JP2018161666A - 回転体のプロファイル測定方法 - Google Patents

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清人 木幡
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Abstract

【課題】距離センサー3の動線を測定対象のロール軸と厳密に平行に位置合わせすることを必要とせずに、短時間でかつ高い精度にロールのプロファイルを測定可能にする。【解決手段】帯状レーザー光を出射するレーザーセンサー3をロール1の軸長方向に移動させながら、ロール表面の面状照射領域Sについてロール表面までの距離を測定して、ロールの軸長方向に間隔をあけた複数のサンプリング位置におけるロールの横断面輪郭データを得る。この横断面輪郭データから近似的に円弧(近似円弧K)及び円弧中心Oを計算してそれをロール軸1aとする。各サンプリング位置の近似円弧Kにおける近似直線Mの直上の座標を求めることで、各サンプリング位置における表面までの高さが求まり、ロール全体のプロファイルが得られる。【選択図】図2

Description

この発明は、例えば冷間ロール成形用の成形ロール、その他の金属板成形加工用ロール、あるいは圧延ロール、その他種々の回転体(立体図形としての回転体)のプロファイルを測定する回転体のプロファイル測定方法に関し、特に、短時間でかつ精度よく回転体のプロファイル(回転体の軸(中心軸)を含む縦断面形状)を測定可能にする回転体のプロファイル測定方法に関する。
例えば成形ロールや圧延ロール等は、長期間の使用により摩耗して微小ではあるがプロファイルが変化する。摩耗によりロールのプロファイルが変化すると製品の形状寸法精度に影響するので、適宜プロファイルを測定して摩耗量を把握する必要がある。
ロールのプロファイルを測定する場合、一般には、ロール表面の1点を検出する変位計を、ロール軸長方向と平行に設けたガイドレールに移動可能に取り付け、変位計をガイドレールに沿ってロール軸長方向に移動させながら、ロール表面の変位量を測定(接触式の変位計ではロール表面の変位量を直接測定、非接触式の変位計では変位計からロール表面までの距離の検出により間接的に測定)することで、ロールのプロファイルを測定することが行われている。
ロール表面の1点を検出する変位計をガイドレールに沿って移動させてロール表面の1本の線上の測定データ(変位量データ)に基づいて、ロールのプロファイルを測定する測定方法は多数あるが、例えば特許文献1がある。
特許文献1では、図6(イ)、(ロ)に示すように、ロール1の軸長方向と平行に配置したガイドレール4に沿って移動可能な取付台3に3つの図示例では接触式の変位計2a、2b、2cをロール軸長方向に間隔をあけて取り付け、変位計2a、2b、2cを取付台3とともにガイドレールに沿って移動させてロール表面の変位量(凹凸量)を検出している。図示された3つの変位計2a、2b、2cはダイヤルゲージと思われるが、少なくともロール表面の1点を検出する変位計である。特許文献1ではロール軸長方向に並ぶ3つの変位計が検出した変位量に基づく複雑な計算をして、ロールのプロファイル求めている。
特開2000−28349号
ロール表面の1点を検出する変位計をロール軸長方向に移動させてロールのプロファイルを求める従来の測定方法では、ロールのプロファイルを十分に高い精度で測定することはいえない。
すなわち、ロールの正確なプロファイルは、正しくロールの軸(ロール軸(ロール中心軸))を含む縦断面形状である必要があるから、ガイドレールがロール軸と平行でない場合には、変位計の動線(移動軌跡)がロール軸と平行にならないので、変位計でロール表面の変位量を精度よく検出しても、ロールのプロファイルを正確に測定していることにはならない。
図7は、距離センサー(変位計)として、点状のビームを出射するレーザーセンサー23を用いた場合について、レーザーセンサー23の動線がロール21の軸21aと平行でない場合にロールプロファイルを精度よく測定できないことを説明する図であり、(イ)はロール21の斜視図、(ロ)はロール21を真横から見た図(側面図)、(ハ)はロール21を真上から見た図(平面図)である。同図(ニ)は移動するレーザーセンサー23から出射されるレーザー光F’(以下、点状レーザー光F’)の照射軌跡を説明する図である。レーザーセンサー23が移動すると点状レーザー光F’の照射軌跡が線状照射軌跡(L’)となる。
