JP4075620B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機やスロットマシンに代表される遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、パチンコ機等の遊技機において、制御の役割に応じて複数の制御基板が配設されており、各々の制御処理を各制御基板で分担して行うことによって、円滑に遊技の制御を行うことが可能に構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような遊技機の遊技において、複数の制御基板で単一の遊技を制御するため、各制御基板が相互に相関した状態で制御を行うことが望ましい。しかし、異常や不正行為等により各制御基板の相関が崩れることがあり、この場合において複数の制御基板で単一の遊技を正常に行わせることが困難であるといった問題点があった。
【0004】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、相関が崩れることにより生ずる不具合を解消することができる遊技機を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、請求項1記載の遊技機は、遊技の制御を行う主制御手段と、その主制御手段からの遊技制御指令に基づいて動作する従制御手段とを備え、停電等の電源断を監視する停電監視手段と、その停電監視手段により停電等によって電源が切断されると判断された場合に、前記主制御手段および従制御手段で使用されるデータを電源の切断後においても保持するバックアップ手段と、電源の切断されることを示唆する停電信号の入力回数を記憶する停電メモリとを備え、前記主制御手段および従制御手段は、電源入時に前記バックアップ手段に保持されたデータに基づいて遊技を再開するものであり、前記主制御手段又は従制御手段は、電源入時における復電処理に基づく状況において当該制御手段の前記停電メモリの値に基づいた回数信号を 他方の制御手段へ出力する回数信号出力手段を備え、その回数信号出力手段により出力された前記回数信号が示す停電メモリの値と前記回数信号を受信した前記他方の制御手段の停電メモリの値とが異なる場合には、前記他方の制御手段のバックアップ手段に保持されるデータの少なくとも一部を初期化またはクリアするものである。
請求項2記載の遊技機は、請求項1記載の遊技機において、前記主制御手段又は従制御手段は、前記従制御手段又は主制御手段の前記回数信号出力手段から出力された前記停電メモリの値に応じた回数信号を受信したかを判断する信号受信判断手段と、その信号受信判断手段によって回数信号が受信された場合に主制御手段及び従制御手段の両停電メモリの値が一致するか否かを判断するメモリ判断手段とを備えている。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。本実施例では、遊技機の一例として弾球遊技機の一種であるパチンコ機、特に、第1種パチンコ遊技機を用いて説明する。なお、本発明を第3種パチンコ遊技機や他の遊技機に用いることは、当然に可能である。
【0007】
図1は、本発明の第1実施例のパチンコ機Pの遊技盤の正面図である。遊技盤1の周囲には、球が入賞することにより5個から15個の球が払い出される複数の入賞口2が設けられている。また、遊技盤1の中央には、複数種類の識別情報としての図柄などを表示する液晶ディスプレイ(以下単に「LCD」を称す)3が設けられている。このLCD3の表示画面はそれぞれ分割されており、分割された各表示領域において、後述する図柄作動口4へ球が入賞することに基づく特別図柄の変動表示と、LCD3の両側に配設されたゲート6へ球が通過することに基づく普通図柄の変動表示とが行われる。
【0008】
LCD3の下方には、図柄作動口(第1種始動口、普通電動役物)4が設けられ、球がこの図柄作動口4へ入賞することにより、前記したLCD3の変動表示が開始される。この図柄作動口4は、LCD3において普通図柄の変動表示が所定の表示結果で終了した場合に、球が入賞し易いように開放される(普通図柄の当たり状態)。
【0009】
図柄作動口4の下方には、特定入賞口(大入賞口)5が設けられている。この特定入賞口5は、LCD3の変動後の表示結果が予め定められた図柄の組み合わせの1つと一致する場合に、大当たりとなって、球が入賞しやすいように所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される入賞口である。
【0010】
この特定入賞口5内には、Vゾーン5aが設けられており、特定入賞口5の開放中に、球がVゾーン5a内を通過すると、継続権が成立して、特定入賞口5の閉鎖後、再度、その特定入賞口5が所定時間(又は、特定入賞口5に球が所定個数入賞するまで)開放される。この特定入賞口5の開閉動作は、最高で16回(16ラウンド)繰り返し可能にされており、開閉動作の行われ得る状態が、いわゆる所定の遊技価値が付与された状態(特別遊技状態)である。
【0011】
なお、第3種パチンコ遊技機において所定の遊技価値が付与された状態(特別遊技状態)とは、LCD3の変動後の表示結果が予め定められた図柄の組み合わせの1つと一致する場合に、特定入賞口が所定時間開放されることをいう。この特定入賞口の開放中に、球がその特定入賞口へ入賞すると、特定入賞口とは別に設けられた大入賞口が所定時間、所定回数開放される。
【0012】
図2は、パチンコ機Pの電気的構成を示したブロック図であり、特に、パチンコ機Pの遊技内容の制御を行う主制御基板Cと、賞球や貸球の払出制御を行う払出制御基板Hとの電気的構成を示したブロック図である。
【0013】
パチンコ機Pの主制御基板Cは、演算装置であるMPU11と、そのMPU11により実行される各種の制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM12と、ワークメモリ等として使用されるRAM13とを備えている。図3から図5のフローチャートに示すプログラムは、制御プログラムの一部としてROM12内に記憶されている。またRAM13には、バックアップエリア13aと、停電カウンタ13bとが設けられている。RAM13には、電源の切断後においても電源基板40からバックアップ電圧が供給されており、RAM13の各値をパチンコ機Pの電源が切断された場合にも保持(バックアップ)できるように構成されている。
【0014】
バックアップエリア13aは、停電などの発生により電源が切断された場合、電源の再入時に、パチンコ機Pの状態を電源切断前の状態に復帰させるため、電源切断時(停電発生時を含む。以下、同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておりためのエリアである。このバックアップエリア13aへの書き込みは、NMI割込処理(図3)参照によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア13aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時(停電解消による電源入を含む。以下、同様)の復帰処理(復電処理)において実行される(図4、S12参照)。
【0015】
停電カウンタ13bは、停電等が発生してパチンコ機Pの電源が断される場合に後述する電源基板40の停電監視回路42から出力される停電信号51の入力回数を計数するためのカウンタである。この停電カウンタ13bの値は、電源基板40の停電監視回路42から主制御基板CのNMI割込端子へ停電信号51が出力された場合に行われるNMI割込処理が行われる毎に「1」加算される一方、初期化処理(図5参照)が行われると「0」クリアされる。
【0016】
従来、主制御基板C及び払出制御基板Hにはバックアップエリア13a,33aが備えられ、電源がオフの状態でも、後述する電源基板40からの電力が供給されてバックアップデータが保持されている。このような構成において、主制御基板CのRAM13と払出制御基板HのRAM33は容量が異なっているため、その個体差によって、バックアップされる時間に差が出て、いずれか片方のバックアップデータのみが壊されて状態が発生してしまい、パチンコ機Pが誤動作してしまうという問題があった。また、バックアップデータが頻繁に破壊されている場合には、電源基板40からの信号線が断線している可能性がある。
【0017】
本実施例においては、電源入時の復電処理(初期化処理、図5参照)において、主制御基板Cの停電カウンタ13bの値と、払出制御基板Hの停電カウンタ33bの値とを相互に確認することによって、異常(不具合)等によって、主制御基板Cおよび払出制御基板Hへ停電信号51が正常に出力されているか否かを確認する。主制御基板Cおよび払出制御基板Hの停電カウンタ13b,33bの値が一致しない場合には、初期化処理を行い、それぞれのRAM13,33の内容をクリアするものである。よって、主制御基板Cおよび払出制御基板Hの停電カウンタ13b,33bの値を確認することで、断線等によってどちらか一方の停電カウンタ13b,33bしか計数されないといった不具合を早期に認識することができる。
