JP2004326070A - 電子写真装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 感光体に印加される転写電流が65μA以上で、少なくとも電荷発生層と電荷輸送層を順に積層した電子写真感光体で、該電荷発生層中にCuKα線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピーク、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピーク、かつ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピーク、かつ前記7.3゜のピークと9.4゜のピークの間にはピークを有さず、更に26.3゜にピークを有するチタニルフタロシアニン結晶を含むことを特徴とする電子写真装置。
【選択図】 図2
Description
これを達成する手段として、電荷発生物質に、高感度な材料である、CuKα線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニン結晶を用いることが知られている。
しかしながら、転写手段による空隙電界強度の増加は、上記CuKα線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニン結晶を用いた感光体を繰り返し用いた際、特に電気特性の劣化を促進してしまうことから、上記と同様に地汚れと呼ばれる異常画像の原因となっている。このため、前記チタニルフタロシアニン結晶の高感度という長所を活かしきれない。
したがって、特有の高感度を有するチタニルフタロシアニンを電荷発生物質に用い、電荷輸送層用塗工液に非ハロゲン系溶媒を用いた場合においても、良好な光減衰特性を示す電子写真感光体、それを用いた電子写真装置及び電子写真用プロセスカートリッジの完成が望まれていた。
具体的には、転写手段における転写電流を制御し、逆帯電による感光体の電気的劣化に強い感光体を用いることで前記を解消し、安定で解像度の高い画像を出力する電子写真装置を提供することにある。また、電荷輸送層用塗工液に非ハロゲン系溶媒を用いた場合においても、チタニルフタロシアニン固有の高感度を維持した電子写真装置を提供することにある。
(2)「前記チタニルフタロシアニン結晶は、26.3゜のピーク強度が、最大回折ピーク27.2゜のピーク強度に対して0.1〜5%の範囲であるチタニルフタロシアニン結晶であることを特徴とする前記第(1)項に記載の電子写真装置」;
(3)「前記電子写真装置が、転写電流を定電流制御にて制御を行なうものであることを特徴とする前記第(1)項又は第(2)項に記載の電子写真装置」;
(4)「転写中に電源から感光体に流れず転写部材に流れるバイパス電流を電源に帰還させるフィードバック機構に設けられた電流計測手段を有し、これにより、電源からの出力電流と該電流計測手段により計測された電流との差分としての感光体に流れる転写電流を制御することを特徴とする前記第(1)項又は第(2)項に記載の電子写真装置」;
(5)「前記チタニルフタロシアニン結晶が、一次粒子の平均サイズが0.3μm未満であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(4)項の何れかに記載の電子写真装置」;
(6)「チタニルフタロシアニン結晶粒子の体積平均粒径が0.3μm以下で、その標準偏差が0.2μm以下になるまで分散を行ない、その後有効孔径が3μm以下のフィルターにて濾過を行なった分散液を使用し、電荷発生層を塗工した感光体を用いることを特徴とする前記第(5)項に記載の電子写真装置」;
(7)「前記チタニルフタロシアニンが、CuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも7.0〜7.5゜に最大回折ピークを有し、その回折ピークの半値巾が1゜以上である一次粒子の平均サイズが0.1μm以下の不定形チタニルフタロシアニンもしくは低結晶性チタニルフタロシアニンを水の存在下で有機溶媒により結晶変換を行ない、結晶変換後の一次粒子の平均サイズが0.3μm以上に成長する前に、有機溶媒より結晶変換後のチタニルフタロシアニンを分別、濾過されたものであることを特徴とする前記第(5)項に記載の電子写真装置」;
(8)「前記電荷輸送層に少なくともトリアリールアミン構造を主鎖および/または側鎖に含むポリカーボネートを含有することを特徴とする前記第(1)項乃至第(7)項の何れかに記載の電子写真装置」;
(9)「前記電荷輸送層上に保護層を有することを特徴とする前記第(1)項乃至第(8)項の何れかに記載の電子写真装置」;
(10)「前記保護層に比抵抗1010Ω・cm以上の無機顔料または金属酸化物を含有することを特徴とする前記第(9)項に記載の電子写真装置」;
(11)「前記金属酸化物が、比抵抗1010Ω・cm以上のアルミナ、酸化チタン、シリカのいずれかであることを特徴とする前記第(10)項に記載の電子写真装置」;
(12)「前記金属酸化物が、比抵抗1010Ω・cm以上のα−アルミナであることを特徴とする前記第(11)項に記載の電子写真装置」;
(13)「前記保護層に高分子電荷輸送物質を含有することを特徴とする前記第(9)項乃至第(12)項の何れかに記載の電子写真装置」;
(14)「前記感光体の電荷輸送層が、非ハロゲン系溶媒を用いて形成されたものであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(13)項の何れかに記載の電子写真装置」;
(15)「前記非ハロゲン系溶媒として、少なくとも環状エーテル、あるいは芳香族系炭化水素より選ばれる1種を用いることを特徴とする前記第(14)項に記載の電子写真装置」;
(16)「前記電子写真感光体の導電性支持体表面が陽極酸化皮膜処理されたものであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(15)項の何れかに記載の電子写真装置」;
(17)「少なくとも帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、及び電子写真感光体からなる画像形成要素を複数配列したことを特徴とする前記第(1)項乃至第(16)項の何れかに記載の電子写真装置」;
(18)「前記電子写真装置の帯電手段に、接触帯電方式を用いることを特徴とする前記第(1)項乃至第(17)項の何れかに記載の電子写真装置」;
(19)「前記電子写真装置の帯電手段に、非接触の近接配置方式を用いることを特徴とする前記第(1)項乃至第(17)項の何れかに記載の電子写真装置」;
(20)「前記帯電手段に用いられる帯電部材と感光体間の空隙が200μm以下であることを特徴とする前記第(19)項に記載の電子写真装置」;
(21)「前記電子写真装置の帯電手段に、交流重畳電圧印加を行なうことを特徴とする前記第(18)項乃至第(20)項の何れかに記載の電子写真装置」;
(22)「前記電子写真装置が、感光体と少なくとも帯電手段、露光手段、現像手段、クリーニング手段から選ばれる1つの手段とが一体となった装置本体と着脱自在なカートリッジを搭載していることを特徴とする前記第(1)項乃至第(21)項の何れかに記載の電子写真装置」によって解決される。
具体的には、転写手段における逆帯電による感光体の電気的劣化を解消し、安定で解像度の高い画像を出力する電子写真装置が提供される。また、電荷輸送層用塗工液に非ハロゲン系溶媒を用いた場合においても、チタニルフタロシアニン固有の高感度を維持した電子写真装置が提供される。
図2は、本発明の電子写真プロセスおよび電子写真装置を説明するための概略図であり、下記に示すような変形例も本発明の範疇に属するものである。
図2において、感光体(1)は導電性支持体上に少なくとも電荷発生層、電荷輸送層を含む感光層が設けられてなり、電荷発生層にはCuKα線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、かつ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、かつ前記7.3゜のピークと9.4°のピークの間にはピークを有さず、更に26.3゜にピークを有するチタニルフタロシアニン結晶を含有してなる。感光体(1)はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであっても良い。
