JP2008282439A - 光ピックアップ装置およびそれを用いた光ディスク装置 - Google Patents

光ピックアップ装置およびそれを用いた光ディスク装置 Download PDF

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Abstract

【課題】チルトセンサーなどの特別な検出手段を用いることなく偏心や面ぶれのあるディスクを記録または再生する場合に生じる対物レンズのチルトを低減した光ピックアップ装置および光ディスク装置を提供する。
【解決手段】フォーカス位置情報とトラッキング位置情報を用いて、対物レンズアクチュエータの運動方程式より計算したチルト補正駆動量で回転制御を行い、チルトを低減する。
【選択図】図4

Description

本発明は光ピックアップ装置、特に、ディスク状記録媒体に光スポットを照射して光学的に情報を記録および再生する方式の記録再生装置における光ディスク装置に関するものである。
光ピックアップ装置は、CD、DVD、Blu-rayディスク、HD-DVDディスクなどの円盤状情報記録媒体(以下ディスクという)に光ビームスポットを照射し、ディスク記録面上にピット列で構成される情報を記録再生する光ディスク駆動装置に用いられ、その光ビームスポット形成に使用する対物レンズを駆動するために用いる。
ディスクの回転に伴って生じる光ビームスポットとピット列との空間的なずれ、すなわちディスク面ぶれなどの上下運動から発生するフォーカシングずれやディスクの偏心などによるトラッキングずれを補正するために対物レンズをディスクに対して垂直な方向(以下フォーカシング方向という)とディスクの半径方向(以下トラッキング方向という)に駆動して、常に適切なスポットがピット列に位置するようにこれを制御するものである。一般にディスクから反射する光を光検出器でとらえて、フォーカシングエラー信号、トラッキングエラー信号を生成し、位置制御がなされる。
近年普及の著しいパーソナルコンピュータに接続して使用される光ディスク装置などは、コンピュータの処理能力向上に伴いデータ転送速度の高速化が要求されており、ディスクの回転数を高速化することで高速記録/再生を実現している。ディスク回転数の高速化に伴い、高速に発生する面ぶれや偏心に対し対物レンズをより高速に追従させる必要があり、光ピックアップ装置に用いる対物レンズアクチュエータはより大きな加速度感度が要求されている。
同時に、ノートパソコンなどの限られたスペース内に上記装置を実現することが求められており、装置小型化の要求が高まっている。例えば、特許文献1記載の技術では、限られたスペース内における磁気回路の工夫により感度向上と不要振動の低減を同時に実現している。
さらに上記光ディスク駆動装置は、情報の記録密度のさらなる向上が要求されており高NAの対物レンズを用いて光スポットをより小さくしぼりこむ対策をしている。信号の記録再生をより確実にするためは、ディスクの記録面に照射したスポットの収差を低減するのが有効であり、ディスクの記録面に対する光軸傾きを低減する工夫が従来の光ピックアップ装置になされている。具体的には、特許文献2に記載の技術では、対物レンズを光ディスク半径方向の傾動方向に駆動可能な、いわゆるチルト補正可能な対物レンズアクチュエータが記載されている。
また、特許文献2に記載の対物レンズ駆動装置を制御する技術として、特許文献3には、
ディスクのチルトをチルトセンサーを用いて検出し、チルト補正量を求める技術が開示されている。
一方で、チルトセンサーを使わずに同様の効果を得る技術として、特許文献4、特許文献5にはディスクの各半径位置における対物レンズ位置よりチルト補正量を算出する技術が開示されている。
同様に、チルトセンサーを使わずに所望の制御を行う技術に、ビットエラーレートを最小化する評価関数を用いる方法が特許文献6に開示されており、信号の揺らぎであるジッタを評価関数に用いる方法が特許文献7に記載されている。
上記特許文献3ないし特許文献7に開示された技術はいずれも、チルトを補正制御するのに、チルトセンサーなどの特別な検出手段を用意したり、それに順ずる信号をジッタやビットエラーレートから推定されるディスクとのチルトを低減するフィードバック制御を基本とする。
