JP2004330444A - 印字装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】面倒な作業を要せず、簡単な構成にてサーマルヘッドの発熱素子の抵抗値を測定でき、その抵抗値に見合った印字制御により高品質な印字結果を得ることのできる印字装置を提供する。
【解決手段】サーマルヘッド9の製造時に印字用の発熱素子20−1〜20−Nと同等の抵抗値を有する測定用発熱素子25を形成しておき、その測定用発熱素子25に抵抗値が既知の基準抵抗26を直列に接続しておく。これにより、測定用発熱素子25と基準抵抗26の直列回路に測定用電圧VPを印加することで、測定用電圧VPと分圧電圧VHの各電圧値と基準抵抗26の抵抗値から測定用発熱素子25の抵抗値をサーマルヘッド9の抵抗値として簡単に求めることができ、印字時にその抵抗値に見合った印字制御を行うことにより高品質な印字結果を得ることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】サーマルヘッド9の製造時に印字用の発熱素子20−1〜20−Nと同等の抵抗値を有する測定用発熱素子25を形成しておき、その測定用発熱素子25に抵抗値が既知の基準抵抗26を直列に接続しておく。これにより、測定用発熱素子25と基準抵抗26の直列回路に測定用電圧VPを印加することで、測定用電圧VPと分圧電圧VHの各電圧値と基準抵抗26の抵抗値から測定用発熱素子25の抵抗値をサーマルヘッド9の抵抗値として簡単に求めることができ、印字時にその抵抗値に見合った印字制御を行うことにより高品質な印字結果を得ることができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、サーマルヘッドを備えた印字装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
サーマルプリンタでは、多数の発熱素子をライン状に配列したサーマルヘッドが用いられている。このような印字装置に使用するサーマルヘッドには、その製造時にサーマルヘッド毎に抵抗値のばらつきがある。このため、サーマルヘッドの製造時に各サーマルヘッドの多数の発熱素子の抵抗値を測定することにより、抵抗値のばらつきに応じてサーマルヘッド毎に抵抗値のランク付けをし、当該サーマルヘッドを印字装置に組み込んだときにそのランクを印字装置に設定できるようにしている。そして、印字装置では、このランクを参照して各ランクに見合ったエネルギをサーマルヘッドの各発熱素子に印加するようにしている。
【0003】
すなわち、従来のサーマルヘッドでは、その製造時に発熱素子の抵抗値を測定してランクを決めてそれを所定の位置に表記しておき、一方で印字装置の組立時に、サーマルヘッドに表記されているランク表記に基づいて、印字装置内に組み込まれる電子回路の基板上に設けられているランク設定用のパッドを半田でショートさせる等の処理を行い、これによるランク設定情報を制御部によって得られるようにしていた。
【0004】
なお、前記印字装置のように、印字装置の組立時にランク設定のための特別な工程処理を行うことなく、例えば、特許文献1に開示されているように、サーマルヘッドの各発熱素子の抵抗値を測定する抵抗値測定部を備えて構成した印字装置も存在する。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−242012号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述したような従来の印字装置では、サーマルヘッドの製造時に測定した抵抗値のランクを表記する手間がかかり、また、印字装置の組立時にもランク設定のための工程が必要になって製造コストが高くなる問題がある。
【0007】
また、特許文献1に示される他の従来の印字装置では、サーマルヘッドの全ての発熱素子の抵抗値を測定する抵抗値測定部を備えるものであるため、構成が複雑となって高価になる。この場合、画像データの印字を行う印字装置では、サーマルヘッドの各発熱素子の抵抗値を測定し、各発熱素子に与えるエネルギを制御する等の細かな制御を行うことが要求されるが、専ら文字データの印字に用いる印字装置では、そのような機能を設けることは装置が高価になるだけで、必ずしもそれに見合った効果を得ることができない。
【0008】
本発明は、サーマルヘッドの製造時や印字装置の組立時にサーマルヘッドの抵抗値のランク決めやランク設定工程等に要する手間をなくすことができ、また、簡単な構成によりサーマルヘッドの抵抗値を把握してその抵抗値に応じた適切な印字制御を行うことができる、低コストでかつ高品質な印字結果が得られる印字装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
(1)請求項1に係る発明は、並列接続された複数の印字用発熱素子と、前記各印字用発熱素子と直列に接続された複数の発熱制御スイッチを有するドライブ回路とからなり、前記発熱制御スイッチがONしている印字用発熱素子に駆動電圧を印加して発熱させるようにしたサーマルヘッドを備えた印字装置において、前記サーマルヘッドの製造時に前記各印字用発熱素子と同等の抵抗値を有するべくして前記サーマルヘッドに形成した単一の測定用発熱素子と、前記測定用発熱素子の抵抗値を測定する抵抗値測定手段と、前記抵抗値測定手段によって測定された前記測定用発熱素子の抵抗値に基づき、前記各印字用発熱素子への駆動電圧印加時間を制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
この印字装置では、測定用発熱素子はサーマルヘッドの複数の印字用発熱素子とともに同一の製造工程で同等の抵抗値を有するべくして形成するものであるため、測定用発熱素子の抵抗値は各印字用発熱素子の抵抗値と極めて近似した値となる。従って、サーマルヘッドに形成されたこの単一の測定用発熱素子の抵抗値を測定することにより、その測定抵抗値をもって、それと同等の抵抗値を有する当該サーマルヘッドに設けられる複数の印字用発熱素子の抵抗値を把握することができ、その抵抗値に応じた印字制御を行うことにより、印字濃度がばらつくことのない高品質な印字結果を得ることができる。
【0011】
ここで、前記印字装置において、前記抵抗値測定手段を、前記測定用発熱素子と直列に接続される抵抗値が既知の基準抵抗と、前記測定用発熱素子と前記基準抵抗の直列回路の両端に印加する測定用電圧及びその測定用電圧が前記測定用発熱素子と前記基準抵抗によって分圧される分圧電圧の各値を測定する電圧測定手段と、前記基準抵抗の抵抗値と前記電圧測定手段によって測定された各電圧値とに基づいて前記測定用発熱素子の抵抗値を求める演算手段とで構成することで、測定用発熱素子の抵抗値を簡単に求めることができる。
【0012】
また、前記印字装置において、前記測定用電圧には、各印字用発熱素子に印加する駆動電圧を使用し、前記基準抵抗は、印字中に前記駆動電圧が印加されたときに測定用発熱素子が印字に至らない程度の発熱をする抵抗値を有することが好ましい。
【0013】
更に、前記印字装置において、前記各印字用発熱素子のうちの所定の印字用発熱素子と前記発熱制御スイッチの直列回路の両端に印加する測定用電圧及びその測定用電圧が前記所定の印字用発熱素子と前記発熱制御スイッチによって分圧される分圧電圧の各値を測定する第2の電圧測定手段と、前記抵抗値測定手段により測定した前記測定用発熱素子の抵抗値及び前記第2の電圧測定手段により測定した各電圧値に基づき、前記発熱制御スイッチのON状態での抵抗値を求める第2の抵抗値測定手段とを備え、前記制御手段は、前記抵抗値測定手段により測定された前記測定用発熱素子の抵抗値と前記第2の抵抗値測定手段により測定された前記発熱制御スイッチのON状態での抵抗値とに基づき、前記各印字用発熱素子への駆動電圧印加時間を制御するように構成することが好ましい。
【0014】
このように構成すれば、ON状態にある発熱制御スイッチの抵抗値を把握することで、サーマルヘッドの印字中に駆動電圧が印加される印字用発熱素子と発熱制御スイッチの直列回路における発熱制御スイッチでの電圧降下分を求めることができ、これにより印字用発熱素子に対する最適な印字制御を行うことができる。
【0015】
(2)請求項5に係る発明は、並列接続された複数の発熱素子と、前記各発熱素子と直列に接続された複数の発熱制御スイッチを有するドライブ回路とからなり、前記発熱制御スイッチがONしている発熱素子に駆動電圧を印加して発熱させるようにしたサーマルヘッドを備えた印字装置において、前記各発熱素子のうちの所定の発熱素子と直列に接続された発熱制御スイッチのOFF状態で該発熱素子と直列にして抵抗値が既知の基準抵抗を接続するとともに、前記所定の発熱素子と前記基準抵抗の直列回路の両端に印加する測定用電圧が前記所定の発熱素子と前記基準抵抗によって分圧される分圧電圧の各値を測定することにより前記所定の発熱素子の抵抗値を求める抵抗値測定手段と、前記抵抗値測定手段によって測定された前記所定の発熱素子の抵抗値に基づき、前記各発熱素子への駆動電圧印加時間を制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
【0016】
このような構成によれば、サーマルヘッドの所定の発熱素子に基準抵抗を直列に接続し、その発熱素子の抵抗値を測定するようにしたことで、請求項1の印字装置のようにサーマルヘッドに測定専用の発熱素子を製造時に作り込むことを必要とせずに、サーマルヘッドの抵抗値を簡単に得ることができ、その抵抗値に見合った印字制御により印字濃度がばらつくことのない高品質な印字結果を得ることができる。
【0017】
また、請求項5に記載の印字装置において、更に、前記所定の発熱素子と前記発熱制御スイッチの直列回路の両端に印加する測定用電圧及びその測定用電圧が前記所定の発熱素子と前記発熱制御スイッチによって分圧される分圧電圧の各値を測定する電圧測定手段と、前記抵抗値測定手段により測定した前記所定の発熱素子の抵抗値及び前記電圧測定手段により測定した各電圧値に基づき、前記発熱制御スイッチのON状態での抵抗値を求める第2の抵抗値測定手段とを備えて構成し、前記制御手段により、前記抵抗値測定手段で測定された前記所定の発熱素子の抵抗値と前記第2の抵抗値測定手段で測定された発熱制御スイッチのON状態での抵抗値とに基づき、前記各発熱素子への駆動電圧印加時間を制御することが好ましい。
