JP2004326940A - トラッキング制御装置及びその制御装置を備える記憶装置 - Google Patents

トラッキング制御装置及びその制御装置を備える記憶装置 Download PDF

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Daiichi Koide
大一 小出
Hitoshi Yanagisawa
斉 柳澤
Haruki Tokumaru
春樹 徳丸
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Abstract

【課題】光ディスクの回転数が変化する記憶装置の光ヘッドの位置が変化した場合でも高精度なトラッキング制御が可能な技術を提供することである。
【解決手段】光ディスク上のトラック位置と光スポット位置との差に対応したトラッキング誤差信号を生成し、前記トラッキング誤差信号に基づいて前記光スポットが所定のトラック上を走査するように制御するトラッキング制御装置において、前記加算信号を記憶する小単位に細分化された複数個の記憶手段と、前記複数個の記憶手段から出力される前記トラッキング誤差推定信号が前記光ディスクの少なくとも1周分の回転周期前の前記加算信号となるように、前記光ディスク上のトラック位置に基づいて前記加算信号を前記複数個の記憶手段のいずれかの入力位置に切り換える切換手段とを備える。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トラッキング制御装置及びその制御装置を備える記憶装置に関し、特に、光ディスクの記録・再生に用いられる光ヘッドのトラッキング制御装置のトラックジャンプ時、及び連続的なトラック追従時の高精度制御方式に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光ディスクの記録・再生に用いられる従来のトラッキング制御装置として、光ディスクの少なくとも1周期前のトラッキング誤差信号に基づき補正信号を生成し、所定のパルス伝達関数で補正信号の振幅及び位相の補償を行った補償信号を用いるものが知られており(特許文献1参照)、また、補償信号を制御するものも知られている(特許文献2参照)。
【0003】
また、特許文献1のトラッキング制御装置を改良したものとして先行出願1がある。先行出願1のトラッキング制御装置は、図4に示すように、トラック位置tと光ビームスポット位置Sとの差分を演算するトラッキング誤差検出手段(トラッキング誤差信号生成手段)1と、得られた差分信号(トラッキング誤差信号e)と前置補償手段6からの前置補償信号hとを加算する第2の加算手段(駆動信号生成手段)7と、加算で得られた駆動信号を安定化補償するための位相補償またはロバスト安定補償による制御器2と、位相補償された駆動信号で駆動されるトラッキングアクチュエータ3とを有している。また、このトラッキング制御装置は、トラッキング誤差信号eと後述のトラッキング誤差補償信号生成手段12から出力されたトラッキング誤差補償信号とを加算する第1の加算手段(加算信号生成手段)14と、加算により得られた第1のトラッキング誤差推定信号を取り込み、ディスクの少なくとも1回転前において検出された第1のトラッキング誤差推定信号に基づいた第2のトラッキング誤差推定信号(補正信号)Cを生成する補正信号生成手段(メモリブロック)5と、第2のトラッキング誤差推定信号(補正信号)Cに対して位相及び振幅の周波数特性の補償を行う前置補償手段6と、前置補償手段6で得られた前置補償信号hに対して、位相補償またはロバスト安定補償による制御器2とトラッキングアクチュエータ3との閉ループ伝達関数に相当する伝達関数の演算を行うトラッキング誤差補償信号生成手段12とを有している。
【0004】
図5は図4に示すトラッキング制御装置をデジタル信号処理手段で構成した場合のブロック線図である。図5から明らかなように、従来のトラッキング制御装置におけるトラッキング制御系は、高速回転時における高精度トラッキング制御を行うためにフィードフォワード制御を行う。この書換型光ディスクにおけるトラッキング制御は、図5における下部点線囲みのフィードバック制御系(Feedback control)18により制御系を構成し、位相補償またはロバスト安定補償による制御器(Feedback controller)2のパラメータの設計により制御設計を行っているが、これに加え、上部点線囲みのフィードフォワード制御器(Feed−forward Controller)17を図5のブロック図に示すように加えることで、高精度制御を行っている。
