JP2004329773A - 回胴式遊技機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】出玉率の設定スイッチ側から供給される設定スイッチ信号Sboを、主基板700のマイクロコンピュータがレベル検出部E1によって逐一検知すると共に、操作の有無を示す検出結果RSLTを設定操作信号発生部E2に供給する。そして、設定操作信号発生部E2が、出玉率の設定変更の操作がなされていないときには所定周期の交播信号Sacから成る設定操作信号S5を送出し、出玉率の設定変更の操作がなされているときには所定レベルの設定操作期間信号Sdcから成る設定操作信号S5を外部集中端子装置800を介してホールコンピュータに送出することによって、出玉率の設定変更の操作がなされているときだけでなく、出玉率の設定変更の操作がなされていないときの設定操作状況を示す情報をもホールコンピュータに送出することにより、不正な行為に対し確実な対応を可能にする。
【選択図】 図8
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばスロットマシン等の回胴式遊技機に関し、特に不正行為等を防止し得る機能を備えた回胴式遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
遊技場等に設置されるスロットマシンにあっては、例えば、遊技場の特定の場所(管理者のみが入室可能な管理室等)に設置されている管理用電子装置等(「ホールコンピュータ」と呼ばれている)に接続され、ホールコンピュータが遊技場に設置されている多数のスロットマシンを統括管理すると共に、各スロットマシンの出玉データ等の遊技情報を管理運用している。
【0003】
そして、不正防止を目的として、ホールコンピュータと各スロットマシンとの間でインタラクティブ(双方向的)に信号の授受を行うことが禁止され、かかるインタラクティブに信号の授受を行う機能を有した不適切なスロットマシンの市場への提供が予め禁止されている。
【0004】
より具体的に述べれば、適正なスロットマシンにあっては、図11のブロック図にて例示するように、マイクロプロセッサ(MPU)を備えた主基板(「メインボード」とも呼ばれている)1と、上述のホールコンピュータ2と主基板1との間を接続するインターフェースとしての外部集中端子装置(「外部集中端子板」、「集中端子板」、「外部集中端子基板」等と呼ばれている)3とが一般に設けられている。
【0005】
そして、主基板1がスロットマシンのゲーム動作及び動作状況等を集中的に管理、制御すると共に、ホールコンピュータ2との間で信号の出力又は入力を行う場合には、上述の制御中に得られる「遊技メダル投入信号」、「遊技メダル払い出し信号」、「役物動作信号」、「役物連続作動装置動作信号」、「役物連続作動増加装置動作信号」、「高確率役物遊技信号」と呼ばれる6種の出力信号OUT1〜OUT6を外部集中端子板3を介してホールコンピュータ2へ出力し、また、「打ち止め解除信号」と呼ばれる入力信号INをホールコンピュータ2から外部集中端子板3を介して入力する構成となっている。
【0006】
このように、主基板1からホールコンピュータ2へ信号を一方向に出力すると共に、ホールコンピュータ2から主基板1への信号入力も一方向に行うことによって、インタラクティブに信号の授受を行うことのない適正なスロットマシンが提供されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来のスロットマシンにあっては、上述したような不正防止対策が施されているものの、巧妙に不正行為を働くいわゆる不正行為者が問題となっている。
【0008】
例えば法定されている出玉率に設定しておいた適正なスロットマシンに対し、その適正な出玉率とは異なる高確率でゲームを行うことができるように上述の主基板1に対する出玉率設定条件を変更し、善良な遊戯者を装ってゲームを行う不正行為者の存在が大きな問題となっている。
【0009】
このため、より確実に不正行為者からの不正行為を排除し得るスロットマシン等の回胴式遊技機の開発が望まれている。
【0010】
本発明はこうした従来の問題点に鑑みてなされたものであり、不正行為等を防止し得る機能を備えた回胴式遊技機を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、前記出玉率の設定変更に際し操作される操作手段と、前記出玉率の設定変更を行う機能を有する主基板と、外部集中端子装置とを備え、当該外部集中端子装置を介して回胴式遊技機を統括管理する管理用電子装置に接続される回胴式遊技機であって、前記主基板は、操作手段における前記出玉率の設定変更の操作の有無を検知すると共に、前記設定変更の操作がなされていないときには所定周期の交播信号から成る設定操作信号、前記設定変更の操作がなされているときには所定レベルの設定操作期間信号から成る設定操作信号を前記外部集中端子装置を介して前記管理用電子装置に送出する設定操作信号生成部を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項1記載の発明によれば、出玉率の設定変更がなされたことを示す設定操作信号を、統括管理する管理用電子装置に送出することにより、例えば正規の管理者等によって出玉率の設定変更が行われた場合のみならず、不正に設定変更が行われた場合も管理用電子装置に通知し、いわゆる不正な行為に対し未然に対応を図ることを可能にする。
【0013】
更に、出玉率の設定変更の操作がなされていないときには所定周期の交播信号から成る設定操作信号を外部集中端子装置を介して管理用電子装置に送出し、出玉率の設定変更の操作がなされているときには所定レベルの設定操作期間信号から成る設定操作信号を外部集中端子装置を介して管理用電子装置に送出することによって、出玉率の設定変更の操作がなされているときだけでなく、出玉率の設定変更の操作がなされていないときの設定操作状況を示す情報をも管理用電子装置に送出することにより、不正な行為に対し確実な対応を図ることを可能にする。