図7(イ)、(ロ)、(ハ)における破線の直線Lは、ロール表面におけるロール軸21aの直上の直線であって、ロールプロファイルを精度よく測定するためにレーザーセンサー23で検出すべきロール表面の位置を示す。レーザーセンサー23の動線がロール軸21aと正確に平行であれば、レーザーセンサー23はこの直線Lの情報(正しくロール軸を含む縦断面形状を示す距離情報)を得ることができ、正確なロールプロファイルの情報を得ることができる。
しかし、レーザーセンサー23の動線がロール軸と平行でない場合は、レーザーセンサー23は、図7(ハ)に示すようにロール表面の前記直線Lから逸れた曲線L’上の情報を測定することになり、不正確なロールプロファイルの情報(ロール軸を含む縦断面形状を正しく示さない誤差のある距離情報)を得ることになる。
上述の通りであり、高精度のロールプロファイルを測定するためには、距離センサーを取り付けたガイドレールをロール軸と高精度に平行に設置する必要があるが、目視によるガイドレールの位置合わせでは十分な精度は得られない。
ガイドレールの位置合わせ作業に十分な時間をとって慎重に行えば精度の確保が可能であるにしても、例えば、製造現場で生産設備に組み込まれた状態のロールを測定する場合などでは、測定時間が限られるため短時間で高精度な位置合わせが要求され、対応が困難となる。
本発明は上記背景のもとになされたもので、成形ロールや圧延ロール等の回転体のプロファイルを距離センサーを用いて測定する際に、距離センサーの動線を測定対象の回転体軸と厳密に平行に位置合わせすることを必要とせずに、短時間でかつ高い精度に回転体のプロファイルを測定することを可能にする回転体のプロファイル測定方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決する請求項1の発明の回転体のプロファイル測定方法は、回転体の軸長方向に移動可能に設けられた帯状レーザー光を出射する距離センサーを用いて、前記回転体のプロファイルを測定する回転体のプロファイル測定方法であって、次の(1)〜(7)の手順で回転体のプロファイルを測定することを特徴とする回転体のプロファイル測定方法。
(1)前記距離センサーを前記回転体の軸長方向に移動させながら回転体の表面に帯状レーザ光を照射しその反射光を受光して面状照射領域における距離センサーから回転体表面までの面状照射領域距離データを得る。
(2)前記面状照射領域距離データに基づいて、回転体の軸長方向に間隔をあけた複数のサンプリング位置における回転体の横断面輪郭データを得る。
(3)前記複数のサンプリング位置の前記横断面輪郭データが円弧又は楕円弧形状を示すものと見做して、その横断面輪郭データに基づく近似計算により各サンプリング位置における近似円弧又は楕円弧及びその円弧又は楕円弧中心を得る。
(4)前記各サンプリング位置の円弧又は楕円弧中心として得られた複数の円弧又は楕円弧中心に基づいて近似的に回転体軸を求める。
(5)前記各サンプリング位置の前記近似円弧又は楕円弧における前記回転体軸直上の座標をそれぞれ取り出す。
(6)前記回転体軸直上の座標からそれぞれのサンプリング位置における回転体半径を得る。
(7)各サンプリング位置における回転体半径に基づいて回転体全体のプロファイルを得る。
請求項2は、請求項1の回転体のプロファイル測定方法において、回転体が両端に円柱部のある場合に、前記両端の円柱部について求めた円弧又は楕円弧中心を結ぶ直線を求めて、これを回転体全体の回転体軸と見做して、ロールプロファイルを求めることを特徴とする。
請求項3は、請求項1又は2の回転体のプロファイル測定方法において、前記回転体が軸長方向に半径が変化するロール成形用の成形ロール又は圧延用の圧延ロールであることを特徴とする。