【0018】
MPU11は、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン14を介して入出力ポート15と接続されている。入出力ポート15は、複数本の信号線16を介して払出制御基板Hと双方向通信可能に接続されるほか、複数の普通入賞スイッチ17〜20と、第1種始動口スイッチ21と、Vカウントスイッチ22と、10カウントスイッチ23と、電源基板40に設けられたクリアスイッチ43と、他の入出力装置24と、それぞれ接続されている。
【0019】
普通入賞スイッチ17〜20は、遊技盤1内の複数の普通入賞口2へ入賞した球をそれぞれ検出するためのスイッチであり、各普通入賞口2の入口近傍に設けられている。第1種始動口スイッチ21は、図柄作動口(第1種始動口)4へ入賞した球を検出するためのスイッチであり、図柄作動口4の近傍に設けられている。普通入賞スイッチ17〜20のいずれか又は第1種始動口スイッチ21によって球が検出されると、払出制御基板Hによって5個の賞球が払い出される。
【0020】
Vカウントスイッチ22は、特定入賞口5内のVゾーン5aへ入賞した球を検出するためのスイッチであり、また、10カウントスイッチ23は、特定入賞口5内のVゾーン5a以外へ入賞した球を検出するためのスイッチである。Vカウントスイッチ22又は10カウントスイッチ23により球が検出されると、払出制御基板Hによって15個の賞球が払い出される。
【0021】
クリアスイッチ43は、電源基板40に設けられており、主制御基板C及び払出制御基板Hの各RAM13,33にバックアップされるデータをクリアするためのスイッチであり、押しボタンタイプのスイッチで構成されている。このクリアスイッチ43が押下された状態でパチンコ機Pの電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、RAMクリア信号が主制御基板C及び払出制御基板Hへ出力され、RAM13,33のデータがそれぞれクリアされる。
【0022】
払出制御基板Hは、賞球や貸球の払出制御を行うものであり、演算装置であるMPU31と、そのMPU31により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM32と、ワークメモリ等として使用されるRAM33とを備えている。図3及び図6に示すフローチャートのプログラムは、制御プログラムの一部としてROM32内に記憶されている。
【0023】
払出制御基板HのRAM33には、バックアップエリア33aと、停電カウンタ33bとが設けられている。RAM33には、電源の切断後においても電源基板40からバックアップ電圧が供給されており、RAM33の各値をパチンコ機Pの電源が切断された場合にも保持(バックアップ)できるようにされている。
【0024】
バックアップエリア33aは、前述した主制御基板Cのバックアップエリア13aと同様に、停電などの発生により電源が切断された場合、電源の再入時に、パチンコ機Pの状態を電源切断前の状態に復帰させるため、電源切断時(停電発生時を含む。以下、同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアである。このバックアップエリア33aへの書き込みは、NMI割込処理(図3参照)によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア33aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時(停電解消による電源入を含む。以下、同様)の復帰処理(復電処理)において実行される。
【0025】
停電カウンタ33bは、前述した主制御基板Cの停電カウンタ13bと同様に、停電等が発生してパチンコ機Pの電源が断される場合に後述する電源基板40の停電監視回路42から出力される停電信号51の入力回数を計数するためのカウンタである。この停電カウンタ33bの値は、電源基板40の停電監視回路42から払出制御基板HのNMI割込端子へ停電信号51が出力された場合に行われるNMI割込処理が行われる毎に「1」加算される一方、初期化処理(図6参照)が行われると「0」クリアされる。
【0026】
MPU31は、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン34により入出力ポート35と接続されている。入出力ポート35は、複数本の信号線16を介して主制御基板Cと双方向通信可能に接続されるほか、電源基板40のクリアスイッチ43と、ドライバ回路36と、賞球カウントスイッチ38と、他の入出力装置39とにそれぞれ接続されている。
【0027】
ドライバ回路36は、払出用モータ37を駆動し回転させるための回路である。このドライバ回路36により払出用モータ37が回転されると、その回転数に応じた賞球又は貸球の払い出しが行われる。
【0028】
賞球カウントスイッチ38は、払出用モータ37によって実際に払い出された賞球を検出するためのスイッチであり、その出力は払出制御基板Hのみに入力されている。払出制御基板Hは、賞球カウントスイッチ38が賞球を検出した場合に、主制御基板Cへ賞球計数信号を出力するように構成されている。よって、賞球カウントスイッチ38を主制御基板Cと接続しなくても、主制御基板Cは賞球の払い出し動作を認識することができる。
【0029】
電源基板40は、パチンコ機Pの各部へ駆動電圧を供給するための基板であると共に、パチンコ機Pの状態に基づいてバックアップ用電圧の供給、リセット信号、RAMクリア信号52及び停電信号51等を出力するものである。主制御基板Cおよび払出制御基板Hは、この電源基板40から供給される5ボルトの駆動電圧により駆動されている。この電源基板40には、停電等の発生による電源断時に、主制御基板Cおよび払出制御基板Hの各MPU11,31にNMI割込端子へ停電信号51を出力するための回路である停電監視回路42が設けられている。この停電監視回路42は、電源基板40から出力される最も大きい電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号51を出力するように構成されている。この停電信号51の出力によって、主制御基板Cおよび払出制御基板Hは、停電の発生を認識し、停電処理(図3のNMI割込処理参照)を実行する。なお、電源基板40は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、停電処理の実行に充分な時間の間(停電時処理に好適な実行タイミングの待ち時間を含む)、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されているので、主制御基板Cおよび払出制御基板Hは、停電時処理を正常に実行することができる。
【0030】
次に、図3から図6に示すフローチャートを参照して、主制御基板Cおよび払出制御基板Hで行われる各処理について説明する。図3は、停電の発生等によるパチンコ機Pの電源断時に、主制御基板Cおよび払出制御基板Hで、それぞれ別々に実行されるNMI割込処理のフローチャートである。このNMI割込処理により、停電の発生等による電源断時の主制御基板Cおよび払出制御基板Hの状態がそれぞれバックアップエリア13a,33aに記憶される。なお、NMI割込処理は、主制御基板CのROM12と払出制御基板HのROM32とに、それぞれ別々に搭載される処理であるが、フローチャートの表記上、同様に表すことができるので、図3にまとめて図示している。
【0031】
停電の発生等によりパチンコ機Pの電源が断されると、停電信号51が主制御基板Cおよび払出制御基板HのMPU11,31のNMI(Non Maskable Interrupt)端子へそれぞれ出力される。各MPU11,31は、NMI端子に停電信号51が入力されると、それぞれ実行中の制御を中断して、図3のNMI割込処理を開始する。停電信号51が出力された後所定時間は、主制御基板Cおよび払出制御基板Hの処理が実行可能に電力供給されており、この所定時間内に、図3のNMI割込処理が実行される。
【0032】
NMI割込処理では、まず、停電カウンタ13b,33bの値に「1」を加算する(S1)。その後、各レジスタ、I/O等の値をスタックエリアへ書き込み(S2)、更に、スタックポインタの値をバックアップエリア13a,33aへ書き込んで(S3)、停電の発生等による電源断時の状態を記憶する。そして、停電が発生したことを示す停電発生情報をバックアップエリア13a,33aに書き込む(S4)。その後、主制御基板C及び払出制御基板Hに応じてそれぞれ異なるその他の停電処理を実行し(S5)、その後は、電源が完全に断して処理が実行できなくなるまで、処理をループする。