【0018】
このような構成によれば、更にON状態にある発熱制御スイッチの抵抗値を測定することで、サーマルヘッドの印字中に駆動電圧が印加される印字用発熱素子と発熱制御スイッチの直列回路における発熱制御スイッチでの電圧降下分を把握するとともに、印字用発熱素子に印加される電圧を把握することができ、これにより印字用発熱素子に対する最適な印字制御を行うことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を用いて詳細に説明する。
【0020】
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態に係る印字装置の電子回路の構成を示すブロック図であり、印字媒体としてテープに印字を行う印字装置としての回路構成が示されている。
【0021】
図1に示すように、この印字装置は、制御部(CPU)1、キーボード2、表示部3、ROM4、RAM5、モータドライバ6、テープ送りモータ7、電源回路8、サーマルヘッド9、A/D変換器10、11、12等から構成されている。
【0022】
制御部1は、ROM4に格納されたプログラムに従って本装置における各部の制御を行う中央処理装置である。この制御部1には、キーボード2から入力されたデータを文書データに編集する機能や、モータドライバ6を介してテープ送りモータ7を駆動して不図示のテープを搬送しながら、サーマルヘッド9を駆動して文書データをテープに印字する印字制御機能、また、電源投入時や印字開始前などの所定のタイミングでサーマルヘッド9の抵抗値を測定し、その抵抗値に見合った通電時間を設定する抵抗値測定機能等を備えている。
【0023】
キーボード2は、印字すべき文字等のデータを入力するための入力デバイスである。表示部3は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)などからなり、入力データの表示や各種メニュー画面等の表示を行う。ROM4は、プログラムやフォントデータなど、本装置に必要な各種データが予め記憶されている。RAM5は、制御部1の印字制御に必要な各種データが記憶される。また、このRAM5には、予め発熱素子の抵抗値に対応した最適な通電時間が記憶された通電時間テーブル5aと、印字動作時の通電時間を記憶するための通電時間記憶部5bなどが設けられている。
【0024】
モータドライバ6は、制御部1からの駆動信号を受けてテープ送りモータ7を駆動する。このテープ送りモータ7の駆動により、印字媒体である不図示のテープが搬送され、そのテープ上にサーマルヘッド9によってデータの印字がなされる。また、電源回路8は、制御部1やサーマルヘッド9に対する駆動電圧を供給するものである。
【0025】
サーマルヘッド9には、N個の印字用の発熱素子20−1〜20−Nがライン状に配列されて設けられており、前記電源回路8から供給される駆動電圧を受けて、これらの発熱素子20−1〜20−Nがドライバ回路を通じて発熱駆動されることにより印字が行われる。
【0026】
前記ドライバ回路は、クロック信号(CLK)に同期して制御部1から転送されるシリアルの印字データ(DATA)をパラレルのデータ信号に変換するシフトレジスタ21と、このシフトレジスタ21に保持されたパラレルのデータ信号をラッチクロック信号(LATCH)の入力に従ってラッチするラッチ回路22と、このラッチ回路22の出力信号とストローブ信号(STB)との論理積を取るANDゲート23と、そして、ANDゲート23の出力信号に基づいて各発熱素子20−1〜20−Nに記録電流を流す発熱制御スイッチ24−1〜24−Nとから構成される。発熱制御スイッチ24−1〜24−Nは、トランジスタからなり、そのベースがANDゲート23に接続されている。
【0027】
印字用の発熱素子20−1〜20−Nと、これらのドライバ回路を構成するシフトレジスタ21、ラッチ回路22、ANDゲート23、発熱制御スイッチ24−1〜24−Nは、サーマルヘッド9の製造時に基板上に作り込まれる。具体的には、セラミックの基板上に、所定の間隔で抵抗材料をスパッタリングして発熱素子20−1〜20−Nを形成するとともに、これらに接続する配線パターンを形成し、さらに、その基板上にシフトレジスタ21、ラッチ回路22、ANDゲート23、発熱制御スイッチ24−1〜24−Nが組み込まれた1チップのドライバ回路をハンダ付けして最後にモールドして保護するといった工程を経てサーマルヘッド9が作成される。
【0028】
ここで、第1の実施形態では、サーマルヘッド9の製造時に、印字用の各発熱素子20−1〜20−Nとともに、これらと同等の抵抗値を持つべくして、同一基板上の各発熱素子20−1〜20−Nの配列ラインに隣接して測定用の発熱素子25が形成される。また、1個の発熱素子20−1とそれに接続される発熱制御スイッチ24−1の間から測定用の引出線が基板上に形成される。そして、印字装置の組立時において、電源回路8から駆動電圧の供給を受けるべく、サーマルヘッド9の各発熱素子20−1〜20−N及び測定用発熱素子25が電源回路8に接続され、所定の制御信号やデータ信号の供給を受けるべく、ドライバ回路を構成するシフトレジスタ21、ラッチ回路22、ANDゲート23の夫々が制御部1に接続される。
【0029】
また、測定用発熱素子25に対し、基準抵抗26がサーマルヘッド9の外側にて直列接続されて接地される。この基準抵抗26の抵抗値Rは既知であり、その値は、印字中に直列接続された測定用発熱素子25と基準抵抗26の両端に駆動電圧が印加されたときに測定用発熱素子25が印字に至らない程度の発熱をする程度に設定されている。
【0030】
このような構成の印字装置において、キーボード2から文字列が入力されると、その文字列が表示部3に表示されるとともに、かな漢字変換処理などにより編集される。所定の操作により編集後の文字列の印字が指示されると、その文字列を構成する各文字のコードデータに対応したドットパターンデータ(印字データ信号)がRAM5上に設けられる印字バッファ領域に展開される。そして、そのデータがサーマルヘッド9に1ラインずつ転送されて、印字媒体であるテープ上に印字され、これに同期してモータドライバ6を介してテープ送りモータ7が駆動されてテープ送りがなされる。
【0031】
ここで、図2を参照してサーマルヘッド9の印字動作を更に詳しく説明する。
【0032】
図2は本印字装置に搭載されたサーマルヘッド9を駆動する場合の各信号のタイミングチャートであり、CLKは制御部1からシフトレジスタ21に出力されるクロック信号、DATAは制御部1からシフトレジスタ21に出力される印字データ、LATCHは制御部1からラッチ回路22に出力されるラッチ信号、STBは制御部1からANDゲート23に出力されるストローブ信号を示している。
【0033】
制御部1から1ライン分の印字データ(DATA)がクロック信号(CLK)に同期してシフトレジスタ21にシリアルに転送されると、このシフトレジスタ21にてパラレル変換されてラッチ回路22に出力され、ラッチ信号(LATCH)によりラッチ回路22にラッチされる。この間に次のラインの印字データ(DATA)が転送されて来てシフトレジスタ21に格納される。
【0034】
ラッチ回路22にラッチされた印字データ(DATA)はANDゲート23に出力され、このANDゲート23に入力されるストローブ信号(STB)との論理積が取られる。ストローブ信号(STB)は印字用の発熱素子20−1〜20−Nに流す電流の時間幅を決定するための信号であり、印字データ(DATA)が“1”のときにストローブ信号がハイレベルの間、ANDゲート23がアクティブとなり、発熱制御スイッチ24−1〜24−Nの中の対応するスイッチが通電状態(ON状態)となる。これにより、電源回路8から供給される駆動電圧に従った電流が発熱素子20−1〜20−Nの中の対応する発熱素子に流れてテープ上に1ライン分の印字がなされる。
【0035】
このような印字動作に際し、本印字装置では、サーマルヘッド9の抵抗値が測定され、その抵抗値に見合った通電時間が自動設定されるようになっている。以下に、そのときの処理動作について、図3を参照して詳しく説明する。
【0036】
図3は本発明の第1の実施形態に係る印字装置の抵抗値測定機能とその後に続く印字動作を示すフローチャートである。なお、前記抵抗値測定機能は、例えば電源投入時あるいは印字開始前などの所定のタイミングで起動される。
【0037】
前記抵抗値測定機能が起動されると、まず、電源回路8から測定用電圧VPがサーマルヘッド9に供給される。このとき、サーマルヘッド9に設けられた全ての印字用の発熱素子20−1〜20−Nが発熱駆動されないように、全ての印字用の発熱素子20−1〜20−Nに対応した発熱制御スイッチ24−1〜24−NをOFFにしておくため、1ライン分の全てのドットを白ドット“0”とした印字データ(DATA)が測定用データとしてサーマルヘッド9に転送される。これにより、発熱制御スイッチ24−1〜24−Nが非通電状態(OFF状態)となり、前記測定用電圧VPは測定用発熱素子25とその発熱素子25に直列接続された基準抵抗26の直列回路の両端に印加されることになり、そのときの電圧値がA/D変換器12を介して制御部1により測定される(ステップA11)。
【0038】
また、前記測定用電圧VPが測定用発熱素子25と基準抵抗26の各抵抗値の比率に応じて分圧され、その分圧電圧VHの電圧値がA/D変換器10を介して制御部1により測定される(ステップA12)。
【0039】
このようにして測定用電圧VP及び分圧電圧VHの各電圧値が測定されると、その測定用電圧VP及び分圧電圧VHと基準抵抗26の抵抗値Rとに基づいて、測定用発熱素子25の抵抗値RHが以下のような演算式(1)により求められる(ステップA13)。
【0040】
RH=R×(VP−VH)/VH …(1)
ここで、測定用発熱素子25はサーマルヘッド9の製造時に発熱素子20−1〜20−Nとともに作り込まれているので、その抵抗値RHは発熱素子20−1〜20−Nの抵抗値に近似しているものと見なすことができる。そこで、この測定用発熱素子25の抵抗値RHを用いてサーマルヘッド9に対する最適な通電時間を求める。この通電時間の求め方として、通電時間テーブル5aを利用する方法と所定の演算式に従って算出する方法があり、ここでは通電時間テーブル5aを利用するものとして説明する。