また、これらの技術は、対物レンズアクチュエータをフォーカシング方向やトラッキング方向へ駆動したときに対物レンズ自身で発生するチルトが生じないことが暗黙の前提となっている。
特開2004−146034号公報 特開2004−145989号公報 特開2006−244662号公報 特開2006−268961号公報 特開2006−134415号公報 特開2006−185579号公報 特開2004−63067号公報
ディスクのそりに起因するチルトや、光ピックアップの取り付け誤差によるチルトは、従来の技術により低減することが可能である。その一方で、対物レンズをフォーカシング方向やトラッキング方向へ駆動したときに対物レンズアクチュエータ自身で発生するチルトは従来技術のみでは低減が難しい。
対物レンズアクチュエータ自身で発生するチルトは、磁気回路で発生する推力の位置である駆動点と対物レンズを弾性支持する中心となる支持点と、対物レンズを保持する可動質量の中心である重心点の3点が一致しないと、大きく発生する。
特に、光ピックアップの薄型化において、スペースの制約で理想的な磁気回路や、弾性支持部を構成できず、駆動点と支持点のずれをなくすことが難しい。薄型の対物レンズ駆動装置では、フォーカシング駆動するだけで、トラッキング方向の駆動点と支持点がずれることが多い。
また、倍速対応に必要な感度を増すために、重心点を調整するための質量を削減すると、重心点を駆動点や支持点に一致させるのが難しくなる。
以上の課題に対し、本発明の目的は、駆動点、支持点、重心点が一致しない場合にも、対物レンズをフォーカシング方向やトラッキング方向に駆動する際に発生するチルトを低減する光ピックアップ装置およびそれを用いた光ディスク装置を提供することにある。
上記課題に対し、請求項1記載の光ピックアップ装置は、対物レンズアクチュエータの運動を支配する運動方程式より制御量を算出することで、フィードフォワード制御を行い、対物レンズをフォーカシング方向やトラッキング方向へ駆動したときに発生するチルトを低減する。
請求項2に記載の光ピックアップ装置は、運動方程式から求められる周波数伝達関数を、フォーカス位置情報の関数とトラッキング位置情報の関数とに変数分離することで、制御に必要な計算量を減らす。
請求項3ないし請求項6に記載の光ピックアップ装置は、光ディスクが離散的な所定回転数で動作することに着目し、制御時の計算量を減らすことと、面ぶれや偏芯をフーリエ係数で格納することで使用メモリを減らし、簡単な積和手段のみで制御系を構成している。
請求項7ないし請求項8に記載の光ピックアップ装置は、ディスク半径位置に関する情報処理を付加することで、シーク動作時のチルトを低減する。
請求項9に記載の光ピックアップ装置は、チルト駆動信号のゼロクロス時に上記制御の開始/停止を行い不要なレンズゆれを防止する。
請求項10に記載の光ピックアップ装置は、ディスクの回転数が変化した場合の動作で、テーブルの線形補間により対応する。
請求項11に記載の光ディスク装置は、対物レンズアクチュエータの運動方程式の主要パラメータを製造シリアル番号で管理し製造に起因するばらつきをなくし、制御精度を向上する。
本発明の光ピックアップ装置およびそれを用いた光ディスク装置は、対物レンズアクチュエータを駆動する際に生じるチルトを低減することが可能となり光スポットの収差品質の向上によって、安定した情報の記録再生が可能となる。
製造ばらつきや設計の制約で、重心からずれた位置を駆動する対物レンズアクチュエータでも、運動方程式に関するパラメータを個別調整することによりチルトが抑圧できる。特に、薄型でありながら、レンズの駆動感度をアップすることが可能な制御方式であることから、高倍速記録にも対応することができる。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は本実施形態の光ディスク装置の構成を示す斜視図である。図1において、光ディスク装置1は、種々の制御を行う制御回路基板2とトラバースユニット部3より構成される。制御回路基板2には、後の制御に必要なパラメータを不揮発性メモリ(図示しない)に格納できるようになっている。
トラバースユニット部3には、光ディスク4を回転駆動するためのスピンドルモータ5を備えており、スピンドルモータ5に設けられたターンテーブル6に光ディスク4をチャッキングする。