【0014】
更に、例えば遊技場に回胴式遊技機が設置されて管理用電子装置によって統括管理される一般的なシステム構成がなされた場合に、正規の管理者が出玉率の設定変更を行わない例えば遊技場の営業時間内等において、不正な行為者が操作手段と主基板との間を接続している配線等に所定の電圧(例えばグランドの電圧)を印加すると、操作手段を操作しなくとも擬似的に出玉率の設定変更の指示を主基板に対して行える状態となる。しかし、請求項1の発明では、こうした正規の管理者が出玉率の設定変更を行わない例えば遊技場の営業時間内等においては、本来、交播信号から成る設定操作信号が連続的に管理用電子装置に供給されるはずであり、仮に交播信号から成る設定操作信号が管理用電子装置に供給されなくなると、不正行為によって設定変更がなされたと管理用電子装置側において迅速に検知することが可能となる。
【0015】
このように、請求項1の発明によれば、交播信号から成る設定操作信号を管理用電子装置側へ供給するので、操作手段を操作しないで回胴遊技機内に設けられている配線等に対して異常な電圧等を印加し、それによって不正に出玉率の設定変更の操作がなされたような場合でも、管理用電子装置側で交播信号の存否を逐次調べさせることにより、不正行為を迅速に検知し的確な対応を図ることを可能にする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の回胴式遊技機の実施形態として、遊戯場等に設置されるスロットマシンについて図1ないし図10を参照して説明する。
【0017】
なお、図1は本スロットマシン100の外部構造を表した平面図、図2は本スロットマシン100の内部構造を表した平面図、図3は本スロットマシン100に設けられている制御システムの構成を表したブロック図である。
【0018】
図1において、本スロットマシン100は、遊技者に面するフロントドア101と、フロントドア101が開閉可能に取り付けられた後述の筐体102とを備えて構成されている。
【0019】
フロントドア101は、上部パネル部103と中部パネル部104と下部パネル部105とを備え、全体的に金属製のフレーム(図示略)と硬質プラスチックで成形された前面パネルとで形成されることによって、機械的に強固な構造を有している。
【0020】
上部パネル部103には、上部ランプと呼ばれる演出用ランプ103aと、スピーカが取り付けられた放音部103b,103cと、液晶ディスプレイ等で形成された演出表示装置103dとが設けられている。
【0021】
中部パネル部104には、複数個(本実施形態では3個)の回胴リールR1,R2,R3を備えた回胴リール装置200が設けられると共に、回胴リール装置200の側方に演出用ランプ104a,104bが設けられている。
【0022】
なお、回胴リールR1,R2,R3の前方には、透明な硬質プラスチック板で形成された略長方形の透過窓WDが設けられ、これによって回胴リール装置200を外部から保護すると共に、遊技者が透過窓WDを介して回胴リールR1,R2,R3を見ることが可能となっている。
【0023】
更に、中部パネル部104の下端には遊技者が操作するための操作部104cが設けられ、当該操作部104cには、遊技用メダルを投入するためのメダル投入部MDと、1ゲーム当たりのメダル数を提示するためのベットボタンB1,B2,B3と、1ゲームの開始を指示するためのスタートレバーSTと、回転中の回胴リールR1,R2,R3を個別に停止させるための3個のストップボタンSP1,SP2,SP3が設けられている。
【0024】
下部パネル部105には、本スロットマシン100のゲーム内容に関連した画像等(図示略)が描かれており、遊技者の獲得したメダルを払い出すための排出口105a及び受皿105bと、スピーカが取り付けられた放音部105cが設けられている。
【0025】
次に、図2を参照して、フロントドア101の裏面構造と、筐体102の内部構造を概説する。なお、図2はフロントドア101を開錠して筐体102から開いた状態を表している。
【0026】
同図において、フロントドア101の裏面上部に、上述の放音部103b,103cを構成するスピーカSR,SLが設けられ、スピーカSR,SLの間に演出表示装置103dが設けられると共に、演出表示装置103dの裏面側にサブ制御基板300が取り付けられている。
【0027】
演出表示装置103d及びサブ制御基板300の下方には、上述の透過窓WDと中部パネル部104のパネル面とが形成された略長方形の枠体104dが取り付けられている。
【0028】
枠体104dの下方には、メダル投入部MDより投入される投入物を正規の遊技用メダルか異物か判別して振り分ける振分機構G0と、振分機構G0で振り分けられた遊技用メダルを筐体102側に設けられているホッパ装置HPへ案内するガイド部材G1と、振分機構G0で振り分けられた異物を排出口105aへ案内して排出するガイド部材G2と、ホッパ装置HPから出力される払い出し用のメダルを排出口105aへ案内して出力するガイド部材G3が設けられ、更に排出口105aの近傍に、スピーカSWが放音部105cに対応させて取り付けられている。
【0029】
更に、上述の枠体104dと振分機構G0との間の領域に長尺状の中央表示基板400が取り付けられ、当該中央表示基板400の裏面側の一端に、設定ボタンCSと、数字の0から6までのセグメント表示を行う発光ダイオードで形成された設定表示素子CTが設けられている。
【0030】
筐体102内には、主電源装置PWUと、ホッパ装置HPから溢れた遊技用メダルを収容するための補助貯留部SHPと、上述の透過窓WDに対向する回胴リールR1,R2,R3を備えた回胴リール装置200が設けられる他、主電源装置PWUの側面に電源装置基板500、回胴リール装置200の上端に回胴装置基板600、回胴リール装置200の上方に主基板700、筐体102の内壁の一端に外部集中端子装置としての外部集中端子基板800が夫々取り付けられている。
【0031】