【0041】
通電時間テーブル5aには、予め発熱素子の抵抗値によって決められた最適な通電時間が記憶されている。この場合、抵抗値が一定範囲でランク別に分類され、これらのランク別に通電時間が段階的に決められている。測定用発熱素子25の抵抗値RHが得られると、その抵抗値RHに基づいて通電時間テーブル5aが検索され、その中から前記抵抗値RHに対応した通電時間が選択されてRAM5の通電時間記憶部5bに設定される(ステップA14)。
【0042】
以後、印字が開始されたときに、前記設定された通電時間が通電時間記憶部5bから読み出され、その通電時間に基づいてサーマルヘッド9の発熱素子20−1〜20−Nに対する駆動電圧の印加時間が制御されて、これらの発熱素子20−1〜20−Nの発熱によりテープ上に1ライン毎にデータの印字がなされる(ステップA15)。
【0043】
すなわち、図2に示したように、印字が開始されると、制御部1から1ライン分の印字データ(DATA)がクロック信号(CLK)に同期してシフトレジスタ21にシリアルに転送される。このシリアル転送された1ライン分の印字データ(DATA)はシフトレジスタ21にてパラレルデータに変換された後、1ライン分まとめてラッチ信号(LATCH)の入力に従ってラッチ回路22にラッチされる。ラッチ回路22にラッチされた印字データ(DATA)はANDゲート23に出力され、このANDゲート23にて制御部1から出力されるストローブ信号(STB)との論理積が取られる。
【0044】
ここで、制御部1では、前記通電時間記憶部5bに設定された通電時間に基づいてストローブ信号(STB)の出力期間を決定し、その期間の間、ハイレベルのストローブ信号(STB)をANDゲート23に出力している。このとき、ANDゲート23に入力されている印字データ(DATA)が“1”であれば、ANDゲート23がアクティブとなる。これにより、発熱制御スイッチ24−1〜24−Nの中の対応するスイッチがオンし、発熱素子20−1〜20−Nの中の対応する発熱素子に電源回路8から供給される駆動電圧が前記設定された通電時間印加されて当該発熱素子に駆動電圧に従った電流が流れて、テープ上に1ライン分の印字がなされる。
【0045】
印字後、モータドライバ6によりテープ送りモータ7が回転駆動されてテープが所定の方向に搬送される(ステップA16)。印字すべきデータが残っていれば(ステップA17のNo)、前記ステップA15からの処理が繰り返され、全ライン分のデータがテープ上に印字された時点で(ステップA17のYes)、ここでの印字動作が終了する。
【0046】
このように、サーマルヘッド9の製造時に各発熱素子20−1〜20−Nと同等の抵抗値を有する測定用発熱素子25を組み込んでおくことにより、印字装置の組立時にその測定用発熱素子25の抵抗値RHを測定するための簡単な回路を追加するだけで、その測定用発熱素子25の抵抗値RHをサーマルヘッド(印字用発熱素子)の抵抗値として、その抵抗値に見合った最適な通電時間を簡単に設定することができる。そして、その設定された通電時間に基づいて印字制御を行うことにより、印字濃度がばらつくことのない高品質な印字結果を得ることができる。
【0047】
なお、前記図3に示した処理では、測定時に測定用電圧VPを印加し、その電圧値を測定するようにしたが、例えば印字時にサーマルヘッド9の各発熱素子20−1〜20−Nに印加される所定の駆動電圧を測定用電圧VPとして印加することでも良い。この場合、印字中に測定用発熱素子25に対しても前記駆動電圧が連続的に印加されることになるが、前述したように測定用発熱素子25に直列接続される基準抵抗26の抵抗値Rはその駆動電圧の印加により測定用発熱素子25が印字に至らない程度の値に設定されているので、印字品位に影響を与えることはない。
【0048】
また、前記図3に示した処理では、測定用発熱素子25の抵抗値RHだけでサーマルヘッド9に印加する所定電圧値の駆動電圧の通電時間を設定するようにしたが、実際には、印字中に発熱制御スイッチ(トランジスター)24−1〜24−Nの夫々がON状態にあるときにコレクタとエミッタ間の抵抗があるため、発熱制御スイッチ24−1〜24−Nで電圧降下を生じ、駆動電圧がそっくり印字用の発熱素子20−1〜20−Nに印加されるわけではない。発熱制御スイッチ24−1〜24−NのON状態とは、ANDゲート23の出力信号つまりラッチ回路22の出力信号とストローブ信号(STB)との論理積信号がトランジスターのベースに入力されて、コレクタとエミッタ間が導通した状態にあることである。
【0049】
特に、ON状態での発熱制御スイッチ24−1〜24−Nの抵抗値は印字用の発熱素子20−1〜20−Nの抵抗値に比べて小さいものではあるが、全く無視できるものでもない。従って、発熱制御スイッチ24−1〜24−NのON状態でのコレクタとエミッタ間の抵抗値を考慮した上で、印字用の発熱素子20−1〜20−Nに印加する駆動電圧の通電時間を設定することが好ましい。このような発熱制御スイッチ24−1〜24−NのON状態での抵抗値をON抵抗と呼ぶ。
【0050】
図4はそのときの処理動作を示すフローチャートである。図中のステップB11〜B13までの測定用発熱素子25の抵抗値RHを求めるまでの処理は前記図3のステップA11〜A13までの処理と同様であるため、その説明は省略する。
【0051】
図4に示すように、サーマルヘッド9に設けられた測定用発熱素子25の抵抗値RHが得られると(ステップB11〜B13)、印字用の発熱素子20−1〜20−Nのうちの所定の発熱素子20−1に対応した発熱制御スイッチ24−1のみを通電状態(ON状態)とするべく、制御部1から発熱素子20−1に対応させた部分を黒ドット“1”、他の部分をすべて白ドット“0”としたデータ(DATA)が測定用データとしてサーマルヘッド9に転送される。これにより、前記測定用電圧VPが発熱素子20−1と発熱制御スイッチ24−1のON抵抗の各抵抗値の比率に応じて分圧され、その分圧電圧VDがA/D変換器11を介して制御部1により測定される(ステップB14)。
【0052】
ここで、発熱制御スイッチ24−1のON状態での抵抗値をRDとすると、その抵抗値RDは分圧電圧VDと前記測定用電圧VP及び測定用発熱素子25の抵抗値RHに基づいて以下のような演算式(2)により求められる(ステップB15)。
【0053】
RD=RH×VD/(VP−VD) …(2)
また、抵抗値RDと抵抗値RHを用いてサーマルヘッド9に対する最適な通電時間が以下のようにして求められる(ステップB16)。
【0054】
すなわち、今、印字時に印加する駆動電圧をVP、発熱素子抵抗値の設計値をRS、そのときの最適通電時間をTwとし、前記抵抗値RD、RHに対応した最適通電時間をTとすると、以下のような式(3)が成り立つ。
【0055】
VP2/RS×Tw={VP/(RH+RD)}2×RH×T …(3)
よって、この(3)式から最適通電時間Tは、以下のような演算式(4)により求まる。
【0056】
T=(RH+RD)2/(RS+RH)×Tw …(4)
このようにして算出された最適通電時間は、RAM5の通電時間記憶部5bに設定される。なお、ここでは所定の演算式により最適な通電時間を求めるようにしたが、測定用発熱素子25の抵抗値RHと発熱制御スイッチ24−1のON抵抗値RDに基づいて最適な通電時間を設定する通電時間テーブル5aを利用して求めることも可能である。
【0057】
それ以後の印字動作の処理は前記図3のステップA15〜A17と同様であり、前記設定された最適通電時間に基づいてサーマルヘッド9の発熱素子20−1〜20−Nに対する駆動電圧の印加時間が制御されて、テープ上に1ライン毎にデータの印字がなされる(ステップB17〜B19)。
【0058】
このように、サーマルヘッド9のドライバ回路に設けられる複数の発熱制御スイッチのうちの1個の発熱制御スイッチ24−1のON状態での抵抗値RDを測定することで、先の印字用の発熱素子20−1の測定と合わせて、印字用の発熱素子20−1と発熱制御スイッチ24−1の直列回路における夫々の抵抗比率を把握することができ、これにより印字時に印字用の発熱素子20−1と発熱制御スイッチ24−1の直列回路に印加される駆動電圧のうちで印字用の発熱素子20−1に加わる電圧分を把握することができ、適切な通電時間を設定することができる。なお、発熱制御スイッチのON状態での抵抗値の測定は、同一の製造工程で同等に作られるため、代表する1個を測定することで足りる。
【0059】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0060】
図5は本発明の第2の実施形態に係る印字装置の電子回路の構成を示すブロック図であり、前記第1の実施形態における図1の構成と同一の部分には同一符号を付して示してある。
【0061】
前記第1の実施形態と異なる点は、サーマルヘッド9に測定用としての発熱素子25を設けずに、印字用の発熱素子20−1〜20−Nのうちの所定の発熱素子20−1を測定用に利用したことであり、発熱素子20−1と発熱制御スイッチ24−1との間から延出された引出線に切換スイッチ27が接続される。
【0062】
この切換スイッチ27は、端子aまたは端子bに切換え可能なスイッチ片28を有する。端子aには基準抵抗26及びA/D変換器10が接続されており、スイッチ片28がこの端子a側に切り換えられることで、発熱素子20−1に基準抵抗26が直列接続され、その両端に印加される測定用電圧VPの分圧電圧VHがA/D変換器10に入力されるようになっている。また、端子bにはA/D変換器11が接続されており、スイッチ片28がこの端子b側に切り換えられることで、発熱素子20−1と発熱制御スイッチ24−1の直列回路の両端に印加される測定用電圧VPの分圧電圧VDがA/D変換器11に入力されるようになっている。
【0063】
なお、この切換スイッチ27の切換え動作は制御部1によって制御されており、例えば制御部1から出力されるスイッチ切換制御信号によりスイッチ片28が端子aまたは端子bに切り換えられるものとする。
