JP2004328981A - フラットケーブル用クランプ - Google Patents

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Abstract

【課題】シャーシなどへの取り付け作業性を向上させたフラットケーブル用クランプを提供すること。
【解決手段】ヒンジ部101を介して折り畳み可能に構成されフラットケーブルFを所要長さに亘って挟持するクランプ本体100に、フラットケーブルFをクランプして機枠等へ固定させる係止部106と、折り畳み状態を仮締めと本締めとに分けた掛止手段114とを設ける。そして、当該フラットケーブル用クランプ1で、フラットケーブルFを仮固定した状態でシャーシ等へ固定し、フラットケーブルFを本締め位置に調整してから本締めする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、フラットケーブル用クランプに関する。
【0002】
【従来の技術】
昨今の自動車は、いろいろ便利なエレクトロニクス設備を搭載しており、そうした便利な設備やエンジン、メータ、ライトなどを正確に作動させるには、何百本もの高性能な電線が必要となっている。そこで、この様々な電装品との電気的な連絡にフラットケーブルやワイヤーハーネスといった多芯電線が用いられている。
【0003】
これらの多芯電線は、専用のクランプを用い、その一部を挟持して自動車のシャーシ等へ固定させているのが一般的であり、この種のクランプとして、例えば、フラットケーブルの幅に対応して変形する幅用弾性部の互いに対向する位置に固定部材とロック固定部が設けられ、固定部材とロック固定部とにより、フラットケーブルを幅方向から挟持し、また、固定部から張り出すように設けたバネ片によりフラットケーブルを厚さ方向へ押圧して、フラットケーブルを確実に保持することができるとしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
他のクランプとしては、クランプがフラットケーブルの長手方向の一部が収容されると共に固定部に固定される基部と、この基部を閉鎖するカバー部と、基部の内側面に突設された掛止突起と、フラットケーブルの絶縁被覆部に設けられて基部への収容時に係止突起が挿通されてフラットケーブルを基部に係止する挿通係止部と、カバー部に設けられて基部の閉鎖時に基部に収容されたフラットケーブルを基部側へ押圧する弾性押圧部とを備えて構成されたものがある(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−89164号公報 (第2頁、第1図)
【特許文献2】
特開2002−10452号公報 (第2頁、第1図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
これら従来のクランプは、夫々の課題を解決するために、フラットケーブルの幅を縮める同時にバネ片をフラットケーブルに押しつける手段や、ワンタッチでロックさせる手段を用いることで課題を達成し、極めて効果的なものである。
しかしながら、実際に行われているフラットケーブルをシャーシに固定させる作業には、現在においても、いくつかの問題点を有している。
【0007】
すなわち、予めシャーシに穿孔された取付孔に合わせて、クランプをフラットケーブルに取り付け、しかる後、クランプを介してシャーシにフラットケーブルを固定しているが、上述したクランプでは、一度ロックしてしまうとフラットケーブルの長手方向へスライドはできないため、少しでもフラットケーブルとクランプとのロック位置がずれると、シャーシの取り付け位置を挟んで左右方向(あるいは上下方向)にバランスの取れた取り付けができない。
見た目の悪さは当然のことではあるが、予定より大きく弛んでしまった側では、フラットケーブルへの振動が作用して被覆の剥離といったことも考えられるため、より慎重な取り付け作業を行う必要性があった。
【0008】
もっとも、クランプをフラットケーブルに取り付ける際に、何らかの原因(人為的ミスが大半である)でシャーシの取り付け位置から大きく外れてロックしてしまう場合もあり、その場合は、そのケーブル自体が使用できなくなってしまう。
【0009】
また、その一方で、様々な電装品との電気的な連絡に用いられる、このフラットケーブルやワイヤーハーネスといった多芯電線は、布設経路(導線の這わせ経路)が同じというケースが往々にしてあるが、その場合でも夫々別々のクランプで固定しているのが実情であり、その改善が望まれていた。
【0010】
そこで本発明は、シャーシなどへの取り付け作業性を向上させたフラットケーブル用クランプを提供することとし、さらに他の目的とするところは、隣接する他の電線をも固定できるフラットケーブル用クランプを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明にかかるフラットケーブル用クランプは、下記の技術的手段を講じた。