【0005】
図5に示すフィードバック制御系18は、トラック位置を示す目標値x(f)と光ビームスポット位置x(t)とからトラッキング誤差信号e(t)を生成するトラッキング誤差検出手段1と、得られたトラッキング誤差信号e(t)をサンプリングし離散化されたデジタルデータに変換するサンプリング手段15と、サンプリング手段15でデジタル化されたトラッキング誤差信号とフィードフォワード制御器17からの前置補償信号eff(k)とを加算し駆動信号を得る第2の加算手段7と、第2の加算手段7で得られた駆動信号の振幅と位相の周波数特性を補償するための位相補償またはロバスト安定補償による制御器2と、得られたデジタル制御系での信号を連続系であるアナログ信号に変換するD/A変換器に相当するZero−order holder(以下、ZOHと記す)16と、アナログに変換された駆動信号で駆動されるトラッキングアクチュエータ3とから構成される。
【0006】
フィードフォワード制御器17は、デジタル化された後のトラッキング誤差信号とトラッキング誤差補償信号とを加算して推定信号である第1のトラッキング誤差推定信号e(k)を生成する第1の加算手段14と、ディスクの少なくとも1回転周期に相当する時間の第1のトラッキング誤差推定信号^e(k)を記憶しサンプリング時刻kにおいて1回転分に相当する時間だけ進んだ時刻での推定信号として第2のトラッキング誤差推定信号^e(k+d)を生成する補正信号生成手段(メモリブロック)5と、その出力である第2のトラッキング誤差推定信号^e(k+d)に対して位相及び振幅の周波数特性の補償を行う前置補償手段6と、フィードバック制御系18の入力に対する出力の閉ループ伝達関数に相当する伝達関数を有するトラッキング誤差補償信号生成手段12とから構成される。
【0007】
ここで、フィードバック制御系18のパルス伝達関数Gcl(z−1)は下記の式(5)と表すことができる。
【0008】
【数1】
Figure 2004326940
ただし、式(5)において、Ac(z−1)、Bc(z−1)はいずれもz−1の多項式である。また、Z−dはdとTs(サンプリング周期)との積、すなわちdサンプリング周期分の時刻遅れに相当する。なお、dは特許文献1の段落番号0090に記載されたkに対応し、トラッキングアクチュエータを電流で駆動した場合はd=2であり、電圧で駆動した場合はd=3である。
【0009】
ここで、フィードバック制御系18への入力をr(k)、出力をy(k)とすると、出力y(k)は下記の式(6)と表すことができる。
【0010】
【数2】
y(k)=Gcl(z−1)r(k) ・・・・(6)
ところで、前置補償手段6のパルス伝達関数をG(z−1)とすると、入力に対する出力は下記の式(7)と表される。
【0011】
【数3】
y(k)=G(z−1)Gcl(z−1)r(k) ・・・・(7)
ここで、入力に対して出力が位相遅れなく一致するためには、下記の式(8)とすればよい。
【0012】
【数4】
(z−1)=1/Gcl(z−1) ・・・・(8)
従って、前置補償手段6のパルス伝達関数G(z−1)はフィードバック制御系18の閉ループ伝達関数Gcl(z−1)の逆数となる。
【0013】
本トラッキング制御装置において、下記の式(1)、式(2)が成り立つ。これより式(3)を誘導して、目標値xを推定する制御系を構成するものである。
【0014】
【数5】
Figure 2004326940
ここで、前記の式(3)を変形すると、下記の式(4)が得られる。
【0015】
【数6】
Figure 2004326940
よって、図5に示すフィードフォワード制御器17は、伝達関数C(z−1)P(z−1)/(1+C(z−1)P(z−1))を有するトラッキング誤差補償信号生成手段12を備え、このトラッキング誤差補償信号生成手段12に前置補償手段6の出力である前置補償信号eff(k)を入力し、トラッキング誤差補償信号生成手段12の出力であるトラッキング誤差補償信号とトラッキング誤差信号とを第1の加算手段14で加算し、その加算出力である第1のトラッキング誤差推定信号^e(k)を生成する。これを補正信号生成手段(メモリブロック)5に入力し、その出力である第2のトラッキング誤差推定信号^e(k+d)をフィードバック制御系18の閉ループ伝達関数の逆数に相当する伝達関数を有する前置補償手段6に入力し、その出力である前置補償信号eff(k)を前記のとおりトラッキング誤差補償信号生成手段12に入力すると共に、フィードフォワード制御器17の出力とするものである。