また、帯電方式のうち、少なくとも感光体への主帯電に用いられる帯電部材(図2には帯電ローラ(3)として表記されている)には、特に接触帯電方式、あるいは非接触の近接配置方式が望ましい。接触帯電方式あるいは非接触の近接配置方式の帯電部材においては帯電効率が高くオゾン発生量が少ない、装置の小型化が可能である等のメリットを有する。
ここでいう接触方式の帯電部材とは、感光体表面に帯電部材の表面が接触するタイプのものであり、帯電ローラ、帯電ブレード、帯電ブラシの形状がある。中でも帯電ローラや帯電ブラシが良好に使用される。
転写電流は大きいほど、感光体−トナー間の静電付着力を上回る電荷量を与えられるため有利であるが、ある閾値を越えると転写部材−感光体間で放電現象を生じてしまい、微細に現像されたトナー像を散らせる結果になる。このため、上限値としてはこの放電現象を起こさない範囲ということになる。この閾値は転写部材−感光体間の空隙(距離)、両者を構成する材料などによって変わるものであるが、概ね200μA以下程度で使用することにより、放電現象を回避できる。したがって、転写電流の上限値は200μA程度である。
かかる光源等は、図2に示される工程の他に光照射を併用した転写工程、除電工程、クリーニング工程、あるいは前露光などの工程を設けることにより、感光体に光が照射される。
先の帯電方式においてAC成分を重畳して使用する場合や、感光体の残留電位が小さい場合等は、この除電機構を省略することもできる。また、光学的な除電ではなく静電的な除電機構(例えば、逆バイアスを印加したあるいはアース接地した除電ブラシなど)を用いることもできる。
また、現像ユニット(6)により感光体(1)上に現像されたトナーは、転写紙(7)に転写されるが、感光体(1)上に残存するトナーが生じた場合、ファーブラシ(14)およびブレード(15)により、感光体より除去される。クリーニングは、クリーニングブラシだけで行なわれることもあり、クリーニングブラシにはファーブラシ、マグファーブラシを始めとする公知のものが用いられる。
この測定法に関しては、幾つかの方法があるが、例として2つの方法を記載する。
1つは、実際に感光体に流れる電流を測定するものであり、感光体からアースに向かって流れる電流を測定するものである。しかしながら、電子写真装置の動作時においては、帯電からの電流なども含まれてしまうため、感光体からのアースへの電流を直接計測する場合には、転写部材だけの動作を行ない、計測する必要がある。
もう1つは、間接的に測定する方法である。転写部に使用された高圧電源から出力される電流を計測し、感光体以外の転写部材関連(例えば、転写ベルトの駆動ローラなど)へ流れる電流を計測し、両者の差を求めて感光体への転写電流を間接的に求めるものである。この計測方法においては、高圧電源がフィードバック機能を有したものを使用し、前記ローラなどがアースに接地されているのではなく、高圧電源に戻し、出力電流と戻り電流の差を検知できるようなものを用いると簡便的である。
図6において、符号(1C),(1M),(1Y),(1K)はドラム状の感光体であり、感光体(1)は導電性支持体上に少なくとも電荷発生層、電荷輸送層を含む感光層が設けられてなり、電荷発生層にはCuKα線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、かつ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、前記7.3゜のピークと9.4゜のピークの間にはピークを有さず、更に26.3゜にピークを有するチタニルフタロシアニン結晶を含有してなる。この感光体(1C),(1M),(1Y),(1K)は図中の矢印方向に回転し、その周りに少なくとも回転順に帯電部材(2C),(2M),(2Y),(2K)、現像部材(4C),(4M),(4Y),(4K)、クリーニング部材(5C),(5M),(5Y),(5K)が配置されている。帯電部材(2C),(2M),(2Y),(2K)は、感光体表面を均一に帯電するための帯電装置を構成する帯電部材である。この帯電部材(2C),(2M),(2Y),(2K)と現像部材(4C),(4M),(4Y),(4K)の間の感光体裏面側より、図示しない露光部材からのレーザー光(3C),(3M),(3Y),(3K)が照射され、感光体(1C),(1M),(1Y),(1K)に静電潜像が形成されるようになっている。そして、このような感光体(1C),(1M),(1Y),(1K)を中心とした4つの画像形成要素(6C),(6M),(6Y),(6K)が、転写材搬送手段である転写搬送ベルト(10)に沿って並置されている。転写搬送ベルト(10)は各画像形成ユニット(6C),(6M),(6Y),(6K)の現像部材(4C),(4M),(4Y),(4K)とクリーニング部材(5C),(5M),(5Y),(5K)の間で感光体(1C),(1M),(1Y),(1K)に当接しており、転写搬送ベルト(10)の感光体側の裏側に当たる面(裏面)には転写バイアスを印加するための転写ブラシ(11C),(11M),(11Y),(11K)が配置されている。各画像形成要素(6C),(6M),(6Y),(6K)は現像装置内部のトナーの色が異なることであり、その他は全て同様の構成となっている。
本発明の電子写真感光体は、導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と電荷輸送層を形成してなる電子写真感光体であって、該電荷発生層中にCuKα線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、かつ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、前記7.3゜のピークと9.4゜のピークの間にはピークを有さず、更に26.3゜にピークを有するチタニルフタロシアニン結晶を含有するものである。
この結晶型は、特開2001−187794号公報に記載されているものであるが、このチタニルフタロシアニン結晶を用いることで、高感度を失うことなく繰り返し使用によっても帯電性の低下を生じない安定な電子写真感光体を得ることができる。
前記特開2001−187794号公報には、本発明で使用される電荷発生物質およびこれを用いた感光体、電子写真装置などが開示されている。しかしながら、600dpi以上あるいは1200dpi以上の解像度で使用される様な状況下においては、転写電流の適正化(通常よりも大きくする)を行なわないと、上述のような転写不良に基づく解像度低下を引き起こしていた。このような現象は、同公報に記載された画像形成装置よりも高速な画像形成装置での使用の場合に、顕著に発現する。このように、過去のプロセス(装置)では、必ずしも同公報に記載された材料の実力を充分に引き出していないだけでなく、プロセス条件を適正化してやらないと逆に副作用を生み出すものであった。
初めにチタニルフタロシアニン結晶の合成粗品の合成法について述べる。
フタロシアニン類の合成方法は古くから知られており、Moser等による「Phthalocyanine Compounds」(1963年)、「The Phthalocyanines」(1983年)、特開平6−293769号公報等に記載されている。
先ず、1回目の結晶変換方法について述べる。1回目の結晶変換は、前記不定形チタニルフタロシアニン(低結晶性チタニルフタロシアニン)を、CuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、かつ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、前記7.3°のピークと9.4゜のピークの間にはピークを有さず、かつ26.3゜にピークを有さないチタニルフタロシアニン結晶に変換する工程である。