ここで、上述の主基板700と、サブ制御基板300、回胴装置基板600、中央表示基板400、電源装置基板500及び外部集中端子基板800は、何れも導電性配線パターンの形成された絶縁性樹脂基板上に集積回路装置(IC)やトランジスタ、抵抗、コンデンサ等の電子部品が搭載されて配線接続されたいわゆる電気回路基板として形成され、特に、主基板700とサブ制御基板300と外部集中端子基板800は、夫々硬質プラスチックの収納ケース内に個別に収納されたユニット構造となっている。
【0032】
更に、図3のブロック図を参照して制御システムの構成を述べると、主基板700は、スロットマシン100の動作全体を管理するシステムプログラム及びスロットマシンゲーム用の実行プログラムが予め記憶されている半導体メモリ等で形成された記憶部と、これらのプログラムを実行するマイクロプロセッサ(MPU)とを有し、上述のマイクロプロセッサに設けられている入力ポート及び出力ポートと残余の基板300,600,400,500,800との間が配線ケーブルによって配線接続されている。
【0033】
更に又、演出用スピーカSR,SL,SWと演出用ランプ103a,104a,104bと演出表示装置103dが配線ケーブルを介してサブ基板300に配線接続され、主基板700中の上記マイクロプロセッサから供給される演出制御信号に従って、サブ基板300に設けられている電気回路がこれら演出用スピーカSR,SL,SWと演出用ランプ103a,104a,104bと演出表示装置103dを駆動することにより、遊技者の視覚と聴覚に訴える演出を行う。
【0034】
回胴装置基板600は、電動モータによって回転駆動される回胴リールR1,R2,R3を備えた回胴リール装置200が配線接続されており、主基板700中の上記マイクロプロセッサから供給されるリール制御信号に従って、上述の電動モータを制御することにより、回胴リールR1,R2,R3の回転と制動及び停止の制御を行う。
【0035】
中央表示基板400には、振分機構G0、ベットボタンB1,B2,B3、スタートレバーST、ストップボタンSP1,SP2,SP3、設定表示素子CT、及び設定ボタンCSが配線接続されており、振分機構G0から出力されるメダル検出信号と、ベットボタンB1,B2,B3とスタートレバーST及びストップボタンSP1,SP2,SP3から夫々出力されるオンオフ信号を主基板700中の上記マイクロプロセッサへ転送すると共に、マイクロプロセッサから供給されるセグメント表示信号に基づいて、設定表示素子CTに0から6までの数字を表示させる。
【0036】
電源装置基板500には、設定スイッチBO、電源スイッチBQ、ホッパ装置HP、電源装置PWUが配線接続され、設定スイッチBOと電源スイッチBQから夫々出力されるオンオフ信号を主基板700中の上記マイクロプロセッサへ転送する。更に、電源装置基板500には、電源装置PWUで発生される各種電源電圧をホッパ装置HPその他の各所に配電する配電回路が形成されており、かかる配電回路からスロットマシン100の動作に必要な電源供給が行われている。
【0037】
外部集中端子基板800は、主基板700中の上記マイクロプロセッサから出力される信号S1〜S6を並列入力することが可能な複数個の入力端子P1〜P6と、当該信号S1〜S6を管理用電子装置としてのホールコンピュータ側へ並列転送することが可能な複数個の出力端子Q1〜Q6とを備える他、ホールコンピュータ側から供給される信号INを入力する入力端子P7及び上記マイクロプロセッサへ転送する出力端子Q7を備えて構成され、更に信号S1〜S6及びINを一方向にのみ転送する後述の信号転送回路が設けられている。
【0038】
すなわち、上述の出力端子Q1〜Q6及び入力端子P1と、ホールコンピュータに設けられている入出力インターフェースとの間を例えばフラットケーブル等の配線ケーブルで接続することによって、主基板700からホールコンピュータ側へ信号S1〜S6を転送し、また、ホールコンピュータから主基板700側へ信号INを転送することが可能となっている。
【0039】
なお、信号S1は、メダル投入部MDからホッパ装置HPへ遊技メダルが1枚投入される毎に出力される「遊技メダル投入信号」、信号S2は、ホッパ装置HPから排出口105aへ遊技メダルが1枚払い出される毎に出力される「遊技メダル払出信号」、信号S3は、レギュラーボーナス(RB)と呼ばれる特別役に入賞したときに出力される「役物連続作動装置本当たり信号」、信号S4は、ビッグボーナス(BB)と呼ばれるレギュラーボーナス(RB)よりも大きな特別役に入賞したときに出力される「役物連続作動増加装置本当たり信号」、信号S5は、いわゆる出玉率の設定操作がなされたことを示す「設定操作信号」である。
【0040】
また、ホールコンピュータ側から供給される信号INは、いわゆる打止め解除を主基板700中のマイクロコンピュータに対して指令するための「外部打止め解除信号」である。
【0041】
次に、本実施形態の主目的である、不正な行為を防止するための要部構成を図4ないし図6を参照して説明する。なお、図4は中央表示基板400、図5は電源装置基板500、図6は外部集中端子基板800の要部構成を表している。
【0042】
図4において、中央表示基板400には、上述したようにスタートレバーSTが接続されると共に、設定ボタンCSと設定表示素子CTが設けられている。
【0043】
ここで、スタートレバーSTは、所定の電源電圧端子Vccに接続されたプルアップ抵抗r1と、チャタリングノイズを吸収するためのローパスフィルタを形成する抵抗r2及びコンデンサC1と、バッファアンプAMP1とを介して、主基板700の所定入力ポートに接続されている。
【0044】
そして、図示するように、スタートレバーSTがオフ状態となっているときには、バッファアンプAMP1の入力電位がプルアップ抵抗r1によって電源電圧Vccとほぼ等しくなり、更にバッファアンプAMP1の出力電位もほぼ電源電圧Vccと等しくなる。一方、スタートレバーSTがオン操作されると、バッファアンプAMP1の入力電位がグランド(GND)電位とほぼ等しくなり、更にバッファアンプAMP1の出力電位もグランド(GND)電位とほぼ等しくなる。
