JP2004328006A - 配線基板及び配線基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【構成】 配線基板1は、内側樹脂絶縁層12,14を備え、これらの主面1A側には基板主面1Aをなす主面外側樹脂絶縁層13が、また、裏面1B側には基板裏面1Bをなす裏面外側樹脂絶縁層15が積層されている。主面内側樹脂絶縁層12及び裏面内側樹脂絶縁層14の表面12A,14Aは、それぞれ粗化面となっている。また、基板主面1A及び基板裏面1Bは、それぞれ、主面内側樹脂絶縁層12及び裏面内側樹脂絶縁層14の表面12A,14Aよりも表面粗さが小さい粗化面となっている。
【選択図】 図2
Description
これに対し、配線基板の基板表面をなす外側樹脂絶縁層(例えばソルダーレジスト層)については、その上に導体層や他の樹脂絶縁層を形成しないので、内側樹脂絶縁層の表面のように粗化する必要がない。従って、基板表面(外側樹脂絶縁層の表面)は、従来、粗化されていなかった。
また、配線基板にICチップ等を搭載する場合に、ICチップ等と配線基板との接続信頼性を高めるため、ICチップ等と配線基板との間(基板表面上)に、アンダーフィルを充填(塗布)するときがある。しかしながら、アンダーフィルを充填する際、アンダーフィルが基板表面をうまく濡れ拡がらず、ICチップ等と配線基板との間に隙間を生じることがある。
このため、基板表面上に、インクスウォッチ、白色のペンキその他のマーキングインク層を形成する場合に、この粗化面の持つアンカー効果によって、マーキングインク層の密着強度を高くすることができる。従って、マーキングインク層が基板表面から剥がれるという不具合を抑制することができる。
また、基板表面にICチップ等の電子部品などをハンダ接続する前に、基板表面にフラックスを塗布する際、基板表面が粗化されてその表面活性が高くなっているので、フラックスが基板表面に弾かれることなく濡れ拡がるから、基板表面に均一にフラックスを塗布することができる。
ここで、基板表面に形成するマーキングインク層としては、インクスウォッチのように、複数のマーキングインク層が積層形成されたものであっても、あるいは、白色のペンキのように、単数層からなるマーキングインク層であっても良い。
しかし、これに合わせて基板表面の表面粗さも大きくすると、粗化面の凹凸が大きくなりすぎて、基板表面に塗布するフラックスや、搭載するICチップと配線基板との間に充填するアンダーフィルが、かえって濡れ拡がりにくくなることがある。
従って、内側樹脂絶縁層と、これに密着する導体層や他の樹脂絶縁層との密着強度を十分に確保することができるとともに、基板表面上にマーキングインク層を密着強度高く形成することができる一方、基板表面にフラックスやアンダーフィルを確実に塗布することができる。
さらに、基板表面にフラックスを塗布したり、ICチップ等と基板表面との間にアンダーフィルを充填する場合に、これらを確実に塗布または充填することができる。
このような配線基板は、上側の第2マーキングインク層の方が下側の第1マーキングインク層よりもレーザ光の吸収が大きいので、例えばCO2 レーザを、2層からなるマーキングインク層に照射すれば、容易に、上側の第2マーキングインク層の一部だけを除去し、下側の第1マーキングインク層を露出させることができる。従って、配線基板の部品番号等の表示を容易に形成することができる。
このため、この基板表面上の一部にマーキングインク層を形成する際に、これを密着強度高く形成することができる。
また、基板表面にフラックスを塗布する際には、その濡れ拡がりが良いので、フラックスを確実に塗布することができ、また、基板表面にICチップを搭載し、その間にアンダーフィルを充填する際にも、その濡れ拡がりが良好であるので、アンダーフィルを確実に充填することができる。
さらに、インク層形成工程前に基板表面が粗化されているから、インク層形成工程において、マーキングインク層を、基板表面上に密着強度を高く形成することができる。
このような2層からなるマーキングインク層を形成すれば、例えばCO2 レーザを、マーキングインク層に照射して、上側の第2マーキングインク層の一部を除去し、下側の第1マーキングインク層を露出させることにより、配線基板の部品番号等の表示を容易に形成することができる。
このため、インク層印刷形成工程の際には、まだ基板表面にハンダバンプによる凸部がないため、基板表面に印刷用のマスクを確実に載置することができる。よって、マーキングインク層を基板表面に確実に印刷形成することができる。
