JP2004332497A - 地中埋設管の施工方法およびそれに用いる会所維持用ボックス - Google Patents
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Abstract
【課題】地中埋設管の施工方法において、会所構築、埋め戻し、再掘削等の二度手間を解消して、工事の効率的進捗をはかるとともに、作業空間の安全性を確保する。
【解決手段】地中埋設管の施工方法において、配管接続工事等の作業域として掘削された会所を埋め戻す際、該会所空間に会所維持用ボックスを配置して埋め戻し、作業再開時には該会所維持用ボックスを、作業空間として用いる。この施工に用いる会所維持用ボックスは、配管接続工事等の作業域として掘削された会所に、該会所の作業空間を維持し、配管敷設途中の管体の端部と共に保護するために設置される構造物である。
【選択図】 図5
【解決手段】地中埋設管の施工方法において、配管接続工事等の作業域として掘削された会所を埋め戻す際、該会所空間に会所維持用ボックスを配置して埋め戻し、作業再開時には該会所維持用ボックスを、作業空間として用いる。この施工に用いる会所維持用ボックスは、配管接続工事等の作業域として掘削された会所に、該会所の作業空間を維持し、配管敷設途中の管体の端部と共に保護するために設置される構造物である。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、地中埋設管の敷設施工方法並びにそれに用いる器材に係り、より詳しくは、一般道路の路面等の地中に管体などを敷設する地中埋設管の施工方法と、該施工方法において、地中に埋設した管体の接続工事等の作業域として掘削された会所に設置され、自ら会所の作業空間として機能すると共に、道路を交通解放するために工事を一時的に中断して掘削部分を埋め戻す際、管体の端部を保護する仮埋め体となって会所空間を維持する会所維持用ボックスに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般道路の路面の地下にガス管や上下水道管等の管体を埋設して、いわゆるパイプライン等を構築する工事においては、図9および10に示すように路面4を掘削して管体Pを埋設するための溝2を形成することから開始されるが、この際、掘削される溝2は埋設される管体Pの太さや埋設位置に応じて、必要最小限の幅と深さをもって掘削されることは勿論である。しかしながら、既に敷設してある管体Pと新たに敷設する管体P′との接合部付近は、例えば溶接や外面塗装等の作業を行うに当り、作業性と安全性を確保するために図10に示すように広く且つ深く掘削していわゆる会所3が形成されるが、該会所3内には、立ち入って施工に当る作業者の安全を確保するために、深さや広さに応じて鋼矢板6等の打ち込みに加え、図8に示すように該鋼矢板6の内側にさらに補強材7をあてがい、該補強材7の内壁面に水平梁8を通すことによって、土砂崩落等に対する万全の防止対策を施すことが必要となる。
【0003】
ところで一般道路の路面の地下に地中埋設管を敷設して、いわゆるパイプライン等を構築する工事においては、道路の公共性と渋滞回避等の見地から厳しい制約を受け、施工に際しては道路の占有長さや占有時間において厳密な規制が課せられる。従って当局から許可された時間帯以外においては、通常の道路として使用し得るよう工事区間の路面を旧態に服し、完全に交通解放することが義務付けられている。
【0004】
すなわち、図9に示すように施工途中の管体Pの管端部分を含む会所3を埋め戻し、簡易舗装して路面を確保することによって交通開放するが、翌日の作業再開に際しては、さらにまた再掘削するという工程を重複して繰り返すため、従来、この埋め戻しと再掘削作業の効率化をはかることと、会所3内での作業の安全性の確保が、相俟って求められる大きな課題であった。そこで上記埋め戻しと再掘削を効率良く実施する手段として、前記会所の作業空間に相当する埋設管用掘削孔に、発泡樹脂材等からなる大きさの異なる方形体ブロックと、変形自在な袋詰め状充填材を用いて仮埋めする方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、埋設管用掘削孔の仮埋め工法として、管体の管端に防護材を設けた後、下部仮埋体と空気圧で膨張収縮する袋体を下層仮埋体して用い、開削溝の下部を埋め、その上に水平仕切り版を横架し、さらにその上に粒状の仮埋材を充填・転圧して上部仮埋層を設ける方法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−81708号公報(第1−4頁、第1−6図)
【特許文献2】
特開2001−98506号公報(第1−4頁、第1−4図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来方法においては、会所等の埋設管用掘削孔を仮埋めするに際して、軽量で変形自在な仮埋め体を開発し、仮埋め、再掘削の作業性の向上を図り、所期の目的を達成している。しかしながら、依然として仮埋め、再掘削の工程は省略されておらず、その上、会所スペースの掘削工程は前日仮埋めにより埋め戻した部分を、工事に先立って再掘削する作業を繰り返すために事実上二度手間となる。また、会所スペースが広くかつ深い場合は、土砂崩落等の危険を回避するために多数の鋼矢板を打ち込む必要に迫られるが、鋼矢板の打ち込みは1枚ずつ行うために極めて効率が悪く、早期に解決を望まれる課題であった。