距離センサーにより回転体表面の1本の線上の測定データ(距離データ)をそのまま変位量と見做して回転体のプロファイルを求める従来の測定方法と異なり、本発明は、回転体表面の面状照射領域の測定データ(距離データ)を得、その面状照射領域の測定データの中から回転体軸の直上の変位量を取り出すものであるから、距離センサーの動線が回転体軸と厳格に平行でなくても(回転体軸に対して水平方向又は垂直方向に若干の角度を有する場合でも)、高い精度で回転体のプロファイルを測定することができる。
このように、距離センサーの動線を測定対象(回転体)の回転体軸と厳格に平行に位置合わせしなくても、高い精度で回転体のプロファイルを測定することが可能となる。
特に、成形ロールや圧延ロール等でロール軸長方向に長いロールの場合には、距離センサーの動線とロール軸とが平行でないと、測定データ(距離データ)の誤差が特に大きくなるが、本発明によれば、長いロールの場合でも誤差が大きくなるということはないので、長いロールを対象とする場合には特に効果が大である。
また、例えば、半径が小さなロールや軸長方向に半径が大きく変化するロール等の場合にも効果が大である。すなわち、そのようなロールのプロファイルを測定する場合、レーザーセンサーの動線がロールの軸の真上から外れた時の測定データ(距離データ)の誤差が大きいので、そのような回転体の場合に効果が大である。
また、距離センサーの動線を測定対象のロール軸との位置合わせを厳格にする必要がないので、測定作業を容易にかつ短時間で行うことができ、製造現場で生産設備に組み込まれた状態のロールのプロファイルを測定する場合に特に効果が大である。
(イ)は本発明の一実施例の回転体のプロファイル測定方法を採用して、ロールのプロファイルを測定するロールプロファイル測定装置の斜視図、(ロ)は(イ)の右側面図である。 (イ)〜(ニ)は、本発明の一実施例の回転体のプロファイル測定方法において、帯状のビームを出射するレーザーセンサー(距離センサー)がロール軸長方向に移動してロールのプロファイルを測定する際のロール表面に対する面状照射領域を説明する図で、(イ)はロール(回転体)の斜視図、(ロ)はロールを真横から見た図、(ハ)はロールを真上から見た図、(ニ)は移動するレーザーセンサー3から出射されるレーザー光F(以下、帯状レーザー光F)の照射軌跡を説明する図である。レーザーセンサー3が移動すると帯状レーザー光Fの照射軌跡が面状照射領域Sとなる。 本発明の回転体のプロファイル測定方法における近似円弧又は楕円弧及びその円弧又は楕円弧中心を求める要領を説明する図であり、(イ)は一つのサンプリング位置の横断面輪郭データを横軸X、縦軸YのXY座標で示したもの、(ロ)は(イ)のb部を拡大した図、(ハ)は前記一つのサンプリング位置の横断面輪郭データからそのサンプリング位置における近似円弧又は楕円弧及びその円弧又は楕円弧中心を求めることを説明する図である。 図1のロールプロファイル測定装置を用いて行ったロールプロファイル測定試験を説明するもので、レーザーセンサーの動線をロール(模擬ロール1’)の軸にたいして種々角度を変えて行ったことを示す図である。 ロールプロファイル測定試験の試験結果を説明する図であり、(イ)は帯状レーザー光F(本発明の測定方法)による測定結果、(ロ)は点状レーザー光F’(従来の方法)による測定結果を示す。 ロール表面の1点を検出する変位計を用いてロール表面の変位量を測定する従来のロールプロファイル測定方法(特許文献1)を説明する図である。 1点を検出する変位計を用いて行う従来の一般的な回転体プロファイル測定方法を採用する際に、距離センサーとして点状のビームを出射するレーザーセンサー23を用いた場合についての問題点を説明するもので、(イ)はロール(回転体)の斜視図、(ロ)はロールを真横から見た図、(ハ)はロールを真上から見た図、(ニ)はレーザーセンサー23から出射される点状レーザー光F’がロール表面に点を照射しながら移動することによる線状照射軌跡(L’)を説明する図である。
以下、本発明の回転体のプロファイル測定方法を実施するための形態について、図面を参照して説明する。
図1(イ)は本発明の一実施例の回転体のプロファイル測定方法を採用して、ロール(回転体)1のプロファイルを測定するロールプロファイル測定装置2の斜視図、(ロ)は(イ)の右側面図である。
同図において、帯状のビームを照射するレーザーセンサー(距離センサー)3は、基台4上の両側の支柱5に固定されたガイドレール6に、当該ガイドレール6に沿って移動可能に取り付けられている。測定対象のロール1は基台4上の左右の支持台7で支持されている。