本実施形態の配線基板1について、図1(a)に平面図を、図1(b)に側面図を、図2に部分拡大断面図を示す。この配線基板1は、図1(b)に示すように、基板主面(基板表面)1Aと基板裏面(基板表面)1Bとを有する略矩形の略板形状をなしている。基板主面1Aには、図1(b)中に破線で示すICチップCH等を接続することができる一方、基板裏面1Bには、図示しないマザーボード等を接続することができる。
なお、インクスウォッチ7は、配線基板1や搭載するICチップCHの部品番号や製造番号等を表示するためのものである。これにCO2 レーザを照射して、黒色の第2マーキングインク層6の一部を除去し、白色の第1マーキングインク層5を露出させることにより、黒地に白色の文字等からなる所望の表示を、容易に形成することができる。
このうち中心内側樹脂絶縁層11には、これを貫通する貫通孔17が多数形成され、その内周面には略円筒状のスルーホール導体19がそれぞれ形成され、さらに、その内部には樹脂充填体21がそれぞれ充填されている。
主面内側樹脂絶縁層12には、これを貫通する貫通孔12Kが多数形成され、その内周面には、主面側第1導体層33と接続する主面側ビア導体37が形成されている。同様に、裏面内側樹脂絶縁層14には、これを貫通する貫通孔14Kが多数形成され、その内周面には、裏面側第1導体層35と接続する裏面側ビア導体39が形成されている。
主面外側樹脂絶縁層13には、これを貫通し、主面側第2導体層23の主面側接続パッド23P上に位置する主面側開口13Kが多数形成されている。そして、各主面側開口13K内の主面側接続パッド23P上には、Niメッキからなる主面側Niメッキ層27が形成されている。さらに、主面側Niメッキ層27上には、前述したハンダバンプ3がそれぞれ形成されている。
一方、裏面外側樹脂絶縁層15には、これを貫通し、裏面側第2導体層25の裏面側接続パッド25P上に位置する裏面側開口15Kが多数形成されている。そして、各裏面側開口15K内の裏面側接続パッド25P上には、Niメッキ層及びこの上に形成されたAuメッキ層からなる裏面側Ni−Auメッキ層29が形成され、前述したパッド9を構成している。
このため、主面内側樹脂絶縁層12と密着する主面側第2導体層23の密着強度、裏面内側樹脂絶縁層14と密着する裏面側第2導体層25の密着強度、及び、各貫通孔12K,14Kの内周面と密着する主面側ビア導体37及び裏面側ビア導体39の密着強度が、粗化面の凹凸によるアンカー効果によりそれぞれ高くなっている。また、主面内側樹脂絶縁層12と密着する主面外側樹脂絶縁層13の密着強度、及び、裏面内側樹脂絶縁層14と密着する裏面外側樹脂絶縁層15の密着強度も、同様にアンカー効果により高くなっている。
このため、基板主面1Aとこれに密着するインクスウォッチ7との密着強度が、アンカー効果により十分に高くなっているので、インクスウォッチ7が基板主面1Aから剥がれるという不具合を抑制することができる。
また、基板主面1A上にICチップCHを搭載した後、ICチップCHと配線基板1との間に、アンダーフィルを充填する際にも、基板主面1Aが粗化されて表面活性が高くなっているので、アンダーフィルの濡れ拡がりが良くなり、これらの間にアンダーフィルを隙間なく充填することができる。
まず、図3(a)に示すような、基板主面1Aをなす主面外側樹脂絶縁層13の主面側開口13K内に主面側接続パッド23Pが露出し、基板裏面1Bをなす裏面外側樹脂絶縁層15の裏面側開口15K内に裏面側接続パッド25Pが露出した配線基板31を用意する。
即ち、まず、中心内側樹脂絶縁層11を準備して、これに貫通孔17を穿孔する。そして、無電解メッキ及び電解メッキを順次施して、主面11A及び裏面11B上にメッキ層を、貫通孔17の内周面にスルーホール導体19を形成する。その後、スルーホール導体19内に樹脂充填体21を形成する。その後、主面11A及び裏面11B上のメッキ層を、所定パターンにそれぞれエッチングし、主面側第1導体層33及び裏面側第1導体層35を形成する。
その後、無電解メッキ及び電解メッキを順次施して、これらの表面12A,14A上にメッキ層を、各貫通孔12K,14Kの内周面に主面側ビア導体37及び裏面側ビア導体39を形成する。その後、表面12A,14A上のメッキ層を、所定パターンにそれぞれエッチングし、主面側第2導体層23及び裏面側第2導体層25を形成する。
その後、主面内側樹脂絶縁層12上に、主面側開口13Kを有する主面外側樹脂絶縁層13を、また、裏面内側樹脂絶縁層14上に、裏面側開口15Kを有する裏面外側樹脂絶縁層15を形成すれば、この配線基板31ができる。