【0008】
本発明は、かかる課題を解決するためになされたもので、従来の工法に比べて大幅に作業工程を短縮できる施工方法と、該施工方法に用いる会所維持用ボックスを提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために種々検討した結果、新設管を埋設する部分の掘削を行う際に、後端を若干余分に掘削しておき、該掘削部位に路面上からの交通荷重、側壁面からの土圧にも充分耐えるよう設計された箱体を、埋設管を跨ぐように覆って設置することにより、作業を中断して路面を復旧するために埋め戻す際、内部に空洞を残した状態での仮埋め体となり、作業再開時にはそのまま会所としての作業空間として機能し得るという知見を得、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明に係る地中埋設管の施工方法は、配管接続工事等の作業域として掘削された会所を埋め戻す際、該会所空間に会所維持用ボックスを配置して埋め戻し、作業再開時には該会所維持用ボックスを、作業空間として用いることを特徴とするものである。
また、本発明方法に用いる会所維持用ボックスは、地中埋設管の施工時に、配管接続工事等の作業域として掘削された会所に、該会所の作業空間を維持し、配管敷設途中の管体の端部と共に保護するために設置される構造物であって、概略底面のない直方体形状をなし、鋼製の枠体と水平梁を核として、その外側に頂部と前後左右の鋼板からなる側面部を設けることによって構成される箱体であって、該箱体の対向する前後一対の側面部には、既設の管体端部、若しくは既設の管体と新設の管体との接合部近傍を、跨ぐようにして設置するためにアーチ型の切り込みが設けられ、該箱体の頂部には作業者が出入り可能な程度の開口と、該開口を閉塞するための上蓋が設けられ、その底部には該ボックスの沈下を防止するために、底板が設けられてなることを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下本発明を添付した図面に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれにより拘束されるものではなく、本発明の主旨の範囲内において自由に設計変更が可能である。図1は本発明の一実施例に係る会所維持用ボックスの正面図、図2はその側面図、図3は同実施例における会所維持用ボックスの頂部の平面図、図4はその底部の平面図であり、図5は本発明の一実施例に係る会所維持用ボックスと、埋設されて施工される管体の状態を、模式的に示した斜視説明図、図6は本発明工法の一実施例を模式的に示した説明図で(a)はその平面図、(b)は側面図であり、図7は同実施例における埋設管敷設作業の進行状況を模式的に示した説明図で、(a)は新設管付設のための溝の掘削状態、(b)は新設管付設と会所維持用ボックス内の接合作業状態、(c)は路面復旧のために会所維持用ボックスを移動して、埋め戻した状態を示す側部断面図、図8は従来工法における会所の状態を模式的に示す平面説明図、図9は従来工法を模式的に示した説明図で、(a)はその平面図、(b)はその側面図であり、図10は従来の工法における埋設管敷設作業の一部を模式的に示した説明図で、(a)は会所掘りの状況を示し、(b)は会所を構築するための鋼矢板の施工状態を示す図である。
【0012】
本発明の一実施例に係る会所維持用ボックス1は、図1〜4に示すように基本的には概略底面のない直方体形状をなしている。すなわち、鋼製の枠体1−7と水平梁1−9に頂部1−1と、前後左右の鋼板からなる側面部1−6、1−6′によって構成される箱体であって、前記箱体の対向する前後一対の側面部1−6には、既設の管体Pと新設の管体P′との接合部近傍を、跨ぐようにしてアーチ型の切り込み1−3が設けられ、前記箱体の頂部1−1には作業者が出入り可能な程度の開口1−2と、四隅に該箱体からなる会所維持用ボックス1を吊り下げるための吊りピース1−1′が設けられている。
【0013】
前記開口1−2には、埋め戻しの際に閉塞するための該開口1−2より大径の上蓋1−5が備えられ、該上蓋1−5には必要に応じて吊りピース1−5′が設けられ、上蓋1−5の取り付けや取り外しを容易にしている。なお、該上蓋1−5は交通解放の際の荷重に対して十分に耐えうるよう、より頑丈な構造にすることが必要である。例えば、材質が軟鋼の会所維持用ボックス1に直径600mmの開口1−2を設けた場合、該開口1−2を閉塞する同材質の上蓋1−5の厚さは、土被り1.2m、一般道路で路面を20tトラックが通過することを考慮すると、25mm程度にすることが適当である。
【0014】