【0016】
以上のように構成されたトラッキング制御装置では、記録装置の粗動部がきちんと半径方向を駆動させると、微動部のトラッキング動作だけを考えればよい。微動部はディスクの偏心が位置指令と等価になり、1回転毎の周期関数と見なせる。従って、従来のトラッキング制御装置では、フィードフォワード制御器中の遅延手段として機能する補正信号生成手段(メモリ(Memory)ブロック)5が、トラッキング制御装置を構成するフィードバック制御系内のトラッキング誤差信号を光ディスクの少なくとも1周分の周期に相当する時間遅延させ、第2のトラッキング誤差推定信号^e(k+d)を前置補償手段6に出力する構成となっている。
【0017】
【特許文献1】
特開2001−195760号公報
【特許文献2】
特開2002−237064号公報
【先行出願1】
特願2001−283006号
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、前記従来技術を検討した結果、以下の問題点を見いだした。
【0019】
図5に示す従来の制御系においては、フィードフォワード制御器中の補正信号生成手段(メモリブロック)5のメモリ長が固定であるため、角速度一定のディスク回転制御を行う場合には、フィードフォワード制御の効果がディスク上のどの点から読み出しあるいは書き出しても高精度性は最大限に保たれる。
【0020】
しかし、先行出願1に示される制御則に従うメモリ長はディスク回転の角速度に依存し、ある固定の値に決まるが、現在の相変化光ディスクドライブのような線速度一定(CLV)での回転制御を行う場合には、図6に示すように半径位置によって角速度(ディスク回転数)が変化する。従って、例えばディスク上のある点からデータの読み出しあるいは書き出しを行う任意の点にトラックジャンプした場合や、連続的にトラック追従していく場合には、ディスク上のデータの読み出しあるいは書き出しの点の半径位置に従って角速度が変化するために、最適なメモリ長とならなくなり、トラック追従制御精度が劣化してしまう。
【0021】
そのシミュレーション結果を図7に示す。図7(a)は実際の回転数に最適化されたメモリ長によるトラッキング誤差波形、図7(b)は実際の回転数より300rpm低い場合に最適化されたメモリ長の場合のトラッキング誤差波形、図7(c)は実際の回転数より300rpm高い場合に最適化されたメモリ長の場合のトラッキング誤差波形であり、回転数は6,000rpm、ディスク偏心外乱量を±100μmと想定した図5の制御系における制御誤差評価結果である。
【0022】
以上の3つの波形を見てみると、実際の回転数にメモリ長が最適化されている場合の波形(図7(a))はフィードフォワード制御がONになると、エラーレベルが低くなり、高精度制御されているのがわかるが、この半径位置より外周の位置の回転数に最適化された系からこの点にトラックジャンプした場合は、図7(b)のような性能となり、また、逆に、この半径位置より内周の位置の回転数に最適化された系からこの点にトラックジャンプした場合は、図7(c)のような性能となってしまい、フィードフォワード制御による残留トラッキング誤差量が増加してしまい、制御精度が低下してしまう。
【0023】
本発明の目的は、光ヘッド位置に応じて光ディスクの回転数が変化する記憶装置において、トラックジャンプやトラック追従により光ヘッドの半径方向の位置が変化した場合でも高精度なトラッキング制御が可能な技術を提供することにある。
【0024】
本発明の他の目的は、線速度一定の回転制御を行う記憶装置に対する高精度なトラッキング制御が可能な技術を提供することにある。
【0025】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らかになるであろう。
【0026】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記のとおりである。
【0027】
