JP2004331892A - 印刷インキ組成物 - Google Patents

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Abstract

【目的】本発明は、従来からオフセットインキに用いられている石油系溶剤の替わりに植物油由来の脂肪酸エステル及び又はエーテルを溶剤成分とした環境対応型オフセットンキであり、従来型のオフセットインキと同等の乾燥性並びに印刷適性・印刷効果を有する印刷インキ組成物である。
【構成】ロジンまたは重合ロジン及びまたは不飽和酸で変性されたロジン又は重合ロジン、不飽和カルボン酸またはその無水物、及びまたは脂肪族多塩基酸、脂肪族モノアルコール及びまたは多価アルコール類、及びまたは石油樹脂を反応させたポリエステル樹脂とこれを溶解する植物油由来の脂肪酸エステル及び又はエーテルを含有することを特徴とし、石油系溶剤を用いたオフセットインキと同等の乾燥性を有する印刷インキ組成物に関する。

Description

【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、従来オフセットインキに用いられてきた枯渇資源であるパラフィン,オレフィン,ナフテン等の石油系溶剤を低減または一切含有せず、その一部または全てを生産資源である植物油由来の溶剤の代替し、ホルムアルデヒドやフェノール樹脂類を一切含有しない環境対応型印刷インキ組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ヒートセットオフ輪印刷は紙に転写されたインキに熱を加えることでインキ中の溶剤分を蒸発させる加熱乾燥方式である。従って、インキに使用する溶剤の沸点は低い方が乾燥性は優れており、印刷物の乾燥不良による印刷機上での擦れや結束後のブロッキングに関して優位である。一方、枚葉印刷においては空気中の酸素とインキ成分である植物油とが結合し、酸化重合皮膜を形成することで乾燥する。よって石油系溶剤の沸点よりはヨウ素化の高い植物油の方が乾燥面で有利である。
【0003】オフセットインキ業界はこれまでも地球環境や作業環境の改善に取り組んできた。従来のインキ溶剤にはその構成成分として芳香族系炭化水素が含まれていたが、現在ではパラフィン,ナフテンを主成分とした芳香族成分が1%以下のAF(アロマフリー)ソルベントの使用が一般的である。AFソルベントは低臭気,低皮膚刺激性,生分解性に優れているが、原料は従来の溶剤と同じ石油であることには変わりはない。
【0004】一方でオフセットインキには植物油成分としてアマニ油,桐油,大豆油等が用いられている。これらは乾性油,半乾性油と呼ばれるもので、インキそのものの流動性や印刷物の光沢,酸化重合による皮膜強度を維持する目的で添加されている。インキ中の石油系溶剤の全部または一部を大豆油に替えたものは大豆油インキとしてアメリカ大豆協会から認定を受けることができる。近年、環境問題,VOC規制,大豆農業振興を背景として大豆油インキが主流になりつつある。現在、枚葉インキでは揮発成分である石油系溶剤を全く含まない植物油100%のノンVOCインキが開発されている。だが加熱乾燥方式であるヒートセットオフ輪印刷においては揮発成分である石油系溶剤の全てをこれらの植物油に置換することは実用上不可能であった。
特許文献1と特許文献2にロジン変性フェノール樹脂と植物エステルを溶剤主成分とし、従来のインキに比べて大幅にVOCを削減し、かつ高速セット性を備えた印刷インキ組成物が提案されているが、枚葉インキにおいてはセット性が十分でなくヒートセットオフ輪インキでは乾燥性が大幅に悪く実用することは不可能であった。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−69354号公報
【特許文献2】
特開2002−155227号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、石油資源の枯渇保護を目的とし、パラフィン,オレフィン,ナフテン等の石油系溶剤の一部または全てを植物油由来の溶剤に置き換えるが、印刷適性・印刷効果は従来の石油系溶剤使用のオフセットインキと遜色無い環境対応型インキを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、一般式がRCOOR(ただし、式中、Rは炭素数10〜18のアルキル基及び又はアルケニル基を表し、Rは炭素数が1〜4のアルキル基を表す。)で表される脂肪酸エステル及び又は一般式がROR(ただし、式中、Rは炭素数6〜22のアルキル基又はアルケニル基を表し、Rは炭素数が1〜22のアルキル基を表す。)で表されるエーテルと、ロジンまたは重合ロジン、不飽和カルボン酸またはその無水物、脂肪族多塩基酸、アルコール類、及びまたは石油樹脂を反応させたポリエステル樹脂とを含有することを特徴とする平版印刷インキ組成物に関する。