この際、使用される有機溶媒は、所望の結晶型を得られるものであれば、いかなる有機溶媒も使用できるが、特にテトラヒドロフラン、トルエン、塩化メチレン、二硫化炭素、オルトジクロロベンゼン、1,1,2−トリクロロエタンの中から選ばれる1種を選択すると、良好な結果が得られる。これら有機溶媒は単独で用いることが好ましいが、これらの有機溶媒を2種以上混合する、あるいは他の溶媒と混合して用いることも可能である。
結晶変換に使用される前記有機溶媒の量は、不定形チタニルフタロシアニンの重量の10倍以上、好ましくは30倍以上の重量であることが望ましい。これは、結晶変換を素早く充分に起こさせると共に、不定形チタニルフタロシアニンに含まれる不純物を充分に取り除く効果が発現されるからである。なお、ここで使用する不定形チタニルフタロシアニンは、アシッド・ペースト法により作製するものであるが、上述のように硫酸を充分に洗浄したものを使用することが望ましい。硫酸が残存するような条件で結晶変換を行なうと、結晶粒子中に硫酸イオンが残存し、でき上がった結晶を水洗処理のような操作をしても完全には取り除くことができない。硫酸イオンが残存した場合には、感光体の感度低下、帯電性低下を引き起こすなど、好ましい結果を得られない。例えば、特開平8−110649号公報(比較例)には、硫酸に溶解したチタニルフタロシアニンをイオン交換水と共に有機溶媒に投入し結晶変換を行なう方法が記載されている。この際、本発明で得られるチタニルフタロシアニン結晶のX線回折スペクトルに類似した結晶を得ることができるが、チタニルフタロシアニン中の硫酸イオン濃度が高く、光減衰特性(光感度)が悪いものであるため、本発明のチタニルフタロシアニンの製造方法としては良好なものではない。
ここでいう粒子サイズとは、体積平均粒径であり、超遠心式自動粒度分布測定装置:CAPA−700(堀場製作所製)により求めたものである。この際、累積分布の50%に相当する粒子径(Median系)として算出されたものである。しかしながら、この方法では微量の粗大粒子を検出できない場合があるため、より詳細に求めるには、チタニルフタロシアニン結晶粉末、あるいは分散液を直接、電子顕微鏡にて観察し、その大きさを求めることが重要である。
図18および図19に、分散条件を固定して分散時間だけを変更した2種類の分散液の状態を観察した写真を示す。同一条件における分散時間の短い分散液の写真を図18に示すが、分散時間の長い図19と比較して、粗大粒子が残っている様子が観測される。図18中の黒い粒が粗大粒子である。この2種類の分散液の平均粒径並びに粒度分布を公知の方法に従って、市販の粒度分布測定装置(堀場製作所製:超遠心式自動粒度分布測定装置、CAPA700)により測定した。その結果を図20に示す。図20における「A」が図18に示す分散液に対応し、「B」が図19に示す分散液に対応する。両者を比較すると、粒度分布に関してはほとんど差が認められない。また、両者の平均粒径値は、「A」が0.29μm、「B」が0.28μmと求められ、測定誤差を加味した上では、両者に全くの差異が認められない。
したがって、公知の平均粒径(粒子サイズ)の規定だけでは、微量な粗大粒子の残存を検出できずに、昨今の高解像度のネガ・ポジ現像には対応できていないことが理解される。この微量な粗大粒子の存在は、塗工液を顕微鏡レベルで観察することにより、初めて認識できたものである。
その後、分別されたチタニルフタロシアニン結晶は、必要に応じて加熱乾燥される。加熱乾燥に使用する乾燥機は、公知のものがいずれも使用可能であるが、大気下で行なう場合には送風型の乾燥機が好ましい。更に、乾燥速度を早め、本発明の効果をより顕著に発現させるために減圧下の乾燥も非常に有効な手段である。特に、高温で分解する、あるいは結晶型が変化するような材料に対しては有効な手段である。特に10mmHgよりも真空度が高い状態で乾燥することが有効である。
1つは、先に作製したチタニルフタロシアニン結晶を有機溶媒中で処理する方法である。使用される有機溶媒としては、27.2゜に最大回折ピークを有する結晶型を、26.3゜に最大回折ピークを有する結晶型に変換できる溶媒であればいかなるものも使用できるが、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、アセトン、2―ブタノン等のケトン類、塩化メチレン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素、テトラヒドロフランなどの環状エーテル類が良好に用いられる。有機溶媒の処理に関しては、前記チタニルフタロシアニン結晶を有機溶媒中にそのまま浸漬させておくだけでも構わないが、撹拌、超音波印加などの補助手段を併用することにより、処理時間を短縮することができ、有効である。有機溶媒による処理を行なった後、濾過分別して、再び乾燥を行なうことにより、目的とするチタニルフタロシアニン結晶を得ることができる。
いずれの方法を用いる場合にも、26.3゜のピーク強度が最大回折ピーク27.2゜のピーク強度に対して0.1〜5%の範囲であることが重要である。溶媒中での処理時間あるいは機械的剪断力を与える処理時間により26.3゜のピーク強度が決定されるが、使用する原料(1回目の結晶変換により作製したチタニルフタロシアニン結晶)の状態(例えば、粉末の大きさ、固さ等)によっても異なるため、予備的な実験により、処理時間を決定することが望ましい。
使用するチタニルフタロシアニン結晶を粉末状態で、一般的なX線回折装置にて、X線回折スペクトルを測定する。得られたスペクトルに対して、ベースライン補正を行なった後、26.3±0.2゜のピーク強度、および27.2±0.2゜のピーク強度を求める。その値を用いて、26.3±0.2゜のピーク強度を27.2±0.2゜のピーク強度で割った値が、本発明で言うところのピーク強度比である。
図7は、本発明に用いられる電子写真感光体の構成例を示す断面図であり、導電性支持体(31)上に、電荷発生材料を主成分とする電荷発生層(35)と、電荷輸送材料を主成分とする電荷輸送層(37)とが、積層された構成をとっている。
また、図8は、本発明に用いられる電子写真感光体の別の構成例を示す断面図であり、導電性支持体(31)上に、中間層(33)、電荷発生材料を主成分とする電荷発生層(35)と、電荷輸送材料を主成分とする電荷輸送層(37)とが、積層された構成をとっている。
また、これらの中でも陽極酸化皮膜処理を簡便に行なうことのできるアルミニウムからなる円筒状支持体が最も良好に使用できる。ここでいうアルミニウムとは、純アルミ系あるいはアルミニウム合金のいずれをも含むものである。具体的には、JIS1000番台、3000番台、6000番台のアルミニウムあるいはアルミニウム合金が最も適している。陽極酸化皮膜は各種金属、各種合金を電解質溶液中において陽極酸化処理したものであるが、中でもアルミニウムもしくはアルミニウム合金を電解質溶液中で陽極酸化処理を行なったアルマイトと呼ばれる被膜が本発明に用いる感光体には最も適している。特に、反転現像(ネガ・ポジ現像)に用いた際に発生する点欠陥(黒ポチ、地汚れ)を防止する点で優れている。
更に、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、ポリテトラフロロエチレン系フッ素樹脂などの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けてなるものも、本発明の導電性支持体(31)として良好に用いることができる。
電荷発生層(35)は、電荷発生物質として、CuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有する結晶型)に変換する工程である。特に、前記結晶型のうち、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、かつ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、前記7.3°のピークと9.4゜のピークの間にはピークを有さず、更に26.3゜にピークを有するチタニルフタロシアニン結晶が良好に用いられ、26.3゜のピーク強度が最大回折ピーク27.2゜のピーク強度に対して0.1〜5%の範囲であるチタニルフタロシアニン結晶は特に良好に用いられる。また、この結晶の一次粒子の平均粒子サイズが0.3μm未満(好ましくは0.25μm以下、より好ましくは0.2μm以下)であることは、本発明の効果を一層顕著にするものであり、有効な手段である。
