JP4013624B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機やスロットマシン等の遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
パチンコ機等に代表される遊技機は、主に、遊技の制御を行う主制御基板と、この主制御基板から送信される各種コマンドに基づいて動作する各種のサブ制御基板(払出制御基板、表示用制御基板、効果音制御基板、ランプ制御基板等)と、これらに接続される表示装置や払出装置、球の発射装置等の各種装置によって構成されている。払出制御基板は、主制御基板から送信されるコマンドに基づいて、賞球や貸し球の払い出し制御を行う。効果音制御基板は、主制御基板から送信されるコマンドに基づいて、効果音の出力制御を行う。表示用制御基板は、主制御基板から送信されるコマンドに基づいて、図柄の変動表示等の表示制御を行う。このように、各サブ制御基板は、主制御基板から各サブ制御基板へ一方向に送信される各種コマンドにより制御されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、従来の遊技機では、主制御基板と各サブ制御基板との間の通信は、主制御基板から各サブ制御基板への一方向にのみ各種コマンドを送信するようにして行われているので、主制御基板は、その傘下にある各サブ制御基板の正常性を確認することができない。また、各サブ制御基板は、主制御基板に従うものであるという位置付けから、主制御基板が正常であろうとなかろうと主制御基板に従って制御されるので、上位にある主制御基板の正常性を確認することができない。このようなことから、主制御基板やサブ制御基板は、互いに相手方の正常性が確認されない状態で使用されることになり、遊技機の信頼性を向上させる上で問題になっている。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、信頼性を向上させた遊技機を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成を採る。
すなわち、請求項1に記載の発明は、遊技に関する制御を関連して行う第1制御基板と、第2制御基板と、供給電源の電源断を検出する電源断検出手段とを備えた遊技機において、前記第1,第2制御基板のうち一方の制御基板は、第1制御手段と、前記電源断検出手段による電源断の検出後もバックアップ用の電源が供給されることにより記憶情報を保持可能かつ前記第1制御手段によって前記記憶情報を書き換え可能な第1記憶手段と、該第1記憶手段に記憶される確認用識別情報を、前記電源断検出手段により電源断が検出された場合に他方の制御基板に伝送する第1伝送手段と、前記第1記憶手段に記憶される確認用識別情報を、前記遊技機が電源断状態から通電状態となった場合に他方の制御基板に伝送する第2伝送手段とを備え、他方の制御基板は、第2制御手段と、前記電源断検出手段による電源断の検出後もバックアップ用の電源が供給されることにより記憶情報を保持可能かつ前記第2制御手段によって前記記憶情報を書き換え可能な第2記憶手段とを備え、前記第1伝送手段から伝送される確認用識別情報を参照用識別情報として前記第2記憶手段に記憶することで、前記供給電源の電源断後も前記参照用識別情報を記憶保持するものであり、前記他方の制御基板はさらに、前記遊技機が電源断状態から通電状態となった場合に、前記第2伝送手段によって前記確認用識別情報が伝送されるか否かを監視する監視手段と、前記伝送手段によって伝送された確認用識別情報と前記第2記憶手段に記憶保持された前記参照用識別情報とを用いた比較判定を行う比較判定手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0006】
(作用・効果)請求項1に記載の発明によれば、第1,第2制御基板のうちの一方の制御基板は、第1制御手段と、前記電源断検出手段による電源断の検出後もバックアップ用の電源が供給されることにより記憶情報を保持可能かつ前記第1制御手段によって前記記憶情報を書き換え可能な第1記憶手段と、該第1記憶手段に記憶される確認用識別情報を、前記電源断検出手段により電源断が検出された場合に他方の制御基板に伝送する第1伝送手段と、前記第1記憶手段に記憶される確認用識別情報を、前記遊技機が電源断状態から通電状態となった場合に他方の制御基板に伝送する第2伝送手段とを備え、他方の制御基板は、第2制御手段と、前記電源断検出手段による電源断の検出後もバックアップ用の電源が供給されることにより記憶情報を保持可能かつ前記第2制御手段によって前記記憶情報を書き換え可能な第2記憶手段とを備え、前記第1伝送手段から伝送される確認用識別情報を参照用識別情報として前記第2記憶手段に記憶することで、前記供給電源の電源断後も前記参照用識別情報を記憶保持するものであり、前記他方の制御基板はさらに、前記遊技機が電源断状態から通電状態となった場合に、前記第2伝送手段によって前記確認用識別情報が伝送されるか否かを監視する監視手段と、前記伝送手段によって伝送された確認用識別情報と前記第2記憶手段に記憶保持された前記参照用識別情報とを用いた比較判定を行う比較判定手段とを備えているので、その一方の制御基板とされた第1制御基板または第2制御基板の正常性を、その他方の制御基板とされた第2制御基板または第1制御基板で確認できる。
【0007】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機において、前記他方の制御基板は、前記比較判定手段の判定結果に基づいて前記遊技機が備える表示器又はスピーカを作動させる報知手段を備えていることを特徴とする。請求項2に記載の発明によれば、表示器又はスピーカを作動させることで、異常発生を告知できる。また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の遊技機において、前記他方の制御基板は、前記比較判定手段の判定結果に基づいて、外部機器へ信号を出力する信号出力手段を備えていることを特徴とする。請求項3に記載の発明によれば、外部機器へ異常発生を出力できる。なお、本明細書は、次のような遊技機に係る発明も開示している。
【0008】
(1) 請求項1に記載の遊技機において、
前記一方の制御基板の前記伝送手段は、自己の識別情報を相前後して他方の制御基板にそれぞれ伝送し、
前記他方の制御基板の前記記憶手段は、前記伝送手段によって先に伝送された識別情報を参照情報として記憶し、
前記他方の制御基板の前記比較判定手段は、前記伝送手段によって後に伝送された識別情報を前記記憶手段に記憶していた参照情報と比較して、一方の制御基板の正常性を判定することを特徴とする遊技機。
【0009】
前記(1)に記載の発明によれば、第1,第2制御基板のうちの一方の制御基板は、自己の識別情報を相前後して他方の制御基板にそれぞれ伝送する伝送手段を備え、他方の制御基板は、伝送手段によって先に伝送された一方の制御基板の識別情報を参照情報として記憶する記憶手段と、伝送手段によって後に伝送された一方の制御基板の識別情報を記憶手段に記憶していた参照情報と比較して、一方の制御基板の正常性を判定する比較判定手段とを備えているので、その一方の制御基板とされた第1制御基板または第2制御基板の正常性を、その他方の制御基板とされた第2制御基板または第1制御基板で確認できる。
【0010】
(2) 請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)に記載の遊技機において、
前記第1制御基板は、遊技の制御を行う主制御基板であり、
前記第2制御基板は、前記主制御基板から送信されるコマンドに基づいて所定の有価価値を有する有価物体を払い出すための払出制御基板であることを特徴とする遊技機。
【0011】
前記(2)に記載の発明によれば、主制御基板と払出制御基板とのうちの一方の制御基板は、自己の識別情報を他方の制御基板に伝送する伝送手段を備え、他方の制御基板は、一方の制御基板の識別情報を参照情報として記憶する記憶手段と、一方の制御基板から伝送されてきた識別情報を記憶手段に記憶していた参照情報と比較して、一方の制御基板の正常性を判定する比較判定手段とを備えているので、一方の制御基板とされた主制御基板または払出制御基板の正常性を、その他方の制御基板とされた払出制御基板または主制御基板で確認できる。
【0012】
(3)請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)若しくは(2)に記載の遊技機において、
電源断を検出する電源断検出手段を備え、
前記一方の制御基板の前記伝送手段は、前記電源断検出手段からの信号を受けると電源断時に自己の識別情報を他方の制御基板に伝送し、さらに電源投入後に自己の識別情報を他方の制御基板に伝送し、
前記他方の制御基板の前記記憶手段は、前記伝送手段によって伝送された電源断時の一方の制御基板の識別情報を参照情報として記憶し、なおかつ、この参照情報を電源投入後においても保持し、
前記他方の制御基板の前記比較判定手段は、前記伝送手段によって電源投入後に伝送された一方の制御基板の識別情報を前記記憶手段に記憶していた参照情報と比較して、一方の制御基板の正常性を判定することを特徴とする遊技機。
【0013】
前記(3)に記載の発明によれば、第1,第2制御基板のうちの一方の制御基板の伝送手段は、電源断時に自己の識別情報を他方の制御基板に伝送し、さらに電源投入後に自己の識別情報を他方の制御基板に伝送し、他方の制御基板の記憶手段は、伝送手段によって電源断時に伝送された一方の制御基板の識別情報を参照情報として記憶し、他方の制御基板の比較判定手段は、伝送手段によって電源投入後に伝送された一方の制御基板の識別情報を記憶手段に記憶していた参照情報と比較して、一方の制御基板の正常性を判定するので、第1制御基板または第2制御基板の正常性が確認できる。つまり、第1制御基板または第2制御基板が電源断前と電源投入後とで変化があったかどうかを確認できる。
【0014】
(4)前記(3)に記載の遊技機において、
前記他方の制御基板は、前記電源断検出手段からの信号を受けると電源断時に自己の識別情報を一方の制御基板に伝送し、さらに電源投入後に自己の識別情報を一方の制御基板に伝送する伝送手段を備え、