また、本発明は、ロジンまたは重合ロジンが不飽和酸で変性されたことを特徴とする上記平版印刷インキ組成物に関する。
さらに、本発明は、石油樹脂が不飽和カルボン酸またはその無水物で変性されたされたことを特徴とする上記平版印刷インキ組成物に関する。
さらに、本発明は、アルコール類が多価アルコール、脂肪族モノアルコール、選ばれた一種以上のアルコールを使用したことを特徴とする上記平版印刷インキ組成物に関する。
さらに、本発明は、石油系溶剤を含有しないことを特徴とする上記平版印刷インキ組成物に関する。
さらに、本発明は、石油系溶剤を含有しないことを特徴とする上記平版印刷インキ組成物に関する。
さらに、本発明は、上記脂肪酸エステル又はエーテルの沸点が常圧で160℃〜315℃である上記平版印刷インキ組成物に関する。
さらに、本発明は、平版印刷インキがヒートセット型インキである上記平版印刷インキ組成物に関する。
【0008】
脂肪酸エステルに使用される脂肪酸としてはパーム核油、ヤシ油、綿実油、落花生油、パーム油、コーン油、オリーブ油、オウリキーリ、ツカン種子油、亜麻仁油、コーン油、大豆油、サフラワー油など植物油由来のものが例示でき、鯨油、鮫油、抹香鯨体油、抹香鯨脳油などの動物油由来のものも使用できる。これらの油脂由来の脂肪酸は通常複数の脂肪酸から構成されるのでカプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸などに分離精製し単独乃至混合して使用することがより好ましい。ヒートセットオフ輪インキとしてはRの炭素数が10〜16のアルキル基及び又はアルケニル基である一般式がRCOORのエステルを使用することがより好ましい。乾燥性を維持する為には植物油の中でもヤシ油、パーム核油の脂肪酸エステルが好ましい。なぜならヤシ油やパーム核油の主な脂肪酸の構成成分はカプリン酸(C10),ラウリン酸(C12),ミリスチル酸(C14),パルミチン酸(C16)等、他の植物油と比較し短鎖の飽和脂肪酸から成り、揮発性、臭気、溶解性、酸化安定性などの面で有利であるからである。また脂肪酸エステルのアルキル基としては炭素数1〜4のメチル,エチル,プロピル,イソプロピル,ブチル,イソブチル,tert−ブチルエステル等が例示できる。アルキル基も炭素数は少ない方が揮発性は増すが、通常平版印刷に用いられるブランケットでは膨潤、ポジタイプのPS版では耐刷性不良の問題がある。
【0009】
更に、インキの乾燥性向上と臭気の低減の為には、これらの脂肪酸エステルは精製分離して臭気の原因となる低沸点物質を除去して使用するのが望ましい。本発明に係わる印刷インキ組成物で用いられるヤシ油由来の肪酸エステルとしてはラウリン酸メチルエステル,ラウリン酸イソプロピルエステル,ラウリン酸イソブチルエステルを用いるのが最も好ましい。これらは単独で、または2種以上を併用できる。これらの脂肪酸エステルは、平版印刷インキ組成物中好ましくは15〜55重量%含有する。
【0010】本発明のエーテルとしてはジ−n−オクチルエーテル、ジノニルエーテル、ジへプチルエーテル、ジヘキシルエーテル、ノニルへキシルエーテル、ノニルヘプチルエーテル、ノニルオクチルエーテルなどR、Rのいずれも炭素数6〜9のアルキル基であるエーテルが好ましい。本発明のエーテルはワニス製造時,インキ製造時のどちらでも追加できる。
【0011】また、上記脂肪酸エステル又はエーテルについては、その沸点が常圧で160℃〜310℃のものを使用することが好ましい。沸点が160℃未満では乾燥性は良好だがタックアップによる機上安定性が問題となり、310℃を超えると乾燥性に十分な効果が得られない。
【0012】本発明に使用されるエステル樹脂は、ロジンまたは重合ロジン類、及びまたは石油樹脂類、不飽和カルボン酸またはその無水物、脂肪族多塩基酸、脂肪族モノアルコール及び又は多価アルコール類を用い、これら原料を混合加熱反応させて得られる。本エステル樹脂は架橋構造を持ち分子量とその粘度も平版印刷インキ用樹脂に好ましい程度に高いものである。
【0013】本発明のエステル樹脂は、従来ロジン変性フェノール樹脂に一般に用いられていたモノカルボン酸であるロジンに加えて、重合ロジンを用いているために、ホルムアルデヒドを遊離する可能性のあるフェノールによる変性を行わなくとも、架橋性を有する。さらに、単に重合ロジンと多価アルコールとのエステル化反応により得られるエステル化反応物は、インキ樹脂としては極性が高すぎるが、ロジン類と不飽和カルボン酸や脂肪族多塩基酸の混合物をエステル化することにより、エステル化反応物の樹脂骨格中に、長鎖アルキルが導入されるため、極性を最適にコントロールすることができる。
【0014】本発明で使用されるロジンとは、例えば、ガムロジン、トール油ロジン、ウッドロジンなどの天然ロジン、該天然ロジンから誘導される重合ロジン、前記天然ロジンや重合ロジンを不均化または水素添加してなる安定化ロジンなどがあげられる。
