JP2004331390A - 長尺物の吊りビーム - Google Patents

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Abstract

【課題】船倉等で横持ちを要する長尺物を、長手方向2点で支持して搬送、積み下ろしするための吊りビームであり、横持ち範囲が大きく、ビームの幅も狭く、さらに吊りビームを下ろした位置の両側方いずれの方向にも横持ちを可能とする。
【解決手段】長尺物60の吊り手6を備えた一対の伸縮可能な吊りアーム5を吊りビーム1の下部に、バランスウエイト10を取り付けたバランスウエイトアーム9を吊りビーム1の上部にそれぞれ水平に回動可能に設け、吊りアーム5は、回動と同時にアーム自体を伸長させながら吊り手6,6をその間隔Sを維持したまま横持ち側方に移動させ、一方バランスウエイトアーム9は、長尺物の横移動に伴うバランス変動を防止するため、横持ち方向とは逆の方向に回動させる。さらに両アーム5、9ともに吊りビームのいずれの側にも回動可能にした長尺物の吊りビームである。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋼管、形鋼等の長尺物を2点で支持してクレーン等の荷役機械で搬送するための長尺物の吊りビームに関し、特に長尺物を吊りビームの中心から隔たる側方の位置で積み下ろしするための長尺物の吊りビームに関する。
【0002】
【従来の技術】
鋼管、形鋼等の長尺物を船積みする場合や陸揚げする場合は、クレーンにより鋼管、形鋼等を吊った吊りビームを船倉の開口部から吊り下げて積み下ろしをしているが、開口部に対して船倉内の床面が広い場合、床面の奥まった位置には吊りビームを寄せることが不可能であり、フォークリフト等の補助機械を船倉内に搬入して横持ちをしなければならず、多大な労力と時間の浪費を余儀なくされていた。
この横持ち作業の簡略化のために開発された吊り上げ装置もあるが、いずれも十分なものではなく、開口部の狭い船倉等で効率よく使用するには不十分なものであった。
例えば、図10に示すように船倉等の奥まった所に長尺物を搬送するためのシフト機構付き吊り装置(特許文献1)が提案されている。この装置はワイヤーロープで吊り下げられた伸縮可能なポストPに旋回ビームRBを回転自在に取り付け、この旋回ビームRBに,後端にバランスウエイトVWを取り付けたスライドビームSBを伸縮自在に設けたものである。
この装置はクレーンCRとトロリTを長尺物専用の荷役設備として使用しなければならず、他の荷物を扱う場合にも取り外すことが出来ない不便さがある。
そしてこの装置は、その幅を旋回ビームRBまたはスライドビームSBの長さより狭くすることは出来ない。
また、長尺物は側方に進出するスライドビームSBの先端で吊られるため、長尺物をポストPの真下で吊ることが出来ず、従って全体のつり幅は、装置(RB)の幅に長尺物自体の幅を加えたものになり、それより狭くすることは出来ない。
さらにこの装置は、旋回ビームRBにより長尺物の向きを調整することができるが、船倉内に搬入した長尺物の横持ち方向を逆の方向に変更する必要が生じた場合、狭い船倉内で、例えば12〜20mもある長尺物を吊ったままで180度旋回させることは実際問題として非常に難しい。従ってこのシフト機構付き吊り装置は、開口部が狭く、作業空間も制約された船倉のような場所で使用するには十分なものではない。
また、図11に示す吊荷装置(特許文献2)もある。この吊荷装置はクレーンから吊り下げられたポストPの下端に、荷物を吊るための伸縮式吊りアームSAとその反対側に伸びる伸縮式ウエイトアームSWを設け、少なくともそのいずれか一方にパンタグラフを用いたものである。
この装置はパンタグラフを用いることにより、装置の幅を極力小さくしているが、この装置も荷物をポストPの真下で吊ることは出来ず、従って全体の吊り幅は、図10に示す装置と同様にバランスウエイトを含むポストの幅に荷物の幅を加えたものになり、満足できるほどに改善されたものではない。