【0064】
以下に、このような構成の印字装置の処理動作について説明する。
【0065】
図6は本発明の第2の実施形態に係る印字装置の抵抗値測定機能とその後に続く印字動作を示すフローチャートである。前記第1の実施形態と同様に、例えば電源投入時あるいは印字開始前などの所定のタイミングで、本印字装置に備えられた抵抗値測定機能が起動される。
【0066】
前記抗値測定機能が起動されると、まず、電源回路8から測定用電圧VPがサーマルヘッド9に供給される。このとき、サーマルヘッド9に設けられた印字用の発熱素子20−1〜20−NをOFFにしておくため、これらに対応した部分をすべて白ドット“0”としたデータ(DATA)が測定用データとしてサーマルヘッド9に転送される。これにより、発熱制御スイッチ24−1〜24−Nが非通電状態(OFF状態)となり、その状態における測定用電圧VPの電圧値がA/D変換器12を介して制御部1により測定される(ステップC11)。
【0067】
ここで、切換スイッチ27のスイッチ片28が端子a側に切り換えられる(ステップC12)。これにより、所定の発熱素子20−1と直列に接続された発熱制御スイッチ24−1のOFF状態で、前記発熱素子20−1に基準抵抗26が切換スイッチ27を介して直列に接続される。そして、その直列回路の両端に印加される測定用電圧VPが発熱素子20−1と基準抵抗26の各抵抗値の比率に応じて分圧され、その分圧電圧VHがA/D変換器10を介して制御部1により計測される(ステップC13)。
【0068】
このようにして測定用電圧VP及び分圧電圧VHの各電圧値が測定されると、その測定用電圧VP及び分圧電圧VHと基準抵抗26の抵抗値Rとに基づいて、発熱素子20−1の抵抗値RHが前記第1の実施形態で説明した演算式(1)と同様の式にて求められる(ステップC15)。
【0069】
また、この発熱制御スイッチ24−1の抵抗値RHに基づいて通電時間テーブル5aが検索され、その中から前記抵抗値RHに対応した通電時間が抽出されてRAM5の通電時間記憶部5bに設定される(ステップC16)。なお、前述したように、この通電時間の求め方として、通電時間テーブル5aを利用する方法と所定の演算式に従って算出する方法があり、ここでは通電時間テーブル5aを利用して求めるようにしたが、所定の演算式を用いて通電時間を算出することでも良い。
【0070】
それ以後の印字動作の処理は前記図3のステップA15〜A17と同様であり、前記設定された最適通電時間に基づいてサーマルヘッド9の発熱素子20−1〜20−Nに対する駆動電圧の印加時間が制御されて、テープ上に1ライン毎にデータの印字がなされる(ステップC17〜C19)。
【0071】
このように、サーマルヘッド9に設けられた印字用の発熱素子20−1〜20−Nのうちの所定の発熱素子20−1に基準抵抗26を直列に接続して、その発熱素子20−1の抵抗値RHを測定する構成とすれば、前記第1の実施形態のような測定用の発熱素子25を別途作り込んでおかなくとも、サーマルヘッド9の抵抗値を簡単に得ることができ、その抵抗値に対応した通電時間を設定して印字制御を行うことで、各サーマルヘッド毎に印字濃度がばらつくことのない高品質な印字結果を得ることができる。
【0072】
なお、このような構成とした場合でも、既に説明したように、実際には、印字中に発熱制御スイッチ24−1〜24−Nの夫々がON状態にあるときの抵抗成分が存在するため、その抵抗成分を考慮して通電時間を設定することが好ましい。
【0073】
図7はそのときの処理動作を示すフローチャートである。図中のステップD11〜D14までの発熱素子20−1の抵抗値RHを求めるまでの処理は前記図6のステップC11〜C14までの処理と同様であるため、その説明は省略する。
【0074】
図7に示すように、サーマルヘッド9に設けられた所定の発熱素子20−1の抵抗値RHが得られると(ステップD11〜D14)、その発熱素子20−1に対応した発熱制御スイッチ24−1のみを通電状態(ON状態)とするべく、制御部1から発熱素子20−1に対応させた部分を黒ドット“1”、他の部分をすべて白ドット“0”としたデータ(DATA)が測定用データとしてサーマルヘッド9に転送される(ステップD15)。
【0075】
また、このときに切換スイッチ27のスイッチ片28が端子aから端子b側に切り換えられる(ステップD16)。これにより、前記測定用電圧VPが発熱素子20−1と発熱制御スイッチ24−1のON抵抗の各抵抗値の比率に応じて分圧され、その分圧電圧VDがA/D変換器11を介して制御部1により測定される(ステップD17)。
【0076】
ここで、発熱制御スイッチ24−1のON状態での抵抗値をRDとすると、その抵抗値RDは分圧電圧VDと前記測定用電圧VP及び発熱素子20−1の抵抗値RHに基づき、前記第1の実施形態で説明した演算式(2)と同様の式にて求められる(ステップD18)。
【0077】
また、抵抗値RDと抵抗値RHを用いてサーマルヘッド9に対する最適な通電時間が前記第1の実施形態で説明した演算式(3)、(4)と同様の式にて求められる。
【0078】
このようにして算出された最適通電時間は、RAM5の通電時間記憶部5bに設定される。なお、ここでは所定の演算式により最適な通電時間を求めるようにしたが、通電時間テーブル5aを利用して求めることも可能である。
【0079】
それ以後の印字動作の処理は前記図6のステップC16〜C18と同様であり、前記設定された最適通電時間に基づいてサーマルヘッド9の発熱素子20−1〜20−Nに対する駆動電圧の印加時間が制御されて、テープ上に1ライン毎にデータの印字がなされる(ステップD20〜D22)。
【0080】
このように、発熱制御スイッチ24−1のON状態での抵抗値RDを含めて測定するようにすれば、印字用の発熱素子20−1と発熱制御スイッチ24−1の直列回路における夫々の抵抗比率を把握することができ、これにより印字時に印字用の発熱素子20−1と発熱制御スイッチ24−1の直列回路に印加される駆動電圧のうちで印字用の発熱素子20−1に加わる電圧分を把握することができ、より適切に通電時間を設定することができる。
【0081】
【発明の効果】
以上詳記したように本発明によれば、サーマルヘッドの製造時に各印字用発熱素子とともに作り込まれた測定用発熱素子の抵抗値を測定するだけの簡単な構成にて当該サーマルヘッドにおける抵抗値を把握でき、その抵抗値に見合った印字制御を行うことで、各サーマルヘッド毎に印字濃度がばらつくことのない高品質な印字結果を得ることができる。また、前記測定用発熱素子の抵抗値に加え、発熱制御スイッチがON状態にあるときの抵抗値を含めて測定することにより、より適切な印字制御を行うことができて、より高品質な印字結果を得ることができる。
【0082】
また、サーマルヘッドの印字用の各発熱素子のうちの1つを測定用として用い、その発熱素子に基準抵抗を直列に接続して前記発熱素子の抵抗値を測定する構成とすれば、予め測定用の発熱素子を作り込んでおくことなく、より簡単にサーマルヘッドの抵抗値を把握でき、その抵抗値に見合った印字制御により高品質な印字結果を得ることができ、さらに、前記同様に発熱制御スイッチがON状態にあるときの抵抗値を含めて測定するようにすれば、より適切な印字制御を行うことができて、より高品質な印字結果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る印字装置の電子回路の構成を示すブロック図。
【図2】前記印字装置に搭載されたサーマルヘッドを駆動する場合の各信号のタイミングチャート。
【図3】同実施形態における前記印字装置の抵抗値測定機能とその後に続く印字動作を示すフローチャート。
【図4】同実施形態における前記印字装置の発熱制御スイッチのON抵抗を考慮した場合の処理動作を示すフローチャート。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る印字装置の電子回路の構成を示すブロック図。
【図6】同実施形態における前記印字装置の抵抗値測定機能とその後に続く印字動作を示すフローチャート。
【図7】同実施形態における前記印字装置の発熱制御スイッチのON抵抗を考慮した場合の処理動作を示すフローチャート。
【符号の説明】
1…制御部
2…キーボード
3…表示部
4…ROM
5…RAM
5a…通電時間テーブル
5b…通電時間記憶部
6…モータドライバ
7…テープ送りモータ
8…電源回路
9…サーマルヘッド
10〜12…A/D変換器
20−1〜20−N…印字用の発熱素子
21…シフトレジスタ
22…ラッチ回路
23…ANDゲート
24−1〜24−N…発熱制御スイッチ
25…測定用の発熱素子
26…基準抵抗
27…切換スイッチ
28…スイッチ片
【発明の属する技術分野】
本発明は、サーマルヘッドを備えた印字装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
サーマルプリンタでは、多数の発熱素子をライン状に配列したサーマルヘッドが用いられている。このような印字装置に使用するサーマルヘッドには、その製造時にサーマルヘッド毎に抵抗値のばらつきがある。このため、サーマルヘッドの製造時に各サーマルヘッドの多数の発熱素子の抵抗値を測定することにより、抵抗値のばらつきに応じてサーマルヘッド毎に抵抗値のランク付けをし、当該サーマルヘッドを印字装置に組み込んだときにそのランクを印字装置に設定できるようにしている。そして、印字装置では、このランクを参照して各ランクに見合ったエネルギをサーマルヘッドの各発熱素子に印加するようにしている。
【0003】
すなわち、従来のサーマルヘッドでは、その製造時に発熱素子の抵抗値を測定してランクを決めてそれを所定の位置に表記しておき、一方で印字装置の組立時に、サーマルヘッドに表記されているランク表記に基づいて、印字装置内に組み込まれる電子回路の基板上に設けられているランク設定用のパッドを半田でショートさせる等の処理を行い、これによるランク設定情報を制御部によって得られるようにしていた。
【0004】