【0015】本発明で使用される重合ロジンとは、ロジンを重合して融点を高めたものをいい、通常、軟化点90〜140℃、酸価は140〜160のものをいう。
【0016】また、ロジンや重合ロジンに替え、ロジン類が不飽和結合を有するためディールスアルダー反応やエン反応などにより、前記天然ロジンや重合ロジンに不飽和カルボン酸、不飽和多塩基酸類を付加して得られた不飽和酸変性ロジンや不飽和酸変成重合ロジンを用いることは、本発明において好ましい態様である。これらの不飽和酸変性ロジンとしては、例えばマレイン酸変性ロジン、無水マレイン酸変性ロジン、フマル酸変性ロジン、イタコン酸変性ロジン、クロトン酸変性ロジン、ケイ皮酸変性ロジン、アクリル酸変性ロジン、メタクリル酸変性ロジンなど、あるいはこれらに対応する酸変性重合ロジンがあげられ、原料ロジン類100重量部に対して不飽和酸類を1〜30重量部程度を用いて変性されたものが好ましい。付加反応の条件としては、例えば、以下の条件をあげることができる。
【0017】200℃でロジンを溶融させて、不飽和カルボン酸や不飽和多塩基酸を一度に、または徐々に添加する。溶融後さらに、1時間程度温度を保持することにより、付加反応は完了する。
【0018】この付加反応の際に増量剤として、石油樹脂等を加えることは可能である。このように重合ロジンを不飽和カルボン酸や不飽和多塩基酸で変性することにより、樹脂が架橋構造をとりやすく、分子量が増大するためインキにしたときのインキ粘度が増加し作業性を向上することができる。あらかじめ酸変性したロジン類を出発原料としてもよいし、ロジンまたは重合ロジンを用いエステル樹脂合成時に不飽和カルボン酸や脂肪族多塩基酸を添加混合しエステル化と同時に反応させても樹脂特性に大きな差異は生じない。
【0019】不飽和多塩基酸としては、アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和モノカルボン酸、または、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸及びケイ皮酸等の不飽和ジカルボン酸等が挙げられる。
【0020】本発明で使用される石油樹脂はインデン、メチルインデン、ビニルトルエン、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、メチルブテン、イソプレン、ペンテン、シクロペンテン、ペンタジエンなどを成分とする二重結合を有する石油樹脂が例示できる。二重結合を有する石油樹脂としては、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエンを原料とするDCPD系石油樹脂;ペンテン、ペンタジエン、イソプレンなどのC5系石油樹脂;インデン、メチルインデン、ビニルトルエン、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレンなどを原料とするC9系石油樹脂、前記DCPD系とC5系原料からなる共重合石油樹脂、前記DCPD系とC9系原料からなる共重合石油樹脂、前記C5系とC9系原料からなる共重合石油樹脂、前記DCPD系とC5系とC9系原料からなる共重合石油樹脂などがあげられ、無触媒あるいはフリーデルクラフツ型触媒(カチオン重合)などを用いて製造される。特に、極性基付与が容易であり、所望の軟化点に調整し易いため、DCPD系石油樹脂、DCPC系とC5系原料からなる共重合石油樹脂、DCPD系とC9系原料からなる共重合石油樹脂、DCPD系とC5系とC9系原料からなる共重合石油樹脂が好ましい。
【0021】また、石油樹脂の分子内不飽和結合を利用して、不飽和カルボン酸またはその無水物との付加反応をさせ、石油樹脂骨格内にカルボキシル基の導入を図り最終生成物の樹脂において、この新たに導入されるカルボキシル基を用い、エステル結合形成による架橋構造の導入を行ったものである。従って、石油樹脂と不飽和カルボン酸またはその無水物とを予め付加反応させて得られる生成物、つまり、石油樹脂分子の炭素骨格に、不飽和カルボン酸またはその無水物が付加反応した生成物を、石油樹脂と不飽和カルボン酸またはその無水物に換えて、出発原料としてもよい。