【0033】
図4は、パチンコ機Pの主制御基板Cにおいて実行されるメイン処理のフローチャートである。パチンコ機Pの主な制御は、このメイン処理によって実行される。メイン処理では、まず、割込を禁止した後(S11)、図5に示す初期化処理を実行する(S12)。
【0034】
図5は、パチンコ機Pの電源入時に主制御基板Cのメイン処理の中で実行される初期化処理(S12)のフローチャートである。この処理では、バックアップが有効であれば、バックアップエリア13aに記憶された各データを元の状態に戻し、遊技の制御を電源が断される前の状態から続行する。一方、バックアップが有効でなかったり、バックアップが有効であっても電源入時にクリアスイッチ43が押下された場合、或いは、主制御基板Cおよび払出制御基板Hに設けられた停電カウンタ13b,33bの値が一致しなかった場合には、RAMクリア及び初期化処理を実行する。なお、この初期化処理(S12)は、サブルーチンの形式で記載されているが、スタックポインタの設定前に実行される処理なので、実際には、サブルーチンコールされずに、S11の処理後に順に実行される。
【0035】
まず、スタックポインタを設定し(S41)。クリアスイッチ43がオンされているか否かを確認する(S42)。クリアスイッチ43がオンされていなければ(S42:No)、バックアップが有効であるか否かを確認する(S43)。この確認は、RAM13の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく記憶されているか否かにより判断する。キーワードが正しく記憶されていればバックアップは有効であり、逆に、キーワードが正しくなければバックアップデータは破壊されているので、そのバックアップは有効ではない。バックアップが有効であれば(S43:Yes)、処理をS46へ移行して、主制御基板Cの各状態を電源断前の状態に復帰させる。一方、バックアップが有効でなかったり(S43:No)、或いはクリアスイッチ43がオンされていれば(S42:Yes)、RAMクリア及び初期化処理を実行して(S44)、RAM13及びI/O等の各値を初期化し、初期化処理を行った旨をLCD3や図示しないスピーカ等によって報知して(S45)、この初期化処理を終了する。このS45の処理の終了後は、図5のS13の処理が実行される。
【0036】
S46からの処理では、まず、バックアップエリア13aからスタックポインタの値を読み出して、これをスタックエリアへ書き込み、電源断前(停電前)の状態、即ちNMI割込発生前の状態に戻す(S46)。その後、スタックエリアへ退避した各レジスタやI/O等のデータをスタックエリアから読み出して、これら各データを元のレジスタやI/O等へ書き込む(S47)。更に、割込状態を停電発生時に実行される図3の処理で記憶しておいた電源断前(停電前)の状態、即ちNMI割込発生前の状態に戻す(S48)。
【0037】
S48の処理の後は、払出制御基板Hから停電カウンタ33bに関するコマンドを受信したか否かを確認し(S49)、払出制御基板Hから停電カウンタ33bに関するコマンドを受信していなければ(S49:No)、停電カウンタ33bに関するコマンドを受信するまで待機する。一方、払出制御基板Hから停電カウンタ33bに関するコマンドを受信した場合には(S49:Yes)、主制御基板Cの停電カウンタ13bと払出制御基板Hの停電カウンタ33bとの値が一致するか否かを確認する(S50)。主制御基板Cの停電カウンタ13bの値と払出制御基板Hの停電カウンタ33bの値とが一致していなければ(S50:No)、異常等によって主制御基板Cと払出制御基板Hとに停電信号51が同等に出力されていないということなので、主制御基板Cおよび払出制御基板Hの停電カウンタ13b,33bの値が不一致であることを示すコマンドを払出制御基板Hへ送信し(S52)、処理をS44へ移行して、RAMクリア及び初期化処理を実行する。
【0038】
一方、S50の処理において、主制御基板Cの停電カウンタ13bと払出制御基板Hの停電カウンタ33bとの値が一致した場合は(S50:Yes)、主制御基板Cと払出制御基板Hとに停電信号51が同等に出力されているということなので、主制御基板Cおよび払出制御基板Hの停電カウンタ13b,33bの値が一致したことを示すコマンドを払出制御基板Hへ送信し(S51)、NMI割込リターンを実行して、処理を電源断前に実行していたところへ戻して、制御を電源断前の状態から続行する。
【0039】
図4のフローチャートの戻って説明する。S13の処理ではタイマ割込の設定を行う(S13)。タイマ割込の設定後は、各割込を許可状態とする(S14)。割込の許可後は、特別図柄変動処理(S25)や、表示データ作成処理(S27)、ランプ・情報処理(S28)などにより、前回の処理で更新された出力データを一度に各ポートへ出力するポート出力処理を実行する(S15)。更に、大当たりを決定するための乱数カウンタの値を「+1」更新する乱数更新処理(S16)を実行し、記憶タイマ減算処理を実行する(S17)。記憶タイマ減算処理は、大当たり判定の保留球が所定数以上あり、且つ、LCD3において図柄の変動表示中である場合に、図柄の変動表示の時間短縮を行うものである。
【0040】
スイッチ監視処理(S18)は、INT割込で読み込まれた各スイッチの状態に応じて、遊技領域へ打ち込まれた球の入賞口2や大入賞口5、図柄作動口4への入賞、更には賞球の払い出し等に関する処理を行うものである。図柄カウンタ更新処理(S20)では、LCD3で行われる変動表示の結果、停止表示される図柄を決定するためのカウンタの更新処理が行われる。また、図柄チェック処理(S21)では、図柄カウンタ更新処理(S20)で更新されたカウンタの値に基づいて、特別図柄変動処理(S25)で使用される大当たり図柄や、はずれ図柄、更にはリーチ図柄などが決定される。
【0041】
その後、普通図柄変動処理(S23)によって、普通図柄の変動表示を行うと共に、その変動表示の結果、当たりが発生した場合には図柄作動口4を所定時間開放する当たり処理を実行する。その後、状態フラグをチェックし(S24)、LCD3において特別図柄の変動開始または変動表示中であれば(S24:図柄変動中)、特別図柄変動処理(S25)によって、球が図柄作動口4を通過するタイミングで読み取った乱数カウンタの値に基づいて、大当たりか否かの判定が行われると共に、LCD3に表示される特別図柄の変動処理を実行する。一方、状態フラグをチェックした結果、大当たり中であれば(S24:大当り中)、大入賞口5を開放するなどの大当たり処理(S26)を実行する。更に、状態フラグをチェックした結果、特別図柄の変動中でも大当たり中でもなければ(S24:その他)、S25及びS26の処理をスキップして、S27の表示データ作成処理へ移行する。
【0042】
表示データ作成処理(S27)では、図柄の変動表示以外にLCD3に表示されるデモデータやなどが作成され、ランプ・情報処理(S28)では、保留球のランプデータをはじめ、各種のランプデータが作成される。効果音処理(S29)では、遊技の状況に応じた効果音データが作成される。なお、これらの表示データ及び効果音データは、前記したポート出力処理(S15)やタイマ割込処理によって表示用制御基板Dへ出力される。
【0043】
効果音処理(S29)の終了後は、次のS15の処理の実行タイミングが到来するまでの残余時間の間、大当たりを決定するための乱数カウンタの初期値を更新する乱数初期値更新処理(S30)を繰り返し実行する。S15〜S29の各処理は定期的に実行する必要があるので、S31の処理において、前回のS15の処理の実行からの経過時間をチェックする(S31)。チェックの結果、前回のS15の処理の実行から所定時間経過していれば(S31:Yes)、処理をS15へ移行し、一方、所定時間経過していなければ(S31:No)、処理をS30へ移行して、乱数初期値更新処理(S30)の実行を繰り返す。ここで、S15〜S29の各処理の実行時間は、遊技の状態に応じて変化するので、次のS15の処理の実行タイミングが到来するまでの残余時間は、一定の時間ではない。よって、かかる残余時間を使用して乱数初期値更新処理(S30)を繰り返し実行することにより、乱数カウンタの初期値をランダムに更新することができる。
【0044】