具体的には、まずNiメッキを施し、主面側接続パッド23P及び裏面側接続パッド25P上に、厚さ5.00〜7.00μmのNiメッキ層を形成した後、Auメッキを施して、Niメッキ層上に、厚さ0.10〜0.40μmのAuメッキ層を形成する。これにより、主面側Ni−Auメッキ層27′及び裏面側Ni−Auメッキ層29が形成される。
この際、第1マーキングインク層5を形成する基板主面1Aは、外側絶縁層粗化工程で粗化面とされているので、第1マーキングインク層5を密着強度高く形成することができる。従って、第1マーキングインク層5が基板主面1Aから剥がれるという不具合を抑制することができる。
これにより、第1マーキングインク層5及び第2マーキングインク層6の2層からなるインクスウォッチ7が形成される。
具体的には、基板主面1A上に、所定パターンのマスクを載置し、主面側接続パッド23P上の主面側Ni−Auメッキ層27′上に、ハンダペーストを印刷する。その後、このハンダペーストをリフローして、ハンダバンプ3を形成する(図2参照)。
なお、主面側Ni−Auメッキ層27′のうちAuは、ハンダバンプ3を形成すると、ハンダバンプ3内に拡散消滅するので、結果としてハンダバンプ3は、主面側Niメッキ層27上に形成される。
以上のようにして、本実施形態の配線基板1が完成する。
例えば、上記実施形態では、内側の樹脂絶縁層が3層(中心内側樹脂絶縁層11,主面内側樹脂絶縁層12及び裏面内側樹脂絶縁層14)からなる配線基板1を示したが、内側の樹脂絶縁層がさらに多数層からなる配線基板とすることも、あるいは、内側樹脂絶縁層が1層からなる配線基板とすることもできる。
また、インクスウォッチ7に代えて、例えば、白色のペンキ等からなるマーキングインク層を形成することもできる。白色のペンキ等を用いたマーキングインク層は、品番などの所望の文字や符号等を直接印刷形成することができるので、特に、配線基板に多数の電子部品を搭載するなど、多数の表示を設ける必要がある場合に好適である。
1A 基板主面(基板表面)
1B 基板裏面(基板表面)
3 ハンダバンプ
5 第1マーキングインク層
6 第2マーキングインク層
7 インクスウォッチ(マーキングインク層)
9 パッド
11 中心内側樹脂絶縁層
12 主面内側樹脂絶縁層(内側樹脂絶縁層)
13 主面外側樹脂絶縁層(外側樹脂絶縁層)
13K 主面側開口
14 裏面内側樹脂絶縁層(内側樹脂絶縁層)
15 裏面外側樹脂絶縁層(外側樹脂絶縁層)
15K 裏面側開口
23P 主面側接続パッド
25P 裏面側接続パッド
27 主面側Ni−Auメッキ層
29 裏面側Ni−Auメッキ層
Claims (6)
- 基板表面をなす外側樹脂絶縁層を備える配線基板であって、
上記基板表面が粗化面である
配線基板。 - 請求項1に記載の配線基板であって、
基板内部に形成された少なくとも1層以上の内側樹脂絶縁層を備え、
前記基板表面及び上記内側樹脂絶縁層の表面は、それぞれ粗化面であり、
上記基板表面の表面粗さは、上記内側樹脂絶縁層の表面の表面粗さよりも小さい
配線基板。 - 請求項1または請求項2に記載の配線基板であって、
前記基板表面上の一部にマーキングインク層が形成されている
配線基板。 - 基板表面をなす外側樹脂絶縁層を備える配線基板の製造方法であって、
上記基板表面を粗化する外側樹脂層粗化工程
を備える配線基板の製造方法。 - 基板表面をなす外側樹脂絶縁層と、この外側樹脂絶縁層を貫通する開口内に露出した接続パッドとを備える配線基板の製造方法であって、
上記基板表面をなす外側樹脂絶縁層の開口内に接続パッドが露出した配線基板のうち、上記外側樹脂絶縁層を粗化する外側樹脂層粗化工程と、
上記外側樹脂層粗化工程よりも後に、上記開口内に露出した接続パッド上に、Niメッキ層及びその上にAuメッキ層を形成するNi−Auメッキ層形成工程と、
上記外側樹脂層粗化工程よりも後であって、上記Ni−Auメッキ層形成工程よりも前または後に、上記基板表面上の一部にマーキングインク層を形成するインク層形成工程と、
を備える配線基板の製造方法。 - 請求項5に記載の配線基板の製造方法であって、
前記Ni−Auメッキ層形成工程及びインク層形成工程よりも後に、前記開口内に露出する接続パッド上のNi−Auメッキ層上に、ハンダバンプを形成するハンダバンプ形成工程を備え、
上記インク層形成工程は、前記基板表面上の一部に前記マーキングインク層を印刷形成するインク層印刷形成工程である
配線基板の製造方法。
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