JP2004323986A - 体形補整機能を有する衣料 - Google Patents

体形補整機能を有する衣料 Download PDF

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Abstract

【課題】縁の部分が厚くならず、縁始末不要な縁を有する衣料の利点を有し、大腿部をすっきりした形状に補整し得る体型補整機能を有する下半身用衣料を提供する。
【解決手段】裁断されたままの状態でほつれの生じない縁始末不要な縁2、3を有し、且つ弾性糸により比較的伸縮パワーの強い領域9aが形成されている伸縮性の経編地からなる部片(P)を、衣料を構成する生地の少なくとも一部に用いた、股部を有する下半身用衣料であって、当該部片(P)の前記伸縮パワーの切り替えラインの方向95a、bと、当該衣料の縁始末不要な裁断されたままの状態の縁のラインのうち少なくとも一つの縁のライン2又は3の方向とが、相互に非平行であって、比較的伸縮パワーの強い領域の少なくとも1つが、略帯状に大腿部に斜めに当接される様に配置されている体形補整機能を有する衣料。
【選択図】 図6

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、裁断されたままの状態で縁始末不要な縁を有し且つ体形補整機能を有する衣料に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば、衣料の裾部などの縁は、裁断したままの状態では、縁部が解れてしまうので、解れを防止するために、何らかの縁始末をする必要があった。この始末のことを、縁始末をする、ヘミングなどと称し、その方法は部位や素材によって様々であって、例えば、布端を折り返して2重にし縫合したり、別布やテープ状物を断面略U字状に生地の縁部に被せて縫合するなど、縁始末がされているのが一般的である。しかし、この作業は衣類の縫製において可成りの負担であり、しかもこのように縁始末を施すと、その部分が厚くなり、タイトなアウターウェアーをその上に着用した場合など、下着の縁ラインが凸条になって外衣に現れ、外観を損なったり、分厚くなった縁部が着用感を損なうなどの問題になっている。
【0003】
そこで、近年、例えば縁始末不要な裾を有するガードルなど、縁始末不要な生地の当該縁部がガードル裾部になるように、縁始末不要な生地からなる部片を少なくとも当該衣料を構成する生地の少なくとも一部に用いた衣料が使用されてきている。また、身体に密着して着用し、体形補整機能を付与した衣料についても、伸縮パワーを強くしたい部分に、他の当て布をあてがうのではなく、伸縮パワーを強くしたい部分に、編み込まれるか、又は、挿入される弾性糸の太さを太くしたり、同じウェールに編み込まれるか、又は、挿入される弾性糸の本数を多くしたり、当該弾性糸の編み込まれるか、又は、挿入される領域の幅を大きくしたりすることによって、当て布を用いた場合の様に段差を生じさせることなく、ヒップアップ機能などの、体形補整機能を付与する方法も採用されてきている。
【0004】
ところで、縁始末不要な縁を形成するには、通常、いわゆる糸抜きなどの手法が用いられる(例えば、下記特許文献1参照)。従って、編み込んだ糸を抜くことによって、その部分を境にして、編地を2分し、当該2分された対向するそれぞれの縁の部分が、縁始末不要な縁となる。それ故、縁始末不要な縁は、糸の供給方向、すなわち、編み方向に実質上平行なラインの縁とならざるを得ない。当該生地の上下の縁を共に縁始末不要な縁とする場合も、共に編み方向に平行なラインの縁とならざるを得ない。
【0005】
一方、上述したように、伸縮パワーを強くしたい部分に、より太い弾性糸を編み込むなどの手法によって、弾性糸により比較的伸縮パワーの強い領域を形成する場合も、より太い弾性糸を編み込むなどの手段で当該領域を形成するのであるから、前記伸縮パワーの切り替えラインの方向は、糸の供給方向、すなわち、編み方向にほぼ平行な実質上直線ラインに沿った方向にならざるを得ないのが通常である。
【0006】
従って、1枚の編地中に、比較的伸縮パワーの強い領域を形成すると同時に1枚の同じ編地中に縁始末不要な縁を形成する場合には、比較的伸縮パワーの強い領域の伸縮パワーの切り替えラインの方向と、縁始末不要な縁のラインの方向とが、実質上平行な方向を向いた生地とならざるを得ない。
【0007】
図23に、一モデルサンプルとして、上述した、従来法により、1枚の編地中に、弾性糸の使用により比較的伸縮パワーの強い領域を形成すると共に、同時に1枚の同じ編地中に縁始末不要な縁を形成したものを、適宜の形状に裁断した、衣料の一部を構成する部片の模式的平面図を示した。尚この部片の形状は、単に、説明のために取り上げた形状であり、ある特定の衣料の部片に適用する厳密な形状ではない。しかし例えば、ある種のセミロングガードルの前脇から脇をカバーし背部のヒップ部並びに太腿をカバーするための左側の部片に近い形状の部片を説明用のモデルとして採用したものである。図の右側の上方部分が、後中心側となり、下側は太腿を包む部分である。後述する図21〜図22、図24も同様の趣旨の図面である。
【0008】
図23に示した編地100は、101の縁が、縁始末不要な縁であり、103が比較的伸縮パワーの強い領域(例えば、太い弾性糸が編み込まれて伸縮パワーが強められた領域)、102が上縁であり、比較的伸縮パワーの強い領域103の伸縮パワーの切り替えライン103a、103b(以下、特に断らない限り両者をまとめて単に103abと略称する)の方向と、縁始末不要な縁101の方向104とは平行になっている。尚、この編地の編み方向は、105の矢印で示された方向であり、伸縮パワーの切り替えライン103abの方向と同様である。そして、仮に上縁102ラインの方向106を、比較的伸縮パワーの強い領域103の伸縮パワーの切り替えラインの方向103abや、縁始末不要な縁101の方向104とは異なる図示した様な106の方向の形にしようとすると、上縁102は、縁始末不要な縁とすることはできず、2重に折り返して縫合するなど、縁始末(ヘミング)を必要とする縁になる。
【0009】
図24に、別の一モデルサンプルとして、従来法により、1枚の編地中に、比較的伸縮パワーの強い領域を形成すると共に、同時に1枚の同じ編地中に縁始末不要な縁を形成したものを、適宜の形状に裁断した、衣料の一部を構成する部片の模式的平面図を示した。
【0010】
図24に示した編地100は、101の縁が、縁始末不要な縁であり、しかも、スカラップ状に波形形状になっている。このスカラップ状の縁始末不要な縁は、例えば日本特許第3099085号などの手法によって実現可能である。
【0011】
そしてこの場合も比較的伸縮パワーの強い領域103(例えば、太い弾性糸が編み込まれて伸縮パワーが強められた領域)を設ける場合には、比較的伸縮パワーの強い領域103の伸縮パワーの切り替えラインの方向103abと、縁始末不要な縁101の方向104とは実質上平行になっている。縁始末不要な縁101のスカラップ状部分は波形形状の曲線であるが、その波の進行方向に相当する全体としての縁101の方向は、矢印104の方向と言える。光は波動するが、全体として直線で進行方向を描いているのと同じ扱い方である。矢印104は、縁始末不要な縁101のスカラップ状の波の頂点を結ぶ接線ラインをもって全体としての方向としたが、波を上下に分割する中央線をもってしても全体としての方向が示せる。すなわち、縁始末不要な縁101をスカラップ状にしても、その全体としての方向104と、比較的伸縮パワーの強い領域103の境界ライン(伸縮パワーの切り替えライン)の方向103abとは、実質上平行になっている。尚、この編地の編み方向は、105の矢印で示された方向であって伸縮パワーの切り替えラインの方向と同一方向である。そして、仮に上縁102ラインの方向106を、比較的伸縮パワーの強い領域103の伸縮パワーの切り替えラインの方向103abや、縁始末不要な縁101の方向104と異なる図示した様な106の方向の形にしようとすると、上縁102は、縁始末不要な縁とすることはできず、2重に折り返して縫合するなど、縁始末を必要とする縁になる。
【0012】
また、図示していないが、比較的伸縮パワーの強い領域103の伸縮パワーの切り替えラインの方向103abと、縁始末不要な縁101の方向104とを非平行にしようとすると、縁部を目的の方向になるように裁断せざるを得ず、裁断した裁ち端は、そのままではほつれが生ずるので、縁始末を施した縁とせざるを得なくなる。すなわち縁始末不要な縁とすることはできなくなる。また、仮に上縁102を縁始末不要な縁とする場合にも、上縁102のラインの方向106を比較的伸縮パワーの強い領域103の伸縮パワーの切り替えラインの方向103abと平行、すなわち同一方向にせざるを得ないのが実状である。
【0013】
従って、従来は、衣料の縁始末不要な縁の方向を例えばほぼ水平方向など、特定の方向に決めてしまうと、弾性糸による比較的伸縮パワーの強い領域の方向(伸縮パワーの切り替えラインの方向)を目的の体形補整を行うに好適な角度にするなど自由に設定することはできず、裾ラインやウェストラインの縁などを縁始末不要な縁とする場合には、比較的伸縮パワーの強い領域の方向がそれと平行な方向に制限され、裾ラインやウェストラインの方向とは関係なしに比較的伸縮パワーの強い領域の方向を当該衣料の最適な方向とすることはできないと言う問題がある。
【0014】
すなわち、縁始末不要な縁からなる裾ライン又はウェストラインの方向を目的とする衣料に最適な方向に設計すると、比較的伸縮パワーの強い領域の方向を、自由に変えることはできず、目的の体形補整を行うに好適な角度で配置することができないと言うような問題がある。
【0015】
従って、従来のかかる縁始末不要な縁を有する部片を用いたロングガードル、セミロングガードル、スパッツなどの、股部を有しウェストライン部から少なくとも大腿部の一部までをカバーする下半身用衣料においては、例えば、裾ラインの方向が、大腿の長さ方向に対しほぼ直角方向になるように設計するのが一般的であったが、この裾部分を従来の糸抜きの手法で製造された縁始末不要な縁とした場合には、例えば大腿をカバーする部分に弾性糸の編み込みなどによる比較的伸縮パワーの強い領域を形成すると伸縮パワーの切り替えラインは裾ラインと平行な同一方向になり、比較的伸縮パワーの強い領域が輪状に大腿を押さえつけることになり、比較的その部分が強く締め付けられるので、比較的伸縮パワーの強い領域と弱い領域の境界が段差になって現れやすくなるという問題や、大腿部全体をこのような比較的伸縮パワーの強い領域にしてしまうと、伸縮パワーが強すぎて圧迫感などがあり、着用感が低下するという問題もあった。
【0016】
【特許文献1】
日本特開2000−303331号([0020]の説明及び図2参照)。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる従来の問題点を解決し、縁の部分が厚くならず、裾やウェストラインが外衣に反映して凹凸となって現れることなどのないなどの縁始末不要な縁を有する衣料の利点を有し、比較的伸縮パワーの強い領域を略帯状に大腿部に斜めに当接される様に配置することにより、比較的伸縮パワーの強い領域が大腿を長さ方向に対して直角方向に輪状に配置する場合と同等以上の面積を占めても圧迫感などが軽減され、着用感が低下することなく、体型補整に必要な領域に必要な方向で比較的伸縮パワーの強い領域を設け、比較的伸縮パワーの強い領域と弱い領域の境界が段差になって現れにくい大腿部をすっきりした形状に補整し得る着用感が良好な体型補整機能を有する衣料を提供しようとするものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