図6は、パチンコ機Pの電源入時に払出制御基板Hのメイン処理の中で実行される初期化処理のフローチャートである。この処理では、バックアップが有効であれば、バックアップエリア33aに記憶された各データを元の状態に戻し、遊技の制御を電源が断される前の状態から続行する。一方、バックアップが有効でなかったり、バックアップが有効であっても電源入時にクリアスイッチ43が押下された場合、或いは、主制御基板Cおよび払出制御基板Hに設けられた停電カウンタ13b,33bの値が一致しなかった場合、即ち、主制御基板Cから停電カウンタ13b,33bの値が不一致であったことを示すコマンドを受信した場合には、RAMクリア及び初期化処理を実行する。なお、この初期化処理は、サブルーチンの形式で記載されているが、スタックポインタの設定前に実行される処理なので、実際には、サブルーチンコールされずに、順に実行される。
【0045】
まず、スタックポインタを設定し(S61)。クリアスイッチ43がオンされているか否かを確認する(S62)。クリアスイッチ43がオンされていなければ(S62:No)、バックアップが有効であるか否かを確認する(S63)。この確認は、RAM33の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく記憶されているか否かにより判断する。キーワードが正しく記憶されていればバックアップは有効であり、逆に、キーワードが正しくなければバックアップデータは破壊されているので、そのバックアップは有効ではない。バックアップが有効であれば(S63:Yes)、処理をS66へ移行して、払出制御基板Hの各状態を電源断前の状態に復帰させる。一方、バックアップが有効でなかったり(S663:No)、或いはクリアスイッチ43がオンされていれば(S62:Yes)、RAMクリア及び初期化処理を実行して(S64)、RAM33及びI/O等の各値を初期化し、初期化処理を行った旨をLCD3や図示しないスピーカ等によって報知して(S65)、この初期化処理を終了する。このS65の処理の終了後は、払出制御基板Hのメイン処理(図示せず)に戻って、通常のメイン処理が実行される。
【0046】
S66からの処理では、まず、バックアップエリア33aからスタックポインタの値を読み出して、これをスタックポインタへ書き込み、電源断前(停電前)の状態、即ちNMI割込発生前の状態に戻す(S66)。その後、スタックエリアへ退避した各レジスタやI/O等のデータをスタックエリアから読み出して、これら各データを元のレジスタやI/O等へ書き込む(S67)。更に、割込状態を停電発生時に実行される図3の処理で記憶しておいた電源断前(停電前)の状態、即ちNMI割込発生前の状態に戻す(S68)。
【0047】
S68の処理の後は、停電カウンタ33bの値に応じたコマンドを主制御基板Cへ送信し(S69)、主制御基板Cから停電カウンタ13b,33bの値が一致又は不一致であることを示すコマンドを受信するまで待機する(S70:No、S71:No)。S70の処理において、主制御基板Cから主制御基板Cの停電カウンタ13bの値と払出制御基板Hの停電カウンタ33bの値とが不一致であることを示すコマンドを受信した場合は(S70:Yes)、異常等によって主制御基板Cと払出制御基板とに停電信号51が同等に出力されていないということなので、処理をS64へ移行して、RAMクリア及び初期化処理を実行する。
【0048】
一方、S71の処理において、主制御基板Cの停電カウンタ13bと払出制御基板Hの停電カウンタ33bとの値が一致したことを示すコマンドを受信した場合は(S71:Yes)、主制御基板Cと払出制御基板Hとに停電信号51が同等に出力されているということなので、NMI割込リターンを実行して、処理を電源断前に実行していたところへ戻して、制御を電源断前の状態から続行する。
【0049】
以上説明したように、第1実施例のパチンコ機によれば、主制御基板C及び払出制御基板Hにそれぞれ設けられた停電カウンタ13b,33bの値を相互に確認することで、断線等によってどちらか一方の停電カウンタ13b,33bしか計数されないといった不具合を早期に認識することができる。
【0050】
次に、図7及び図8を参照して第2実施例について説明する。第1実施例では、電源入時(復電時)に主制御基板C及び払出制御基板Hの停電カウンタ13b,33bの値をそれぞれ確認し、不一致の場合にRAMクリア及び初期化処理を行っていた。これに対し、第2実施例では、電源入時の復電処理において、主制御基板Cのバックアップエリア13aに記憶されるデータが壊れている状態で、払出制御基板Hのバックアップエリア33aに記憶されるデータが有効である場合に、主制御基板Cから払出制御基板Hへ初期化処理を行わせる初期化コマンドを送信し、主制御基板C及び払出制御基板Hでともに初期化処理を実行する。その後、両制御基板C,Hで初期化処理が実行されたことを報知するように構成されている。
【0051】
従来、主制御基板C及び払出制御基板Hにはバックアップエリア13a,33aが備えられ、電源がオフの状態でも、後述する電源基板40からの電力が供給されてバックアップデータが保持されている。このような構成において、主制御基板CのRAM13と払出制御基板HのRAM33は容量が異なっているため、その個体差によって、バックアップされる時間に差が出て、いずれか片方のバックアップデータのみが壊されて状態が発生してしまい、パチンコ機Pが誤動作してしまうという問題があった。また、バックアップデータが頻繁に破壊されている場合には、電源基板40からの信号線が断線している可能性がある。
【0052】
本実施例では、主制御基板Cのバックアップエリア13aに記憶されるデータが欠落又は破損していた場合に初期化処理を実行すると共に、主制御基板Cで初期化処理が行われたことを示す初期化実行情報(初期化コマンド)を払出制御基板Hへ送信し、払出制御基板Hは、その初期化実行情報を受信した場合に初期化処理を実行する。よって、主制御基板Cのみが初期化してパチンコ機Pの制御が誤動作してしまう等の、主制御基板C及び払出制御基板Hにおける制御の相関が崩れることを未然に防ぐことができる。
【0053】
図7は、第2実施例のパチンコ機Pの電源入時に主制御基板Cのメイン処理の中で実行される初期化処理のフローチャートである。この処理では、主制御基板Cのバックアップエリア13aに記憶されるデータが有効でない場合に、主制御基板Cから払出制御基板Hへ初期化処理を行わせる初期化コマンドを送信し、主制御基板C及び払出制御基板Hでともに初期化処理を実行する。なお、この初期化処理は、サブルーチンの形式で記載されているが、スタックポインタの設定前に実行される処理なので、実際には、サブルーチンコールされずに実行される。
【0054】
まず、スタックポインタを設定し(S81)。クリアスイッチ43がオンされているか否かを確認する(S82)。クリアスイッチ43がオンされていなければ(S82:No)、バックアップが有効であるか否かを確認する(S83)。この確認は、RAM13の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく記憶されているか否かにより判断する。キーワードが正しく記憶されていればバックアップは有効であり、逆に、キーワードが正しくなければバックアップデータは破壊されているので、そのバックアップは有効ではない。バックアップが有効であれば(S83:Yes)、処理をS87へ移行して、主制御基板Cの各状態を電源断前の状態に復帰させる。一方、バックアップが有効でない場合には(S83:No)、払出制御基板Hを初期化するために、初期化コマンドを払出制御基板Hへ送信して(S84)、RAMクリア及び初期化処理を実行して(S85)、RAM13及びI/O等の各値を初期化し、初期化処理を行った旨をLCD3や図示しないスピーカ等によって報知して(S86)、この初期化処理を終了する。このS86の処理の終了後は、主制御基板Cのメイン処理(図4参照)に戻って、通常のメイン処理が実行される。なお、S82の処理において、クリアスイッチ43がオンされていれば(S82:Yes)、処理をS85へ移行して、初期化処理を実行する(S85)。
【0055】
S87からの処理では、まず、バックアップエリア13aからスタックポインタの値を読み出して、これをスタックエリアへ書き込み、電源断前(停電前)の状態、即ちNMI割込発生前の状態に戻す(S87)。その後、スタックエリアへ退避した各レジスタやI/O等のデータをスタックエリアから読み出して、これら各データを元のレジスタやI/O等へ書き込む(S88)。更に、割込状態を停電発生時に実行される図3の処理で記憶しておいた電源断前(停電前)の状態、即ちNMI割込発生前の状態に戻す(S89)。S89の処理の後は、NMI割込リターンを実行して、処理を電源断前に実行していたところへ戻して、制御を電源断前の状態から続行する。
【0056】