【0045】
このように、スタートレバーSTがオフからオン状態へと操作されると、論理“H”から論理“L”へと反転し、スタートレバーSTがオンからオフ状態へと操作されると、論理“L”から論理“H”へと反転するいわゆる2値信号Sstが主基板700に供給される。
【0046】
押しボタンスイッチで形成された設定ボタンCSも同様に、所定の電源電圧端子Vccに接続されたプルアップ抵抗r1と、抵抗r2及びコンデンサC1と、バッファアンプAMP1とを介して、主基板700の所定入力ポートに接続され、図示するように、設定ボタンCSがオフ状態となっているときには、バッファアンプAMP1の入力電位が電源電圧Vccとほぼ等しくなり、更にバッファアンプAMP1の出力電位もほぼ電源電圧Vccと等しくなる。一方、設定ボタンCSがオン操作されると、バッファアンプAMP1の入力電位がグランド(GND)電位とほぼ等しくなり、更にバッファアンプAMP1の出力電位もほぼグランド(GND)電位と等しくなる。
【0047】
このように、設定ボタンCSがオフからオン状態へと操作されると、論理“H”から論理“L”へと反転し、オンからオフ状態へと操作されると、論理“L”から論理“H”へと反転するいわゆる2値信号Scsが主基板700に供給される。
【0048】
更に中央表示基板400には、主基板700から供給されるセグメント表示信号Sctに従って、設定表示素子CTを駆動することにより、0から6までの数字を表示させる駆動回路400aが設けられている。
【0049】
次に、図5において、電源装置基板500には、上述したように設定スイッチBOと電源スイッチBQが設けられており、何れのスイッチBO,BQも、所定の電源電圧端子Vccに接続されたプルアップ抵抗r3と、チャタリングノイズを吸収するためのローパスフィルタを形成する抵抗r4及びコンデンサC2と、バッファアンプAMP2とを介して、主基板700の所定入力ポートに接続されている。
【0050】
そして、図5に示すように、設定スイッチBOがオフ状態となっているときには、バッファアンプAMP2の入力電位及び出力電位が電源電圧Vccとほぼ等しくなり、一方、設定スイッチBOがグランド端子GND側へオン操作されると、バッファアンプAMP2の入力電位及び出力電位がグランド(GND)電位とほぼ等しくなる。
【0051】
また、電源スイッチBQは、図示のようにオン状態となっているときには、バッファアンプAMP2の入力電位及び出力電位が電源電圧Vccとほぼ等しくなり、一方、グランド端子GND側へオフ操作されると、バッファアンプAMP2の入力電位及び出力電位がグランド(GND)電位とほぼ等しくなる。
【0052】
このように、設定スイッチBOも電源スイッチBQも、切り替え操作されると、論理“H”から論理“L”へ又は論理“L”から論理“H”へと反転するいわゆる2値信号から成る設定スイッチ信号Sboと電源スイッチ信号Sbqを主基板700中のマイクロプロセッサに供給する。
【0053】
なお、設定スイッチBOは鍵穴が設けられており、管理者の所有している鍵を鍵穴に挿入して所定方向(例えば時計回り方向)へ所定角度回転させるとオン状態となり、元に戻すとオフ状態となる回転式のスイッチで形成されている。
【0054】
次に、図6において、外部集中端子基板800には、上述の信号S1〜S6及びINを一方向にのみ転送する信号転送回路として、7個のリレーRY1〜RY7が設けられている。
【0055】
そして、リレーRY1〜RY6に夫々備えられている励磁コイルLが入力端子P1〜P6を介して主基板700中のマイクロプロセッサに接続され、リレーRY1〜RY6に夫々備えられている可動片cが、コネクタ800aに形成されている出力端子Q1〜Q7に接続されている。
【0056】
また、リレーRY7に備えられている励磁コイルLが、コネクタ800aに形成されている入力端子P7に接続され、その可動片cが出力端子Q7を介して、主基板700中のマイクロプロセッサに接続されている。
【0057】
また、コネクタ800aには、リレーRY1〜RY6に夫々備えられている一方の切替接点(コモン接点)aに接続するリレーコモン端子RM1と、リレーRY7に備えられている励磁コイルLの一端に接続するリレーコモン端子RM2とが設けられ、これらのリレーコモン端子RM1,RM2を所定のコモン電位(例えば、グランド電位)に設定するようになっている。
【0058】
また、図6から明らかなように、出力端子Q1〜Q6は開放状態となっているため、実際の仕様においては、例えば各出力端子Q1〜Q6にプルアップ抵抗を接続したり、ホールコンピュータに設けられている入力ポート側にプルアップ抵抗を接続することによって、各出力端子Q1〜Q6を予め所定電位に設定しておくようになっている。
【0059】
かかる構成の外部集中端子基板800において、上述の主基板700に設けられているマイクロプロセッサから信号S1〜S6が入力端子P1〜P6に供給されると、信号S1〜S6の夫々の電圧変化に応じて、リレーRY1〜RY6の各励磁コイルLに生じる電磁力が変化すると共に、各リレーRY1〜RY6の可動片cが、それらの電磁力の変化に応じて切替接点a又はbの側に切り替わる。
【0060】
したがって、仮に各リレーRY1〜RY6の可動片cが切替接点a側に切り替わったとすると、出力端子Q1〜Q6の電位が上述のプルアップ抵抗によって論理“H”の電位となり、逆に、各リレーRY1〜RY6の可動片cが切替接点b側に切り替わったとすると、出力端子Q1〜Q6の電位がリレーコモン端子RM1の電位(グランド電位)、すなわち論理“L”の電位となる。
【0061】
このように、各リレーRY1〜RY6は、主基板700側から供給される各信号S1〜S6の電圧変化に応じて論理が変化する出力信号を出力端子Q1〜Q6を介してホールコンピュータ側へ転送する。つまり、各信号S1〜S6と時間的に同期し且つ各信号S1〜S6の情報を損なうことのない出力信号を出力端子Q1〜Q6を介して転送するので、ホールコンピュータに対して実質的に信号S1〜S6をそのまま転送することが可能となっている。