前記課題を達成するために、本発明の体形補整機能を有する衣料は、(1)裁断されたままの状態で縁始末不要な縁を有し、且つ弾性糸により比較的伸縮パワーの強い領域が少なくとも1つ形成されていて、それらの伸縮パワーの切り替えラインは編み方向と同一方向を向いた直線状であって、弾性糸と非弾性糸とから構成される伸縮性の経編地からなる部片(P)を、衣料を構成する生地の少なくとも一部に用いた、股部を有し、ウェストライン部から少なくとも大腿部の一部までをカバーする下半身用衣料であって、前記衣料のウェストライン部又は裾部の少なくとも一方の縁が前記部片(P)の裁断されたままの状態で縁始末不要な縁からなっており、当該部片(P)の前記伸縮パワーの切り替えラインの方向と、当該衣料の縁始末不要な裁断されたままの状態の縁のラインのうち少なくとも一つの縁のラインの方向とが、相互に非平行であって、且つ前記弾性糸による比較的伸縮パワーの強い領域の少なくとも1つが、略帯状に大腿部に斜めに当接される様に配置されている体形補整機能を有する衣料である。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の衣料においては、比較的伸縮パワーの強い領域の長手方向、すなわち伸縮パワーの切り替えラインの方向と、縁始末不要な裁断されたままの状態の縁のラインのうち少なくとも一つの縁のラインの方向とが、相互に非平行であって、且つ前記弾性糸による比較的伸縮パワーの強い領域の少なくとも1つが、略帯状に大腿部に斜めに当接される様に配置されているので、比較的伸縮パワーの強い領域が大腿を長さ方向に対して直角方向に輪状に配置する場合と同等以上の面積を占めても、締め付けパワーが輪状に配置した場合に比べて小さくなり、圧迫感などが軽減され、体型補整に必要な領域に必要な方向で比較的伸縮パワーの強い領域を設け、比較的伸縮パワーの強い領域と弱い領域の境界が段差になって現れにくい着用感が良好な体型補整機能を有する衣料を提供できる。また、比較的伸縮パワーの強い領域が大腿部に斜めに当接される様に配置されていることにより、大腿部の上下方向に比較的広くサポートでき、同じ上下間全体を輪状に締め付けた場合に比べて、圧迫感などが遥に軽減され着用感が良好な大腿部をすっきりした形状に補整し得る体型補整機能を有する衣料を提供できるのである。
【0020】
(2)前記(1)項に記載の体形補整機能を有する衣料においては、衣料の裾部及びウェストライン部のいずれもが当該部片(P)の裁断されたままの状態で縁始末不要な縁からなり、当該裾部及びウェストライン部から選ばれたいずれか一方の縁のラインの方向が、当該部片(P)の伸縮パワーの切り替えラインの方向と相互に非平行であることが好ましい。
【0021】
(3)また、前記(1)項に記載の体形補整機能を有する衣料においては、衣料の裾部及びウェストライン部のいずれもが当該部片(P)の裁断されたままの状態で縁始末不要な縁からなり、当該裾部及びウェストライン部の縁のラインの方向のいずれもが、当該部片(P)の伸縮パワーの切り替えラインの方向と相互に非平行であることが好ましい。
【0022】
(4)また、前記(1)〜(3)項のいずれかに記載の体形補整機能を有する衣料においては、弾性糸による比較的伸縮パワーの強い領域が、衣料バック側においては、身体の外側に向かって斜めに上がり、衣料フロント側においては、身体の前中心側に向かって斜めに上がる領域であることが好ましい。
【0023】
(5)また、前記(1)〜(4)項のいずれかに記載の体形補整機能を有する衣料においては、弾性糸による比較的伸縮パワーの強い領域が、身体の大転子を含んだ部位に当接されるものを含むことが好ましい。
【0024】
(6)また、前記(1)〜(4)項のいずれかに記載の体形補整機能を有する衣料においては、弾性糸による比較的伸縮パワーの強い領域が、身体の大転子下方の大腿部を含んだ部位に当接されるものを含むことが好ましい。
【0025】
(7)また、前記(1)〜(6)項のいずれかに記載の体形補整機能を有する衣料においては、弾性糸による比較的伸縮パワーの強い領域が裁断されたままの状態で縁始末不要な縁からなる裾縁に至っていることが好ましい。
【0026】
(8)また、前記(1)〜(7)項のいずれかに記載の体形補整機能を有する衣料においては、弾性糸による比較的伸縮パワーの強い領域が裁断されたままの状態で縁始末不要な縁からなる裾縁に至っていて、当該裾縁の全周囲長の1/2以上が比較的伸縮パワーの強い領域からなる裾縁であることが好ましい。
【0027】
(9)また、前記(1)〜(8)項のいずれかに記載の体形補整機能を有する衣料においては、弾性糸による比較的伸縮パワーの強い領域として、ヒップの下部から脇に当接する領域を含むことが好ましい。
【0028】
(10)また、前記(1)〜(9)項のいずれかに記載の体形補整機能を有する衣料においては、比較的伸縮パワーの弱い領域が、大腿の下方内側から、大腿フロント側を通り、身体の外側に向かって斜めに上がっていることが好ましい。
【0029】
(11)また、前記(1)〜(10)項のいずれかに記載の体形補整機能を有する衣料においては、衣料が、衣料全体が身体に密着するヒップ部を有する衣料であることが好ましい。
【0030】
(12)また、前記(1)〜(11)項のいずれかに記載の体形補整機能を有する衣料においては、非弾性糸として、ブライト糸とダル糸を使用し、ブライト糸を編み込んだ部分とダル糸を編み込んだ部分を編み分けにより形成し、所望箇所にブライト糸とダル糸の光沢の差異による、線状ないし帯状の目視可能な模様が形成されていることが好ましい。
【0031】
(13)また、前記(12)項に記載の体形補整機能を有する衣料においては、弾性糸の太さ、編み込み本数の少なくともいずれかを変えた伸縮パワーの異なる複数の領域の各領域に同時に編み込まれている非弾性糸を、それぞれブライト糸とダル糸を使い分けて使用することにより、伸縮パワーの相違部分を目視可能な模様部分にしていることが好ましい。
【0032】
本発明の衣料においては、裁断されたままの状態で縁始末不要な縁は、前述した糸抜きなどの方法で形成された縁始末不要な縁ではなく、裁断されたままの状態でほつれの生じない縁始末不要な縁となる経編地からなる部片(P)を用いた裁断されたままの縁である。
【0033】
このように裁断されたままの状態でも、その裁ち端(裁断されたままの縁)が縁始末不要な縁となるような生地としては、例えば次に示すような編み組織を有する生地を用いることができるが、特に以下のもののみに限定されるものではなく、その裁ち端(裁断されたままの縁)が解れずに縁始末不要な縁となるような生地であれば他の編み組織を有する生地を用いることを除外するものではない。本発明で用いる部片(P)の編地としては、非弾性糸と弾性糸とを同行させた1×1編み組織であって、かつ各編針において非弾性糸と弾性糸のうちの少なくとも1方が閉じ目により編成された伸縮性経編地からなるものが好適に用いられる。編糸に非弾性糸と弾性糸とを用いて適度の伸縮性を付与している。1×1の編み組織とし、且つ、各編針において非弾性糸と弾性糸のうちの少なくとも1方を閉じ目によりあるいは非弾性糸と弾性糸を共に閉じ目により編成することにより、編目の安定、裁断されたままの縁のほつれの防止を達成できる。1×1の編み組織としては、1×1のトリコット編みが好ましく、特にラッシェル編機で編まれた1×1のトリコット編みがテンションをかけ易く、よって編み密度を上げ易いため好ましい。
そして上記伸縮性経編地の中でも、図18に示した編組織のように、非弾性糸80と弾性糸81のいずれもが閉じ目により編成されている伸縮性たて編地(A)、図19に示した編組織のように、非弾性糸80が閉じ目により、弾性糸81が開き目により編成されている伸縮性たて編地(B)、および図20に示した編組織のように、非弾性糸80と弾性糸81とがともに開き目と閉じ目とを交互に、ただし、同じ編針において非弾性糸80の開き目に対して弾性糸81は閉じ目、同様に非弾性糸80の閉じ目に対して弾性糸81は開き目が組み合わされ編成されている伸縮性たて編地(C)などが実用的で優れている。(A)および(B)の編地はとくに外観に優れ、(C)はループドロップしにくいという特長がある。
使用する非弾性糸としては、伸縮性衣類の種類により異なるが、ナイロンやポリエステルなどの合成繊維、レーヨンなどの半合成繊維、絹や綿などの天然繊維のいずれでも、またフィラメント糸、紡績糸のいずれも使用することができる。なかでも吸水性に富むナイロンはインナーウエア用編地として好ましく用いられる。弾性糸についてもとくに制限はないが、一般にポリウレタン弾性糸や当該弾性糸を非弾性糸でカバーしたカバリング糸等が使用できる。
そして、かかる伸縮性経編地においては、編み目の安定性、裁断されたままの縁のほつれ防止効果などを得る目的でプレセット処理または/およびヒートセット処理の施されているものが、好適である。処理温度は、装置の形状、プレセット処理時間、ヒートセット処理時間、素材の種類、編地の厚さなどにもよるが、180℃以上、好ましくは185℃以上の温度で、さらに確実に前記の効果を得るには190℃〜195℃の範囲で前記処理が施されていると、編地の一部が軟化し軽く編目が融着して編地の形態が安定し、裁断されたままの縁が特にほつれにくくなり好ましい。ヒートセット処理時間は、たとえば6〜8チャンバー構成(チャンバーの合計長さが約15〜30m)の装置を用いた場合、15〜40m/分程度、好ましくは15〜24m/分程度がよい。
また、一般的な編地では仕上巾を160cm前後にするが、この伸縮性経編地では仕上巾を100〜140cm、より具体的には、110cm、120cm、130cmなどと短くし、可能な範囲で高密度に編成したものが、伸縮性衣類において編目の美しさを保持しつつ、その安定性を向上するために望ましい。使用する編糸の繊度等にもよるが、2.54cm(1インチ)当たり55ウエールを超える、好ましくは60ウエールを超える、より好ましくは65ウエールを超える、更に好ましくは70ウエール以上の高密度に編地を編成し、編地のよこ伸びの割合を大きくすることが好ましい。ただし、非弾性糸としてセルロース糸や綿糸が編み込まれている場合はこの限りではない。
【0034】
さらに、通常に較べて非弾性糸の使用糸量を増やし、長くし、且つ弾性糸は短くし、非弾性糸のランナー長を弾性糸のランナー長に比べてかなり長くした伸縮性経編地を好ましく使用する。具体的には、通常80cm/ラック以下の非弾性糸のランナーを85〜120cm/ラック、好ましくは95〜115cm/ラックとし、通常60cm/ラック以下の弾性糸のランナーを70〜110cm/ラック、好ましくは75〜105cm/ラックにして編成することが好ましい。
【0035】
尚、ここで、「ランナー」とは、一定コース数(これを「ラック」と言い、通常、480コースを1ラックとする)を編むのに使用する糸の長さ(cm)を言う。
【0036】
非弾性糸のランナーAと弾性糸のランナーBの比率(A/B)は、好ましくは1.15以上、より好ましくは1.2以上、更に好ましくは1.3以上とすることが好ましい。
【0037】
尚、本発明で用いる裁断されたままの状態で縁始末不要な縁を形成しうる経編地は、レース生地ではない。
そして、上記の如く裁断されたままの状態で縁始末不要な縁を形成しうる生地に、部分的に比較的伸縮パワーの強い領域など、伸縮パワーの変化している領域を設けるには、(a)編み込む弾性糸の太さが異なる複数の領域を形成する方式、(b)編み込む弾性糸の本数が異なる複数の領域を形成する方式、(c)前記(a)又は(b)の各領域の幅を変化させる方式、(d)前記(a)、(b)、(c)の方式の少なくとも2つ以上を組み合わせた方式のいずれかの方式により比較的伸縮パワーの強い領域と前記領域より比較的伸縮パワーの弱い領域を形成することができる。