なお、前記印字装置のように、印字装置の組立時にランク設定のための特別な工程処理を行うことなく、例えば、特許文献1に開示されているように、サーマルヘッドの各発熱素子の抵抗値を測定する抵抗値測定部を備えて構成した印字装置も存在する。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−242012号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述したような従来の印字装置では、サーマルヘッドの製造時に測定した抵抗値のランクを表記する手間がかかり、また、印字装置の組立時にもランク設定のための工程が必要になって製造コストが高くなる問題がある。
【0007】
また、特許文献1に示される他の従来の印字装置では、サーマルヘッドの全ての発熱素子の抵抗値を測定する抵抗値測定部を備えるものであるため、構成が複雑となって高価になる。この場合、画像データの印字を行う印字装置では、サーマルヘッドの各発熱素子の抵抗値を測定し、各発熱素子に与えるエネルギを制御する等の細かな制御を行うことが要求されるが、専ら文字データの印字に用いる印字装置では、そのような機能を設けることは装置が高価になるだけで、必ずしもそれに見合った効果を得ることができない。
【0008】
本発明は、サーマルヘッドの製造時や印字装置の組立時にサーマルヘッドの抵抗値のランク決めやランク設定工程等に要する手間をなくすことができ、また、簡単な構成によりサーマルヘッドの抵抗値を把握してその抵抗値に応じた適切な印字制御を行うことができる、低コストでかつ高品質な印字結果が得られる印字装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
(1)請求項1に係る発明は、並列接続された複数の印字用発熱素子と、前記各印字用発熱素子と直列に接続された複数の発熱制御スイッチを有するドライブ回路とからなり、前記発熱制御スイッチがONしている印字用発熱素子に駆動電圧を印加して発熱させるようにしたサーマルヘッドを備えた印字装置において、前記サーマルヘッドの製造時に前記各印字用発熱素子と同等の抵抗値を有するべくして前記サーマルヘッドに形成した単一の測定用発熱素子と、前記測定用発熱素子の抵抗値を測定する抵抗値測定手段と、前記抵抗値測定手段によって測定された前記測定用発熱素子の抵抗値に基づき、前記各印字用発熱素子への駆動電圧印加時間を制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
この印字装置では、測定用発熱素子はサーマルヘッドの複数の印字用発熱素子とともに同一の製造工程で同等の抵抗値を有するべくして形成するものであるため、測定用発熱素子の抵抗値は各印字用発熱素子の抵抗値と極めて近似した値となる。従って、サーマルヘッドに形成されたこの単一の測定用発熱素子の抵抗値を測定することにより、その測定抵抗値をもって、それと同等の抵抗値を有する当該サーマルヘッドに設けられる複数の印字用発熱素子の抵抗値を把握することができ、その抵抗値に応じた印字制御を行うことにより、印字濃度がばらつくことのない高品質な印字結果を得ることができる。
【0011】
ここで、前記印字装置において、前記抵抗値測定手段を、前記測定用発熱素子と直列に接続される抵抗値が既知の基準抵抗と、前記測定用発熱素子と前記基準抵抗の直列回路の両端に印加する測定用電圧及びその測定用電圧が前記測定用発熱素子と前記基準抵抗によって分圧される分圧電圧の各値を測定する電圧測定手段と、前記基準抵抗の抵抗値と前記電圧測定手段によって測定された各電圧値とに基づいて前記測定用発熱素子の抵抗値を求める演算手段とで構成することで、測定用発熱素子の抵抗値を簡単に求めることができる。
【0012】
また、前記印字装置において、前記測定用電圧には、各印字用発熱素子に印加する駆動電圧を使用し、前記基準抵抗は、印字中に前記駆動電圧が印加されたときに測定用発熱素子が印字に至らない程度の発熱をする抵抗値を有することが好ましい。
【0013】
更に、前記印字装置において、前記各印字用発熱素子のうちの所定の印字用発熱素子と前記発熱制御スイッチの直列回路の両端に印加する測定用電圧及びその測定用電圧が前記所定の印字用発熱素子と前記発熱制御スイッチによって分圧される分圧電圧の各値を測定する第2の電圧測定手段と、前記抵抗値測定手段により測定した前記測定用発熱素子の抵抗値及び前記第2の電圧測定手段により測定した各電圧値に基づき、前記発熱制御スイッチのON状態での抵抗値を求める第2の抵抗値測定手段とを備え、前記制御手段は、前記抵抗値測定手段により測定された前記測定用発熱素子の抵抗値と前記第2の抵抗値測定手段により測定された前記発熱制御スイッチのON状態での抵抗値とに基づき、前記各印字用発熱素子への駆動電圧印加時間を制御するように構成することが好ましい。
【0014】
このように構成すれば、ON状態にある発熱制御スイッチの抵抗値を把握することで、サーマルヘッドの印字中に駆動電圧が印加される印字用発熱素子と発熱制御スイッチの直列回路における発熱制御スイッチでの電圧降下分を求めることができ、これにより印字用発熱素子に対する最適な印字制御を行うことができる。
【0015】
(2)請求項5に係る発明は、並列接続された複数の発熱素子と、前記各発熱素子と直列に接続された複数の発熱制御スイッチを有するドライブ回路とからなり、前記発熱制御スイッチがONしている発熱素子に駆動電圧を印加して発熱させるようにしたサーマルヘッドを備えた印字装置において、前記各発熱素子のうちの所定の発熱素子と直列に接続された発熱制御スイッチのOFF状態で該発熱素子と直列にして抵抗値が既知の基準抵抗を接続するとともに、前記所定の発熱素子と前記基準抵抗の直列回路の両端に印加する測定用電圧が前記所定の発熱素子と前記基準抵抗によって分圧される分圧電圧の各値を測定することにより前記所定の発熱素子の抵抗値を求める抵抗値測定手段と、前記抵抗値測定手段によって測定された前記所定の発熱素子の抵抗値に基づき、前記各発熱素子への駆動電圧印加時間を制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
【0016】
このような構成によれば、サーマルヘッドの所定の発熱素子に基準抵抗を直列に接続し、その発熱素子の抵抗値を測定するようにしたことで、請求項1の印字装置のようにサーマルヘッドに測定専用の発熱素子を製造時に作り込むことを必要とせずに、サーマルヘッドの抵抗値を簡単に得ることができ、その抵抗値に見合った印字制御により印字濃度がばらつくことのない高品質な印字結果を得ることができる。
【0017】
また、請求項5に記載の印字装置において、更に、前記所定の発熱素子と前記発熱制御スイッチの直列回路の両端に印加する測定用電圧及びその測定用電圧が前記所定の発熱素子と前記発熱制御スイッチによって分圧される分圧電圧の各値を測定する電圧測定手段と、前記抵抗値測定手段により測定した前記所定の発熱素子の抵抗値及び前記電圧測定手段により測定した各電圧値に基づき、前記発熱制御スイッチのON状態での抵抗値を求める第2の抵抗値測定手段とを備えて構成し、前記制御手段により、前記抵抗値測定手段で測定された前記所定の発熱素子の抵抗値と前記第2の抵抗値測定手段で測定された発熱制御スイッチのON状態での抵抗値とに基づき、前記各発熱素子への駆動電圧印加時間を制御することが好ましい。
【0018】
このような構成によれば、更にON状態にある発熱制御スイッチの抵抗値を測定することで、サーマルヘッドの印字中に駆動電圧が印加される印字用発熱素子と発熱制御スイッチの直列回路における発熱制御スイッチでの電圧降下分を把握するとともに、印字用発熱素子に印加される電圧を把握することができ、これにより印字用発熱素子に対する最適な印字制御を行うことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を用いて詳細に説明する。
【0020】
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態に係る印字装置の電子回路の構成を示すブロック図であり、印字媒体としてテープに印字を行う印字装置としての回路構成が示されている。
【0021】
図1に示すように、この印字装置は、制御部(CPU)1、キーボード2、表示部3、ROM4、RAM5、モータドライバ6、テープ送りモータ7、電源回路8、サーマルヘッド9、A/D変換器10、11、12等から構成されている。
【0022】
制御部1は、ROM4に格納されたプログラムに従って本装置における各部の制御を行う中央処理装置である。この制御部1には、キーボード2から入力されたデータを文書データに編集する機能や、モータドライバ6を介してテープ送りモータ7を駆動して不図示のテープを搬送しながら、サーマルヘッド9を駆動して文書データをテープに印字する印字制御機能、また、電源投入時や印字開始前などの所定のタイミングでサーマルヘッド9の抵抗値を測定し、その抵抗値に見合った通電時間を設定する抵抗値測定機能等を備えている。
【0023】
キーボード2は、印字すべき文字等のデータを入力するための入力デバイスである。表示部3は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)などからなり、入力データの表示や各種メニュー画面等の表示を行う。ROM4は、プログラムやフォントデータなど、本装置に必要な各種データが予め記憶されている。RAM5は、制御部1の印字制御に必要な各種データが記憶される。また、このRAM5には、予め発熱素子の抵抗値に対応した最適な通電時間が記憶された通電時間テーブル5aと、印字動作時の通電時間を記憶するための通電時間記憶部5bなどが設けられている。
【0024】
モータドライバ6は、制御部1からの駆動信号を受けてテープ送りモータ7を駆動する。このテープ送りモータ7の駆動により、印字媒体である不図示のテープが搬送され、そのテープ上にサーマルヘッド9によってデータの印字がなされる。また、電源回路8は、制御部1やサーマルヘッド9に対する駆動電圧を供給するものである。
【0025】
サーマルヘッド9には、N個の印字用の発熱素子20−1〜20−Nがライン状に配列されて設けられており、前記電源回路8から供給される駆動電圧を受けて、これらの発熱素子20−1〜20−Nがドライバ回路を通じて発熱駆動されることにより印字が行われる。
【0026】