前記一方の制御基板は、前記他方の制御基板から電源断時に伝送されてきた識別情報を参照情報として記憶する記憶手段と、前記他方の制御基板から電源投入後に伝送されてきた識別情報を前記記憶手段に記憶していた参照情報と比較して、他方の制御基板の正常性を判定する比較判定手段とを備えていることを特徴とする遊技機。
【0015】
前記(4)に記載の遊技機によれば、電源断時において、第1制御基板は、電源断時の自己の識別情報を第2制御基板に伝送し、なおかつ、第2制御基板から伝送された電源断時の第2制御基板の識別情報を参照情報として記憶し、第2制御基板は、電源断時の自己の識別情報を第1制御基板に伝送し、なおかつ、第1制御基板から伝送された電源断時の第1制御基板の識別情報を参照情報として記憶する。そして、電源投入後において、第1制御基板は、第2制御基板から伝送されてきた第2制御基板の識別情報を記憶済みの参照情報と比較して、第2制御基板の正常性を判定し、第2制御基板は、第1制御基板から伝送されてきた第2制御基板の識別情報を記憶済みの参照情報と比較して、第2制御基板の正常性を判定する。その結果、第1制御基板および第2制御基板の正常性が相互に確認できる。つまり、第1制御基板および第2制御基板が電源断前と電源投入後とで変化があったかどうかを相互に確認できる。
【0016】
(5)請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(4)のいずれかに記載の遊技機において、
前記第1,第2制御基板のうちで前記伝送手段を備えた制御基板は、識別情報の比較判定後から前記伝送手段による自己の識別情報を伝送するまでの間に、伝送すべき自己の識別情報を更新する更新手段
を備えていることを特徴とする遊技機。
【0017】
前記(5)に記載の遊技機によれば、更新手段は、識別情報の比較判定後から伝送手段による自己の識別情報を伝送するまでの間に、伝送すべき自己の識別情報を更新するので、更新される識別情報を用いて第1制御基板や第2制御基板の正常性が確認でき、確認用キーを固定値としている場合に比べて、第1制御基板や第2制御基板に対する不正をより高度に防止でき、高度なセキュリティを実現できる。
【0018】
(6)請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(5)のいずれかに記載の遊技機において、
前記第1,第2制御基板のうちで前記伝送手段を備えた制御基板は、乱数を発生させる乱数発生手段を備え、前記乱数発生手段で発生させた乱数を自己の識別情報として用いることを特徴とする遊技機。
【0019】
前記(6)に記載の遊技機によれば、乱数発生手段で発生させた乱数を自己の識別情報として用いるので、簡易な構成で第1制御基板および第2制御基板の正常性が確認できる。
【0020】
(7)請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(6)のいずれかに記載の遊技機において、
前記比較判定手段は、電源投入後の所定時間内に相手方の制御基板からの識別情報の受信有無を監視する監視手段を備えるとともに、電源投入後の所定時間内に相手方の制御基板からの識別情報が不受信であったという、前記監視手段での不受信監視結果に基づいて、相手方の制御基板が異常であると判定することを特徴とする遊技機。
【0021】
前記(7)に記載の遊技機によれば、比較判定手段は、電源投入後の所定時間内に相手方の制御基板からの識別情報の受信有無を監視する監視手段を備えるとともに、電源投入後の所定時間内に相手方の制御基板からの識別情報が不受信であったという、監視手段での不受信監視結果に基づいて、相手方の制御基板が異常であると判定するので、電源投入後の所定時間内に相手方の制御基板から識別情報が伝送されてこない場合であっても、相手方の制御基板の正常性を確認できる。
【0022】
(8)請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(7)のいずれかに記載の遊技機において、
前記比較判定手段は、相手方の制御基板が異常であるとの前記比較判定手段の判定結果に基づいて、この比較判定手段を有する制御基板の所定動作を停止させる停止手段
を備えていることを特徴とする遊技機。
【0023】
前記(8)に記載の遊技機によれば、比較判定手段は、相手方の制御基板が異常であるとの比較判定手段の比較判定結果に基づいて、この比較判定手段を有する制御基板の所定動作を停止させる停止手段を備えているので、相手方の制御基板が異常である場合には、自己の制御基板、つまり、異常と判定した比較判定手段を有する制御基板の所定動作が停止され、異常状態である制御基板の使用防止を図ることができる。
【0024】
(9)請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(8)のいずれかに記載の遊技機において、
前記遊技機はパチンコ機であることを特徴とする遊技機。
【0025】
前記(9)に記載の遊技機によれば、第1制御基板または第2制御基板の正常性が確認できるパチンコ機を提供できる。なお、パチンコ機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(または作動ゲートを通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報(図柄等)が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
【0026】
(10)請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(8)のいずれかに記載の遊技機において、
前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機。
【0027】
前記(10)に記載の遊技機によれば、第1制御基板または第2制御基板の正常性が確認できるスロットマシンを提供できる。なお、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【0028】
(11)請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(8)のいずれかに記載の遊技機において、
前記遊技機はパチンコ機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機。
【0029】
前記(11)に記載の遊技機によれば、第1制御基板または第2制御基板の正常性が確認できる、パチンコ機とスロットマシンとを融合させたものを提供できる。なお、この融合させたものの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用するとともに、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
本実施例では、遊技機の一例として弾球遊技機の一種であるパチンコ機、特に、第1種パチンコ遊技機を用いて説明する。なお、本発明を第3種パチンコ遊技機(権利物とも呼ばれる)や、コイン遊技機、スロットマシン等の他の遊技機に用いることは、当然に可能である。
【0031】
図1は、本実施例のパチンコ機の概略正面図であり、図2はパチンコ機の遊技盤の概略正面図である。本実施例のパチンコ機Pは、図1に示すように、遊技盤1と、球を貯留する上受け皿2および下受け皿3と、球を遊技盤1へ発射するための発射ハンドル4とを備えている。遊技盤1は、前面枠1aに嵌め込まれたガラス製の透明板1bに覆われている。
【0032】
図2に示すように、遊技盤1の周囲には、球が入賞することにより5個から15個の球が払い出される複数の普通入賞口5が設けられている。また、遊技盤1の中央には、複数種類の識別情報としての図柄等を表示する液晶ディスプレイ(以下単に「LCD」と略す)6が設けられている。このLCD6の表示画面は、例えば、縦方向に3分割されており、つまり、上段,中段,下段の3段で構成されており、3分割された各段の表示領域において、それぞれ右から左へ横方向にスクロールしながら図柄の変動表示が行われる。
【0033】
LCD6の上方には、表面に「○」と「×」との普通図柄が表示された2つのLED(発光ダイオード)9a,9bで構成された普通図柄表示装置9が配設されている。この普通図柄表示装置9では、遊技領域に打ち込まれた球がLCD6の両側に配設されたゲート10を通過した場合に、「○」と「×」とのLED9a,9bを交互に点灯させる変動表示が行われる。かかる変動表示が「○」のLED9aで終了した場合には、当りとなってLCD6の下方の普通電動役物7が所定時間(例えば0.5秒間)二点鎖線で示すように開放され、この普通電動役物7に球が入り易くなる。
【0034】
LCD6の下方に配設された普通電動役物7には、図柄作動口(第1種始動口)7aが設けられ、球がこの図柄作動口7aに設けられる第1種始動口スイッチ18を通過することにより、前記したLCD6の変動表示が開始される。図柄作動口7aの下方には、特定入賞口(大入賞口)8が設けられている。この特定入賞口8は、LCD6の変動後の表示結果が予め定められた図柄の組み合わせの1つと一致する場合に、大当たりとなって、球が入賞しやすいように所定時間(例えば、30秒経過するまで、あるいは、球が10個入賞するまで)開放される入賞口である。
【0035】
この特定入賞口8内には、Vゾーン8aが設けられており、特定入賞口8の開放中に、球がVゾーン8a内を通過すると、継続権が成立して、特定入賞口8の閉鎖後、再度、その特定入賞口8が所定時間(又は、特定入賞口8に球が所定個数入賞するまで)開放される。この特定入賞口8の開閉動作は、最高で16回(16ラウンド)繰り返し可能にされており、開閉動作の行われ得る状態が、いわゆる所定の遊技価値が付与された状態(特別遊技状態)である。
【0036】
なお、第3種パチンコ遊技機において所定の遊技価値が付与された状態(特別遊技状態)とは、LCD6の変動後の表示結果が予め定められた図柄の組み合わせの1つと一致する場合に、特定入賞口が所定時間開放されることをいう。この特定入賞口の開放中に、球がその特定入賞口内へ入賞すると、特定入賞口とは別に設けられた大入賞口が所定時間、所定回数開放される。