必要に応じて電荷発生層(35)に用いられる結着樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリアミド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。結着樹脂の量は、電荷発生物質100重量部に対し0〜500重量部、好ましくは10〜300重量部が適当である。
電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。
電子輸送物質としては、例えばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ベンゾキノン誘導体等の電子受容性物質が挙げられる。
電荷輸送物質の量は結着樹脂100重量部に対し、20〜300重量部、好ましくは40〜150重量部が適当である。また、電荷輸送層の膜厚は5〜100μm程度とすることが好ましい。
式中、R1、R2、R3はそれぞれ独立して置換もしくは無置換のアルキル基又はハロゲン原子、R4は水素原子又は置換もしくは無置換のアルキル基、R5、R6は置換もしくは無置換のアリール基、o、p、qはそれぞれ独立して0〜4の整数、k、jは組成を表わし、0.1≦k≦1、0≦j≦0.9、nは繰り返し単位数を表わし5〜5000の整数である。Xは脂肪族の2価基、環状脂肪族の2価基、または下記一般式で表される2価基を表わす。なお、(I)式は2つの共重合種が交互共重合体の形で記載されているが、ランダム共重合体でも構わない。
式中、R7、R8は置換もしくは無置換のアリール基、Ar1Ar2、Ar3は同一又は異なるアリレン基を表わす。X,k,jおよびnは、(I)式の場合と同じである。なお、(II)式は2つの共重合種が交互共重合体の形で記載されているが、ランダム共重合体でも構わない。
式中、R13,R14は置換もしくは無置換のアリール基、Ar10,Ar11,Ar12は同一又は異なるアリレン基、X1,X2は置換もしくは無置換のエチレン基、又は置換もしくは無置換のビニレン基を表わす。X,k,jおよびnは、(I)式の場合と同じである。なお、(V)式は2つの共重合種が交互共重合体の形で記載されているが、ランダム共重合体でも構わない。
式中、R15,R16,R17,R18は置換もしくは無置換のアリール基、Ar13,Ar14,Ar15,Ar16は同一又は異なるアリレン基、Y1,Y2,Y3は単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表わし同一であっても異なってもよい。X,k,jおよびnは、(I)式の場合と同じである。なお、(VI)式は2つの共重合種が交互共重合体の形で記載されているが、ランダム共重合体でも構わない。
式中、R19,R20は水素原子、置換もしくは無置換のアリール基を表わし,R19とR20は環を形成していてもよい。Ar17,Ar18,Ar19は同一又は異なるアリレン基を表わす。X,k,jおよびnは、(I)式の場合と同じである。なお、(VII)式は2つの共重合種が交互共重合体の形で記載されているが、ランダム共重合体でも構わない。
これら電子供与性基を有する重合体から構成される電荷輸送層、あるいは架橋構造を有する重合体は耐摩耗性に優れたものである。通常、電子写真プロセスにおいては、帯電電位(未露光部電位)は一定であるため、繰り返し使用により感光体の表面層が摩耗すると、その分だけ感光体にかかる電界強度が高くなってしまう。この電界強度の上昇に伴い、地汚れの発生頻度が高くなるため、感光体の耐摩耗性が高いことは、地汚れに対して有利である。これら電子供与性基を有する重合体から構成される電荷輸送層は、自身が高分子化合物であるため成膜性に優れ、低分子分散型高分子からなる電荷輸送層に比べ、電荷輸送部位を高密度に構成することが可能で電荷輸送能に優れたものである。このため、高分子電荷輸送物質を用いた電荷輸送層を有する感光体には高速応答性が期待できる。
その他の電子供与性基を有する重合体としては、公知単量体の共重合体や、ブロック重合体、グラフト重合体、スターポリマーや、また、例えば特開平3−109406号公報、特開2000−206723号公報、特開2001−34001号公報等に開示されているような電子供与性基を有する架橋重合体などを用いることも可能である。
これらの中間層は前述の感光層の如く適当な溶媒、塗工法を用いて形成することができる。更に本発明の中間層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用することもできる。この他、本発明の中間層には、Al2O3を陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物やSiO2、SnO2、TiO2、ITO、CeO2等の無機物を真空薄膜作成法にて設けたものも良好に使用できる。このほかにも公知のものを用いることができる。中間層の膜厚は0〜5μmが適当である。
即ち、本発明の感光体においては、保護層(39)が感光層の上に設けられることもある。保護層(39)に使用される材料としてはABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル、アリル樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリレート、ポリアリルスルホン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリメチルベンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリスチレン、AS樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ樹脂等の樹脂が挙げられる。中でも、ポリカーボネートもしくはポリアリレートが最も良好に使用できる。
また、使用するフィラーの体積平均粒径は、0.1μm〜2μmの範囲が良好に使用され、好ましくは0.3μm〜1μmの範囲である。この場合、平均粒径が小さすぎると耐摩耗性が充分に発揮されず、大きすぎると塗膜の表面性が悪くなったり、塗膜そのものが形成できなかったりするからである。
もう一つの理由としては、フィラー、特に金属酸化物の表面における帯電性の違いによるものである。通常、液体中に分散している粒子はプラスあるいはマイナスに帯電しており、それを電気的に中性に保とうとして反対の電荷を持つイオンが集まり、そこで電気二重層が形成されることによって粒子の分散状態は安定化している。粒子から遠ざかるに従いその電位(ゼータ電位)は徐々に低くなり、粒子から充分に離れて電気的に中性である領域の電位はゼロとなる。したがって、ゼータ電位の絶対値の増加によって粒子の反発力が高くなることによって安定性は高くなり、ゼロに近づくに従い凝集しやすく不安定になる。一方、系のpH値によってゼータ電位は大きく変動し、あるpH値において電位はゼロとなり等電点を持つことになる。したがって、系の等電点からできるだけ遠ざけて、ゼータ電位の絶対値を高めることによって分散系の安定化が図られることになる。
ここで、本発明におけるフィラーのpHは、ゼータ電位から等電点におけるpH値を記載した。この際、ゼータ電位の測定は、大塚電子(株)製レーザーゼータ電位計にて測定した。
フィラーの誘電率は以下のように測定した。上述のような比抵抗の測定と同様なセルを用い、荷重をかけた後に、静電容量を測定し、これより誘電率を求めた。静電容量の測定は、誘電体損測定器(安藤電気)を使用した。
これらフィラー材料は、適当な分散機を用いることにより分散できる。また、保護層の透過率の点から使用するフィラーは1次粒子レベルまで分散され、凝集体が少ないほうが好ましい。
保護層の形成法としては通常の塗布法が採用される。なお保護層の厚さは0.1〜10μm程度が適当である。また、以上のほかに真空薄膜作成法にて形成したa−C、a−SiCなど公知の材料を保護層として用いることができる。
