JP2004325411A - 路面縦断プロファイルの測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ローラ周囲の温度変化、路面の傾き等にかかわらず精度のよい縦断プロファイルを得ることができる測定装置を提供する。
【解決手段】測定ブロック10は、互いに平行にかつ所定間隔を隔てて配列された同一長さの第1,第2及び第3回転軸11〜13の両端に取り付けられ、道路の縦方向に進行方向に対して前、中、及び後に順次配置される各一対の第1,第2及び第3ローラ14〜16と、第1及び第2回転軸に取り付けられて両回転軸を連結する第1連結棒17と、第2及び第3回転軸に取り付けられて第2及び第3回転軸を連結する第2連結棒21とを設けている。スペックルエンコーダ23が、レーザ光を地面に対して垂直に照射し、地面からの反射光によるスペックル模様に基づいてローラの移動距離を求める。リニアエンコーダ18が、第2連結棒に対する第1連結棒の垂直方向の垂直変位を検出する。
【選択図】 図1
【解決手段】測定ブロック10は、互いに平行にかつ所定間隔を隔てて配列された同一長さの第1,第2及び第3回転軸11〜13の両端に取り付けられ、道路の縦方向に進行方向に対して前、中、及び後に順次配置される各一対の第1,第2及び第3ローラ14〜16と、第1及び第2回転軸に取り付けられて両回転軸を連結する第1連結棒17と、第2及び第3回転軸に取り付けられて第2及び第3回転軸を連結する第2連結棒21とを設けている。スペックルエンコーダ23が、レーザ光を地面に対して垂直に照射し、地面からの反射光によるスペックル模様に基づいてローラの移動距離を求める。リニアエンコーダ18が、第2連結棒に対する第1連結棒の垂直方向の垂直変位を検出する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、道路の路面等の凹凸を有する平面のプロファイルを計測する路面縦断プロファイルの測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の路面縦断プロファイルを測定する測定装置は、例えば特許文献1に示すように、同一直線上に所定間隔を隔ててかつ回転方向を合わせて円盤状の同一外径のゴム等の弾性材料製の第1,第2及び第3ローラを進行方向に対して前、中、及び後に順次配設し、第1及び第2ローラの各回転軸に取り付けられて第1及び第2ローラを連結する所定長さの第1連結棒と、第2及び第3ローラの各回転軸に取り付けられて第2及び第3ローラを連結する第2連結棒と、ローラの移動距離を測定する距離測定手段と、第1連結棒に取り付けられて第1連結棒と第2連結棒とのなす連結角を検出する角度検出手段とを設けてなる測定ブロックと、いずれかのローラの回転軸に回動自在に取りつけられた操作棒とを備えている。
【0003】
この測定ブロックが、路面の縦方向に各ローラの間隔である1ピッチずつ移動することにより、移動前の第1及び第2ローラの位置に、移動後の第2及び第3ローラが位置することになる。従って、このような測定ブロックの1ピッチずつの移動毎に、第1及び第2の連結棒のなす連結角を角度検出手段により検出することにより、第1連結棒及び第2連結棒の角度変化を逐次求めることができる。この連結角データに基づいて、容易にかつ精度良く路面の縦断プロファイルを作成することができる。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−48534号公報(第1頁,図1,2,4)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記路面縦断プロファイル測定装置においては、精度のよい縦断プロファイルデータを得るためには、3つのローラが路面と良好な密着を保つことが必要であるが、路面の一部が凹凸によって横方向に傾斜している場合、一部のローラが幅方向の一部でのみ路面と接触することになり、3つのローラが全て路面に良好に密着することができなくなる。そのため、各測定位置で得られた角度検出値の信頼性が低下し、それに基づいて得られた路面縦断プロファイルの精度も低下するという問題がある。
【0006】
また、上記路面縦断プロファイル測定装置においては、路面との良好な密着を保つために、ローラの材質として弾性を有する硬質ゴム材料あるいは硬質エラストマ材料を採用する必要がある。しかし、これらの材料は熱膨張係数が大きいため、ローラの周囲の温度によってその外径にかなりの程度のバラツキが生じ、そのため、ローラの回転数に基づいて距離測定手段により計測される測定ブロックの移動距離に無視することができないバラツキが生じる。また、ローラは摩耗するため、測定ブロックの使用状態に応じてローラ毎の径が異なってくる。そのため、連結角の測定精度にバラツキが生じる。その結果、各測定位置で得られた角度検出値の信頼性が低下し、それに基づいて得られた路面縦断プロファイルの精度も低下する。
【0007】
本発明は、上記した問題を解決しようとするもので、路面の横方向の傾きにかかわらず精度のよい縦断プロファイルを得ることができる路面縦断プロファイルの測定装置を提供することを第1の目的とする。また、本発明は、ローラ周囲の温度変化やローラの摩耗によるローラの径の変化にかかわらず精度のよい縦断プロファイルを得ることができる路面縦断プロファイルの測定装置を提供することを第2の目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために上記請求項1の発明の構成上の特徴は、互いに平行にかつ所定間隔を隔てて配列された同一長さの第1,第2及び第3回転軸の両端に取り付けられ、道路の縦方向に進行方向に対して前、中、及び後に順次配置される円盤状の同一外径の各一対の第1,第2及び第3ローラと、第1及び第2回転軸に取り付けられて第1及び第2回転軸を連結すると共に第1回転軸を縦方向を中心として回動可能に支持する第1連結棒と、第2及び第3回転軸に取り付けられて第2及び第3回転軸を連結すると共に第3回転軸を縦方向を中心として回動可能に支持する第2連結棒と、ローラの移動距離を測定する距離測定手段と、第1連結棒と第2連結棒とのなす連結角を検出する角度検出手段とを設けてなる測定ブロックと、いずれかの回転軸に回動自在に取りつけられた操作棒とを備え、操作棒を介して測定ブロックが路面に向けて押し付けられて路面を進行方向に移動し、測定ブロックが所定の測定距離を移動する毎に、角度検出手段により連結角を検出し、連結角検出値に基づいて路面の縦断プロファイルが作成されることにある。
【0009】
上記のように構成した請求項1の発明においては、第1連結棒及び第2連結棒に連結された第1及び第3回転軸が、道路の縦方向を中心として回動可能にされているため、路面の横方向に凹凸がある場合でも凹凸に沿って回動することができる。そのため、両回転軸に取り付けられた第1及び第3ローラは凹凸に応じて路面に密着状態にされる。その結果、第1及び第2連結棒の連結角が精度良く検出され、精度のよい路面縦断プロファイルデータが得られる。
【0010】
また、上記請求項2の発明の構成上の特徴は、前記請求項1に記載の路面縦断プロファイルの測定装置において、距離測定手段が、レーザ光を地面に対して垂直に照射し、地面からの反射光によるスペックル模様に基づいて移動距離を求めるものであることにある。このように、測定ブロックの移動距離が、レーザ光を地面に対して垂直に照射し、地面からの反射光によるスペックル模様に基づいて求められるため、ローラの摩耗や、温度変化によるローラの径の変化に影響されることなく、ローラの移動距離が精度良く求められる。
【0011】
また、上記請求項3の発明の構成上の特徴は、前記請求項1又は2に記載の路面縦断プロファイルの測定装置において、測定距離毎での連結角検出値を順次加えて各測定距離での累積値を算出する累積値演算手段と、最初の連結角検出位置の一つ前の検出位置に相当する位置を原点として、測定距離毎に累積値をプロットしたグラフに基づいて原点を通過する一次回帰式を演算する一次回帰式演算手段と、一次回帰式の傾きであるオフセット値を演算するオフセット値演算手段と、測定距離毎の連結角検出値からオフセット値を引くことにより補正された連結角データを演算する補正連結角演算手段とを設けたことにある。なお、一次回帰式は、回帰分析により得られる式であり、以下においても同様である。
【0012】
上記のように構成した請求項3の発明においては、累積値演算手段により、測定距離毎での連結角検出値を順次加えて各測定距離での累積値を算出し、一次回帰式演算手段により、最初の連結角検出位置の一つ前の検出位置に相当する位置を原点として、測定距離毎に累積値をプロットしたグラフに基づいて原点を通過する一次回帰式を演算する。この一次回帰式の傾きであるオフセット値をオフセット演算手段により演算する。さらに、補正連結角演算手段により、測定距離毎の連結角検出値からオフセット値を引くことにより、ローラの摩耗や、温度変化によるローラの径の変化、計測時のローラの跳ね等による影響が是正され、補正された精度の良い連結角データを得ることができる。
【0013】
また、上記請求項4の発明の構成上の特徴は、前記請求項3に記載の路面縦断プロファイルの測定装置において、オフセット値演算手段によるオフセット値の演算範囲が、規定の演算長さに定められ、測定対象道路が所定の重なり部分を含めて演算長さに分割され、分割された各演算長さについて各演算長さ毎に演算されたオフセット値が適用されることにある。このように、オフセット値の演算が演算長さ毎に行われるため、道路の測定範囲が長くなっても、オフセット値の精度の低下が抑えられる。
【0014】
また、上記請求項5の発明の構成上の特徴は、互いに平行にかつ所定間隔を隔てて配列された同一長さの第1,第2及び第3回転軸の両端に取り付けられ、道路の縦断方向に進行方向に対して前、中、及び後に順次配置される円盤状の同一外径の各一対の第1,第2及び第3ローラと、第1及び第2回転軸に取り付けられて第1及び第2回転軸を連結すると共に第1回転軸を縦断方向を中心として回動可能に支持する第1連結棒と、第2及び第3回転軸に取り付けられて第2及び第3回転軸を連結すると共に第3回転軸を縦断方向を中心として回動可能に支持する第2連結棒と、ローラの移動距離を測定する距離測定手段と、第2連結棒に対する第1連結棒の垂直方向の垂直変位を検出する垂直変位検出手段とを設けてなる測定ブロックと、いずれかの回転軸に回動自在に取りつけられた操作棒とを備え、操作棒を介して測定ブロックが路面に向けて押し付けられて路面を進行方向に移動し、測定ブロックが所定の測定距離を移動する毎に、垂直変位検出手段により垂直変位を検出し、垂直変位検出値に基づいて路面の縦断プロファイルが作成されることにある。
【0015】
上記のように構成した請求項5の発明においては、垂直変位検出手段によって、第2連結棒に対する第1連結棒の垂直方向の垂直変位を直接検出することができるため、第1及び第2連結棒の連結角に基づいて垂直変位を求める場合に比べて測定誤差が小さくされる。そのため、凹凸プロファイルの測定精度が高められる。
【0016】
また、上記請求項6の発明の構成上の特徴は、前記請求項5に記載の路面縦断プロファイルの測定装置において、距離測定手段が、レーザ光を地面に対して垂直に照射し、地面からの反射光によるスペックル模様に基づいて移動距離を求めるものであることにある。これにより、垂直変位に加えて、移動距離も精度良く測定されるため、凹凸プロファイルの測定精度がさらに高められる。
【0017】
また、上記請求項7の発明の構成上の特徴は、前記請求項5又は6に記載の路面縦断プロファイルの測定装置において、測定距離毎での垂直変位検出値を順次加えて各測定距離での累積値を算出する累積値演算手段と、最初の垂直変位検出位置の一つ前の検出位置に相当する位置を原点として、測定距離毎に累積値をプロットしたグラフに基づいて原点を通過する一次回帰式を演算する一次回帰式演算手段と、一次回帰式の傾きであるオフセット値を演算するオフセット値演算手段と、測定距離毎の垂直変位検出値からオフセット値を引くことにより補正された垂直変位データを演算する補正垂直変位演算手段とを設けたことにある。
【0018】
上記のように構成した請求項7の発明においては、累積値演算手段により、測定距離毎での垂直変位検出値を順次加えて各測定距離での累積値を算出し、一次回帰式演算手段により、最初の垂直変位検出位置の一つ前の検出位置に相当する位置を原点として、測定距離毎に累積値をプロットしたグラフに基づいて原点を通過する一次回帰式を演算する。この一次回帰式の傾きであるオフセット値をオフセット演算手段により演算する。さらに、補正垂直変位演算手段により、測定距離毎の垂直変位検出値からオフセット値を引くことにより補正された精度の良い垂直変位データを得ることができる。これにより、ローラの移動距離が精度良く測定され、垂直変位自体の精度が高められると共に、オフセット値により垂直変位の精度がさらに高められる。そのため、凹凸プロファイルの測定精度がさらに高められる。
【0019】