【0037】
また、パチンコ機Pは、図3に示すように、このパチンコ機P全体を制御する主制御基板Cと、この主制御基板Cからの送信コマンドに従って動作する各種のサブ制御基板(例えば、払出制御基板H等)とを備えている。図3は、パチンコ機の電気的構成を示したブロック図であり、特に、パチンコ機の遊技内容の制御を行う主制御基板と、賞球や貸し球の払出制御を行う払出制御基板との電気的構成を示したブロック図である。なお、この主制御基板Cが本発明における第1制御基板に相当し、払出制御基板Hが本発明における第2制御基板に相当する。
【0038】
パチンコ機Pの主制御基板Cは、演算装置であるワンチップマイコンとしてのMPU11が搭載されている。このMPU11には、そのMPU11により実行される各種の制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM12と、そのROM12内に記憶される制御プログラムの実行に当って各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM13と、割込回路やタイマ回路やデータ送受信回路等の各種回路が内蔵されている。図4〜図7に示すフローチャートのプログラムは、制御プログラムの一部としてROM12内に記憶されている。図4は、主制御基板および払出制御基板でそれぞれ別々に実行されるNMI割込処理のフローチャートであり、図5は、主制御基板で実行されるメイン処理のフローチャートである。図6は、パチンコ機の電源投入時に主制御基板及び払出制御基板のメイン処理の中でそれぞれ別々に実行される初期化処理のフローチャートである。図7は、主制御基板で実行される払出制御基板の確認用キーの比較判定処理のフローチャートである。
【0039】
主制御基板CのRAM13は、バックアップエリア13aを備えている。また、このRAM13には、パチンコ機Pの電源オフ後においても、電源基板50からバックアップ電圧が供給されており、データを保持(バックアップ)できるように構成されている。
【0040】
バックアップエリア13aは、電源が断された場合(停電等の発生により電源が断された場合を含む。)、電源の再投入時に、パチンコ機Pの状態を電源断前の状態に復帰させるために、電源断時(停電発生時を含む。以下、同様)のスタックポインタや各レジスタやI/O等の値を記憶しておくためのエリアである。このバックアップエリア13aへの書き込みは、NMI割込処理(図4参照)によって電源断時に実行され、逆にバックアップエリア13aに書き込まれた各値の復帰は、電源投入時(停電解消による電源入を含む。以下、同様)の初期化処理(図6参照)において実行される。なお、MPU11のNMI(Non Maskable Interrupt)端子(ノンマスカブル端子)には、電源断時(停電による場合を含む。)に、後述する電源断監視回路50bから出力される電源断信号51が入力されるように構成されており、電源断の発生により、図4の電源断時処理(NMI割込処理)が即座に実行される。
【0041】
MPU11は入出力ポート15と接続されている。入出力ポート15は、賞球払出用モータ21によって賞球や貸し球の払出制御を行う払出制御基板Hと複数本の信号線を介して双方向通信を可能に接続されるほか、複数の普通入賞スイッチ17と、第1種始動口スイッチ18と、Vカウントスイッチ19と、エラーランプ23と、他の入出力装置25と、電源基板50に設けられた電源断監視回路50bおよびクリアスイッチ50cと、それぞれ接続されている。
【0042】
複数の普通入賞スイッチ17は、遊技盤1に設けられた複数の普通入賞口5へ入賞した球をそれぞれ検出するためのスイッチであり、各普通入賞口5の入口近傍に設けられている。第1種始動口スイッチ18は、図柄作動口(第1種始動口)7aを通過した球を検出するためのスイッチであり、図柄作動口7aの近傍に設けられている。普通入賞スイッチ17のいずれか又は第1種始動口スイッチ18によって球が検出されると、主制御基板Cから払出制御基板Hへ賞球の払出に関するコマンドが送信され、払出制御基板Hによって5個の賞球が払い出される。
【0043】
Vカウントスイッチ19は、特定入賞口8内のVゾーン8aへ入賞した球を検出するためのスイッチである。また、10カウントスイッチ20は、特定入賞口8内のVゾーン8a以外へ入賞した球を検出するためのスイッチである。Vカウントスイッチ19または10カウントスイッチ20により球が検出されると、主制御基板Cから払出制御基板Hへ賞球の払出に関するコマンドが送信され、払出制御基板Hによって15個の賞球が払い出される。
【0044】
払出制御基板Hは、賞球や貸し球の払出制御を行うものであり、演算装置であるMPU31が搭載されている。MPU31には、そのMPU31により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM32と、ワークメモリ等として使用されるRAM33と、割込回路やタイマ回路やデータ送受信回路等の各種回路とが内蔵されている。図6、図8〜図10に示すフローチャートのプログラムは、制御プログラムの一部としてROM32内に記憶されている。図8は、主制御基板および払出制御基板でそれぞれ別々に実行されるNMI割込処理のフローチャートである。図9は、パチンコ機の払出制御基板において実行されるメイン処理のフローチャートである。図10は、払出制御基板で実行される主制御基板の確認用キーの比較判定処理のフローチャートである。
【0045】
払出制御基板HのRAM33は、バックアップエリア33aを備えている。また、このRAM33には、パチンコ機Pの電源オフ後においても、電源基板50からバックアップ電圧が供給されており、データを保持(バックアップ)できるように構成されている。
【0046】
バックアップエリア33aは、前述した主制御基板Cのバックアップエリア13aと同様に、電源が断された(停電等の発生により電源が断された場合を含む。)後の電源の再投入時に、パチンコ機Pの状態を電源断前の状態に復帰させるために、電源断時(停電発生時を含む。)のスタックポインタや各レジスタやI/O等の値を記憶しておくためのエリアである。このバックアップエリア33aへの書き込みは、NMI割込処理(図8参照)によって電源断時に実行され、逆にバックアップエリア33aに書き込まれた各値の復帰は、電源投入時(停電解消による電源入を含む。)の初期化処理(図6参照)において実行される。なお、MPU31のNMI(Non Maskable Interrupt)端子(ノンマスカブル端子)には、電源断時(停電による場合を含む。)に、後述する電源断監視回路50bから出力される電源断信号51が入力されるように構成されており、電源断の発生により、図8の電源断時処理(NMI割込処理)が即座に実行される。
【0047】
MPU31は入出力ポート35と接続されている。入出力ポート35は、前述した主制御基板Cと接続されるほか、賞球払出用モータ21と、賞球カウントスイッチ22と、エラーランプ23と、他の入出力装置25と、電源基板50に設けられた電源断監視回路50bおよびクリアスイッチ50cと、それぞれ接続されている。
【0048】
賞球カウントスイッチ22は、賞球払出用モータ21によって払い出された賞球を検出するためのスイッチであり、賞球払出用モータ21と共に賞球払出ユニットSに搭載されている。賞球払出用モータ21は賞球を払い出すためのモータであり、賞球払出用モータ21の駆動は、払出制御基板Hによって制御される。
【0049】
続いて、本発明の特徴部分の1つである構成について、以下に説明する。図3に示すように、主制御基板CのMPU11は、主制御基板Cの識別情報としての自己の確認用キー、つまり主制御基板Cの確認用キー(例えば乱数)を計数するための確認用キー乱数カウンタ26を備えている。この実施例では、確認用キーとして乱数(例えば0〜255)を採用し、その情報量は例えば1,2バイト程度のものとしている。この確認用キー乱数カウンタ26の値、つまり、主制御基板Cの確認用キーは、適宜に更新され(図5のステップS16参照)、電源断前に更新された値がRAM13のバックアップエリア13aに記憶保持(バックアップ)される。さらに、このRAM13のバックアップエリア13aには、入出力ポート35,15を介して払出制御基板Hから送信された、電源断時に更新された払出制御基板Hの識別情報としての相手方の確認用キー(払出制御基板Hの確認用キー)も参照情報として記憶保持される。また、MPU11は、電源投入後に払出制御基板Hから送信された払出制御基板Hの確認用キーを、RAM13に記憶保持された参照情報(電源断時の払出制御基板Hの確認用キー)と比較して払出制御基板Hの正常性を判定する確認用キー比較判定部27を備えている。さらに、この確認用キー比較判定部27は、電源投入後の所定時間内に払出制御基板Hからの確認用キーを受信したか否かを監視する受信監視回路28を備えている。さらに、このMPU11には、主制御基板Cの所定機能(本実施例では主制御基板Cの全シーケンス)を停止する機能停止回路29を備えている。なお、上述の確認用キー乱数カウンタ26と確認用キー比較判定部27と受信監視回路28と機能停止回路29とは、ROM12内に記憶されている制御プログラムをMPU11で実行することで実現されるものである。
【0050】