本発明の会所維持用ボックス1は概略底面のない構成となっているが、交通荷重と土圧に耐え得る剛性を維持するために、構造上自重が過重となり、加えて交通解放の際の交通荷重を伴い、軟弱な地盤においては沈下するおそれがあるため、その底部に管体P、P′を跨ぐ際の妨げにならない程度の幅、通常横幅300mm程度の底板1−4を設けるのが好ましい。一方、管体P、P′を跨ぐ前記アーチ型の切り込み1−3は、埋め戻しの際、土砂の浸入を防ぐために閉塞する必要があるが、該切り込み1−3に沿って縦にガイド1−8を設け、該ガイド1−8に土止め用の木矢板(図示せず)を差し込むことによって、該ボックスの内側から容易に閉塞することができる。なお、該アーチ型の切り込み1−3が形成される対向する前後一対の側面部1−6は、敷設された管体P、P′の接合等の作業が完了し、会所維持用ボックス1が該会所3から上方に引き抜かれて次の会所3′に移動されるが、前記側面部1−6は、横方向からの土圧に対応するよう他の側面部1−6′に比較して、その板厚を厚く設計して高い剛性を確保する構造とすることが望ましい。
【0015】
上記の会所維持用ボックス1は、内部で管体P、P′の溶接や外面塗装の作業が出来得るスペースを有し、該スペースは広く設けられるほど作業性は改善されるが、該ボックス1の容積も大きくなり、会所を構築するために地中に設置するに必要な掘削土量が増加し、作業量が負担となるばかりでなく、単位面積あたりの土圧や交通荷重も増加するため、その構造上より剛性の高いものが求められるなど、高コストになるところから、該ボックス1内の作業スペースは必要最小限度とすることが望ましい。例えば、溶接接合、塗装作業を対象にした場合、管体P、P′の外周面から該ボックス1内壁面までの距離が、概略400mm程度が望ましい。
【0016】
本発明による上記会所維持用ボックス1は、会所3への埋設や移動のための引き抜きに際し、抵抗を排除してスムースな作業を図るため、その外壁部には突起などの障害物の無いように設計されている。また、該ボックス1は会所3に設置される際、その頂部1−1が道路面より約300mm程度低くなるよう埋設され、上蓋1−5や吊りピース1−1′、1−5′を含む上部構造物は、完全にアスフアルト簡易舗装によって埋没した状態となる。従ってそれらの構造物が交通の支障になることもなく、また、自動車などの通行時の衝撃が直接的に該ボックス1に影響することを未然に防ぎ、該舗装によって会所維持ボックス1内に、雨水などが浸水ことも防止され、ボックス1内の未接合管体Pの管端部の汚染を未然に防ぎ、それを健全に維持する。
【0017】
本発明による会所維持ボックス1はその剛性を維持するために、本実施形態においては鋼製としたが、目的を達成し得る許容範囲内で、例えば軽量化のためにアルミ合金やFRPを材質として選択し得るし、また、埋設される配管のサイズや埋設位置(深さ)などによる掘削溝幅等の変化に、柔軟に適応できるように幅方向や高さ方向が、ある程度の範囲内で自由に変更可能な構造とすることもできる。なお、本発明の会所維持ボックス1の引き抜きや移動においては、通常レッカーやバックホウを使用するが、必要に応じて油圧ジャッキを使用した引き抜き装置を用いることも可能である。
【0018】
一方、本発明による埋設管敷設施工方法は、図7に示すように路面4の地下に埋設されている既設管Pの管端部から、新設管P′の埋設部分を掘削して溝2を形成して、該溝2内に新設管P′を敷設する作業から開始されるが、この際、既設管Pの管端部と新設管P′との接合部に相当するいわゆる会所3は、他の溝2より若干広くかつ深く掘削される。次いで該会所3に本発明による前記会所維持用ボックス1が、管体P、P′の接合部を跨ぐようにして設置され、該会所3における溶接や外管塗装などの作業空間を提供する。
【0019】
上記溶接や塗装作業を施す際に、該会所維持用ボックス1は会所3に設置されて、該ボックス1内に立ち入って施工する作業者を、該会所3周辺の土砂崩落等から保護し、作業の安全性を保障する。上記作業終了後、会所維持用ボックス1は、同会所3からレッカー等を介して引き抜かれ、接合された新設管P′の先端の管端に新たに掘削された会所スペース3′に移動し、該管端P′を跨いで設置される。
【0020】
茲で、前記接合作業を繰り返す場合は前記手順の通りであるが、当日の作業を終了して中断する場合は、図7(c)に示すように配管敷設用に掘削した溝2を該会所維持用ボックス1共々埋め戻し、アスフアルトによる簡易舗装を施して規定通りの交通解放をすることになるが、この際、該会所維持用ボックス1は対向する側面部1−6のアーチ型切り込み1−3を、該側面部1−6の内側に設けたガイド1−8に、木矢板(図示せず)を差し込んで閉塞し、さらに該ボックス1の頂部1−1の開口1−2を、上蓋1−5によって閉塞した後砂利等で仮埋めし、その上にアスファルトによる簡易舗装を施して路面4の復旧工事が完了する。
【0021】
上記のように本発明工法における埋設管敷設工法は、工事途中における道路復旧のために、掘削した会所3を埋め戻して仮埋めし、工事再開時には仮埋めした該会所3を、再度掘削するところから開始するといういわゆる二度手間が、会所維持用ボックス1の使用によって解消される。すなわち、該会所ボックス1はその内部に十分な空洞を残した仮埋め体として埋め戻されるため、埋め戻しに要する仮埋め体を必要とせず、従って工事再開に先立つ再掘削は省略され、更に該ボックス1の内面がそのまま会所3の作業スペースして提供されることとなる。
【0022】
【実施例】
以下、本発明埋設管敷設施工工法に基づく実施例を図5、図6および図7に、従来の工法に基づく比較例を図8、図9および図10に従って、さらに具体的に説明する。
【0023】
実施例1