また、上記請求項8の発明の構成上の特徴は、前記請求項7に記載の路面縦断プロファイルの測定装置において、オフセット値演算手段によるオフセット値の演算範囲が、規定の演算長さに定められ、測定対象道路が所定の重なり部分を含めて演算長さに分割され、分割された各演算長さについて各演算長さ毎に演算されたオフセット値が適用されることにある。このように、オフセット値の演算が演算長さ毎に行われるため、道路の測定範囲が長くなっても、オフセット値の精度の低下が抑えられる。
【0020】
また、上記請求項9の発明の構成上の特徴は、同一直線上に所定間隔を隔ててかつ回転方向を合わせて進行方向に対して前、中、及び後に順次配設される円盤状の同一外径の第1,第2及び第3ローラと、第1及び第2ローラの各回転軸に取り付けられて第1及び第2ローラを連結する所定長さの第1連結棒と、第2及び第3ローラの各回転軸に取り付けられて第2及び第3ローラを連結する第2連結棒と、レーザ光を地面に対して垂直に照射し、地面からの反射光によるスペックル模様に基づいローラの移動距離を測定する距離測定手段と、第1連結棒に取り付けられて第1連結棒と第2連結棒とのなす連結角を検出する角度検出手段とを設けてなる測定ブロックと、いずれかの回転軸に回動自在に取りつけられた操作棒とを備え、操作棒を介して測定ブロックが路面に押し付けられて路面を進行方向に移動し、測定ブロックが所定の測定距離を移動する毎に、角度検出手段により連結角を検出し、連結角検出値に基づいて路面の縦断プロファイルが作成されることにある。このように、各1個のローラが縦方向に配列された測定ブロックにおいても、その移動距離が、レーザ光を地面に対して垂直に照射し、地面からの反射光によるスペックル模様に基づい求められるため、ローラの摩耗や、温度変化によるローラの径の変化に影響されることなく、移動距離が精度良く求められる。
【0021】
また、上記請求項10の発明の構成上の特徴は、前記請求項9に記載の路面縦断プロファイルの測定装置において、測定距離毎での連結角検出値を順次加えて各測定距離での累積値を算出する累積値演算手段と、最初の連結角検出位置の一つ前の検出位置に相当する位置を原点として、測定距離毎に累積値をプロットしたグラフに基づいて原点を通過する一次回帰式を演算する一次回帰式演算手段と、一次回帰式の傾きであるオフセット値を演算するオフセット値演算手段と、測定距離毎の連結角検出値からオフセット値を引くことにより補正された連結角データを演算する補正連結角演算手段とを設けたことにある。
【0022】
このように、各1個のローラが縦方向に配列された測定ブロックにおいても、累積値演算手段により、測定距離毎での連結角検出値を順次加えて各測定距離での累積値を算出し、一次回帰式演算手段により、最初の連結角検出位置の一つ前の検出位置に相当する位置を原点として、測定距離毎に累積値をプロットしたグラフに基づいて原点を通過する一次回帰式を演算する。この一次回帰式の傾きであるオフセット値をオフセット演算手段により演算する。さらに、補正連結角演算手段により、測定距離毎の連結角検出値からオフセット値を引くことにより、ローラの摩耗や、温度変化によるローラの径の変化、計測時のローラの跳ね等による影響が是正され、補正された精度の良い連結角データを得ることができる。
【0023】
また、上記請求項11の発明の構成上の特徴は、前記請求項10に記載の路面縦断プロファイルの測定装置において、オフセット値演算手段によるオフセット値の演算範囲が、規定の演算長さに定められ、測定対象道路が所定の重なり部分を含めて演算長さに分割され、分割された各演算長さについて各演算長さ毎に演算されたオフセット値が適用されることにある。このように、オフセット値の演算が演算長さ毎に行われるため、道路の測定範囲が長くなっても、オフセット値の精度の低下が抑えられる。
【0024】
また、上記請求項12の発明の構成上の特徴は、同一直線上に所定間隔を隔ててかつ回転方向を合わせて進行方向に対して前、中、及び後に順次配設される円盤状の同一外径の第1,第2及び第3ローラと、第1及び第2ローラの各回転軸に取り付けられて第1及び第2ローラを連結する所定長さの第1連結棒と、第2及び第3ローラの各回転軸に取り付けられて第2及び第3ローラを連結する第2連結棒と、ローラの移動距離を測定する距離測定手段と、第2連結棒に対する第1連結棒の垂直方向の垂直変位を検出する垂直変位検出手段とを設けてなる測定ブロックと、いずれかの回転軸に回動自在に取りつけられた操作棒とを備え、操作棒を介して測定ブロックが路面に向けて押し付けられて路面を進行方向に移動し、測定ブロックが所定の測定距離を移動する毎に、垂直変位検出手段により垂直変位を検出し、垂直変位検出値に基づいて路面の縦断プロファイルが作成されることにある。
【0025】
上記のように構成した請求項12の発明においては、各1個のローラが縦方向に配列された測定ブロックにおいても、垂直変位検出手段によって、第2連結棒に対する第1連結棒の垂直方向の垂直変位を直接検出することができるため、第1及び第2連結棒の連結角に基づいて垂直変位を求める場合に比べて測定誤差が小さくされる。そのため、凹凸プロファイルの測定精度が高められる。
【0026】
また、上記請求項13の発明の構成上の特徴は、前記請求項12に記載の路面縦断プロファイルの測定装置において、距離測定手段が、レーザ光を地面に対して垂直に照射し、地面からの反射光によるスペックル模様に基づいて移動距離を求めるものであることにある。このように、各1個のローラが縦方向に配列された測定ブロックにおいても、その移動距離が、レーザ光を地面に対して垂直に照射し、地面からの反射光によるスペックル模様に基づい求められる。そのため、垂直変位が精度良く求められることに加えて、ローラの摩耗や、温度変化によるローラの径の変化に影響されることなく、移動距離が精度良く求められる。
【0027】
また、上記請求項14の発明の構成上の特徴は、前記請求項12又は13に記載の路面縦断プロファイルの測定装置において、測定距離毎での垂直変位検出値を順次加えて各測定距離での累積値を算出する累積値演算手段と、最初の垂直変位検出位置の一つ前の検出位置に相当する位置を原点として、測定距離毎に累積値をプロットしたグラフに基づいて原点を通過する一次回帰式を演算する一次回帰式演算手段と、一次回帰式の傾きであるオフセット値を演算するオフセット値演算手段と、測定距離毎の垂直変位検出値からオフセット値を引くことにより補正された垂直変位データを演算する補正垂直変位演算手段とを設けたことにある。
【0028】
上記のように構成した請求項14の発明においては、各1個のローラが縦方向に配列された測定ブロックにおいても、累積値演算手段により、測定距離毎での垂直変位検出値を順次加えて各測定距離での垂直変位の累積値を算出し、一次回帰式演算手段により、最初の垂直変位検出位置の一つ前の検出位置に相当する位置を原点として、測定距離毎に累積値をプロットしたグラフに基づいて原点を通過する一次回帰式を演算する。この一次回帰式の傾きであるオフセット値をオフセット演算手段により演算する。さらに、補正垂直変位演算手段により、測定距離毎の垂直変位検出値からオフセット値を引くことにより、ローラの摩耗や、温度変化によるローラの径の変化、計測時のローラの跳ね等による影響が是正され、補正された精度の良い垂直変位データを得ることができる。
【0029】
また、上記請求項15の発明の構成上の特徴は、前記請求項14に記載の路面縦断プロファイルの測定装置において、オフセット値演算手段によるオフセット値の演算範囲が、規定の演算長さに定められ、測定対象道路が所定の重なり部分を含めて演算長さに分割され、分割された各演算長さについて各演算長さ毎に演算されたオフセット値が適用されることにある。このように、オフセット値の演算が演算長さ毎に行われるため、道路の測定範囲が長くなっても、オフセット値の精度の低下が抑えられる。
【0030】
また、上記請求項16の発明の構成上の特徴は、同一直線上に所定間隔を隔ててかつ回転方向を合わせて進行方向に対して前、中、及び後に順次配設される円盤状の同一外径の第1,第2及び第3ローラと、第1及び第2ローラの各回転軸に取り付けられて第1及び第2ローラを連結する所定長さの第1連結棒と、第2及び第3ローラの各回転軸に取り付けられて第2及び第3ローラを連結する第2連結棒と、ローラの移動距離を測定する距離測定手段と、第1連結棒に取り付けられて第1連結棒と第2連結棒とのなす連結角を検出する角度検出手段とを設けてなる測定ブロックと、いずれかの回転軸に回動自在に取りつけられた操作棒とを備え、操作棒を介して測定ブロックが路面に押し付けられて路面を進行方向に移動して、測定ブロックが所定の測定距離を移動する毎に、角度検出手段により連結角を検出し、連結角検出値に基づいて路面の縦断プロファイルを作成する路面縦断プロファイルの測定装置であって、測定距離毎での連結角検出値を順次加えて各測定距離での累積値を算出する累積値演算手段と、最初の連結角検出位置の一つ前の検出位置に相当する位置を原点として、測定距離毎に累積値をプロットしたグラフに基づいて原点を通過する一次回帰式を演算する一次回帰式演算手段と、一次回帰式の傾きであるオフセット値を演算するオフセット値演算手段と、測定距離毎の連結角検出値からオフセット値を引くことにより補正された連結角データを演算する補正連結角演算手段とを設けたことにある。
【0031】
上記のように構成した請求項16の発明においては、各1個のローラが縦方向に配列された測定ブロックにおいても、累積値演算手段により、測定距離毎での連結角検出値を順次加えて各測定距離での累積値を算出し、一次回帰式演算手段により、最初の連結角検出位置の一つ前の検出位置に相当する位置を原点として、測定距離毎に累積値をプロットしたグラフに基づいて原点を通過する一次回帰式を演算する。この一次回帰式の傾きであるオフセット値をオフセット演算手段により演算する。さらに、補正連結角演算手段により、測定距離毎の連結角検出値からオフセット値を引くことにより、ローラの摩耗や、温度変化によるローラの径の変化、計測時のローラの跳ね等による影響が是正され、補正された精度の良い連結角データを得ることができる。
【0032】
また、上記請求項17の発明の構成上の特徴は、前記請求項16に記載の路面縦断プロファイルの測定装置において、オフセット値演算手段によるオフセット値の演算範囲が、規定の演算長さに定められ、測定対象道路が所定の重なり部分を含めて演算長さに分割され、分割された各演算長さについて各演算長さ毎に演算されたオフセット値が適用されることにある。このように、オフセット値の演算が演算長さ毎に行われるため、道路の測定範囲が長くなっても、オフセット値の精度の低下が抑えられる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態について図面を用いて説明する。図1及び図2は、第1実施形態である道路の路面Dの縦方向のプロファイルを測定する路面縦断プロファイル測定装置の概略構成を正面図及び平面図により示したものである。路面縦断プロファイル測定装置は、測定ブロック10と、制御装置27とにより構成されている。
【0034】
測定ブロック10は、図1に示すように、互いに平行にかつ所定間隔を隔てて道路の縦方向でかつ進行方向(図示矢印P方向)に対して前、中及び後に配列された同一長さの第1,第2及び第3回転軸11,12,13と、その両端に回転自在に取り付けられた円盤状の同一外径の各一対の第1,第2及び第3ローラ14,15,16とを備え、第1及び第2回転軸11,12には第1連結棒17が取り付けられ、第2及び第3回転軸12,13間には第2連結棒21が取り付けられている。
【0035】
第1及び第2回転軸11,12間、第2及び第3回転軸12,13間の距離は、本実施形態ではいずれも測定ピッチである25cmに保たれている。第1,第2,第3ローラ14,15,16は、円盤形の硬質のゴム弾性体あるいは弾性体エラストマ製であり、各ローラ14,15,16の外径は、本実施形態では10cmφになっている。各ローラ14,15,16は、ベアリングによりそれぞれ第1,第2及び第3回転軸11,12,13に回転自在に取り付けられている。
【0036】
第1連結棒17は、一端側にて第1回転軸11の中央位置に設けたベアリング11aに挿通固定されており、その長手方向(図示左右方向)を中心として第1回転軸11を回動可能に支持しており、他端側にて第2回転軸12に回転自在に固定されている。第1連結棒17の他端側には、垂直変位検出手段を構成するリニアエンコーダ18の本体18aが取り付けられている。リニアエンコーダ18は、後述する検出子18bの移動を本体18aが検知することにより第2連結棒21に対する第1連結棒17の上下方向の垂直変位hiを直接検出することができる。実際には、第1連結棒の長さを第2回転軸からリニアエンコーダの取り付け位置までの長さで割った値をリニアエンコーダ18の検出値に掛け合わせたものが垂直変位hiとなる。
【0037】
第2連結棒21は、一端側にて二又に分かれた連結部22にて第2回転軸12に固定されており、他端側にて第3回転軸13の中央位置に設けたベアリング13aに挿通固定されており、その長手方向を中心として第3回転軸13を回動可能に支持している。第2連結棒21の連結部22には、リニアエンコーダ18の検出子18bが取り付けられている。また、第2連結棒21の長手方向中間位置には、ローラの移動距離を測定する距離測定手段であるスペックルエンコーダ23が取り付けられている。さらに、第2連結棒21の他端側には、第1連結棒17の初期角度θBを検出する初期角度センサ24が取り付けられている。