図8は、第2実施例のパチンコ機Pの電源入時に払出制御基板Hのメイン処理の中で実行される初期化処理のフローチャートである。この処理では、払出制御基板Hのバックアップエリア33aに記憶されるデータが有効であった場合でも、主制御基板Cから初期化処理を行わせる初期化コマンドを受信したとき、バックアップエリア33aに記憶されたデータをクリアするために初期化処理を実行する。なお、この初期化処理は、サブルーチンの形式で記載されているが、スタックポインタの設定前に実行される処理なので、実際には、サブルーチンコールされずに実行される。
【0057】
まず、スタックポインタを設定し(S91)。クリアスイッチ43がオンされているか否かを確認する(S92)。クリアスイッチ43がオンされていなければ(S92:No)、バックアップが有効であるか否かを確認する(S93)。この確認は、RAM33の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく記憶されているか否かにより判断する。キーワードが正しく記憶されていればバックアップは有効であり、逆に、キーワードが正しくなければバックアップデータは破壊されているので、そのバックアップは有効ではない。バックアップが有効であれば(S93:Yes)、処理をS96へ移行して、払出制御基板Hの各状態を電源断前の状態に復帰させる復帰処理を実行する。一方、バックアップが有効でない場合には(S93:No)、RAMクリア及び初期化処理を実行して(S94)、RAM33及びI/O等の各値を初期化し、その後、LCD3または図示しないスピーカ等によって初期化処理を行った旨を報知して(S95)、この初期化処理を終了する。なお、S92の処理において、クリアスイッチ43がオンされている場合は(S92:Yes)、S94の処理へ移行して、初期化処理を実行する。
【0058】
S96からの処理では、まず、バックアップエリア33aからスタックポインタの値を読み出して、これをスタックエリアへ書き込み、電源断前(停電前)の状態、即ちNMI割込発生前の状態に戻す(S96)。その後、スタックエリアへ退避した各レジスタやI/O等のデータをスタックエリアから読み出して、これら各データを元のレジスタやI/O等へ書き込む(S97)。更に、割込状態を停電発生時に実行される図3の処理で記憶しておいた電源断前(停電前)の状態、即ちNMI割込発生前の状態に戻す(S98)。
【0059】
S98の処理の後は、主制御基板Cから初期化コマンドを受信する所定時間待機するために、ウェイト処理を行い(S99)、その待機時間中に主制御基板Cから初期化コマンドを受信していなければ(S100:No)、NMI割込リターンを実行して、処理を電源断前に実行していたところへ戻して、制御を電源断前の状態から続行する。
【0060】
一方、S100の処理において、ウェイト処理の待機時間以内に主制御基板Cから初期化コマンドを受信していれば(S100:Yes)、主制御基板Cのバックアップエリア13aに記憶されるバックアップデータが壊れて主制御基板CでRAMクリア及び初期化処理が実行されるということなので、払出制御基板Hも初期化処理を行うために、処理をS94へ移行する。よって、主制御基板Cのバックアップエリア13aに記憶されるデータが欠落又は破損していた場合に初期化処理を実行すると共に、払出制御基板Hのバックアップエリア33aに初期化処理を実行させる初期化コマンドを払出制御基板Hへ送信することによって、主制御基板Cのみが初期化してパチンコ機Pの制御が誤動作してしまうことを未然に防ぐことができる。
【0061】
次に、図9及び図10を参照して第3実施例について説明する。第1実施例では、電源入時(復電時)に主制御基板C及び払出制御基板Hの停電カウンタ13b,33bの値をそれぞれ確認し、不一致の場合にRAMクリア及び初期化処理を行っていた。これに対し、第3実施例では、電源入時の復電処理において、主制御基板Cは、クリアスイッチ43がオンされて電源が投入された場合において、電源基板40から出力されるRAMクリア信号を受信したとき、払出制御基板Hが同様にRAMクリア信号を受信しているか否かを確認する。確認の結果、主制御基板CがRAMクリア信号を受信しているにもかかわらず払出制御基板HがRAMクリア信号を受信していない場合は、払出制御基板Hは主制御基板Cへ初期化処理を停止させる初期化停止信号を送信して、主制御基板Cでの初期化処理を停止させると共に、バックアップエリア13aに記憶されるデータに基づいた遊技を開始させ、主制御基板CのみがRAMクリア信号を受信しているというエラーを報知するように構成されている。
【0062】
従来、バックアップエリア13a,33aに記憶されるデータをクリアするRAMクリア信号は主制御基板C及び払出制御基板Hへ同様に出力されるように構成されている。この構成において、主制御基板C又は払出制御基板Hのいずれか一方のみにRAMクリア信号が出力されている場合は、いずれかの信号線が断線している等の異常が発生していることが考慮される。
【0063】
また、パチンコ機Pの電源入時に、ノイズが発生して、RAMクリア信号が主制御基板C又は払出制御基板Hのいずれか片方に入力されてしまう場合があった。
【0064】
更に、パチンコ機Pの電源入時に、主制御基板Cは正常な制御を行うため、遅延回路等を配設して払出制御基板Hが先に立ち上がるように構成されている。このような構成において、RAM13,33を初期化するためにクリアスイッチ43をオンしながら電源をオンしたときに、そのクリアスイッチ43のオンを瞬時に解除してしまった場合、遅延回路等の影響で主制御基板Cの立ち上がりが遅れてRAMクリア信号が払出制御基板Hのみに入力され、主制御基板Cに正常に入力されない場合があった。
【0065】
本実施例では、上述した問題を解決するために、主制御基板C及び払出制御基板HがRAMクリア信号を受信しているか否かを確認することによって、いずれか一方の制御基板C,HのみへRAMクリア信号が出力いるか否かを認識することができるので、早期に断線等の不具合(異常)を認識することができる。
【0066】
図9は、第3実施例のパチンコ機Pの電源入時に主制御基板Cのメイン処理の中で実行される初期化処理のフローチャートである。なお、この初期化処理は、サブルーチンの形式で記載されているが、スタックポインタの設定前に実行される処理なので、実際には、サブルーチンコールされずに実行される。
【0067】
まず、スタックポインタを設定し(S111)。バックアップが有効であるか否かを確認する(S112)。この確認は、RAM13の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく記憶されているか否かにより判断する。キーワードが正しく記憶されていればバックアップは有効であり、逆に、キーワードが正しくなければバックアップデータは破壊されているので、そのバックアップは有効ではない。バックアップが有効である場合は(S112:Yes)、次にクリアスイッチ43がオンされてRAMクリア信号を受信しているか否かを確認する(S113)。クリアスイッチ43がオンされてRAMクリア信号を受信していなければ(S113:No)、処理をS120へ移行して、主制御基板Cの各状態を電源断前の状態に復帰させる。一方、クリアスイッチ43がオンされてRAMクリア信号を受信していれば(S113:Yes)、RAMクリア信号を受信したことを示すRAMクリア受信信号を払出制御基板Hへ送信する(S114)。その後、払出制御基板HからRAMクリア停止信号又はRAMクリア受信信号のいずれかを受信するまで所定時間待機し(S115)、その所定時間中に払出制御基板HからRAMクリア停止信号を受信せずにRAMクリア受信信号を受信していれば(S116:No、S117:Yes)、主制御基板C及び払出制御基板Hへ正常にRAMクリア信号が出力されているということなので、RAM13に記憶されるデータをクリアするためにRAMクリア及び初期化処理を実行し(S118)、RAMクリア及び初期化処理を実行した旨を報知して(S119)、この初期化処理を終了する。なお、S112の処理において、バックアップが有効でなかった場合は(S112:No)、処理をS118へ移行して同様の処理を行う。
【0068】
一方、S116又はS117の処理において、RAMクリア停止信号を受信又はRAMクリア受信信号を受信していなければ(S116:Yes、又は、S117:No)、主制御基板CのみがRAMクリア信号を受信していたということなので、処理をS123へ移行して、払出制御基板HがRAMクリアを正常に受信していないというエラーが発生したことをLCD3又は図示しないスピーカ等で報知し(S123)、その後の処理をS124へ移行する。
【0069】
S120からの処理では、まず、払出制御基板HからRAMクリア受信信号を受信するまで所定時間待機し(S120)、その所定時間中に払出制御基板HからRAMクリア受信信号を受信していれば(S121:Yes)、払出制御基板HでRAMクリア信号が受信されたということなので、払出制御基板Hへ初期化処理を停止させるRAMクリア停止信号を送信して(S122)、主制御基板C及び払出制御基板HがRAMクリア信号を正常に受信していないというエラーが発生したことをLCD3又は図示しないスピーカ等で報知し(S123)、その後の処理をS124へ移行する。