【0062】
また、ホールコンピュータ側から、入力端子P7とリレーコモン端子RM2間に、外部打止め解除信号INが供給されると、当該解除信号INの電圧変化に応じてリレーRY7の励磁コイルLに生じる電磁力が変化すると共に、その可動片cが切替接点a又はb側に切り替わる。したがって、ホールコンピュータから供給される外部打止め解除信号INの情報を損なうことなく、実質的にそのまま主基板700側へ転送することが可能となっている。
【0063】
なお、上述した外部集中端子基板800は、リレーRY1〜RY7を備えることによって、信号S1〜S6を主基板700側からホールコンピュータ側へ一方向に転送すると共に、信号INをホールコンピュータ側から主基板700側へ一方向に転送する信号転送回路を実現しているが、変形例として、図7に示すような発光ダイオードPD1〜PD7とフォトトランジスタTr1〜Tr7とを組み合わせて、信号転送回路を構成しても良い。
【0064】
すなわち、入力端子P1〜P7側に発光ダイオードPD1〜PD7を夫々接続し、出力端子Q1〜Q7側にフォトトランジスタTr1〜Tr7を接続すると共に、発光ダイオードPD1〜PD7の発光面とフォトトランジスタTr1〜Tr7の受光面とを互いに対向させることによって、いわゆるフォトカプラを形成する。
【0065】
かかる構成の信号転送回路によれば、リレーRY1〜RY7のような機械的な可動機構を有さず、電気的に信号を転送することができるため、より高速に信号転送を行うことができ、更に一方向に信号転送を行うことが可能である。また、外部集中端子基板800の小形化、部品点数の低減、消費電力の低減等を実現することが可能である。
【0066】
次に、不正な行為を防止する機能について、図8及び図9を参照して説明する。
【0067】
なお、図8(a)は、主基板700中に設けられている上述のマイクロプロセッサがシステムプログラムを実行することによって発揮される設定操作信号生成部の構成を示す機能ブロック図、図8(b)は、設定スイッチBOが操作されるのに応じて生じる設定スイッチ信号Sbo(図5参照)と、主基板700から外部集中端子基板800の入力端子P5に供給される設定操作信号S5(図6参照)と、外部集中端子基板800の出力端子Q5からホールコンピュータへ転送される出力信号(図6参照)の各波形を示した図である。
【0068】
図9は、いわゆる出玉率を設定変更する際の操作手順を説明するためのフローチャートである。
【0069】
図8(a)において、主基板700に設けられている上述のマイクロプロセッサ(MPU)は、上述のシステムプログラムを実行することにより、レベル検出部E1と、設定操作信号発生部E2とを備える設定信号生成部を発揮する。すなわち、システムプログラムを実行することによって、いわゆるハードウェアで構成される回路と同様の機能を有する設定信号生成部を実現する。
【0070】
ここで、レベル検出部E1は、図5に示した設定スイッチBO側から供給される設定スイッチ信号Sboのレベル(振幅)を逐一検出する。そして、設定スイッチ信号Sboが論理“H”となっているときには、設定スイッチBOがオフ状態となっていることを示す検出結果RSLT、設定スイッチ信号Sboが論理“L”となっているときには、設定スイッチBOがオン状態となっていることを示す検出結果RSLTを設定操作信号発生部E2へ出力する。
【0071】
設定操作信号発生部E2は、検出結果RSLTにより、設定スイッチBOがオフ状態となっている旨の指示がなされると、所定周期τに同期して論理レベルが変化する交播信号Sacを発生し、設定スイッチBOがオン状態となっている旨の指示がなされると、論理“L”の設定操作期間信号Sdcを発生する。
【0072】
そして、設定操作信号発生部E2は、上述の交播信号Sacと設定操作期間信号Sdcとを時系列に出力して外部集中端子基板800の入力端子P5へ供給し、上述したように、リレーRY6を備えた信号転送回路と出力端子Q5を通じて、ホールコンピュータへ転送させる。
【0073】
つまり、図8(b)に示すように、設定スイッチ信号Sboは、設定スイッチBOがオフ状態のときには論理“H”となり、設定スイッチBOがオン状態のときには論理“L”となる。この設定スイッチ信号Sboが論理“H”となっているときをレベル検出部E1が検出すると、設定操作信号発生部E2は、交播信号Sacから成る設定操作信号S5を発生し、一方、設定スイッチ信号Sboが論理“L”となっているときをレベル検出部E1が検出すると、論理“L”の設定操作期間信号Sdcから成る設定操作信号S5を発生する。
【0074】
そして、この設定操作信号S5が外部集中端子基板800の入力端子P5に供給され、外部集中端子基板800の出力端子Q5からホールコンピュータ側へ転送されると、出力端子Q5とホールコンピュータとの間に設けられたプルアップ抵抗(符号略)により、設定操作信号S5とは論理が反転した出力SQ5が出力端子Q5に生じることとなり、実質的に設定操作信号S5と同じ情報を有する出力SQ5がホールコンピュータ側へ転送される。
【0075】
すなわち、図8(b)中に示すように、設定スイッチ信号Sboが論理“H”から論理“L”に反転した時点tonをレベル検出部E1が検出すると、設定操作の開始と判断し、一方、設定スイッチ信号Sboが論理“L”から論理“H”に反転した時点toffをレベル検出部E1が検出すると、設定操作の終了と判断する。そして、設定操作信号発生部E2は、設定スイッチ信号Sboが論理“L”となっている間を設定操作期間Tとする情報と、設定スイッチ信号Sboが論理“H”となっている間を設定操作がなされていない期間とする情報とを有する設定操作信号S5を発生することによって、外部集中端子基板800を介して、設定操作の有無を示す情報をホールコンピュータへ通知する。
【0076】
次に、管理者が出玉率の設定変更を行った場合の動作を、図9を参照して説明する。 図9において、管理者がスロットマシン100の出玉率を設定変更する場合、フロントドア101を開錠し、電源装置基板500に設けられている電源スイッチBGをオフ操作する(ステップS101)。