さらに、この装置は一方の側にしか横持ち出来ず、左右に積み分けるような場合にはいちいち装置を反転しなければならない。まして船倉等に一旦搬入した荷物を伸縮式吊りアームSAと逆の方向に横持ちさせることは不可能である。
【0003】
狭い開口部を出し入れしなければならない吊り装置や、制約された狭い空間で使用する吊り装置は出来るだけ小型のもの、とくに幅については荷物の幅からはみださないものが望ましいが、上記各装置ではその吊り幅が荷物の幅に装置の幅を加えたものとならざるを得ない。
このように上記いずれの装置も、船倉等のように狭い開口部から長尺物を搬入、搬出して床面の奥まった位置への横持ちをしなければならない場合、さらに吊り装置の左右いずれの側方にも横持ちが必要な場合の荷役作業には到底使用できないものである。
【0004】
【特許文献1】実開平6−35285号公報
【特許文献2】特開平6−247682号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の目的は、鋼管、形鋼等の長尺物を搬送する吊りビームの幅を極力狭くし、かつ、横持ちが出来る範囲を十分広く確保し、しかも吊りビームの反転をすることなく両側方交互の荷役作業を可能とし、効率のよい荷役作業ができる長尺物の吊りビームを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目標を解決するために請求項1の発明は、長尺物の長手方向2点を支持して搬送する吊りビームの中心から隔たる側方の位置で、前記長尺物の積み下ろしが可能な長尺物の吊りビームにおいて、この吊りビームの下部に、先端に長尺物の吊り手を設けた一対の伸縮可能でかつ水平に回転動可能な吊りアームと、吊りビームの上部に、長尺物の側方への移動に伴うバランス変動を防止するためのバランスウエイトを取り付けた水平に回動可能なバランスウエイトアームを設け、一対の吊りアームには、基端部に両吊りアームを対称的に側方方向に回動させるための回動機構と、先端の吊り手同志の間隔を一定に保持したまま側方に進出させるための伸縮手段とを設け、バランスアームには、基端部に吊りアームと逆の側方方向に回動させるための回動機構を設けたことを特徴とする。
【0007】
また、請求項2の発明は、前記吊りアームとバランスウエイトアーム夫々の回動機構の回動中心を吊りビームの長手方向中心線を通る垂直面上に設け、吊りビーム両側方、いずれの側にも回動可能に配置したことを特徴とする。
【0008】
また、請求項3の発明は、前記吊りアームの伸縮手段は、吊りアーム内に設けた伸縮駆動機構により吊りアームの回動角度に応じて作動することを特徴とする。
【0009】
また、請求項4の発明は、前記吊りアームの伸縮手段は、一対の吊りアーム先端間をタイビームで連結することにより、吊りアーム自体の回動の動力によって作動することを特徴とする。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に従って説明する。図1は本発明による吊りビームの側面図で、長尺物をその長手方向2点で支持、搬送している状態を示す全体の構成図であり、図2は長尺物吊りビームの正面図で、長尺物を吊りビーム側方で吊った状態を示し、図3は吊りアームの回動機構の説明図、図4はバランスウエイトアームの回動機構の説明図、図5は吊りアームの伸縮手段の一例の説明図で、図6はその横断面図、図7は吊りアームの動作の説明図、図8は吊りアームとバランスウエイトアームの回動範囲の説明図で、図9は吊りアームに他の伸縮手段を設けた例の説明図である。
【0011】
図1において、本発明による長尺物の吊りビーム1は、上部に立設された吊り手2、2およびその吊り手上部のピン3、3を介して図示されないクレーンの吊り具C、Cにより吊り下げられている。
なお、以下の説明は、吊りビーム1はその長手方向では対称であるため、特に必要な場合を除いて片側のみについて行う。