【0070】
一方、所定時間以内に払出制御基板HからRAMクリア受信信号を受信していなければ(S121:No)、主制御基板C及び払出制御基板HへRAMクリア信号は出力されていないということなので、処理をS124へ移行して、バックアップエリア13aに記憶されているデータを復帰させる復帰処理を行う。
【0071】
S124の処理では、バックアップエリア13aからスタックポインタの値を読み出して、これをスタックエリアへ書き込み、電源断前(停電前)の状態、即ちNMI割込発生前の状態に戻す(S124)。その後、スタックエリアへ退避した各レジスタやI/O等のデータをスタックエリアから読み出して、これら各データを元のレジスタやI/O等へ書き込む(S125)。更に、割込状態を停電発生時に実行されるNMI割込発生前の状態に戻す(S126)。S126の処理の後は、NMI割込リターンを実行して、処理を電源断前に実行していたところへ戻して、制御を電源断前の状態から続行する。
【0072】
図10は、第3実施例のパチンコ機Pの電源入時に払出制御基板Hのメイン処理の中で実行される初期化処理のフローチャートである。なお、この初期化処理は、サブルーチンの形式で記載されているが、スタックポインタの設定前に実行される処理なので、実際には、サブルーチンコールされずに実行される。
【0073】
まず、スタックポインタを設定し(S131)。バックアップが有効であるか否かを確認する(S132)。この確認は、RAM33の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく記憶されているか否かにより判断する。キーワードが正しく記憶されていればバックアップは有効であり、逆に、キーワードが正しくなければバックアップデータは破壊されているので、そのバックアップは有効ではない。バックアップが有効である場合は(S132:Yes)、次にクリアスイッチ43がオンされてRAMクリア信号を受信しているか否かを確認する(S133)。クリアスイッチ43がオンされてRAMクリア信号を受信していなければ(S133:No)、処理をS140へ移行して、払出制御基板Hの各状態を電源断前の状態に復帰させる。一方、クリアスイッチ43がオンされてRAMクリア信号を受信していれば(S133:Yes)、RAMクリア信号を受信したことを示すRAMクリア受信信号を主制御基板Cへ送信する(S134)。その後、主制御基板CからRAMクリア停止信号又はRAMクリア受信信号のいずれかを受信するまで所定時間待機し(S135)、その所定時間中に主制御基板CからRAMクリア停止信号を受信せずにRAMクリア受信信号を受信していれば(S136:No、S137:Yes)、主制御基板C及び払出制御基板Hに正常にRAMクリア信号が出力されているということなので、RAM33に記憶されるデータをクリアするためにRAMクリア及び初期化処理を実行し(S138)、RAMクリア及び初期化処理を実行した旨を報知して(S139)、この初期化処理を終了する。なお、S132の処理において、バックアップが有効でなかった場合は(S132:No)、処理をS138へ移行して同様の処理を行う。
【0074】
一方、S136又はS137の処理において、RAMクリア停止信号を受信又はRAMクリア受信信号を受信していなければ(S136:Yes、又は、S137:No)、払出制御基板HのみがRAMクリア信号を受信していたということなので、処理をS143へ移行して、主制御基板CがRAMクリアを正常に受信していないというエラーが発生したことをLCD3又は図示しないスピーカ等で報知し(S143)、その後の処理をS144へ移行する。
【0075】
S140からの処理では、まず、主制御基板CからRAMクリア受信信号を受信するまで所定時間待機し(S140)、その所定時間中に主制御基板CからRAMクリア受信信号を受信していれば(S141:Yes)、主制御基板CでRAMクリア信号が受信されたということなので、主制御基板Cへ初期化処理を停止させるRAMクリア停止信号を送信して(S142)、主制御基板C及び払出制御基板HがRAMクリアを正常に受信していないというエラーが発生したことをLCD3又は図示しないスピーカ等で報知し(S143)、その後の処理をS144へ移行する。
【0076】
一方、所定時間以内に払出制御基板HからRAMクリア受信信号を受信していなければ(S141:No)、主制御基板C及び払出制御基板HへRAMクリア信号は出力されていないということなので、処理をS144へ移行して、バックアップエリア33aに記憶されているデータを復帰させる復帰処理を行う。
【0077】
S144の処理では、バックアップエリア33aからスタックポインタの値を読み出して、これをスタックエリアへ書き込み、電源断前(停電前)の状態、即ちNMI割込発生前の状態に戻す(S144)。その後、スタックエリアへ退避した各レジスタやI/O等のデータをスタックエリアから読み出して、これら各データを元のレジスタやI/O等へ書き込む(S145)。更に、割込状態を停電発生時に実行されるNMI割込発生前の状態に戻す(S146)。S146の処理の後は、NMI割込リターンを実行して、処理を電源断前に実行していたところへ戻して、制御を電源断前の状態から続行する。
【0078】
以上、各実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
【0079】
例えば、第1実施例では、払出制御基板Hから主制御基板Cへ停電カウンタ33bの値に応じたコマンドを送信し、主制御基板Cはそのコマンドに応じた返答コマンドを払出制御基板Hへ送信して、主制御基板Cの停電カウンタ13bの値を基準にしている。これに代えて、主制御基板Cから払出制御基板Hへ停電カウンタ13bの値に応じたコマンドを送信し、払出制御基板Hはそのコマンドに応じた返答コマンドを主制御基板Cへ送信するようにして、払出制御基板Hの停電カウンタ33bの値を基準とするように構成しても良い。
【0080】
また、第1実施例では、復電処理時に払出制御基板Hから主制御基板Cへ停電カウンタ33bの値に応じたコマンドを送信し、主制御基板Cはそのコマンドに応じた返答コマンドを払出制御基板Hへ送信して、主制御基板Cの停電カウンタ13bの値と払出制御基板Hの停電カウンタ33bとを確認していた。これに代えて、停電発生時に主制御基板Cは、大当たり等を決定する乱数カウンタ(図示せず)の値を払出制御基板Hへ送信し、主制御基板Cと払出制御基板Hとでその乱数カウンタの値をバックアップデータとして記憶する。そして、電源入時の復電処理時に、主制御基板Cは払出制御基板Hへ、再度、乱数カウンタの値を送信し、払出制御基板Hは乱数カウンタの値が一致するか否かを確認することで、主制御基板C及び払出制御基板Hの制御の相関の崩れを確認するように構成しても良い。電源が切断された停電状態の前と後とで主制御基板C及び払出制御基板Hが送受信する情報(例えば、乱数カウンタ)の値を確認することで、相関の崩れを認識することができ、相関の崩れに対応する処置を施すことができる。なお、電源が切断された停電状態の前と後とで送受信する情報は、電源が切断された停電状態の前と後とで一義的な関係になる情報であれば良い。
【0081】
本発明を上記実施例とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施しても良い。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
【0082】
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄が特定図柄であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えたスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【0083】
以下に本発明の変形例を示す。遊技の制御を行う主制御手段と、その主制御手段からの遊技制御指令に基づいて動作する従制御手段とを備えた遊技機において、前記主制御手段および従制御手段は、所定状況における当該制御手段の制御状態に関する制御状態情報を 他方の制御手段へ出力可能に構成されると共に、前記他方の制御手段は、前記制御状態情報に応じた制御を行うことを特徴とする遊技機0。