レーザーセンサー3は、直接にはセンサー保持台8に上下に位置調節可能に取り付けられ、センサー保持台8がガイドレール6に沿って左右に移動可能に設けられている。図示例ではレーザーセンサー3の取付部3aが蟻溝嵌合によりセンサー保持台8に上下に位置調節可能に取り付けられ、センサー保持台8は蟻溝嵌合によりガイドレール6に沿って左右に移動可能に取り付けられている。
上記のロールプロファイル測定装置2でロール1のプロファイルを測定する手順について説明する。図示例のロール1は、例えば、波付鋼板を製造する成形ロール、あるいは成形された短尺の波付鋼板を円弧状に曲げ加工する曲げ加工ロール等を想定している。
なお、図1はロールのプロファイルを測定する試験装置としてのロールプロファイル測定装置2であり、製造現場で生産設備に組み込まれた状態のロールのプロファイルを測定する場合のものではない。ロール表面までの距離を検出する距離センサーとして、本発明ではレーザーセンサー3を用いる。
この測定試験では、ロール1をガイドレール6と概ね平行になるように置く(厳格に平行にしなくてもよい)。なお、生産設備に組み込まれた状態で測定する場合は、ロールプロファイル測定装置2のガイドレール6を固定されているロール1の軸長方向と概ね平行にセットする(ロールの軸(ロールの中心軸)1aと厳格に平行にしなくてよい)。
センサー保持台8を駆動する図示略の駆動装置によりセンサー保持台8を駆動することで、レーザーセンサー3を、ガイドレール6に沿ってロール1の一端から他端まで移動させる。レーザーセンサー3は移動しながらロール表面までの距離を測定する。
具体的には、図2(ニ)のようにレーザーセンサー3は、帯状レーザー光Fが線状照射部Gを照射しつつ移動し、ロール表面の線状照射部Gの特定の複数点とレーザーセンサー3間の距離をそれぞれ測定することで、面状照射領域S(砂地ハッチングで示す)の距離を測定し、図2(イ)、(ロ)、(ハ)のような面状照射領域Sにおける(面状照射領域Sの各点における)レーザーセンサー3から回転体表面までの距離データ(面状照射領域距離データと呼ぶ)を得る。
この場合、サンプリング周期毎(レーザーセンサー移動方向の微小一定間隔δ毎)の複数のサンプリング位置(すなわち、ロール軸長方向の複数の位置)において、それぞれレーザーセンサー3からロール表面上の線状照射部Gのロール軸長方向に一定間隔おき(本実施例では0.1mm間隔としている。)各点までの距離を測定する。ロール表面上の線状照射部Gは円弧又は楕円弧状をなしているので、ロールの軸長方向に間隔をあけた複数のサンプリング位置におけるロール上部の横断面輪郭データが得られる。
つまり、全サンプリング周期毎の横断面輪郭データの総和が面状照射領域距離データとなる。
図2(ハ)の2点鎖線Nは上から見たレーザーセンサー3の動線である。
なお、実施例ではレーザー光をロールの上方から照射しているが、照射方向は上方からに限定されず任意である。
また、帯状レーザー光の照射幅の方向は、レーザーセンサー3の移動方向と直交(90°)していることが望ましいが、必ずしも限定されない。90°でなくても斜交座標を用いることで測定可能である。
前記複数のサンプリング位置の各横断面輪郭データは円弧又は楕円弧形状を示すものと見做して、その横断面輪郭データに基づく近似計算により各サンプリング位置における近似円弧又は楕円弧及びその円弧又は楕円弧中心を計算する。
なお、前記の通りロール表面上の線状照射部Gは「円弧又は楕円弧」であり、したがって、前記横断面輪郭データは「円弧又は楕円弧」を示すデータであるが、以下では煩雑さを避けるために、「円弧」という記載は「円弧又は楕円弧」を意味して、また、「近似円」という記載は「近似円又は楕円」を意味するとして説明する。
図3で説明すると、図3(イ)は一つのサンプリング位置の横断面輪郭データDを横軸X、縦軸YのXY座標で示したもので、横断面輪郭データDが示す横断面輪郭形状はロール上側の円弧となる。図3(イ)では横断面輪郭データDが示す形状を1本の曲線として示しているが、実際の測定データは、図3(イ)のb部を拡大して示した図3(ロ)に示すように横軸0.1mm間隔毎の横座標X、縦座標Yという値(座標(X、Y))の集合体である。つまり座標で示された点群である。なお、横軸0.1mm間隔は使用したレーザーセンサーの仕様であり、それに限定されるものではない。