一方、払出制御基板HのMPU31は、払出制御基板Hの識別情報としての自己の確認用キー、つまり払出制御基板Hの確認用キー(例えば乱数)を計数するための確認用キー乱数カウンタ36とを備えている。この実施例では、確認用キーとして乱数(例えば0〜255)を採用し、その情報量は例えば1,2バイト程度のものとしている。この確認用キー乱数カウンタ36の値、つまり、払出制御基板Hの確認用キーは、適宜に更新され(図9のステップS65参照)、電源断前とに更新された値がRAM33のバックアップエリア33aに記憶保持(バックアップ)される。さらに、このRAM33のバックアップエリア33aには、入出力ポート15,35を介して主制御基板Cから送信された、電源断時に更新された主制御基板Cの識別情報としての主制御基板Cの確認用キーも参照情報として記憶保持される。また、MPU31は、電源投入後に主制御基板Cから送信された主制御基板Cの確認用キーを、RAM33に記憶保持された参照情報(電源断時の主制御基板Cの確認用キー)と比較して主制御基板Cの正常性を判定する確認用キー比較判定部37を備えている。さらに、この確認用キー比較判定部37は、電源投入後の所定時間内に主制御基板Cからの確認用キーを受信したか否かを監視する受信監視回路38を備えている。さらに、このMPU31には、払出制御基板Hの所定機能(本実施例では払出制御基板Hの全シーケンス)を停止する機能停止回路39を備えている。なお、上述の確認用キー乱数カウンタ36と確認用キー比較判定部37と受信監視回路38と機能停止回路39とは、ROM32内に記憶されている制御プログラムをMPU31で実行することで実現されるものである。
【0051】
なお、上述したMPU11,31での自己の確認用キーの生成およびその伝送機能と入出力ポート15,35とが本発明における伝送手段に相当し、上述したRAM13のバックアップエリア13a,RAM33のバックアップエリア33aが本発明における記憶手段に相当し、上述した確認用キー乱数カウンタ26,36が本発明における乱数発生手段および更新手段に相当し、上述した確認用キー比較判定部27,37が本発明における比較判定手段に相当し、上述した受信監視回路28,38が本発明における監視手段に相当し、上述した機能停止回路29,39が本発明における停止手段に相当する。
【0052】
エラーランプ23は、遊技を行う遊技者や遊技場の管理者にパチンコ機Pの制御に異常が生じたことを告知するためのものである。このエラーランプ23は、遊技盤1の上側(図示省略)に設けられており、主制御基板Cまたは払出制御基板Hでの確認用キーの比較判定結果が不一致である場合に、主制御基板Cまたは払出制御基板Hの制御によって点灯するものである。遊技者及び遊技場の管理者には、エラーランプ23を点灯させることでパチンコ機Pの制御に異常が生じていることを認識させることができる。
【0053】
ここで、近年、不正の利益を得る目的で行われる不正行為として、大当たりの発生に直接影響する主制御基板Cを不正な基板に交換(正規の主制御基板Cの電子部品(MPU11等)を、不正に改造した他の電子部品に交換する等を含む。)して、不当に大当たりを発生させるものが報告されている。この場合には、工場から出荷されたパチンコ機が遊技場に設置されるまでの搬送途中で不正な基板に交換されたり、または、遊技場に設置された後で遊技場が無人となる深夜等に遊技場に侵入して不正な基板へ交換されたりする。このような不正行為は、パチンコ機を一見しただけでは不正が行われていることを判断し難く、遊技場が多大な不利益を被ることがある。
【0054】
これに対し、本実施例のパチンコ機Pには、上述の主制御基板Cおよび払出制御基板Hが設けられている。すなわち、主制御基板Cのバックアップエリア13aには、自己の確認用キー(主制御基板Cの確認用キー)および相手方の確認用キー(払出制御基板Hの確認用キー)が電源断時に更新されて記憶保持されている。また、払出制御基板Hのバックアップエリア33aには、自己の確認用キー(払出制御基板Hの確認用キー)および相手方の確認用キー(主制御基板Cの確認用キー)が電源断時に更新されて記憶保持されている。そして、電源投入時(停電解消による電源入を含む。)において、主制御基板Cは、払出制御基板Hから送信された払出制御基板Hの確認用キーを、バックアップエリア13aに既に保持済みの参照情報(払出制御基板Hの確認用キー)と比較して、払出制御基板Hの正常性を判定する。また、払出制御基板Hは、主制御基板Cから送信された主制御基板Cの確認用キーを、バックアップエリア33aに既に保持済みの参照情報(主制御基板Cの確認用キー)と比較して、主制御基板Cの正常性を判定する。
【0055】
具体的には、確認用キーが参照情報に一致していれば、相手方の基板は、電源断前と電源投入後とにおいても変化がなくそのままである、つまり、正常であると判定できる。逆に、確認用キーが参照情報に不一致であれば、相手方の基板は、電源断前と電源投入後とにおいて変化があり、電源断前とは異なるものである、つまり、異常であると判定できる。なお、電源投入後に確認用キーを送信してこない場合には、参照情報(電源断時に保持済みの確認用キー)と比較するための、電源投入後の確認用キーが送信されてこない(比較対象が無い)ということで、確認用キーが参照情報に不一致であるとし、相手方の基板は、電源断前と電源投入後とにおいて変化があり、電源断前とは異なるものである、つまり、異常であると判定できる。
【0056】
このように、電源投入後に、主制御基板Cおよび払出制御基板Hで相互に相手方(払出制御基板Hおよび主制御基板C)の確認を行うことができるので、パチンコ機Pの電源断時に主制御基板Cまたは払出制御基板Hの一方が不正な基板に交換されたとしても、パチンコ機Pの電源投入時に、その不正な基板を検出することができ、主制御基板Cまたは払出制御基板Hに対する不正を防止できる。また、不正に改造された制御基板(主制御基板Cまたは払出制御基板H等)がパチンコ機Pに装着されて不正使用されることを防止できる。また、主制御基板Cまたは払出制御基板Hの故障検知もできる。また、主制御基板Cと払出制御基板Hとの間の断線検知もできる。
【0057】
電源基板50は、パチンコ機Pの各部に電力を供給するための電源部50aと、電源断監視回路50bと、クリアスイッチ50cとを備えている。電源断監視回路50bは、電源断時(停電等の発生による電源断を含む。)に、主制御基板CのMPU11および払出制御基板HのMPU31のそれぞれのNMI端子へ電源断信号51を出力するための回路である。この電源断監視回路50bは、電源部50aから出力される最も大きい電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に電源断(停電等によるものを含む。)の発生と判断して、電源断信号51を主制御基板Cおよび払出制御基板Hへ出力するように構成されている。この電源断信号51の出力によって、主制御基板Cおよび払出制御基板Hは、電源断の発生を認識し、電源断時処理(図4のNMI割込処理)を実行する。なお、電源部50aは、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、かかる電源断時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されているので、主制御基板Cおよび払出制御基板Hは、電源断時処理を正常に実行することができる。なお、上述した電源断監視回路50bが本発明における電源断検出手段に相当する。
【0058】
クリアスイッチ50cは、主制御基板CのRAM13および払出制御基板HのRAM33にバックアップされているデータをクリアする(但し、確認用キーについてはクリアされない。)ためのスイッチであり、押しボタンタイプのスイッチで構成されている。このクリアスイッチ50cが押下された状態でパチンコ機Pの電源が投入されると(停電解消による電源入を含む。)、主制御基板Cおよび払出制御基板Hによって、それぞれのRAM13,33のデータ(確認用キーを除くデータ)がクリアされる。なお、確認用キーは、誤ってクリアされるのを防止するために、特別の諸条件を満たす手順を実行することでようやくクリアされるようになっている。また、主制御基板Cおよび払出制御基板Hの確認用キーは、パチンコ機Pの工場出荷時以前において、主制御基板CのRAM13および払出制御基板HのRAM33のそれぞれに保持させている。
【0059】
次に、上記のように構成されたパチンコ機Pで実行される各処理を、図4〜図10の各フローチャートを参照して説明する。まず、図4,図8を用いて、パチンコ機Pの電源断時に主制御基板Cおよび払出制御基板Hでそれぞれ別々に実行されるNMI割込処理について説明する。このNMI割込処理により、電源断時(停電等の発生による電源断を含む。)の主制御基板Cおよび払出制御基板Hの状態がバックアップエリア13a、33aに記憶される。なお、NMI割込処理は、主制御基板CのROM12と、払出制御基板HのROM32とにそれぞれ別々に搭載されてその内容が異なる処理である。
【0060】
パチンコ機Pの電源が断されると、電源断監視回路50bから電源断信号51が主制御基板Cおよび払出制御基板HのMPU11,31のNMI端子に出力される。すると、MPU11,31は、実行中の制御を中断して、図4のNMI割込処理を開始する。以下に、主制御基板Cおよび払出制御基板HのそれぞれのNMI割込処理について説明する。なお、電源断信号51が出力された後の所定時間は、各制御基板C,Hの処理が実行可能なように電源基板50の電源部50aから電力供給がなされており、この所定時間内にNMI割込処理が実行される。
【0061】
主制御基板CにおけるNMI割込処理は以下のように実行される。図4に示すように、まず、ステップS1では、主制御基板CのMPU11は、後述する図5のステップS16で更新された自己の確認用キー(主制御基板Cの確認用キー)、つまり、確認用キー乱数カウンタ26の値をRAM13に格納する。そして、ステップS2では、主制御基板CのMPU11は、RAM13に格納した自己の確認用キー(主制御基板Cの確認用キー)を相手方(払出制御基板H)に送信する。ステップS3では、払出制御基板Hにて主制御基板Cの確認用キーが保持された後に、主制御基板CのMPU11は、払出制御基板Hから送信された更新後の払出制御基板Hの確認用キーを受信する。ステップS4では、主制御基板CのMPU11は、各レジスタおよびI/O等の値をスタックエリアに書き込む。ステップS5では、主制御基板CのMPU11は、スタックポインタの値をバックアップエリア13aへ書き込んでデータを退避させる。さらに、ステップS6では、主制御基板CのMPU11は、それぞれ更新された自己の確認用キー(主制御基板Cの確認用キー)および相手方の確認用キー(払出制御基板Hの確認用キー)をバックアップエリア13aへ書き込む。このようにして、電源断時の状態が記憶される。その後、ステップS7では、主制御基板Cに対して定められたその他の電源断処理を実行する。そして、電源が完全に断されて処理できなくなるまで、処理をループする。