遊技機0において、停電等の電源断を監視する停電監視手段と、その停電監視手段により停電等によって電源が切断されると判断された場合に、前記主制御手段および従制御手段で行われる遊技内容等のデータを電源の切断後においても保持(記憶)するバックアップ手段とを備えており、前記主制御手段および従制御手段は、電源入時に前記バックアップ手段に保持されたデータに基づいて、電源の切断前の制御の状態から遊技を再開するものであることを特徴とする遊技機1。停電監視手段により停電等によって電源が切断されると判断された場合に、主制御手段および従制御手段で行われる遊技内容等のデータを電源の切断後においてもバックアップ手段において保持し、電源入時にバックアップ手段に保持されたデータに基づいて遊技を再開する。よって、停電等によって電源が切断された場合も主制御手段および従制御手段で行われる制御の相関を崩すことなく、電源が復帰した後も相関した制御を行うことができる。
【0084】
遊技機0又は1において、前記所定状況は、電源入時における復電処理に基づく状況であることを特徴とする遊技機2。主制御手段及び従制御手段は、電源入時における復電処理に基づく状況において、当該制御手段の制御状態情報を他方の制御手段に出力可能であると共に、他方の制御手段は、制御状態情報に応じた制御を行うことができる。よって、電源復帰時(復電時)における制御の相関の崩れ等を把握することができ、復電後においても相関を保った制御を行うことができる。従って、相関が崩れることにより生ずる不具合を解消することができる。
【0085】
遊技機0から2のいずれかにおいて、前記制御状態情報は、前記バックアップ手段に保持(記憶)されるデータの少なくとも一部を初期化又はクリアする初期化処理に関する情報であることを特徴とする遊技機3。主制御手段又は従制御手段のいずれか一方のバックアップ手段に保持されるデータが壊れてしまった場合、主制御手段及び従制御手段は、互いに相関を保った制御を行うことができずに制御が暴走して遊技機が誤作動してしまう。しかし、遊技機3によれば、主制御手段及び従制御手段は、他方の制御手段のバックアップ手段に保持されるデータの少なくとも一部を初期化又はクリアする初期化処理に関する情報を出力可能に構成し、その他方の制御手段は、初期化処理に関する情報に応じた制御を行うことができる。よって、主制御手段又は従制御手段は、他方の制御手段の初期化処理に関する情報を得ることによって、初期化処理による制御の相関の崩れ等を把握することができ、他の制御手段で初期化処理が実行された場合も相関を保った制御を行うことができる。従って、相関が崩れることにより生ずる不具合を解消することができる。
【0086】
遊技機0から3のいずれかにおいて、前記制御状態情報は、前記主制御手段及び従制御手段の正常な制御では、双方の制御手段において同期する情報であることを特徴とする遊技機4。正常な制御では主制御手段及び従制御手段において同期するはずの情報を、主制御手段及び従制御手段は出力可能に構成し、その他方の制御手段は、その制御状態情報に応じた制御を行うことができる。よって、正常な制御では同期するはずの情報を判定することで、相関の崩れを判定することができると共に、その相関の崩れに対応する処置を施すことができる。
【0087】
遊技機0から4のいずれかにおいて、前記制御状態情報は、電源が切断された停電状態の前と後とで前記主制御手段及び従制御手段が受信する情報であることを特徴とする遊技機5。電源が切断された停電状態の前と後とで主制御手段及び従制御手段が受信する情報を、主制御手段及び従制御手段は出力可能に構成し、その他方の制御手段は、その制御状態情報に応じた制御を行うことができる。よって、電源が切断された停電状態の前と後とで主制御手段及び従制御手段が受信する情報の確認をすることで、相関の崩れを認識することができると共に、その相関の崩れに対応する処置を施すことができる。
【0088】
遊技機0から5のいずれかにおいて、前記制御状態情報は、電源が切断された停電状態の前と後とで一義的な関係になる情報であることを特徴とする遊技機6。制御状態情報は、停電状態の前と後とで一義的な関係となる情報であるので、停電状態の発生によって主制御手段と従制御手段との相関の崩れを判定することができる。
【0089】
遊技機1から6のいずれかにおいて、前記主制御手段又は従制御手段は、前記バックアップ手段に保持されるデータの少なくとも一部を初期化又はクリアする初期化処理を実行可能に構成されており、前記主制御手段又は従制御手段は、前記制御状態情報に応じて前記初期化処理を実行するものであることを特徴とする遊技機7。主制御手段又は従制御手段は、従制御手段又は主制御手段から出力される制御状態情報に応じて初期化処理を実行する。よって、停電等によって主制御手段及び従制御手段の相関が崩れた場合に、初期化処理を実行して、新たな相関を生じさせることができるので、相関が崩れることによって生ずる不具合を解消することができる。
【0090】
遊技機1から7のいずれかにおいて、前記主制御手段又は従制御手段は、前記制御状態情報における制御内容を告知するものであることを特徴とする遊技機8。制御状態情報における制御内容を告知することによって、主制御手段及び従制御手段の相関が崩れていたことを外部から認識することが可能となり、不正や断線等に対する遊技の安全性を向上させることができる。なお、制御内容とは、例えば、初期化処理の実行や停電処理の実行、或いは、復電処理の実行等が例示される。
【0091】
遊技機8において、前記主制御手段または従制御手段は、前記初期化処理が実行された場合に、その初期化処理の実行を告知するものであることを特徴とする遊技機9。初期化処理が行われたことを告知することによって、主制御手段及び従制御手段の相関が崩れていたことを外部から認識することが可能となり、不正や断線等に対する遊技制御の安全性を向上させることができる。
【0092】
遊技機1から9のいずれかにおいて、前記主制御手段及び従制御手段は、電源の切断されることを示唆する停電信号の入力回数を記憶する停電メモリを備え、前記主制御手段の停電メモリの値と前記従制御手段の停電メモリの値とが異なる場合に、前記他方の制御手段のバックアップ手段に保持されるデータの少なくとも一部を初期化またはクリアするものであることを特徴とする遊技機10。主制御手段及び従制御手段の停電メモリの値を確認することで、断線等によってどちらか一方の停電メモリしか計数されないといった不具合を早期に認識することができる。なお、停電メモリは、1ビットのメモリで構成されるフラグであっても、2ビット以上のメモリで構成されるカウンタ等であっても良い。
【0093】
遊技機10において、前記主制御手段又は従制御手段は、前記停電メモリの値に基づいた回数信号を前記従制御手段又は主制御手段へ出力するものであることを特徴とする遊技機11。主制御手段又は従制御手段から停電メモリの値に基づいた回数信号を従制御手段又は主制御手段へ出力することによって、主制御手段及び従制御手段がそれぞれの停電メモリの値を認識することができる。
【0094】
遊技機11において、前記主制御手段又は従制御手段は、前記従制御手段又は主制御手段から前記停電メモリの値に応じた回数信号を受信したかを判断する信号受信判断手段と、その信号受信判断手段によって回数信号が受信された場合に主制御手段及び従制御手段の両停電メモリの値が一致するか否かを判断するメモリ判断手段とを備えていることを特徴とする遊技機12。メモリ判断手段により主制御手段及び従制御手段のそれぞれの停電メモリの値が一致するか否かを判断することができる。
【0095】
遊技機12において、前記主制御手段または従制御手段は、前記メモリ判断手段によって前記両停電メモリの値が一致すると判断された場合に前記両停電メモリの値が一致することを示唆する一致信号を前記従制御手段又は主制御手段へ出力する一方、前記両停電メモリの値が一致しないと判断された場合に前記両停電メモリの値が一致しないことを示唆する不一致信号を前記従制御手段又は主制御手段へ出力する信号出力手段を備えていることを特徴とする遊技機13。主制御手段又は従制御手段は、信号出力手段から従制御手段又は主制御手段へ不一致信号を出力することで、それぞれの停電メモリの値が異なっていることを認識することができる。
【0096】
遊技機1から9のいずれかにおいて、前記主制御手段又は従制御手段は、前記バックアップ手段に保持されるデータが欠落又は破損していた場合にそのデータの少なくとも一部をクリア又は初期化すると共に、そのバックアップ手段に保持されるデータの少なくとも一部がクリア又は初期化されたことを示す初期化実行情報を前記従制御手段又は主制御手段へ出力するものあることを特徴とする遊技機14。主制御手段又は従制御手段のバックアップ手段に保持されるデータが欠落又は破損していた場合にそのデータの少なくとも一部をクリア又は初期化すると共に、そのバックアップ手段に保持されるデータの少なくとも一部がクリア又は初期化されたことを示す初期化実行情報を従制御手段又は主制御手段へ出力する。よって、従制御手段又は主制御手段は、主制御手段又は従制御手段で初期化処理が実行されたことを認識することができるので、いずれか一方の制御手段が初期化して遊技機の制御が誤動作してしまうことを未然に防ぐことができる。
