JP2004332298A - 安全柵 - Google Patents
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Abstract
【課題】危険行為が発生しにくく、乗降客に圧迫感や隔離感を与えず、親近感を覚え易い安全柵を提供する。
【解決手段】プラットホーム1に設置された安全柵10は、複数本の柱12と、これらの柱12の間に形成された壁部とからなる。壁部は略鉛直方向に立ち上がった下段壁部14と、線路側2に倒れ込み傾斜角度θで傾斜した上段壁部16とによって形成され、これらの壁部14、16はシート類を挿入可能な隙間を有する一対の透明板によって構成されている。
【選択図】 図1
【解決手段】プラットホーム1に設置された安全柵10は、複数本の柱12と、これらの柱12の間に形成された壁部とからなる。壁部は略鉛直方向に立ち上がった下段壁部14と、線路側2に倒れ込み傾斜角度θで傾斜した上段壁部16とによって形成され、これらの壁部14、16はシート類を挿入可能な隙間を有する一対の透明板によって構成されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は安全柵に係り、特にプラットホーム用やバス乗降場用などに好適な安全柵に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、列車が発着するプラットホームの線路際に安全柵を設置する事例が増えている。このプラットホーム用安全柵はプラットホーム上の乗降客が発着する列車と接触したり、線路に転落することを防止するための柵である。この種の安全柵としては、外枠体の内側に形成した柵体に広告表示部を設けたものが知られている(特許文献1参照。)。また、列車の乗降扉に対応する位置に開閉扉を備えたプラットホーム用安全柵が各種提案されている(例えば、特許文献2参照。)。これらの特許文献に記載された安全柵は、いずれも屏風状の鉛直壁面を基本とした構造とされている。また、壁面の高さはプラットホーム上の乗降客や列車内の乗客に圧迫感を与えず、見通しが良いように1.0〜1.2メートル程度に抑えられている。また、バスやタクシーの乗降場にも車両と乗降客とを隔離する安全柵が設置される場合があるが、これらの安全柵も同様に、高さが1.0〜1.2メートル程度に抑えられた鉛直壁面を基本とした構造とされている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−242142号公報
【特許文献2】
特開2002−234428号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の壁面の高さは乗降客が壁上端に肘をついたり、衣類などを掛けるのに手頃な高さである。乗降客が壁上端に列車やバスなどの車両側に顔を向けて乗り出し肘をつくと、発着する車両と乗降客の顔が接近し過ぎて危険な場合がある。また、壁上端に衣類などを掛けると、時として衣類などが安全柵の裏側(車両側)に落下する場合がある。すると、落下した衣類などを拾うために当事者が安全柵の裏側に回るなどの危険な行為に走る可能性がある。危険行為が発生しないように駅員等が再三の注意を促しても、不特定多数の乗降客に対して危険行為の禁止を徹底させることはきわめて困難であった。このように、従来の安全柵は危険要素を常に内在している構造であった。
【0005】
また、従来の安全柵は壁面の高さを1.0〜1.2メートル程度に低く抑えてはいるが、ともすれば乗降客に圧迫感や隔離感を与え易く、親近感に乏しい存在であった。
本発明の目的は、前記従来技術の欠点を改善し、危険行為が発生しにくい安全柵を提供することにある。本発明の他の目的は、乗降客に圧迫感や隔離感を与えず、親近感を覚え易い安全柵を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、本発明に係る安全柵は、複数本の柱と、これらの柱の間に形成された壁部とを備えた安全柵であって、前記壁部が略鉛直方向に立ち上がった下段壁部と、傾斜した上段壁部とによって形成され、少なくとも前記上段壁部がシート類を挿入可能な隙間を有する一対の透明板によって構成されたことを特徴とする。この場合、一対の透明板の上端に、前記シート類の差込み口とこの差込み口を覆う蓋部材とを設けることが好ましい。なお、下段壁部についても上段壁部と同様にシート類を挿入可能な隙間を有する一対の透明板によって構成することができる。一対の透明板は乗降客が仮に倒れ込んでも、その衝撃に十分に耐える強度を保有していることが好ましい。