例えば、前記経編地に編み込まれる弾性糸のうち、比較的伸縮パワーの強い領域には他の部分よりも繊度の大きな弾性糸を編糸に用いたり、又は、同じウェールに編み込む弾性糸の本数を多くしたりすることにより、上記のように締付パワーを強化した部分が一体に編成された伸縮性経編地とすることができる。
この際、前記経編地全体に編み込まれている弾性糸を繊度の比較的小さい弾性糸とし、伸縮パワーを強めたい領域には、繊度の大きい弾性糸を更に編み込んで、比較的伸縮パワーの強い領域とすることもできる。
また、前述の様な比較的伸縮パワーの強い領域の幅を細幅にし比較的伸縮パワーの弱い領域の幅を広幅にし、一方、比較的伸縮パワーの強い領域の幅を広幅にし比較的伸縮パワーの弱い領域の幅を細幅にするなど、伸縮パワーの異なる領域の幅を調整することによって全体的に伸縮パワーの強弱を調整することも可能である。
なお、伸縮パワーの強弱のグレードを3段階以上にしてもよく、その場合には、上述した伸縮パワーを変化させる手法を3段階以上になるように調整すればよい。
【0038】
特に限定するものではないが、前記伸縮性の経編地全体に編み込まれている非弾性糸の繊度は、22〜132dtexが好ましく、より好ましくは33〜55dtexである。
【0039】
非弾性糸は、細い方が編目を高密度としやすい。一方、細すぎると強度が弱くなってしまう。よって、33〜55dtexが編地を高密度とでき、かつ安定し強度のある編み組織とすることができるので好ましい。
また、比較的伸縮パワーの弱い領域に編み込まれている弾性糸の繊度は、特に限定するものではないが、好ましくは33〜77dtex、より好ましくは、44〜55dtexのものであり、比較的伸縮パワーの強い領域に編み込まれている弾性糸の繊度は、好ましくは66〜231dtex、より好ましくは88〜154dtexのものである。
【0040】
伸縮性の経編地からなる前記経編地全体に編み込まれている弾性糸の繊度を、好ましくは33〜77dtex、より好ましくは44〜55dtexの弾性糸とし、比較的伸縮パワーの強い領域には、好ましくは66〜231dtex、より好ましくは88〜154dtexの太さの弾性糸が更に編み込まれている態様とすることも好ましい。
【0041】
弾性糸は、細い方が編地を高密度とできる。154dtex以上となると、裁断したままで縁部始末不要な状態は実現できるが、伸度が少なくなり、身体に密着する衣料に使用するには不都合がある。一方、154dtexよりも太い弾性糸は、伸度を要求しない衣料部位に使用することは可能である。また、231dtex以上、396dtexまでの弾性糸でも、比較的柔らかいものであれば、裁断しても裁断したままの縁部がほつれにくい状態を実現できる。伸度は少ないが、伸度を要求しない部位には使用しうる。
そして、裁断されたままの状態で縁始末不要な縁を形成しうる生地に、部分的に伸縮パワーが変化している領域を設けるには、更に次の様な手法を適用してもよい。
【0042】
(e)編み込む非弾性糸の太さが異なる複数の領域を形成する方式、
(f)編み込む非弾性糸の太さを変えると共に、編み込む弾性糸の太さ及び編み込む弾性糸の本数から選ばれた少なくとも一方を異ならしめることの組み合わせにより伸縮パワーの異なる複数の領域を形成する方式、
(g)編み込む非弾性糸の太さを変えて伸縮パワーの異なる複数の領域を形成する際に、更に、前記各領域中に、(g1)部分的に編み込む太い非弾性糸の密度を高くする部分を設ける、または、(g2)部分的に編み込む細い非弾性糸の密度を高くする部分を設けることによって、前記各領域をそれぞれ全体として比較的伸縮パワーの強い、または、弱い領域とする方式。
上記(g)の方式について、より理解を容易にするために、具体的に説明するならば、例えば、編み込む非弾性糸の太さを太くすることによって、比較的伸縮パワーの強い領域を設ける際に、部分的に細い非弾性糸の密度を高くする部分を設けることによって若干伸縮パワーを弱めの方向に調整し、その部分は全体としては、比較的伸縮パワーの強い領域を形成し、また、編み込む非弾性糸の太さを細くすることによって比較的伸縮パワーの弱い領域を設ける際に、部分的に太い非弾性糸の密度を高くする部分を設けることによって若干伸縮パワーを高目の方向に調整し、その部分は全体としては、比較的伸縮パワーの弱い領域を形成するなどの、方式である。しかし、弾性糸による程には、伸縮パワーの差はつきにくい。
尚、伸縮パワーの強弱の領域の形成とは無関係に、ないしは、伸縮パワーの強弱の領域の形成と連動させて、非弾性糸として、ブライト糸とダル糸を使用し、ブライト糸を編み込んだ部分とダル糸を編み込んだ部分を編み分けにより形成し、所望箇所にブライト糸とダル糸の光沢の差異による、線状ないし帯状の目視可能な模様を形成させることも好ましい。ブライト糸は光沢を有し、ダル糸は、つや消し糸であるので、ブライト糸を編み込んだ領域とダル糸を編み込んだ領域とが、光沢の差異により、目視可能に区別され、線状ないし帯状の目視可能な模様が形成され、デザイン上、衣料の美感を向上させることができ好ましい。
伸縮パワーの強弱の領域の形成と連動(関連)させて、非弾性糸として、ブライト糸とダル糸を使用する場合の手法としては、例えば、次のような手法が例示される。
用いる非弾性糸のブライト糸とダル糸の太さを変えることにより伸縮パワーの異なる複数の領域を形成する手法で、例えば比較的伸縮パワーの弱い領域に用いる非弾性糸として細いブライト糸を用い、比較的伸縮パワーの強い領域に用いる非弾性糸として太いダル糸を用いる組み合わせ、とか、その逆で、比較的伸縮パワーの弱い領域に用いる非弾性糸として細いダル糸を用い、比較的伸縮パワーの強い領域に用いる非弾性糸として太いブライト糸を用いる組み合わせなどにより、伸縮パワーの相違部分を目視可能な模様部分と関連、連動させることができる。このように、伸縮パワーの相違部分を目視可能な模様部分と関連させることにより、デザイン上、衣料の美感を向上させると同時に、伸縮パワーの強弱の機能領域を視認するとができ好ましい。
また、前記の手法に代えて、弾性糸の太さ、編み込み本数の少なくともいずれかを変えた伸縮パワーの異なる複数の領域の各領域に同時に編み込まれている非弾性糸を、それぞれブライト糸とダル糸を使い分けて使用することにより、伸縮パワーの相違部分を目視可能な模様部分にすることも好ましい。
すなわち、伸縮パワーの強弱の領域は、弾性糸の太さ、及び/又は弾性糸の編み込み本数を変えることにより形成するが、それぞれの領域がそれぞれ線状ないし帯状模様として視認できるようにするために、比較的伸縮パワーの強い領域に用いられる非弾性糸をダル糸とし、比較的伸縮パワーの弱い領域に用いられる非弾性糸をブライト糸とするとか、その逆の組み合わせとすることもできる。
また、前記の手法に変えて、非弾性糸及び弾性糸の両者の、太さ、編み込み本数の少なくともいずれかを変えた伸縮パワーの異なる複数の領域の各領域に同時に編み込まれている前記非弾性糸を、それぞれブライト糸とダル糸を使い分けて使用することにより、伸縮パワーの相違部分を目視可能な模様部分にすることも好ましい。
すなわち、上記の様な場合には、種々の組み合わせがあるが、例えば、比較的伸縮パワーの強い領域は、太い弾性糸と太いダル糸(非弾性糸)により形成し、比較的伸縮パワーの弱い領域は、細い弾性糸と細いブライト糸(非弾性糸)により形成するなど、それぞれの領域がそれぞれ線状ないし帯状模様として視認できるようになる。尚、前述の範囲の組み合わせであれば何ら具体的に例示した組み合わせに限定されない。
上述したように、本発明において「弾性糸により比較的伸縮パワーの強い領域が形成されている」とは比較的伸縮パワーの強い領域が弾性糸のみにより形成されていると言うことを意味するものでなく、弾性糸と非弾性糸を組み合わせて比較的伸縮パワーの強い領域も形成されるが、その際、用いられる弾性糸を適宜選定して用いることによって比較的伸縮パワーの強い領域を形成したものを意味している。
本発明の衣料は、以上のような裁断されたままの状態で縁始末不要な縁を有し、且つ弾性糸により比較的伸縮パワーの強い領域が少なくとも1つ形成されていて、それらの伸縮パワーの切り替えラインは編み方向と同一方向を向いた直線状であって、弾性糸と非弾性糸とから構成される伸縮性の経編地からなる部片(P)、すなわち裁断されたままの状態で縁始末不要な縁と伸縮パワーが変化する領域とを同時に1枚の編地中に有し、当該伸縮パワーの切り替えラインは編み方向と同一方向を向いた直線状である伸縮性の経編地からなる部片(P)を、衣料を構成する生地の少なくとも一部の部片として用いる。そして当該部片(P)は、その当該伸縮パワーの切り替えラインの方向と、縁始末不要な裁断されたままの状態の縁のラインのうち衣料上端(ウェストライン部)又は下端(裾部)の縁の少なくとも一方の縁を構成するラインの方向とが、相互に非平行である部片(P)を、衣料の種類やデザインに応じて少なくとも衣料を構成する部片の一部として適宜用いる。縁始末不要な裁断されたままの状態の縁のラインのうち衣料上端又は下端の縁の少なくとも一方の縁を構成するラインの方向と、比較的伸縮パワーの強い領域の伸縮パワーの切り替えラインの方向とが、相互に非平行である部片(P)とするには、衣料上端又は下端の縁の少なくとも一方の縁を目的とするデザインに応じて適宜裁断することで形成しうる。尚、必ずしも衣料を構成する部片のすべてをかかる生地で構成する必要はないし、衣料の部位によっては、衣料上端(ウェストライン部)又は下端(裾部)の縁の少なくとも一方の縁のラインの方向と、その当該伸縮パワーの切り替えラインの方向とが、平行である部片が用いられている部分があっても差し支えないが、通常、本発明で適用するセミロングタイプのガードル、ロングタイプのガードル、あるいはこれらとほぼ類似の外形を有するショーツ(すなわち大腿部の一部までをカバーする脚部を有するショーツ)、スパッツ、水着(ボトム衣料で大腿部の一部までをカバーする脚部を有するもの)などに適用する場合には、比較的伸縮パワーの強い領域の少なくとも1つが、略帯状に大腿部に斜めに当接される様に配置すると、衣料上端(ウェストライン部)および下端(裾部)の縁の両者の縁のラインの方向と、当該伸縮パワーの切り替えラインの方向とが、非平行になる設計となることが多い。また、衣料の一部の部位に、従来法の糸抜きにより縁始末不要な縁となっている生地、あるいは縁始末が必要な生地(以下、この生地を、「本発明とは別の生地」と略称することがある)を用いてもよい。
かくして本発明の衣料は、弾性糸の太さを太くしたり及び/又は編み込む弾性糸の本数などを多くするなど、弾性糸を適宜選定して用いることによって形成した比較的伸縮パワーの強い領域の伸縮パワーの切り替えラインの方向と、縁始末不要な縁のラインの方向とが、必然的に平行にされることなく、それぞれのラインの必要に応じた好適な方向にほぼ自由に設計でき、伸縮パワーの変化する領域を、目的の体形補整を行うに好適な角度で配置できる。従って本発明の体形補整機能を有する衣料においては、前述したように、前記弾性糸による比較的伸縮パワーの強い領域の少なくとも1つが、略帯状に大腿部に斜めに当接される様に配置できるのである。
しかも裾ラインないしウェストラインなどの方向も、伸縮パワーの変化する領域の方向にとらわれずに自由な方向のラインに設計した縁始末不要な縁を少なくとも一部に有する衣料が提供できる。尚、伸縮パワーの切り替えラインの方向は、本発明で用いる経編地の編み方向、すなわち編む際の糸の供給方向と同一の方向になる。編み方向とは、編まれた編み物が編み機から出てくる方向である(その180度反対向きの方向は、ここでは編み方向とは言わない)。比較的伸縮パワーの強い領域の方向は、比較的伸縮パワーの強い領域がほぼ帯状の時はその長手方向になり、本発明においては伸縮パワーの切り替えラインの方向と同じになる。