フルカラーの画像の場合、様々な形態の画像が入力されるが、逆に定型的な画像も入力される場合がある。例えば、日本語の文書等における検印の存在などである。検印のようなものは通常、画像領域の端のほうに位置され、また使用される色も限定される。ランダムな画像が常に書き込まれているような状態においては、画像形成要素中の感光体には、平均的に画像書き込み、現像、転写が行なわれることになるが、上述のように特定の部分に数多くの画像形成が繰り返されたり、特定の画像形成要素ばかり使用された場合には、その耐久性のバランスを欠くことにつながる。このような状態で表面の耐久性(物理的・化学的・機械的)の小さな感光体が使用された場合には、この差が顕著になり、画像上の問題になりやすい。一方、感光体を高耐久化した場合には、このような局所的な変化量が小さく、結果的に画像上の欠陥として現われにくくなるため、高耐久化を実現すると共に、出力画像の安定性をも増すことになり、非常に有効である。
まず、本発明に用いた電荷発生材料の合成例について述べる。
(合成例1)
1,3−ジイミノイソインドリン292gとスルホラン2000mlを混合し、窒素気流下でチタニウムテトラブトキシド20.4gを滴下する。滴下終了後、徐々に180℃まで昇温し、反応温度を170℃〜180℃の間に保ちながら5時間撹拌して反応を行なった。反応終了後、放冷した後析出物を濾過し、クロロホルムで粉体が青色になるまで洗浄し、つぎにメタノールで数回洗浄し、さらに80℃の熱水で数回洗浄した後乾燥し、粗チタニルフタロシアニンを得た。粗チタニルフタロシアニンを20倍量の濃硫酸に溶解し、100倍量の氷水に撹拌しながら滴下し、析出した結晶をろ過、ついで洗浄液が中性になるまで水洗いを繰り返し、チタニルフタロシアニン顔料のウェットケーキ(水ペースト)を得た。得られたこのウェットケーキ(水ペースト)50gをテトラヒドロフラン500gに投入し、4時間攪拌を行なった後、濾過を行ない、乾燥して、チタニルフタロシアニン結晶を得た。
更に、このチタニルフタロシアニン結晶30gをテトラヒドロフラン300gに浸漬し、2回目の結晶変換を行なった。12時間浸漬放置した後、濾過分別し、上記と同じ条件で減圧乾燥を行ない、本発明で用いるチタニルフタロシアニン結晶を得た。これを顔料1とする。
合成例1における2回目の結晶変換操作を下記の通りの条件に変更した以外は、合成例1と同様に処理を行ない、本発明のチタニルフタロシアニン結晶(図10参照)を得た。これを顔料2とする。
(2回目の結晶変換処理)
1回目の結晶変換処理を行なったチタニルフタロシアニン結晶30gを、市販のミキサーにより機械的剪断力を5分間与えた後、粉末を取り出した。
合成例1における2回目の結晶変換操作を下記の通りの条件に変更した以外は、合成例1と同様に処理を行ない、本発明のチタニルフタロシアニン結晶を得た。これを顔料3とする。
(2回目の結晶変換処理)
1回目の結晶変換処理を行なったチタニルフタロシアニン結晶30gを、2kgのφ6mmのジルコニアボールと共に、φ90mmのガラスポットに投入し、乾式ミリングを10分間行なった後、粉末を取り出した。
合成例1における2回目の結晶変換溶媒をテトラヒドロフランからメタノールに変更した以外は、合成例1と同様に処理を行ない、チタニルフタロシアニン結晶を得た。これを顔料4とする。
合成例1において、1回目の結晶変換溶媒として、テトラヒドロフランの代わりに2−ブタノンを用い、2回目の結晶変換を行なわない以外は、合成例1と同様に処理を行ない、チタニルフタロシアニン結晶を得た。これを顔料5とする。
上述のように得られた水ペーストの乾燥粉末と、合成例1〜3および比較合成例1〜2で得られたチタニルフタロシアニン結晶についてのX線回折スペクトルを以下に示す条件で測定した。水ペーストの乾燥粉末のX線回折スペクトルを図9に示す。
X線管球:Cu
電圧:40kV
電流:20mA
走査速度:1°/分
走査範囲:3°〜40°
時定数:2秒
比較合成例1で得られたチタニルフタロシアニン結晶のX線回折スペクトルを図11に示すが、26.3°にピークを示さないものであった。
比較合成例2で得られたチタニルフタロシアニン結晶のX線回折スペクトルを図12に示すが、最低角が7.5°に存在するものであった。
特開平1−299874号(特許第2512081号)公報、実施例1に記載の方法に準じて、顔料を作製した。すなわち、先の合成例1で作製したウェットケーキを乾燥し、乾燥物1gをポリエチレングリコール50gに加え、100gのガラスビーズと共に、サンドミルを行なった。結晶転移後、希硫酸、水酸化アンモニウム水溶液で順次洗浄し、乾燥して顔料を得た。これを顔料6とする。
特開平3−269064号(特許第2584682号)公報、製造例1に記載の方法に準じて、顔料を作製した。すなわち、先の合成例1で作製したウェットケーキを乾燥し、乾燥物1gをイオン交換水10gとモノクロルベンゼン1gの混合溶媒中で1時間撹拌(50℃)した後、メタノールとイオン交換水で洗浄し、乾燥して顔料を得た。これを顔料7とする。
特開平2−8256号(特公平7−91486号)公報の製造例に記載の方法に準じて、顔料を作製した。すなわち、フタロジニトリル9.8gと1−クロロナフタレン75mlを撹拌混合し、窒素気流下で四塩化チタン2.2mlを滴下する。滴下終了後、徐々に200℃まで昇温し、反応温度を200℃〜220℃の間に保ちながら3時間撹拌して反応を行なった。反応終了後、放冷し130℃になったところ熱時ろ過し、次いで1−クロロナフタレンで粉体が青色になるまで洗浄、次にメタノールで数回洗浄し、さらに80℃の熱水で数回洗浄した後、乾燥し顔料を得た。これを顔料8とする。
特開昭64−17066号(特公平7−97221号)公報、合成例1に記載の方法に準じて、顔料を作製した。すなわち、α型TiOPc5部を食塩10gおよびアセトフェノン5gと共にサンドグラインダーにて100℃にて10時間結晶変換処理を行なった。これをイオン交換水及びメタノールで洗浄し、希硫酸水溶液で精製し、イオン交換水で酸分がなくなるまで洗浄した後、乾燥して顔料を得た。これを顔料9とする。
特開平11−5919号(特許第3003664号)公報、実施例1に記載の方法に準じて、顔料を作製した。すなわち、O−フタロジニトリル20.4部、四塩化チタン部7.6部をキノリン50部中で200℃にて2時間加熱反応後、水蒸気蒸留で溶媒を除き、2%塩化水溶液、続いて2%水酸化ナトリウム水溶液で精製し、メタノール、N,N−ジメチルホルムアミドで洗浄後、乾燥し、チタニルフタロシアニンを得た。このチタニルフタロシアニン2部を5℃の98%硫酸40部の中に少しずつ溶解し、その混合物を約1時間、5℃以下の温度を保ちながら攪拌する。続いて硫酸溶液を高速攪拌した400部の氷水中に、ゆっくりと注入し、析出した結晶を濾過する。結晶を酸が残量しなくなるまで蒸留水で洗浄し、ウエットケーキを得る。そのケーキをTHF100部中で約5時間攪拌を行ない、ろ過、THFによる洗浄を行ない乾燥後、顔料を得た。これを顔料10とする。
特開平3−255456号(特許第3005052号)公報、合成例2に記載の方法に準じて、顔料を作製した。すなわち、左記の合成例1で作製したウェットケーキ10部を塩化ナトリウム15部とジエチレングリコール7部に混合し、80℃の加熱下で自動乳鉢により60時間ミリング処理を行なった。次に、この処理品に含まれる塩化ナトリウムとジエチレングリコールを完全に除去するために充分な水洗を行なった。これを減圧乾燥した後にシクロヘキサノン200部と直径1mmのガラスビーズを加えて、30分間サンドミルにより処理を行ない、顔料を得た。これを顔料11とする。
特開平11−5919号(特許第3003664号)公報、実施例4に記載の方法に準じて、顔料を作製した。すなわち、先の比較合成例7で得られたウェットケーキを5%の塩酸で洗浄し、中性になるまで水洗・濾過を行ない、乾燥した。更にこれをTHFと共にボールミルで10時間分散し、濾過・乾燥して顔料粉末を得た。これを顔料12とする。
特開平5−134437号公報、製造例1及び製造例2に記載の方法に準じて、顔料を作製した。