トラバースユニット部3には、光ピックアップ装置7が光ディスク4の半径方向であるトラッキング方向、すなわち矢印Tr方向に移動可能なように配置される。図1における矢印Fo方向はフォーカシング方向であり光ピックアップ装置7が備える対物レンズを焦点制御する方向である。
さらに矢印Fo方向と矢印Tr方向に垂直な軸回りの回転である矢印RADはラジアルチルティング方向であり、光ピックアップ装置7が備える対物レンズの回転制御方向である。
図2は本実施形態の光ピックアップ装置の対物レンズアクチュエータの構成を示す斜視図である。
図2において、対物レンズ11は、レンズホルダ12に保持されており、レンズホルダ12はさらにワイヤーサスペンション13に保持されている。レンズホルダ12にはトラッキングコイル15とフォーカシングコイル16aおよびフォーカシングコイル16bが保持されており、ワイヤーサスペンション13を通じて通電可能に端線処理されている。
トラキングコイル15とフォーカシングコイル16は、磁石14より磁束の供給を受けている。矢印Foはフォーカシング方向、矢印Trはトラッキング方向、矢印RADはラジアルチルティング方向であるのは、図1と同様である。
フォーカシングコイル16aとフォーカシングコイル16bに印加する電流が同一方向の場合、対物レンズ11はフォーカシング方向へ駆動され、逆方向の場合、ラジアルチルティング方向へ回転駆動される。
図2における対物レンズアクチュエータは、数1に示す運動方程式で支配される。
数1において、xはトラッキング方向の中立位置からの変位、zはフォーカシング方向の中立位置からの変位、θはラジアルチルティング方向の中立位置からの回転変位をあらわす状態変数である。
x、z、θの上部の黒丸「・」印は、時間に関する微分を示す。
mは可動部の質量、Jは可動部の慣性モーメント、c、kは各々の成分に関するダンピング係数、バネ係数をあらわし、添え字のtr、fo、Tはトラッキング方向、フォーカシング方向、ラジアルチルティング方向をあらわす。変数u1はフォーカシング方向の駆動力、変数u2はトラッキング方向の駆動力、変数u3はラジアルチルティング方向の駆動力である。
係数a1,a2,a3は、状態変数θによってフォーカシング方向に影響する相互作用の項であり、係数b1,b2,b3は、状態変数θによってトラッキング方向に影響する相互作用の項であり、係数c1,c2,c3,c4,c5,c6は、状態変数xと状態変数zによってラジアルチルティング方向に影響する相互作用の項である。
一般に、係数a1〜a3、係数b1〜b3、係数c1〜c6は、限りなくゼロになるように対物レンズアクチュエータを設計しなければならないが、製造における組み立て誤差や部品のばらつきにより完全にゼロにすることは難しい。また、薄型で感度を上げようとすると、フォーカシング方向の重心位置をずらした設計解しか得られないことが多い。
特にフォーカシング方向の重心位置がずれた場合において、数1を初期値ゼロでラプラス変換し、トラッキング方向の変位X(s)を入力,ラジアルチルティング方向の変位Θ(s)を出力とする伝達関数G(s)を求めると、数2に示す特長的な結果が得られる。
すなわち、フォーカシング方向とトラッキング方向について変数分離された形式に分解される。
数2において、s=jωとなるラプラス変換の変数であり、jは虚数単位、ω=2πfであらわされる角周波数である。A1,A2,A3、A4,A5は定数であり、数1に記載の運動方程式の各係数が決まると一定に定まる。
K1(z)は変数zのみの関数でフォーカス位置の影響をあらわし、K2(s)は変数sのみの関数でトラッキング方向の制御量より生じるラジアルチルトの応答を計算できる。
フォーカシング方向とトラッキング方向に変数分離表現することにより、制御系が簡素に実現できる特徴があるが、これは後に述べる。
数2における、A1,A2,A3、A4,A5の各定数は、設計時に用いたパラメータより求めてもよいし、実物の対物レンズアクチュエータがあれば、一般的なパラメータ同定法を用いて求めてもよい。図3は対物レンズのフォーカス位置をずらしたときの伝達関数G(s,z)を実測した結果である。図3のゲイン線図の0dBは対物レンズがトラッキング方向に1メートルだけ変位したときのラジアルチルトの発生角度が0.4775度の単位で表記している。
生産ばらつきが少なければ、数2に示した設計値に近い値となる。