そして、弾性糸による伸縮パワーの切り替え部を有していて伸縮パワーの切り替えラインが直線状である伸縮性の経編地からなる前記部片(P)の裁断されたままの状態で縁始末不要な縁からなる衣料上端又は下端の縁の少なくとも一方の縁が、当該編地の編み方向に対し、好ましくは20〜80度、より好ましくは30〜60度、より一層好ましくは40〜50度、最も好ましくは45度前後(具体的には43〜47度)の角度で裁断された縁とすることが好ましい。かかる本発明の好ましい態様とすることにより、裁断されたままの状態で縁始末不要な縁の身体へのフィット性が向上し、当該縁部分が、着用者の身体外側にカールすることを防止でき好ましい。即ち、裁断されたままの状態で縁始末不要な縁を、衣料の上端又は下端、例えば、ウェストや裾などに有する衣料は、当該縁部分が、着用者の身体外側にカールする場合がある。このようなカールを生じないようにするには、上記縁始末不要な縁となる部分の裁断ラインを、当該編地の編み方向に対し上述の角度となるように裁断することが好ましい。編地の編み方向とは、編地を編む場合の糸の供給方向に相当する。上記において編み方向に対し20〜80度とは、編み方向のラインを仮定した場合にその左右のいずれか側に20〜80度の角度であること、言い換えれば編み方向の進行方向側に角の頂点側が向いている角の角度で、編み方向の進行方向ラインに対し±20〜80度の角度である。
尚、裁断されたままで端始末不要な縁を、身体外側にカールすることを防止する必要性の少ない部位に使用する場合には、45度を超えない範囲で裁断した縁を有する部片を使用することも好ましい。また、裁断縁を直線状ではなく、波形などに裁断した部片を使用すれば、縁部が身体外側にカールすることを防止でき好ましい。
【0043】
衣類の部片を裁断する際に、複数の縁部を裁断したままで縁始末不要な縁とする場合、いずれかの箇所は、編み方向に対し20〜80度では裁断できず、編み方向に20度未満の角度で裁断せざるを得ない箇所がある。その様な縁部は波形に裁断すれば、波形のカーブとなった縁部の裁断角度が20〜80度とすることもでき、縁部全体を実質的に20〜80度で裁断した効果を得られる。例えばショートガードルのウエストラインと裾を共に裁断したままで縁始末不要な縁とする場合など、両方の端部を20〜80度で裁断できないこともあり、かかる場合に、一方の縁を波状の縁にすることは好ましい。
裁断されたままの状態でほつれの生じない縁始末不要な縁を有し、且つ弾性糸により比較的伸縮パワーの強い領域が少なくとも1つ形成されていて、それらの伸縮パワーの切り替えラインは編み方向と同一方向を向いた直線状であって、弾性糸と非弾性糸とから構成される伸縮性の経編地からなる部片(P)で、伸縮パワーの切り替えラインの方向と、縁始末不要な縁のラインの方向とが、実質上非平行な方向を向いている例を説明するために、先に、用いたモデル図の図23、図24と同様の趣旨の図である図21、図22を用いて説明する。図21、図22は、それぞれ一モデルサンプルとして、上述した本発明で用いる、適宜の形状に裁断して形成した衣料の一部を構成する部片(P)の模式的平面図を示した。尚この部片の形状は、単に、説明のために取り上げた形状であり、ある特定の衣料の部片に適用する厳密な形状ではない。しかし例えば、ある種のセミロングガードルの前脇から脇をカバーし背部のヒップ部並びに太腿をカバーするための左側の部片に近い形状の部片を説明用のモデルとして採用したものである。図の右側の上方部分が、後中心側となり、下側は太腿を包む部分である。
図21に示した編地90は、92と91の上下の縁(それぞれウェストライン部と裾部に相当する)が、裁断により形成された縁で、裁断されたままの状態で縁始末不要な縁であり、93が伸縮パワーの変化する領域(例えば、太い弾性糸が編み込まれて伸縮パワーが強められた領域)、であり、比較的伸縮パワーの強い領域93の伸縮パワーの切り替えライン93a、93b(以下、特に断らない限り両者をまとめて単に93abと略称する)の方向と、縁始末不要な縁91の方向94、ならびに縁始末不要な縁92の方向96とは非平行になっている。尚、編み方向は、95の矢印が示している方向であり、伸縮パワーの切り替えライン93abの方向と平行で同方向である。尚また、本発明においては、図示したものに限られず、縁始末不要な縁91の方向94、及び縁始末不要な縁92の方向96のいずれか一方が、伸縮パワーの切り替えラインの方向93ab(編み方向95)と非平行になっているものでもよい。
次に図22に、前記図21と若干異なる形状に裁断された部片(P)の模式的平面図を示した。図22に示した編地90は、91と92の上下の縁が、裁断により形成された縁で、裁断されたままの状態で縁始末不要な縁であり、以下、図21と同一の部分には同一の符号を付して重複説明は省略した。下側の91の縁が、波形形状になっている。
そしてこの場合も伸縮パワーの変化する領域93の伸縮パワーの切り替えラインの方向93abと、縁始末不要な波形形状の縁91の方向94とは実質上非平行である。縁91は波形形状の曲線であるが、その波の進行方向に相当する全体としての縁91の方向は、矢印94の方向と言える。光は波動するが、全体として直線で進行方向を描いているのと同じ扱い方である。矢印94は、縁始末不要な91の波形の波を上下に分割する中央線をもって全体としての方向としたが、図24で説明したように波形の波の頂点を結ぶ接線ラインをもってしても全体としての方向が示せる。すなわち、裁断されたままの状態で縁始末不要な縁91の如く波形状にしても、その全体としての方向94と、伸縮パワーの変化する領域93の伸縮パワーの切り替えラインの方向93ab(編み方向95)とは、実質上非平行になっているとする例である。尚、編み方向、すなわち糸の供給方向は、95の矢印が示している方向である。また、この例においては、裁断されたままの状態で縁始末不要な上側の縁92の方向96と比較的伸縮パワーの強い領域93の伸縮パワーの切り替えラインの方向93ab(編み方向95)も非平行になっている。
【0044】
本発明の衣料においては、前述したように、弾性糸によって伸縮パワーが強められた比較的伸縮パワーの強い領域の少なくとも1つが、略帯状に大腿部に斜めに当接される様に配置されていることが必要である。弾性糸によって伸縮パワーが強められた比較的伸縮パワーの強い領域を、本発明では、「弾性糸による比較的伸縮パワーの強い領域」と称している。尚、比較的伸縮パワーの強い領域が大腿部に斜めに当接される場合の、斜めとは、比較的伸縮パワーの強い領域の伸縮パワーの切り替えラインの方向が、大腿部の長さ方向に対して斜めになっていることを意味し、伸縮パワーの切り替えラインの方向が、大腿部の長さ方向と平行な場合とか、伸縮パワーの切り替えラインの方向が、大腿部の長さ方向に対し直角な方向は含まない。大腿部の長さ方向に対して伸縮パワーの切り替えラインの方向が、好ましくは20〜80度、より好ましくは30〜60度、より一層好ましくは40〜50度、最も好ましくは45度前後(具体的には43〜47度)の角度であることが好ましい。
【0045】
そして本発明の衣料においては、(a)弾性糸による比較的伸縮パワーの強い領域が、身体の大転子を含んだ部位に当接されるものを含むと股関節サポート効果が発揮され好ましい。略帯状に大腿部に斜めに当接される比較的伸縮パワーの強い領域(以下、これを領域Aと略称することがある。)が、身体の大転子を含んだ部位にも当接され、且つ大転子を含めて幅4cm以上にすることが好ましいが、領域Aが、身体の大転子を含んだ部位には当接されていない場合には、領域Aとは別の比較的伸縮パワーの強い領域であって、当該領域Aと伸縮パワーの切り替えラインの方向が平行になるようなほぼ帯状の比較的伸縮パワーの強い領域(以下領域Bと略称することがある。)を更に設けて、領域Bが大転子を含んだ部位にも当接される様にしてもよい。大転子が存在する近傍の部分は、ヒップ並びに太腿が身体の横方向に張り出す箇所なので、大転子を含んだ部位に比較的伸縮パワーの強い領域が当接される様にすることによって、シルエットをすっきりした形に整えることが出来ると共に、股関節を安定にする保護作用がある。
【0046】
また、本発明の衣料においては、(b)弾性糸による比較的伸縮パワーの強い領域が、大腿部外側上方、例えば身体の大転子下方の大腿部を含んだ部位などに当接されるものを含むと、股関節のサポート効果が得られる。この場合の(b)の幅は好ましくは5cm以上、より好ましくは7cm以上である。
【0047】
この部分も、ヒップ並びに大腿が身体の横方向に張り出す箇所なので、これらの部位に比較的伸縮パワーの強い領域が当接される様にすることによって、シルエットをすっきりした形に整えることが出来好ましい。この(b)の態様の場合に、必要に応じて、(a)の比較的伸縮パワーの強い領域を合わせて設けても良いが、全体の締め付け感があまり強くなりすぎる場合には、(a)の部分を比較的伸縮パワーの強い領域とせずに、比較的伸縮パワーの弱い領域としたり、伸縮パワーが中の領域としても良い。
【0048】
また、本発明の体形補整機能を有する衣料においては、衣料のウェストライン部又は裾部の縁の少なくとも一方の裁断されたままの状態で縁始末不要な縁に、前記直線状の伸縮パワーの切り替えラインが到達していて、当該縁始末不要な縁が、比較的伸縮パワーが強い部分と弱い部分が混在する縁となっていることも好ましい。かかる好ましい態様とすることにより、従来の縁始末不要な縁を有する衣料では、一枚の編地において達成できない比較的伸縮パワーが強い部分と弱い部分が混在する縁始末不要な縁を有する衣料を提供できる。従って、従来の縁始末不要な縁を有する衣料では実現できない、伸縮パワーの切り替えラインが縁始末不要な縁のラインの方向にあまり拘束されることなく、より自由に設計でき、よって、部位に応じたフィット性の要求に、より適合し易い設計の自由度の増大した衣料を提供することができ好ましい。
【0049】
また、本発明の体形補整機能を有する衣料においては、弾性糸による比較的伸縮パワーの強い領域が裁断されたままの状態で縁始末不要な縁からなる裾縁に至っていることが好ましく、その場合に、当該裾縁の全周囲長の1/2以上4/5以下が比較的伸縮パワーの強い領域からなる裾縁であることが好ましい。かかる好ましい態様とすることにより、裾が身体に密着し、ずれにくく、裾が安定した位置に保持されやすくなり好ましい。しかも当該裾縁の全周囲長の1/2以上4/5以下が比較的伸縮パワーの強い領域であるので、裾縁の全周囲が比較的伸縮パワーの強い領域である場合に比べ、締め付けによる段差が生じにくく好ましい。
【0050】
また、更に、本発明の体形補整機能を有する衣料においては、弾性糸による比較的伸縮パワーの強い領域として、後中心のヒップの下部から脇に向かって斜め方向でヒップの下部から脇に当接される領域(以下領域Cと略称することがある。)を含む態様とすることにより、ヒップアップの機能が発揮される。ヒップの下部から脇に当接する比較的伸縮パワーの強い領域(領域C)が、更に脚部にまで伸びて大腿部に斜めに当接される比較的伸縮パワーの強い領域(即ち領域A)を形成するものであっても良い。領域Cと領域Aは連続させずに、別々に設けても良い。
【0051】