【0038】
スペックルエンコーダ23は、レーザ光をすりガラス,壁,金属,プラスチック等の拡散反射面に当てると見られる斑点状の模様であるスペックルを利用し、スペックルの移動を光電信号の相関関数のピーク位置から求めて、移動速度を求めるものである。すなわち、レーザビームを地面に当てて、反射光の中に生じるスペックル模様を一次元のCCDセンサでとらえ、スペックルのコントラストが高いことを利用して、測定ブロック10の移動前後の出力を、平均出力に関して2値化した信号間の極性相互相関が計算される。これにより相関ピーク位置からセンサの方向に対するスペックル移動が求められ、これにより、ローラ14,15,16すなわち測定ブロック10の移動距離が求められる。
【0039】
測定ブロック10の第2回転軸12には、操作棒25が回動可能に固定されている。路面縦断プロファイル計測に際しては、測定者が、操作棒25を手で持って測定ブロック10を路面に軽く押し付けた状態で移動させるようになっている。なお、測定ブロック10の支持方法については、操作棒25を測定車に連結させると共に、操作棒25をコイルバネ等で付勢して測定ブロック10を道路にわずかに押し付けるようにしてもよい。これにより、測定車の移動に伴って、測定ブロックが移動することにより、自動的に路面縦断プロファイルを計測することが可能になる。操作棒25には、制御装置27等が格納された測定ボックス26が取り付けられている。
【0040】
制御装置27は、ROM,RAM,CPU,I/O等からなるマイクロコンピュータ等により構成されており、ROMに記憶された図3に示す「垂直変位補正制御プログラム」を実行するものである。制御装置27のROMには、測定距離である第1,第2回転軸11,12間及び第2,第3回転軸12,13間の距離に相当する1ピッチのデータ25cm等が記憶されている。制御装置27の入力側には上記リニアエンコーダ18、スペックルエンコーダ23及び初期角度センサ24が接続されている。また、制御装置27の出力側には、路面縦断プロファイルの測定結果等を表示する表示装置28が接続されている。
【0041】
つぎに、上記路面縦断プロファイル測定装置による道路のプロファイル測定について、図4及び図5を用いて説明する。
測定者が、操作棒25によって測定ブロック10を道路の縦方向に合せてかつ第3ローラ16を基準位置Bにセットした状態で、測定ブロック10を路面に軽く押圧した状態で道路の縦方向前方(図示矢印P方向)に進行させることにより計測が開始される。制御装置27は、まず測定ブロック10の初期位置#1(移動距離s1=0)における第2連結棒21の初期角度θBを初期角度センサ24から入力して記憶し、第2連結棒21に対する第1連結棒17の垂直変位h1が、リニアエンコーダ18の計測値として求められる。
【0042】
次に、測定ブロック10の移動により、測定ブロック10が1ピッチである25cm移動すると、制御装置27はスペックルエンコーダ23からの入力に応じて位置#2(移動距離s2=25)であると認識し、リニアエンコーダ18により検出された垂直変位検出値h2を記憶する。以下同様に、測定ブロック10の1測定ピッチ移動した位置#3,#4,#5…(移動距離s3=50、s4=75、s5=100、…)において、第2連結棒21に対する第1連結棒17の垂直変位h3,h4,h5…が、リニアエンコーダ18の計測値として求められ、移動距離siと合せた形でRAMに記憶され、道路の測定範囲全体の垂直変位データが得られる。
【0043】
つぎに、制御装置27は、上記垂直変位検出値hiデータに基づいて、「オフセット値演算プログラム」の実行を、図3に示すステップ50にて開始する。つぎに、各種変数の初期化が行われた後、原点位置、すなわち移動距離s0=0,垂直変位h0=0が設定される(ステップ51,52)。つぎに、移動距離siを含めた垂直変位hiのデータが読み込まれる(ステップ53)。ここでは、初期位置#1でありs1=0となるが、以後の計算の都合上、初期位置#1に移動の1ピッチである25cmが加えられ、垂直変位h1と合せて記憶される。以下,同様に測定位置#2,#3,#4…での移動距離s2,s3,s4,s5,…にそれぞれ25cmが加えられ、各測定位置での垂直変位h2,h3,h4,h5…と共にRAMに記憶される(ステップ54)。各測定位置#1,#2,#3,…において、それ以前の測定位置での垂直変位データを累積した累積値Hiが下記数1のように求められる(ステップ55)。
【0044】
【数1】
【0045】
つぎに、制御装置27は、図6に示すように、上記原点及び各測定位置#1,#2,#3,…において、対応する上記累積値H1,H2,H3,H4,H5…をプロットしたグラフを対象として、原点を通る一次回帰式を演算する(ステップ56)。さらに、制御装置27により、この演算された1次回帰式に基づいてその傾きが、オフセット値OFとして読み取られる(ステップ57)。各測定位置での垂直変位h1,h2,h3,h4,h5…からオフセット値OFが引き算されて、補正垂直変位データch1,ch2,ch3,ch4,ch5…が求められ、RAMに記憶される(ステップ58,59)。さらに、移動距離siデータから25cmが引かれて、当初の移動距離データに戻されてRAMに記憶される(ステップ60,61)。この移動距離siを含む補正垂直変位データchiに基づいて、制御装置27は、図7に示すような道路路面の適正な縦断プロファイルf(x)を演算により求め、その結果を表示装置28等に出力し、プログラムの実行を終了する(ステップ62〜64)。
【0046】
上記構成の第1実施形態においては、第1連結棒17及び第2連結棒21に連結された第1及び第3回転軸11,13が、道路の縦方向を中心として回動可能にされているため、図8に示すように、路面の横方向に凹凸がある場合でも凹凸に沿って第1及び第3ローラ14,16と一体となって回動することができる。そのため、両回転軸11,13の両端に取り付けられた第1及び第3ローラ14,16は、凹凸に応じて路面に密着状態にされる。その結果、本実施形態によれば、路面の横方向の凹凸によらず、第2連結棒21に対する第1連結棒17の垂直変位hiが精度良く検出され、そのため、精度の良い路面縦断プロファイルデータが得られる。
【0047】
また、測定ブロック10の移動距離が、スペックルエンコーダ23を用いて、レーザ光を地面に対して垂直に照射し、地面からの反射光によるスペックル模様に基づいて求められる。そのため、ローラの摩耗や、温度変化によるローラの径の変化に影響されることなく、路面凹凸の基準となるローラの移動距離が精度良く求められる。さらに、本実施形態においては、リニアエンコーダ18によって、第2連結棒21に対する第1連結棒17の垂直変位を直接検出することができるため、第1及び第2連結棒17,21の間の連結角に基づいて垂直変位を求める場合に比べて測定誤差が小さくされる。このように、ローラ14〜16の移動距離及び第1連結棒17の垂直変位が精度良く求められるため、凹凸プロファイルの測定精度がさらに高められる。
【0048】
さらに、本実施形態においては、制御装置27により、測定位置である測定ブロック10の1ピッチの移動距離毎での垂直変位検出値を順次加えることにより各測定距離での累積値が算出される。そして、最初の垂直変位測定位置の1つ前の測定位置に相当する位置を原点とみなし、測定位置毎に累積値をプロットしたグラフに基づいて原点を通過する一次回帰式が演算され、この一次回帰式の傾きであるオフセット値OFが求められる。このオフセット値OFを測定距離毎の垂直変位検出値hiから引くことにより、ローラの摩耗や、温度変化によるローラの径の変化、計測時のローラの跳ね等による影響が是正され、補正された精度の良い垂直変位データが得られる。したがって、この精度の良い補正された垂直変位データを用いることにより、さらに精度の良い路面縦断プロファイルが得られる。
【0049】
なお、上記第1実施形態においては、左右一対ローラを縦方向に3組配列した測定ブロック10を用いた測定装置において、距離測定手段としてレーザ光を利用したスペックルエンコーダ23が用いられ、第2連結棒21に対する第1連結棒17の垂直変位を測定するためにリニアエンコーダ18が用いられ、さらに制御装置27によって垂直変位の測定精度を高めるためにオフセット演算を行って垂直変位の測定値を補正する垂直変位補正制御が行われている。しかし、これら3つ手段の内のいずれか1つのみ、すなわちスペックルエンコーダ23による移動距離測定、リニアエンコーダ18による垂直変位測定、制御装置27による垂直変位補正制御のいずれかを用いても、その手段を採用したことにより、従来より精度の良い路面縦断プロファイルの測定が可能になる。さらに、上記3つの手段の内のいずれか二つの組み合わせとすることもでき、これにより各手段の効果が合されたさらに良好な精度の路面縦断プロファイルが得られる。なお、リニアエンコーダ18による垂直変位の代りに、従来のロータリエンコーダを用いた第2連結棒21に対する第1連結棒17の回転角度である連結角を測定する場合には、オフセット値による補正も連結角に基づいて行われる。
【0050】
つぎに、上記実施形態において、オフセット値による垂直変位測定値の補正制御における変形例について説明する。
変形例においては、図9に示すように、制御装置27によるオフセット値の演算範囲が、規定の演算長さ例えば5mに定められ、測定対象道路が例えば2.5mの重なり部分を含めて演算長さ5mに分割されるものである(図9(a)参照)。このように、分割された各演算区分▲1▼,▲2▼,▲3▼,▲4▼,▲5▼,…について、測定ブロック10により各演算長さ毎にオフセット値OF1,OF2,OF3,OF4,OF5,…が演算される(図9(b)参照)。そして、オフセット値OF1,OF2,OF3,OF4,OF5,…の重なり部分が平均的な値に修正され、最終的なオフセットデータTOFが求められる(図9(c)参照)。平均的な値としては、例えば、重なりの開始位置では、前のオフセットデータとし、重なりの終了位置では後のオフセットデータとし、両位置でのデータを直線で結ぶ。この繰り返しにより、連続したオフセットデータが決められる。各垂直変位測定値hiから、対応するオフセットデータTOFの値を引くことにより、補正された垂直変位値chiが得られる。このように、オフセット値の演算が演算長さ毎に行われるため、道路の測定範囲が長くなっても、オフセット値の精度の低下が抑えられ、オフセット値による垂直変位値の補正の効果がさらに有効に得られる。
【0051】
変形例の具体的な測定例について説明する。図10は、演算長さを5mとして、10mの測定区分を重なり部分も含めて3分割したものである。その結果、変形例においては、水準測量結果(点でプロットしたもの)に対する測定結果の標準偏差は2.36と非常に小さい値であった。これに対して、測定区分を演算長さで区分しない場合には、図11に示すように、水準測量結果に対する標準偏差は4.07であり、変形例の結果に比べて劣っていることが明かとなった。なお、オフセットデータの重なり部分については、変形例ではOF1,OF2,OF3,…のように連続して重ねているが、これに限らず、オフセットデータの各重なり部分を離れさせるようにすることもできる。
【0052】
つぎに、第2実施形態について説明する。
本実施形態においては、測定ブロック30は、図12,13に示すように、硬質のゴム弾性体あるいは弾性体エラストマ製であり、道路縦方向の進行方向(図示矢印P方向)に対して前、中及び後に配列された3個の円盤形の第1、第2及び第3ローラ31,32,33を有しており、各ローラ31,32,33は、同一面上でかつ同一直線上に配列されている。各ローラ31,32,33の外径は、本実施形態では10cmφになっている。各ローラ31,32,33には、それぞれ回転軸34,35,36が貫通固定されている。第1ローラ31と第2ローラ32の回転軸34,35の両端側には、長尺板状の一対の第1連結棒37が、回転軸34,35が回転自在なように固定されている。また、第2ローラ32と第3ローラ33の回転軸35,36の両端には、長尺板状の一対の第2連結棒38が回転軸35,36が回転自在なように固定されている。本実施形態では、第1及び第2ローラ31,32間、第2及び第3及ローラ32,33間の距離がいずれも測定ピッチである25cmに保たれている。
【0053】
第1連結棒37の他端側には、第2連結棒38に対する第1連結棒37の垂直変位hを検出するリニアエンコーダ41の本体41aが取り付けられており、第2連結棒38の一端に、リニアエンコーダの検出子41bが取り付けられている。第2連結棒38には、ローラ31〜33の移動距離を検出するスペックルエンコーダ42が取り付けられている。さらに、第2連結棒38には、第2連結棒38の初期角度θBを検出する初期角度センサ43が取り付けられている。
【0054】