【0022】本発明上述のロジン類や石油樹脂との付加反応やアルコール類とのエステル化反応に利用される不飽和カルボン酸またはその無水物として、一般に、炭素数3〜36、好ましくは、炭素数3〜18の鎖状不飽和カルボン酸、不飽和ジカルボン酸またはその無水物、あるいは、前記鎖状不飽和カルボン酸等の炭素−炭素二重結合と共役しえる芳香環が置換している置換鎖状不飽和カルボン酸等が好ましいものである。より具体的には、ディールズ−アルダー反応またはアルダーのエン反応において利用される種々のα,β−不飽和カルボン酸またはその無水物は、好適に用いることができる。例えば、炭素数3〜18の鎖状α,β−不飽和モノカルボン酸、α,β−不飽和ジカルボン酸またはその無水物、あるいは、前記鎖状α,β−不飽和カルボン酸等の炭素−炭素二重結合と共役しえる芳香環が置換している置換鎖状α,β−不飽和カルボン酸等が好ましく、具体例としては、炭素数3〜5の鎖状α,β−不飽和モノカルボン酸であるアクリル酸(2−プロペン酸)、メタクリル酸(α−メチルアクリル酸)、クロトン酸(trans−2−ブテン酸)など、炭素数4〜8のα,β−不飽和ジカルボン酸またはその無水物である、マレイン酸(cis−ブテン二酸)、無水マレイン酸、フマル酸(trans−ブテン二酸)、イタコン酸(メチレンコハク酸)、無水イタコン酸、シトラコン酸(メチルマレイン酸)、シトラコン酸無水物、テトラヒドロフタル酸またはその酸無水物など、あるいは鎖状α,β−不飽和カルボン酸等の炭素−炭素二重結合と共役しえる芳香環が置換している置換鎖状α,β−不飽和カルボン酸であるケイ皮酸(3−フェニル−2−プロペン酸)等をより好ましいα,β−不飽和モノカルボン酸、α,β−不飽和ジカルボン酸またはその無水物等の一例として挙げることができる。なかでも、アクリル酸(2−プロペン酸)、メタクリル酸(α−メチルアクリル酸)、マレイン酸(cis−ブテン二酸)、無水マレイン酸などは、一層好ましいものである。
【0023】加えて、天然の乾性油ならびに半乾性油に由来する不飽和脂肪酸も、好ましいものである。より具体的には、ヤシ油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、大豆油脂肪酸、トール油脂肪酸などであり、これら乾性油ならびに半乾性油などにおいて、例えば、グリセリドの形成に関与しており、それから遊離して得られる各種不飽和脂肪酸もより好適に利用される。前記の乾性油ならびに半乾性油に由来する各種不飽和脂肪酸は、遊離型のみでなく、エステル型のものも混在していてもよい。また、石油樹脂と同様に、不飽和カルボン酸またはその無水物も、複数種の混合物を利用してもよい。例えば、先に例示したα,β−不飽和カルボン酸と乾性油ならびに半乾性油に由来する不飽和脂肪酸の混合物を利用することもできる。
【0024】なお、ロジン類と石油樹脂と不飽和カルボン酸またはその無水物の使用量比率は、ロジン類と石油樹脂の平均分子量ならびに不飽和カルボン酸またはその無水物の分子量に依存するが、おおむねロジン類または石油樹脂1分子に対して、通常不飽和カルボン酸またはその無水物を0.1〜6分子、より好ましくは0.3〜3分子に相当する範囲に選択すると好ましい。一般に、得られる樹脂の重量平均分子量ならぶに粘度を後述する許容範囲にすることを考慮して、前記の使用量比率を、重量比に置き換えて表記すると、概ね上述する重量比の範囲が好適な範囲となる。、
【0025】本発明において、脂肪族多塩基酸は、主として、脂肪族モノアルコール、脂肪族ジアルコール、多価アルコールとエステル結合を形成して、樹脂の架橋構造の一部となる。従って、種々の脂肪族ポリカルボン酸類を利用できるが、炭素数2〜32の直鎖アルカン二酸またはその無水物が好ましく、例えば、コハク酸(ブタン二酸)、アジピン酸(ヘキサン二酸)、アゼライン酸(1,7−ヘプタンジカルボン酸)、セバシン酸(1,8−オクタンジカルボン酸)ならびにこれらの無水物、例えば、無水コハク酸などはより好ましい。さらには、ダイマー酸、トリマー酸、不飽和脂肪酸とα,β−不飽和カルボン酸の反応で得られるダイアシッドまたは不飽和脂肪酸付加体等、もしくはこれらに対応する酸無水物等も、同様に好ましいものとして挙げることができる。例えば、ダイマー酸、トリマー酸は、種々の不飽和脂肪酸を二量化、三量化したものであるが、植物油に由来するオレイン酸などを原料とし、比較的高分子量化したものが利用され、市販されているダイマー酸を利用することができる。脂肪族他塩基酸の添加量としては、ロジン類、石油樹脂、不飽和カルボン酸またはその無水物の合計量、または予め不飽和カルボン酸変性したロジン類お石油樹脂100部に対して0.1〜10重量部が好ましく、より好ましくは、0.5〜7重量部の範囲に選択するとよい。
【0026】本発明の樹脂調製に利用される脂肪族モノアルコールには、それを構成する炭素鎖に由来して、脂溶性を示すものが利用される。従って、炭素数が8以上の鎖式又は環状の一価のアルコールから選択するが、例えば、より脂溶性に優る炭素数8以上の直鎖または分岐を有する第一級アルコールなどは好適に用いることができる。その炭化水素鎖は、直鎖状をとり、その末端にヒドロキシル基が存在する第一級アルコールを用いるとより好ましい。また、前記直鎖状炭化水素鎖は飽和であるか、不飽和結合を有する際には、その不飽和結合は末端に位置する構造がより好ましい。