一般道路の路面の地下に、管径700mm、肉厚7.9mm、長さが12mの鋼管を埋設して、水道用パイプラインを敷設する工事を、夜間の道路占有時間が8時間で、工期が2週間の道路使用許可を得て実施した。本実施例においては、前日の作業終了時に会所維持用ボックス1が、図6に示すように会所3スペースに既設管Pの管端を保護しつつ埋め戻されて設置されており、同所3を再掘削して新たに会所を構築する必要はなく、会所維持用ボックス1の上部を覆っているアスフアルト簡易舗装材を取り除き、該ボックス1の上蓋1−5を取り外すことによって、そのまま会所3としての作業空間を提供し得る。従って、本実施例においては当日布設を予定される新設管P′のために、路面に幅1.6m、深さ2m(会所維持ボックス1設置部の深さは2.4m)の溝を掘削するところから実質的作業は開始され、新設管敷設、本管溶接、新管敷設部分の埋め戻し、アスフアルト簡易舗装の復旧という工程で作業が進捗したが、全工程に要した時間は480分(8時間)であり、各工程に要した時間は表1に示す通りであった。
【0024】
比較例1
会所維持用ボックス1を用いることなく、埋設管敷設を従来の工法に基づいて実施した以外は、実施例1と同一の条件で水道用パイプラインの敷設工事を実施した。本比較例においては、図8および図10に示すように会所スペース3の掘削と、鋼矢板等による土止め補強に工数を要し、その後新設管敷設用の溝の掘削、新設管の敷設、本管溶接、埋め戻し、アスフアルト簡易舗装の復旧等など、実施例と同様の工程で作業は進捗するが、各工程に要した時間は表2に示す通り、本比較例では、前記会所スペース3の掘削(所要時間1時間)が加わり、さらに該会所部分の埋め戻しに土量が多いことから本発明法の2時間に対し2時間30分と30分長くかかり、結果的に1時間30分長く要した。
【0025】
比較例2
上記比較例1においては道路占有時間として認可されている8時間を超過しているため、同比較例による従来工法では1日12mの新設管敷設は、実質的には不可能となる。そこで敷設距離を短縮することにより道路占有時間8時間の制限をクリヤーするための手段として、通常用いられる管の長さ6m単位に合わせ、1日の敷設距離を6mに短縮して工程を組んで、従来法による敷設管埋設工事を実施した。各工程に要した時間は表3に示す通りであった。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】
【発明の効果】
以上説明したごとく、会所維持用ボックスを用いた本発明の埋設管敷設工法は、従来の工法に比較して単純対比においても時間単位の工程短縮が可能となり、これに道路占有時間等の制約を加味して比較すると、さらに大幅な工程短縮がはかられる。また、本発明の会所維持用ボックスを使用することにより、管体の接合等の作業が頑丈な該ボックス内で安全に施工し得るため、会所部を構築するための鋼矢板や補強材、さらには水平梁などの備品や器材を極力省略することも可能となる。また、会所部を埋め戻したり、再掘削したりという二度手間が未然に解消されると共に、埋め戻しに用いられる仮埋め体なども不要となり、既設管の管端も会所維持用ボックス内において安定的に保護されるため、崩落する土砂や漏水による汚染のおそれもなく、健全な状態で維持される。さらに、本発明の会所維持用ボックスは、会所部に設置されて自らが会所としての作業空間を提供し、工事区間を埋め戻して交通解放する際には自らが仮埋め体となり、工事再開の際にはさらに会所として機能することにより、埋設管敷設工事の能率を効果的に向上させるとともに、付帯コストの低減と、併せて安全性の確保に著しく寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る会所維持用ボックスの正面図である。
【図2】同実施例に係る会所維持用ボックスの側面図である。
【図3】同実施例に係る会所維持用ボックスの頂部平面図である。
【図4】同実施例に係る会所維持用ボックスの底部平面図である。
【図5】本発明の一実施例に係る会所維持用ボックスと敷設される管体とを模式的に示した斜視説明図である。
【図6】本発明の一実施例に係る埋設管敷設工法を模式的に示した説明図で、(a)はその平面図、(b)はその側面図である。
【図7】同実施例における埋設管敷設状況を模式的に示した説明図で、(a)は新設管敷設のための溝の掘削状態を示す側面図、(b)は新設管布設と接合状態を示す側面図、(c)は会所ボックスを移動して埋め戻し、路面を復旧した状態を示す側部断面図である。
【図8】従来工法における会所部構築において、土止め状態を示す平面図である。
【図9】従来の埋設管敷設工法を模式的に示した説明図で、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図10】従来の工法における埋設管敷設状況を模式的に示した説明図で、(a)はその会所部掘削状態を示す側面図、(b)は会所部構築にために鋼矢板を打ち込む状態を示す側部断面図である。
【符号の説明】
1 会所維持用ボックス
1−1 頂部
1−1′ 吊りピース
1−2 開口
1−3 切り込み
1−4 底板
1−5 上蓋
1−5′ 吊りピース
1−6 側面部(前後)
1−6′ 側面部(左右)
1−7 枠体
1−8 ガイド
1−9 水平梁
2 溝
3、3′ 会所
4 路面
5 埋め戻し部
6 鋼矢板
7 補強材
8 梁
P、P′ 管体
【発明の属する技術分野】