測定ブロック30の第2ローラ32には、操作棒39が回動可能に取り付けられている。路面縦断プロファイル計測に際しては、測定者が、操作棒39を手で持って測定ブロック30を路面に軽く押し付けた状態で移動させるようになっている。なお、測定ブロック30の支持方法については、操作棒39を測定車に連結させると共に、操作棒39をコイルバネ等で付勢して測定ブロック30を道路にわずかに押し付けるようにしてもよい。操作棒39には、垂直変位の補正制御等を行う制御装置45が取り付けられている。
【0055】
上記のように構成した第2実施形態においては、測定ブロック30は、3つのローラ31〜33が各1個縦方向に配列された構成であり、図8に示すように、路面の横方向に凹凸がある場合には、一部のローラ31〜33が凹凸に十分に密着できない。そのため、第2連結棒21に対する第1連結棒17の垂直変位の検出精度は第1実施形態の測定装置に比べてわずかに劣っている。しかし、測定ブロック30の移動距離については、スペックルエンコーダ42により、従来に比べて高い精度の測定結果が得られる。また、リニアエンコーダ41によって、第2連結棒38に対する第1連結棒37の垂直変位hiを直接検出することができるため、第1及び第2連結棒37,38の連結角に基づいて垂直変位を求める場合に比べて測定誤差が小さくされる。その結果、第2実施形態においても、ローラの移動距離及び第1連結棒37の垂直変位が精度良く求められるため、凹凸プロファイルの測定精度がさらに高められる。
【0056】
さらに、本実施形態においても、第1実施形態と同様、制御装置45により、測定距離毎での垂直変位検出値を順次加えることにより各測定距離での累積値が算出され、最初の垂直変位測定位置の1つ前の測定位置に相当する位置を原点として、測定距離毎に累積値をプロットしたグラフに基づいて原点を通過する一次回帰式が演算され、この一次回帰式の傾きであるオフセット値OFが求められる。このオフセット値OFを測定距離毎の垂直変位検出値hiから引くことにより、ローラの摩耗や、温度変化によるローラの径の変化、計測時のローラの跳ね等による影響が是正され、補正された精度の良い垂直変位データが得られる。したがって、この精度の良い補正された垂直変位データを用いることにより、さらに精度の良い路面縦断プロファイルが得られる。また、測定ブロック30は上記測定ブロック10に比べて構造が簡易であり、安価に提供されるもので、簡易な路面縦断プロファイルの測定には適している。
【0057】
なお、上記第2実施形態においては、ローラを縦方向に3個配列した測定ブロック30を用いた路面縦断プロファイル測定装置は、距離測定手段としてスペックルエンコーダ42を備え、第2連結棒38に対する第1連結棒37の垂直変位を測定するためにリニアエンコーダ41を備え、さらに制御装置45によって垂直変位の補正制御が行われている。しかし、第2実施形板においても、第1実施形態と同様に、これら3つ手段の内のいずれか1つのみを用いても、その手段を採用したことにより、従来より優れた効果が得られる。さらに、上記3つの手段の内のいずれか二つの組み合わせとすることもでき、これにより各手段の効果が合されたさらに優れた効果が得られる。なお、リニアエンコーダ41による垂直変位の代りに、従来のロータリエンコーダを用いた第2連結棒38に対する第1連結棒37の回転角度である連結角を測定する場合には、オフセット値による補正も連結角に基づいて行われる。
【0058】
なお、上記各実施形態においては、ローラ間の間隔である1ピッチを用いていて第1連結棒の垂直変位あるいは連結角が求められているが、本発明を、1ピッチを複数に分割した距離における垂直変位あるいは連結角を検出して、フィルタ演算処理等の高速処理により路面プロファイルを測定する方法に適用することも可能である。また、上記各実施形態においては、測定装置に取り付けられた制御装置により、垂直変位等の読取り及び縦断プロファイルの演算処理が行われているが、これに限るものではない。たとえば、制御装置では、垂直変位等の読取りのみを行い、縦断プロファイルの演算については、別の場所で行うようにしてもよい。特に、多数の測定装置からの連結角データを特定のデータ解析センターに集めて一括してデータ解析を行うことにより、正確かつ迅速なデータ処理が可能になる。その他、上記各実施形態に示したものは一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変更して実施することが可能である。
【0059】
【発明の効果】
本発明によれば、第1連結棒及び第2連結棒に連結された第1及び第3回転軸が、道路の縦方向に対して回動可能にされているため、路面の横方向に凹凸がある場合でも凹凸に沿って回動することができる。そのため、両回転軸に取り付けられた第1及び第3ローラは凹凸に応じて路面に密着状態にされる。その結果、本発明においては、第1及び第2連結棒の連結角が精度良く検出され、精度のよい路面縦断プロファイルデータが得られる。
【0060】
また、本発明においては、ローラの移動距離を測定する距離測定手段として、レーザ光を地面に対して垂直に照射し、地面からの反射光によるスペックル模様に基づいて求めるようにしたことにより、ローラの摩耗や、温度変化によるローラの径の変化に影響されることなく、ローラの移動距離が精度良く求められる。さらに、垂直変位検出手段によって、第2連結棒に対する第1連結棒の垂直方向の垂直変位を直接検出することにより、第1及び第2連結棒の連結角に基づいて垂直変位を求める場合に比べて測定誤差が小さくされる。そのため、凹凸プロファイルの測定精度が高められる。
【0061】
また、本発明においては、累積値演算手段により、測定位置毎での垂直変位あるいは連結角検出値を順次加えて各測定距離での累積値を算出し、一次回帰式演算手段により、最初の測定位置の一つ前の検出位置に相当する位置を原点として、測定位置毎に累積値をプロットしたグラフに基づいて原点を通過する一次回帰式を演算する。この一次回帰式の傾きであるオフセット値が、オフセット値演算手段により演算され、さらに、補正連結角演算手段により、測定距離毎の垂直変位あるいは連結角検出値からオフセット値を引くことにより、検出値が適正に補正される。その結果、本発明によれば、ローラの摩耗や、温度変化によるローラの径の変化、計測時のローラの跳ね等による影響が是正され、補正された精度の良い垂直変位あるいは連結角データを得ることができる。また、道路を所定の演算長さで区切り、オフセット値の演算を演算長さ毎に行うことにより、道路の測定範囲が長くなっても、オフセット値の精度の低下が抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態である道路の路面の縦断プロファイルを測定するための測定装置を概略的に示す正面図である。
【図2】同測定装置の測定ブロックを概略的に示す平面図である。
【図3】測定装置の制御装置により実行される「垂直変位補正制御プログラム」のフローチャートである。
【図4】測定ブロックにより路面の凹凸を測定する過程を説明する説明図である。
【図5】測定ブロックの各測定地点における状態を模式的に示す説明図である。
【図6】垂直変位の累積値から一次回帰式を求めるためのデータを整理したグラフである。
【図7】補正された垂直変位から求められた路面の縦断プロファイルf(x)を概略的に示すグラフである。
【図8】路面が横方向に傾斜した状態を概略的に示す模式図である。
【図9】変形例である垂直変位を補正するためのオフセット値を算出するための手順を説明するグラフである。
【図10】変形例による垂直変位測定結果である距離と高さ(垂直変位)の関係を示すグラフである。
【図11】測定路面を演算長さに区分しない場合の、垂直変位測定結果である距離と高さ(垂直変位)の関係を示すグラフである。
【図12】第2実施形態である測定装置を概略的に示す正面図である。
【図13】同測定装置の測定ブロックを概略的に示す平面図である。
【符号の説明】
10…測定ブロック、11,12,13…第1,第2,第3回転軸、14,15,16…第1,第2,第3ローラ、17…第1連結棒、18…リニアエンコーダ(垂直変位検出手段)、21…第2連結棒、23…スペックルエンコーダ(距離検出手段)、27…制御装置、30…測定ブロック、31,32,33…第1,第2,第3ローラ、34,35,36…回転軸、37…第1連結棒、38…第2連結棒、41…リニアエンコーダ、42…スペックルエンコーダ、45…制御装置。
【発明の属する技術分野】
本発明は、道路の路面等の凹凸を有する平面のプロファイルを計測する路面縦断プロファイルの測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の路面縦断プロファイルを測定する測定装置は、例えば特許文献1に示すように、同一直線上に所定間隔を隔ててかつ回転方向を合わせて円盤状の同一外径のゴム等の弾性材料製の第1,第2及び第3ローラを進行方向に対して前、中、及び後に順次配設し、第1及び第2ローラの各回転軸に取り付けられて第1及び第2ローラを連結する所定長さの第1連結棒と、第2及び第3ローラの各回転軸に取り付けられて第2及び第3ローラを連結する第2連結棒と、ローラの移動距離を測定する距離測定手段と、第1連結棒に取り付けられて第1連結棒と第2連結棒とのなす連結角を検出する角度検出手段とを設けてなる測定ブロックと、いずれかのローラの回転軸に回動自在に取りつけられた操作棒とを備えている。
【0003】
この測定ブロックが、路面の縦方向に各ローラの間隔である1ピッチずつ移動することにより、移動前の第1及び第2ローラの位置に、移動後の第2及び第3ローラが位置することになる。従って、このような測定ブロックの1ピッチずつの移動毎に、第1及び第2の連結棒のなす連結角を角度検出手段により検出することにより、第1連結棒及び第2連結棒の角度変化を逐次求めることができる。この連結角データに基づいて、容易にかつ精度良く路面の縦断プロファイルを作成することができる。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−48534号公報(第1頁,図1,2,4)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記路面縦断プロファイル測定装置においては、精度のよい縦断プロファイルデータを得るためには、3つのローラが路面と良好な密着を保つことが必要であるが、路面の一部が凹凸によって横方向に傾斜している場合、一部のローラが幅方向の一部でのみ路面と接触することになり、3つのローラが全て路面に良好に密着することができなくなる。そのため、各測定位置で得られた角度検出値の信頼性が低下し、それに基づいて得られた路面縦断プロファイルの精度も低下するという問題がある。
【0006】
また、上記路面縦断プロファイル測定装置においては、路面との良好な密着を保つために、ローラの材質として弾性を有する硬質ゴム材料あるいは硬質エラストマ材料を採用する必要がある。しかし、これらの材料は熱膨張係数が大きいため、ローラの周囲の温度によってその外径にかなりの程度のバラツキが生じ、そのため、ローラの回転数に基づいて距離測定手段により計測される測定ブロックの移動距離に無視することができないバラツキが生じる。また、ローラは摩耗するため、測定ブロックの使用状態に応じてローラ毎の径が異なってくる。そのため、連結角の測定精度にバラツキが生じる。その結果、各測定位置で得られた角度検出値の信頼性が低下し、それに基づいて得られた路面縦断プロファイルの精度も低下する。
【0007】
本発明は、上記した問題を解決しようとするもので、路面の横方向の傾きにかかわらず精度のよい縦断プロファイルを得ることができる路面縦断プロファイルの測定装置を提供することを第1の目的とする。また、本発明は、ローラ周囲の温度変化やローラの摩耗によるローラの径の変化にかかわらず精度のよい縦断プロファイルを得ることができる路面縦断プロファイルの測定装置を提供することを第2の目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために上記請求項1の発明の構成上の特徴は、互いに平行にかつ所定間隔を隔てて配列された同一長さの第1,第2及び第3回転軸の両端に取り付けられ、道路の縦方向に進行方向に対して前、中、及び後に順次配置される円盤状の同一外径の各一対の第1,第2及び第3ローラと、第1及び第2回転軸に取り付けられて第1及び第2回転軸を連結すると共に第1回転軸を縦方向を中心として回動可能に支持する第1連結棒と、第2及び第3回転軸に取り付けられて第2及び第3回転軸を連結すると共に第3回転軸を縦方向を中心として回動可能に支持する第2連結棒と、ローラの移動距離を測定する距離測定手段と、第1連結棒と第2連結棒とのなす連結角を検出する角度検出手段とを設けてなる測定ブロックと、いずれかの回転軸に回動自在に取りつけられた操作棒とを備え、操作棒を介して測定ブロックが路面に向けて押し付けられて路面を進行方向に移動し、測定ブロックが所定の測定距離を移動する毎に、角度検出手段により連結角を検出し、連結角検出値に基づいて路面の縦断プロファイルが作成されることにある。
【0009】