以上、説明した弾性糸による比較的伸縮パワーの強い領域は、衣料バック側においては、身体の外側に向かって斜めに上がり、衣料フロント側においては、身体の前中心側に向かって斜めに上がる領域であることが好ましい。このように、衣料バック側においては、身体の外側に向かって斜めに上がることにより、大腿部からヒップを上に持ち上げる力が作用し、ヒップアップなどの機能が効果的に発揮され、好ましい。衣料バック側をカバーする部片(P)が、例えば図21や図22で示した様な、前脇から脇をカバーし背部のヒップ部並びに太腿をカバーするための部片の如く、バック側と共に衣料のフロント側の少なくとも一部もカバーする連続部片の場合を例にとると、衣料バック側において、比較的伸縮パワーの強い領域が身体の外側に向かって斜めに上がる場合には、当該比較的伸縮パワーの強い領域は衣料のフロント側においては、必然的に身体の前中心側に向かって斜めに上がることになる。
【0052】
また、本発明の体形補整機能を有する衣料において、比較的伸縮パワーの弱い領域については、大腿の下方内側から、大腿フロント側を通り、身体の外側に向かって斜めに上がっている態様を採用すると、脚部を動かした時に形状変化が大きい大腿直筋が存在する大腿前面の内側よりの個所に、比較的伸縮パワーが弱い領域など、比較的容易に伸縮しやすい領域が少なくとも部分的に当接されるようになり、運動追従性が向上し、着用中における裾ずれなどが起こりにくくなり好ましい。
【0053】
本発明は、股部を有し、ウェストライン部から少なくとも大腿部の一部までをカバーする下半身用衣料に適用でき、特に、衣料全体が身体に密着するヒップ部を有する衣料に好適に適用できる。本発明が適用される好ましい衣料としては、セミロングタイプのガードル、ロングタイプのガードル、あるいはこれらとほぼ類似の外形を有するショーツ(すなわち大腿部の一部までをカバーする脚部を有するショーツ)、スパッツ、水着(ボトム衣料で大腿部の一部までをカバーする脚部を有するもの)などが挙げられる。スパッツなどは、脚部が膝上丈のものから、長いものでは、足首丈のものも含む。
次に、本発明の衣料の具体的実施の形態例について、図面を引用しながら説明するが、本発明はこれら図示したもののみに限定されるものではない。
尚、以下の説明においては、1枚の編地中に、伸縮パワーの切り替えラインが直線状である伸縮パワーの変化する領域を形成すると共に、同時に1枚の同じ編地中に裁断されたままの状態で当該裁断された縁が縁始末不要な縁を形成した部片を単に「ヘミングレス部片」とか、「部片(P)」と略称を用いて記述することがある。また、以下の実施の形態例で用いる、前述の様なヘミングレス部片は、前述の図18を引用して説明した経編地から作られているので、当該経編地の編み組織の説明は省略する。但し、前述の図19や図20を引用して説明した経編地など、本発明の目的を達成しうる経編地であれば、他の編み組織の経編地でも良いことは勿論である。
【0054】
実施の形態例1
図1は本発明の裁断されたままの状態で縁始末不要な縁を有し且つ体形補整機能を有する衣料の一実施の形態例のセミロングタイプのガードルの背面側から見た斜視図、図2は図1に示したセミロングタイプのガードルの正面側から見た斜視図、図3は図1、図2に示したセミロングタイプのガードルの着用者の左側に相当する前脇−脇−ヒップ部−脚部充当部片1の裁断ラインを編地上に示した平面図及びクロッチ部片の平面図である。
図1〜図3において、1が前脇−脇−ヒップ部−脚部をカバーする前脇−脇−ヒップ部−脚部充当部片、6は腹部をカバーする腹部充当部片である。左右の前脇−脇−ヒップ部−脚部充当部片1は、脚部を除いて後中心の縫合ライン4で相互に縫合されており、前脇−脇―ヒップ部−脚部充当部片1の前側の側縁は、腹部充当部片6の側縁と縫合ライン5で互いに縫合されている。図1などの背面側から見た斜視図では、どのあたりから脚部なのかわかりにくいので、仮想点線8を図中に示し、およそ仮想点線8より下側が脚部であることが分かるようにした。従って、仮想点線8より上側の縫合ライン4が後中心の縫合ラインであり、仮想点線8より下側が左右両足に分かれて形成された脚部である。
【0055】
図3において、生地16中に示されたラインA−B−C−D−E−F−G−Aはこのガードルの脇から後ろ及び脚部に用いられる着用者の左側半分の部片を得るための前脇−脇―ヒップ部−脚部充当部片1の裁断ラインを示したものである。また、30はクロッチ部片であり、前脇−脇―ヒップ部−脚部充当部片1と同じ生地を用いても良いが、異なる生地を用いても良く、クロッチ部片の素材は、従来よりガードルのクロッチ部片に用いられている各種のものが使用できる。クロッチ部片30は、股部になり図1、2では表示されていない。
図示していないが、前脇−脇―ヒップ部−脚部充当部片1の右側半分の部片の形状は、左側半分の部片の形状と左右線対称となる。A−Bラインは図1の腹部充当部片6と縫合され(縫合ライン5)、Q−CラインはE−Dラインと縫合されて左脚部を形成し、G−Fラインは図示していない前述した右側半分の部片の同様な部分と縫合されて後中心の縫合ライン4を形成することになる。クロッチ部片30のO−Pラインは腹部充当部片6の下端に縫合され、O−Iラインは部片1のB−Qラインと縫合され、H−Iラインは部片1のF−Eラインと縫合される。図示していない前述した右側半分の部片1の縫製も左右対象であるので同様である。かくして図1〜図2に示したガードルを作成することができる。他の実施の形態例のガードルもほぼ同様な縫製により形成される。
【0056】
図1〜図3に示したガードルにおいては、前脇−脇―ヒップ部−脚部充当部片1として、ヘミングレス部片が用いられている。この前脇−脇―ヒップ部−脚部充当部片1は、比較的伸縮パワーが強い領域9a、9b、9c、伸縮パワーが中程度の領域10a、10b、10c、比較的伸縮パワーが弱い領域11aの3つのグレードになっている。
前脇−脇−ヒップ部−脚部充当部片1を構成する経編地の編み方向は、矢印95a、95bの矢印が示す方向である。この部片1を構成する経編地の編み方向は、比較的伸縮パワーが強い領域9a、9bの長さ方向と平行であり、言い換えれば比較的伸縮パワーが強い領域9a、9b、9c、伸縮パワーが中程度の領域10a、10b、10c、比較的伸縮パワーが弱い領域11aの境界ラインに相当する伸縮パワーの切り替えラインの方向と平行、即ちこれらと同一方向である。前脇−脇−ヒップ部−脚部充当部片1は、図18で説明したようなナイロン糸とポリウレタン糸とを同行させた1×1編み組織で、弾性糸、非弾性糸共に閉じ目で編まれている。
そして比較的伸縮パワーが強い領域9a、9b、9cには、44dtexのナイロン糸と143dtexのポリウレタン糸が用いられ、比較的伸縮パワーが弱い領域11aには、44dtexのナイロン糸と77dtexのポリウレタン糸が用いられ、また伸縮パワーが中程度の領域10a、10b、10cには44dtexのポリウレタン糸が2本(ポリウレタン糸の太さ合計88dtex)と44dtexのナイロン糸が編み込まれている。
尚、前述したようにナイロン糸としてダル糸であるつや消しされた糸と、ブライト糸と呼ばれるより光沢感のある糸とを領域ごとに使い分けて用いることにより、各領域の部分が目視可能な縞模様となって現れるようにしても良い。
そしてこの実施の形態において、前脇−脇−ヒップ部−脚部充当部片1の裁断されたままの状態で縁始末不要な縁は、2の裾ラインの縁と3のウェストラインの縁の部分である。裾ライン2は波形になっており、裾ライン2の方向は当該波形の各頂点を結ぶ直線と同じ方向、すなわち矢印12(図3参照)で示された方向であり、伸縮パワーの切り替えラインの方向(編み方向95a、95b)とは非平行となっている。ウェストライン3の方向も編み方向95a、95bの方向に対し角αが約35度の角度で裁断されている。裾ライン2の方向とウェストライン3の方向も互いに非平行である(図1、図2ではわかりにくいので図3参照)。前脇−脇−ヒップ部−脚部充当部片1の裁断されたままの状態で縁始末不要な縁であるウェストライン3には、前記直線状の伸縮パワーの切り替えラインが到達していて、当該縁始末不要な縁が、比較的伸縮パワーが強い部分9aと中程度の部分10aと弱い部分11aが混在する縁となっている。同じく、裾ライン2も前記直線状の伸縮パワーの切り替えラインが到達していて、当該縁始末不要な縁が、比較的伸縮パワーが強い部分9cと中程度の部分10cが混在する縁となっている。そして当該裾縁の全周囲長の70%(即ち1/2以上4/5以下)が比較的伸縮パワーの強い領域からなる裾縁である。比較的伸縮パワーが強い領域9cが裾縁の全周囲長の70%を占めているので、裾が身体に密着し、ずれにくく、裾が安定した位置に保持されやすくなり好ましい。しかも当該裾縁の全周囲が比較的伸縮パワーの強い領域である場合に比べ、締め付けによる段差が生じにくく好ましい。
弾性糸による比較的伸縮パワーが強い領域のうち9bと9cが略帯状に大腿部に斜めに当接される様に配置されており、9bは、幅13cmで、身体の大転子を含んだ部位に当接される様に形成されている。身体の大転子に相当する位置を参考までに13で示した。着用者個人個人で大転子の位置は変わるので、平均的な体型の身体における場合に、9bが大転子を含んだ部位に当接されることになる。大転子が存在する近傍の部分は、ヒップ並びに大腿が身体の横方向に張り出す箇所なので、大転子を含んだ部位に比較的伸縮パワーの強い領域が当接される様にすることによって、シルエットをすっきりした形に整えることが出来ると共に、股関節を安定にする保護作用も加味される。
比較的伸縮パワーが弱い領域11aがヒップの膨らみ部分を通り、その幅が約5cmで、その上下両側に伸縮パワーが中程度の領域10a、10b(それぞれの1cm幅)が設けられていて、ヒップの丸い膨らみをつぶさずにより美しく整え、衣料バック側において比較的伸縮パワーが強い領域9bは身体の外側に向かって斜めに上がりヒップの下部から脇側にほぼ沿う方向に設けられていて、ヒップアップ機能を発揮するに好適な角度(この場合には上述したウェストライン3の方向に対し約35度)で伸縮パワーが変化する領域の伸縮パワーの切り替えラインの方向が決められている。比較的伸縮パワーが弱い領域11aと比較的伸縮パワーが強い領域9aと9bなどの間に、伸縮パワーが中程度の領域10a、10bを設けることによって、伸縮パワーの急激な変化を避け、伸縮パワーの急激な変化による段差の発生などがより効果的に防止され、ヒップの丸みを、より自然な丸みにすることが出来る。
上記のように弾性糸による伸縮パワーの強弱差のある領域を3段階以上設ける場合は、弱い領域と強い領域の間に、中の領域を設けると、中の領域が、強弱領域間の緩衝となる。特に、強弱領域の、伸縮パワー差の大きい場合に好ましい。
尚、伸縮パワーが中程度の領域の幅は、求める体型補整機能により定めるが、強弱領域の緩衝としては、1cm〜3cm程度の細幅でも十分である。
しかもウェストライン3は、当該編地の編み方向95a、95bに対し、約35度の角度で裁断された縁(図3の角αが約35度)であるので、ウェストライン3の縁が着用者の身体外側にカールすることがなく、フィット性が良好になる。また、フロント側において、腹部下部から斜めに下がりバック側において大腿下部の位置をカバーするように設けられた伸縮パワーが中程度の領域10c(幅約9cm)を設けることによって、伸縮パワーが強くなりすぎて、着用感が低下することを緩和している。
尚、比較的伸縮パワーが強い領域9aは、バック側のヒップ上部からウェストの一部をカバーし、略逆三角形状の領域であり、身体のこの部分が、その下部のヒップ部より全体的に細くなるので、フィットし易いように比較的伸縮パワーが強い領域9aを配置したものである。
また、上記ガードルは、前脇−脇−ヒップ部−脚部充当部片1において、弾性糸による比較的伸縮パワーの強い領域が、衣料バック側においては、身体の外側に向かって斜めに上がり、衣料フロント側においては、身体の前中心側に向かって斜めに上がっており、比較的伸縮パワーの弱い領域並びに伸縮パワーが中程度の領域も比較的伸縮パワーが強い領域と平行に設けられているので同様である。