トラック位置に応じて回転速度が可変制御される光ディスク上のトラック位置と光ヘッドから出射される光スポット位置との差に対応したトラッキング誤差信号を生成するトラッキング誤差信号生成手段と、前記トラッキング誤差信号とトラッキング誤差補償信号とを加算した加算信号に基づきトラッキング誤差推定信号を生成する補正信号生成手段と、前記トラッキング誤差推定信号の振幅及び位相の補償を行い前置補償信号を生成する前置補償手段と、前記前置補償信号からトラッキング誤差の補償分を演算により求めるトラッキング誤差補償信号生成手段と、前記トラッキング誤差補償信号生成手段で生成されたトラッキング誤差補償信号と前記トラッキング誤差信号とから前記加算信号を生成する加算信号生成手段と、前記トラッキング誤差信号と前記前置補償信号とを加算し駆動信号を生成する駆動信号生成手段と、前記駆動信号に基づき前記光スポットに前記光ディスク上の目的のトラックを走査させる制御手段とを備えるトラッキング制御装置において、前記補正信号生成手段は、前記加算信号を記憶する小単位に細分化された複数個の記憶手段と、前記複数個の記憶手段から出力される前記トラッキング誤差推定信号が前記光ディスクの少なくとも1周分の回転周期前の前記加算信号となるように、前記光ディスク上のトラック位置に基づいて前記加算信号を前記複数個の記憶手段のいずれかの入力位置に切り換える切換手段とを備える。
【0028】
前述した手段によれば、ランダムにトラックジャンプあるいはトラック追従により、読み出し書き込み点となる光スポット位置(光ディスク上のトラック位置)が変化した場合でも、光スポットの半径位置と光ディスクの回転数とに最も最適な記憶手段のメモリ長を有する補正信号生成手段を構成することができるので、この補正信号生成手段を含むフィードフォワード制御系を構成することができ、高精度なトラッキング制御を行うことができる。
【0029】
その結果、線速度一定の回転制御を行う光ディスクドライブ(記憶装置)において、光ヘッドのトラック追従を行う場合においても、入力位置制御手段がケースバイケースで遅延量を制御するので、フィードフォワード制御による高精度制御の効果を発揮することが可能となる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、発明の実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
【0031】
図1は本願発明の一実施の形態である記憶装置が有するトラッキング制御装置の概略構成を説明するためのブロック線図である。
【0032】
図1に示すように、本実施の形態のトラッキング制御装置は図5に示す構成において、補正信号生成手段として、補正信号生成手段(メモリブロック)5の代わりに柔軟遅延手段19を用いた構成となっている。
【0033】
柔軟遅延手段19は、ディスクの少なくとも1回転周期に相当する時間の第1のトラッキング誤差推定信号^e(k)を記憶しサンプリング時刻kにおいてディスクの回転周期に応じた1回転分に相当する時間だけ進んだ時刻でのトラッキング誤差信号を第2のトラッキング誤差推定信号^e(k+d)として生成する補正信号生成手段として機能する。
【0034】
以下、図1に基づいて本実施の形態のトラッキング制御装置の動作を説明する。本実施の形態のトラッキング制御装置では、目標値すなわちトラック位置x(t)と光ビームスポット位置x(t)との差をトラッキング誤差検出手段1によって検出し、トラッキング誤差信号e(t)を得る。トラッキング誤差信号e(t)はサンプリングによって離散化されデジタル信号に変換された後に2つに分岐され、一方は第2の加算手段7に入力され、他方は第1の加算手段14に入力される。
【0035】
第1の加算手段に入力された離散化されたトラッキング誤差信号は、トラッキング誤差補償信号生成手段12から出力される前置補償信号ees(k)によるトラッキング誤差の補償分と第1の加算手段14によって加算され、第1のトラッキング誤差推定信号^e(k)が得られ、柔軟遅延手段19に入力される。
【0036】
柔軟遅延手段19は、ディスクの少なくとも1回転前において検出された第1のトラッキング誤差推定信号^e(k)を用いた推定信号として第2のトラッキング誤差推定信号^e(k+d)を出力する。このとき、本実施の形態の柔軟遅延手段19では、トラックジャンプ指令で指示される光ヘッドのジャンプ先等のトラック位置情報に基づいてディスクの回転数を検出し、第1のトラッキング誤差推定信号^e(k)の入力から第2のトラッキング誤差推定信号^e(k+d)としての出力までの時間を可変する構成となっている。従って、ディスクの回転数が変化しても、ディスクの少なくとも1回転前において検出された第1のトラッキング誤差推定信号^e(k)を用いた第2のトラッキング誤差推定信号^e(k+d)を正確に出力することができる。なお、柔軟遅延手段19の詳細については後述する。