上記のように構成した請求項1の発明においては、第1連結棒及び第2連結棒に連結された第1及び第3回転軸が、道路の縦方向を中心として回動可能にされているため、路面の横方向に凹凸がある場合でも凹凸に沿って回動することができる。そのため、両回転軸に取り付けられた第1及び第3ローラは凹凸に応じて路面に密着状態にされる。その結果、第1及び第2連結棒の連結角が精度良く検出され、精度のよい路面縦断プロファイルデータが得られる。
【0010】
また、上記請求項2の発明の構成上の特徴は、前記請求項1に記載の路面縦断プロファイルの測定装置において、距離測定手段が、レーザ光を地面に対して垂直に照射し、地面からの反射光によるスペックル模様に基づいて移動距離を求めるものであることにある。このように、測定ブロックの移動距離が、レーザ光を地面に対して垂直に照射し、地面からの反射光によるスペックル模様に基づいて求められるため、ローラの摩耗や、温度変化によるローラの径の変化に影響されることなく、ローラの移動距離が精度良く求められる。
【0011】
また、上記請求項3の発明の構成上の特徴は、前記請求項1又は2に記載の路面縦断プロファイルの測定装置において、測定距離毎での連結角検出値を順次加えて各測定距離での累積値を算出する累積値演算手段と、最初の連結角検出位置の一つ前の検出位置に相当する位置を原点として、測定距離毎に累積値をプロットしたグラフに基づいて原点を通過する一次回帰式を演算する一次回帰式演算手段と、一次回帰式の傾きであるオフセット値を演算するオフセット値演算手段と、測定距離毎の連結角検出値からオフセット値を引くことにより補正された連結角データを演算する補正連結角演算手段とを設けたことにある。なお、一次回帰式は、回帰分析により得られる式であり、以下においても同様である。
【0012】
上記のように構成した請求項3の発明においては、累積値演算手段により、測定距離毎での連結角検出値を順次加えて各測定距離での累積値を算出し、一次回帰式演算手段により、最初の連結角検出位置の一つ前の検出位置に相当する位置を原点として、測定距離毎に累積値をプロットしたグラフに基づいて原点を通過する一次回帰式を演算する。この一次回帰式の傾きであるオフセット値をオフセット演算手段により演算する。さらに、補正連結角演算手段により、測定距離毎の連結角検出値からオフセット値を引くことにより、ローラの摩耗や、温度変化によるローラの径の変化、計測時のローラの跳ね等による影響が是正され、補正された精度の良い連結角データを得ることができる。
【0013】
また、上記請求項4の発明の構成上の特徴は、前記請求項3に記載の路面縦断プロファイルの測定装置において、オフセット値演算手段によるオフセット値の演算範囲が、規定の演算長さに定められ、測定対象道路が所定の重なり部分を含めて演算長さに分割され、分割された各演算長さについて各演算長さ毎に演算されたオフセット値が適用されることにある。このように、オフセット値の演算が演算長さ毎に行われるため、道路の測定範囲が長くなっても、オフセット値の精度の低下が抑えられる。
【0014】
また、上記請求項5の発明の構成上の特徴は、互いに平行にかつ所定間隔を隔てて配列された同一長さの第1,第2及び第3回転軸の両端に取り付けられ、道路の縦断方向に進行方向に対して前、中、及び後に順次配置される円盤状の同一外径の各一対の第1,第2及び第3ローラと、第1及び第2回転軸に取り付けられて第1及び第2回転軸を連結すると共に第1回転軸を縦断方向を中心として回動可能に支持する第1連結棒と、第2及び第3回転軸に取り付けられて第2及び第3回転軸を連結すると共に第3回転軸を縦断方向を中心として回動可能に支持する第2連結棒と、ローラの移動距離を測定する距離測定手段と、第2連結棒に対する第1連結棒の垂直方向の垂直変位を検出する垂直変位検出手段とを設けてなる測定ブロックと、いずれかの回転軸に回動自在に取りつけられた操作棒とを備え、操作棒を介して測定ブロックが路面に向けて押し付けられて路面を進行方向に移動し、測定ブロックが所定の測定距離を移動する毎に、垂直変位検出手段により垂直変位を検出し、垂直変位検出値に基づいて路面の縦断プロファイルが作成されることにある。
【0015】
上記のように構成した請求項5の発明においては、垂直変位検出手段によって、第2連結棒に対する第1連結棒の垂直方向の垂直変位を直接検出することができるため、第1及び第2連結棒の連結角に基づいて垂直変位を求める場合に比べて測定誤差が小さくされる。そのため、凹凸プロファイルの測定精度が高められる。
【0016】
また、上記請求項6の発明の構成上の特徴は、前記請求項5に記載の路面縦断プロファイルの測定装置において、距離測定手段が、レーザ光を地面に対して垂直に照射し、地面からの反射光によるスペックル模様に基づいて移動距離を求めるものであることにある。これにより、垂直変位に加えて、移動距離も精度良く測定されるため、凹凸プロファイルの測定精度がさらに高められる。
【0017】
また、上記請求項7の発明の構成上の特徴は、前記請求項5又は6に記載の路面縦断プロファイルの測定装置において、測定距離毎での垂直変位検出値を順次加えて各測定距離での累積値を算出する累積値演算手段と、最初の垂直変位検出位置の一つ前の検出位置に相当する位置を原点として、測定距離毎に累積値をプロットしたグラフに基づいて原点を通過する一次回帰式を演算する一次回帰式演算手段と、一次回帰式の傾きであるオフセット値を演算するオフセット値演算手段と、測定距離毎の垂直変位検出値からオフセット値を引くことにより補正された垂直変位データを演算する補正垂直変位演算手段とを設けたことにある。
【0018】
上記のように構成した請求項7の発明においては、累積値演算手段により、測定距離毎での垂直変位検出値を順次加えて各測定距離での累積値を算出し、一次回帰式演算手段により、最初の垂直変位検出位置の一つ前の検出位置に相当する位置を原点として、測定距離毎に累積値をプロットしたグラフに基づいて原点を通過する一次回帰式を演算する。この一次回帰式の傾きであるオフセット値をオフセット演算手段により演算する。さらに、補正垂直変位演算手段により、測定距離毎の垂直変位検出値からオフセット値を引くことにより補正された精度の良い垂直変位データを得ることができる。これにより、ローラの移動距離が精度良く測定され、垂直変位自体の精度が高められると共に、オフセット値により垂直変位の精度がさらに高められる。そのため、凹凸プロファイルの測定精度がさらに高められる。
【0019】
また、上記請求項8の発明の構成上の特徴は、前記請求項7に記載の路面縦断プロファイルの測定装置において、オフセット値演算手段によるオフセット値の演算範囲が、規定の演算長さに定められ、測定対象道路が所定の重なり部分を含めて演算長さに分割され、分割された各演算長さについて各演算長さ毎に演算されたオフセット値が適用されることにある。このように、オフセット値の演算が演算長さ毎に行われるため、道路の測定範囲が長くなっても、オフセット値の精度の低下が抑えられる。
【0020】
また、上記請求項9の発明の構成上の特徴は、同一直線上に所定間隔を隔ててかつ回転方向を合わせて進行方向に対して前、中、及び後に順次配設される円盤状の同一外径の第1,第2及び第3ローラと、第1及び第2ローラの各回転軸に取り付けられて第1及び第2ローラを連結する所定長さの第1連結棒と、第2及び第3ローラの各回転軸に取り付けられて第2及び第3ローラを連結する第2連結棒と、レーザ光を地面に対して垂直に照射し、地面からの反射光によるスペックル模様に基づいローラの移動距離を測定する距離測定手段と、第1連結棒に取り付けられて第1連結棒と第2連結棒とのなす連結角を検出する角度検出手段とを設けてなる測定ブロックと、いずれかの回転軸に回動自在に取りつけられた操作棒とを備え、操作棒を介して測定ブロックが路面に押し付けられて路面を進行方向に移動し、測定ブロックが所定の測定距離を移動する毎に、角度検出手段により連結角を検出し、連結角検出値に基づいて路面の縦断プロファイルが作成されることにある。このように、各1個のローラが縦方向に配列された測定ブロックにおいても、その移動距離が、レーザ光を地面に対して垂直に照射し、地面からの反射光によるスペックル模様に基づい求められるため、ローラの摩耗や、温度変化によるローラの径の変化に影響されることなく、移動距離が精度良く求められる。
【0021】
また、上記請求項10の発明の構成上の特徴は、前記請求項9に記載の路面縦断プロファイルの測定装置において、測定距離毎での連結角検出値を順次加えて各測定距離での累積値を算出する累積値演算手段と、最初の連結角検出位置の一つ前の検出位置に相当する位置を原点として、測定距離毎に累積値をプロットしたグラフに基づいて原点を通過する一次回帰式を演算する一次回帰式演算手段と、一次回帰式の傾きであるオフセット値を演算するオフセット値演算手段と、測定距離毎の連結角検出値からオフセット値を引くことにより補正された連結角データを演算する補正連結角演算手段とを設けたことにある。
【0022】
このように、各1個のローラが縦方向に配列された測定ブロックにおいても、累積値演算手段により、測定距離毎での連結角検出値を順次加えて各測定距離での累積値を算出し、一次回帰式演算手段により、最初の連結角検出位置の一つ前の検出位置に相当する位置を原点として、測定距離毎に累積値をプロットしたグラフに基づいて原点を通過する一次回帰式を演算する。この一次回帰式の傾きであるオフセット値をオフセット演算手段により演算する。さらに、補正連結角演算手段により、測定距離毎の連結角検出値からオフセット値を引くことにより、ローラの摩耗や、温度変化によるローラの径の変化、計測時のローラの跳ね等による影響が是正され、補正された精度の良い連結角データを得ることができる。
【0023】
また、上記請求項11の発明の構成上の特徴は、前記請求項10に記載の路面縦断プロファイルの測定装置において、オフセット値演算手段によるオフセット値の演算範囲が、規定の演算長さに定められ、測定対象道路が所定の重なり部分を含めて演算長さに分割され、分割された各演算長さについて各演算長さ毎に演算されたオフセット値が適用されることにある。このように、オフセット値の演算が演算長さ毎に行われるため、道路の測定範囲が長くなっても、オフセット値の精度の低下が抑えられる。
【0024】
また、上記請求項12の発明の構成上の特徴は、同一直線上に所定間隔を隔ててかつ回転方向を合わせて進行方向に対して前、中、及び後に順次配設される円盤状の同一外径の第1,第2及び第3ローラと、第1及び第2ローラの各回転軸に取り付けられて第1及び第2ローラを連結する所定長さの第1連結棒と、第2及び第3ローラの各回転軸に取り付けられて第2及び第3ローラを連結する第2連結棒と、ローラの移動距離を測定する距離測定手段と、第2連結棒に対する第1連結棒の垂直方向の垂直変位を検出する垂直変位検出手段とを設けてなる測定ブロックと、いずれかの回転軸に回動自在に取りつけられた操作棒とを備え、操作棒を介して測定ブロックが路面に向けて押し付けられて路面を進行方向に移動し、測定ブロックが所定の測定距離を移動する毎に、垂直変位検出手段により垂直変位を検出し、垂直変位検出値に基づいて路面の縦断プロファイルが作成されることにある。
【0025】
上記のように構成した請求項12の発明においては、各1個のローラが縦方向に配列された測定ブロックにおいても、垂直変位検出手段によって、第2連結棒に対する第1連結棒の垂直方向の垂直変位を直接検出することができるため、第1及び第2連結棒の連結角に基づいて垂直変位を求める場合に比べて測定誤差が小さくされる。そのため、凹凸プロファイルの測定精度が高められる。
【0026】
また、上記請求項13の発明の構成上の特徴は、前記請求項12に記載の路面縦断プロファイルの測定装置において、距離測定手段が、レーザ光を地面に対して垂直に照射し、地面からの反射光によるスペックル模様に基づいて移動距離を求めるものであることにある。このように、各1個のローラが縦方向に配列された測定ブロックにおいても、その移動距離が、レーザ光を地面に対して垂直に照射し、地面からの反射光によるスペックル模様に基づい求められる。そのため、垂直変位が精度良く求められることに加えて、ローラの摩耗や、温度変化によるローラの径の変化に影響されることなく、移動距離が精度良く求められる。
【0027】
また、上記請求項14の発明の構成上の特徴は、前記請求項12又は13に記載の路面縦断プロファイルの測定装置において、測定距離毎での垂直変位検出値を順次加えて各測定距離での累積値を算出する累積値演算手段と、最初の垂直変位検出位置の一つ前の検出位置に相当する位置を原点として、測定距離毎に累積値をプロットしたグラフに基づいて原点を通過する一次回帰式を演算する一次回帰式演算手段と、一次回帰式の傾きであるオフセット値を演算するオフセット値演算手段と、測定距離毎の垂直変位検出値からオフセット値を引くことにより補正された垂直変位データを演算する補正垂直変位演算手段とを設けたことにある。
【0028】