この発明は、地中埋設管の敷設施工方法並びにそれに用いる器材に係り、より詳しくは、一般道路の路面等の地中に管体などを敷設する地中埋設管の施工方法と、該施工方法において、地中に埋設した管体の接続工事等の作業域として掘削された会所に設置され、自ら会所の作業空間として機能すると共に、道路を交通解放するために工事を一時的に中断して掘削部分を埋め戻す際、管体の端部を保護する仮埋め体となって会所空間を維持する会所維持用ボックスに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般道路の路面の地下にガス管や上下水道管等の管体を埋設して、いわゆるパイプライン等を構築する工事においては、図9および10に示すように路面4を掘削して管体Pを埋設するための溝2を形成することから開始されるが、この際、掘削される溝2は埋設される管体Pの太さや埋設位置に応じて、必要最小限の幅と深さをもって掘削されることは勿論である。しかしながら、既に敷設してある管体Pと新たに敷設する管体P′との接合部付近は、例えば溶接や外面塗装等の作業を行うに当り、作業性と安全性を確保するために図10に示すように広く且つ深く掘削していわゆる会所3が形成されるが、該会所3内には、立ち入って施工に当る作業者の安全を確保するために、深さや広さに応じて鋼矢板6等の打ち込みに加え、図8に示すように該鋼矢板6の内側にさらに補強材7をあてがい、該補強材7の内壁面に水平梁8を通すことによって、土砂崩落等に対する万全の防止対策を施すことが必要となる。
【0003】
ところで一般道路の路面の地下に地中埋設管を敷設して、いわゆるパイプライン等を構築する工事においては、道路の公共性と渋滞回避等の見地から厳しい制約を受け、施工に際しては道路の占有長さや占有時間において厳密な規制が課せられる。従って当局から許可された時間帯以外においては、通常の道路として使用し得るよう工事区間の路面を旧態に服し、完全に交通解放することが義務付けられている。
【0004】
すなわち、図9に示すように施工途中の管体Pの管端部分を含む会所3を埋め戻し、簡易舗装して路面を確保することによって交通開放するが、翌日の作業再開に際しては、さらにまた再掘削するという工程を重複して繰り返すため、従来、この埋め戻しと再掘削作業の効率化をはかることと、会所3内での作業の安全性の確保が、相俟って求められる大きな課題であった。そこで上記埋め戻しと再掘削を効率良く実施する手段として、前記会所の作業空間に相当する埋設管用掘削孔に、発泡樹脂材等からなる大きさの異なる方形体ブロックと、変形自在な袋詰め状充填材を用いて仮埋めする方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、埋設管用掘削孔の仮埋め工法として、管体の管端に防護材を設けた後、下部仮埋体と空気圧で膨張収縮する袋体を下層仮埋体して用い、開削溝の下部を埋め、その上に水平仕切り版を横架し、さらにその上に粒状の仮埋材を充填・転圧して上部仮埋層を設ける方法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−81708号公報(第1−4頁、第1−6図)
【特許文献2】
特開2001−98506号公報(第1−4頁、第1−4図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来方法においては、会所等の埋設管用掘削孔を仮埋めするに際して、軽量で変形自在な仮埋め体を開発し、仮埋め、再掘削の作業性の向上を図り、所期の目的を達成している。しかしながら、依然として仮埋め、再掘削の工程は省略されておらず、その上、会所スペースの掘削工程は前日仮埋めにより埋め戻した部分を、工事に先立って再掘削する作業を繰り返すために事実上二度手間となる。また、会所スペースが広くかつ深い場合は、土砂崩落等の危険を回避するために多数の鋼矢板を打ち込む必要に迫られるが、鋼矢板の打ち込みは1枚ずつ行うために極めて効率が悪く、早期に解決を望まれる課題であった。
【0008】
本発明は、かかる課題を解決するためになされたもので、従来の工法に比べて大幅に作業工程を短縮できる施工方法と、該施工方法に用いる会所維持用ボックスを提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために種々検討した結果、新設管を埋設する部分の掘削を行う際に、後端を若干余分に掘削しておき、該掘削部位に路面上からの交通荷重、側壁面からの土圧にも充分耐えるよう設計された箱体を、埋設管を跨ぐように覆って設置することにより、作業を中断して路面を復旧するために埋め戻す際、内部に空洞を残した状態での仮埋め体となり、作業再開時にはそのまま会所としての作業空間として機能し得るという知見を得、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明に係る地中埋設管の施工方法は、配管接続工事等の作業域として掘削された会所を埋め戻す際、該会所空間に会所維持用ボックスを配置して埋め戻し、作業再開時には該会所維持用ボックスを、作業空間として用いることを特徴とするものである。