【0007】
【作用】
本発明によれば、下段壁部の上方に設けた上段壁部が車両側に倒れ込んで傾斜しているので、プラットホーム上の乗降客が壁上端に肘をついたり、衣類などを掛けるといった行動をとり辛くなる。このため、このような危険行為が発生しにくい。
【0008】
また、上段壁部がシート類を挿入可能な隙間を有する一対の透明板によって構成されているので、シート類を挿入しない時には当該壁部が視覚的に素通しとなり、乗降客に圧迫感や隔離感を与えにくい。また、シート類を挿入した時には、シート類を各種の情報伝達手段や慰安手段として活用でき親近感を覚え易い。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る安全柵(以下、単に安全柵という。)の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は第1実施形態に係る安全柵の配置図であり、図2は第1実施形態係る安全柵の正面図である。また、図3は図2のA−A矢視断面図であり、図4は図2のB−B矢視断面図である。
【0010】
図1においてプラットホーム1の右側が線路側2であり、この線路側2に列車3が発着する。安全柵10はプラットホーム1の線路側2寄りに配置される。安全柵10は上部が屈曲した3本の柱12と、これらの柱12の間に形成された壁部を備えている。壁部は略鉛直方向に立ち上がった下段壁部14と、線路側2に倒れ込んで傾斜した上段壁部16とによって形成される。また、図2に示したように複数の安全柵10が、列車3の乗降扉4を外した位置に所定の間隔を置いて直列に配置される。
【0011】
3本の柱12には例えばステンレス鋼管が使用され、各柱12の下端にはベース部材18が取り付けられている。ベース部材18とプラットホーム1とを植え込みボルト20によって締結することによって、安全柵10がプラットホーム1に対して起立して固定される。
【0012】
各柱12間には上下に下梁22Aと上梁22Bが掛け渡される。これらの梁部材も例えば柱12と同径のステンレス鋼管が使用され、各柱12とこれらの梁部材は例えば溶接によって連結される。その結果、安全柵10には三方が柱12と下梁22Aとによって囲われた下段壁部14が2箇所、三方が柱12と上梁22Bとによって囲われた上段壁部16が2箇所の合計4箇所の壁部が形成される。柱12や梁部材には壁材を取り付けるための回り縁24が取り付けられている。これらの回り縁24は断面が山状とされ、壁材を差し込むための2条の溝が設けられている。回り縁24の材質は金属、プラスチックのいずれでもよく、溶接や接着などによって柱12や梁部材に強固に固定される。
【0013】
回り縁24の2条の溝には、それぞれ壁材である透明板26が差し込まれている。その結果、各壁部14,16は一対の透明板26が隙間Sを有して複層に設けられ、この隙間Sにシート類を挿入可能な構成とされる。透明板26としては衝撃に対して強いアクリル樹脂製の透明板が好ましく用いられる。透明板26は壁材として機能する必要がある。したがって、乗降客が仮に倒れ込み、又は酔客が足で蹴飛ばしても、その衝撃に十分に耐える強度を保有していることが好ましい。このため、一枚の透明板26の厚さは8〜10mm程度に選択される。また、隙間Sの幅は挿入する予定のシート類の厚さや可撓性を考慮して決定される。
【0014】
各壁部14,16の上端はシート類の差込み口とされており、透明板26の上端には差込み口を覆う蓋部材28が取り付けられている。蓋部材28は弾性体で形成したキャップが簡便であり、雨や塵埃の浸入を確実に防ぐことができるので好ましい。しかしながら、酔客等が蓋部材28を引き剥がして遊ぶ危険性があるので、蓋部材としては引き剥がしが困難な丁番式のものを用いてもよい。
【0015】
安全柵10の全体高さHは、従来の安全柵と同等でよい。しかしながら、上段壁部16が傾斜した透明板26で形成され圧迫感が少ないので、少し高さをアップして1.2〜1.4メートル程度にすることが好ましい。また、全体高さHに対する下段壁部14の比率を0.4〜0.8程度とし、上段壁部16の有効高さの比率を差し引き0.2〜0.6程度にすることが好ましい。また、上段壁部16の傾斜角度θは30〜60の範囲とすることが好ましい。
【0016】
