状に破壊して記録し、金属層上の回折格子バー部分の回折光と樹脂層上の回折格子スペース部分の回折光との回折光強度差を、回折光受光位置に設置したセンサーにて検知し、車両IDコードを読取りすることを特徴とする請求項7ないし請求項9記載の車両認証用ラベル。
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