また、本発明方法に用いる会所維持用ボックスは、地中埋設管の施工時に、配管接続工事等の作業域として掘削された会所に、該会所の作業空間を維持し、配管敷設途中の管体の端部と共に保護するために設置される構造物であって、概略底面のない直方体形状をなし、鋼製の枠体と水平梁を核として、その外側に頂部と前後左右の鋼板からなる側面部を設けることによって構成される箱体であって、該箱体の対向する前後一対の側面部には、既設の管体端部、若しくは既設の管体と新設の管体との接合部近傍を、跨ぐようにして設置するためにアーチ型の切り込みが設けられ、該箱体の頂部には作業者が出入り可能な程度の開口と、該開口を閉塞するための上蓋が設けられ、その底部には該ボックスの沈下を防止するために、底板が設けられてなることを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下本発明を添付した図面に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれにより拘束されるものではなく、本発明の主旨の範囲内において自由に設計変更が可能である。図1は本発明の一実施例に係る会所維持用ボックスの正面図、図2はその側面図、図3は同実施例における会所維持用ボックスの頂部の平面図、図4はその底部の平面図であり、図5は本発明の一実施例に係る会所維持用ボックスと、埋設されて施工される管体の状態を、模式的に示した斜視説明図、図6は本発明工法の一実施例を模式的に示した説明図で(a)はその平面図、(b)は側面図であり、図7は同実施例における埋設管敷設作業の進行状況を模式的に示した説明図で、(a)は新設管付設のための溝の掘削状態、(b)は新設管付設と会所維持用ボックス内の接合作業状態、(c)は路面復旧のために会所維持用ボックスを移動して、埋め戻した状態を示す側部断面図、図8は従来工法における会所の状態を模式的に示す平面説明図、図9は従来工法を模式的に示した説明図で、(a)はその平面図、(b)はその側面図であり、図10は従来の工法における埋設管敷設作業の一部を模式的に示した説明図で、(a)は会所掘りの状況を示し、(b)は会所を構築するための鋼矢板の施工状態を示す図である。
【0012】
本発明の一実施例に係る会所維持用ボックス1は、図1〜4に示すように基本的には概略底面のない直方体形状をなしている。すなわち、鋼製の枠体1−7と水平梁1−9に頂部1−1と、前後左右の鋼板からなる側面部1−6、1−6′によって構成される箱体であって、前記箱体の対向する前後一対の側面部1−6には、既設の管体Pと新設の管体P′との接合部近傍を、跨ぐようにしてアーチ型の切り込み1−3が設けられ、前記箱体の頂部1−1には作業者が出入り可能な程度の開口1−2と、四隅に該箱体からなる会所維持用ボックス1を吊り下げるための吊りピース1−1′が設けられている。
【0013】
前記開口1−2には、埋め戻しの際に閉塞するための該開口1−2より大径の上蓋1−5が備えられ、該上蓋1−5には必要に応じて吊りピース1−5′が設けられ、上蓋1−5の取り付けや取り外しを容易にしている。なお、該上蓋1−5は交通解放の際の荷重に対して十分に耐えうるよう、より頑丈な構造にすることが必要である。例えば、材質が軟鋼の会所維持用ボックス1に直径600mmの開口1−2を設けた場合、該開口1−2を閉塞する同材質の上蓋1−5の厚さは、土被り1.2m、一般道路で路面を20tトラックが通過することを考慮すると、25mm程度にすることが適当である。
【0014】
本発明の会所維持用ボックス1は概略底面のない構成となっているが、交通荷重と土圧に耐え得る剛性を維持するために、構造上自重が過重となり、加えて交通解放の際の交通荷重を伴い、軟弱な地盤においては沈下するおそれがあるため、その底部に管体P、P′を跨ぐ際の妨げにならない程度の幅、通常横幅300mm程度の底板1−4を設けるのが好ましい。一方、管体P、P′を跨ぐ前記アーチ型の切り込み1−3は、埋め戻しの際、土砂の浸入を防ぐために閉塞する必要があるが、該切り込み1−3に沿って縦にガイド1−8を設け、該ガイド1−8に土止め用の木矢板(図示せず)を差し込むことによって、該ボックスの内側から容易に閉塞することができる。なお、該アーチ型の切り込み1−3が形成される対向する前後一対の側面部1−6は、敷設された管体P、P′の接合等の作業が完了し、会所維持用ボックス1が該会所3から上方に引き抜かれて次の会所3′に移動されるが、前記側面部1−6は、横方向からの土圧に対応するよう他の側面部1−6′に比較して、その板厚を厚く設計して高い剛性を確保する構造とすることが望ましい。
【0015】
上記の会所維持用ボックス1は、内部で管体P、P′の溶接や外面塗装の作業が出来得るスペースを有し、該スペースは広く設けられるほど作業性は改善されるが、該ボックス1の容積も大きくなり、会所を構築するために地中に設置するに必要な掘削土量が増加し、作業量が負担となるばかりでなく、単位面積あたりの土圧や交通荷重も増加するため、その構造上より剛性の高いものが求められるなど、高コストになるところから、該ボックス1内の作業スペースは必要最小限度とすることが望ましい。例えば、溶接接合、塗装作業を対象にした場合、管体P、P′の外周面から該ボックス1内壁面までの距離が、概略400mm程度が望ましい。
【0016】