上述の様に、裾ライン2やウェストライン3は、裁断されたままの状態で縁始末不要な縁になっており、縁始末が不要で、またゴムテープなどを用いていないので、ゴムテープの様に線状にウェストを強く締め付けることがなく、厚みが増大しないので着用時のウェストまわりのシルエットをすっきりとしたシルエットにすることができると共に、ゴムテープの締め付け跡が肌に残ることがない。また、上記裾まわりも同様である。
尚、腹部充当部片6は、この例では特に伸縮パワーの異なる領域は設けずに、伸縮パワー変化のない均質な伸縮性経編地を用いた。腹部充当部片6も1×1のトリコットで、弾性糸と非弾性糸が共に閉じ目の前述した編み組織の布で作成されていて、上側の縁7は裁断されたままの状態で縁始末不要な縁になっている。腹部充当部片6は必要に応じ、他の縁始末の必要な生地を用いても良い。腹部充当部片6は44dtexのナイロン糸と88dtexのポリウレタン糸を用い、図18で説明したようなナイロン糸とポリウレタン糸とを同行させた1×1編み組織で編まれた編地を用いている。この編地の編み方向は、そのウェストライン7の方向に平行な方向である。尚、腹部充当部片6としては、必要に応じて、伸縮パワーの変化のある編地を用いてもよいし、また、非弾性糸としてブライト糸とダル糸を用いて、目視可能な縞模様を形成してもよい。
以上の如く、本ガードルは、弾性糸による比較的伸縮パワーの強い領域の少なくとも1つが、略帯状に大腿部に斜めに当接される様に配置されているので、比較的伸縮パワーの強い領域が大腿を長さ方向に対して直角方向に輪状に配置する場合と同等以上の面積を占めても、締め付けパワーが輪状に配置した場合に比べて緩和され、圧迫感などが軽減され、体型補整に必要な領域に必要な方向で比較的伸縮パワーの強い領域を設け、比較的伸縮パワーの強い領域と弱い領域の境界が段差になって現れにくい着用感が良好なしかも大腿部も含めた下半身部の体型補整機能を良好に発揮出来る衣料を提供できる。また、比較的伸縮パワーの強い領域が大腿部に斜めに当接される様に配置されていることにより、大腿部の上下方向に比較的広くサポートでき、同じ上下間全体を輪状に締め付けた場合に比べて、圧迫感などが遥に軽減され着用感が良好な体型補整機能を有する衣料を提供できる。
そして比較的伸縮パワーの強い領域が大転子を含んだ部位にも形成されているので、ヒップ並びに大腿が身体の横方向に張り出す箇所を効果的に補正でき、その部分のシルエットをすっきりした形に整えることが出来ると共に、股関節を安定にする保護作用も発揮され好ましい。また、ウェストライン部や裾部は裁断されたままの状態で縁始末不要な縁になっており、凹凸の段差が外衣に反映して見苦しくなると言うこともなくすっきりとしたシルエットにすることができる。
しかもこのガードルは、ウェストライン3の縁が着用者の身体外側にカールすることがない、フィット性が良好なガードルを提供できる。
【0057】
実施の形態例2
図4は本発明の裁断されたままの状態で縁始末不要な縁を有し且つ体形補整機能を有する衣料の別の一実施の形態例のセミロングタイプのガードルの背面側から見た斜視図、図5は図4に示したセミロングタイプのガードルの正面側から見た斜視図である。前脇−脇−ヒップ部−脚部充当部片1の裁断ラインを編地上に示した平面図及びクロッチ部片の平面図は、図3と類似しているので、図示は省略した。また、図1、図2に示したセミロングタイプのガードルと同一機能の部分には同一の符号を付して、重複説明を省略した。
図4、図5に示したガードルは、図1、図2に示したガードルと、ヘミングレス部片を用いた前脇−脇−ヒップ部−脚部充当部片1における、比較的伸縮パワーが強い領域9a、9bと、伸縮パワーが中程度の領域10a、10bと、比較的伸縮パワーが弱い領域11aの3つのグレードになっている点、これらの領域がカバーする部位が図1、図2に示したガードルと異なる点を除いては、ほぼ図1、図2に示したガードルと同様である。
比較的伸縮パワーが強い領域9aは幅6cmで、ヒップ下部から斜め上に上がり腹部上部脇に至っている。比較的伸縮パワーが強い領域9bは幅10cmで、腹部下部脇から斜めに下がり、大転子に相当する位置13を通り、大腿背面において大腿部上部から大腿部を斜めに下がって、大腿部内側までカバーしており、裾ライン2にこれらの直線状の伸縮パワーの切り替えラインが到達していて、当該裾ライン2の縁始末不要な縁が、比較的伸縮パワーが強い部分9bと伸縮パワーが中程度の部分10bが混在する縁となっている。
【0058】
このタイプは、ヒップアップ機能と大腿部の形状を整え、着用者のシルエットをすっきりした形に整えることが出来ると共に、股関節を安定にする保護作用も加味され、図1、図2に示したガードルより、全体的に比較的伸縮パワーが強い部分の占める割合が小さめになっており、より着用感が楽なタイプのガードルである。
【0059】
実施の形態例3
図6は本発明の裁断されたままの状態で縁始末不要な縁を有し且つ体形補整機能を有する衣料の別の一実施の形態例のセミロングタイプのガードルの背面側から見た斜視図、図7は図6に示したセミロングタイプのガードルの正面側から見た斜視図である。前脇−脇−ヒップ部−脚部充当部片1の裁断ラインを編地上に示した平面図及びクロッチ部片の平面図は、図3と類似しているので、図示は省略した。また、図1〜図5に示したセミロングタイプのガードルと同一機能の部分には同一の符号を付して、重複説明を省略した。
図6、図7に示したガードルは、図4、図5に示したガードルと、ヘミングレス部片を用いた前脇−脇−ヒップ部−脚部充当部片1における、比較的伸縮パワーが強い領域9aと、比較的伸縮パワーが弱い領域11a、11bとの2つのグレードになっている点、これらの領域がカバーする部位が図4、図5に示したガードルと異なる点を除いては、ほぼ図4、図5に示したガードルと同様である。即ち、図4、図5に示したガードルにおける比較的伸縮パワーが強い領域9a及び伸縮パワーが中程度の領域10a、10bの部分が比較的伸縮パワーの弱い領域になっている点を除いて、ほぼ図4、図5に示したガードルと同様である。
比較的伸縮パワーが強い領域9aは幅12cmで、腹部下部脇から斜めに下がり、大転子に相当する位置13を通り、大腿部上部から大腿部を斜めに下がって、大腿部内側までカバーしており、裾ライン2にこれらの直線状の伸縮パワーの切り替えラインが到達していて、当該裾ライン2の縁始末不要な縁が、比較的伸縮パワーが強い部分9aと比較的伸縮パワーが弱い部分11bが混在する縁となっている。
【0060】
このタイプは、比較的伸縮パワーが強い領域9aが大腿部に斜めに当接されるので、大腿部の形状を整え、着用者のシルエットをすっきりした形に整えることが出来ると共に、股関節を安定にする保護作用も加味され、図4、図5に示したガードルより、更に全体的に比較的伸縮パワーが強い部分の占める割合が小さめになっており、より一層着用感が楽なタイプのガードルである。
【0061】
実施の形態例4
図8は本発明の裁断されたままの状態で縁始末不要な縁を有し且つ体形補整機能を有する衣料の別の一実施の形態例のロングタイプのガードルの背面側から見た斜視図、図9は図8に示したロングタイプのガードルの正面側から見た斜視図である。図1〜図7に示したセミロングタイプのガードルと同一機能の部分には同一の符号を付して、重複説明を省略した。
図8、図9に示したガードルは、図6、図7に示したガードルとほぼ同様であり、図6、図7に示したガードルがセミロングタイプであるのに対し、図8、図9に示したガードルはそれをロングタイプに適用したものである。
比較的伸縮パワーが強い領域9aは幅15cmで、腹部下部脇から斜めに下がり、大転子に相当する位置13を通り、大腿部上部から大腿部を斜めに下がって、大腿部内側の中間までカバーしている。ただし裾ライン2にこれらの直線状の伸縮パワーの切り替えラインが到達していない点が図6、図7に示したガードルと異なる。
【0062】
このタイプは、比較的伸縮パワーが強い領域9aが大腿部に斜めに当接されるので、大腿部の形状を整え、着用者のシルエットをすっきりした形に整えることが出来ると共に、股関節を安定にする保護作用も加味され、図6、図7に示したガードルと同様に、全体的に伸縮パワーが強い部分の占める割合が小さめになっており、より一層着用感が楽なタイプのロングタイプのガードルである。
【0063】
なお、上述した実施の形態例2〜4などにおいて示したように、脚部を動かした時に形状変化が大きい大腿直筋が存在する大腿前面の内側よりの個所に、比較的伸縮パワーが弱い領域や、伸縮パワーが中程度の領域など、比較的伸縮パワーが強い領域に比べて、伸縮しやすい領域が少なくとも部分的に当接されるようにすることにより、運動追従性が向上し、着用中における裾ずれなどが起こりにくくなる。
【0064】
実施の形態例5
図10は本発明の裁断されたままの状態で縁始末不要な縁を有し且つ体形補整機能を有する衣料の別の一実施の形態例のセミロングタイプのガードルの背面側から見た斜視図である。図1〜図9に示したガードルと同一機能の部分には同一の符号を付して、重複説明を省略した。
図10に示したガードルは、ヘミングレス部片を用いた前脇−脇−ヒップ部−脚部充当部片1における、比較的伸縮パワーが強い領域9a、9b、9cと、比較的伸縮パワーが弱い領域11a、11bとの2つの伸縮パワーのグレードを有している。そして、比較的伸縮パワーが強い領域9a、9b、9cには、44dtexのナイロン糸と143dtexのポリウレタン糸が用いられ、比較的伸縮パワーが弱い領域11a、11bには、44dtexのナイロン糸と77dtexのポリウレタン糸が用いられているが、前記ナイロン糸として、ダル糸であるつや消しされた糸と、ブライト糸と呼ばれるより光沢感のある糸とを使い分けて用いることにより、各領域の部分が目視可能な縞模様となって現れるようにしている。即ち、図10において、色の濃い暗い部分がナイロンダル糸が使用されている部分で、色の白い部分がナイロンブライト糸が使用されている部分である。図10からも明らかな如く、比較的伸縮パワーが強い領域9a、9b、9c、比較的伸縮パワーが弱い領域11a、11bの各領域の部分が目視可能な縞模様となって現れるようにしている。
比較的伸縮パワーが強い領域9aはバック側のウェスト部を底辺とする逆三角形状に形成されており、逆三角形の頂点の位置が後中心の縫合ライン4上でウェストラインから下に5cmのところにある。この比較的伸縮パワーが強い領域9aが当接される部分は、身体後側で身体が窪んでいる領域である。より具体的には身体の仙骨部位近傍は、身体が窪んでいるが、これら身体後側の窪んでいる部位へのフィット性を向上できる。比較的伸縮パワーが強い領域9bは幅15cmで、ヒップ下部から斜め上に上がり脇を通って、図示していないがフロント側の脇部でウェストラインに至っている。比較的伸縮パワーが強い領域9cは外側面の裾部分から大転子よりも下方部分で大腿部の外側側面方向に斜めに上がり、図示されていないが、フロント側の大腿部を斜めに上がって、内股に到達しており、裾ライン2にこれらの直線状の伸縮パワーの切り替えラインが到達していて、当該裾ライン2の縁始末不要な縁が、比較的伸縮パワーが強い部分9cと比較的伸縮パワーが弱い部分11bが混在する縁となっている。そして当該裾縁の全周囲長の65%(即ち1/2以上4/5以下)が比較的伸縮パワーの強い領域からなる裾縁である。比較的伸縮パワーが強い領域9cが裾縁の全周囲長の65%を占めているので、裾が身体に密着し、ずれにくく、裾が安定した位置に保持されやすくなり好ましい。しかも当該裾縁の全周囲が比較的伸縮パワーの強い領域である場合に比べ、締め付けによる段差が生じにくく好ましい。