前記ドライバ回路は、クロック信号(CLK)に同期して制御部1から転送されるシリアルの印字データ(DATA)をパラレルのデータ信号に変換するシフトレジスタ21と、このシフトレジスタ21に保持されたパラレルのデータ信号をラッチクロック信号(LATCH)の入力に従ってラッチするラッチ回路22と、このラッチ回路22の出力信号とストローブ信号(STB)との論理積を取るANDゲート23と、そして、ANDゲート23の出力信号に基づいて各発熱素子20−1〜20−Nに記録電流を流す発熱制御スイッチ24−1〜24−Nとから構成される。発熱制御スイッチ24−1〜24−Nは、トランジスタからなり、そのベースがANDゲート23に接続されている。
【0027】
印字用の発熱素子20−1〜20−Nと、これらのドライバ回路を構成するシフトレジスタ21、ラッチ回路22、ANDゲート23、発熱制御スイッチ24−1〜24−Nは、サーマルヘッド9の製造時に基板上に作り込まれる。具体的には、セラミックの基板上に、所定の間隔で抵抗材料をスパッタリングして発熱素子20−1〜20−Nを形成するとともに、これらに接続する配線パターンを形成し、さらに、その基板上にシフトレジスタ21、ラッチ回路22、ANDゲート23、発熱制御スイッチ24−1〜24−Nが組み込まれた1チップのドライバ回路をハンダ付けして最後にモールドして保護するといった工程を経てサーマルヘッド9が作成される。
【0028】
ここで、第1の実施形態では、サーマルヘッド9の製造時に、印字用の各発熱素子20−1〜20−Nとともに、これらと同等の抵抗値を持つべくして、同一基板上の各発熱素子20−1〜20−Nの配列ラインに隣接して測定用の発熱素子25が形成される。また、1個の発熱素子20−1とそれに接続される発熱制御スイッチ24−1の間から測定用の引出線が基板上に形成される。そして、印字装置の組立時において、電源回路8から駆動電圧の供給を受けるべく、サーマルヘッド9の各発熱素子20−1〜20−N及び測定用発熱素子25が電源回路8に接続され、所定の制御信号やデータ信号の供給を受けるべく、ドライバ回路を構成するシフトレジスタ21、ラッチ回路22、ANDゲート23の夫々が制御部1に接続される。
【0029】
また、測定用発熱素子25に対し、基準抵抗26がサーマルヘッド9の外側にて直列接続されて接地される。この基準抵抗26の抵抗値Rは既知であり、その値は、印字中に直列接続された測定用発熱素子25と基準抵抗26の両端に駆動電圧が印加されたときに測定用発熱素子25が印字に至らない程度の発熱をする程度に設定されている。
【0030】
このような構成の印字装置において、キーボード2から文字列が入力されると、その文字列が表示部3に表示されるとともに、かな漢字変換処理などにより編集される。所定の操作により編集後の文字列の印字が指示されると、その文字列を構成する各文字のコードデータに対応したドットパターンデータ(印字データ信号)がRAM5上に設けられる印字バッファ領域に展開される。そして、そのデータがサーマルヘッド9に1ラインずつ転送されて、印字媒体であるテープ上に印字され、これに同期してモータドライバ6を介してテープ送りモータ7が駆動されてテープ送りがなされる。
【0031】
ここで、図2を参照してサーマルヘッド9の印字動作を更に詳しく説明する。
【0032】
図2は本印字装置に搭載されたサーマルヘッド9を駆動する場合の各信号のタイミングチャートであり、CLKは制御部1からシフトレジスタ21に出力されるクロック信号、DATAは制御部1からシフトレジスタ21に出力される印字データ、LATCHは制御部1からラッチ回路22に出力されるラッチ信号、STBは制御部1からANDゲート23に出力されるストローブ信号を示している。
【0033】
制御部1から1ライン分の印字データ(DATA)がクロック信号(CLK)に同期してシフトレジスタ21にシリアルに転送されると、このシフトレジスタ21にてパラレル変換されてラッチ回路22に出力され、ラッチ信号(LATCH)によりラッチ回路22にラッチされる。この間に次のラインの印字データ(DATA)が転送されて来てシフトレジスタ21に格納される。
【0034】
ラッチ回路22にラッチされた印字データ(DATA)はANDゲート23に出力され、このANDゲート23に入力されるストローブ信号(STB)との論理積が取られる。ストローブ信号(STB)は印字用の発熱素子20−1〜20−Nに流す電流の時間幅を決定するための信号であり、印字データ(DATA)が“1”のときにストローブ信号がハイレベルの間、ANDゲート23がアクティブとなり、発熱制御スイッチ24−1〜24−Nの中の対応するスイッチが通電状態(ON状態)となる。これにより、電源回路8から供給される駆動電圧に従った電流が発熱素子20−1〜20−Nの中の対応する発熱素子に流れてテープ上に1ライン分の印字がなされる。
【0035】
このような印字動作に際し、本印字装置では、サーマルヘッド9の抵抗値が測定され、その抵抗値に見合った通電時間が自動設定されるようになっている。以下に、そのときの処理動作について、図3を参照して詳しく説明する。
【0036】
図3は本発明の第1の実施形態に係る印字装置の抵抗値測定機能とその後に続く印字動作を示すフローチャートである。なお、前記抵抗値測定機能は、例えば電源投入時あるいは印字開始前などの所定のタイミングで起動される。
【0037】
前記抵抗値測定機能が起動されると、まず、電源回路8から測定用電圧VPがサーマルヘッド9に供給される。このとき、サーマルヘッド9に設けられた全ての印字用の発熱素子20−1〜20−Nが発熱駆動されないように、全ての印字用の発熱素子20−1〜20−Nに対応した発熱制御スイッチ24−1〜24−NをOFFにしておくため、1ライン分の全てのドットを白ドット“0”とした印字データ(DATA)が測定用データとしてサーマルヘッド9に転送される。これにより、発熱制御スイッチ24−1〜24−Nが非通電状態(OFF状態)となり、前記測定用電圧VPは測定用発熱素子25とその発熱素子25に直列接続された基準抵抗26の直列回路の両端に印加されることになり、そのときの電圧値がA/D変換器12を介して制御部1により測定される(ステップA11)。
【0038】
また、前記測定用電圧VPが測定用発熱素子25と基準抵抗26の各抵抗値の比率に応じて分圧され、その分圧電圧VHの電圧値がA/D変換器10を介して制御部1により測定される(ステップA12)。
【0039】
このようにして測定用電圧VP及び分圧電圧VHの各電圧値が測定されると、その測定用電圧VP及び分圧電圧VHと基準抵抗26の抵抗値Rとに基づいて、測定用発熱素子25の抵抗値RHが以下のような演算式(1)により求められる(ステップA13)。
【0040】
RH=R×(VP−VH)/VH …(1)
ここで、測定用発熱素子25はサーマルヘッド9の製造時に発熱素子20−1〜20−Nとともに作り込まれているので、その抵抗値RHは発熱素子20−1〜20−Nの抵抗値に近似しているものと見なすことができる。そこで、この測定用発熱素子25の抵抗値RHを用いてサーマルヘッド9に対する最適な通電時間を求める。この通電時間の求め方として、通電時間テーブル5aを利用する方法と所定の演算式に従って算出する方法があり、ここでは通電時間テーブル5aを利用するものとして説明する。
【0041】
通電時間テーブル5aには、予め発熱素子の抵抗値によって決められた最適な通電時間が記憶されている。この場合、抵抗値が一定範囲でランク別に分類され、これらのランク別に通電時間が段階的に決められている。測定用発熱素子25の抵抗値RHが得られると、その抵抗値RHに基づいて通電時間テーブル5aが検索され、その中から前記抵抗値RHに対応した通電時間が選択されてRAM5の通電時間記憶部5bに設定される(ステップA14)。
【0042】
以後、印字が開始されたときに、前記設定された通電時間が通電時間記憶部5bから読み出され、その通電時間に基づいてサーマルヘッド9の発熱素子20−1〜20−Nに対する駆動電圧の印加時間が制御されて、これらの発熱素子20−1〜20−Nの発熱によりテープ上に1ライン毎にデータの印字がなされる(ステップA15)。
【0043】
すなわち、図2に示したように、印字が開始されると、制御部1から1ライン分の印字データ(DATA)がクロック信号(CLK)に同期してシフトレジスタ21にシリアルに転送される。このシリアル転送された1ライン分の印字データ(DATA)はシフトレジスタ21にてパラレルデータに変換された後、1ライン分まとめてラッチ信号(LATCH)の入力に従ってラッチ回路22にラッチされる。ラッチ回路22にラッチされた印字データ(DATA)はANDゲート23に出力され、このANDゲート23にて制御部1から出力されるストローブ信号(STB)との論理積が取られる。
【0044】
ここで、制御部1では、前記通電時間記憶部5bに設定された通電時間に基づいてストローブ信号(STB)の出力期間を決定し、その期間の間、ハイレベルのストローブ信号(STB)をANDゲート23に出力している。このとき、ANDゲート23に入力されている印字データ(DATA)が“1”であれば、ANDゲート23がアクティブとなる。これにより、発熱制御スイッチ24−1〜24−Nの中の対応するスイッチがオンし、発熱素子20−1〜20−Nの中の対応する発熱素子に電源回路8から供給される駆動電圧が前記設定された通電時間印加されて当該発熱素子に駆動電圧に従った電流が流れて、テープ上に1ライン分の印字がなされる。
【0045】
印字後、モータドライバ6によりテープ送りモータ7が回転駆動されてテープが所定の方向に搬送される(ステップA16)。印字すべきデータが残っていれば(ステップA17のNo)、前記ステップA15からの処理が繰り返され、全ライン分のデータがテープ上に印字された時点で(ステップA17のYes)、ここでの印字動作が終了する。
【0046】
このように、サーマルヘッド9の製造時に各発熱素子20−1〜20−Nと同等の抵抗値を有する測定用発熱素子25を組み込んでおくことにより、印字装置の組立時にその測定用発熱素子25の抵抗値RHを測定するための簡単な回路を追加するだけで、その測定用発熱素子25の抵抗値RHをサーマルヘッド(印字用発熱素子)の抵抗値として、その抵抗値に見合った最適な通電時間を簡単に設定することができる。そして、その設定された通電時間に基づいて印字制御を行うことにより、印字濃度がばらつくことのない高品質な印字結果を得ることができる。