この座標で示された円弧に見える点群から近似円(近似円弧)及びその中心の座標を近似計算により求める。図3(ハ)は一つのサンプリング位置における近似円弧Kと中心座標(円弧中心)Oを示す。
前記の点群から近似円を推定する計算方法として、代表的なものだけでも、最小二乗法、ガウス・ニュートン法、RANSAC法、最尤推定法等があるが、ここでは最小二乗法を用いる。測定結果の分析は、表計算ソフトで計算式を作成して行うことができるが、最小二乗法を用いる計算方法であれば、エクセル等の表計算ソフトでも、十分な計算精度があり、かつ処理の重さ(=ファイルサイズ及び計算時間)についても、製造現場での使用として現実的な程度で済むので、最小二乗法が適切である。
最小二乗法による計算要領について説明する。なお、以下の説明は、横断面輪郭データDが楕円弧でなく円弧形状を示すデータであると見做した説明である。
円の一般式は、横軸をx、縦軸をy、中心を(x、y)、半径をrとして、
(x−x+(y−y=r ・・・・・・(1)
で表される。
この式(1)を下記の式(2)に変形する。
+y+Ax+By+C=0 ・・・・・・(2)
(但し、Ax=−2x、B=−2y、C=x +y −r
この等式のパラメータはA、B、C、つまり中心座標(x、y)と半径rとであるが、真の円周上に存在する点群に対しては、この等式が常に成立するパラメータが存在する。
しかし、測定した横断面輪郭データの点群(xi、yi)は必ず誤差を含む(真の円周上にはない)ため、この等式が常に成立するパラメータは存在しない。
そこで、式(2)の左辺の二乗和(下記の式(3))が最小となるパラメータを計算して、尤もらしい近似円を求める。
Σi(xi +yi +Axi+Byi+C)=0 ・・・・・・(3)
二乗和が最小になることから、式(3)をどのパラメータで微分をしても微分値は0(ゼロ)となる。
式(3)を整理して、行列式表示にすると、下記の式(4)となる。
数式4
この式(4)を解くと、式(5)となる。
数式5
式(5)のA、B、Cから、中心座標(xi0、yi0)と半径rとを求めることができる。
したがって、各サンプリング位置(Z軸上の座標zi)において求めた円弧中心の3次元の座標は(xi0、yi0、zi)である。
上記では、横断面輪郭データDが円弧形状を示すデータであると見做して計算したが、レーザーセンサー3の動線がロール軸に対して傾いている場合等の場合には、横断面輪郭データは楕円弧形状を示すデータとなる。その楕円弧の中心(楕円弧中心)もやはりロール軸上にある。
したがって、この場合は楕円弧中心を求める。近似楕円弧及びその楕円弧中心を推定する計算は煩雑にはなるが、最小二乗法その他の計算方法により求めることが可能である。
なお、レーザーセンサー3の動線を手作業測定と目視によってロール軸に平行にした場合であっても、ある程度慎重に行えば、レーザーセンサー3の動線のロール軸に対する傾きをある程度小さく抑えられるから、その楕円弧はかなり円弧に近い楕円弧であると言える。したがって、その場合の横断面輪郭データも円弧形状を示すデータであると見做して近似円弧及び円弧中心を求めても、実用的な精度が得られると言える。
次に、前記各サンプリング位置(座標zi)での円弧中心として得られた複数の円弧中心(xi0、yi0、zi)に基づいて近似的にロール軸を求める。
前記複数の円弧中心(xi0、yi0、zi)は、三次元空間に存在する真のロール軸(直線)の回りに散らばって存在すると言えるので、三次元において適用した最小二乗法により近似的に求めることはかなり複雑にはなるが可能である。この場合、Z軸方向の各円弧中心(xi0、yi0、zi)との距離diの二乗和が最小となるような直線(近似直線M)を求めることになる。この近似的に求めた近似直線Mをロールの軸(ロール軸)とする。つまり、図2おいて、前述のとおり近似直線Mを求め、ロール軸1aと想定する。
そして、前記ロール軸(近似直線M)における各サンプリング位置(座標zi)の座標を(xp、yp、zi)とする。