上記のように構成した請求項14の発明においては、各1個のローラが縦方向に配列された測定ブロックにおいても、累積値演算手段により、測定距離毎での垂直変位検出値を順次加えて各測定距離での垂直変位の累積値を算出し、一次回帰式演算手段により、最初の垂直変位検出位置の一つ前の検出位置に相当する位置を原点として、測定距離毎に累積値をプロットしたグラフに基づいて原点を通過する一次回帰式を演算する。この一次回帰式の傾きであるオフセット値をオフセット演算手段により演算する。さらに、補正垂直変位演算手段により、測定距離毎の垂直変位検出値からオフセット値を引くことにより、ローラの摩耗や、温度変化によるローラの径の変化、計測時のローラの跳ね等による影響が是正され、補正された精度の良い垂直変位データを得ることができる。
【0029】
また、上記請求項15の発明の構成上の特徴は、前記請求項14に記載の路面縦断プロファイルの測定装置において、オフセット値演算手段によるオフセット値の演算範囲が、規定の演算長さに定められ、測定対象道路が所定の重なり部分を含めて演算長さに分割され、分割された各演算長さについて各演算長さ毎に演算されたオフセット値が適用されることにある。このように、オフセット値の演算が演算長さ毎に行われるため、道路の測定範囲が長くなっても、オフセット値の精度の低下が抑えられる。
【0030】
また、上記請求項16の発明の構成上の特徴は、同一直線上に所定間隔を隔ててかつ回転方向を合わせて進行方向に対して前、中、及び後に順次配設される円盤状の同一外径の第1,第2及び第3ローラと、第1及び第2ローラの各回転軸に取り付けられて第1及び第2ローラを連結する所定長さの第1連結棒と、第2及び第3ローラの各回転軸に取り付けられて第2及び第3ローラを連結する第2連結棒と、ローラの移動距離を測定する距離測定手段と、第1連結棒に取り付けられて第1連結棒と第2連結棒とのなす連結角を検出する角度検出手段とを設けてなる測定ブロックと、いずれかの回転軸に回動自在に取りつけられた操作棒とを備え、操作棒を介して測定ブロックが路面に押し付けられて路面を進行方向に移動して、測定ブロックが所定の測定距離を移動する毎に、角度検出手段により連結角を検出し、連結角検出値に基づいて路面の縦断プロファイルを作成する路面縦断プロファイルの測定装置であって、測定距離毎での連結角検出値を順次加えて各測定距離での累積値を算出する累積値演算手段と、最初の連結角検出位置の一つ前の検出位置に相当する位置を原点として、測定距離毎に累積値をプロットしたグラフに基づいて原点を通過する一次回帰式を演算する一次回帰式演算手段と、一次回帰式の傾きであるオフセット値を演算するオフセット値演算手段と、測定距離毎の連結角検出値からオフセット値を引くことにより補正された連結角データを演算する補正連結角演算手段とを設けたことにある。
【0031】
上記のように構成した請求項16の発明においては、各1個のローラが縦方向に配列された測定ブロックにおいても、累積値演算手段により、測定距離毎での連結角検出値を順次加えて各測定距離での累積値を算出し、一次回帰式演算手段により、最初の連結角検出位置の一つ前の検出位置に相当する位置を原点として、測定距離毎に累積値をプロットしたグラフに基づいて原点を通過する一次回帰式を演算する。この一次回帰式の傾きであるオフセット値をオフセット演算手段により演算する。さらに、補正連結角演算手段により、測定距離毎の連結角検出値からオフセット値を引くことにより、ローラの摩耗や、温度変化によるローラの径の変化、計測時のローラの跳ね等による影響が是正され、補正された精度の良い連結角データを得ることができる。
【0032】
また、上記請求項17の発明の構成上の特徴は、前記請求項16に記載の路面縦断プロファイルの測定装置において、オフセット値演算手段によるオフセット値の演算範囲が、規定の演算長さに定められ、測定対象道路が所定の重なり部分を含めて演算長さに分割され、分割された各演算長さについて各演算長さ毎に演算されたオフセット値が適用されることにある。このように、オフセット値の演算が演算長さ毎に行われるため、道路の測定範囲が長くなっても、オフセット値の精度の低下が抑えられる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態について図面を用いて説明する。図1及び図2は、第1実施形態である道路の路面Dの縦方向のプロファイルを測定する路面縦断プロファイル測定装置の概略構成を正面図及び平面図により示したものである。路面縦断プロファイル測定装置は、測定ブロック10と、制御装置27とにより構成されている。
【0034】
測定ブロック10は、図1に示すように、互いに平行にかつ所定間隔を隔てて道路の縦方向でかつ進行方向(図示矢印P方向)に対して前、中及び後に配列された同一長さの第1,第2及び第3回転軸11,12,13と、その両端に回転自在に取り付けられた円盤状の同一外径の各一対の第1,第2及び第3ローラ14,15,16とを備え、第1及び第2回転軸11,12には第1連結棒17が取り付けられ、第2及び第3回転軸12,13間には第2連結棒21が取り付けられている。
【0035】
第1及び第2回転軸11,12間、第2及び第3回転軸12,13間の距離は、本実施形態ではいずれも測定ピッチである25cmに保たれている。第1,第2,第3ローラ14,15,16は、円盤形の硬質のゴム弾性体あるいは弾性体エラストマ製であり、各ローラ14,15,16の外径は、本実施形態では10cmφになっている。各ローラ14,15,16は、ベアリングによりそれぞれ第1,第2及び第3回転軸11,12,13に回転自在に取り付けられている。
【0036】
第1連結棒17は、一端側にて第1回転軸11の中央位置に設けたベアリング11aに挿通固定されており、その長手方向(図示左右方向)を中心として第1回転軸11を回動可能に支持しており、他端側にて第2回転軸12に回転自在に固定されている。第1連結棒17の他端側には、垂直変位検出手段を構成するリニアエンコーダ18の本体18aが取り付けられている。リニアエンコーダ18は、後述する検出子18bの移動を本体18aが検知することにより第2連結棒21に対する第1連結棒17の上下方向の垂直変位hiを直接検出することができる。実際には、第1連結棒の長さを第2回転軸からリニアエンコーダの取り付け位置までの長さで割った値をリニアエンコーダ18の検出値に掛け合わせたものが垂直変位hiとなる。
【0037】
第2連結棒21は、一端側にて二又に分かれた連結部22にて第2回転軸12に固定されており、他端側にて第3回転軸13の中央位置に設けたベアリング13aに挿通固定されており、その長手方向を中心として第3回転軸13を回動可能に支持している。第2連結棒21の連結部22には、リニアエンコーダ18の検出子18bが取り付けられている。また、第2連結棒21の長手方向中間位置には、ローラの移動距離を測定する距離測定手段であるスペックルエンコーダ23が取り付けられている。さらに、第2連結棒21の他端側には、第1連結棒17の初期角度θBを検出する初期角度センサ24が取り付けられている。
【0038】
スペックルエンコーダ23は、レーザ光をすりガラス,壁,金属,プラスチック等の拡散反射面に当てると見られる斑点状の模様であるスペックルを利用し、スペックルの移動を光電信号の相関関数のピーク位置から求めて、移動速度を求めるものである。すなわち、レーザビームを地面に当てて、反射光の中に生じるスペックル模様を一次元のCCDセンサでとらえ、スペックルのコントラストが高いことを利用して、測定ブロック10の移動前後の出力を、平均出力に関して2値化した信号間の極性相互相関が計算される。これにより相関ピーク位置からセンサの方向に対するスペックル移動が求められ、これにより、ローラ14,15,16すなわち測定ブロック10の移動距離が求められる。
【0039】
測定ブロック10の第2回転軸12には、操作棒25が回動可能に固定されている。路面縦断プロファイル計測に際しては、測定者が、操作棒25を手で持って測定ブロック10を路面に軽く押し付けた状態で移動させるようになっている。なお、測定ブロック10の支持方法については、操作棒25を測定車に連結させると共に、操作棒25をコイルバネ等で付勢して測定ブロック10を道路にわずかに押し付けるようにしてもよい。これにより、測定車の移動に伴って、測定ブロックが移動することにより、自動的に路面縦断プロファイルを計測することが可能になる。操作棒25には、制御装置27等が格納された測定ボックス26が取り付けられている。
【0040】
制御装置27は、ROM,RAM,CPU,I/O等からなるマイクロコンピュータ等により構成されており、ROMに記憶された図3に示す「垂直変位補正制御プログラム」を実行するものである。制御装置27のROMには、測定距離である第1,第2回転軸11,12間及び第2,第3回転軸12,13間の距離に相当する1ピッチのデータ25cm等が記憶されている。制御装置27の入力側には上記リニアエンコーダ18、スペックルエンコーダ23及び初期角度センサ24が接続されている。また、制御装置27の出力側には、路面縦断プロファイルの測定結果等を表示する表示装置28が接続されている。
【0041】
つぎに、上記路面縦断プロファイル測定装置による道路のプロファイル測定について、図4及び図5を用いて説明する。
測定者が、操作棒25によって測定ブロック10を道路の縦方向に合せてかつ第3ローラ16を基準位置Bにセットした状態で、測定ブロック10を路面に軽く押圧した状態で道路の縦方向前方(図示矢印P方向)に進行させることにより計測が開始される。制御装置27は、まず測定ブロック10の初期位置#1(移動距離s1=0)における第2連結棒21の初期角度θBを初期角度センサ24から入力して記憶し、第2連結棒21に対する第1連結棒17の垂直変位h1が、リニアエンコーダ18の計測値として求められる。
【0042】
次に、測定ブロック10の移動により、測定ブロック10が1ピッチである25cm移動すると、制御装置27はスペックルエンコーダ23からの入力に応じて位置#2(移動距離s2=25)であると認識し、リニアエンコーダ18により検出された垂直変位検出値h2を記憶する。以下同様に、測定ブロック10の1測定ピッチ移動した位置#3,#4,#5…(移動距離s3=50、s4=75、s5=100、…)において、第2連結棒21に対する第1連結棒17の垂直変位h3,h4,h5…が、リニアエンコーダ18の計測値として求められ、移動距離siと合せた形でRAMに記憶され、道路の測定範囲全体の垂直変位データが得られる。
【0043】
つぎに、制御装置27は、上記垂直変位検出値hiデータに基づいて、「オフセット値演算プログラム」の実行を、図3に示すステップ50にて開始する。つぎに、各種変数の初期化が行われた後、原点位置、すなわち移動距離s0=0,垂直変位h0=0が設定される(ステップ51,52)。つぎに、移動距離siを含めた垂直変位hiのデータが読み込まれる(ステップ53)。ここでは、初期位置#1でありs1=0となるが、以後の計算の都合上、初期位置#1に移動の1ピッチである25cmが加えられ、垂直変位h1と合せて記憶される。以下,同様に測定位置#2,#3,#4…での移動距離s2,s3,s4,s5,…にそれぞれ25cmが加えられ、各測定位置での垂直変位h2,h3,h4,h5…と共にRAMに記憶される(ステップ54)。各測定位置#1,#2,#3,…において、それ以前の測定位置での垂直変位データを累積した累積値Hiが下記数1のように求められる(ステップ55)。
【0044】
【数1】
【0045】
つぎに、制御装置27は、図6に示すように、上記原点及び各測定位置#1,#2,#3,…において、対応する上記累積値H1,H2,H3,H4,H5…をプロットしたグラフを対象として、原点を通る一次回帰式を演算する(ステップ56)。さらに、制御装置27により、この演算された1次回帰式に基づいてその傾きが、オフセット値OFとして読み取られる(ステップ57)。各測定位置での垂直変位h1,h2,h3,h4,h5…からオフセット値OFが引き算されて、補正垂直変位データch1,ch2,ch3,ch4,ch5…が求められ、RAMに記憶される(ステップ58,59)。さらに、移動距離siデータから25cmが引かれて、当初の移動距離データに戻されてRAMに記憶される(ステップ60,61)。この移動距離siを含む補正垂直変位データchiに基づいて、制御装置27は、図7に示すような道路路面の適正な縦断プロファイルf(x)を演算により求め、その結果を表示装置28等に出力し、プログラムの実行を終了する(ステップ62〜64)。
【0046】
上記構成の第1実施形態においては、第1連結棒17及び第2連結棒21に連結された第1及び第3回転軸11,13が、道路の縦方向を中心として回動可能にされているため、図8に示すように、路面の横方向に凹凸がある場合でも凹凸に沿って第1及び第3ローラ14,16と一体となって回動することができる。そのため、両回転軸11,13の両端に取り付けられた第1及び第3ローラ14,16は、凹凸に応じて路面に密着状態にされる。その結果、本実施形態によれば、路面の横方向の凹凸によらず、第2連結棒21に対する第1連結棒17の垂直変位hiが精度良く検出され、そのため、精度の良い路面縦断プロファイルデータが得られる。
【0047】