すなわち、請求項1の発明の要旨は、ヒンジ部を介して折り畳み可能に構成されフラットケーブルを所要長さに亘って挟持するクランプ本体に、前記フラットケーブルをクランプして機枠等へ固定させる係止部と、折り畳み状態を維持させるクランプ力調整可能な掛止手段とを設けたことを特徴とするフラットケーブル用クランプに存する。
【0012】
請求項2の発明の要旨は、前記掛止手段は、前記ヒンジ部を挟んで、前記クランプ本体を構成する一方の構成片に設けられた掛止バンドと、他方の構成片に設けられ前記掛止バンドと係合可能な被掛止部とを備えて構成されたことを特徴とする請求項1記載のフラットケーブル用クランプに存する。
【0013】
請求項3の発明の要旨は、前記掛止バンドは、所要の間隔をおいて仮締め掛止部と本締め掛止部とに分けて構成されたことを特徴とする請求項2記載のフラットケーブル用クランプに存する。
【0014】
請求項4の発明の要旨は、前記ヒンジ部を挟んで、前記クランプ本体を構成するいずれかの前記構成片内に、挟み込んだフラットケーブルに当接させて折り畳み角度に応じて前記構成片から突出させるクランプ力視認可能な弾性片を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のフラットケーブル用クランプに存する。
【0015】
請求項5の発明の要旨は、前記掛止バンドを設けられた前記一方の構成片に、前記掛止バンドと係合する第2の被係止部を設け、前記被掛止部に係合させた前記掛止バンドの先部を前記第2の被係止部に係合させてワイヤハーネス等の他の導線を固定可能に構成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のフラットケーブル用クランプに存する。
【0016】
請求項6の発明の要旨は、前記係止部は、挟持した前記フラットケーブルの長手方向スライド可能に構成されたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のフラットケーブル用クランプに存する。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図面を用いて説明をする。図中、符号1、2は、フラットケーブル用クランプを、符号Fは、フラットケーブルを夫々示す。
【0018】
(実施形態1)
実施形態1は、位置調整を行う仮締めが、個人差に左右されることなく行えるフラットケーブル用クランプ1を例示している。
実施形態1にかかるフラットケーブル用クランプ1は、図1〜図3に示すように、ヒンジ部101を挟んで略矩形状を呈した一組の構成片102,103が折り畳み可能に構成されると共に、ヒンジ部101と対向する一方の構成片102の端部の折り畳み方向内側に凸状段部104が形成され、ヒンジ部101と対向する他方の構成片103の端部に、この凸状段部104と係合する凹状段部105が折り畳み方向内側に形成されたクランプ本体100を備える。
【0019】
ヒンジ部101から、この互いに係合関係の凸状段部104と凹状段部105の配設位置は、フラットケーブルFの幅より若干幅広な所要の位置に配設されており、フラットケーブルFをセットする場合に幅方向の移動を規制するようになっている。
【0020】
そして、この凸状段部104が形成された一方の構成片102の外側には、自動車のシャーシなどに形成された被係止部(図示せず)と嵌合する係止部106が突設されていると共に、凸状段部104中央外縁部には折り畳み方向内側に向かって掛止バンド107が延設されている。
この掛止バンド107は、図2に示すように、ヒンジ部101側に向いた構成面に、仮締め用の第1の噛合歯108と本締め用の第2の噛合歯109とが所定間隔をおいて形成されている。
【0021】
凹状段部105が形成された他方の構成片103の中央部には、略U字状に切り込み形成され、その切り込み形成された折り畳み方向内側の先部には、フラットケーブルFに圧接衝合されるピン状の凸部110が突設された弾性変形可能な弾性片111が設けられている。また、凹状段部105中央外縁部には、掛止バンド107の第1の噛合歯108及び第2の噛合歯109と係合する噛合孔112が開口した被掛止部113が設けられている。この上記した掛止バンド107と被掛止部113とで掛止手段114が構成される。
【0022】
次に、以上のように構成された実施形態1にかかるフラットケーブル用クランプ1を用いたフラットケーブルFの固定手順を説明する。
まず、自動車のシャーシなどに形成された被係止部の位置に、おおよそ位置したフラットケーブルFの部位に対してフラットケーブル用クランプ1を挟み込むようにセットする。
【0023】
そして、被掛止部113に掛止バンド107を挿通させて引っ張る。このとき、最初に第1の噛合歯108が噛合孔112と係合して、引っ張り抵抗が生じるが、そのまま引っ張り続けることで、係合状態が解かれて、仮締め固定が完了する。この一連の抵抗感によって作業者は仮固定されたか否かが認識できるので、極めて好適である。