【0077】
次に、電源スイッチBGをオフの状態にしたままで、設定スイッチBOの鍵穴に所定の鍵を挿入し、当該鍵を所定方向(例えば、時計回り方向)へ所定角度回すことにより、設定スイッチBOをオン操作する(ステップS101)。
【0078】
管理者がステップS100,S101の操作を行うと、主基板700に設けられているマイクロコンピュータは、電源スイッチBQからの電源スイッチ信号Sbqと設定スイッチBOからの設定スイッチ信号Sboとの変化を検知し、図8(b)に示した時点ton、すなわち設定スイッチBOがオン操作されて設定スイッチ信号Sboが論理“H”から“L”に反転した時点tonに同期して、スロットマシン100を設定変更モードに切り替える。
【0079】
ここで、電源スイッチBQと設定スイッチBOとが上述のように順に操作されると、電源装置基板500は、スロットマシン100を動作させるための主電源を完全に遮断することはなく、主基板700側からの指令に従って、設定変更モードの処理を行うのに必要なスタンバイ電源を確保する。このため、主基板700に設けられている上述のマイクロコンピュータは、電源スイッチBQがオフ操作されても、設定スイッチBOがオン操作されたことを検知し、設定変更モードに切り替えることが可能となっている。
【0080】
次に、管理者が電源スイッチBQをオン操作して元に戻すと(ステップS102)、電源装置基板500が、スタンバイの状態からスロットマシン100を動作させるための通常の給電動作を開始する。
【0081】
次に、設定スイッチBOをオンの状態にしたままで、管理者が中央表示基板400に設けられている設定ボタンCSを適宜オン操作すると(ステップS103)、主基板700側のマイクロコンピュータが、そのオン操作される毎に設定表示素子CTに表示させる数値を1から6の範囲で1ずつ増加させ、数値6に達すると再び1から増加させて、いわゆる繰り返し表示を行わせる。
【0082】
次に、管理者が設定表示素子CTに所望の数値を表示させた状態で、操作部104cに設けられているスタートレバーSTをオン操作すると(ステップS104)、主基板700中の上記マイクロコンピュータが、その数値に対応している出玉率を内部設定する。
【0083】
更に、主基板700中のマイクロプロセッサが、設定表示素子CTに数値0を表示させることにより、管理者に対して所望の出玉率を内部設定した旨の提示を行う。
【0084】
次に、管理者が設定スイッチBOをオフ操作、すなわち上述の鍵を反時計回り方向へ回して戻すと(ステップS105)、図8(b)に示す時点toff、つまり設定スイッチBOがオフ操作されて設定スイッチ信号Sboが論理“L”から“H”に戻った時点toffに同期して、主基板700中のマイクロコンピュータが上述の内部設定した出玉率を確定すると共に、設定変更モードを終了する。
【0085】
そして、管理者が上述の鍵を設定スイッチBOの鍵穴から抜いて、フロントドア101を筐体102側へ施錠することによって、上述の確定した出玉率でスロットマシンゲームを行うことを可能にする。
【0086】
このように、本スロットマシン100は、図8(b)に示したように、設定スイッチ信号Sboが論理“L”となっている期間(設定操作期間T)で設定変更モードとなり、出玉率の設定変更を行うことを可能にする。
【0087】
更に主基板700中のマイクロコンピュータは、図8(a)(b)に示したように、設定スイッチ信号Sboの変化に応じた設定操作信号S5をプログラム処理によって生成し、外部集中端子基板800を介してホールコンピュータへ送出することにより、出玉率の設定変更が未だ開始されていないことを示す情報及び終了したことを示す情報と、出玉率の設定変更が行われていることを示す情報とを逐一通知する。
【0088】
このように、本実施形態のスロットマシン100によれば、設定スイッチBOのオン又はオフ操作されたことを示す設定操作信号S5を、外部集中端子基板800を介してホールコンピュータ側に逐一送出するので、仮に不正に出玉率の設定変更が行われた場合でも、迅速確実にその事実を通知することが可能となっている。
【0089】
つまり、正規の管理者が出玉率の設定変更を行っている場合には、ホールコンピュータ側ではそれが適正に行われているものと判断することができ、一方、不正な行為者が出玉率の設定変更を行った場合には、その行為が行われている間に、ホールコンピュータ側で不正行為が行われていると判断することができる。更に、不正行為が行われたことを履歴情報として記憶し更に営業開始前にモニタ等にその履歴情報を表示してチェックすることによって、損害の発生等を未然に防止することが可能である。
【0090】
また、図8(b)に示したように、設定操作信号S5は、出玉率の設定変更がなされていない間では交播信号Sac、出玉率の設定変更がなされている設定操作期間Tでは論理“L”の設定操作期間信号Sdcとなる複雑な波形を有しているため、不正行為に対して強い(ロバストな)スロットマシンを実現することができる。
【0091】
例えば、出玉率の設定変更がなされていない間では論理“H”、出玉率の設定変更がなされている設定操作期間Tでは論理“L”となる単なる2値論理の設定操作信号S5をホールコンピュータ側へ送出することとすると、不正な行為者は主基板700とホールコンピュータとの間の伝送経路等に金属部材等を接触させて電源電圧Vcc又はグランド電位を印加するという至って簡単な行為によって、簡単に2値論理の設定操作信号S5を生成することが可能となることから、不正行為を未然に防止することが困難となるが、本実施形態では、図8(b)に示したように、複雑な波形の設定操作信号S5をホールコンピュータへ転送するので、不正な行為者にとっては簡単に不正を働くことができなくなり、よって、不正行為に対して強い(ロバストな)スロットマシンを実現することができる。
【0092】