5、5は長尺物60を吊るための吊り手6を先端に取り付けた吊りビーム1の長手方向一対の伸縮可能な吊りアームで、基端部の支持中心A、Aを軸に、吊りビーム1の下部に設けた、一対の回動機構7,7の電動機8の駆動により水平方向に対称的に回動可能であるが、この図では吊りビーム1の長手方向中心線を通る垂直面(以下単に吊りビーム1の中心という)上で停止した状態を示している。
【0012】
また9、9は一対のバランスウエイトアームで、バランスウエイト10、10を先端に取り付けてあり、吊りビーム1の両先端上部に設置した回動機構11、11の電動機12の駆動により、基端部の支持中心A’,A’を軸に水平方向に回動可能であるが、この図では、バランスウエイトアーム9は吊りビーム1の中心と一致した状態を示している。
ただし、このバランスウエイトビーム9は必ずしも一対でなくてもよいが、吊りビーム1の長手方向のバランス上から、一対にして対称に回動させる方が望ましい。
また、バランスウエイト10を含む吊りビーム1の全長は、搬送する長尺物の最短長さより短くなる範囲で決定するのが理想的であるが、バランスウエイトの重量との関係で必要に応じてそれより長くしてもよい。
図2は船倉内に搬入された長尺物60が、吊りビーム1の側方に横持ちされた状態を正面から見たもので、吊りアーム5は、この図では吊りビーム1の長手方向の中心線X−Xを含む垂直面であるZ−Zの左側方に回動して伸縮アーム(後述)を伸長させており、バランスウエイトアーム9は、バランスウエイト10によりビーム全体のバランスを取るため、右側方に回動している。
なお、吊りビーム1のバランスは、吊りビーム1の横方向の傾きを図示省略した通常の水準器や傾度計で検出し、傾きを解消する方向にバランスウエイトアーム9の回動用電動機12(図1参照)を制御すればよい
長尺物60は、図1で示したように、その長手方向の二ヵ所をワイヤーロープ等の吊り具61で2点支持されており、その2点の間隔はSであり、図2の状態においても前記2点の位置は不変で、間隔Sもそのまま維持されておらねばならない。
なお、間隔Sは、長尺物60の平均的な長さにより決定される。
【0013】
次に、吊りアーム5の回動機構7の構成例を図3で説明する。図において回動機構7は吊りビーム1の下部に取り付けられており、本体13と、軸受け18,19により回転自在に本体13に支持され、吊りアーム5の基端部のボス5’をキー16により固定支持する吊りアーム回動用軸14と、この軸14にキー17により固定されているウォームギア15と、このギヤ15に噛み合うウォーム(図示省略)を介して、前記軸14を回転させて吊りアーム5を回動させる電動機8とで構成されている。
【0014】
続いてバランスウエイトアーム9の回動機構11の構成を図4で説明する。図において回動機構11は吊りビーム1の上部に取り付けられており、本体20と、軸受け25,26により回転自在に本体20に支持され、バランスウエイトアーム9の基端部のボス9’をキー23により固定支持するバランスウエイトアーム回動用軸21と、この軸21にキー24により固定されているウォームギヤ22と、このギヤ22に噛み合うウォーム(図示省略)を介して、前記軸21を回動させてバランスウエイトアーム9を回動駆動する電動機12とで構成されている。
【0015】
さらに図5およびそのD−D断面を示す図6により、吊りアーム5の伸縮手段の例を説明する。図において吊りアーム5には先端に吊り手6を取り付けた伸縮アーム30が内装されている。そしてこの伸縮アーム30は吊りアーム5内に設けた伸縮駆動機構の電動機31、駆動側スプロケット32、従動側スプロケット33、両スプロケット間に掛け渡され、止め具35により伸縮アーム30に系合されたチェーン34から構成される。
これらの構成はすでに公知で、細部の説明は省略する。
またこの図5では2段の伸縮手段を示したが、必要に応じて多段にできることは当然である。
【0016】
長尺物60を船倉内の奥まった位置まで横持ちする場合の、吊りアーム5の回動、および伸縮動作を図7により説明する。通常搬送時には吊りアーム5は吊りビーム1の中心X−Xと一致した状態で停止しており、従って長尺物60もこのX−X上で、間隔Sの2点B0、B0で吊られている。