次に、各サンプリング位置(座標zi)における近似円弧の、前記近似直線Mの直上に対応するデータ(X、Y、zi)を取り出す。近似円弧の座標は既に求めているので、サンプリング位置の座標ziを代入すれば、近似直線Mの直上のデータ(X、Y、zi)は直ちに得ることができる。これにより、各サンプリング位置ziのロール軸(近似直線M)からの高さHiは、Hi=Yq−Ypとして求まり、ZH座標としてロールの全体のプロファイルが分かる。
つまり、図2おいて、近似直線Mの直上の直線Lに対応するデータを取り出して、近似直線Mと直線Lとの距離(正しくロール軸を含む縦断面形状を示す距離)を算出して、ロールの全体のプロファイルとする。
なお、前記Hi(=Yq−Yp)はロール半径であるから、本発明の測定方法によれば、従来の単にロール表面での変位量だけを求めてロールプロファイルを求める方法と異なり、ロール半径ないし直径も高精度に測定することができる。
図4及び図5は、試験用の模擬ロール1’について、図1の測定装置によってロールプロファイルを測定した測定試験及び試験結果を説明するものである。
この測定試験では、レーザーセンサー3の動線を、ロール1’の上からみて簡単な手作業測定で求めた仮のロール軸に対して傾けて、プロファイルを測定した。
向き1は「−0.3°」、向き2は「−5.3°」、向き3は「−9.2°」、向き4は「+3.9°、向き5は「+7.2°」である。図4で右上がり角度をプラス(+)、右下がり角度をマイナス「−」としている。なお、図4では分かり易いように、傾き角度を実際の角度より大きく図示している。
図5(ロ)は図7(ニ)のレーザーセンサー23を用いて測定した場合の測定データであり、横軸Zはロール端面からの距離、縦軸Hは測定したロール軸からの高さである。
この場合は、線状照射軌跡(L’)が直線L(ロール軸の直上)近傍となるロール軸長方向中央部分では、図5(ロ)に示すように、レーザーセンサー23の動線がロール軸に対して角度が異なっていても、ロール軸からの高さHにあまり差は生じていないが、線状照射軌跡(L’)が直線L(ロール軸の直上)からの逸れ量が大きくなるロール両端近傍では、ロール軸からの高さHが短く測定されており、測定誤差が大きくなっている。
図5(イ)はレーザーセンサー3を用いて測定し、本発明の測定方法により求めた測定データである。
本発明の測定方法によれば、同図に示すように、レーザーセンサー3の動線がロール軸に対して角度を有する場合でも、ロール軸長方向の全長に亘ってロール軸からの高さHが高精度に一定である。
つまり、本発明の測定方法よれば、レーザーセンサーの動線を厳格にロール軸と平行にしなくても、図2おけるロール軸1a(近似直線M)を正確に測定して、ロールプロファイルを算出できていた。
また、模擬ロール1’の図面寸法と図5(イ)の測定試験の測定値との差を測定試験における誤差と定義し、かつ誤差が正規分布すると仮定して標準偏差σを求めると、誤差分布の標準偏差σ(mm)は、向き1では0.038、向き2では0.033、向き3では0.035、向き4では0.035、向き5では0.034であった。このように、標準偏差σは0.033〜0.038の範囲にあり、誤差の99%は0.1mm以内にある。
上記の通りであり、線状照射部Gの幅の中央位置(すなわち動線位置(図2(ハ)で直線N上の位置))がロール軸の直上近傍となるロール軸長方向中央部分でロール軸からの高さに差が生じないだけでなく、動線のロール軸の直上からの逸れ量が大きくなるロール両端近傍(図2(ハ)の両端近傍)においても、測定されたロール軸からの高さHに殆ど差異がない。
つまり、帯状レーザー光の照射部は線(円弧)であり、近似的に求めたロール軸(近似直線M)の直上のデータを取り出してロール軸からの高さとしているので、レーザーセンサー3の動線が真のロール軸と厳格に平行でなくても、ロール軸からの高さが高精度に得られることになる。すなわち、精度よいプロファイルが得られる。
このように、本発明のプロファイル測定方法によれば、レーザーセンサー3の動線を厳格にロール軸と平行にしなくても、十分に精度よいロールプロファイルを得ることができる。
なお、実際の測定作業においては、以下に述べるような準備作業ないし操作を行った後に上述の測定を行う。