光ピックアップの製造工程では、パラメータ同定した値が、設計値よりかけ離れた値になるときは、製造上の異常がないか検査を実施する。
設計許容範囲の値の場合は、光ピックアップの製造シリアル番号とともに得られたA1ないしA5の各パラメータを工程管理を行うパソコンに保存しておく。そして、光ディスク装置の製造ラインにデータを引き渡し、図1の制御回路基板2にパラメータを格納する。
図4は本実施形態の制御ブロック図である。図4において、4はディスク、5はスピンドルモータ、7は光ピックアップ装置、11は対物レンズであり、図1および図2と同じ符号を割り当てている。
対物レンズ11は光スポット20をディスク4上に結び、ディスク4からの反射光21を光検出器22で受けて電気信号に変換し信号処理回路23にてトラッキングエラー信号24、フォーカシングエラー信号25を生成する。フォーカシングエラー信号25はフォーカス制御回路26に入力され、フォーカス位置情報zを出力する。フォーカス位置情報zは、チルト駆動量算出手段32とドライバ33に入力され、ドライバ33は光ピックアップ装置7に搭載されている対物レンズアクチュエータのフォーカシングコイル16aおよび16bを駆動信号34で同相駆動する。
一方で、トラッキングエラー信号24はトラッキング制御回路27に入力され、トラッキング位置情報xを出力する。トラッキング位置情報xはチルト駆動量算出手段32に入力されるとともにドライバ33によって、光ピックアップ装置7に搭載されている対物レンズアクチュエータのトラッキングコイルを駆動信号34で駆動する。トラッキング制御回路27は、光ピックアップ装置7をディスクの半径方向への駆動が必要な場合に、トラバースモータ制御回路28に移動指令35を送り、トラバース駆動信号29にて、トラバースモータ38を駆動する。また、トラバースモータ制御回路28は光ピックアップ装置7の半径位置情報ρをチルト駆動量算出手段32に入力するとともに、トラッキング制御に必要な半径位置情報ρをトラッキング制御回路27へフィードバックする。
スピンドルモータ5はスピンドルモータ制御回路30より出力するスピンドルモータ駆動信号31にて回転させる。ディスク4の回転数はスピンドルモータ5から出されるFG信号37をスピンドルモータ制御回路30へフィードバックする。スピンドルモータ制御回路30はディスク回転周波数fとディスク回転角位置情報θをチルト量算出手段32へ入力する。
チルト駆動量算出手段32は、トラッキング位置情報x、フォーカス位置情報z、半径位置情報ρ、ディスク回転周波数f、ディスク回転各位置情報θを入力とし、チルト補正駆動量rを出力する。
チルト補正駆動量rはドライバ33へ入力され、図2に記載のフォーカシングコイル16aとフォーカシングコイル16bを差動駆動する。
チルト駆動量算出手段32の計算は数2にしたがって計算され、実際にはデジタルシグナルプロセッサ等のプログラムソフトで実現される。
ここで、半径位置情報ρは数2に記載のないパラメータであるが、これはディスク全体の面ぶれを算出してフォーカス位置情報zに加算して使用するパラメータであって、後述の(実施の形態3)で説明をする。
本発明の光ディスク装置は、以上のように構成されるが、光ピックアップ装置7の半径位置が一定かつスピンドルモータ5の回転数が一定とみなせる場合で、たとえば、信号の記録再生中の場合、数2に示した計算式をあらかじめ計算した表を用いて、単純な積和演算構成にすることができ、デジタルシグナルプロセッサの計算負荷を下げ、消費電力を低減することが可能になる。
これは、数2において、フォーカシング方向とトラッキング方向に変数分離表現することにより、制御系が簡素に実現できる所以である。
光ピックアップ装置7の半径位置が一定かつスピンドルモータ5の回転数が一定とみなせる場合のチルト駆動量算出手段の構成について、図5および図6を用いて説明する。
図5は、本実施形態の伝達関数G(s,z)を求めるための計算表であり、図6は本実施形態のチルト駆動量算出手段のブロック図である。
図5(a)は、数2の伝達関数Gをz=0の条件で、ディスク回転周波数を70Hzから100Hzまで10Hz間隔でゲインK2を計算した結果である。ゲインK2の単位[dB]表記は図3のz=0mmのプロット値と一致する。実際の積和演算では単位を[dB]表記でなく、単位[倍]表記にて使用する。位相φは図3の位相のプロット値と一致する。