【0065】
このタイプは、比較的伸縮パワーが強い領域9bによるヒップアップ機能と比較的伸縮パワーが強い部分9cによる大腿部の形状を整える機能が発揮され、着用者のシルエットをすっきりした形に整えることが出来ると共に、前述したように図の色の濃い暗い部分には、ダル糸であるつや消しされた糸が用いられ、色の白い部分にはブライト糸と呼ばれるより光沢感のある糸が用いられていて、図の色の暗い部分と色の白い部分とが目視可能な縞模様となって、伸縮パワーの強弱の線状ないし帯状の目視可能な模様が現れ、デザイン上、衣料の美感を向上させると同時に、伸縮パワーの強弱の機能領域を視認することができ好ましい。
【0066】
実施の形態例6
図11は本発明の裁断されたままの状態で縁始末不要な縁を有し且つ体形補整機能を有する衣料の別の一実施の形態例のロングタイプのガードルの背面側から見た斜視図である。図1〜図10に示したガードルと同一機能の部分には同一の符号を付して、重複説明を省略した。
図11に示したガードルは、ヘミングレス部片を用いた前脇−脇−ヒップ部−脚部充当部片1における、比較的伸縮パワーが強い領域9a、9b、9cと、比較的伸縮パワーが弱い領域11a、11bとの2つの伸縮パワーのグレードを有している。そして、比較的伸縮パワーが強い領域9a、9b、9cには、44dtexのナイロン糸と143dtexのポリウレタン糸が用いられ、比較的伸縮パワーが弱い領域11a、11bには、44dtexのナイロン糸と77dtexのポリウレタン糸が用いられているが、前記ナイロン糸として、ダル糸であるつや消しされた糸と、ブライト糸と呼ばれるより光沢感のある糸とを使い分けて用いることにより、各領域の部分が目視可能な縞模様となって現れるようにしている。色の濃い暗い部分がナイロンダル糸が使用されている部分で、色の白い部分がナイロンブライト糸が使用されている部分である。ただし、図10と異なるのは、比較的伸縮パワーが強い領域9a、9b、9cには、ナイロンブライト糸が用いられ、比較的伸縮パワーが弱い領域11a、11bには、ナイロンダル糸が使用されている点である。
比較的伸縮パワーが強い領域9aはバック側のウェスト部を底辺とする逆三角形状に形成されており、逆三角形の頂点の位置が後中心の縫合ライン4上でウェストラインから下に12cmのところにある。この比較的伸縮パワーが強い領域9aがこれら身体後側の窪んでいる部位へのフィット性を向上させている。比較的伸縮パワーが強い領域9bは幅14cmで、ヒップ下部から斜め上に上がり脇を通って、フロント側の脇部でウェストラインに至っている。比較的伸縮パワーが強い領域9cは図示していないが内側面の裾部分から大腿下部を外側側面方向に斜めに上がり、大転子を通り、図示されていないが、フロント側の大腿部を斜めに上がって、腹部脇中部に到達している。裾ライン2にこれらの直線状の伸縮パワーの切り替えラインが到達していて、当該裾ライン2の縁始末不要な縁が、比較的伸縮パワーが強い部分9cと比較的伸縮パワーが弱い部分11bが混在する縁となっている。そして当該裾縁の全周囲長の75%(即ち1/2以上4/5以下)が比較的伸縮パワーの強い領域からなる裾縁である。比較的伸縮パワーが強い領域9cが裾縁の全周囲長の75%を占めているので、裾が身体に密着し、ずれにくく、裾が安定した位置に保持されやすくなり好ましい。しかも当該裾縁の全周囲が比較的伸縮パワーの強い領域である場合に比べ、締め付けによる段差が生じにくく好ましい。
【0067】
このタイプは、比較的伸縮パワーが強い領域9bによるヒップアップ機能と比較的伸縮パワーが強い部分9cによる大腿部の形状を整える機能が発揮され、着用者のシルエットをすっきりした形に整えることが出来ると共に、股関節を安定にする保護作用も加味され、前述したように図の色の濃い暗い部分には、ダル糸であるつや消しされた糸が用いられ、色の白い部分にはブライト糸と呼ばれるより光沢感のある糸が用いられていて、図の色の暗い部分と色の白い部分とが目視可能な縞模様となって、伸縮パワーの強弱の線状ないし帯状の目視可能な模様が現れ、デザイン上、衣料の美感を向上させると同時に、伸縮パワーの強弱の機能領域を視認することができ好ましい。
【0068】
実施の形態例7
図12は本発明の裁断されたままの状態で縁始末不要な縁を有し且つ体形補整機能を有する衣料の別の一実施の形態例の足首丈のスパッツの背面側から見た斜視図、図13は図12のスパッツの正面側から見た斜視図である。図1〜図11に示したガードルと同一機能の部分には同一の符号を付して、重複説明を省略した。
図12、図13に示したスパッツは、ヘミングレス部片を用いた前脇−脇−ヒップ部−脚部充当部片1における、比較的伸縮パワーが強い領域9a、9b、9c、9dと、比較的伸縮パワーが弱い領域11a、11b、11c、11d、11eとの2つの伸縮パワーのグレードを有している。そして、比較的伸縮パワーが強い領域9a、9b、9c、9dには、44dtexのナイロンダル糸と143dtexのポリウレタン糸が用いられ、比較的伸縮パワーが弱い領域11a、11b、11c、11d、11eには、44dtexのナイロンブライト糸と77dtexのポリウレタン糸が用いられて、各領域の部分が目視可能な縞模様となって現れるようにしている。
比較的伸縮パワーが強い領域9aは幅5cmで、ヒップ下部から斜め上に上がり腹部上部脇に至っていてヒップアップ機能を発揮している。比較的伸縮パワーが強い領域9bは幅15cmで大腿部内側の中間からバック側の大腿部を斜めに上がって、大転子に相当する位置13を通り、中腹部脇側に至っており、その他の比較的伸縮パワーが強い領域9cは、幅3cmで、図示したように間隔を隔てて、領域9bと平行に、大腿部内側の中間からバック側の大腿部を斜めに上がって下腹部脇側に至っており、比較的伸縮パワーが強い領域9dは、幅3cmで、図示したように間隔を隔てて、領域9cと平行に、大腿部内側の中間からバック側の大腿部を斜めに上がって内股部に至っている。
尚、腹部充当部片6は、図の色の濃い暗い部分(比較的伸縮パワーが強い領域)には、44dtexのナイロンダル糸と143dtexのポリウレタン糸が用いられ、図の色の白い部分(比較的伸縮パワーが弱い領域)には、44dtexのナイロンブライト糸と77dtexのポリウレタン糸が用いられて1×1のトリコットである前述した編み組織の布で作成されていて、上側の縁7は裁断されたままの状態で縁始末不要な縁になっている。
【0069】
このタイプは、比較的伸縮パワーが強い領域9aによるヒップアップ機能と比較的伸縮パワーが強い部分9b、9d、9eによる大腿部の形状を整える機能が発揮され、着用者のシルエットをすっきりした形に整えることが出来ると共に、比較的伸縮パワーが強い領域9bが、大転子に相当する位置13を通っているので、股関節を安定にする保護作用も加味され、前述したように図の色の濃い暗い部分には、ダル糸であるつや消しされた糸が用いられ、色の白い部分にはブライト糸と呼ばれるより光沢感のある糸が用いられていて、図の色の暗い部分と色の白い部分とが目視可能な縞模様となって、伸縮パワーの強弱の帯状の目視可能な模様が現れ、デザイン上、衣料の美感を向上させると同時に、伸縮パワーの強弱の機能領域を視認することができ好ましい。
【0070】
実施の形態例8
図14は本発明の裁断されたままの状態で縁始末不要な縁を有し且つ体形補整機能を有する衣料の別の一実施の形態例のロングタイプのガードルの背面側から見た斜視図、図15は図14に示したロングタイプのガードルの正面側から見た斜視図である。図1〜図11に示したガードルと同一機能の部分には同一の符号を付して、重複説明を省略した。
図14、図15に示したガードルは、図4、図5に示したガードルと、前者がロングタイプのガードル、後者がセミロングタイプのガードルの違いを除いて、図面上では似て見えるが、図14、図15に示したロングタイプのガードルは、比較的伸縮パワーが強い領域9aが、連続した1本の帯状の領域であり、螺旋状に、前裾から、大腿内側を通り、大転子に相当する位置13より下側の大腿部を斜め上に通って、前側の大腿を斜めに横切り、内股下を通り、ヒップの下部から斜め上に上がり腹部上部脇に至っている。11a、11bは比較的伸縮パワーが弱い領域である。
比較的伸縮パワーが強い領域9aは幅10cmで、裾ライン2にこれらの直線状の伸縮パワーの切り替えラインが到達していて、当該裾ライン2の縁始末不要な縁が、比較的伸縮パワーが強い部分9aと比較的伸縮パワーが弱い部分11bが混在する縁となっている。
【0071】
この衣料は、ヒップアップ機能と大腿部の形状を整え、着用者のシルエットをすっきりした形に整えることが出来ると共に、股関節を安定にする保護作用も加味されたスパッツが提供である。
【0072】
実施の形態例9
図16は本発明の裁断されたままの状態で縁始末不要な縁を有し且つ体形補整機能を有する衣料の別の一実施の形態例のセミロングタイプのガードルの背面側から見た斜視図、図17は図16に示したセミロングタイプのガードルの正面側から見た斜視図である。図1〜図11に示したガードルと同一機能の部分には同一の符号を付して、重複説明を省略した。
図16、図17に示したガードルは、図1〜図11に示したガードルと、ヘミングレス部片を用いた前脇−脇−ヒップ部−脚部充当部片1における、比較的伸縮パワーが強い領域9a、9bと、比較的伸縮パワーが弱い領域11a、11bの長さ方向の向き、言い換えれば、直線状の伸縮パワーの切り替えラインの傾斜が、図1〜図11に示したガードルと反対向きの傾斜になっている点が異なる。
即ち、図1〜図11に示したガードルは、弾性糸による比較的伸縮パワーの強い領域が、衣料バック側においては、身体の外側に向かって斜めに上がり、衣料フロント側においては、身体の前中心側に向かって斜めに上がる領域であるのに対し、図16、図17に示したガードルは、弾性糸による比較的伸縮パワーの強い領域が、衣料バック側においては、身体の外側に向かって斜めに下がり、衣料フロント側においては、身体の前中心側に向かって斜めに下がる領域である。
比較的伸縮パワーが強い領域9aはウェストまわりをしっかり押さえて、ウェストまわりをすっきりした形状に整える。比較的伸縮パワーが強い領域9bは幅11cmで、臀部中部から斜め外側に下がり、大転子に相当する位置13を通り、大腿部上部から大腿部を斜めに下がって、大腿部内側までカバーしている。
【0073】
このタイプは、大腿部の形状を整え、着用者のシルエットをすっきりした形に整えることが出来ると共に、股関節を安定にする保護作用も加味されたタイプのガードルである。
【0074】
以上、いくつかの実施の形態例について説明したが、これらの具体的な実施の形態例に記載の態様に限らず、衣料縁部を裁断したままの縁部始末を行わない(不要な)縁部とする場合の、素材の編み組織は、下記いずれかが好ましい。
【0075】
▲1▼弾性糸と非弾性糸を同行させた1×1編み組織で、弾性糸が開き目、非弾性糸が閉じ目。
【0076】
▲2▼弾性糸と非弾性糸を同行させた1×1編み組織で、弾性糸、非弾性糸共に閉じ目。
【0077】
また、比較的伸縮パワーの強い部分と比較的伸縮パワーの弱い部分などの伸縮パワーは、衣料の種類、衣料の部位、着用者の好みによって、適宜設定すればよいので、特に制限はない。近年は、比較的女性の体型もスリムになってきているので、平均的にやや伸縮パワーの弱めのものが好まれる傾向にある。
【0078】