【0062】
次に、払出制御基板HにおけるNMI割込処理は以下のように実行される。図8に示すように、まず、ステップS1では、払出制御基板HのMPU31は、後述する図9のステップS65で更新された自己の確認用キー(払出制御基板Hの確認用キー)、つまり、確認用キー乱数カウンタ36の値をRAM33に格納する。そして、ステップS2Aでは、払出制御基板HのMPU31は、主制御基板Cから送信された更新後の主制御基板Cの確認用キーを受信する。ステップS3Aでは、払出制御基板HのMPU31は、主制御基板Cの確認用キーを保持した後に、RAM33に格納した自己の確認用キー(払出制御基板Hの確認用キー)を相手方(主制御基板C)に送信する。ステップS4では、払出制御基板HのMPU31は、各レジスタおよびI/O等の値をスタックエリアに書き込む。ステップS5では、払出制御基板HのMPU31は、スタックポインタの値をバックアップエリア33aへ書き込んでデータを退避させる。さらに、ステップS6では、払出制御基板HのMPU31は、それぞれ更新された自己の確認用キー(払出制御基板Hの確認用キー)および相手方の確認用キー(主制御基板Cの確認用キー)をバックアップエリア33aへ書き込む。このようにして、電源断時の状態が記憶される。その後、ステップS7では、払出制御基板Hに対して定められたその他の電源断処理を実行する。そして、電源が完全に断されて処理できなくなるまで、処理をループする。
【0063】
ここで、上述の電源断時における確認用キーの通常相互保持シーケンスについて、図11を参照して説明する。図11は電源断時における確認用キーの通常相互保持シーケンスを説明するための図である。図11に「常時自確認用キー更新」と記載しているように、電源断前において、主制御基板Cおよび払出制御基板Hの確認用キーがそれぞれ適宜に更新されている。
【0064】
パチンコ機Pの電源が断される(停電によるものを含む。)と、主制御基板Cは、更新した自己の確認用キー(主制御基板Cの確認用キー)をバックアップエリア13aへ書き込んで保持し、払出制御基板Hは、更新した自己の確認用キー(払出制御基板Hの確認用キー)をバックアップエリア33aへ書き込んで保持する。そして、主制御基板Cは、その更新した自己の確認用キー(主制御基板Cの確認用キー)を払出制御基板Hに送信する。払出制御基板Hは、主制御基板Cから送信されてきた主制御基板Cの確認用キーを受信してバックアップエリア33aへ書き込んで保持する。その後、払出制御基板Hは、更新した自己の確認用キー(払出制御基板Hの確認用キー)を主制御基板Cに送信する。主制御基板Cは、払出制御基板Hから送信されてきた払出制御基板Hの確認用キーを受信してバックアップエリア13aへ書き込んで保持する。そして、主制御基板Cは、上述した一連の確認用キーの相互保持がOKであったことを示す「確認OK」を払出制御基板Hに送信する。払出制御基板Hは、この「確認OK」を受信して「ACK」を主制御基板Cに送信する。主制御基板Cは、払出制御基板Hからの「ACK」を受信する。このようにして、電源断時に、主制御基板Cおよび払出制御基板HのRAM13,33のそれぞれに、更新された自己および相手方の確認用キーが記憶されて、電源断時における確認用キーの通常相互保持シーケンスが終了する。
【0065】
次に、図5を参照して、パチンコ機Pの主制御基板Cにおいて実行されるメイン処理について説明する。パチンコ機Pの主な制御は、このメイン処理によって実行される。メイン処理は以下のように実行される。まず、ステップS11では、割込を禁止する。その後、ステップS12では、図6に示す初期化処理を実行する。ここで、図6のフローチャートを参照して、パチンコ機Pの電源投入時に主制御基板Cおよび払出制御基板Hのメイン処理の中でそれぞれ別々に実行される初期化処理(ステップS12)について説明する。
【0066】
この初期化処理では、バックアップが有効であれば、バックアップエリア13a,33aに記憶された各データを元の状態に戻し、遊技の制御を電源が断される前の状態から続行する。一方、バックアップが有効でなかったり、あるいは、バックアップが有効であっても電源投入時にクリアスイッチ50cが押下された場合には、RAMクリアおよび初期化処理を実行する。なお、この初期化処理(ステップS12)は、サブルーチンの形式で記載されているが、スタックポインタの設定前に実行される処理なので、実際には、サブルーチンコールされずに、ステップS11の処理後に順に実行される。また、初期化処理は、主制御基板CのROM12と、払出制御基板HのROM32とにそれぞれ別々に搭載されてその内容が異なる処理であるが、フローチャートの表記上は同様に表すことができるので、図6にまとめて図示している。
【0067】
まず、ステップS41ではスタックポインタを設定する。ステップS42ではクリアスイッチ50cがオンされているか否かを確認し、クリアスイッチ50cがオンされていなければステップS43に進み、クリアスイッチ50cがオンされていればステップS44に進む。ステップS43では、バックアップが有効であるか否かを確認する。この確認は、RAM13,33の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく記憶されているか否かにより判断する。キーワードが正しく記憶されていればバックアップは有効であり、逆に、キーワードが正しくなければバックアップデータは破壊されているので、そのバックアップは有効ではない。ステップS43にてバックアップが有効であれば、ステップS45に進み、主制御基板Cまたは払出制御基板Hの各状態を電源断前の状態に復帰させる処理に移行する。一方、ステップS42にてクリアスイッチ50cがオンされていたり、あるいは、ステップS43にてバックアップが有効でなかったりすれば、ステップS44にてRAMクリアおよび初期化処理を実行して、RAM13,33およびI/O等の各値を初期化し(上述したように確認用キーは初期化されない。)、この初期化処理を終了する。このステップS44の処理終了後は、主制御基板Cにおいて図5のステップS13の処理が、払出制御基板Hにおいて図9のステップS63の処理がそれぞれ実行される。
【0068】
ステップS45〜S47の復電処理について説明する。まず、ステップS45では、バックアップエリア13a,33aからスタックポインタの値を読み出して、これをスタックポインタへ書き込み,電源断前の状態、すなわちNMI割込処理発生前の状態に戻す。次に、ステップS46では、バックアップエリア13a,33aへ退避した各レジスタやI/O等のデータをそのバックアップエリア13a,33aから読み出して、これら各データを元のレジスタやI/O等へ書き込む。さらに、ステップS47では、割込状態を、電源断発生時に実行される図4の処理で記憶しておいた電源断前の状態、すなわちNMI割込発生前の状態に戻す。NMI割込リターンを実行して処理を電源断前に実行していたところへ戻して、制御を電源断前の状態から続行する。
【0069】
図5のフローチャートに戻って主制御基板Cのメイン処理について、引き続き説明する。前記のステップS12(初期化処理)の後に、ステップS12Aでは、確認用キー比較判定処理を行う。ここで、図7のフローチャートを参照して、確認用キー比較判定処理について説明する。
【0070】
図7は、パチンコ機Pの電源投入時に主制御基板Cで実行される払出制御基板Hの確認用キーの比較判定処理(ステップS12A)のフローチャートである。まず、ステップS51では、主制御基板CのMPU11は、自己の確認用キー(主制御基板Cの確認用キー)、つまり、RAM13のバックアップエリア13aに保持されていた主制御基板Cの確認用キー乱数カウンタ26の値を、払出制御基板Hに送信する。そして、ステップS52では、主制御基板CのMPU11は、相手方の確認用キーの受信監視する。つまり、MPU11は、自己の確認用キー(主制御基板Cの確認用キー)を払出制御基板Hに送信後の所定時間内に、相手方の確認用キー(払出制御基板Hの確認用キー)の受信の有無を監視しており、受信していなければステップS53に進み、受信していればステップS55に進む。なお、主制御基板Cの確認用キーの払出制御基板Hへの送信後の所定時間の経過は、MPU11内のタイマ回路でのタイマカウントにより検出されている。
【0071】
ステップS53では、主制御基板CのMPU11は、自己の確認用キー(主制御基板Cの確認用キー)を払出制御基板Hに送信し、その後の所定時間内に相手方(払出制御基板H)から払出制御基板Hの確認用キーの受信を受けていない場合に、再び自己の確認用キーして払出制御基板Hの確認用キーの受信を受けようとすることを再実行した回数、つまり、リトライ回数が3回目に達しているかどうかを検出する。もし、3回目に達していなければステップS51に戻ってリトライする。もし、3回目に達していればステップS54に進み、タイムアウトとなり、主制御基板Cはエラーランプ23を点灯させて、MPU11の機能停止回路29は主制御基板Cの全シーケンスを停止させる。
【0072】
ステップS55では、MPU11の確認用キー比較判定部26は、電源断時に相手方(払出制御基板H)から送信されてRAM13のバックアップエリア13aに保持済みの払出制御基板Hの確認用キー(払出制御基板Hの確認用キー乱数カウンタ36の値)と、前記ステップS52で払出制御基板Hから新たに送信されてきた払出制御基板Hの確認用キー(払出制御基板Hの確認用キー乱数カウンタ36の値)とが一致しているかどうかを比較判定する。つまり、主制御基板Cは、電源投入後の払出制御基板Hの確認用キーが電源断時に記憶済みの参照情報と一致しているかどうかを確認している。払出制御基板Hの確認用キーが参照情報と一致していれば、現状の払出制御基板Hは、電源断前と同一のものであると判定して、この確認用キー比較判定処理を終了して、図5に示すステップS13に進む。払出制御基板Hの確認用キーが参照情報と不一致であれば、現状の払出制御基板Hが電源断前と同一のものではないと判定して、主制御基板Cはエラーランプ23を点灯させて、MPU11の機能停止回路29は主制御基板Cの全シーケンスを停止させる。
【0073】