船倉の開口部からこの状態で吊りビーム1に吊られた長尺物が搬入されると、所定の高さで停止させ、吊りアーム5を回動させて横持ちを開始する。
吊りアーム5、5はA、Aを中心に対称的に回動するが、このときその先端の吊り手6、6の位置B0、B0の2点間の距離Sを一定に保ちながら直線Y−Yに沿ってB0からB1、B2を経て、所定の移動位置B10に到達するように、矢印G方向に移動させる必要がある。
そのためには、吊りアーム5を矢印K方向に回動させながら、吊りアーム5自体を伸長させなければならない。
そこで本発明の吊りビーム1では、吊りアーム5が回動しながらL0からL1、L2、L10となるように吊りアーム5自身の長さを伸長するように伸縮可能に構成してある。従って長尺物60は、最も遠い位置B10に横持ち可能で、かつ直線Y−Yに沿うB0からB10間の任意の位置で積み下ろしが可能となる。
【0017】
この回動動作と伸長動作の連動制御は、吊りアーム5が回動してX−Xとの間に発生する角度θ(以後回動角度θという)の余弦が、吊りアームの初期長さL0と伸長時の長さ(L1、L2・・)の比であることに基づいて行われる。
従って、以上説明した制御を実現させるためには、吊りアーム5の上記した回動角度θを計測する手段と伸縮ビーム30の伸縮量を計測する手段とを設けることが必要である。
上記した回動角度θは、図3で説明した回動用電動機8の回転数を計測し、その回転数の積算値から演算して間接的に求めることも、回動用軸14に角度計を設けて直接求めることも出来る。
また、伸縮アーム30の伸縮量は、図5で説明した伸縮アーム駆動用電動機31の回転数を計測し、その回転数の積算値から演算して間接的に求めることも、また、一般的によく使用されている電気的な計器(ポテンショメーター、マグネスケール等)を伸縮アーム30に取り付けて直接求めることもできる。
なお、一対の回動機構7、7同志の同調制御は、電気的に同調させてもよいし、機械的に同調軸等を用いて行ってもよい。
また伸縮アーム30、30同志の同調は電気的に行えばよい
そしてその制御は、吊り具61がワイヤーロープである場合は、さほど正確な制御は要求されない利点がある。
【0018】
長尺物60の側方への横持ち開始、すなわち吊りアーム5の回動開始と同時に、吊りビーム1の横方向のバランス変動を防止するために、バランスウエイトアーム9を回動させてバランスウエイト10を、長尺物60の横持ち方向の反対の側で、A’を中心にして矢印J方向にV1、V2、V10の如く回動させる。
なお、バランスウエイト10の重量は、バランスウエイトアーム9の長さと、この吊りビーム1で扱う長尺物の重量と横持ち距離の積の最大値とで決定される。バランスウエイトの重量が過大になる時には、バランスウエイトアーム9も図5に示した如き伸縮ビーム式とするとよい。なおその場合のバランス制御は、バランスウエイトアーム9の回動角度が90度までの範囲は回動制御とし、それ以後は伸長制御とすればよい。
以上説明したように長尺物の吊りビーム1を構成して長尺物の横持ち作業を簡単にするとともに、通常の荷役、搬送時には、吊りアーム5やバランスウエイトアーム9が吊りビーム1の中心X−X上に停止しているので、横持ち作業の距離に関わりなくその幅を極力狭くすることができ、全体の吊り幅は吊り荷の幅と吊りビームの幅を加算したものとはならない利点がある。
なお、各駆動機構は各種のものが使用でき、例えば駆動源としては電動機に代えて油圧源を用いてもよく、伸縮方式としてはチェーンに代えてラック、ピニオンの組合せ、あるいはスクリュー、ナットの組合せでもよい。さらに回動方式としてはウォーム歯車に代えて平歯車の組合せでもよい。
【0019】
さらに本発明の長尺物吊りビーム1は、この吊りビーム1を、クレーンの吊り具Cから取り外して左右反転させることなく、そのままでいずれの側方においても横持ちさせることが出来る。
そのために本発明の長尺物の吊りビーム1は、図8に示すように吊りアーム5と、バランスウエイトアーム9が互いに吊りビーム1の中心線X−Xを越えて、所望の位置に回動可能にしてある。そのため、図1で分かるように、各アーム5、9およびバランスウエイト10は吊りビーム1の各構成部材と干渉しないように配置してある。