本発明による上記会所維持用ボックス1は、会所3への埋設や移動のための引き抜きに際し、抵抗を排除してスムースな作業を図るため、その外壁部には突起などの障害物の無いように設計されている。また、該ボックス1は会所3に設置される際、その頂部1−1が道路面より約300mm程度低くなるよう埋設され、上蓋1−5や吊りピース1−1′、1−5′を含む上部構造物は、完全にアスフアルト簡易舗装によって埋没した状態となる。従ってそれらの構造物が交通の支障になることもなく、また、自動車などの通行時の衝撃が直接的に該ボックス1に影響することを未然に防ぎ、該舗装によって会所維持ボックス1内に、雨水などが浸水ことも防止され、ボックス1内の未接合管体Pの管端部の汚染を未然に防ぎ、それを健全に維持する。
【0017】
本発明による会所維持ボックス1はその剛性を維持するために、本実施形態においては鋼製としたが、目的を達成し得る許容範囲内で、例えば軽量化のためにアルミ合金やFRPを材質として選択し得るし、また、埋設される配管のサイズや埋設位置(深さ)などによる掘削溝幅等の変化に、柔軟に適応できるように幅方向や高さ方向が、ある程度の範囲内で自由に変更可能な構造とすることもできる。なお、本発明の会所維持ボックス1の引き抜きや移動においては、通常レッカーやバックホウを使用するが、必要に応じて油圧ジャッキを使用した引き抜き装置を用いることも可能である。
【0018】
一方、本発明による埋設管敷設施工方法は、図7に示すように路面4の地下に埋設されている既設管Pの管端部から、新設管P′の埋設部分を掘削して溝2を形成して、該溝2内に新設管P′を敷設する作業から開始されるが、この際、既設管Pの管端部と新設管P′との接合部に相当するいわゆる会所3は、他の溝2より若干広くかつ深く掘削される。次いで該会所3に本発明による前記会所維持用ボックス1が、管体P、P′の接合部を跨ぐようにして設置され、該会所3における溶接や外管塗装などの作業空間を提供する。
【0019】
上記溶接や塗装作業を施す際に、該会所維持用ボックス1は会所3に設置されて、該ボックス1内に立ち入って施工する作業者を、該会所3周辺の土砂崩落等から保護し、作業の安全性を保障する。上記作業終了後、会所維持用ボックス1は、同会所3からレッカー等を介して引き抜かれ、接合された新設管P′の先端の管端に新たに掘削された会所スペース3′に移動し、該管端P′を跨いで設置される。
【0020】
茲で、前記接合作業を繰り返す場合は前記手順の通りであるが、当日の作業を終了して中断する場合は、図7(c)に示すように配管敷設用に掘削した溝2を該会所維持用ボックス1共々埋め戻し、アスフアルトによる簡易舗装を施して規定通りの交通解放をすることになるが、この際、該会所維持用ボックス1は対向する側面部1−6のアーチ型切り込み1−3を、該側面部1−6の内側に設けたガイド1−8に、木矢板(図示せず)を差し込んで閉塞し、さらに該ボックス1の頂部1−1の開口1−2を、上蓋1−5によって閉塞した後砂利等で仮埋めし、その上にアスファルトによる簡易舗装を施して路面4の復旧工事が完了する。
【0021】
上記のように本発明工法における埋設管敷設工法は、工事途中における道路復旧のために、掘削した会所3を埋め戻して仮埋めし、工事再開時には仮埋めした該会所3を、再度掘削するところから開始するといういわゆる二度手間が、会所維持用ボックス1の使用によって解消される。すなわち、該会所ボックス1はその内部に十分な空洞を残した仮埋め体として埋め戻されるため、埋め戻しに要する仮埋め体を必要とせず、従って工事再開に先立つ再掘削は省略され、更に該ボックス1の内面がそのまま会所3の作業スペースして提供されることとなる。
【0022】
【実施例】
以下、本発明埋設管敷設施工工法に基づく実施例を図5、図6および図7に、従来の工法に基づく比較例を図8、図9および図10に従って、さらに具体的に説明する。
【0023】
実施例1
一般道路の路面の地下に、管径700mm、肉厚7.9mm、長さが12mの鋼管を埋設して、水道用パイプラインを敷設する工事を、夜間の道路占有時間が8時間で、工期が2週間の道路使用許可を得て実施した。本実施例においては、前日の作業終了時に会所維持用ボックス1が、図6に示すように会所3スペースに既設管Pの管端を保護しつつ埋め戻されて設置されており、同所3を再掘削して新たに会所を構築する必要はなく、会所維持用ボックス1の上部を覆っているアスフアルト簡易舗装材を取り除き、該ボックス1の上蓋1−5を取り外すことによって、そのまま会所3としての作業空間を提供し得る。従って、本実施例においては当日布設を予定される新設管P′のために、路面に幅1.6m、深さ2m(会所維持ボックス1設置部の深さは2.4m)の溝を掘削するところから実質的作業は開始され、新設管敷設、本管溶接、新管敷設部分の埋め戻し、アスフアルト簡易舗装の復旧という工程で作業が進捗したが、全工程に要した時間は480分(8時間)であり、各工程に要した時間は表1に示す通りであった。
【0024】
比較例1
会所維持用ボックス1を用いることなく、埋設管敷設を従来の工法に基づいて実施した以外は、実施例1と同一の条件で水道用パイプラインの敷設工事を実施した。本比較例においては、図8および図10に示すように会所スペース3の掘削と、鋼矢板等による土止め補強に工数を要し、その後新設管敷設用の溝の掘削、新設管の敷設、本管溶接、埋め戻し、アスフアルト簡易舗装の復旧等など、実施例と同様の工程で作業は進捗するが、各工程に要した時間は表2に示す通り、本比較例では、前記会所スペース3の掘削(所要時間1時間)が加わり、さらに該会所部分の埋め戻しに土量が多いことから本発明法の2時間に対し2時間30分と30分長くかかり、結果的に1時間30分長く要した。