(1)レーザーセンサー3が測定した測定データのうち明らかなエラー値を削除する。明らかなエラー値とは、基本的には、帯状レーザー光がロールに当たっていない時の測定値である。
(2)測定は複数回(実施例の測定試験では3回繰り返して行い、測定したデータの平均値を用いる。なお、測定の回数は、特に限定はなく、一回のみの測定でも十分な結果は得ることが可能である。
(3)測定装置のたわみ及びねじれを補正する。すなわち、ガイドレールのたわみ及びねじれを予め測定して、たわみ及びねじれの影響が生じないように補正計算を行う。この補正により、距離センサーが直線的に移動した場合の測定値を得ることができる。
以上の準備作業ないし操作の後に、上述の測定を行う。
ロールに円柱部がある場合には、簡略化した測定方法を採用することもできる。
すなわち、ロールに円柱部がある場合、その円柱部について上述の測定要領で測定した円弧中心(中心座標)は、レーザーセンサー3の動線がロール軸と平行でなくてもロール軸上に存在する。したがって、両端(又は両端に限らず離間した位置)に円柱部のあるロールの場合は、前記両端(又は両端に限らず離間した位置)の円柱部について求めた円弧中心だけを結ぶ直線を求めて、これをロール全体の軸(図2おけるロール軸1a(近似直線M))と見做して、ロールプロファイルを求めても、図5(イ)と同様の結果を得ることができた。
実施例では、回転体として波付鋼板を製造する成形ロール、あるいは成形された短尺の波付鋼板を円弧状に曲げ加工する曲げ加工ロール等を想定しているが、その他種々の成形ロールや、その他の金属板加工ロール、圧延ロールその他の回転体を対象とすることができる。
1 ロール(回転体)
1a ロール軸(回転体軸)
M 近似直線(プロファイルを求める基準となるロール軸(回転体軸))
1’ 模擬ロール
2 ロールプロファイル測定装置(回転体のプロファイル測定装置)
3 レーザーセンサー(距離センサー)
6 ガイドレール
D (1つのサンプリング位置における回転体上部の)横断面輪郭データ
K 近似円弧
G 線状照射部
O 円弧中心
F 帯状レーザー光
L ロール表面におけるロール軸の直上の直線
S (帯状レーザー光による)面状照射領域
N ロールの上から見たレーザーセンサー3の動線

Claims (3)

  1. 回転体の軸長方向に移動可能に設けられた帯状レーザー光を出射する距離センサーを用いて、前記回転体のプロファイルを測定する回転体のプロファイル測定方法であって、次の(1)〜(7)の手順で回転体のプロファイルを測定することを特徴とする回転体のプロファイル測定方法。
    (1)前記距離センサーを前記回転体の軸長方向に移動させながら回転体の表面に帯状レーザー光を照射しその反射光を受光して面状照射領域における距離センサーから回転体表面までの面状照射領域距離データを得る。
    (2)前記面状照射領域距離データに基づいて、回転体の軸長方向に間隔をあけた複数のサンプリング位置における回転体の横断面輪郭データを得る。
    (3)前記複数のサンプリング位置の前記横断面輪郭データが円弧又は楕円弧形状を示すものと見做して、その横断面輪郭データに基づく近似計算により各サンプリング位置における近似円弧又は楕円弧及びその円弧又は楕円弧中心を得る。
    (4)前記各サンプリング位置の円弧又は楕円弧中心として得られた複数の円弧又は楕円弧中心に基づいて近似的に回転体軸を求める。
    (5)前記各サンプリング位置の前記近似円弧又は楕円弧における前記回転体軸直上の座標をそれぞれ取り出す。
    (6)前記回転体軸直上の座標からそれぞれのサンプリング位置における回転体半径を得る。
    (7)各サンプリング位置における回転体半径に基づいて回転体全体のプロファイルを得る。
  2. 回転体が両端に円柱部のある場合において、前記両端の円柱部について求めた円弧又は楕円弧中心を結ぶ直線を求めて、これを回転体全体の回転体軸と見做して、ロールプロファイルを求めることを特徴とする請求項1記載の回転体のプロファイル測定方法。
  3. 前記回転体が軸長方向に半径が変化するロール成形用の成形ロール又は圧延用の圧延ロールであることを特徴とする請求項1又は記載の回転体のプロファイル測定方法。
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