【0047】
なお、前記図3に示した処理では、測定時に測定用電圧VPを印加し、その電圧値を測定するようにしたが、例えば印字時にサーマルヘッド9の各発熱素子20−1〜20−Nに印加される所定の駆動電圧を測定用電圧VPとして印加することでも良い。この場合、印字中に測定用発熱素子25に対しても前記駆動電圧が連続的に印加されることになるが、前述したように測定用発熱素子25に直列接続される基準抵抗26の抵抗値Rはその駆動電圧の印加により測定用発熱素子25が印字に至らない程度の値に設定されているので、印字品位に影響を与えることはない。
【0048】
また、前記図3に示した処理では、測定用発熱素子25の抵抗値RHだけでサーマルヘッド9に印加する所定電圧値の駆動電圧の通電時間を設定するようにしたが、実際には、印字中に発熱制御スイッチ(トランジスター)24−1〜24−Nの夫々がON状態にあるときにコレクタとエミッタ間の抵抗があるため、発熱制御スイッチ24−1〜24−Nで電圧降下を生じ、駆動電圧がそっくり印字用の発熱素子20−1〜20−Nに印加されるわけではない。発熱制御スイッチ24−1〜24−NのON状態とは、ANDゲート23の出力信号つまりラッチ回路22の出力信号とストローブ信号(STB)との論理積信号がトランジスターのベースに入力されて、コレクタとエミッタ間が導通した状態にあることである。
【0049】
特に、ON状態での発熱制御スイッチ24−1〜24−Nの抵抗値は印字用の発熱素子20−1〜20−Nの抵抗値に比べて小さいものではあるが、全く無視できるものでもない。従って、発熱制御スイッチ24−1〜24−NのON状態でのコレクタとエミッタ間の抵抗値を考慮した上で、印字用の発熱素子20−1〜20−Nに印加する駆動電圧の通電時間を設定することが好ましい。このような発熱制御スイッチ24−1〜24−NのON状態での抵抗値をON抵抗と呼ぶ。
【0050】
図4はそのときの処理動作を示すフローチャートである。図中のステップB11〜B13までの測定用発熱素子25の抵抗値RHを求めるまでの処理は前記図3のステップA11〜A13までの処理と同様であるため、その説明は省略する。
【0051】
図4に示すように、サーマルヘッド9に設けられた測定用発熱素子25の抵抗値RHが得られると(ステップB11〜B13)、印字用の発熱素子20−1〜20−Nのうちの所定の発熱素子20−1に対応した発熱制御スイッチ24−1のみを通電状態(ON状態)とするべく、制御部1から発熱素子20−1に対応させた部分を黒ドット“1”、他の部分をすべて白ドット“0”としたデータ(DATA)が測定用データとしてサーマルヘッド9に転送される。これにより、前記測定用電圧VPが発熱素子20−1と発熱制御スイッチ24−1のON抵抗の各抵抗値の比率に応じて分圧され、その分圧電圧VDがA/D変換器11を介して制御部1により測定される(ステップB14)。
【0052】
ここで、発熱制御スイッチ24−1のON状態での抵抗値をRDとすると、その抵抗値RDは分圧電圧VDと前記測定用電圧VP及び測定用発熱素子25の抵抗値RHに基づいて以下のような演算式(2)により求められる(ステップB15)。
【0053】
RD=RH×VD/(VP−VD) …(2)
また、抵抗値RDと抵抗値RHを用いてサーマルヘッド9に対する最適な通電時間が以下のようにして求められる(ステップB16)。
【0054】
すなわち、今、印字時に印加する駆動電圧をVP、発熱素子抵抗値の設計値をRS、そのときの最適通電時間をTwとし、前記抵抗値RD、RHに対応した最適通電時間をTとすると、以下のような式(3)が成り立つ。
【0055】
VP2/RS×Tw={VP/(RH+RD)}2×RH×T …(3)
よって、この(3)式から最適通電時間Tは、以下のような演算式(4)により求まる。
【0056】
T=(RH+RD)2/(RS+RH)×Tw …(4)
このようにして算出された最適通電時間は、RAM5の通電時間記憶部5bに設定される。なお、ここでは所定の演算式により最適な通電時間を求めるようにしたが、測定用発熱素子25の抵抗値RHと発熱制御スイッチ24−1のON抵抗値RDに基づいて最適な通電時間を設定する通電時間テーブル5aを利用して求めることも可能である。
【0057】
それ以後の印字動作の処理は前記図3のステップA15〜A17と同様であり、前記設定された最適通電時間に基づいてサーマルヘッド9の発熱素子20−1〜20−Nに対する駆動電圧の印加時間が制御されて、テープ上に1ライン毎にデータの印字がなされる(ステップB17〜B19)。
【0058】
このように、サーマルヘッド9のドライバ回路に設けられる複数の発熱制御スイッチのうちの1個の発熱制御スイッチ24−1のON状態での抵抗値RDを測定することで、先の印字用の発熱素子20−1の測定と合わせて、印字用の発熱素子20−1と発熱制御スイッチ24−1の直列回路における夫々の抵抗比率を把握することができ、これにより印字時に印字用の発熱素子20−1と発熱制御スイッチ24−1の直列回路に印加される駆動電圧のうちで印字用の発熱素子20−1に加わる電圧分を把握することができ、適切な通電時間を設定することができる。なお、発熱制御スイッチのON状態での抵抗値の測定は、同一の製造工程で同等に作られるため、代表する1個を測定することで足りる。
【0059】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0060】
図5は本発明の第2の実施形態に係る印字装置の電子回路の構成を示すブロック図であり、前記第1の実施形態における図1の構成と同一の部分には同一符号を付して示してある。
【0061】
前記第1の実施形態と異なる点は、サーマルヘッド9に測定用としての発熱素子25を設けずに、印字用の発熱素子20−1〜20−Nのうちの所定の発熱素子20−1を測定用に利用したことであり、発熱素子20−1と発熱制御スイッチ24−1との間から延出された引出線に切換スイッチ27が接続される。
【0062】
この切換スイッチ27は、端子aまたは端子bに切換え可能なスイッチ片28を有する。端子aには基準抵抗26及びA/D変換器10が接続されており、スイッチ片28がこの端子a側に切り換えられることで、発熱素子20−1に基準抵抗26が直列接続され、その両端に印加される測定用電圧VPの分圧電圧VHがA/D変換器10に入力されるようになっている。また、端子bにはA/D変換器11が接続されており、スイッチ片28がこの端子b側に切り換えられることで、発熱素子20−1と発熱制御スイッチ24−1の直列回路の両端に印加される測定用電圧VPの分圧電圧VDがA/D変換器11に入力されるようになっている。
【0063】
なお、この切換スイッチ27の切換え動作は制御部1によって制御されており、例えば制御部1から出力されるスイッチ切換制御信号によりスイッチ片28が端子aまたは端子bに切り換えられるものとする。
【0064】
以下に、このような構成の印字装置の処理動作について説明する。
【0065】
図6は本発明の第2の実施形態に係る印字装置の抵抗値測定機能とその後に続く印字動作を示すフローチャートである。前記第1の実施形態と同様に、例えば電源投入時あるいは印字開始前などの所定のタイミングで、本印字装置に備えられた抵抗値測定機能が起動される。
【0066】
前記抗値測定機能が起動されると、まず、電源回路8から測定用電圧VPがサーマルヘッド9に供給される。このとき、サーマルヘッド9に設けられた印字用の発熱素子20−1〜20−NをOFFにしておくため、これらに対応した部分をすべて白ドット“0”としたデータ(DATA)が測定用データとしてサーマルヘッド9に転送される。これにより、発熱制御スイッチ24−1〜24−Nが非通電状態(OFF状態)となり、その状態における測定用電圧VPの電圧値がA/D変換器12を介して制御部1により測定される(ステップC11)。
【0067】
ここで、切換スイッチ27のスイッチ片28が端子a側に切り換えられる(ステップC12)。これにより、所定の発熱素子20−1と直列に接続された発熱制御スイッチ24−1のOFF状態で、前記発熱素子20−1に基準抵抗26が切換スイッチ27を介して直列に接続される。そして、その直列回路の両端に印加される測定用電圧VPが発熱素子20−1と基準抵抗26の各抵抗値の比率に応じて分圧され、その分圧電圧VHがA/D変換器10を介して制御部1により計測される(ステップC13)。
【0068】
このようにして測定用電圧VP及び分圧電圧VHの各電圧値が測定されると、その測定用電圧VP及び分圧電圧VHと基準抵抗26の抵抗値Rとに基づいて、発熱素子20−1の抵抗値RHが前記第1の実施形態で説明した演算式(1)と同様の式にて求められる(ステップC15)。
【0069】
また、この発熱制御スイッチ24−1の抵抗値RHに基づいて通電時間テーブル5aが検索され、その中から前記抵抗値RHに対応した通電時間が抽出されてRAM5の通電時間記憶部5bに設定される(ステップC16)。なお、前述したように、この通電時間の求め方として、通電時間テーブル5aを利用する方法と所定の演算式に従って算出する方法があり、ここでは通電時間テーブル5aを利用して求めるようにしたが、所定の演算式を用いて通電時間を算出することでも良い。
【0070】
それ以後の印字動作の処理は前記図3のステップA15〜A17と同様であり、前記設定された最適通電時間に基づいてサーマルヘッド9の発熱素子20−1〜20−Nに対する駆動電圧の印加時間が制御されて、テープ上に1ライン毎にデータの印字がなされる(ステップC17〜C19)。
【0071】
このように、サーマルヘッド9に設けられた印字用の発熱素子20−1〜20−Nのうちの所定の発熱素子20−1に基準抵抗26を直列に接続して、その発熱素子20−1の抵抗値RHを測定する構成とすれば、前記第1の実施形態のような測定用の発熱素子25を別途作り込んでおかなくとも、サーマルヘッド9の抵抗値を簡単に得ることができ、その抵抗値に対応した通電時間を設定して印字制御を行うことで、各サーマルヘッド毎に印字濃度がばらつくことのない高品質な印字結果を得ることができる。
【0072】