例えば、炭素数8以上の飽和な第一級アルコールとして、1−オクタノール、1−ノナノール、1−デカノール、1−ウンデカノール、1−ドデカノール、1−トリデカノール、1−テトラデカノール、1−ペンタデカノール、1−ヘキサデカノール、1−ヘプタデカノール、1−オクタデカノール、1−ノナデカノール、1−イコサノール、1−ヘンイコサノール、1−ドコサノール、1−トリコサノール、1−テトラコサノール、1−ペンタコサノール、1−ヘキサコサノール、1−ヘプタコサノール、1−オクタコサノール、1−ノナコサノール、1−トリアコンタノール、1−ヘントリアコンタノール、1−ドトリアコンタノール、1−トリトリアコンタノール、1−テトラトリアコンタノール、1−ペンタトリアコンタノール、1−ヘプタトリアコンタノール、さらに、炭素数8以上のβ、γ−不飽和第一級アルコールとして、2−オクテン−1−オール、2−ドデセン−1−オール、2−ウンデセン−1−オール、2−テトラデセン−1−オール、2−ペンタデセン−1−オール、2−ヘキサデセン−1−オール、2−ヘプタデセン−1−オール、2−オクタデセン−1−オール、加えて、炭素数8以上の末端不飽和アルコールとして、8−ノネン−1−オール、10−ウンデセン−1−オール、11−ドデセン−1−オール、12−トリデセン−1−オール、15−ヘキサデセン−1−オール等を例示することができる。さらには、前記の直鎖状炭化水素鎖を有する第一級アルコール類に加えて、その長鎖炭素骨格に短い炭化水素基が置換して、分岐を形成するものの、長鎖炭素骨格に由来する脂溶性を実質的に保持する類似の一価アルコール、例えば、ヒドロキシル基の存在する炭素に短い炭化水素基が存在する第二級アルコールなども好ましいものとなる。これらの一価の高級アルコールを分子内に含むことで、エステル結合に脂溶性が付与され、かつ樹脂に分岐構造が導入されるため、樹脂の溶解性の更なる向上が図ることができる。ここで使用される一価の高級アルコールは、その炭素鎖の構造が目的に合致する限り、天然アルコールあるいは合成アルコールのいずれでも良い。モノアルコールの添加量としては、ロジン類、石油樹脂類、不飽和カルボン酸類、脂肪族多塩基酸類、アルコール類の総和の2〜10%程度が好ましい。
【0027】本発明に利用される多価アルコールとしては、例えば、鎖状の多価アルコールである、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロプレングリコール(1,2−プロパンジオール)、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ブチレングリコール(ブタンジオール)、ネオペンチルグリコール(2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール)、ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール(C(CHOH))、ジペンタエリトリトール、D−ソルビトール(D−グルシトール)など、ならびに脂環式の多価アルコールである、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール(1,4−ジメチロールシクロヘキサン)等が挙げられる。
【0028】出発原料として、多価アルコールは、樹脂形成のエステル化反応に使用されるものであり、その添加量は、ロジン類及び不飽和酸変性ロジン類、石油樹脂類及び不飽和カルボン酸変性、不飽和カルボン酸またはその無水物、脂肪族多塩基酸が有するカルボキシル基1当量に対して、少なくとも、0.3当量〜過剰量を添加すればよい。カルボキシル基1当量に対して、0.5〜2当量の割合で添加するとより好ましく、0.9〜1.2当量を添加して、反応を行うと一層好ましい。すなわち、ロジンと重合ロジンや不飽和カルボン酸変性ロジン類や石油樹脂と不飽和カルボン酸との付加体は、多価アルコールとエステルを形成し、この多価アルコールに残るヒドロキシル基と脂肪族多塩基酸がエステルを形成することにより、樹脂に架橋構造が導入されるとより好ましいものとなる。従って、多価アルコールの添加量を、おおむね前記二種類のエステル化反応に要する量である、カルボキシル基1当量に対して、0.9〜1.2当量とすると一層好ましい。また、エステル化反応により、樹脂に架橋構造が導入される点を考慮すると、多価アルコールは、3価アルコール以上の多価アルコールを含むものを用いると、そこに架橋構造の形成がなされるので、より好ましい結果が得られる。
【0029】上記の反応において、ロジン類と不飽和カルボン酸またはその無水物の付加反応と、石油樹脂と不飽和カルボン酸またはその無水物の付加反応と多価アルコールとのエステル化反応とは、競合して起こるため、生成物は、種々の構成単位からなる混合物となる。ロジン類と不飽和カルボン酸またはその無水物の付加反応や石油樹脂と不飽和カルボン酸またはその無水物の付加反応が優先的に進行する条件とすると、樹脂粘度は一層高いものとなる。すなわち、アルダーのエン反応またはディールズ−アルダー反応は、通常、加熱のみで反応が開始するが、これら付加反応を触媒する化合物を添加すると、より好ましい結果が得られる。なお、不飽和カルボン酸のエステル化が先に進行した際にも、不飽和カルボン酸エステルも前記のアルダーのエン反応またはディールズ−アルダー反応における反応性を保持するので、著しい差異とはならない。