上記構成の安全柵10によれば、上段壁部16が線路側2に倒れ込んで傾斜しているので、プラットホーム1上の乗降客が上段壁部16の上端に肘をついたり、衣類などを掛けるといった行動をとり辛くなる。このため、このような危険行為が発生しにくくなり、プラットホーム1での列車事故を低減することができる。
【0017】
また、下段壁部14及び上段壁部16がシート類を挿入可能な隙間Sを有する一対の透明板26によって構成されている。このため、隙間Sにシート類を挿入しない時には当該壁部14、16が視覚的に素通しとなり、乗降客に圧迫感や隔離感を与えにくい。また、隙間Sにシート類を挿入することもできる。各種の広告や案内情報を印刷したシート類を一対の透明板26上端の差込み口から挿入する。その後、隙間S内に雨や塵埃などが浸入しないように蓋部材28によって差込み口を塞ぐ。この結果、安全柵10を情報伝達手段として活用できる。又は、美しい風景や図案を印刷したシート類を挿入して乗降客に安らぎを与える慰安手段としても活用することができ、乗降客は安全柵10に親近感を覚え易い。シート類は随時、更新できるので変化に富んだ情報伝達手段、慰安手段とすることができる。特に、上段壁部16は比較的低い高さで線路側2に倒れ込んで傾斜しているので、プラットホーム1上の乗降客からは見易い角度にある。このため、視覚に訴える表示手段として特に有効である。また、隙間Sに裏側から見易いシート類を挿入すれば、向かい側のプラットホームで列車待ちする乗降客や発着する列車内の乗降客にも広告などの情報を伝達することができる。さらに、隙間Sにシート類を挿入しない壁部と、シート類を挿入した壁部とを一つのプラットホーム1で適宜にレイアウトして、変化を持たせることもできる。
【0018】
上記の第1実施形態では下段壁部14及び上段壁部16の両方がシート類を挿入可能な隙間Sを有する一対の透明板26によって構成されていた。しかしながら、本発明はこのような実施形態に限定されない。すなわち、表示部位として特に有効な上段壁部のみを透明板で構成し、下段壁部は不透明材か、又は空間部を有した格子状・網状の部材で構成するようにしてもよい。図5、図6はこのような第2実施形態を例示したものであり、図5は側断面図、図6は一部切欠き正面図である。
【0019】
上部が屈曲した柱30がその屈曲部で横梁32によって連結され、柱30の間に形成された壁部が横梁32を境にして、下段壁部34と上段壁部36とに分割されている。下段壁部34は略鉛直方向に立ち上がっており、不透明板で形成されている。一方、上段壁部36は前記第1実施形態と同様に線路側に倒れ込んで傾斜しており、シート類を挿入可能な隙間を有する一対の透明板38によって構成されている。一対の透明板38上端の差込み口には丁番式の蓋部材40が取り付けられている。この第2実施形態では下段壁部34を不透明板で形成した代わりに、上段壁部36の面積比を大きくしている。上段壁部36による危険防止機能、視覚的機能、表示機能は前記第1実施形態と同様である。
【0020】
図7は本発明の第3実施形態を示す一部切欠き正面図である。この第3実施形態は図示しない列車の乗降扉の位置で開閉扉42が左右に進退するようにされた安全柵である。他の構成は前記第1実施形態と実質的に同様である。この第3実施形態では、下段壁部44の裏側を開閉扉42が進退する構造であり、下段壁部44にシート類が挿入されていない場合には、透明板を素通しして開閉扉42の進退状況がプラットホーム上の乗降客から目視できる。このため、乗降客に対してメカニック的な興味を抱かせる側面がある。
【0021】
なお、第3実施形態では開閉扉42の上端高さが手頃な低さにあるため、開閉扉42に衣類などを掛けたり、場合によっては開閉扉42に腰掛けようとする不届きな乗降客を想定する必要がある。したがって、このような危険行為を極力防止するために、本発明においては開閉扉42の上端高さを二点鎖線で示したように、高く引き上げることが好ましい。この場合には、開閉扉42を壁部の形状に合致させ、上部が線路側に倒れ込んで傾斜した屈曲形状にする。
前記各実施形態では、プラットホーム用の安全柵を対象として説明した。しかしながら、本発明に係る安全柵はプラットホーム用に限定されず、バスやタクシーの乗降場に設置される安全柵にも適用することができる。
【0022】
【発明の効果】
上述のとおり、本発明によれば、上段壁部が線路側に倒れ込んで傾斜しているので、乗降客が壁上端に肘をついたり、衣類などを掛けるといった行動をとり辛くなる。このため、このような危険行為が発生しにくい。