また、測定ブロック10の移動距離が、スペックルエンコーダ23を用いて、レーザ光を地面に対して垂直に照射し、地面からの反射光によるスペックル模様に基づいて求められる。そのため、ローラの摩耗や、温度変化によるローラの径の変化に影響されることなく、路面凹凸の基準となるローラの移動距離が精度良く求められる。さらに、本実施形態においては、リニアエンコーダ18によって、第2連結棒21に対する第1連結棒17の垂直変位を直接検出することができるため、第1及び第2連結棒17,21の間の連結角に基づいて垂直変位を求める場合に比べて測定誤差が小さくされる。このように、ローラ14〜16の移動距離及び第1連結棒17の垂直変位が精度良く求められるため、凹凸プロファイルの測定精度がさらに高められる。
【0048】
さらに、本実施形態においては、制御装置27により、測定位置である測定ブロック10の1ピッチの移動距離毎での垂直変位検出値を順次加えることにより各測定距離での累積値が算出される。そして、最初の垂直変位測定位置の1つ前の測定位置に相当する位置を原点とみなし、測定位置毎に累積値をプロットしたグラフに基づいて原点を通過する一次回帰式が演算され、この一次回帰式の傾きであるオフセット値OFが求められる。このオフセット値OFを測定距離毎の垂直変位検出値hiから引くことにより、ローラの摩耗や、温度変化によるローラの径の変化、計測時のローラの跳ね等による影響が是正され、補正された精度の良い垂直変位データが得られる。したがって、この精度の良い補正された垂直変位データを用いることにより、さらに精度の良い路面縦断プロファイルが得られる。
【0049】
なお、上記第1実施形態においては、左右一対ローラを縦方向に3組配列した測定ブロック10を用いた測定装置において、距離測定手段としてレーザ光を利用したスペックルエンコーダ23が用いられ、第2連結棒21に対する第1連結棒17の垂直変位を測定するためにリニアエンコーダ18が用いられ、さらに制御装置27によって垂直変位の測定精度を高めるためにオフセット演算を行って垂直変位の測定値を補正する垂直変位補正制御が行われている。しかし、これら3つ手段の内のいずれか1つのみ、すなわちスペックルエンコーダ23による移動距離測定、リニアエンコーダ18による垂直変位測定、制御装置27による垂直変位補正制御のいずれかを用いても、その手段を採用したことにより、従来より精度の良い路面縦断プロファイルの測定が可能になる。さらに、上記3つの手段の内のいずれか二つの組み合わせとすることもでき、これにより各手段の効果が合されたさらに良好な精度の路面縦断プロファイルが得られる。なお、リニアエンコーダ18による垂直変位の代りに、従来のロータリエンコーダを用いた第2連結棒21に対する第1連結棒17の回転角度である連結角を測定する場合には、オフセット値による補正も連結角に基づいて行われる。
【0050】
つぎに、上記実施形態において、オフセット値による垂直変位測定値の補正制御における変形例について説明する。
変形例においては、図9に示すように、制御装置27によるオフセット値の演算範囲が、規定の演算長さ例えば5mに定められ、測定対象道路が例えば2.5mの重なり部分を含めて演算長さ5mに分割されるものである(図9(a)参照)。このように、分割された各演算区分▲1▼,▲2▼,▲3▼,▲4▼,▲5▼,…について、測定ブロック10により各演算長さ毎にオフセット値OF1,OF2,OF3,OF4,OF5,…が演算される(図9(b)参照)。そして、オフセット値OF1,OF2,OF3,OF4,OF5,…の重なり部分が平均的な値に修正され、最終的なオフセットデータTOFが求められる(図9(c)参照)。平均的な値としては、例えば、重なりの開始位置では、前のオフセットデータとし、重なりの終了位置では後のオフセットデータとし、両位置でのデータを直線で結ぶ。この繰り返しにより、連続したオフセットデータが決められる。各垂直変位測定値hiから、対応するオフセットデータTOFの値を引くことにより、補正された垂直変位値chiが得られる。このように、オフセット値の演算が演算長さ毎に行われるため、道路の測定範囲が長くなっても、オフセット値の精度の低下が抑えられ、オフセット値による垂直変位値の補正の効果がさらに有効に得られる。
【0051】
変形例の具体的な測定例について説明する。図10は、演算長さを5mとして、10mの測定区分を重なり部分も含めて3分割したものである。その結果、変形例においては、水準測量結果(点でプロットしたもの)に対する測定結果の標準偏差は2.36と非常に小さい値であった。これに対して、測定区分を演算長さで区分しない場合には、図11に示すように、水準測量結果に対する標準偏差は4.07であり、変形例の結果に比べて劣っていることが明かとなった。なお、オフセットデータの重なり部分については、変形例ではOF1,OF2,OF3,…のように連続して重ねているが、これに限らず、オフセットデータの各重なり部分を離れさせるようにすることもできる。
【0052】
つぎに、第2実施形態について説明する。
本実施形態においては、測定ブロック30は、図12,13に示すように、硬質のゴム弾性体あるいは弾性体エラストマ製であり、道路縦方向の進行方向(図示矢印P方向)に対して前、中及び後に配列された3個の円盤形の第1、第2及び第3ローラ31,32,33を有しており、各ローラ31,32,33は、同一面上でかつ同一直線上に配列されている。各ローラ31,32,33の外径は、本実施形態では10cmφになっている。各ローラ31,32,33には、それぞれ回転軸34,35,36が貫通固定されている。第1ローラ31と第2ローラ32の回転軸34,35の両端側には、長尺板状の一対の第1連結棒37が、回転軸34,35が回転自在なように固定されている。また、第2ローラ32と第3ローラ33の回転軸35,36の両端には、長尺板状の一対の第2連結棒38が回転軸35,36が回転自在なように固定されている。本実施形態では、第1及び第2ローラ31,32間、第2及び第3及ローラ32,33間の距離がいずれも測定ピッチである25cmに保たれている。
【0053】
第1連結棒37の他端側には、第2連結棒38に対する第1連結棒37の垂直変位hを検出するリニアエンコーダ41の本体41aが取り付けられており、第2連結棒38の一端に、リニアエンコーダの検出子41bが取り付けられている。第2連結棒38には、ローラ31〜33の移動距離を検出するスペックルエンコーダ42が取り付けられている。さらに、第2連結棒38には、第2連結棒38の初期角度θBを検出する初期角度センサ43が取り付けられている。
【0054】
測定ブロック30の第2ローラ32には、操作棒39が回動可能に取り付けられている。路面縦断プロファイル計測に際しては、測定者が、操作棒39を手で持って測定ブロック30を路面に軽く押し付けた状態で移動させるようになっている。なお、測定ブロック30の支持方法については、操作棒39を測定車に連結させると共に、操作棒39をコイルバネ等で付勢して測定ブロック30を道路にわずかに押し付けるようにしてもよい。操作棒39には、垂直変位の補正制御等を行う制御装置45が取り付けられている。
【0055】
上記のように構成した第2実施形態においては、測定ブロック30は、3つのローラ31〜33が各1個縦方向に配列された構成であり、図8に示すように、路面の横方向に凹凸がある場合には、一部のローラ31〜33が凹凸に十分に密着できない。そのため、第2連結棒21に対する第1連結棒17の垂直変位の検出精度は第1実施形態の測定装置に比べてわずかに劣っている。しかし、測定ブロック30の移動距離については、スペックルエンコーダ42により、従来に比べて高い精度の測定結果が得られる。また、リニアエンコーダ41によって、第2連結棒38に対する第1連結棒37の垂直変位hiを直接検出することができるため、第1及び第2連結棒37,38の連結角に基づいて垂直変位を求める場合に比べて測定誤差が小さくされる。その結果、第2実施形態においても、ローラの移動距離及び第1連結棒37の垂直変位が精度良く求められるため、凹凸プロファイルの測定精度がさらに高められる。
【0056】
さらに、本実施形態においても、第1実施形態と同様、制御装置45により、測定距離毎での垂直変位検出値を順次加えることにより各測定距離での累積値が算出され、最初の垂直変位測定位置の1つ前の測定位置に相当する位置を原点として、測定距離毎に累積値をプロットしたグラフに基づいて原点を通過する一次回帰式が演算され、この一次回帰式の傾きであるオフセット値OFが求められる。このオフセット値OFを測定距離毎の垂直変位検出値hiから引くことにより、ローラの摩耗や、温度変化によるローラの径の変化、計測時のローラの跳ね等による影響が是正され、補正された精度の良い垂直変位データが得られる。したがって、この精度の良い補正された垂直変位データを用いることにより、さらに精度の良い路面縦断プロファイルが得られる。また、測定ブロック30は上記測定ブロック10に比べて構造が簡易であり、安価に提供されるもので、簡易な路面縦断プロファイルの測定には適している。
【0057】
なお、上記第2実施形態においては、ローラを縦方向に3個配列した測定ブロック30を用いた路面縦断プロファイル測定装置は、距離測定手段としてスペックルエンコーダ42を備え、第2連結棒38に対する第1連結棒37の垂直変位を測定するためにリニアエンコーダ41を備え、さらに制御装置45によって垂直変位の補正制御が行われている。しかし、第2実施形板においても、第1実施形態と同様に、これら3つ手段の内のいずれか1つのみを用いても、その手段を採用したことにより、従来より優れた効果が得られる。さらに、上記3つの手段の内のいずれか二つの組み合わせとすることもでき、これにより各手段の効果が合されたさらに優れた効果が得られる。なお、リニアエンコーダ41による垂直変位の代りに、従来のロータリエンコーダを用いた第2連結棒38に対する第1連結棒37の回転角度である連結角を測定する場合には、オフセット値による補正も連結角に基づいて行われる。
【0058】
なお、上記各実施形態においては、ローラ間の間隔である1ピッチを用いていて第1連結棒の垂直変位あるいは連結角が求められているが、本発明を、1ピッチを複数に分割した距離における垂直変位あるいは連結角を検出して、フィルタ演算処理等の高速処理により路面プロファイルを測定する方法に適用することも可能である。また、上記各実施形態においては、測定装置に取り付けられた制御装置により、垂直変位等の読取り及び縦断プロファイルの演算処理が行われているが、これに限るものではない。たとえば、制御装置では、垂直変位等の読取りのみを行い、縦断プロファイルの演算については、別の場所で行うようにしてもよい。特に、多数の測定装置からの連結角データを特定のデータ解析センターに集めて一括してデータ解析を行うことにより、正確かつ迅速なデータ処理が可能になる。その他、上記各実施形態に示したものは一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変更して実施することが可能である。
【0059】
【発明の効果】
本発明によれば、第1連結棒及び第2連結棒に連結された第1及び第3回転軸が、道路の縦方向に対して回動可能にされているため、路面の横方向に凹凸がある場合でも凹凸に沿って回動することができる。そのため、両回転軸に取り付けられた第1及び第3ローラは凹凸に応じて路面に密着状態にされる。その結果、本発明においては、第1及び第2連結棒の連結角が精度良く検出され、精度のよい路面縦断プロファイルデータが得られる。
【0060】
また、本発明においては、ローラの移動距離を測定する距離測定手段として、レーザ光を地面に対して垂直に照射し、地面からの反射光によるスペックル模様に基づいて求めるようにしたことにより、ローラの摩耗や、温度変化によるローラの径の変化に影響されることなく、ローラの移動距離が精度良く求められる。さらに、垂直変位検出手段によって、第2連結棒に対する第1連結棒の垂直方向の垂直変位を直接検出することにより、第1及び第2連結棒の連結角に基づいて垂直変位を求める場合に比べて測定誤差が小さくされる。そのため、凹凸プロファイルの測定精度が高められる。
【0061】
また、本発明においては、累積値演算手段により、測定位置毎での垂直変位あるいは連結角検出値を順次加えて各測定距離での累積値を算出し、一次回帰式演算手段により、最初の測定位置の一つ前の検出位置に相当する位置を原点として、測定位置毎に累積値をプロットしたグラフに基づいて原点を通過する一次回帰式を演算する。この一次回帰式の傾きであるオフセット値が、オフセット値演算手段により演算され、さらに、補正連結角演算手段により、測定距離毎の垂直変位あるいは連結角検出値からオフセット値を引くことにより、検出値が適正に補正される。その結果、本発明によれば、ローラの摩耗や、温度変化によるローラの径の変化、計測時のローラの跳ね等による影響が是正され、補正された精度の良い垂直変位あるいは連結角データを得ることができる。また、道路を所定の演算長さで区切り、オフセット値の演算を演算長さ毎に行うことにより、道路の測定範囲が長くなっても、オフセット値の精度の低下が抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態である道路の路面の縦断プロファイルを測定するための測定装置を概略的に示す正面図である。