加熱反応を行う際、原料のロジン類、石油樹脂、不飽和カルボン酸またはその無水物、不飽和多塩基酸、脂肪族多塩基酸、脂肪族モノアルコールまたは多価アルコールを、無触媒又は触媒の存在下に同時に反応させる手法を採ることができる。あるいは、予め、ロジン類と不飽和カルボン酸またはその無水物または、石油樹脂と不飽和カルボン酸またはその無水物とを加熱反応させとを加熱反応させ、次いで、脂肪族多塩基酸、多価アルコールを加えてエステル形成を行う手法を採ることもできる。すなわち、採用する反応方法、手順に応じて、各原料の添加順序、添加時期を適宜選択することができる。さらには、予め、石油樹脂と不飽和カルボン酸またはその無水物とを加熱反応させた生成物を出発原料として、脂肪族多塩基酸、多価アルコールを加えて、エステル形成を行う方法を採用しても、得られる樹脂に実質的な差異はないものとなる。触媒を使用する際には、フリーデル−クラフツ系触媒としてカチオン反応に利用される、ルイス酸触媒、例えば、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素とフェノール、エーテル、酢酸などのコンプレックス、塩化アルミニウムなどを添加すると好ましい。例えば、アルダーのエン反応は、加熱により反応が起こるが、ルイス酸が共存すると反応が容易となる傾向が強く、フリーデル−クラフツ系触媒自体は、カチオングラフト重合を触媒する。あるいは、反応系に、エステル化反応に対する触媒となる、パラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、硫酸等の公知の酸触媒、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ触媒、または酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化カルシウムなどの2価金属化合物を添加することも好ましい。前記の触媒として添加する化合物のうちでも、得られる樹脂の粘度をより高くする上では、ロジン類、石油樹脂類、不飽和カルボン酸またはその無水物、脂肪族多塩基酸、多価アルコールの重量総和に対して、2価金属化合物を0.1%〜3%添加するのが好ましく、具体的には、亜鉛、マグネシウム、カルシウム等の2価金属化合物、特に、これら2価金属、つまり、亜鉛、マグネシウム、カルシウムの酸化物、水酸化物等を使用するとより好ましい。
【0030】また、上記加熱反応において、その反応温度は、100〜290℃の範囲に選択するのが適当であり、特に、200〜270℃の範囲に選択するとより好ましい。なお、加熱反応温度は、用いられる原料とその組成に応じて、上記の好適な範囲と実質的に差異のない温度を選択することもできる。最適な反応時間は、原料中のロジン類、石油樹脂類、不飽和カルボン酸またはその無水物、脂肪族多塩基酸、多価アルコール各成分比率、さらには、触媒として添加される亜鉛、マグネシウム、カルシウムの酸化物、水酸化物等の量に依存して、変化するが、前記の温度範囲においては、通常、2〜20時間の範囲であり、好ましくは、3〜10時間の範囲である。
【0031】本発明の印刷インキ用樹脂は、上記の加熱反応で得られる、ロジン類、石油樹脂、不飽和カルボン酸、この両者の付加体、ならびに脂肪族多塩基酸と、多価アルコールとがエステル結合して、高分子化した樹脂を主成分とするが、本発明の目的を逸脱しない範囲で、これに従来から知れている他の樹脂、例えば、ホルムアルデヒドを原料とするロジン変性フェノール樹脂を少量加え、複合型樹脂組成物とすることもでき、この種の樹脂組成物でも、従来のロジン変性フェノール樹脂におけるホルムアルデヒド飛散の可能性を実質的に回避するものとできる。また、原料の石油樹脂とは別に、主として、C5系のオレフィンを重合して得られる脂肪族系石油樹脂を添加・混合することもできる。
【0032】本発明のオフセットインキ組成物には必要に応じて、顔料、植物油、ゲル化剤,耐摩擦剤,ドライヤー等の印刷インキ用の添加剤を適宜使用することができる。ゲル化剤としてはアルキルアセトアセテート、アルミニウムジイソプロピレート等の一般的にアルミニウムキレートと呼ばれるもので、耐摩擦剤はポリエチレンワックス、PTFEワックス、固形パラフィンワックスが例として挙げられる。
【0033】本発明のオフセットインキ組成物を製造するには、従来公知の方法で実施することができる。一例として本発明のポリエステル樹脂、植物油、植物油エステル、エーテル、必要に応じてゲル化剤を加え200℃前後で1時間加熱してワニスを得る。このワニスに顔料を3本ロール,ビーズミル等で練肉分散させたインキベースに耐摩擦剤等の添加剤を配合し、追加のワニスと植物油エステルまたはエーテルで調製する。