従って、伸縮パワーの具体的値は特に限定するものではないが、比較的伸縮パワーの強い部分の伸縮パワーとしては、素材縦方向(ウェール方向)で785〜1471mN(80〜150gf)の伸縮パワーの範囲から適宜選定することが好ましい。また、比較的伸縮パワーの弱い部分の伸縮パワーとしては素材縦経方向(ウェール方向)で588〜1177mN(60〜120gf)の範囲から適宜選定することが好ましい。尚、比較的伸縮パワーの弱い部分と比較的伸縮パワーの強い部分の伸縮パワーの比率は、比較的伸縮パワーの弱い部分を1とすると、比較的伸縮パワーの強い部分は1.1〜1.5が好ましく、より好ましくは1.2〜1.5、更に一層好ましくは1.3〜1.5の範囲である。
【0079】
部片(P)の伸縮パワーを測定する必要がある場合には、次の引張り試験を行って測定することができる。
【0080】
素材経方向(ウェール方向)が試験片の長さ方向になるように幅2.5cm×長さ16.0cmの試験片を作成し、その長さ方向を上下方向に向けてその両端をクリップでつかむ。上部つかみ長さを2.5cm、下部つかみ長さを3.5cmとし、従ってつかみ間隔は10.0cmとして定速伸長形引張試験機(島津製作所製“オートグラフ”AG−500D)に取り付け、30±2cm/分の速度で試験片を伸度80%まで伸ばす。この際、伸度30%時点で試験片に掛かっている応力を記録しこれを伸長パワー(単位mN)とし、次に伸度80%まで伸ばした試験片に掛かる応力を取り去ると、試験片が元の長さに戻ろうとして収縮するが、伸度30%まで回復した時の試験片に掛かる応力を伸縮パワー(単位mN)とする。これらの値は、上記引張試験機により自動的に記録される様に設定しておく。尚、伸長パワー、伸縮パワーとも、これらのデータは試験片2つの平均値を求めてそれぞれ伸長パワー、伸縮パワーとした。
【0081】
ここで、伸度(%)とは、伸ばした状態で伸び方向の試験片の長さをd、伸ばす前の試験片の元の長さ(すなわちつかみ間隔)をeとすると、[(d−e)/e]×100の値である。
【0082】
尚、伸長パワーや伸縮パワーの測定の際に試験片の大きさとしては、前述のような大きさのものを用いることが好ましいが、かかる大きさの試料が測定対象の衣料から切り出せない場合にはそれより小さくして測定しても差し支えない(ただし換算必要)。しかし、試験片の大きさが小さくなるほど、測定誤差が大きくなるので、切り出せる範囲でできるだけ大きな試験片を採取して測定することが好ましい。
【0083】
尚、各実施の形態例で用いた裁断されたままの状態で縁始末不要な縁を有する伸縮性の経編地からなる部片用の経編地は、ヒートセット処理を7チャンバー構成(チャンバーの合計長さが約21m)の装置を用いて、温度190℃で18m/分で行った。また、各実施の形態例で用いた前記伸縮性の経編地からなる部片用の経編地の編み密度(ウエール)、非弾性糸のランナーと弾性糸のランナーは、次の表1の通りである。
【0084】
【表1】
Figure 2004323986
【0085】
【発明の効果】
本発明の体形補整機能を有する衣料は、縁の部分が厚くならず、裾あるいはウェストラインが外衣に反映して凹凸となって現れることなどのない縁始末不要な縁を有する衣料の利点を有し、比較的伸縮パワーの強い領域を略帯状に大腿部に斜めに当接される様に配置することにより、比較的伸縮パワーの強い領域が大腿を長さ方向に対して直角方向に輪状に配置する場合と同等以上の面積を占めても圧迫感などが軽減され、着用感が低下することなく、体型補整に必要な領域に必要な方向で比較的伸縮パワーの強い領域を設け、比較的伸縮パワーの強い領域と弱い領域の境界が段差になって現れにくい大腿部をすっきりした形状に補整し得る着用感が良好な体型補整機能を有する衣料を提供出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の裁断されたままの状態で縁始末不要な縁を有し且つ体形補整機能を有する衣料の一実施の形態例のセミロングタイプのガードルの背面側から見た斜視図。
【図2】図1に示したセミロングタイプのガードルの正面側から見た斜視図。
【図3】図1、図2に示したセミロングタイプのガードルの着用者の左側に相当する前脇−脇−ヒップ部−脚部充当部片1の裁断ラインを編地上に示した平面図及びクロッチ部片の平面図。
【図4】本発明の裁断されたままの状態で縁始末不要な縁を有し且つ体形補整機能を有する衣料の別の一実施の形態例のセミロングタイプのガードルの背面側から見た斜視図。
【図5】図4に示したセミロングタイプのガードルの正面側から見た斜視図。
【図6】本発明の裁断されたままの状態で縁始末不要な縁を有し且つ体形補整機能を有する衣料の別の一実施の形態例のセミロングタイプのガードルの背面側から見た斜視図。
【図7】図6に示したセミロングタイプのガードルの正面側から見た斜視図。
【図8】本発明の裁断されたままの状態で縁始末不要な縁を有し且つ体形補整機能を有する衣料の別の一実施の形態例のロングタイプのガードルの背面側から見た斜視図。
【図9】図8に示したロングタイプのガードルの正面側から見た斜視図。
【図10】本発明の裁断されたままの状態で縁始末不要な縁を有し且つ体形補整機能を有する衣料の別の一実施の形態例のセミロングタイプのガードルの背面側から見た斜視図。
【図11】本発明の裁断されたままの状態で縁始末不要な縁を有し且つ体形補整機能を有する衣料の別の一実施の形態例のロングタイプのガードルの背面側から見た斜視図。
【図12】本発明の裁断されたままの状態で縁始末不要な縁を有し且つ体形補整機能を有する衣料の別の一実施の形態例の足首丈のスパッツの背面側から見た斜視図。
【図13】図12のスパッツの正面側から見た斜視図。
【図14】本発明の裁断されたままの状態で縁始末不要な縁を有し且つ体形補整機能を有する衣料の別の一実施の形態例のロングタイプのガードルの背面側から見た斜視図。
【図15】図14に示したロングタイプのガードルの正面側から見た斜視図。
【図16】本発明の裁断されたままの状態で縁始末不要な縁を有し且つ体形補整機能を有する衣料の別の一実施の形態例のセミロングタイプのガードルの背面側から見た斜視図。
【図17】図16に示したセミロングタイプのガードルの正面側から見た斜視図。
【図18】本発明で用いる伸縮性経編地の編組織。
【図19】本発明で用いる伸縮性経編地の編組織。
【図20】本発明で用いる伸縮性経編地の編組織。
【図21】本発明で用いる、衣料の一部を構成する部片(P)の模式的平面図。
【図22】本発明で用いる、衣料の一部を構成する部片(P)の別の模式的平面図。
【図23】従来法で用いる、衣料の一部を構成する部片の模式的平面図。
【図24】従来法で用いる、衣料の一部を構成する部片の別の模式的平面図。
【符号の説明】
1 前脇−脇−ヒップ部−脚部充当部片
2 裾ライン
3 ウェストライン
4 後中心の縫合ライン
5 縫合ライン
6 腹部充当部片
7 腹部充当部片の上縁
8 脚部と臀部の境界を示すための仮想点線
9a、9b、9c、9d 比較的伸縮パワーが強い領域
10a、10b、10c 伸縮パワーが中程度の領域
11a、11b、11c、11d、11e 比較的伸縮パワーが弱い領域
16 生地
30 クロッチ部片
80 非弾性糸
81 弾性糸
90 編地
91 縁始末不要な縁(下の縁)
92 縁始末不要な縁(上の縁)
93 比較的伸縮パワーが強められた領域
93a、93b 比較的伸縮パワーの強い領域93の伸縮パワーの切り替えライン
94 縁始末不要な縁91の方向
95 編み方向(糸の供給方向)
96 縁始末不要な縁92の方向
100 編地
101 縁始末不要な縁
102 上縁
103 比較的伸縮パワーの強い領域
103a、103b 伸縮パワーの切り替えライン
104 縁始末不要な縁101の方向
105 編地の編み方向
106 上縁102ラインの方向

Claims (13)

  1. 裁断されたままの状態で縁始末不要な縁を有し、且つ弾性糸により比較的伸縮パワーの強い領域が少なくとも1つ形成されていて、それらの伸縮パワーの切り替えラインは編み方向と同一方向を向いた直線状であって、弾性糸と非弾性糸とから構成される伸縮性の経編地からなる部片(P)を、衣料を構成する生地の少なくとも一部に用いた、股部を有し、ウェストライン部から少なくとも大腿部の一部までをカバーする下半身用衣料であって、前記衣料のウェストライン部又は裾部の少なくとも一方の縁が前記部片(P)の裁断されたままの状態で縁始末不要な縁からなっており、当該部片(P)の前記伸縮パワーの切り替えラインの方向と、当該衣料の縁始末不要な裁断されたままの状態の縁のラインのうち少なくとも一つの縁のラインの方向とが、相互に非平行であって、且つ前記弾性糸による比較的伸縮パワーの強い領域の少なくとも1つが、略帯状に大腿部に斜めに当接される様に配置されている体形補整機能を有する衣料。
  2. 衣料の裾部及びウェストライン部のいずれもが当該部片(P)の裁断されたままの状態で縁始末不要な縁からなり、当該裾部及びウェストライン部から選ばれたいずれか一方の縁のラインの方向が、当該部片(P)の伸縮パワーの切り替えラインの方向と相互に非平行である請求項1に記載の体形補整機能を有する衣料。
  3. 衣料の裾部及びウェストライン部のいずれもが当該部片(P)の裁断されたままの状態で縁始末不要な縁からなり、当該裾部及びウェストライン部の縁のラインの方向のいずれもが、当該部片(P)の伸縮パワーの切り替えラインの方向と相互に非平行である請求項1に記載の体形補整機能を有する衣料。
  4. 弾性糸による比較的伸縮パワーの強い領域が、衣料バック側においては、身体の外側に向かって斜めに上がり、衣料フロント側においては、身体の前中心側に向かって斜めに上がる領域である請求項1〜3のいずれかに記載の体形補整機能を有する衣料。
  5. 弾性糸による比較的伸縮パワーの強い領域が、身体の大転子を含んだ部位に当接されるものを含む請求項1〜4のいずれかに記載の体形補整機能を有する衣料。
  6. 弾性糸による比較的伸縮パワーの強い領域が、身体の大転子下方の大腿部を含んだ部位に当接されるものを含む請求項1〜4のいずれかに記載の体形補整機能を有する衣料。
  7. 弾性糸による比較的伸縮パワーの強い領域が裁断されたままの状態で縁始末不要な縁からなる裾縁に至っている請求項1〜6のいずれかに記載の体形補整機能を有する衣料。
  8. 弾性糸による比較的伸縮パワーの強い領域が裁断されたままの状態で縁始末不要な縁からなる裾縁に至っていて、当該裾縁の全周囲長の1/2以上が比較的伸縮パワーの強い領域からなる裾縁である請求項1〜7のいずれかに記載の体形補整機能を有する衣料。
  9. 弾性糸による比較的伸縮パワーの強い領域として、ヒップの下部から脇に当接する領域を含む請求項1〜8のいずれかに記載の体形補整機能を有する衣料。
  10. 比較的伸縮パワーの弱い領域が、大腿の下方内側から、大腿フロント側を通り、身体の外側に向かって斜めに上がっている請求項1〜9のいずれかに記載の体形補整機能を有する衣料。
  11. 衣料が、衣料全体が身体に密着するヒップ部を有する衣料である請求項1〜10のいずれかに記載の体形補整機能を有する衣料。
  12. 非弾性糸として、ブライト糸とダル糸を使用し、ブライト糸を編み込んだ部分とダル糸を編み込んだ部分を編み分けにより形成し、所望箇所にブライト糸とダル糸の光沢の差異による、線状ないし帯状の目視可能な模様が形成されている請求項1〜11のいずれかに記載の体形補整機能を有する衣料。
  13. 弾性糸の太さ、編み込み本数の少なくともいずれかを変えた伸縮パワーの異なる複数の領域の各領域に同時に編み込まれている非弾性糸を、それぞれブライト糸とダル糸を使い分けて使用することにより、伸縮パワーの相違部分を目視可能な模様部分にしてなる請求項12に記載の体形補整機能を有する衣料。
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