図5(b)はフォーカス位置で変化するゲイン分K1を計算した表である。
フォーカス変位zを−0.4mmから+0.4mmまで0.1mm刻みで計算してある。図3からもわかるように、ゲイン線図が形状をそのままに、ゲインK1分だけ上下し、位相は変化していない。
図5(a)と図5(b)の表を用いて、図6のようにチルト駆動量算出手段32が構成される。図6において、44はディスク回転周波数fを入力して図5(a)記載の表を参照してゲインK2と位相φを出力し、45はフォーカス位置情報zを入力して図5(b)記載の表を参照してゲインK1を出力する。
得られたゲインK1とゲインK2とトラッキング位置情報xを乗算手段46で乗算し、さらに位相φだけ位相シフト手段47で位相シフトしてチルト補正駆動量rを出力する。
ここで、数2のK1の式が、単純なゲイン倍であるため、位相シフト手段47は1つだけですみ、単純な積和演算だけでチルト駆動量算出手段32が構成されている。特に位相φの値が小さく無視できる場合は数3のようにさらに単純化され、チルト駆動量算出手段32の構成がさらに簡単になる。
さて、40はスピンドルモータ制御手段内にもつFG信号よりディスク回転周波数fを算出する手段である。
偏心メモリ41、面ぶれメモリ42、ラジアルチルトメモリ43はディスク1回転分の
トラッキング位置情報x、フォーカス位置情報z、チルト補正駆動量rを記憶しておくメモリであってディスク回転数が一定の場合のフィードフォワード補正制御用の手段である。
以上のように構成される本発明の光ピックアップ装置の実施形態における動作について図面を参照しながら説明する。
図7および図8は、本実施形態のチルト駆動量の算出例である。
図7は、偏心が±70μm面ぶれが±300μmで変化し、ディスク回転周波数が90Hzである場合にx(t)、z(t)が入力とし、図6に記載のチルト駆動量算出手段32でチルト補正駆動量rを算出した結果である。
同様にして図8は、偏心が±70μm、面ぶれが偏心に対して60度の位相ずれ状態かつ中立位置より200μm下がった状態で±150μm変化し、ディスク回転周波数が70Hzである場合にチルト補正駆動量rを算出した結果である。
以上の計算結果は、図9に示す本実施形態のチルト駆動時の動作概念図に、以下のように対応する。
図9において、対物レンズ11、レンズホルダー12が模式的に表現してあり、黒丸の点G1、G2、G3はフォーカシング方向に上下した場合の重心の位置を示す。図9(a)は中立位置状態(z=0)、図9(b)は上方向へ移動状態(z=0.3mm)、図9(c)は下方向へ移動状態(z=−0.3mm)である。
図9(b)に示すように矢印x2方向へ力がかかる場合、重心G2とx2の力の作用点が離れているため、発生するラジアルチルトを抑制するためには矢印r2方向に大きなトルクを与え、チルト補正駆動量を入力する必要がある。
逆に、図9(c)に示すように重心G3とx3の力の作用点が近い場合は、発生するラジアルチルトを抑制するために必要なトルクr3は小さくてすむ。
図9(b)に対応する図7の状態は、点B1、点B2、点B3であらわされる。点B2のようにフォーカス位置が上側にあるときチルト補正駆動量は点B3に対応して大きくなる。図9(c)に対応する図7の状態は点C1、点C2、点C3であらわされ、同様にチルト補正駆動量は点C3に示すように小さくなる。
なお、偏心の方向、すなわち点B1、点C1の符号に対応して、点B3、点C3の符号も変化する。
図8の計算結果も同様で、x(t)とz(t)の位相が60度ずれている分だけ駆動波形が変調されたようになっているが、点C4の下側へのフォーカス位置に対応する、点C5近傍のチルト補正駆動量が小さくなっていることに注意されたい。
以上の動作により、チルト補正駆動量rを補正制御することにより対物レンズを駆動するときに生じるチルトを低減でき光スポットの収差品質の向上によって、安定した情報の記録再生が可能となる。
ラジアルチルト駆動動作の本質は、対物レンズを駆動するときに発生するチルトを低減したいという課題に対し、運動方程式に支配される対物レンズアクチュエータの系を数式モデルで表現し、制御系内部に制御対象のモデルを組込んでより高精度な追従制御を実現した点にある。さらに、ディスクの回転が一定であるような周期的な外乱への対応を積和計算と位相シフトのみの簡素な構成で実現した点にある。