更に、遊技場にスロットマシン100が設置されてホールコンピュータによって統括管理される一般的なシステム構成がなされた場合に、正規の管理者が出玉率の設定変更を行わない例えば遊技場の営業時間内等において、不正な行為者が設定スイッチBOと主基板700との間を接続している配線等に所定の電圧(例えばグランドの電圧)を印加すると、設定スイッチBOを操作しなくとも擬似的に出玉率の設定変更の指示を主基板700に対して行える状態となる。しかし、本実施形態では、こうした正規の管理者が出玉率の設定変更を行わない例えば遊技場の営業時間内等においては、本来、交播信号Sacから成る設定操作信号S5が外部集中端子基板800を介して連続的にホールコンピュータに供給されるはずであり、仮に交播信号Sacから成る設定操作信号S5がホールコンピュータに供給されなくなると、不正行為によって設定変更がなされたとホールコンピュータ側において迅速に検知することが可能となる。
【0093】
このように、本実施形態によれば、交播信号Sacから成る設定操作信号S5をホールコンピュータ側へ供給するので、設定スイッチBOを操作することなく、スロットマシン100内に設けられている配線等に対して異常な電圧等を印加することによって不正に出玉率の設定変更の操作がなされたような場合でも、ホールコンピュータ側で交播信号Sacの存否を逐次調べさせることにより、不正行為を迅速に検知し的確な対応を図ることを可能にするという優れた効果を発揮する。
【0094】
更に、本実施形態の外部集中端子基板800によれば、ホールコンピュータとの間でインタラクティブに信号の授受を行わないので、適正なスロットマシンを市場に提供することができる。
【0095】
なお、図8(b)に示したように、主基板700に設けられているマイクロプロセッサが、プログラム処理によって、レベル検出部E1と設定操作信号発生部E2を有する設定操作信号生成部を発揮するものとして説明したが、より具体的な実施例として、図10(a)に示すような構成としてもよい。
【0096】
すなわち、図10(a)において、主基板700に設けられているマイクロプロセッサが、プログラム処理によって、論理積ゲートANDと交播信号発生部E3とを発揮する構成とする。そして、図10(b)に示されているように、交播信号発生部E3によって生成される交播信号Sacと、設定スイッチBO側から供給される設定スイッチ信号Sboとを論理積ゲートANDによって論理積演算することにより設定操作信号S5を生成し、その設定操作信号S5を外部集中端子基板800を介してホールコンピュータへ送出する。
【0097】
このように、図8(a)に示した設定操作信号生成部は、図8(b)に示した設定操作信号生成部によって、より簡易な構成で実現することが可能である。
【0098】
なお、図8(b)及び図9(b)に示した信号Sbo,S5等の波形は、あくまでも一実施形態として示したものであり、必ずしもこれらの論理反転する波形にしなければならないというものではない。つまり、制御システムを構成する場合に、設計仕様に応じて正論理又は負論理、若しくは正論理及び負論理で動作する回路設計を行う場合があるので、図8(b)及び図9(b)に示した信号Sbo,S5に示したように論理反転する波形にしなければならないというものではない。
【0099】
例えば、図5に示した設定スイッチBOは、グランド(GND)接点側に操作されるとオン、グランド(GND)接点側から切り離す操作が行われるとオフとなり、このオン操作のときには設定スイッチ信号Sboが論理“L”、このオフ操作のときには設定スイッチ信号Sboが論理“H”に変化するように予めバイアス設計がなされているが、設計仕様によっては、これとは逆に、設定スイッチBOがグランド(GND)接点側に操作されるとオフとなって設定スイッチ信号Sboが論理“L”、グランド(GND)接点側から切り離す操作が行われるとオンとなって設定スイッチ信号Sboが論理“H”となるように予めバイアス設計がなされる場合がある。
【0100】
こうした場合には、図8(b)に示した設定スイッチ信号Sboは、設定操作期間Tでは論理“H”、設定操作がなされていない期間では論理“L”となるため、図8(a)に示したレベル検出部E1と設定操作信号発生部E2は、図8(b)に示されているのとは逆の論理となる設定操作信号S5を発生するように構成される。つまり、レベル検出部E1と設定操作信号発生部E2は、設定操作期間Tでは論理“H”、設定操作がなされていない期間では論理“L”となる設定操作信号S5を発生するように構成し、更に図8(b)に示されているのとは逆の論理となる信号SG5をホールコンピュータへ転送する。
【0101】
このように、設計仕様に応じて、信号Sbo,S5を正論理又は負論理の何れで処理するようにしてもよい。
【0102】
また、設定スイッチBOがグランド(GND)接点側に操作されるとオフとなって設定スイッチ信号Sboが論理“L”、グランド(GND)接点側から切り離す操作が行われるとオンとなって設定スイッチ信号Sboが論理“H”となるように予めバイアス設計がなされる場合には、図10(a)に示した論理積ゲートANDを論理和ゲート(ORゲート)に置き換えることによって、設定操作期間Tでは論理“H”、設定操作がなされていない期間では交播信号Sacとなる設定操作信号S5を発生することが可能である。
【0103】
また、本実施形態では、いわゆる矩形波から成る2値論理の設定操作信号S5をホールコンピュータ側へ転送する場合について説明したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、矩形波状の交播信号Sacの代わりに、所定周期τに同期して変化するパルス列信号や、正弦波、三角波等の他の波形の交播信号Sacを適用してもよい。
【0104】
また、設定操作信号S5を、設定操作期間Tでは論理“H”又は“L”の所定レベルに固定する場合を説明したが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、設定操作期間Tにおける波形と、設定操作がなされていない期間における波形との位相を異ならせ、全体的には交播信号であっても、位相の違いによって設定操作期間Tとそれ以外の期間を識別できる設定操作信号S5をホールコンピュータ側へ転送するようにしてもよい。