なお、このような構成とした場合でも、既に説明したように、実際には、印字中に発熱制御スイッチ24−1〜24−Nの夫々がON状態にあるときの抵抗成分が存在するため、その抵抗成分を考慮して通電時間を設定することが好ましい。
【0073】
図7はそのときの処理動作を示すフローチャートである。図中のステップD11〜D14までの発熱素子20−1の抵抗値RHを求めるまでの処理は前記図6のステップC11〜C14までの処理と同様であるため、その説明は省略する。
【0074】
図7に示すように、サーマルヘッド9に設けられた所定の発熱素子20−1の抵抗値RHが得られると(ステップD11〜D14)、その発熱素子20−1に対応した発熱制御スイッチ24−1のみを通電状態(ON状態)とするべく、制御部1から発熱素子20−1に対応させた部分を黒ドット“1”、他の部分をすべて白ドット“0”としたデータ(DATA)が測定用データとしてサーマルヘッド9に転送される(ステップD15)。
【0075】
また、このときに切換スイッチ27のスイッチ片28が端子aから端子b側に切り換えられる(ステップD16)。これにより、前記測定用電圧VPが発熱素子20−1と発熱制御スイッチ24−1のON抵抗の各抵抗値の比率に応じて分圧され、その分圧電圧VDがA/D変換器11を介して制御部1により測定される(ステップD17)。
【0076】
ここで、発熱制御スイッチ24−1のON状態での抵抗値をRDとすると、その抵抗値RDは分圧電圧VDと前記測定用電圧VP及び発熱素子20−1の抵抗値RHに基づき、前記第1の実施形態で説明した演算式(2)と同様の式にて求められる(ステップD18)。
【0077】
また、抵抗値RDと抵抗値RHを用いてサーマルヘッド9に対する最適な通電時間が前記第1の実施形態で説明した演算式(3)、(4)と同様の式にて求められる。
【0078】
このようにして算出された最適通電時間は、RAM5の通電時間記憶部5bに設定される。なお、ここでは所定の演算式により最適な通電時間を求めるようにしたが、通電時間テーブル5aを利用して求めることも可能である。
【0079】
それ以後の印字動作の処理は前記図6のステップC16〜C18と同様であり、前記設定された最適通電時間に基づいてサーマルヘッド9の発熱素子20−1〜20−Nに対する駆動電圧の印加時間が制御されて、テープ上に1ライン毎にデータの印字がなされる(ステップD20〜D22)。
【0080】
このように、発熱制御スイッチ24−1のON状態での抵抗値RDを含めて測定するようにすれば、印字用の発熱素子20−1と発熱制御スイッチ24−1の直列回路における夫々の抵抗比率を把握することができ、これにより印字時に印字用の発熱素子20−1と発熱制御スイッチ24−1の直列回路に印加される駆動電圧のうちで印字用の発熱素子20−1に加わる電圧分を把握することができ、より適切に通電時間を設定することができる。
【0081】
【発明の効果】
以上詳記したように本発明によれば、サーマルヘッドの製造時に各印字用発熱素子とともに作り込まれた測定用発熱素子の抵抗値を測定するだけの簡単な構成にて当該サーマルヘッドにおける抵抗値を把握でき、その抵抗値に見合った印字制御を行うことで、各サーマルヘッド毎に印字濃度がばらつくことのない高品質な印字結果を得ることができる。また、前記測定用発熱素子の抵抗値に加え、発熱制御スイッチがON状態にあるときの抵抗値を含めて測定することにより、より適切な印字制御を行うことができて、より高品質な印字結果を得ることができる。
【0082】
また、サーマルヘッドの印字用の各発熱素子のうちの1つを測定用として用い、その発熱素子に基準抵抗を直列に接続して前記発熱素子の抵抗値を測定する構成とすれば、予め測定用の発熱素子を作り込んでおくことなく、より簡単にサーマルヘッドの抵抗値を把握でき、その抵抗値に見合った印字制御により高品質な印字結果を得ることができ、さらに、前記同様に発熱制御スイッチがON状態にあるときの抵抗値を含めて測定するようにすれば、より適切な印字制御を行うことができて、より高品質な印字結果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る印字装置の電子回路の構成を示すブロック図。
【図2】前記印字装置に搭載されたサーマルヘッドを駆動する場合の各信号のタイミングチャート。
【図3】同実施形態における前記印字装置の抵抗値測定機能とその後に続く印字動作を示すフローチャート。
【図4】同実施形態における前記印字装置の発熱制御スイッチのON抵抗を考慮した場合の処理動作を示すフローチャート。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る印字装置の電子回路の構成を示すブロック図。
【図6】同実施形態における前記印字装置の抵抗値測定機能とその後に続く印字動作を示すフローチャート。
【図7】同実施形態における前記印字装置の発熱制御スイッチのON抵抗を考慮した場合の処理動作を示すフローチャート。
【符号の説明】
1…制御部
2…キーボード
3…表示部
4…ROM
5…RAM
5a…通電時間テーブル
5b…通電時間記憶部
6…モータドライバ
7…テープ送りモータ
8…電源回路
9…サーマルヘッド
10〜12…A/D変換器
20−1〜20−N…印字用の発熱素子
21…シフトレジスタ
22…ラッチ回路
23…ANDゲート
24−1〜24−N…発熱制御スイッチ
25…測定用の発熱素子
26…基準抵抗
27…切換スイッチ
28…スイッチ片
Claims (6)
- 並列接続された複数の印字用発熱素子と、前記各印字用発熱素子と直列に接続された複数の発熱制御スイッチを有するドライブ回路とからなり、前記発熱制御スイッチがONしている印字用発熱素子に駆動電圧を印加して発熱させるようにしたサーマルヘッドを備えた印字装置において、
前記サーマルヘッドの製造時に前記各印字用発熱素子と同等の抵抗値を有するべくして前記サーマルヘッドに形成した単一の測定用発熱素子と、
前記測定用発熱素子の抵抗値を測定する抵抗値測定手段と、
前記抵抗値測定手段によって測定された前記測定用発熱素子の抵抗値に基づき、前記各印字用発熱素子への駆動電圧印加時間を制御する制御手段と
を備えることを特徴とする印字装置。 - 前記抵抗値測定手段は、
前記測定用発熱素子と直列に接続される抵抗値が既知の基準抵抗と、
前記測定用発熱素子と前記基準抵抗の直列回路の両端に印加する測定用電圧及びその測定用電圧が前記測定用発熱素子と前記基準抵抗によって分圧される分圧電圧の各値を測定する電圧測定手段と、
前記基準抵抗の抵抗値と前記電圧測定手段によって測定された各電圧値とに基づいて前記測定用発熱素子の抵抗値を求める演算手段と
を備えることを特徴とする請求項1に記載の印字装置。 - 前記測定用電圧には、前記各印字用発熱素子に印加する前記駆動電圧が使用され、前記基準抵抗は、印字中に前記駆動電圧が印加されたときに前記測定用発熱素子が印字に至らない程度の発熱をする抵抗値を有することを特徴とする請求項2に記載の印字装置。
- 更に、前記各印字用発熱素子のうちの所定の印字用発熱素子と前記発熱制御スイッチの直列回路の両端に印加する測定用電圧及びその測定用電圧が前記所定の印字用発熱素子と前記発熱制御スイッチによって分圧される分圧電圧の各値を測定する第2の電圧測定手段と、
前記抵抗値測定手段により測定した前記測定用発熱素子の抵抗値及び前記第2の電圧測定手段により測定した各電圧値に基づき、前記発熱制御スイッチのON状態での抵抗値を求める第2の抵抗値測定手段とを備え、
前記制御手段は、前記抵抗値測定手段により測定された前記測定用発熱素子の抵抗値と前記第2の抵抗値測定手段により測定された前記発熱制御スイッチのON状態での抵抗値とに基づき、前記各印字用発熱素子への駆動電圧印加時間を制御することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の印字装置。 - 並列接続された複数の発熱素子と、前記各発熱素子と直列に接続された複数の発熱制御スイッチを有するドライブ回路とからなり、前記発熱制御スイッチがONしている発熱素子に駆動電圧を印加して発熱させるようにしたサーマルヘッドを備えた印字装置において、
前記各発熱素子のうちの所定の発熱素子と直列に接続された発熱制御スイッチのOFF状態で該発熱素子と直列にして抵抗値が既知の基準抵抗を接続するとともに、前記所定の発熱素子と前記基準抵抗の直列回路の両端に印加する測定用電圧が前記所定の発熱素子と前記基準抵抗によって分圧される分圧電圧の各値を測定することにより前記所定の発熱素子の抵抗値を求める抵抗値測定手段と、
前記抵抗値測定手段によって測定された前記所定の発熱素子の抵抗値に基づき、前記各発熱素子への駆動電圧印加時間を制御する制御手段と
を備えることを特徴とする印字装置。 - 更に、前記所定の発熱素子と前記発熱制御スイッチの直列回路の両端に印加する測定用電圧及びその測定用電圧が前記所定の発熱素子と前記発熱制御スイッチによって分圧される分圧電圧の各値を測定する電圧測定手段と、
前記抵抗値測定手段により測定した前記所定の発熱素子の抵抗値及び前記電圧測定手段により測定した各電圧値に基づき、前記発熱制御スイッチのON状態での抵抗値を求める第2の抵抗値測定手段とを備え、
前記制御手段は、前記抵抗値測定手段により測定された前記所定の発熱素子の抵抗値と前記第2の抵抗値測定手段により測定された発熱制御スイッチのON状態での抵抗値とに基づき、前記各発熱素子への駆動電圧印加時間を制御することを特徴とする請求項5に記載の印字装置。
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Cited By (1)
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JP2015128879A (ja) * | 2014-01-08 | 2015-07-16 | 富士通コンポーネント株式会社 | プリンタ装置の制御方法及びプリンタ装置 |
-
2003
- 2003-04-30 JP JP2003125490A patent/JP2004330444A/ja active Pending
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