さらに、制御パラメータを工程管理で同定しておき、シリアル番号で管理することで、製造ばらつきに起因する誤差を極限まで低減している。
なお、図7における点P1、点P2、点P3はチルト補正駆動量rがゼロとなるゼロクロスポイントであり、チルト補正制御の開始および停止をこの点で切り替えると、制御切り替え時の不安定動作が抑制される。
(実施の形態2)
以下、本発明の実施の形態のチルト補正駆動量算出手段の変形例について図面を参照しながら説明する。
図10は本実施形態の本実施形態の偏心や面ぶれをフーリエ係数で求めるブロック図である。図10(a)において、50はフーリエ係数計算手段であり、ディスク回転角位置情報θと対応するトラッキング位置情報xまたはフォーカス位置情報zを入力し、フーリエ係数c、s1、c1、s2、c2を求める。
フーリエ係数計算手段50内部では、51ないし54は正弦波のテーブルとトラッキング位置情報xまたはフォーカス位置情報zとを55ないし59の内積計算手段を行う。
図10(b)の逆フーリエ変換手段60は、フーリエ係数とディスク回転角位置情報θより対応するトラッキング位置情報xまたはフォーカス位置情報zを求める。
先の実施例における図6の偏心メモリ41、面ぶれメモリ42、ラジアルチルトメモリ43は、ディスク1回転分のメモリを必要とし、各半径位置のデータを保持しておくことは、多量の記憶領域を消費することになる。
しかし、実施の形態2の構成であれば、各半径位置のフーリエ係数を記憶すればよく、記憶領域を節約できる。
(実施の形態3)
光ピックアップ装置の半径位置が変化する場合、いわゆるシーク動作の場合に対応した本発明の実施の形態のチルト補正駆動量算出手段の変形例について図面を参照しながら説明する。
図11は本実施形態のシーク動作時の光スポットの移動軌跡の説明図であり、図12は本実施形態のシーク動作時の面ぶれをゼルニケの多項式係数で求めるブロック図である。
図11において、ディスク4にたいし、光ピックアップ装置7が矢印D方向へシーク動作で移動するその際、スピンドルモータ5によってディスク4が矢印E方向へ回転しているため、半径ρ1から半径ρ2へ移動する場合、軌跡Fで示すスポット移動がある。
軌跡Fで示すスポット移動に対応するフォーカス位置情報zを得るには図12に示すゼルニケ係数Z1ないしZ6を利用するのが便利である。
図12(a)の61はゼルニケ係数計算手段でありディスク回転角変位位置情報θと半径位置情報ρとフォーカス位置情報zを入力すると、62ないし66に記載のゼルニケの多項式とフォーカス位置情報との内積を67ないし72に記載の内積計算手段で求め、Z1ないしZ6のゼルニケ係数を求める。
図12(b)の73はディスク回転角変位位置情報θと半径位置情報ρよりフォーカス位置情報zを求める逆演算手段である。
実施の形態3の構成であれば、各半径位置のフーリエ係数を記憶する実施の形態2に比べて、さらに記憶領域を節約できる。
その上、実施の形態1の自然な拡張になっており、シーク動作にまで対応できる。
なお、以上の実施の形態1ないし実施の形態3における、ディスク回転周波数fや半径位置ρで保存されるパラメータはそれぞれ離散的な飛び飛びの値であるが、各制御パラメータを線形補間すれば、連続的なチルト補正駆動量が求められる。
本発明にかかる光ピックアップ装置およびそれを用いた光ディスク装置は、偏心や面ぶれのあるディスクを記録または再生する場合に生じる対物レンズのチルトを低減することができるので、ディスク状記録媒体に光スポットを照射して光学的に情報を記録および再生する方式の記録再生装置等の用途に適用できる。
本実施形態の光ディスク装置の構成を示す斜視図 本実施形態の光ピックアップ装置の対物レンズアクチュエータの構成を示す斜視図 本実施形態における対物レンズのフォーカス位置をずらしたときの伝達関数G(s,z)の実測結果を示す図 本実施形態の制御ブロック図 本実施形態の伝達関数G(s,z)を求めるための計算表を示した図 本実施形態のチルト駆動量算出手段のブロック図 本実施形態のチルト駆動量の算出例を示す図 本実施形態のチルト駆動量の算出例示す図 本実施形態のチルト駆動時の動作概念図 本実施形態の偏心や面ぶれをフーリエ係数で求めるブロック図 本実施形態のシーク動作時の光スポットの移動軌跡の説明図 本実施形態のシーク動作時の面ぶれをゼルニケの多項式係数で求めるブロック図