【0105】
また、図6に示した外部集中端子基板800は、リレーRY1〜RY7を用いて構成されているため、それらリレーRY1〜RY7の応答特性に応じて、信号S1〜S6及び信号INの周波数を設定することが望ましい。例えば、リレーRY1〜RY7の可動片Lが切替接点a,b間で切り替わるのに要する応答時間が定格値で100msecであった場合には、信号S1〜S6及び信号INの夫々の論理が反転するする周期を、その応答時間より長くすることが好ましい。
【0106】
また、図9に示した出玉率を設定変更する際の操作手順を説明するためのフローチャートは、あくまでも一例であり、必ずしもこのシーケンスに従って操作しなければならないというものではなく、スロットマシンの設計仕様等に応じて適宜に変更しても良い。
【0107】
要は、出玉率の設定変更がなされたという状態を確実に検出し、その検出結果を設定操作信号としてホールコンピュータ側に逐一通知するように主基板700及び外部集中端子基板800等を設計することによって不正な行為を防止することが可能となり、出玉率を設定変更する際の操作手順それ自体については、限定されるものではない。
【0108】
また、本実施形態では、主基板700に設けられているマイクロコンピュータの入出力ポートに、外部集中端子基板800の入力端子P1〜P6及び出力端子Q7を配線ケーブルによって直接接続する構成となっているが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、主基板700と外部集中端子基板800との間に、中継用の基板等を介在させ、その中継用基板等に形成されている配線パターンや電子素子等を介して、上述のマイクロコンピュータと外部集中端子基板800の入力端子P1〜P6及び出力端子Q7とを電気的に接続するようにしてもよい。
【0109】
また、以上に述べた実施形態では、図8(a)及び図9(a)に示した設定操作信号生成部を、主基板700に設けられているマイクロプロセッサがプログラム処理することによって実現する構成となっているが、マイクロプロセッサとは別に、上述の設定操作信号生成部と同じ機能を有する電気回路をハードウェアで形成し、当該電気回路から設定操作信号S5を外部集中端子基板800を介してホールコンピュータへ送出するようにしてもよい。
【0110】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の回胴式遊技機によれば、出玉率の設定変更がなされたことの有無を示す設定操作信号を管理用電子装置に送出すると共に、この送出に際し、出玉率の設定変更の操作がなされていないときには所定周期の交播信号から成る設定操作信号を外部集中端子装置を介して管理用電子装置に送出し、出玉率の設定変更の操作がなされているときには所定レベルの設定操作期間信号から成る設定操作信号を外部集中端子装置を介して管理用電子装置に送出することによって、出玉率の設定変更の操作がなされているときだけでなく、出玉率の設定変更の操作がなされていないときの設定操作状況を示す情報をも管理用電子装置に送出するようにしたので、不正な行為に対し確実な対応を図ることを可能にするという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るスロットマシンの外観構造を概略的に表した平面図である。
【図2】図1に示したスロットマシンの内部構造を概略的に表した平面図である。
【図3】図1及び図2に示したスロットマシンに設けられている制御システムの構成を表したブロック図である。
【図4】中央表示基板の要部構成を表した回路図である。
【図5】電源装置基板の要部構成を表した回路図である。
【図6】外部集中端子基板の要部構成を表した回路図である。
【図7】外部集中端子基板の変形例の構成を表した回路図である。
【図8】主基板に設けられているマイクロプロセッサによって実現される設定操作信号生成部の構成と、設定操作信号生成部の機能を説明するための図である。
【図9】出玉率を設定変更する際の操作手順を説明するためのフローチャートである。
【図10】図8に示した設定操作信号生成部の構成及び機能をより具体的に示した図である。
【図11】本発明が解決しようとする課題を説明するための図である。
【符号の説明】
100…スロットマシン
700…主基板
800…外部集中端子基板
E1…レベル検出部
E2…設定操作信号発生部
E3…交播信号発生部
AND…論理積ゲート
BO…設定スイッチ
RY1〜RY7…リレー
PD1〜PD7…発光ダイオード
Tr1〜Tr7…フォトトランジスタ
Claims (5)
- 前記出玉率の設定変更に際し操作される操作手段と、前記出玉率の設定変更を行う機能を有する主基板と、外部集中端子装置とを備え、当該外部集中端子装置を介して回胴式遊技機を統括管理する管理用電子装置に接続される回胴式遊技機であって、
前記主基板は、操作手段における前記出玉率の設定変更の操作の有無を検知すると共に、前記設定変更の操作がなされていないときには所定周期の交播信号から成る設定操作信号、前記設定変更の操作がなされているときには所定レベルの設定操作期間信号から成る設定操作信号を前記外部集中端子装置を介して前記管理用電子装置に送出する設定操作信号生成部を備えることを特徴とする回胴式遊技機。 - 前記操作手段は、前記出玉率の設定変更の際に操作される設定スイッチであることを特徴とする請求項1に記載の回胴式遊技機。
- 外部集中端子装置は、前記設定操作信号を、前記管理用電子装置に対し一方向にのみ送出する信号伝送回路を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の回胴式遊技機。
- 前記信号伝送回路は、リレー装置によって形成されていることを特徴とする請求項3に記載の回胴式遊技機。
- 前記信号伝送回路は、フォトカプラによって形成されていることを特徴とする請求項3に記載の回胴式遊技機。
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