また、この仮締め固定は、フラットケーブルFと対峙した構成片とが若干当接し、フラットケーブル用クランプ1がフラットケーブルFに摺接してスライド可能、かつ、ある程度、クランプ位置を保持できるような固定となっている。
【0024】
フラットケーブル用クランプ1の仮締めが終了したら、自動車のシャーシなどに形成された被係止部に係止部106を係合してフラットケーブル用クランプ1をシャーシなど固定する。
【0025】
続いて、フラットケーブル用クランプ1をスライドさせて、シャーシの取り付け位置を挟んでフラットケーブルFの左右方向(あるいは上下方向)のバランスを採り、所定位置に位置決めしたら第2の噛合歯109が噛合孔112と係合するまで引っ張り、本締め固定して作業が終了する。なお、この本締めがされたか否かは、弾性片111の突出具合で目視できるようになっており、作業ミスを防止するようになっている。
【0026】
(実施形態2)
実施形態2は、位置調整を行う仮締めが行えると共に、隣接する他の電線をも固定できるフラットケーブル用クランプ2を例示している。
実施形態2にかかるフラットケーブル用クランプ2は、図4〜図7に示すように、ヒンジ部201を挟んで略矩形状を呈した一組の構成片202,203が折り畳み可能に構成されており、夫々の構成片202,203の折り畳み方向内側には、フラットケーブルFの幅方向の移動を規制すると共にフラットケーブルFを案内する凹部212が形成されたクランプ本体200を備える。
【0027】
一方の構成片202には、折り畳み方向と直交する方向に延びた長孔204が形成されていると共に、その長孔204にスライド可能に係合され自動車のシャーシなどに形成された被係止部(図示せず)と嵌合する係止部205が突設されている。
【0028】
そして、ヒンジ部201と対向する開放端の側面中央部には、噛合歯206が折り畳み方向内側に形成された掛止バンド207が延設され、さらに、その掛止バンド207の基部に隣接した位置に掛止バンド207の噛合歯206と係合する噛合孔208が開口した第2の被掛止部211が設けられている。
【0029】
他方の構成片203には、ヒンジ部201と対向する開放端の側面中央部に掛止バンド207の噛合歯206と係合する噛合孔208が開口した第1の被掛止部210が設けられている。
【0030】
次に、以上のように構成された実施形態2にかかるフラットケーブル用クランプ2を用いたフラットケーブルFの固定手順を説明する。
まず、自動車のシャーシなどに形成された被係止部の位置に、おおよそ位置したフラットケーブルFの部位に対してフラットケーブル用クランプ2を挟み込むようにセットする。
【0031】
そして、図6に示すように、第1の被掛止部210に掛止バンド207を挿通させ、本締めされない程度に引っ張って仮締め固定し、自動車のシャーシなどに形成された被係止部に係止部205を係合して実施形態2にかかるフラットケーブル用クランプ2をシャーシなど固定する。
【0032】
続いて、フラットケーブル用クランプ2をスライドさせて、シャーシの取り付け位置を挟んでフラットケーブルFの左右方向(あるいは上下方向)のバランスを採り、所定位置に位置決めしたら掛止バンド207を引っ張りきって本締め固定する。なお、掛止バンド207を引っ張りきっても、構成片202,203同士に設けられた凹部212同士によって形成される空隙部が、フラットケーブルFを圧接固定するのに最適な空隙となっており、フラットケーブルFが押し潰されないようになっている。
また、係止部205がフラットケーブルF長手方向にスライド可能になっているため、掛止バンド207を引っ張りきる前に若干位置修正が可能である。
【0033】
そして、隣接したワイヤハーネスW等を引き寄せ、図7に示すように、第1の被掛止部210を介して延出した掛止バンド207で、そのワイヤハーネス等をくくり、第2の被掛止部211に掛止バンド207を係合して仮固定する。
仮固定が終了したら、フラットケーブルFと同様にバランスを採り、所定位置に位置決めしたら掛止バンド207を引っ張って本締め固定して作業が終了する。
【0034】
以上、本実施形態にかかるフラットケーブル用クランプを説明したが、上述したものに限定されず、例えば、第1実施形態のフラットケーブル用クランプに第2実施形態のフラットケーブル用クランプの第2の被掛止部を設けたり、第2実施形態のフラットケーブル用クランプに第1実施形態の弾性片を設けたりと、その要旨を逸脱しない範囲内において、種々変形実施が可能である。
【0035】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成したから下記の有利な効果を奏する。