【0037】
第2のトラッキング誤差推定信号^e(k+d)は、先の式(8)におけるGff(z−1)の式で算出されるようなフィードバック制御系18の入力に対する出力の閉ループ伝達関数の逆数G(z−1)の伝達関数を有する前置補償手段6に入力され、前置補償信号eff(k)が出力される。この前置補償信号eff(k)は2つに分岐され、一方はトラッキング誤差補償信号生成手段12に入力され、他方は第2の加算手段7に入力される。
【0038】
第2の加算手段7に入力された前置補償信号eff(k)は、離散化されたトラッキング誤差信号と第2の加算手段7で加算され駆動信号が得られる。得られた駆動信号は、位相補償またはロバスト安定補償による制御器2により振幅と位相の周波数とが補償された後に、ZOH16でアナログの駆動信号に変換される。ZOH16から出力されたアナログの駆動信号はトラッキングアクチュエータ3に入力されて、これを駆動し、光ビームスポット位置x(t)を制御する。
【0039】
このように、本実施の形態のトラッキング制御装置では、柔軟遅延手段19がディスクの回転数を検出し、この検出したディスクの回転数に基づいて第2のトラッキング誤差推定信号^e(k+d)の出力時間を可変することにより、ディスクの少なくとも1回転前において検出された第1のトラッキング誤差推定信号^e(k)を用いた第2のトラッキング誤差推定信号^e(k+d)を正確に出力するので、回転数に対応した正確な前置補償信号eff(k)を生成することができる。その結果、線速度一定の回転制御を行う光ディスクの記憶装置に対しても第2の加算手段7でディスクの回転数に対応した正確な駆動信号を得ることができるので、トラッキングアクチュエータ3を正確に目標位置に駆動でき、高精度に光ビームスポット位置x(t)を制御することができる。
【0040】
図2は本実施の形態の柔軟遅延手段とその周辺回路の概略構成を説明するための図である。図2において、点線で示す範囲が柔軟遅延手段19である。
【0041】
図2に示すように、本実施の形態の柔軟遅延手段19は、それぞれが直列に接続される第1〜第nの小遅延手段21と、第1〜第nの小遅延手段21の入力に前段の小遅延手段の出力と信号送出手段の出力との何れを接続するかを切り換える第1〜第nの切換手段22と、第1〜第nの切換手段22の入力にそれぞれ接続されAより入力される第1のトラッキング誤差推定信号を各切換手段に出力する信号送出手段23とから構成される。なお、第1〜第nの切換手段22に係わる以下の説明では、切換手段22がONの場合には信号送出手段23からの出力が対応する小遅延手段21に入力され、OFFの場合には前段の小遅延手段21からの出力が次段の小遅延手段21に入力されるものである。
【0042】
例えば、第1の小遅延手段21は、ディスクの書き込み読み出し領域の最小半径における回転数での1回分に相当する第1のトラッキング誤差推定信号^e(k)を格納するD個のメモリ素子によって構成することができる。各メモリ素子としては、例えば、格納するデータのビット数に対応する複数のD−フリップ・フロップによって構成し、サンプリングクロック毎に縦続接続されている前段のメモリ素子の出力データを取り込むと共に、1クロック前に記憶していた値を縦続接続されている後段のメモリ素子に対して出力する構成とすることができる。一方、第2〜第nの小遅延手段21は、回転数の増分に相当する個数のメモリ素子によって構成することができる。第1〜第nの小遅延手段21をこのような構成とすることによって、第1〜第nの小遅延手段21の何れかの入力端に配置されるメモリ素子から入力された第1のトラッキング誤差推定信号^e(k)は、第1の小遅延手段21の出力端に配置されるメモリ素子からBへ第2のトラッキング誤差推定信号^e(k+d)として取り出される。
【0043】
また、トラックジャンプ指令の入力を検出するトラックジャンプ指令検出手段27と、トラックジャンプ指令検出手段27で検出されたトラック指令に基づいてジャンプ先の半径rを検出する半径位置検出手段26と、半径位置検出手段26で検出された半径rに対応するディスクの回転数を検出する回転数検出手段25と、回転数検出手段25で検出された回転数に応じて第1〜第nの切換手段22のON/OFFを制御する制御信号送出手段24とにより、切換手段22に制御信号が送出される。