すなわち、吊りアーム5を矢印K方向に回動させてその先端の吊り手6を矢印G方向に進出させたいときは、バランスウエイトアーム9はその反対の側で矢印J方向に回動させる。逆に吊り手6を吊りビーム1の中心X−Xを越えて矢印Rの方向に進出させたいときには、吊りアーム5を矢印J方向に、バランスウエイトアーム9はその反対側のK方向に回動するように構成する。
ここで、側方移動が一方のみでよい場合は各アームの回動中心を必ずしも吊りビーム1の中心X−Xに一致させる必要はない。
【0020】
次に、吊りアーム5の他の伸縮手段の例を図9により説明する。図9は一対の吊りアームの片側のみ示している。
この例では吊りアーム5の伸縮アーム40の伸縮について、長尺物の吊り手6,6同志をタイビーム50により間隔Sで連結するだけで特別の駆動機構を設けていない。
このように構成することにより吊りアームの回動操作のみで吊り手6の側方移動が可能である。この理由を前出図7を利用して説明する。
吊り手6,6の間隔SはB0からB10まで常に一定にしておく必要があるから、吊りビーム5の回動駆動と伸縮駆動の連動制御でそれを実現することを先に説明した。この間隔Sをタイビーム50を設けて保持し、吊りアーム5と伸縮アーム40とを拘束せずに伸縮自在にしておけば、吊りアーム5は自身の回動の動力により自ずからその長さを伸縮し、回動角度θと初期長さL0で決まる位置(B1〜B10)関係を満足する所定の長さ(L1〜L10)に落ちつくことになる。
このような動きをスムーズに行うためには伸縮アーム40の作動抵抗を極力小さくすることが肝心であり、この例では吊りアーム5の先端下部にはローラー41を、伸縮アーム40の後端上部にはローラー42を設けてあるが、これらは公知のリニアモーションベアリング等の他の抵抗の少ない手段で代用してもよい。
なお、43と44は伸縮アーム40に設けた安全のためのストッパーである。
タイビーム50の両端部には、伸縮アーム40の端部に取り付けた吊り手6と同心のピン6’を挿通するボス51を設け、軸受け52,53により伸縮アーム40とは相対的に回動可能になっている。また吊り手6も通常の吊りフックと同様に回動自在である。
なお、この例の場合は2段の伸縮手段を示したが、必要に応じて多段にすればよいことは勿論である。
また、タイビーム50は、吊り手6,6と同心で連結する必要はなく、その直近であれば間隔Sに生じる誤差は僅かな値であり、操作に影響することはない。
このように構成した場合には、伸縮アーム40の伸縮駆動機構が不要となって、吊りビーム1に必要な駆動機構は吊りビーム5、バランスウエイトアーム9夫々の回動駆動機構のみとなり、煩雑な連動制御も必要なく、駆動系が大幅に簡素化される利点がある。
なお、タイビーム50は吊りビーム1の構成部材と干渉しないように配置して、吊りビーム1のいずれの側方にも横持ち作業が可能となるように構成する。
【0021】
【実施例】
本発明に関わる長尺物の吊りビームを15mの鋼管の船積みに使用した。その場合の鋼管支持間隔Sは8mで、横持ち最大距離は7mであり、吊りビームの伸縮段数は3段とした。そして吊りアームの初期長さL0は3.4m、最大伸長長さ8m(使用時最大7.7m)とした。
また、バランスウエイトアームは使用したクレーンの吊り上げ容量が十分大きかったため1段とした。
従来はフォークリフトに乗せ代えて横持ちしており、その都度フォークリフトを搬入したり、フォークリフトが移動する面に鋼板を敷設して、フォークリフトの走行路を作ったりする付帯作業を含めた1吊りの平均サイクル時間は12分を要していたが、本発明の吊りビームを使用することにより、1吊りの平均サイクル時間は4分と大幅に短縮することができた。
なお、吊りアームは伸縮アームに駆動手段を設けたものと、吊り手をタイビームで連結したものとの2種類を使用したが、いずれの吊りビームも何ら支障なく作業が行えた。
そして、船倉に搬入する際には鋼管が吊りビームの直下で吊られており、吊りビーム自体の幅は吊り荷の幅よりも狭く、開口部の通過も至極スムーズに行うことができた。