請求項1〜3によれば、フラットケーブルへのクランプ力を、仮締めと本締めとに分けて構成して、当該フラットケーブル用クランプでフラットケーブルを仮固定した状態でシャーシ等へ固定し、しかる後、フラットケーブルを本締め位置に調整してロックするから、慎重な取り付け作業を行う必要性がなくなり、結果的に、シャーシなどへの取り付け作業性を向上することができる。
特に、掛止バンドを、被掛止部と噛み合う歯付きバンドにし、この歯部分を所要間隔をおいて設けて、仮締めと本締めとに分けて構成することで、被掛止部に掛止バンドを挿通させて引っ張る際に、引っ張り抵抗が生じなくなるまで(最初の噛み合い係合が解かれるまで)引っ張り続けるだけで、確実に、かつ、容易に仮締め状態が保持できる。
【0036】
また、従来のワンアクションのロックからワンアクション以上のロック手順を踏ませることにより、シャーシの取り付け位置から大きく外れてロックしても、ロック位置の修正が可能となる機会を付与したので、取り付け不良としてフラットケーブルを廃棄するケースを減少させて、歩留まりを高めることができる。
【0037】
請求項4によれば、クランプ力視認可能な弾性片を設けたことで、本締め状態か否の場合かが認識できるから、作業ミスを防止することができる。
【0038】
請求項5によれば、掛止バンドと係合する被係止部を2つにして、フラットケーブルを掛止した後、その掛止バンドと第2の被掛止部とで、隣接する他の電線を括って固定することできる。したがって、クランプの数を減らすことで低コストで、しかも、すっきりとした固定ができる。
【0039】
請求項6によれば、係止部がフラットケーブル長手方向にスライド可能にしたから、位置の微調整ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1にかかるフラットケーブル用クランプの開状態の斜視図である。
【図2】同、掛止バンドの拡大斜視図である。
【図3】同、フラットケーブル用クランプの閉状態の斜視図である。
【図4】実施形態2にかかるフラットケーブル用クランプの開状態の斜視図である。
【図5】同、取り付け手順を示す斜視図である。
【図6】同、図5に続く取り付け手順を示す斜視図である。
【図7】同、図6に続く取り付け手順を示し、掛止状態の斜視図である。
【符号の説明】
1、2 フラットケーブル用クランプ
100,200 クランプ本体
101,201 ヒンジ部
106,205 係止部
107 207 掛止バンド
108 第1の噛合歯
109 第2の噛合歯
112 208 噛合孔
113 被掛止部
111 弾性片
210 第1の被掛止部
211 第2の被掛止部

Claims (6)

  1. ヒンジ部を介して折り畳み可能に構成されフラットケーブルを所要長さに亘って挟持するクランプ本体に、前記フラットケーブルをクランプして機枠等へ固定させる係止部と、折り畳み状態を維持させるクランプ力調整可能な掛止手段とを設けたことを特徴とするフラットケーブル用クランプ。
  2. 前記掛止手段は、前記ヒンジ部を挟んで、前記クランプ本体を構成する一方の構成片に設けられた掛止バンドと、他方の構成片に設けられ前記掛止バンドと係合可能な被掛止部とを備えて構成されたことを特徴とする請求項1記載のフラットケーブル用クランプ。
  3. 前記掛止バンドは、所要の間隔をおいて仮締め掛止部と本締め掛止部とに分けて構成されたことを特徴とする請求項2記載のフラットケーブル用クランプ。
  4. 前記ヒンジ部を挟んで、前記クランプ本体を構成するいずれかの前記構成片内に、挟み込んだフラットケーブルに当接させて折り畳み角度に応じて前記構成片から突出させるクランプ力視認可能な弾性片を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のフラットケーブル用クランプ。
  5. 前記掛止バンドを設けられた前記一方の構成片に、前記掛止バンドと係合する第2の被係止部を設け、前記被掛止部に係合させた前記掛止バンドの先部を前記第2の被係止部に係合させてワイヤハーネス等の他の導線を固定可能に構成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のフラットケーブル用クランプ。
  6. 前記係止部は、挟持した前記フラットケーブルの長手方向スライド可能に構成されたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のフラットケーブル用クランプ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011173535A (ja) * 2010-02-25 2011-09-08 Aisin Seiki Co Ltd 車両シート用荷重検出装置及びその取付構造
KR102290285B1 (ko) * 2021-04-30 2021-08-20 (주)티에이치엔 Ffc 고정 디바이스

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