【図2】同測定装置の測定ブロックを概略的に示す平面図である。
【図3】測定装置の制御装置により実行される「垂直変位補正制御プログラム」のフローチャートである。
【図4】測定ブロックにより路面の凹凸を測定する過程を説明する説明図である。
【図5】測定ブロックの各測定地点における状態を模式的に示す説明図である。
【図6】垂直変位の累積値から一次回帰式を求めるためのデータを整理したグラフである。
【図7】補正された垂直変位から求められた路面の縦断プロファイルf(x)を概略的に示すグラフである。
【図8】路面が横方向に傾斜した状態を概略的に示す模式図である。
【図9】変形例である垂直変位を補正するためのオフセット値を算出するための手順を説明するグラフである。
【図10】変形例による垂直変位測定結果である距離と高さ(垂直変位)の関係を示すグラフである。
【図11】測定路面を演算長さに区分しない場合の、垂直変位測定結果である距離と高さ(垂直変位)の関係を示すグラフである。
【図12】第2実施形態である測定装置を概略的に示す正面図である。
【図13】同測定装置の測定ブロックを概略的に示す平面図である。
【符号の説明】
10…測定ブロック、11,12,13…第1,第2,第3回転軸、14,15,16…第1,第2,第3ローラ、17…第1連結棒、18…リニアエンコーダ(垂直変位検出手段)、21…第2連結棒、23…スペックルエンコーダ(距離検出手段)、27…制御装置、30…測定ブロック、31,32,33…第1,第2,第3ローラ、34,35,36…回転軸、37…第1連結棒、38…第2連結棒、41…リニアエンコーダ、42…スペックルエンコーダ、45…制御装置。
Claims (17)
- 互いに平行にかつ所定間隔を隔てて配列された同一長さの第1,第2及び第3回転軸の両端に取り付けられ、道路の縦方向に進行方向に対して前、中、及び後に順次配置される円盤状の同一外径の各一対の第1,第2及び第3ローラと、
前記第1及び第2回転軸に取り付けられて該第1及び第2回転軸を連結すると共に該第1回転軸を前記縦方向を中心として回動可能に支持する第1連結棒と、
前記第2及び第3回転軸に取り付けられて該第2及び第3回転軸を連結すると共に該第3回転軸を前記縦方向を中心として回動可能に支持する第2連結棒と、
前記ローラの移動距離を測定する距離測定手段と、
前記第1連結棒と第2連結棒とのなす連結角を検出する角度検出手段と
を設けてなる測定ブロックと、
前記いずれかの回転軸に回動自在に取りつけられた操作棒とを備え、
該操作棒を介して前記測定ブロックが路面に向けて押し付けられて路面を進行方向に移動し、該測定ブロックが所定の測定距離を移動する毎に、前記角度検出手段により連結角を検出し、該連結角検出値に基づいて路面の縦断プロファイルが作成されることを特徴とする路面縦断プロファイルの測定装置。 - 前記距離測定手段が、レーザ光を地面に対して垂直に照射し、地面からの反射光によるスペックル模様に基づいて移動距離を求めるものであることを特徴とする前記請求項1に記載の路面縦断プロファイルの測定装置。
- 前記測定距離毎での連結角検出値を順次加えて各測定距離での累積値を算出する累積値演算手段と、
最初の連結角検出位置の一つ前の検出位置に相当する位置を原点として、前記測定距離毎に前記累積値をプロットしたグラフに基づいて原点を通過する一次回帰式を演算する一次回帰式演算手段と、
前記一次回帰式の傾きであるオフセット値を演算するオフセット値演算手段と、
前記測定距離毎の連結角検出値から前記オフセット値を引くことにより補正された連結角データを演算する補正連結角演算手段と
を設けたことを特徴とする前記請求項1又は2に記載の路面縦断プロファイルの測定装置。 - 前記オフセット値演算手段によるオフセット値の演算範囲が、規定の演算長さに定められ、測定対象道路が所定の重なり部分を含めて前記演算長さに分割され、分割された各演算長さについて該各演算長さ毎に演算されたオフセット値が適用されることを特徴とする前記請求項3に記載の路面縦断プロファイルの測定装置。
- 互いに平行にかつ所定間隔を隔てて配列された同一長さの第1,第2及び第3回転軸の両端に取り付けられ、道路の縦断方向に進行方向に対して前、中、及び後に順次配置される円盤状の同一外径の各一対の第1,第2及び第3ローラと、
前記第1及び第2回転軸に取り付けられて該第1及び第2回転軸を連結すると共に該第1回転軸を前記縦断方向を中心として回動可能に支持する第1連結棒と、
前記第2及び第3回転軸に取り付けられて該第2及び第3回転軸を連結すると共に該第3回転軸を前記縦断方向を中心として回動可能に支持する第2連結棒と、
前記ローラの移動距離を測定する距離測定手段と、
前記第2連結棒に対する前記第1連結棒の垂直方向の垂直変位を検出する垂直変位検出手段と
を設けてなる測定ブロックと、
前記いずれかの回転軸に回動自在に取りつけられた操作棒とを備え、
該操作棒を介して前記測定ブロックが路面に向けて押し付けられて路面を進行方向に移動し、該測定ブロックが所定の測定距離を移動する毎に、前記垂直変位検出手段により垂直変位を検出し、該垂直変位検出値に基づいて路面の縦断プロファイルが作成されることを特徴とする路面縦断プロファイルの測定装置。 - 前記距離測定手段が、レーザ光を地面に対して垂直に照射し、地面からの反射光によるスペックル模様に基づいて移動距離を求めるものであることを特徴とする前記請求項5に記載の路面縦断プロファイルの測定装置。
- 前記測定距離毎での垂直変位検出値を順次加えて各測定距離での累積値を算出する累積値演算手段と、
最初の垂直変位検出位置の一つ前の検出位置に相当する位置を原点として、前記測定距離毎に前記累積値をプロットしたグラフに基づいて原点を通過する一次回帰式を演算する一次回帰式演算手段と、
前記一次回帰式の傾きであるオフセット値を演算するオフセット値演算手段と、
前記測定距離毎の垂直変位検出値から前記オフセット値を引くことにより補正された垂直変位データを演算する補正垂直変位演算手段と
を設けたことを特徴とする前記請求項5又は6に記載の路面縦断プロファイルの測定装置。 - 前記オフセット値演算手段によるオフセット値の演算範囲が、規定の演算長さに定められ、測定対象道路が所定の重なり部分を含めて前記演算長さに分割され、分割された各演算長さについて該各演算長さ毎に演算されたオフセット値が適用されることを特徴とする前記請求項7に記載の路面縦断プロファイルの測定装置。
- 同一直線上に所定間隔を隔ててかつ回転方向を合わせて進行方向に対して前、中、及び後に順次配設される円盤状の同一外径の第1,第2及び第3ローラと、
前記第1及び第2ローラの各回転軸に取り付けられて第1及び第2ローラを連結する所定長さの第1連結棒と、
前記第2及び第3ローラの各回転軸に取り付けられて該第2及び第3ローラを連結する第2連結棒と、
レーザ光を地面に対して垂直に照射し、地面からの反射光によるスペックル模様に基づいローラの移動距離を測定する距離測定手段と、
前記第1連結棒に取り付けられて該第1連結棒と前記第2連結棒とのなす連結角を検出する角度検出手段と
を設けてなる測定ブロックと、
前記いずれかの回転軸に回動自在に取りつけられた操作棒とを備え、
該操作棒を介して前記測定ブロックが路面に押し付けられて路面を進行方向に移動し、該測定ブロックが所定の測定距離を移動する毎に、前記角度検出手段により連結角を検出し、該連結角検出値に基づいて路面の縦断プロファイルが作成されることを特徴とする路面縦断プロファイルの測定装置。 - 前記測定距離毎での連結角検出値を順次加えて各測定距離での累積値を算出する累積値演算手段と、
最初の連結角検出位置の一つ前の検出位置に相当する位置を原点として、前記測定距離毎に前記累積値をプロットしたグラフに基づいて原点を通過する一次回帰式を演算する一次回帰式演算手段と、
前記一次回帰式の傾きであるオフセット値を演算するオフセット値演算手段と、
前記測定距離毎の連結角検出値から前記オフセット値を引くことにより補正された連結角データを演算する補正連結角演算手段と
を設けたことを特徴とする前記請求項9に記載の路面縦断プロファイルの測定装置。 - 前記オフセット値演算手段によるオフセット値の演算範囲が、規定の演算長さに定められ、測定対象道路が所定の重なり部分を含めて前記演算長さに分割され、分割された各演算長さについて該各演算長さ毎に演算されたオフセット値が適用されることを特徴とする前記請求項10に記載の路面縦断プロファイルの測定装置。
- 同一直線上に所定間隔を隔ててかつ回転方向を合わせて進行方向に対して前、中、及び後に順次配設される円盤状の同一外径の第1,第2及び第3ローラと、
前記第1及び第2ローラの各回転軸に取り付けられて第1及び第2ローラを連結する所定長さの第1連結棒と、
前記第2及び第3ローラの各回転軸に取り付けられて該第2及び第3ローラを連結する第2連結棒と、
ローラの移動距離を測定する距離測定手段と、
前記第2連結棒に対する前記第1連結棒の垂直方向の垂直変位を検出する垂直変位検出手段と
を設けてなる測定ブロックと、
前記いずれかの回転軸に回動自在に取りつけられた操作棒とを備え、
該操作棒を介して前記測定ブロックが路面に向けて押し付けられて路面を進行方向に移動し、該測定ブロックが所定の測定距離を移動する毎に、前記垂直変位検出手段により垂直変位を検出し、該垂直変位検出値に基づいて路面の縦断プロファイルが作成されることを特徴とする路面縦断プロファイルの測定装置。 - 前記距離測定手段が、レーザ光を地面に対して垂直に照射し、地面からの反射光によるスペックル模様に基づいて移動距離を求めるものであることを特徴とする前記請求項12に記載の路面縦断プロファイルの測定装置。
- 前記測定距離毎での垂直変位検出値を順次加えて各測定距離での累積値を算出する累積値演算手段と、
最初の垂直変位検出位置の一つ前の検出位置に相当する位置を原点として、前記測定距離毎に前記累積値をプロットしたグラフに基づいて原点を通過する一次回帰式を演算する一次回帰式演算手段と、
前記一次回帰式の傾きであるオフセット値を演算するオフセット値演算手段と、
前記測定距離毎の垂直変位検出値から前記オフセット値を引くことにより補正された垂直変位データを演算する補正垂直変位演算手段と
を設けたことを特徴とする前記請求項12又は13に記載の路面縦断プロファイルの測定装置。 - 前記オフセット値演算手段によるオフセット値の演算範囲が、規定の演算長さに定められ、測定対象道路が所定の重なり部分を含めて前記演算長さに分割され、分割された各演算長さについて該各演算長さ毎に演算されたオフセット値が適用されることを特徴とする前記請求項14に記載の路面縦断プロファイルの測定装置。
- 同一直線上に所定間隔を隔ててかつ回転方向を合わせて進行方向に対して前、中、及び後に順次配設される円盤状の同一外径の第1,第2及び第3ローラと、
前記第1及び第2ローラの各回転軸に取り付けられて第1及び第2ローラを連結する所定長さの第1連結棒と、
前記第2及び第3ローラの各回転軸に取り付けられて該第2及び第3ローラを連結する第2連結棒と、
ローラの移動距離を測定する距離測定手段と、
前記第1連結棒に取り付けられて該第1連結棒と前記第2連結棒とのなす連結角を検出する角度検出手段と
を設けてなる測定ブロックと、
前記いずれかの回転軸に回動自在に取りつけられた操作棒とを備え、
該操作棒を介して前記測定ブロックが路面に押し付けられて路面を進行方向に移動して、該測定ブロックが所定の測定距離を移動する毎に、前記角度検出手段により連結角を検出し、該連結角検出値に基づいて路面の縦断プロファイルを作成する路面縦断プロファイルの測定装置であって、
前記測定距離毎での連結角検出値を順次加えて各測定距離での累積値を算出する累積値演算手段と、
最初の連結角検出位置の一つ前の検出位置に相当する位置を原点として、前記測定距離毎に前記累積値をプロットしたグラフに基づいて原点を通過する一次回帰式を演算する一次回帰式演算手段と、
前記一次回帰式の傾きであるオフセット値を演算するオフセット値演算手段と、
前記測定距離毎の連結角検出値から前記オフセット値を引くことにより補正された連結角データを演算する補正連結角演算手段と
を設けたことを特徴とする路面縦断プロファイルの測定装置。 - 前記オフセット値演算手段によるオフセット値の演算範囲が、規定の演算長さに定められ、測定対象道路が所定の重なり部分を含めて前記演算長さに分割され、分割された各演算長さについて該各演算長さ毎に演算されたオフセット値が適用されることを特徴とする前記請求項16に記載の路面縦断プロファイルの測定装置。
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CN109084706A (zh) * | 2018-06-25 | 2018-12-25 | 天津大学 | 测量机器人运动场地全域平整度自动检测方法及装置 |
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2003
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