【0097】
遊技機1から9のいずれかにおいて、前記主制御手段及び従制御手段は、電源入時の処理において、前記主制御手段又は従制御手段の前記バックアップ手段に記憶されるデータの少なくとも一部を初期化またはクリア(初期化処理)する初期化指示を受信した場合に、前記従制御手段または主制御手段が同様に前記初期化指示を受信したか否かを確認するものであることを特徴とする遊技機15。従来、バックアップ手段に記憶されるデータを初期化またはクリアする初期化指示は主制御手段及び従制御手段へ同様に出力されるように構成されている。この構成において、主制御手段又は従制御手段のいずれか一方のみに初期化指示が出力されている場合は、いずれかの信号線が断線している等の異常が発生している場合がある。そこで、主制御手段及び従制御手段が初期化指示を受信しているか否かを確認することによって、いずれか一方の制御手段のみへ初期化指示が出力いるか否かを認識することができるので、早期に断線等の不具合(異常)を認識することができる。
【0098】
遊技機15において、前記主制御手段又は従制御手段は、前記初期化指示を受信した場合に、前記従制御手段又は主制御手段へ初期化指示を受信したことを示す初期化受信信号を出力するものであることを特徴とする遊技機16。主制御手段又は従制御手段は、初期化指示を受信した場合に従制御手段又は主制御手段へ初期化受信信号を出力する。よって、主制御手段および従制御手段は、互いに初期化指示を受信しているか否かを確認することができる。
【0099】
遊技機16において、前記主制御手段又は従制御手段は、前記従制御手段又は主制御手段から前記初期化受信信号を受信した場合にその制御手段で前記初期化指示を受信していないときは、前記従制御手段又は主制御手段へ前記バックアップ手段に保持されるデータの少なくとも一部の初期化またはクリア(初期化処理)を停止または保留させる初期化停止信号を出力するものであることを特徴とする遊技機17。従制御手段又は主制御手段が初期化指示を受信しているにもかかわらず、主制御手段又は従制御手段が初期化指示を受信していない場合には、従制御手段又は主制御手段は主制御手段又は従制御手段にバックアップ手段に記憶されるデータの少なくとも一部の初期化またはクリア(初期化処理)を停止または保留させる初期化停止信号を出力する。よって、主制御手段又は従制御手段は初期化処理を実行せずにすむので、いずれか一方の制御手段が初期化して遊技機の制御が誤動作してしまうことを未然に防ぐことができる。
【0100】
遊技機0から17のいずれかにおいて、前記従制御手段は、前記主制御手段から出力される払出指示に基づいて所定の有価価値を有する有価物体を払い出す払出制御手段であることを特徴とする遊技機18。遊技者にとって価値がある有価物体の払出制御を行う主制御手段と払出制御手段との制御を正常に行わせることで、遊技者に不利益を被らせることを防止することができる。
【0101】
遊技機0から18のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機19。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
【0102】
遊技機0から18のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機20。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【0103】
遊技機0から18のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機21。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
【0104】
【発明の効果】
請求項1記載の遊技機によれば、停電監視手段により停電等によって電源が切断されると判断された場合に、主制御手段及び従制御手段で使用されるデータを電源の切断後においてもバックアップ手段において保持し、電源入時にバックアップ手段に保持されたデータに基づいて遊技を再開することができる。よって、停電等によって電源が切断された場合も主制御手段及び従制御手段で行われる制御の相関を崩すことなく、電源が復帰した後も相関した制御を行うことができるという効果がある。
また、主制御手段及び従制御手段は、電源入時における復電処理に基づく状況において、一方の制御手段から停電メモリの値に基づいた回数信号が他方の制御手段へ出力されることによって、主制御手段及び従制御手段が電源復帰時(復電時)におけるそれぞれの停電メモリの値を認識することができる。よって、電源復帰時(復電時)における制御の相関の崩れ等を把握することができ、復電後においても相関を保った制御を行うことができ る。従って、相関が崩れることにより生ずる不具合を解消することができるという効果がある。
ここで、一方の制御手段から出力された回数信号が示す停電メモリの値と回数信号を受信した他方の制御手段の停電メモリの値とが異なる場合に、制御情報を受信した他方の制御手段のバックアップ手段に保持されるデータの少なくとも一部が初期化またはクリアされる。よって、主制御手段及び従制御手段の停電メモリの値を確認することで、断線等によってどちらか一方の停電メモリしか計数されないといった不具合を早期に認識することができるという効果がある。
請求項2記載の遊技機によれば、請求項1記載の遊技機の奏する効果に加えて、停電メモリの値に応じた回数信号が受信された場合に、主制御手段及び従制御手段の両停電メモリの値の一致又は不一致がメモリ判断手段により判断されるので、主制御手段及び従制御手段のそれぞれの停電メモリの値が一致するか否かを判断することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例におけるパチンコ機の遊技盤の正面図である。
【図2】 パチンコ機の電気的構成を示したブロック図である。
【図3】 主制御基板および払出制御基板で実行されるNMI割込処理のフローチャートである。
【図4】 主制御基板で実行されるメイン処理のフローチャートである。
【図5】 パチンコ機の電源入時に主制御基板のメイン処理の中で実行される初期化処理のフローチャートである。
【図6】 パチンコ機の電源入時に払出制御基板のメイン処理の中で実行される初期化処理のフローチャートである。
【図7】 第2実施例の主制御基板で実行される初期化処理のフローチャートである。
【図8】 第2実施例の払出制御基板で実行される初期化処理のフローチャートである。
【図9】 第3実施例の主制御基板で実行される初期化処理のフローチャートである。
【図10】 第3実施例の払出制御基板で実行される初期化処理のフローチャートである。
【符号の説明】
13a,33a バックアップエリア
13b,33b 停電カウンタ
16 (双方向通信可能な)信号線
C 主制御基板(主制御手段)
H 払出制御基板(従制御手段の一部)
P パチンコ機(遊技機)
Claims (2)
- 遊技の制御を行う主制御手段と、その主制御手段からの遊技制御指令に基づいて動作する従制御手段とを備えた遊技機において、
停電等の電源断を監視する停電監視手段と、
その停電監視手段により停電等によって電源が切断されると判断された場合に、前記主制御手段および従制御手段で使用されるデータを電源の切断後においても保持するバックアップ手段と、
電源の切断されることを示唆する停電信号の入力回数を記憶する停電メモリとを備え、
前記主制御手段および従制御手段は、電源入時に前記バックアップ手段に保持されたデータに基づいて遊技を再開するものであり、
前記主制御手段又は従制御手段は、電源入時における復電処理に基づく状況において当該制御手段の前記停電メモリの値に基づいた回数信号を他方の制御手段へ出力する回数信号出力手段を備え、その回数信号出力手段により出力された前記回数信号が示す停電メモリの値と前記回数信号を受信した前記他方の制御手段の停電メモリの値とが異なる場合には、前記他方の制御手段のバックアップ手段に保持されるデータの少なくとも一部を初期化またはクリアするものであることを特徴とする遊技機。 - 前記主制御手段又は従制御手段は、前記従制御手段又は主制御手段の前記回数信号出力手段から出力された前記停電メモリの値に応じた回数信号を受信したかを判断する信号受信判断手段と、その信号受信判断手段によって回数信号が受信された場合に主制御手段及び従制御手段の両停電メモリの値が一致するか否かを判断するメモリ判断手段とを備えていることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
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