【0044】
図3は本実施の形態の柔軟遅延手段の動作を説明するためのフローチャートである。以下、図3に基づいて、柔軟遅延手段の動作を説明する。
【0045】
前述するように、本実施の形態の柔軟遅延手段19は信号送出手段23、n個の切換手段22、及びn個の小遅延手段21から構成され、初期状態で第1〜第nの切換手段22はすべてOFFである(S1)。ここで、トラックジャンプの指令があると(S2)、トラックジャンプ指令検出手段27にてトラックジャンプの指令を検出し(S3)、まずジャンプ先の半径rを半径位置検出手段26にて検出する(S4)。ジャンプ先の半径rがデータの読み込み書き込みの最初の領域にあたる最小半径rmin(例えば、CD(コンパクトディスク)やDVD(デジタル他用途ディスク)では24mmとする)よりも大きくなければ制御動作はSTOPし(S6)、真ならば次の判断に進む(S5)。ジャンプ先の半径rが(rmin+0.1)(mm)より大きくなければ(S7)、回転数検出手段25で回転数fを検出し(S21)、特許文献1に示される制御則に伴う以下の式に従う遅延量Dを生ずるようなDminを持つように制御信号送出手段24にて第1の切換手段22をONとし、他の切換手段22はOFFのままとする(S22)。
【0046】
【数7】
D=(F/f)×60−d ・・・(9)
ただし、Dは1サンプル分の遅延を生ずるメモリの個数、Fはデジタル制御系のサンプリング周波数(Hz)であり、fはディスク回転数(rpm)である。例えばF=50kHzでf=6,000rpm、トラッキングアクチュエータ3を電流で駆動した場合、dは2となるので、D=498である。すなわち、図2中の第1の小遅延手段21はメモリ長Dminを持つメモリとなる。
【0047】
この制御信号送出手段24の切換制御信号により、第1の小遅延手段21のみが働き、最小回転数に最適なメモリ長となり、図1中の柔軟遅延手段19を構成し、フィードフォワード制御動作を行う。これにより、高精度なトラッキング動作を行う。
【0048】
また、S7で、ジャンプ先の半径rが(rmin+0.1)(mm)より大きいならば、次の判断に進み、S8でジャンプ半径位置が(rmin+0.2)(mm)より大きくなければ、回転数を検出し(S26)、第2の切換手段22のみをON、他の切換手段22をOFFとし(S27)、このときの回転数に合う(9)式で表せるようなメモリ長になるよう第1の小遅延手段21と第2の小遅延手段21が直列に接続されたメモリ長となるように動作させる。このときも、先ほどと同様に、この回転数に合ったメモリ長となり、フィードフォワード動作が行われ、高精度制御される。
【0049】
更に同様にS8で(rmin+0.2)(mm)より大きいとすると、次の判断に進む。
【0050】
以下同様に、S9でジャンプ先の半径rが(rmin+0.1*N)(mm)(Nは整数で1,2,…)より大きくなければ、Nの増加に従って、第nの切換手段22のn=NのみがONとなり(S32)、それぞれの回転数において最適なメモリ長が選択され、トラックジャンプ位置の半径位置と回転数に最適な柔軟遅延手段19を構成し、高精度なトラッキング制御を行うことができる。ここで、半径量がステップ状に上がる値は、ここでは0.1mm刻みで変化する場合を例としたが、この値は場合により任意の値に設定できるものである。
【0051】
このフローが繰り返された後に、最後にジャンプ位置が、データの読み込み、書き込み可能な最終トラックの半径位置rmaxは(例えば58mm)となった時(S10)、r>rmaxでなければ、第nの切換手段22のn=NmaxのみがONとなる(S37)。r>rmaxとなると、制御動作はSTOPされる(S11)。
【0052】
以上、本発明者によってなされた発明を、前記発明の実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記発明の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは勿論である。
【0053】
【発明の効果】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下記の通りである。