【0034】
本発明の平版インキ組成物をオフセット輪転印刷機用インキとして用いる場合はその角周波数ω(rad/sec)が10の時の動的弾性率G’(dyn/cm)が10〜10(25℃)であることが好ましい。G’が10未満であるとインキが軟調となり、汚れ、網点のつぶれ、ミスチングなどの問題が生じ、G’が10を超えるとインキ転移性不良、着肉不良などの問題が生じる。
【0035】本発明の印刷インキ組成物は、紙、プラスチック、金属等の基材に平版印刷法を用いて印刷することができる。印刷を行う際には通常のブランケット,版,ゴムロールが使用できるが、ブランケットはUVインキ又は油性−UVインキ兼用タイプ、PS版についてはネガ版或いはポジ版をバーニング処理したものを用いるのが好ましい。
【0036】
【実施例】
以下、実施例によって本発明のオフセットインキ組成物を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、以下の記述において「部」は重量部を示す。
【0037】(エステル樹脂Aの製造例)
反応容器中で、ガムロジン600部、市販されるマレイン酸変性石油樹脂である、日石ネオポリマー160(日石三菱(株)製)550部に、無水マレイン酸80部、セバシン酸45部、グリセリン80部を添加混合し、さらに触媒として酸化マグネシウム1.5gを添加し、均一化した。この反応容器を、270℃に加熱し、その後10時間反応を行い、樹脂を作製した。
【0038】(エステル樹脂Bの製造例)
反応容器中で、重合ロジン(シルバケム社シルバッタク140)1550部に、アクリル酸120部、セバシン酸50部、ペンタエリトリトール180部、ドデカノール20部を添加混合し、さらに、触媒として酸化亜鉛1.5gを添加した。この反応容器を、270℃に加熱し、その後7時間反応を行い、樹脂を作製した。
【0039】(ロジン変性フェノール樹脂Cの製造例)
反応容器中でガムロジン1500部に、パラオクチルフェノール1000部とパラホルムアルデヒド400部を水酸化ナトリウム触媒下で100℃で4時間反応させ、水分除去したレゾール型フェノール樹脂を150℃で滴下し2時間反応させた。更にペンタエリスリトール95部を添加し、触媒として水酸化カルシウムを用い12時間反応させて樹脂を作製した。
【0040】[ワニス調製例]
(実施例ワニスAの調整) エステル樹脂A50部,ラウリン酸イソプロピルエステル49部,アルミキレート(アルミニウム ジイソプロキシドモノエチルアセテート)1部を190℃で1時間加熱保持しワニスAを得た。
【0041】(実施例ワニスBの調整)ワニスAの製造においてラウリン酸イソプロピルエステルをジ−n−オクチルエーテル変えた以外はワニスAを得るのと同様の方法でワニスBを得た。
【0042】(実施例ワニスCの調整)ワニスAの製造においてエステル樹脂Aをエステル樹脂Bに変え、ラウリン酸イソプロピルエステルをラウリン酸イソブチルエステル30部とジ−n−オクチルエーテル19部に変えた以外はワニスAを得るのと同様の方法でワニスAを得るのと同様の方法でワニスCを得た。
【0043】(実施例ワニスDの調整)ワニスAの製造においてラウリン酸イソプロピルエステルをリノール酸イソブチルエステル48.5部に変えアルミキレートを1.5部とした以外はワニスAを得るのと同様の方法でワニスDを得た。
【0044】(比較例ワニスEの調整)ロジン変性フェノール樹脂C42部,大豆油8部,AFソルベント7(日石三菱社製)49部,アルミキレート(アルミニウム ジイソプロキシドモノエチルアセテート) 1部を190℃で1時間加熱保持しワニスEを得た。
【0045】(比較例ワニスFの調整)ロジン変性フェノール樹脂C42部,大豆油8部,AFソルベント5(日石三菱社製)49部,アルミキレート(アルミニウム ジイソプロキシドモノエチルアセテート) 1.5部を190℃で1時間加熱保持しワニスFを得た。
以上ワニスA〜Fの組成について、表1に示す。
【0046】
【表1】
Figure 2004331892
【0047】[インキ調製例](実施例1〜5)上記ワニスA〜F及びフタロシアニンブルー(東洋インキ製造株式会社製 LIONOL BLUE FG7330)をそれぞれ表2に示す配合で混合した後、3本ロールで練肉して各インキベースを得た。次いで各インキベースに対し表2の配合で耐摩擦剤、金属ドライヤーなどを加え調製を行い、実施例1〜5のオフセットインキ組成物を得た。尚、。実施例1、2、3、5はオフ輪用、4は枚葉用インキ組成物である。