【0023】
また、上段壁部がシート類を挿入可能な隙間を有する一対の透明板によって構成されているので、シート類を挿入しない時には当該壁部が視覚的に素通しとなり、乗降客に圧迫感や隔離感を与えにくい。また、シート類を挿入した時には、シート類を各種の情報伝達手段や慰安手段として活用でき親近感を覚え易い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る安全柵の配置図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る安全柵の正面図である。
【図3】図2のA−A矢視断面図である。
【図4】図2のB−B矢視断面図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る安全柵の側断面図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る安全柵の正面図である
【図7】本発明の第3実施形態に係る安全柵の正面図である
【符号の説明】
10………安全柵、12………柱、14………下段壁部、16………上段壁部、22A………下梁、22B………上梁、24………回り縁、26………透明板、28………蓋部材、30………柱、32………横梁、34………下段壁部、36………上段壁部、38………透明板、42………開閉扉、44………下段壁部。
【発明の属する技術分野】
本発明は安全柵に係り、特にプラットホーム用やバス乗降場用などに好適な安全柵に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、列車が発着するプラットホームの線路際に安全柵を設置する事例が増えている。このプラットホーム用安全柵はプラットホーム上の乗降客が発着する列車と接触したり、線路に転落することを防止するための柵である。この種の安全柵としては、外枠体の内側に形成した柵体に広告表示部を設けたものが知られている(特許文献1参照。)。また、列車の乗降扉に対応する位置に開閉扉を備えたプラットホーム用安全柵が各種提案されている(例えば、特許文献2参照。)。これらの特許文献に記載された安全柵は、いずれも屏風状の鉛直壁面を基本とした構造とされている。また、壁面の高さはプラットホーム上の乗降客や列車内の乗客に圧迫感を与えず、見通しが良いように1.0〜1.2メートル程度に抑えられている。また、バスやタクシーの乗降場にも車両と乗降客とを隔離する安全柵が設置される場合があるが、これらの安全柵も同様に、高さが1.0〜1.2メートル程度に抑えられた鉛直壁面を基本とした構造とされている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−242142号公報
【特許文献2】
特開2002−234428号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の壁面の高さは乗降客が壁上端に肘をついたり、衣類などを掛けるのに手頃な高さである。乗降客が壁上端に列車やバスなどの車両側に顔を向けて乗り出し肘をつくと、発着する車両と乗降客の顔が接近し過ぎて危険な場合がある。また、壁上端に衣類などを掛けると、時として衣類などが安全柵の裏側(車両側)に落下する場合がある。すると、落下した衣類などを拾うために当事者が安全柵の裏側に回るなどの危険な行為に走る可能性がある。危険行為が発生しないように駅員等が再三の注意を促しても、不特定多数の乗降客に対して危険行為の禁止を徹底させることはきわめて困難であった。このように、従来の安全柵は危険要素を常に内在している構造であった。
【0005】
また、従来の安全柵は壁面の高さを1.0〜1.2メートル程度に低く抑えてはいるが、ともすれば乗降客に圧迫感や隔離感を与え易く、親近感に乏しい存在であった。
本発明の目的は、前記従来技術の欠点を改善し、危険行為が発生しにくい安全柵を提供することにある。本発明の他の目的は、乗降客に圧迫感や隔離感を与えず、親近感を覚え易い安全柵を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、本発明に係る安全柵は、複数本の柱と、これらの柱の間に形成された壁部とを備えた安全柵であって、前記壁部が略鉛直方向に立ち上がった下段壁部と、傾斜した上段壁部とによって形成され、少なくとも前記上段壁部がシート類を挿入可能な隙間を有する一対の透明板によって構成されたことを特徴とする。この場合、一対の透明板の上端に、前記シート類の差込み口とこの差込み口を覆う蓋部材とを設けることが好ましい。なお、下段壁部についても上段壁部と同様にシート類を挿入可能な隙間を有する一対の透明板によって構成することができる。一対の透明板は乗降客が仮に倒れ込んでも、その衝撃に十分に耐える強度を保有していることが好ましい。