図5のフローチャートに戻って主制御基板Cのメイン処理について、引き続き説明する。前記のステップS12A(確認用キー比較判定処理)の後に、ステップS13では、タイマ割込の設定処理を行う。そして、割込が発生可能な状態にした上で、ステップS14では、各割込を許可状態とし通常シーケンスを開始する。この割込の許可後に、ステップS15では、後述するステップS25の特別図柄変動処理や、後述するステップS27の表示データ作成処理や、後述するステップS28のランプ・情報処理等により、前回の処理で更新された出力データを一度に各ポートへ出力するポート出力処理を実行する。
【0074】
さらに、ステップS16では、大当たりを決定するための大当たり乱数カウンタや、確認用キー乱数カウンタ26等の値を「+1」更新する乱数更新処理を実行する。ステップS17では、記憶タイマ減算処理を実行する。記憶タイマ減算処理は、大当たり判定の保留球が所定以上あり、かつ、LCD6において図柄の変動表示中である場合に、図柄の変動表示の時間短縮を行うものである。
【0075】
ステップS18では、スイッチ監視処理、つまり、INT割込で読み込まれた各スイッチの状態に応じて、遊技領域へ打ち込まれた球の普通入賞口5や特定入賞口8、図柄作動口7aへの入賞、ゲート10への通過、さらには賞球の払い出し等に関する処理を行うものである。ステップS20では、図柄カウンタ更新処理、つまり、LCD6で行われる変動表示の結果、停止表示される図柄を決定するためのカウンタの更新処理が行われる。また、ステップS21では、前記のステップS20で更新されたカウンタの値に基づいて、後述するステップS25での特別図柄変動処理で使用される大当たり図柄や、ハズレ図柄、さらにはリーチ図柄等が決定される。
【0076】
次いで、ステップS23では、普通図柄変動処理を実行する。つまり、「○」と「×」との2つのLED9a,9bで構成された普通図柄表示装置9の変動表示を行うとともに、その変動表示の結果、「○」のLED9aで変動表示が終了した場合には当りとなって普通電動役物7の図柄作動口7aを所定時間(例えば0.5秒)開放する当り処理を実行する。その後、ステップS24では、状態フラグをチェックし、LCD6において図柄変動中(図柄の変動開始または変動表示中)であればステップS25に進む。ステップS25では、特別図柄変動処理を実行する。つまり、球が図柄作動口7aに入賞するタイミングで読み取った大当たり乱数カウンタの値に基づいて、大当たりか否かの判定が行われるとともに、LCD6において特別図柄の変動処理を実行する。一方、前記のステップS24で状態フラグをチェックした結果が大当たり中であればステップS26に進み、ステップS26では、特定入賞口8を開放する等の大当たり処理を実行する。さらに、前記のステップS24で状態フラグをチェックした結果が図柄変動中でも大当たり中でもなければステップS25,S26をスキップしてステップS27に進む。
【0077】
ステップS27では、表示データ作成処理を実行する。つまり、図柄の変動表示以外にLCD6に表示されるデモデータや、普通図柄表示装置9の2つのLED9a,9bの表示データ等を作成する。ステップS28では、ランプ・情報処理、つまり、保留球のランプデータをはじめ、各種のランプデータを作成する。ステップS29では、効果音処理、つまり、遊技の状態に応じた効果音データを作成する。なお、これらの表示データおよび効果音データは、前記したポート出力処理(ステップS15)やタイマ割込処理によって払出制御基板Hやその他の制御基板へ出力(送信)される。
【0078】
前記のステップS29(効果音処理)の終了後に、ステップS30では、次のステップS15の処理の実行タイミングが到来するまでの残余時間の間、大当たりを決定するための大当たり乱数カウンタの初期値および確認用キー乱数カウンタ26の初期値を更新する乱数初期値更新処理を繰り返し実行する。前記のステップS15〜S29の各処理は定期的に実行する必要があるので、ステップS31では、前回のステップS15の処理の実行からの経過時間をチェックする。チェックの結果、前回のステップS15の処理の実行から所定時間(例えば2ms)経過していればステップS15に進む。一方、所定時間経過していなければ前記ステップS30へ戻り、ステップS30での乱数初期値更新処理、つまり、大当たり乱数カウンタの初期値および確認用キー乱数カウンタ26の初期値を更新処理の実行を繰り返す。ここで、前記のステップS15〜S29の各処理の実行時間は、遊技の状態に応じて変化するので、次のステップS15の処理の実行タイミングが到来するまでの残余時間は、一定の時間ではない。よって、かかる残余時間を使用して前記ステップS30での乱数初期値更新処理を繰り返し実行することにより、大当たり乱数カウンタの初期値および確認用キー乱数カウンタ26の初期値をランダムに更新することができる。
【0079】
次に、図9を参照して、パチンコ機Pの払出制御基板Hにおいて実行されるメイン処理について説明する。まず、ステップS61では、割込を禁止する。その後、ステップS62では、前述した図6の初期化処理を実行する。なお、確認用キーは、前述したようにこの初期化処理によっては初期化されない。そして、ステップS62Aでは、確認用キー比較判定処理、つまり、パチンコ機Pの電源投入時に払出制御基板Hで実行される主制御基板Cの確認処理を行う。ここで、図10のフローチャートを参照して、この確認用キー比較判定処理について説明する。
【0080】
まず、ステップS71では、払出制御基板HのMPU31は、相手方の確認用キーの受信監視する。つまり、MPU31は、電源投入後の所定時間内に、相手方の確認用キー(主制御基板Cの確認用キー)の受信の有無を監視しており、所定時間経過してもなお受信していない場合にはステップS72に進み、受信していればステップS74に進む。なお、電源投入後の所定時間の経過は、MPU31内のタイマ回路でのタイマカウントにより検出されている。
【0081】
ステップS72では、払出制御基板HのMPU31は、電源投入後の所定時間内に相手方(主制御基板C)から主制御基板Cの確認用キーの受信を受けていない場合に、再び主制御基板Cの確認用キーを所定時間にわたって受信待ちとすることを再実行した回数、つまり、リトライ回数が3回目に達しているかどうかを検出する。もし、3回目に達していなければステップS71に戻ってリトライする。もし、3回目に達していればステップS73に進み、タイムアウトとなり、払出制御基板Hはエラーランプ23を点灯させて、MPU31の機能停止回路39は払出制御基板Hの全シーケンスを停止させる。
【0082】
ステップS74では、MPU31の確認用キー比較判定部36は、電源断時に相手方(主制御基板C)から送信されてRAM33のバックアップエリア33aに保持済みの主制御基板Cの確認用キー(主制御基板Cの確認用キー乱数カウンタ26の値)と、前記ステップS71で主制御基板Cから新たに送信されてきた主制御基板Cの確認用キー(主制御基板Cの確認用キー乱数カウンタ26の値)とが一致しているかどうかを比較判定する。つまり、払出制御基板Hは、電源投入後の主制御基板Cの確認用キーが参照情報(電源断時に更新されて記憶しておいた主制御基板Cの確認用キー)と一致しているかどうかを確認している。主制御基板Cの確認用キーが参照情報と一致していれば、現状の主制御基板Cは、電源断前と同一のものであると判定して、この確認用キー比較判定処理を終了して、図9に示すステップS63に進む。主制御基板Cの確認用キーが参照情報と不一致であれば、現状の主制御基板Cが電源断前と同一のものではないと判定して、払出制御基板Hはエラーランプ23を点灯させて、MPU31の機能停止回路39は払出制御基板Hの全シーケンスを停止させる。
【0083】
図9のフローチャートに戻って払出制御基板Hのメイン処理について、引き続き説明する。前記のステップS62A(確認用キー比較判定処理)の後に、ステップS63では、タイマ割込の設定処理を行う。そして、割込が発生可能な状態にした上で、ステップS64では、各割込を許可状態とし、通常シーケンスを開始する。この割込の許可後に、ステップS65では、確認用キー乱数カウンタ36の値を「+1」更新する乱数更新処理を実行する。ステップS66では、各処理を実行する。払出制御基板Hによる遊技に関する処理は、割込処理を除いて、この各処理(ステップS66)の中で実行される。前記のステップS66の処理後には、ステップS67では、確認用キー乱数カウンタ36の初期値を更新する乱数初期値更新処理を実行する。そして、ステップS68では、前記ステップS64の処理の実行からの経過時間をチェックする。チェックの結果、前回のステップS64の処理の実行から所定時間(例えば2ms)経過していなければ、前記ステップS67へ戻り、ステップS67での乱数初期値更新処理を実行して再度経過時間を確認する。前回のステップS64の処理の実行から所定時間(例えば2ms)経過すると、処理を前記のステップS65へ移行する。
【0084】
ここで、電源投入時における確認用キーの通常相互保持シーケンスについて、図12を参照して説明する。図12は電源投入時における確認用キーの通常相互保持シーケンスを説明するための図である。図12に示すように、パチンコ機Pの電源が投入(停電解消によるものを含む。)されると、主制御基板Cは、バックアップエリア13aに保持している自己の確認用キー(主制御基板Cの確認用キー)を払出制御基板Hに送信する。払出制御基板Hは、電源投入後に送信されてきた主制御基板Cの確認用キーが、バックアップエリア33aに保持済みの参照情報(電源断時の主制御基板Cの確認用キー)に一致しているか否かを比較判定する。それらの主制御基板Cの確認用キーが一致すると、払出制御基板Hは、バックアップエリア33aに保持している自己の確認用キー(払出制御基板Hの確認用キー)を主制御基板Cに送信する。主制御基板Cは、電源投入後に送信されてきた払出制御基板Hの確認用キーが、バックアップエリア13aに保持済みの参照情報(電源断時の払出制御基板Hの確認用キー)に一致しているか否かを比較判定する。それらの払出制御基板Hの確認用キーが一致すると、主制御基板Cは、上述した一連の確認用キーの相互確認がOKであったことを示す「確認OK」を払出制御基板Hに送信する。払出制御基板Hは、この「確認OK」を受信して「ACK」を主制御基板Cに送信する。主制御基板Cは、払出制御基板Hからの「ACK」を受信する。このようにして、電源投入後に直ちに、主制御基板Cおよび払出制御基板Hの相互確認が行われ、主制御基板Cおよび払出制御基板Hの相互確認がOKであると、主制御基板Cおよび払出制御基板Hはそれぞれ通常シーケンスに移行していく。