【0048】(比較例1 ̄2)上記ワニスE、F及びフタロシアニンブルー(東洋インキ製造株式会社製LIONOLBLUE FG7330)をそれぞれ表2に示す配合で混合した後、3本ロールで練肉して各インキベースを得た。次いで各インキベースに対し表2の配合で耐摩擦剤、金属ドライヤーなどを加え調製を行い、比較例1 ̄2のオフセットインキ組成物を得た。尚、比較例1は従来型のオフ輪、,2は枚葉用オフセットインキ組成物である。
【0049】
【表2】
Figure 2004331892
【0050】
各例で得られたインキの特性及び評価結果を表3に示した。評価測定方法は、以下の通りである。
【0051】
【表3】
Figure 2004331892
【0052】(粘度)コーンプレート粘度計(英弘精機株式会社)25℃で測定。
【0053】(乾燥性)各オフセットインキ組成物をRIテスター(株式会社明製作所製)にてコート紙に展色し、弊社自製コンベア式熱風乾燥試験機を通した後、展色面のベタ付きが無くなった時の紙面温度で表示。実施例8及び比較例2の枚葉インキについてはRIテスター(株式会社明製作所製)にてコート紙に展色し、朝陽会乾燥試験機にて乾燥時間を測定した時間を表す。
【0054】(セット性)各オフセットインキ組成物をRIテスター(株式会社明製作所製)にてコート紙に展色した後、展色面に白紙(コート紙)を重ね自動インキセット試験機(豊栄精機株式会社製)を用いて白紙にインキが付着しなくなる迄に要した時間を測定した。
【0055】(ミスチング)弊社自製ミスチングテスターのロールに各オフセットインキ組成物を塗布し、40℃,2000rpmで2分間運転後、ロール下に設置した白紙へ飛んだインキ量を、弊社ミスチング評価尺にて8段階で目視評価。8:ミスチングが全くなく優れている〜1:ミスチングが多く劣る。
【0056】(動的粘弾性)温度25℃ストレイン40%の条件下で角周波数ω(rad/sec)が10の時の動的弾性率G’(dyn/cm)を粘弾性測定装置で測定。
【0057】実施例及び比較例のオフセットインキ組成物を用い、三菱重工製オフセット輪転機及び枚葉印刷機にて印刷試験を行った結果を表4に示す。
評価項目及び基準は次の通り。
べたつき:印刷直後の印刷物を指触でオフリンインキはべたつき感、枚葉インキはセット性で判定した。
裏付き:枚葉印刷に限り10000枚印刷し、デリバリーにストックされた印刷物の状態を目視で評価した。
印刷物の擦れ:オフリン印刷に限り、折機通過後の印刷物の状態を目視で評価した。
汚れ:枚葉は10000枚、オフリンは30000枚印刷するなかで印刷物に汚れがないか目視で判定した。
ブラン残り:枚葉は10000枚、オフリンは30000枚印刷後のブランケットの状態を目視で判定した。また、印刷物の状態も同様に判定した。
網点再現性:印刷物の網点を光学的に拡大して形状などを総合的に判定した。
ミスチング:枚葉は10000枚、オフリンは30000枚印刷したときのユニットへのインキの飛散状態を目視で判定した。
各実施例は、従来型である比較例1,2と同等の印刷適性・印刷効果を示した。
【0058】
【表4】
Figure 2004331892
【0059】
【発明の効果】本発明により植物油脂肪酸エステルまたはエーテルを溶剤主成分として含有するが、乾燥性を始めとする印刷適性・印刷効果は従来の石油系溶剤を使用したインキとなんら遜色ない環境対応型の平版インキ組成物を提供することができる。

Claims (7)

  1. 一般式がRCOOR(ただし、式中、Rは炭素数10〜18のアルキル基及び又はアルケニル基を表し、Rは炭素数が1〜4のアルキル基を表す。)で表される脂肪酸エステル及び又は一般式がROR(ただし、式中、Rは炭素数6〜22のアルキル基又はアルケニル基を表し、Rは炭素数が1〜22のアルキル基を表す。)で表されるエーテルと、ロジンまたは重合ロジン、不飽和カルボン酸またはその無水物、脂肪族多塩基酸、アルコール類、及びまたは石油樹脂を反応させたポリエステル樹脂とを含有することを特徴とする平版印刷インキ組成物。
  2. ロジンまたは重合ロジンが不飽和酸で変性されたことを特徴とする請求項1記載の平版印刷インキ組成物。
  3. 石油樹脂が不飽和カルボン酸またはその無水物で変性されたことを特徴とする請求項1または2記載の平版印刷インキ組成物。
  4. アルコール類が多価アルコール、脂肪族モノアルコールから選ばれた一種以上のアルコールである請求項1〜3いずれか記載の平版印刷インキ組成物。
  5. 石油系溶剤を含有しないことを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の平版印刷インキ組成物。
  6. 脂肪酸エステル又はエーテルの沸点が常圧で160℃〜315℃である請求項1〜5いずれか記載の平版印刷インキ組成物。
  7. 平版印刷インキがヒートセット型インキである請求項1〜6いずれか記載の平版印刷インキ組成物。
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