【0025】
比較例2
上記比較例1においては道路占有時間として認可されている8時間を超過しているため、同比較例による従来工法では1日12mの新設管敷設は、実質的には不可能となる。そこで敷設距離を短縮することにより道路占有時間8時間の制限をクリヤーするための手段として、通常用いられる管の長さ6m単位に合わせ、1日の敷設距離を6mに短縮して工程を組んで、従来法による敷設管埋設工事を実施した。各工程に要した時間は表3に示す通りであった。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】
【発明の効果】
以上説明したごとく、会所維持用ボックスを用いた本発明の埋設管敷設工法は、従来の工法に比較して単純対比においても時間単位の工程短縮が可能となり、これに道路占有時間等の制約を加味して比較すると、さらに大幅な工程短縮がはかられる。また、本発明の会所維持用ボックスを使用することにより、管体の接合等の作業が頑丈な該ボックス内で安全に施工し得るため、会所部を構築するための鋼矢板や補強材、さらには水平梁などの備品や器材を極力省略することも可能となる。また、会所部を埋め戻したり、再掘削したりという二度手間が未然に解消されると共に、埋め戻しに用いられる仮埋め体なども不要となり、既設管の管端も会所維持用ボックス内において安定的に保護されるため、崩落する土砂や漏水による汚染のおそれもなく、健全な状態で維持される。さらに、本発明の会所維持用ボックスは、会所部に設置されて自らが会所としての作業空間を提供し、工事区間を埋め戻して交通解放する際には自らが仮埋め体となり、工事再開の際にはさらに会所として機能することにより、埋設管敷設工事の能率を効果的に向上させるとともに、付帯コストの低減と、併せて安全性の確保に著しく寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る会所維持用ボックスの正面図である。
【図2】同実施例に係る会所維持用ボックスの側面図である。
【図3】同実施例に係る会所維持用ボックスの頂部平面図である。
【図4】同実施例に係る会所維持用ボックスの底部平面図である。
【図5】本発明の一実施例に係る会所維持用ボックスと敷設される管体とを模式的に示した斜視説明図である。
【図6】本発明の一実施例に係る埋設管敷設工法を模式的に示した説明図で、(a)はその平面図、(b)はその側面図である。
【図7】同実施例における埋設管敷設状況を模式的に示した説明図で、(a)は新設管敷設のための溝の掘削状態を示す側面図、(b)は新設管布設と接合状態を示す側面図、(c)は会所ボックスを移動して埋め戻し、路面を復旧した状態を示す側部断面図である。
【図8】従来工法における会所部構築において、土止め状態を示す平面図である。
【図9】従来の埋設管敷設工法を模式的に示した説明図で、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図10】従来の工法における埋設管敷設状況を模式的に示した説明図で、(a)はその会所部掘削状態を示す側面図、(b)は会所部構築にために鋼矢板を打ち込む状態を示す側部断面図である。
【符号の説明】
1 会所維持用ボックス
1−1 頂部
1−1′ 吊りピース
1−2 開口
1−3 切り込み
1−4 底板
1−5 上蓋
1−5′ 吊りピース
1−6 側面部(前後)
1−6′ 側面部(左右)
1−7 枠体
1−8 ガイド
1−9 水平梁
2 溝
3、3′ 会所
4 路面
5 埋め戻し部
6 鋼矢板
7 補強材
8 梁
P、P′ 管体
Claims (2)
- 地中埋設管の施工方法において、配管接続工事等の作業域として掘削された会所を埋め戻す際、該会所空間に会所維持用ボックスを配置して埋め戻し、作業再開時には該会所維持用ボックスを、作業空間として用いることを特徴とする地中埋設管の施工方法。
- 地中埋設管の施工時に、配管接続工事等の作業域として掘削された会所に、該会所の作業空間を維持し、配管敷設途中の管体の端部と共に保護するために設置される構造物であって、概略底面のない直方体形状をなし、鋼製の枠体と水平梁を核として、その外側に頂部と前後左右の鋼板からなる側面部を設けることによって構成される箱体であって、該箱体の対向する前後一対の側面部には、既設の管体端部、若しくは既設の管体と新設の管体との接合部近傍を、跨ぐようにして設置するためにアーチ型の切り込みが設けられ、該箱体の頂部には作業者が出入り可能な程度の開口と、該開口を閉塞するための上蓋が設けられ、その底部には該ボックスの沈下を防止するために、底板が設けられてなることを特徴とする、地中埋設管の施工方法に用いる会所維持用ボックス。
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JP2003133609A JP2004332497A (ja) | 2003-05-12 | 2003-05-12 | 地中埋設管の施工方法およびそれに用いる会所維持用ボックス |
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