【0085】
上述したように本実施例のパチンコ機Pによれば、主制御基板Cは、電源断時の自己の確認用キー(主制御基板Cの確認用キー)と、電源断時に払出制御基板Hから送信された参照情報としての払出制御基板Hの確認用キーとを保持し、電源投入後に払出制御基板Hから新たに送信された払出制御基板Hの確認用キーを保持済みの参照情報(払出制御基板Hの確認用キー)と比較して、払出制御基板Hの正常性を判定し、さらに、払出制御基板Hは、電源断時の自己の確認用キー(払出制御基板Hの確認用キー)と、電源断時に主制御基板Cから送信された参照情報としての主制御基板Cの確認用キーとを保持し、電源投入後に主制御基板Cから新たに送信された主制御基板Cの確認用キーを保持済みの参照情報(主制御基板Cの確認用キー)と比較して、主制御基板Cの正常性を判定するので、主制御基板Cおよび払出制御基板Hの正常性が相互に確認できる。つまり、主制御基板Cおよび払出制御基板Hが電源断前と電源投入後とで変化があったかどうかを相互に確認できる。具体的には、パチンコ機Pの電源断時に主制御基板Cまたは払出制御基板Hの一方が不正な基板に交換されたとしても、パチンコ機Pの電源投入時に、その不正な基板を検出することができ、主制御基板Cまたは払出制御基板Hに対する不正を防止できる。また、不正に改造された制御基板(主制御基板Cまたは払出制御基板H等)がパチンコ機Pに装着されて不正使用されることを防止できる。
【0086】
例えば、遊技場(パチンコ店)の閉店後などにおいて、パチンコ機Pの電源断時に主制御基板Cまたは払出制御基板Hの一方が不正な基板に交換されたとしても、パチンコ機Pの電源投入時に、その不正な基板を容易に検出することができ、主制御基板Cまたは払出制御基板Hに対する不正を防止できる。また、図柄を不当に揃い易くする等の遊技についての不正を行うために、主制御基板Cが不正改造(不正な基板に交換することを含む)されたり、主制御基板Cから賞球指示等が出されていないのに不当に大量の球を払い出させる等の払出についての不正を行うために、払出制御基板Hが不正改造(不正な基板に交換することを含む)されたりしても、本実施例のパチンコ機Pでは、主制御基板Cおよび払出制御基板Hの正常性が相互に確認できるので、そのような不正を検知でき、主制御基板Cまたは払出制御基板Hに対する不正を防止できる。また、主制御基板Cまたは払出制御基板Hの故障検知もできる。また、主制御基板Cと払出制御基板Hとの間の断線検知もできる。以上のことから、信頼性の高いパチンコ機Pを得ることができる。
【0087】
また、MPU11,31の確認用キー乱数カウンタ26,36は、確認用キーの比較判定後から入出力ポート15,35を介して次の確認用キーが送信されるまでの間に、送信すべき自己の確認用キーを更新しているので、更新される確認用キーを用いて主制御基板Cや払出制御基板Hの正常性が確認でき、確認用キーを固定値としている場合に比べて、主制御基板Cや払出制御基板Hに対する不正をより高度に防止でき、高度なセキュリティを実現できる。
【0088】
また、確認用キー乱数カウンタ26,36の値を確認用キーとして用いるので、簡易な構成で主制御基板Cおよび払出制御基板Hの正常性が確認できる。
【0089】
また、確認用キー比較判定部27,37は、電源投入後の所定時間内に相手方の制御基板からの確認用キーの受信有無を監視する受信監視回路28,38を備えており、電源投入後の所定時間内に相手方の制御基板からの確認用キーが不受信であったという不受信結果に基づいて、相手方の制御基板が異常であると判定するので、電源投入後の所定時間内に相手方の制御基板から確認用キーが送信されてこない場合であっても、相手方の制御基板の正常性を確認できる。
【0090】
また、MPU11,31の機能停止回路29,39は、相手方の制御基板が異常であるとの確認用キー比較判定部27,37の比較判定結果に基づいて、この確認用キー比較判定部27,37を有する制御基板の所定動作を停止させるので、相手方の制御基板が異常である場合には、自己の基板、つまり、異常であると判定した確認用キー比較判定部27,37を有する制御基板の所定動作が停止され、異常状態である制御基板の使用防止を図ることができる。
【0091】
ここで、主制御基板Cまたは払出制御基板Hが不正改造されてパチンコ機Pに装着された場合に、その不正な制御基板を検出するシーケンスについて、図13〜図16を参照して具体的に説明する。図13〜図16は、主制御基板Cまたは払出制御基板Hの一方が不正基板である場合にそれを検出するシーケンス図である。
【0092】
まず、払出制御基板Hが不正改造されたもの(例えば不正ROMが搭載されたもの等)であり、主制御基板Cに確認用キーを送信しない場合について説明する。図13に示すように、パチンコ機Pの電源が投入される(停電解消によるものを含む。)と、主制御基板Cは、自己の確認用キー(主制御基板Cの確認用キー)を払出制御基板Hに送信して、払出制御基板Hからの確認用キーの受信待ちとなるが、所定時間経過しても払出制御基板Hからの確認用キーが受信されない場合には、上記の送信および受信待ちを再度実行(リトライ)する。リトライ回数が例えば3回に達しても払出制御基板Hからの確認用キーが受信されない場合には、タイムアウトとなり、主制御基板Cは、エラーランプ23を点灯させて、主制御基板Cの全シーケンスを停止する。このように、払出制御基板Hが不正改造されたものであって、主制御基板Cに確認用キーを送信しない場合でも、主制御基板Cは不正な払出制御基板Hを検出することができる。
【0093】
次に、払出制御基板Hが不正改造されたもの(例えば不正ROMが搭載されたもの等)であり、主制御基板Cに偽りの確認用キーを送信する場合について説明する。図14に示すように、パチンコ機Pの電源が投入される(停電解消によるものを含む。)と、主制御基板Cは、自己の確認用キー(主制御基板Cの確認用キー)を払出制御基板Hに送信して、払出制御基板Hからの確認用キーの受信待ちとなり、払出制御基板Hからの偽りの確認用キーを受信する。主制御基板Cは、保持済みの電源断時の払出制御基板Hの確認用キーと、電源投入後のこの払出制御基板Hの偽りの確認用キーとが一致しているか否かを比較判定する。払出制御基板Hからの確認用キーは偽りのものであるため、確認用キーが不一致となり、主制御基板Cは、エラーランプ23を点灯させて、主制御基板Cの全シーケンスを停止する。このように、払出制御基板Hが不正改造されたものであって、主制御基板Cに偽りの確認用キーを送信する場合でも、主制御基板Cは不正な払出制御基板Hを検出することができる。
【0094】
次に、主制御基板Cが不正改造されたもの(例えば不正ROMが搭載されたもの等)であり、払出制御基板Hに確認用キーを送信しない場合について説明する。図15に示すように、パチンコ機Pの電源が投入される(停電解消によるものを含む。)と、主制御基板Cは自己の確認用キー(主制御基板Cの確認用キー)を払出制御基板Hに送信せず、払出制御基板Hは、主制御基板Cからの確認用キーの受信待ちとなるが、所定時間経過しても主制御基板Cからの確認用キーが受信されない場合には、上記の受信待ちを再度実行(リトライ)する。リトライ回数が例えば3回に達しても主制御基板Cからの確認用キーが受信されない場合には、タイムアウトとなり、払出制御基板Hは、エラーランプ23を点灯させて、払出制御基板Hの全シーケンスを停止する。このように、主制御基板Cが不正改造されたものであって、払出制御基板Hに確認用キーを送信しない場合でも、払出制御基板Hは不正な主制御基板Cを検出することができる。
【0095】
次に、主制御基板Cが不正改造されたもの(例えば不正ROMが搭載されたもの等)であり、払出制御基板Hに偽りの確認用キーを送信する場合について説明する。図16に示すように、パチンコ機Pの電源が投入される(停電解消によるものを含む。)と、主制御基板Cは、偽りの自己の確認用キー(主制御基板Cの確認用キー)を払出制御基板Hに送信する。払出制御基板Hは、保持済みの電源断時の主制御基板Cの確認用キーと、電源投入後のこの主制御基板Cの偽りの確認用キーとが一致しているか否かを比較判定する。主制御基板Cからの確認用キーは偽りのものであるため、確認用キーが不一致となり、払出制御基板Hは、エラーランプ23を点灯させて、払出制御基板Hの全シーケンスを停止する。このように、主制御基板Cが不正改造されたものであって、払出制御基板Hに偽りの確認用キーを送信する場合でも、払出制御基板Hは不正な主制御基板Cを検出することができる。
【0096】
本発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
【0097】
(1)上述した実施例では、リトライ回数を3回としているが、任意の回数としてもよい。
【0098】
(2)上述した実施例では、識別情報(確認用キー)をRAM13,33に保持させるようにしているが、識別情報(確認用キー)をROM12,32に保持させるようにしてもよい。
【0099】
(3)上述した実施例では、各制御基板の識別情報として確認用キー(乱数)を使用しているが、この確認用キーは数字に限られたものではなく、文字や記号あるいは数字とそれらを組み合わせたもの等としてもよい。
【0100】
(4)上述した実施例では、主制御基板Cが自己の確認用キー(主制御基板Cの確認用キー)を払出制御基板Hに送信してから、払出制御基板Hが自己の確認用キー(払出制御基板Hの確認用キー)を主制御基板Cに送信するようにしているが、払出制御基板Hが自己の確認用キー(払出制御基板Hの確認用キー)を主制御基板Cに送信してから、主制御基板Cが自己の確認用キー(主制御基板Cの確認用キー)を払出制御基板Hに送信するようにしてもよい。
【0101】
(5)上述した実施例では、通常シーケンス中、つまり、確認用キーの比較判定後から電源断前までの間において確認用キーを適宜に更新するようにしているが、電源断時のみ確認用キーを更新するようにしてもよい。
【0102】