【0007】
【作用】
本発明によれば、下段壁部の上方に設けた上段壁部が車両側に倒れ込んで傾斜しているので、プラットホーム上の乗降客が壁上端に肘をついたり、衣類などを掛けるといった行動をとり辛くなる。このため、このような危険行為が発生しにくい。
【0008】
また、上段壁部がシート類を挿入可能な隙間を有する一対の透明板によって構成されているので、シート類を挿入しない時には当該壁部が視覚的に素通しとなり、乗降客に圧迫感や隔離感を与えにくい。また、シート類を挿入した時には、シート類を各種の情報伝達手段や慰安手段として活用でき親近感を覚え易い。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る安全柵(以下、単に安全柵という。)の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は第1実施形態に係る安全柵の配置図であり、図2は第1実施形態係る安全柵の正面図である。また、図3は図2のA−A矢視断面図であり、図4は図2のB−B矢視断面図である。
【0010】
図1においてプラットホーム1の右側が線路側2であり、この線路側2に列車3が発着する。安全柵10はプラットホーム1の線路側2寄りに配置される。安全柵10は上部が屈曲した3本の柱12と、これらの柱12の間に形成された壁部を備えている。壁部は略鉛直方向に立ち上がった下段壁部14と、線路側2に倒れ込んで傾斜した上段壁部16とによって形成される。また、図2に示したように複数の安全柵10が、列車3の乗降扉4を外した位置に所定の間隔を置いて直列に配置される。
【0011】
3本の柱12には例えばステンレス鋼管が使用され、各柱12の下端にはベース部材18が取り付けられている。ベース部材18とプラットホーム1とを植え込みボルト20によって締結することによって、安全柵10がプラットホーム1に対して起立して固定される。
【0012】
各柱12間には上下に下梁22Aと上梁22Bが掛け渡される。これらの梁部材も例えば柱12と同径のステンレス鋼管が使用され、各柱12とこれらの梁部材は例えば溶接によって連結される。その結果、安全柵10には三方が柱12と下梁22Aとによって囲われた下段壁部14が2箇所、三方が柱12と上梁22Bとによって囲われた上段壁部16が2箇所の合計4箇所の壁部が形成される。柱12や梁部材には壁材を取り付けるための回り縁24が取り付けられている。これらの回り縁24は断面が山状とされ、壁材を差し込むための2条の溝が設けられている。回り縁24の材質は金属、プラスチックのいずれでもよく、溶接や接着などによって柱12や梁部材に強固に固定される。
【0013】
回り縁24の2条の溝には、それぞれ壁材である透明板26が差し込まれている。その結果、各壁部14,16は一対の透明板26が隙間Sを有して複層に設けられ、この隙間Sにシート類を挿入可能な構成とされる。透明板26としては衝撃に対して強いアクリル樹脂製の透明板が好ましく用いられる。透明板26は壁材として機能する必要がある。したがって、乗降客が仮に倒れ込み、又は酔客が足で蹴飛ばしても、その衝撃に十分に耐える強度を保有していることが好ましい。このため、一枚の透明板26の厚さは8〜10mm程度に選択される。また、隙間Sの幅は挿入する予定のシート類の厚さや可撓性を考慮して決定される。
【0014】
各壁部14,16の上端はシート類の差込み口とされており、透明板26の上端には差込み口を覆う蓋部材28が取り付けられている。蓋部材28は弾性体で形成したキャップが簡便であり、雨や塵埃の浸入を確実に防ぐことができるので好ましい。しかしながら、酔客等が蓋部材28を引き剥がして遊ぶ危険性があるので、蓋部材としては引き剥がしが困難な丁番式のものを用いてもよい。
【0015】
安全柵10の全体高さHは、従来の安全柵と同等でよい。しかしながら、上段壁部16が傾斜した透明板26で形成され圧迫感が少ないので、少し高さをアップして1.2〜1.4メートル程度にすることが好ましい。また、全体高さHに対する下段壁部14の比率を0.4〜0.8程度とし、上段壁部16の有効高さの比率を差し引き0.2〜0.6程度にすることが好ましい。また、上段壁部16の傾斜角度θは30〜60の範囲とすることが好ましい。