即ち、フタロジニトリル97.5gをα−クロロナフタレン750ml中に加え、次に窒素雰囲気下で四塩化チタン22mlを滴下する。滴下後昇温し、撹拌しながら200〜220℃で3時間反応させた後、放冷し、100〜130℃で熱時濾過し、100℃に加熱したα−クロロナフタレン200mlで洗浄した。更に200mlのN−メチルピロリドンで熱懸洗処理(100℃、1時間)を3回行なった。続いてメタノール300mlで室温にて懸洗し、さらにメタノール500mlで1時間熱懸洗を3回行なった。これをフタロシアニン1とする。
次いで、フタロシアニン1をサンドグラインドミルにて20時間磨砕処理を行ない、続いて水400ml、o−ジクロロベンゼン40mlの懸濁液中に入れ、60℃で1時間加熱処理を行なった。これをフタロシアニン2とする。
更に、特開平5−134437号公報の実施例1に準じて、フタロシアニン1およびフタロシアニン2をそれぞれ6重量部および4重量部混合し、n−プロパノール200重量部を加え、サンドグラインドミルで10時間粉砕、微粒化分散処理を行なった。これを乾燥して、フタロシアニン粉末を得た。これを顔料13とする。
合成例1の方法に従って、チタニルフタロシアニン顔料の水ペーストを合成し、次のように結晶変換を行ない、合成例1よりも一次粒子の小さなフタロシアニン結晶を得た。
合成例1で得られた結晶変換前の水ペースト60部にテトラヒドロフラン1500部を加え、室温下でホモミキサー(ケニス、MARKIIfモデル)により強烈に撹拌(2000rpm)し、ペーストの濃紺色の色が淡い青色に変化したら(撹拌開始後20分)、撹拌を停止し、直ちに減圧濾過を行なった。濾過装置上で得られた結晶をテトラヒドロフランで洗浄し、顔料のウェットケーキを得た。これを減圧下(5mmHg)、70℃で2日間乾燥して、チタニルフタロシアニン結晶58部を得た。
更に、このチタニルフタロシアニン結晶30gをテトラヒドロフラン300gに浸漬し、2回目の結晶変換を行なった。12時間浸漬放置した後、濾過分別し、上記と同じ条件で減圧乾燥を行ない、本発明で用いるチタニルフタロシアニン結晶を得た。これを顔料14とする。
上述のように観察されたTEM像をTEM写真として撮影し、映し出されたチタニルフタロシアニン粒子(針状に近い形)を30個任意に選び出し、それぞれの長径の大きさを測定する。測定した30個体の長径の算術平均を求めて、平均粒子サイズとした。
以上の方法により求められた合成例1における水ペースト中の平均粒子サイズは、0.06μmであった。
なお、表2中の26.3°のピーク強度とは、前述の通り、26.3°のピーク強度の27.2°のピーク強度の比である。この計算に際して、図11のように26.3°のピークが明確に観測されない場合には、ピーク強度=0として計算を行なった。また、合成例4で作製した顔料のX線回折スペクトルは、26.3°のピーク強度以外は、合成例1で作製した顔料のスペクトルと一致した。表2にそれぞれのX線回折スペクトルと合成例1で得られた顔料のX線回折スペクトルのピーク位置の特徴を示す。
直径60mmのアルミニウムシリンダー(JIS1050)に、下記組成の下引き層塗工液、電荷発生層塗工液、および電荷輸送層塗工液を、順次塗布・乾燥し、3.5μmの下引き層、電荷発生層、25μmの電荷輸送層を形成し、積層感光体を作製した(感光体1とする)。なお、電荷発生層の膜厚は、780nmにおける電荷発生層の透過率が20%になるように調整した。電荷発生層の透過率は、下記組成の電荷発生層塗工液を、ポリエチレンテレフタレートフィルムを巻き付けたアルミシリンダーに感光体作製と同じ条件で塗工を行ない、比較対照を電荷発生層を塗工していないポリエチレンテレフタレートフィルムとし、市販の分光光度計(島津:UV−3100)にて、780nmの透過率を評価した。
◎下引き層塗工液
酸化チタン(CR−EL:石原産業社製) 70部
アルキッド樹脂 15部
(ベッコライトM6401−50−S(固形分50%)、
大日本インキ化学工業製)
メラミン樹脂 10部
(スーパーベッカミンL−121−60(固形分60%)、
大日本インキ化学工業製)
2−ブタノン 100部
◎電荷発生層塗工液
下記組成の分散液を下に示す条件のビーズミリングにより作製した。
合成例1で作製したチタニルフタロシアニン顔料 15部
ポリビニルブチラール(積水化学製:BX−1) 10部
2−ブタノン 280部
市販のビーズミル分散機に直径0.5mmのPSZボールを用い、ポリビニルブチラールを溶解した2−ブタノンおよび顔料を全て投入し、ローター回転数1500r.p.m.にて30分間分散を行ない、分散液を作製した。
この分散液中の顔料粒子の粒度分布を、堀場製作所:CAPA−700にて測定した。その結果、平均粒径0.29μm、標準偏差0.18μmであった。
◎電荷輸送層塗工液
ポリカーボネート(TS2050:帝人化成社製) 10部
下記構造式の電荷輸送物質 7部
感光体作製例1で使用した電荷発生層塗工液に用いたチタニルフタロシアニン顔料(合成例1で作製)をそれぞれ、合成例2〜4、比較合成例1〜10で作製したチタニルフタロシアニン顔料に変更した以外は、感光体作製例1と同様に感光体を作製した。なお、電荷発生層の膜厚は、感光体作製例1と同様に、すべての塗工液を用いた場合に780nmの透過率が20%になるように調整した。
感光体作製例1で使用した電荷発生層塗工液を、塗工前にアドバンテック社製、コットンワインドカートリッジフィルター、TCW−3−CS(有効孔径3μm)を用いて、濾過を行なった。濾過に際しては、ポンプを使用し、加圧状態で濾過を行なった。
感光体作製例1で使用した電荷発生層塗工液を、塗工前にアドバンテック社製、コットンワインドカートリッジフィルター、TCW−1−CS(有効孔径1μm)を用いて、濾過を行なった。濾過に際しては、ポンプを使用し、加圧状態で濾過を行なった。
感光体作製例1で使用した電荷発生層塗工液を、塗工前にアドバンテック社製、コットンワインドカートリッジフィルター、TCW−5−CS(有効孔径5μm)を用いて、濾過を行なった。濾過に際しては、ポンプを使用し、加圧状態で濾過を行なった。
以上のように作製した感光体作製例1〜17の電子写真感光体を図2に示す電子写真装置に搭載し、画像露光光源を780nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み)、帯電部材として接触方式の帯電ローラ、転写部材として転写ベルトを用い、下記の帯電、転写条件にて、書き込み率6%のチャートを用い、連続20万枚印刷後の画像を評価し、文字抜け、地汚れの有無を確認した(試験環境は、22℃−55%RHである)。この際、図4に示すような回路にて、転写電流の制御を行なった。なお、評価は4段階にて行ない、極めて良好なものを◎、良好なものを○、やや劣るものを△、非常に悪いものを×で表わした。以上の結果を表3−1に示す。
帯電条件:
DCバイアス:−900V
ACバイアス:2.0kV(Peak to peak)、周波数:1.5kHz
転写条件:
75μA、60μAの2条件
更に、22℃−55%RHでの上記試験の後、上記の帯電条件のまま(転写条件は75μAのみ)、10℃−15%RHで2万枚、30℃−90%RHで2万枚のランニング試験を行ない、それぞれの2万枚後の画像を同じように画像評価を行なった。結果をそれぞれ、表3−2、表3−3に示す。
<22℃−55%RH環境下での評価結果>
<30℃−90%RH環境下での評価結果>
感光体作製例1における電荷輸送層塗工液を以下の組成のものに変更した以外は、感光体作製例1と同様に感光体を作製した。
◎電荷輸送層塗工液
下記組成の高分子電荷輸送物質 10部
(重量平均分子量:約135000)
感光体作製例1における電荷輸送層の膜厚を20μmとし、電荷輸送層上に下記組成の保護層塗工液を塗布乾燥し、5μmの保護層を設けた以外は感光体作製例1と同様に感光体を作製した。
◎保護層塗工液
ポリカーボネート(TS2050:帝人化成社製) 10部
下記構造式の電荷輸送物質 7部
感光体作製例19における保護層塗工液中のアルミナ微粒子を以下のものに変更した以外は、感光体作製例19と同様に感光体を作製した。