また、請求項2記載の発明により、船倉内の左右に長尺物を交互に積み下ろす場合でも、吊りビームの左右いずれの側方でも横持ち作業ができるため、吊りビームの反転、付け替えが不要でありそのための時間ロスも無かった。
なお、鋼管を下ろすに際し、着地により鋼管の吊りロープが緩み、吊りビームの急激な傾きが懸念されたが、鋼管が着地してもバランスウエイトのモーメントと吊り具のワイヤーロープの張力は常にバランスしているので、吊りビームの傾きによる危険な状態は全く発生しなかった。
そして、吊りアームの吊りビーム中心位置復帰に応じて、バランスウエイトアームも復帰制御され、吊りビームの揺れも発生しなかった。
【発明の効果】
本発明の長尺物の吊りビームを使用することにより、横持ち作業にフォークリフト等の補助機械を使用しなくてもよく、また、吊りビームを左右反転する必要もないので、開口の狭い船倉等での長尺物の横持ち作業が飛躍的に改善され、効率よく、極めて安全に行うことが出来るようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による長尺物吊りビームの実施例の側面図である。
【図2】本発明による長尺物吊りビームの実施例の正面図である。
【図3】吊りアームの回動機構の説明図である
【図4】バランスウエイトアームの回動機構の説明図である。
【図5】吊りアームの伸縮機構の説明図である
【図6】図5のD−D矢視断面図である
【図7】吊りアームの動作の説明図である。
【図8】吊りアームとバランスウエイトアームの回動範囲の説明図である。
【図9】吊りアームの他の伸縮手段の説明図である。
【図10】従来の技術を示す説明図である。
【図11】従来の技術を示す他の例の説明図である。
【符号の説明】
1 長尺物の吊りビーム
2 吊りビーム吊り手
3 ピン
5 吊りアーム
6 長尺物の吊り手
7 吊りアーム回動機構
8 吊りアーム回動用電動機
9 バランスウエイトアーム
10 バランスウエイト
11 バランスウエイトアーム回動機構
12 バランスウエイトアーム回動用電動機
13 吊りアーム回動機構本体
14 吊りアーム回動用軸
15 吊りアーム回動用ウオームギア
20 バランスウエイトアーム回動機構本体
21 バランスウエイトアーム回動用軸
22 バランスウエイトアーム回動用ウォームギヤ
30 伸縮アーム
31 伸縮アーム駆動用電動機
50 タイビーム
60 長尺物

Claims (4)

  1. 長尺物の長手方向2点を支持して搬送する吊りビームの中心から隔たる側方の位置で、前記長尺物の積み下ろしが可能な長尺物の吊りビームにおいて、吊りビームの下部に、先端に長尺物の吊り手を設けた一対の伸縮可能でかつ水平に回動可能な吊りアームと、吊りビームの上部に、バランスウエイトを取り付けた水平に回動可能なバランスウエイトアームとを設け、一対の吊りアームには、基端部に両吊りアームを対称的に側方方向に回動させるための回動機構と、先端の吊り手同志の間隔を一定に保持したまま側方に進出させるための伸縮手段とを設け、バランスウエイトアームには、基端部に吊りアームと逆の側方方向に回動させるための回動機構を設けたことを特徴とする長尺物の吊りビーム。
  2. 前記吊りアームとバランスウエイトアームは、回動機構の回動中心を吊りビームの長手方向中心線を通る垂直面上に設けて、吊りビームの両側方いずれの側にも回動可能に配置したことを特徴とする請求項1記載の長尺物の吊りビーム。
  3. 前記吊りアームの伸縮手段は、吊りアーム内に設けた伸縮駆動機構により吊りアームの回動角度に応じて作動することを特徴とする請求項1および請求項2に記載の長尺物の吊りビーム。
  4. 前記吊りアームの伸縮手段は、一対の吊りアーム先端間をタイビームで連結することにより、吊りアーム自体の回動の動力によって作動することを特徴とする請求項1および請求項2に記載の長尺物の吊りビーム。
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