【0016】
上記構成の安全柵10によれば、上段壁部16が線路側2に倒れ込んで傾斜しているので、プラットホーム1上の乗降客が上段壁部16の上端に肘をついたり、衣類などを掛けるといった行動をとり辛くなる。このため、このような危険行為が発生しにくくなり、プラットホーム1での列車事故を低減することができる。
【0017】
また、下段壁部14及び上段壁部16がシート類を挿入可能な隙間Sを有する一対の透明板26によって構成されている。このため、隙間Sにシート類を挿入しない時には当該壁部14、16が視覚的に素通しとなり、乗降客に圧迫感や隔離感を与えにくい。また、隙間Sにシート類を挿入することもできる。各種の広告や案内情報を印刷したシート類を一対の透明板26上端の差込み口から挿入する。その後、隙間S内に雨や塵埃などが浸入しないように蓋部材28によって差込み口を塞ぐ。この結果、安全柵10を情報伝達手段として活用できる。又は、美しい風景や図案を印刷したシート類を挿入して乗降客に安らぎを与える慰安手段としても活用することができ、乗降客は安全柵10に親近感を覚え易い。シート類は随時、更新できるので変化に富んだ情報伝達手段、慰安手段とすることができる。特に、上段壁部16は比較的低い高さで線路側2に倒れ込んで傾斜しているので、プラットホーム1上の乗降客からは見易い角度にある。このため、視覚に訴える表示手段として特に有効である。また、隙間Sに裏側から見易いシート類を挿入すれば、向かい側のプラットホームで列車待ちする乗降客や発着する列車内の乗降客にも広告などの情報を伝達することができる。さらに、隙間Sにシート類を挿入しない壁部と、シート類を挿入した壁部とを一つのプラットホーム1で適宜にレイアウトして、変化を持たせることもできる。
【0018】
上記の第1実施形態では下段壁部14及び上段壁部16の両方がシート類を挿入可能な隙間Sを有する一対の透明板26によって構成されていた。しかしながら、本発明はこのような実施形態に限定されない。すなわち、表示部位として特に有効な上段壁部のみを透明板で構成し、下段壁部は不透明材か、又は空間部を有した格子状・網状の部材で構成するようにしてもよい。図5、図6はこのような第2実施形態を例示したものであり、図5は側断面図、図6は一部切欠き正面図である。
【0019】
上部が屈曲した柱30がその屈曲部で横梁32によって連結され、柱30の間に形成された壁部が横梁32を境にして、下段壁部34と上段壁部36とに分割されている。下段壁部34は略鉛直方向に立ち上がっており、不透明板で形成されている。一方、上段壁部36は前記第1実施形態と同様に線路側に倒れ込んで傾斜しており、シート類を挿入可能な隙間を有する一対の透明板38によって構成されている。一対の透明板38上端の差込み口には丁番式の蓋部材40が取り付けられている。この第2実施形態では下段壁部34を不透明板で形成した代わりに、上段壁部36の面積比を大きくしている。上段壁部36による危険防止機能、視覚的機能、表示機能は前記第1実施形態と同様である。
【0020】
図7は本発明の第3実施形態を示す一部切欠き正面図である。この第3実施形態は図示しない列車の乗降扉の位置で開閉扉42が左右に進退するようにされた安全柵である。他の構成は前記第1実施形態と実質的に同様である。この第3実施形態では、下段壁部44の裏側を開閉扉42が進退する構造であり、下段壁部44にシート類が挿入されていない場合には、透明板を素通しして開閉扉42の進退状況がプラットホーム上の乗降客から目視できる。このため、乗降客に対してメカニック的な興味を抱かせる側面がある。
【0021】
なお、第3実施形態では開閉扉42の上端高さが手頃な低さにあるため、開閉扉42に衣類などを掛けたり、場合によっては開閉扉42に腰掛けようとする不届きな乗降客を想定する必要がある。したがって、このような危険行為を極力防止するために、本発明においては開閉扉42の上端高さを二点鎖線で示したように、高く引き上げることが好ましい。この場合には、開閉扉42を壁部の形状に合致させ、上部が線路側に倒れ込んで傾斜した屈曲形状にする。
前記各実施形態では、プラットホーム用の安全柵を対象として説明した。しかしながら、本発明に係る安全柵はプラットホーム用に限定されず、バスやタクシーの乗降場に設置される安全柵にも適用することができる。