酸化チタン微粒子 4部
(比抵抗:1.5×1010Ω・cm、平均一次粒径:0.5μm)
感光体作製例19における保護層塗工液中のアルミナ微粒子を以下のものに変更した以外は、感光体作製例19と同様に感光体を作製した。
酸化錫−酸化アンチモン粉末 4部
(比抵抗:106Ω・cm、平均1次粒径0.4μm)
感光体作製例1におけるアルミニウムシリンダー(JIS1050)を以下の陽極酸化皮膜処理を行ない、次いで下引き層を設けずに、感光体作製例1と同様に電荷発生層、電荷輸送層を設け、感光体を作製した。
◎陽極酸化皮膜処理
支持体表面の鏡面研磨仕上げを行ない、脱脂洗浄、水洗浄を行なった後、液温20℃、硫酸15vol%の電解浴に浸し、電解電圧15Vにて30分間陽極酸化皮膜処理を行なった。更に、水洗浄を行なった後、7%の酢酸ニッケル水溶液(50℃)にて封孔処理を行なった。その後純水による洗浄を経て、7μmの陽極酸化皮膜が形成された支持体を得た。
以上のように作製した感光体作製例1〜22の電子写真感光体を図2に示す電子写真装置に搭載し、画像露光光源を780nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み)として、帯電部材として帯電部材として図3に示すような帯電ローラの両端部に厚さ50μmの絶縁テープを巻き付けた近接配置用の帯電部材(感光体と帯電部材表面間の空隙が50μm)を用い、下記の帯電、転写条件にて、書き込み率6%のチャートを用い、連続25万枚印刷後の地汚れの有無、及びハーフトーン画像を確認した(試験環境は、22℃−55%RHである)。この際、図4に示すような回路にて、転写電流の制御を行なった。なお、地汚れの評価は4段階にて行ない、極めて良好なものを◎、良好なものを○、やや劣るものを△、非常に悪いものを×で表わした。また、25万枚印刷後の感光層の摩耗量(保護層を有する場合は保護層の摩耗量)を測定した。以上の結果を表4に示す。
帯電条件:
DCバイアス:−900V
ACバイアス:2.0kV(Peak to peak)、周波数:1.5kHz
転写条件:
90μA
実施例8において25万枚の通紙試験の後、30℃−90%RH環境下でハーフトーン画像を出力し、画像評価を行なった。
実施例8における帯電部材を近接配置用帯電部材からスコロトロン・チャージャーに変更し、感光体非画像部の表面電位を実施例8と同じ(−900V)にあわせるようにセッティングした。これ以外の条件を変更せずに、実施例8と同様に25万枚の通紙試験を行なった。通紙試験の後、実施例20と同様に30℃−90%RH環境下でハーフトーン画像を出力し、画像評価を行なった。
実施例8における帯電部材を近接配置用帯電部材から接触用帯電部材(空隙なし)に変更し、帯電条件を実施例8と同じ条件にセッティングした。これ以外の条件を変更せずに、実施例8と同様に25万枚の通紙試験を行なった。通紙試験の後、実施例20と同様に30℃−90%RH環境下でハーフトーン画像を出力し、画像評価を行なった。
実施例22における帯電条件を以下のように変更した以外は、実施例22と同様に評価を行なった。
帯電条件:
DCバイアス:−1600V(初期状態の感光体非画像部の表面電位が−900V)
ACバイアス:なし
実施例8における帯電条件を以下のように変更した以外は、実施例8と同様に評価を行なった。25万枚の通紙試験の後、実施例20と同様に30℃−90%RH環境下でハーフトーン画像を出力し、画像評価を行なった。
帯電条件:
DCバイアス:−1600V(初期状態の感光体非画像部の表面電位が−900V)
ACバイアス:なし
実施例8で使用した帯電部材(近接帯電ローラ)のギャップを100μmに変更した以外は、実施例8と同様に評価を行なった。25万枚の通紙試験の後、実施例20と同様に30℃−90%RH環境下でハーフトーン画像を出力し、画像評価を行なった。
実施例8で使用した帯電部材(近接帯電ローラ)のギャップを150μmに変更した以外は、実施例8と同様に評価を行なった。25万枚の通紙試験の後、実施例20と同様に30℃−90%RH環境下でハーフトーン画像を出力し、画像評価を行なった。
実施例8で使用した帯電部材(近接帯電ローラ)のギャップを250μmに変更した以外は、実施例8と同様に評価を行なった。25万枚の通紙試験の後、実施例20と同様に30℃−90%RH環境下でハーフトーン画像を出力し、画像評価を行なった。
実施例11において25万枚の通紙試験の後、30℃−90%RH環境下でハーフトーン画像を出力し、画像評価を行なった。
実施例12において25万枚の通紙試験の後、30℃−90%RH環境下でハーフトーン画像を出力し、画像評価を行なった。
以上の実施例20〜29における評価結果を表5に示す。
感光体作製例1の電荷輸送層塗工液を以下の組成に変更した以外は、感光体作製例1と同様に感光体を作製した。
◎電荷輸送層塗工液
ポリカーボネート(TS2050:帝人化成社製) 10部
下記構造式の電荷輸送物質 7部
感光体作製例11の電荷輸送層塗工液を以下の組成に変更した以外は、感光体作製例11と同様に感光体を作製した。
◎電荷輸送層塗工液
ポリカーボネート(TS2050:帝人化成社製) 10部
下記構造式の電荷輸送物質 7部
感光体作製例1の電荷輸送層塗工液を以下の組成に変更した以外は、感光体作製例1と同様に感光体を作製した。
◎電荷輸送層塗工液
ポリカーボネート(TS2050:帝人化成社製) 10部
下記構造式の電荷輸送物質 7部
感光体作製例1の電荷輸送層塗工液を以下の組成に変更した以外は、感光体作製例1と同様に感光体を作製した。
◎電荷輸送層塗工液
ポリカーボネート(TS2050:帝人化成社製) 10部
下記構造式の電荷輸送物質 7部
感光体作製例4の電荷輸送層塗工液を以下の組成に変更した以外は、感光体作製例4と同様に感光体を作製した。
◎電荷輸送層塗工液
ポリカーボネート(TS2050:帝人化成社製) 10部
下記構造式の電荷輸送物質 7部
感光体作製例14の電荷輸送層塗工液を以下の組成に変更した以外は、感光体作製例14と同様に感光体を作製した。
◎電荷輸送層塗工液
ポリカーボネート(TS2050:帝人化成社製) 10部
下記構造式の電荷輸送物質 7部
以上のように作製した感光体作製例23〜28の感光体を実施例1の場合と同様に、図2に示す電子写真装置に搭載し、画像露光光源を780nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み)として、帯電部材として接触方式の帯電ローラを用い、下記の帯電、転写条件にて、ハーフトーンライン画像を出力した。この際、図4に示すような回路にて、転写電流の制御を行なった。以上の結果を実施例1および比較例7と併せて表6に示す。
帯電条件:
DCバイアス:−900V
ACバイアス:2.0kV(Peak to peak)、周波数:1.5kHz
転写条件:
110μA
感光体作製例1のアルミシリンダーを直径30mmのものに変え、感光体作製例1と同じ組成の感光体を作製した。
感光体作製例9のアルミシリンダーを直径30mmのものに変え、感光体作製例9と同じ組成の感光体を作製した。
感光体作製例10のアルミシリンダーを直径30mmのものに変え、感光体作製例10と同じ組成の感光体を作製した。
感光体作製例4のアルミシリンダーを直径30mmのものに変え、感光体作製例4と同じ組成の感光体を作製した。
感光体作製例15のアルミシリンダーを直径30mmのものに変え、感光体作製例15と同じ組成の感光体を作製した。
以上のように作製した感光体作製例29〜33の感光体を、帯電部材と共に1つの電子写真装置用プロセスカートリッジに装着し、更に図6に示すフルカラー電子写真装置に搭載した。4つの画像形成要素は以下に示すプロセス条件にてフルカラー画像20万枚通紙試験の後に文字抜け、地汚れの有無の確認、及びハーフトーン画像評価を実施した(試験環境は、22℃−55%RHである)。この際、図4に示すような回路にて、転写電流の制御を行なった。なお、文字抜け、地汚れ評価は4段階にて行ない、極めて良好なものを◎、良好なものを○、やや劣るものを△、非常に悪いものを×で表わした。以上の結果を表7に示す。
帯電条件:DCバイアス −800V、