(6)上述した実施例では、第1制御基板を主制御基板Cとし、第2制御基板を払出制御基板Hとしているが、第1,第2制御基板を、主制御基板Cや、払出制御基板Hや表示制御基板やランプ制御基板や音声制御基板等の各種のサブ制御基板のうちの2つとして適用してもよい。
【0103】
(7)上述した実施例では、電源断時に伝送されてきた相手方の制御基板の確認用キーを参照情報として記憶しているが、相手方の制御基板の確認用キーを固定情報(固定値)とし、この固定情報を予め参照情報として記憶しておき、伝送されてきた相手方の制御基板の確認用キー(固定値)を参照情報と比較するようにして、相手方の制御基板の正常性を判定するようにしてもよい。
【0104】
(8)上述した実施例では、エラーランプ23によって異常の発生を外部に告知しているが、エラーブザーによって異常の発生を外部に告知してもよいし、変動表示が行われるLCD6や遊技に関連した効果音を出力するスピーカーその他の遊技に関する情報を外部へ出力する機器によって異常の発生を告知するものであってもよいし、または、遊技場を管理するホールコンピュータ等の外部機器へ異常の発生を示唆する信号を出力する出力回路を設けて、遊技場で異常が発生したことを集中して管理するようにしてもよい。
【0105】
(9)上述した実施例では、図3に示すように、主制御基板Cおよび払出制御基板Hで相互に正常性を確認しているが、主制御基板Cまたは払出制御基板Hの一方の制御基板のみで、その他方の制御基板の正常性を確認するようにしてもよい。つまり、主制御基板Cのみで、電源断時の払出制御基板Hの確認用キーを参照情報として記憶し、電源投入後の払出制御基板Hの確認用キーを記憶済みの参照情報と比較して、主制御基板Cで払出制御基板Hの正常性を判定するのみとしたり、あるいは、払出制御基板Hのみで、電源断時の主制御基板Cの確認用キーを参照情報として記憶し、電源投入後の主制御基板Cの確認用キーを記憶済みの参照情報と比較して、払出制御基板Hで主制御基板Cの正常性を判定するのみとしてもよい。
【0106】
(10)上述した実施例では、電源断時に伝送されてきた相手方の制御基板の確認用キーを参照情報として記憶し、電源投入後に伝送されてきた相手方の制御基板の確認用キーを記憶済みの参照情報と比較して、相手方の制御基板の正常性を判定しているが、通電中に相前後して伝送されてきた確認用キーのうちで先に伝送されてきた確認用キーを参照情報として記憶し、後に伝送されてきた確認用キーを記憶済みの参照情報と比較して相手方の制御基板の正常性を判定するようにしてもよい。この場合には、通電中での相手方の制御基板の異常(例えば、故障や断線等)が検出できる。
【0107】
(11)本発明を上記実施例とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される。)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞されることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。さらに、パチンコ機以外にも、アレンジボール型パチンコ、雀球、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機等の各種遊技機として実施するようにしてもよい。
【0108】
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定されるものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄が特定図柄であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えたスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【0109】
なお、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に有利な大当たり状態が発生させられ、遊技者には、下部の受け皿に多量の球が払い出されるものである。
【0110】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、第1,第2制御基板のうちの一方の制御基板は、第1制御手段と、前記電源断検出手段による電源断の検出後もバックアップ用の電源が供給されることにより記憶情報を保持可能かつ前記第1制御手段によって前記記憶情報を書き換え可能な第1記憶手段と、該第1記憶手段に記憶される確認用識別情報を、前記電源断検出手段により電源断が検出された場合に他方の制御基板に伝送する第1伝送手段と、前記第1記憶手段に記憶される確認用識別情報を、前記遊技機が電源断状態から通電状態となった場合に他方の制御基板に伝送する第2伝送手段とを備え、他方の制御基板は、第2制御手段と、前記電源断検出手段による電源断の検出後もバックアップ用の電源が供給されることにより記憶情報を保持可能かつ前記第2制御手段によって前記記憶情報を書き換え可能な第2記憶手段とを備え、前記第1伝送手段から伝送される確認用識別情報を参照用識別情報として前記第2記憶手段に記憶することで、前記供給電源の電源断後も前記参照用識別情報を記憶保持するものであり、前記他方の制御基板はさらに、前記遊技機が電源断状態から通電状態となった場合に、前記第2伝送手段によって前記確認用識別情報が伝送されるか否かを監視する監視手段と、前記伝送手段によって伝送された確認用識別情報と前記第2記憶手段に記憶保持された前記参照用識別情報とを用いた比較判定を行う比較判定手段とを備えているので、その一方の制御基板とされた第1制御基板または第2制御基板の正常性を、その他方の制御基板とされた第2制御基板または第1制御基板で確認でき、信頼性の高い遊技機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のパチンコ機の概略正面図である。
【図2】パチンコ機の遊技盤の概略正面図である。
【図3】パチンコ機の電気的構成を示したブロック図である。
【図4】主制御基板で実行されるNMI割込処理のフローチャートである。
【図5】主制御基板で実行されるメイン処理のフローチャートである。
【図6】パチンコ機の電源投入時に主制御基板及び払出制御基板のメイン処理の中でそれぞれ別々に実行される初期化処理のフローチャートである。
【図7】主制御基板で実行される払出制御基板の確認用キーの比較判定処理のフローチャートである。
【図8】払出制御基板で実行されるNMI割込処理のフローチャートである。
【図9】パチンコ機の払出制御基板において実行されるメイン処理のフローチャートである。
【図10】払出制御基板で実行される主制御基板の確認用キーの比較判定処理のフローチャートである。
【図11】電源断時における確認用キーの通常相互保持シーケンスを説明するための図である。
【図12】電源投入時における確認用キーの通常相互保持シーケンスを説明するための図である。
【図13】主制御基板で不正な払出制御基板を検出するシーケンス図である。
【図14】主制御基板で不正な払出制御基板を検出するシーケンス図である。
【図15】払出制御基板で不正な主制御基板を検出するシーケンス図である。
【図16】払出制御基板で不正な主制御基板を検出するシーケンス図である。
【符号の説明】
11,31 … MPU(伝送手段)
15,35 … 入出力ポート(伝送手段)
13a,33a … バックアップエリア(記憶手段)
26,36 … 確認用キー乱数カウンタ(乱数発生手段,更新手段)
27,37 … 確認用キー比較判定部(比較判定手段)
28,38 … 受信監視回路(監視手段)
29,39 … 機能停止回路(停止手段)
50b … 電源断監視回路(電源断検出手段)
C … 主制御基板(第1制御基板)
H … 払出制御基板(第2制御基板)
Claims (3)
- 遊技に関する制御を関連して行う第1制御基板と、第2制御基板と、供給電源の電源断を検出する電源断検出手段とを備えた遊技機において、
前記第1,第2制御基板のうち一方の制御基板は、
第1制御手段と、
前記電源断検出手段による電源断の検出後もバックアップ用の電源が供給されることにより記憶情報を保持可能かつ前記第1制御手段によって前記記憶情報を書き換え可能な第1記憶手段と、
該第1記憶手段に記憶される確認用識別情報を、前記電源断検出手段により電源断が検出された場合に他方の制御基板に伝送する第1伝送手段と、
前記第1記憶手段に記憶される確認用識別情報を、前記遊技機が電源断状態から通電状態となった場合に他方の制御基板に伝送する第2伝送手段とを備え、
他方の制御基板は、
第2制御手段と、
前記電源断検出手段による電源断の検出後もバックアップ用の電源が供給されることにより記憶情報を保持可能かつ前記第2制御手段によって前記記憶情報を書き換え可能な第2記憶手段とを備え、
前記第1伝送手段から伝送される確認用識別情報を参照用識別情報として前記第2記憶手段に記憶することで、前記供給電源の電源断後も前記参照用識別情報を記憶保持するものであり、
前記他方の制御基板はさらに、前記遊技機が電源断状態から通電状態となった場合に、前記第2伝送手段によって前記確認用識別情報が伝送されるか否かを監視する監視手段と、
前記伝送手段によって伝送された確認用識別情報と前記第2記憶手段に記憶保持された前記参照用識別情報とを用いた比較判定を行う比較判定手段とを備えた
ことを特徴とする遊技機。 - 請求項1に記載の遊技機において、
前記他方の制御基板は、前記比較判定手段の判定結果に基づいて前記遊技機が備える表示器又はスピーカを作動させる報知手段を備えていることを特徴とする遊技機。 - 請求項1または2に記載の遊技機において、
前記他方の制御基板は、前記比較判定手段の判定結果に基づいて、外部機器へ信号を出力する信号出力手段を備えていることを特徴とする遊技機。
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JP2002119066A JP4013624B2 (ja) | 2002-04-22 | 2002-04-22 | 遊技機 |
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