【0022】
【発明の効果】
上述のとおり、本発明によれば、上段壁部が線路側に倒れ込んで傾斜しているので、乗降客が壁上端に肘をついたり、衣類などを掛けるといった行動をとり辛くなる。このため、このような危険行為が発生しにくい。
【0023】
また、上段壁部がシート類を挿入可能な隙間を有する一対の透明板によって構成されているので、シート類を挿入しない時には当該壁部が視覚的に素通しとなり、乗降客に圧迫感や隔離感を与えにくい。また、シート類を挿入した時には、シート類を各種の情報伝達手段や慰安手段として活用でき親近感を覚え易い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る安全柵の配置図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る安全柵の正面図である。
【図3】図2のA−A矢視断面図である。
【図4】図2のB−B矢視断面図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る安全柵の側断面図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る安全柵の正面図である
【図7】本発明の第3実施形態に係る安全柵の正面図である
【符号の説明】
10………安全柵、12………柱、14………下段壁部、16………上段壁部、22A………下梁、22B………上梁、24………回り縁、26………透明板、28………蓋部材、30………柱、32………横梁、34………下段壁部、36………上段壁部、38………透明板、42………開閉扉、44………下段壁部。
Claims (2)
- 複数本の柱と、これらの柱の間に形成された壁部とを備えた安全柵であって、前記壁部が略鉛直方向に立ち上がった下段壁部と、傾斜した上段壁部とによって形成され、少なくとも前記上段壁部がシート類を挿入可能な隙間を有する一対の透明板によって構成されたことを特徴とする安全柵。
- 前記一対の透明板の上端に、前記シート類の差込み口とこの差込み口を覆う蓋部材とが設けられたことを特徴とする請求項1に記載の安全柵。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003127335A JP2004332298A (ja) | 2003-05-02 | 2003-05-02 | 安全柵 |
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JP2003127335A JP2004332298A (ja) | 2003-05-02 | 2003-05-02 | 安全柵 |
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ID=33503926
Family Applications (1)
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Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004332298A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007532400A (ja) * | 2004-04-16 | 2007-11-15 | クノール−ブレームス レール システムス (ユーケー) リミテッド | 鉄道プラットフォーム用遮蔽体並びに遮蔽ドア |
KR200455781Y1 (ko) * | 2008-12-15 | 2011-09-27 | 주식회사 주영에스앤티 | 식별이 용이한 광고기능을 갖는 도로용 펜스 |
CN103010218A (zh) * | 2013-01-10 | 2013-04-03 | 铁道第三勘察设计院集团有限公司 | 地铁屏蔽门防夹自动挡板 |
JP2016106058A (ja) * | 2011-04-29 | 2016-06-16 | 三菱電機株式会社 | ホームドア装置 |
-
2003
- 2003-05-02 JP JP2003127335A patent/JP2004332298A/ja active Pending
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