【0054】
光ヘッドがランダムにトラックジャンプした場合、あるいはトラック追従し続けて読み出し書き込み点の半径位置が連続的に変化していく場合でも、その半径位置と、回転数に最も最適なメモリ長の柔軟遅延手段を構成し、この柔軟遅延手段を含むフィードフォワード制御系を構成するので、高精度なトラッキング制御を行うことができる。
【0055】
また、線速度一定の回転制御を行う光ディスクドライブ(記憶装置)において、最内周から連続的にデータの読み出し書き込みを行うような光ヘッドのトラック追従を行う場合においても、常に光ピックアップ(光ヘッド)の半径位置と光ディスクの回転数を検出し、検出された半径位置と回転数とに最も最適なメモリ長となるように柔軟遅延手段での遅延量が制御されることで、フィードフォワード制御による高精度制御の効果を発揮することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の一実施の形態である記憶装置が有するトラッキング制御装置の概略構成を説明するためのブロック線図である。
【図2】本実施の形態の柔軟遅延手段とその周辺回路の概略構成を説明するための図である。
【図3】本実施の形態の柔軟遅延手段の動作を説明するためのフローチャートである。
【図4】従来のトラッキング制御装置の概略構成を説明するためのブロック図である。
【図5】従来のトラッキング制御装置の概略構成を説明するためのブロック線図である。
【図6】線速度一定時のディスク半径位置とディスク回転数との関係を説明するための図である。
【図7】トラックジャンプにより光ヘッドの半径位置が変化し、光ディスクの回転数が変わった時のトラッキング誤差波形のシミュレーション結果である。
【符号の説明】
1…トラッキング誤差検出手段
2…位相補償またはロバスト安定補償による制御器
3…トラッキングアクチュエータ 5…補正信号生成手段
6…前置補償手段 7…第2の加算手段
12…トラッキング誤差補償信号生成手段
14…第1の加算手段 15…サンプリング手段
16…ZOH 18…フィードバック制御系
19…柔軟遅延手段 17,20…フィードフォワード制御器
21…小遅延手段 22…切換手段
23…信号送出手段 24…制御信号送出手段
25…回転数検出手段 26…半径位置検出手段
27…トラックジャンプ指令検出手段

Claims (3)

  1. トラック位置に応じて回転速度が可変制御される光ディスク上のトラック位置と光ヘッドから出射される光スポット位置との差に対応したトラッキング誤差信号を生成するトラッキング誤差信号生成手段と、前記トラッキング誤差信号とトラッキング誤差補償信号とを加算した加算信号に基づきトラッキング誤差推定信号を生成する補正信号生成手段と、前記トラッキング誤差推定信号の振幅及び位相の補償を行い前置補償信号を生成する前置補償手段と、前記前置補償信号からトラッキング誤差の補償分を演算により求めるトラッキング誤差補償信号生成手段と、前記トラッキング誤差補償信号生成手段で生成されたトラッキング誤差補償信号と前記トラッキング誤差信号とから前記加算信号を生成する加算信号生成手段と、前記トラッキング誤差信号と前記前置補償信号とを加算し駆動信号を生成する駆動信号生成手段と、前記駆動信号に基づき前記光スポットに前記光ディスク上の目的のトラックを走査させる制御手段とを備えるトラッキング制御装置において、
    前記補正信号生成手段は、前記加算信号を記憶する小単位に細分化された複数個の記憶手段と、前記複数個の記憶手段から出力される前記トラッキング誤差推定信号が前記光ディスクの少なくとも1周分の回転周期前の前記加算信号となるように、前記光ディスク上のトラック位置に基づいて前記加算信号を前記複数個の記憶手段のいずれかの入力位置に切り換える切換手段とを備えることを特徴とするトラッキング制御装置。
  2. 請求項1に記載のトラッキング制御装置において、
    前記複数個の記憶手段は前記光ディスクの読み書きの最小半径のトラック位置での少なくとも1周分の回転周期に相当する容量の記憶手段と、隣接するトラック位置に応じて可変する回転周期の増分に相当する容量を有する複数の記憶手段とから構成されることを特徴とするトラッキング制御装置。
  3. 請求項1又は2に記載のトラッキング制御装置を備えることを特徴とする記録装置。
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