符号の説明
1 光ディスク装置
2 制御回路基板
3 トラバースユニット部
4 ディスク
5 スピンドルモータ
6 ターンテーブル
7 光ピックアップ装置
11 対物レンズ
12 レンズホルダ
13 ワイヤーサスペンション
14 磁石
15 トラッキングコイル
16 フォーカシングコイル
22 光検出器
23 信号処理回路
24 トラッキングエラー信号
25 フォーカシングエラー信号
26 フォーカス制御回路
27 トラッキング制御回路
28 トラバースモータ制御回路
30 スピンドルモータ制御回路
32 チルト駆動量算出手段
33 ドライバ

Claims (11)

  1. 光ビームをディスクに収束する対物レンズと、前記対物レンズをフォーカシング方向とトラッキング方向とに並進駆動可能かつ前記ディスクの信号面に対する前記光ビームの光軸傾きを回転駆動可能に構成された対物レンズアクチュエータを有する光ピックアップ装置において、
    前記光ピックアップ装置の光検出器より算出されるフォーカス位置情報とトラッキング位置情報を用いて、前記対物レンズアクチュエータの運動を支配する運動方程式よりチルト補正駆動量を算出するチルト補正駆動量算出手段を備え、
    前記チルト補正駆動量で前記対物レンズアクチュエータのチルト制御を行うことを特徴とする光ピックアップ装置。
  2. チルト補正駆動量算出手段はディスク回転数を周波数とする周波数伝達関数からなり、前記周波数伝達関数はフォーカス位置情報である第1の変数とトラッキング位置情報である第2の変数で表され、前記第1の変数のみで記述される第1の関数と前記第2の変数と周波数で記述される第2の関数との積の形式に変数分離していることを特徴とする請求項1記載の光ピックアップ装置。
  3. 所定のディスク回転数について、第2の関数の値を計算したテーブルをメモリに格納しておき、フォーカス位置情報とトラッキング位置情報と前記テーブルとの積和演算によりチルト補正駆動量を算出するチルト補正駆動量算出手段であることを特徴とする請求項2記載の光ピックアップ装置。
  4. ディスク1回転分のトラッキング位置情報をフーリエ級数展開して求めたフーリエ係数を用いて、第2の関数の計算値を求めることを特徴とする請求項2に記載の光ピックアップ装置。
  5. ディスク1回転分のフォーカス位置情報をフーリエ級数展開して求めたフーリエ係数を用いて、第1の関数の計算値を求めることを特徴とする請求項2に記載の光ピックアップ装置。
  6. 複数のディスクの半径方向の位置に関するフーリエ係数を用いてチルト補正駆動量を算出することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の光ピックアップ装置。
  7. ディスクの半径方向の位置とディスクの回転位置で変化するフォーカス位置情報と、前記ディスクの半径方向の位置と前記ディスクの回転位置で変化するトラッキング位置情報を、メモリに格納しておき、シーク動作時のチルト補正駆動量を算出することを特徴とする請求項2に記載の光ピックアップ装置。
  8. フォーカス位置情報は各々のゼルニケの多項式展開で求めた係数情報よりチルト補正駆動量を算出することを特徴とする請求項7に記載の光ピックアップ駆動装置。
  9. チルト補正制御の開始またはチルト補正制御の停止は、駆動信号のゼロクロスポイント近傍にて行うことを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置。
  10. ディスクの回転数が変化する場合に所定のディスク回転数について求めておいたパラメータを線形補間して得られるチルト補正駆動量を算出することを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置。
  11. 請求項1に記載の光ピックアップ装置において、
    前記光ピックアップ装置の製造工程内にて同定した、対物レンズアクチュエータの運動方程式の主要パラメータを、製造シリアル番号に基づいて記録しておき、光ディスク装置の製造工程において、前記運動方程式の主要パラメータを前記光ディスク装置の制御装置内の不揮発性メモリへ転送することを特徴とする光ディスク装置。
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