ACバイアス 1.5kV(peak to peak)、
周波数 2.0kHz
帯電部材:実施例8に使用したものと同じ
書き込み:780nmのLD(ポリゴン・ミラー使用)
転写条件:75μA、60μAの2条件
比較合成例1で得られた顔料(最低角7.3°)に特開昭61−239248号公報に記載の顔料(最大回折ピークを7.5°に有する)と同様に作製したものを3重量%添加し、乳鉢で混合して、先程と同様にX線回折スペクトルを測定した。測定例1のX線回折スペクトルを図13に示す。
比較合成例2で得られた顔料(最低角7.5°)に特開昭61−239248号公報に記載の顔料(最大回折ピークを7.5°に有する)と同様に作製したものを3重量%添加し、乳鉢で混合して、先程と同様にX線回折スペクトルを測定した。測定例2のX線回折スペクトルを図14に示す。
以上のことから、本発明のチタニルフタロシアニン結晶における最低角ピークである7.3°は、公知のチタニルフタロシアニン結晶における7.5°のピークとは異なるものであることが判る。
1C 感光体
1M 感光体
1Y 感光体
1K 感光体
2 除電ランプ
2C 帯電部材
2M 帯電部材
2Y 帯電部材
2K 帯電部材
3 帯電ローラ
3C レーザー光
3M レーザー光
3Y レーザー光
3K レーザー光
4C 現像部材
4M 現像部材
4Y 現像部材
4K 現像部材
5 画像露光部
5C クリーニング部材
5M クリーニング部材
5Y クリーニング部材
5K クリーニング部材
6 現像ユニット
6C 画像形成要素
6M 画像形成要素
6Y 画像形成要素
6K 画像形成要素
7 転写紙
8 給紙コロ
9 レジストローラ
10 転写搬送ベルト
11 転写バイアスローラ
11C 転写ブラシ
11M 転写ブラシ
11Y 転写ブラシ
11K 転写ブラシ
12 定着装置
13 クリーニング前チャージャー
14 ファーブラシ
15 クリーニングブラシ
16 現像ローラ
17 転写ローラ
18 分離爪
21 ギャップ形成部材
22 金属シャフト
23 画像形成領域
24 非画像形成領域
31 導電性支持体
33 中間層
35 電荷発生層
37 電荷輸送層
100 感光体
101 転写搬送ベルト
102 駆動ローラ
103 従動ローラ
104 バイアスローラ
105 高圧電源(パワーパック)
106 電流検出抵抗
Claims (22)
- 少なくとも帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、及び電子写真感光体を具備してなる電子写真装置であって、転写手段から感光体に印加される転写電流が65μA以上であり、かつ電子写真感光体が導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と電荷輸送層を順に積層してなる電子写真感光体であり、該電荷発生層中にCuKα線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、かつ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、かつ前記7.3゜のピークと9.4゜のピークの間にはピークを有さず、更に26.3゜にピークを有するチタニルフタロシアニン結晶を含むことを特徴とする電子写真装置。
- 前記チタニルフタロシアニン結晶は、26.3゜のピーク強度が、最大回折ピーク27.2゜のピーク強度に対して0.1〜5%の範囲であるチタニルフタロシアニン結晶であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真装置。
- 前記電子写真装置が、転写電流を定電流制御にて制御を行なうものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子写真装置。
- 転写中に電源から感光体に流れず転写部材に流れるバイパス電流を電源に帰還させるフィードバック機構に設けられた電流計測手段を有し、これにより、電源からの出力電流と該電流計測手段により計測された電流との差分としての感光体に流れる転写電流を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の電子写真装置。
- 前記チタニルフタロシアニン結晶が、一次粒子の平均サイズが0.3μm未満であることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の電子写真装置。
- チタニルフタロシアニン結晶粒子の体積平均粒径が0.3μm以下で、その標準偏差が0.2μm以下になるまで分散を行ない、その後有効孔径が3μm以下のフィルターにて濾過を行なった分散液を使用し、電荷発生層を塗工した感光体を用いることを特徴とする請求項5に記載の電子写真装置。
- 前記チタニルフタロシアニンが、CuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも7.0〜7.5゜に最大回折ピークを有し、その回折ピークの半値巾が1゜以上である一次粒子の平均サイズが0.1μm以下の不定形チタニルフタロシアニンもしくは低結晶性チタニルフタロシアニンを水の存在下で有機溶媒により結晶変換を行ない、結晶変換後の一次粒子の平均サイズが0.3μm以上に成長する前に、有機溶媒より結晶変換後のチタニルフタロシアニンを分別、濾過されたものであることを特徴とする請求項5に記載の電子写真装置。
- 前記電荷輸送層に少なくともトリアリールアミン構造を主鎖および/または側鎖に含むポリカーボネートを含有することを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の電子写真装置。
- 前記電荷輸送層上に保護層を有することを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の電子写真装置。
- 前記保護層に比抵抗1010Ω・cm以上の無機顔料または金属酸化物を含有することを特徴とする請求項9に記載の電子写真装置。
- 前記金属酸化物が、比抵抗1010Ω・cm以上のアルミナ、酸化チタン、シリカのいずれかであることを特徴とする請求項10に記載の電子写真装置。
- 前記金属酸化物が、比抵抗1010Ω・cm以上のα−アルミナであることを特徴とする請求項11に記載の電子写真装置。
- 前記保護層に高分子電荷輸送物質を含有することを特徴とする請求項9乃至12の何れかに記載の電子写真装置。
- 前記感光体の電荷輸送層が、非ハロゲン系溶媒を用いて形成されたものであることを特徴とする請求項1乃至13の何れかに記載の電子写真装置。
- 前記非ハロゲン系溶媒として、少なくとも環状エーテル、あるいは芳香族系炭化水素より選ばれる1種を用いることを特徴とする請求項14に記載の電子写真装置。
- 前記電子写真感光体の導電性支持体表面が陽極酸化皮膜処理されたものであることを特徴とする請求項1乃至15の何れかに記載の電子写真装置。
- 少なくとも帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、及び電子写真感光体からなる画像形成要素を複数配列したことを特徴とする請求項1乃至16の何れかに記載の電子写真装置。
- 前記電子写真装置の帯電手段に、接触帯電方式を用いることを特徴とする請求項1乃至17の何れかに記載の電子写真装置。
- 前記電子写真装置の帯電手段に、非接触の近接配置方式を用いることを特徴とする請求項1乃至17の何れかに記載の電子写真装置。
- 前記帯電手段に用いられる帯電部材と感光体間の空隙が200μm以下であることを特徴とする請求項19に記載の電子写真装置。
- 前記電子写真装置の帯電手段に、交流重畳電圧印加を行なうことを特徴とする請求項18乃至20の何れかに記載の電子写真装置。
- 前記電子写真装置が、感光体と少なくとも帯電手段、露光手段、現像手段、クリーニング手段から選ばれる1つの手段とが一体となった装置本体と着脱自在なカートリッジを搭載していることを特徴とする請求項1乃至21の何れかに記載の電子写真装置。
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