JP2004323696A - 不飽和ポリエステル樹脂、レジンコンクリート組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ジシクロペンタジエン、不飽和多塩基性カルボン酸もしくはそれと飽和多塩基性カルボン酸及び多価アルコールとして(A)グリセリンと(B)数平均分子量が200以上のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールおよびポリブチレングリコールの群から選ばれた少なくとも1種のポリアルキレングリコールから得られた不飽和ポリエステルと重合性不飽和単量体からなるレジンコンクリート用不飽和ポリエステル樹脂、および該不飽和ポリエステル樹脂と骨材及び充填材を含む不飽和ポリエステル樹脂レジンコンクリート組成物。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は硬化時の収縮が少なく、クラックの発生がなく、寸法精度に優れた成形物が得られ、かつ高強度で、成形品外観に優れることを特長とする不飽和ポリエステル樹脂、および不飽和ポリエステル樹脂レジンコンクリート組成物である。
【0002】
【従来の技術】
不飽和ポリエステル樹脂を含むレジンコンクリートは、マンホール、管材、下水ます等の上下水道関連製品や、セメントコンクリートのひび割れ補修及び灯篭等の景観成形品等に用いられる。
従来、不飽和ポリエステル樹脂レジンコンクリート組成物は、不飽和ポリエステル樹脂、低収縮化剤、骨材及び充填剤からなるタイプと、低収縮化剤を使用せずに樹脂自体が低収縮性である不飽和ポリエステル樹脂と骨材及び充填材からなるタイプの2種類のタイプがある。
【0003】
前述した低収縮化剤を使用しないタイプのレジンコンクリートとしては、樹脂の収縮性を低下させるために、アルコール成分の一種にジシクロペンタジエンを使用した不飽和ポリエステル樹脂を用いるレジンコンクリート組成物が提案されている(例えば特許文献1及び特許文献2参照)。上記特許文献1では、ジシクロペンタジエンを用いた不飽和ポリエステル樹脂の製造方法が開示されている。特許文献2においては、アルコール成分としてジシクロペンタジエンと、ジあるいはトリアルキレングリコールを用いた不飽和ポリエステル樹脂レジンコンクリート組成物を提案している。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−049849号公報
【特許文献2】
特開2000−095928号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のジシクロペンタジエンを使用した不飽和ポリエステル樹脂レジンコンクリート組成物は、不飽和ポリエステル樹脂が比較的低収縮であるため、レジンコンクリートの表面のひけ、成形品の反り等には有効であったが、樹脂自体に脆さがあるため、強度が低く、また耐クラック性が低下していた。
本発明は、不飽和ポリエステル樹脂レジンコンクリート組成物として、低収縮剤化剤を使用せずに硬化時の収縮が少なく、寸法精度、成形外観に優れ、かつ高強度で耐クラック性に優れた成形物を与える不飽和ポリエステル樹脂およびそれを用いた不飽和ポリエステル樹脂レジンコンクリート組成物の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
[1] ジシクロペンタジエン、不飽和多塩基性カルボン酸もしくはそれと飽和多塩基性カルボン酸及び多価アルコールとして(A)グリセリンと(B)数平均分子量が200以上のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールおよびポリブチレングリコールの群から選ばれた少なくとも1種のポリアルキレングリコール(本発明においてはこれらのグリコール類を一括して「ポリアルキレングリコール等」と略記する。)から得られた不飽和ポリエステルと重合性不飽和単量体からなることを特徴とするレジンコンクリート用不飽和ポリエステル樹脂。
【0007】
[2] 不飽和多塩基性カルボン酸又は飽和多塩基性カルボン酸がそのカルボン酸無水物であってもよい多塩基性カルボン酸である上記[1]に記載のレジンコンクリート用不飽和ポリエステル樹脂組成物。
[3] 上記[1]又は[2]に記載の不飽和ポリエステル100重量部に対し、重合性不飽和単量体20〜65重量部を配合したレジンコンクリート用不飽和ポリエステル樹脂組成物。
【0008】
[4] 多価アルコールとして(A)グリセリンと(B)数平均分子量が200以上のポリアルキレングリコール等を、モル比でA/B=0.5〜10の範囲で配合した上記[1]に記載のレジンコンクリート用不飽和ポリエステル樹脂。
[5] ジシクロペンタジエン1モルに対し、多価アルコール0.5〜2当量(ヒドロキシル基当りの当量)の範囲で配合した上記[1]に記載のレジンコンクリート用不飽和ポリエステル樹脂。
[6](B)成分の数平均分子量が200以上のポリアルキレングリコール等がOH当量比にして0.03〜0.3の範囲で配合した上記[1]に記載のレジンコンクリート用不飽和ポリエステル樹脂。
【0009】
[7] 上記[1]ないし[5]に記載の不飽和ポリエステル樹脂と骨材及び充填材を含むことを特徴とする不飽和ポリエステル樹脂レジンコンクリート組成物。
[8] 不飽和ポリエステル樹脂100重量部に対し、骨材及び充填材の合計300〜1900重量部を配合した上記[7]に記載の不飽和ポリエステル樹脂レジンコンクリート組成物。
[9] 上記[7]または[8]に記載の不飽和ポリエステル樹脂レジンコンクリート組成物を成形してなることを特徴とする成形品。を開発することにより上記の課題を解決した。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明において、「不飽和ポリエステル」とは、不飽和多塩基性カルボン酸とジシクロペンタジエン、グリセリンおよびポリアルキレングリコール等を縮合反応させたポリエステル縮合物を指し、「不飽和ポリエステル樹脂」とは、不飽和ポリエステルに重合性不飽和単量体を配合したものを指し、「不飽和ポリエステル樹脂レジンコンクリート」とは不飽和ポリエステル樹脂に骨材などを配合したレジンコンクリート用配合物を指す。
本発明で用いる不飽和ポリエステルは、酸成分として不飽和多塩基性カルボン酸もしくはそれと飽和多塩基性カルボン酸及びアルコール成分としてジシクロペンタジエンおよび多価アルコールを用いる。なお多価アルコールとして(A)グリセリンと(B)数平均分子量が200以上のポリアルキレングリコール等を原料として用いる。
【0011】
不飽和ポリエステルの原料とする不飽和多塩基性カルボン酸としては、例えばマレイン酸、フマル酸、メサコン酸、テトラコン酸、イタコン酸又は対応するカルボン酸無水物等が挙げられる。また縮合反応の発熱温度、樹脂物性の調整等の必要に応じて飽和多塩基性カルボン酸を不飽和多塩基性カルボン酸と併用しても良い。不飽和多塩基性カルボン酸と併用する飽和多塩基性カルボン酸としては、例えばオルソフタル酸又はその酸無水物、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸又はその酸無水物、ハロゲン化無水フタル酸、ヘット酸、アジピン酸、コハク酸又はその酸無水物、セバシン酸等が挙げられ、2種類以上を併用しても良い。
【0012】
不飽和ポリエステルを形成するアルコール成分としては、アルコール性のヒドロキシル基はないがジシクロペンタジエンは1価のアルコール(1分子量がヒドロキシル基1当量)として計算しする。多価アルコールとしては、(A)グリセリン、(B)数平均分子量が200〜4000、好ましくは300〜3500、より好ましくは400〜3000のポリアルキレングリコール等を使用する。
なお反応に際しての硬化発熱温度、物性の調整等の必要に応じて、その他に以下のような低分子の多価アルコールを併用しても構わない。例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,2ブタンジオール、1,3ブタンジオール、1,4ブタンジオール、1,6ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、2−メチル,1,3プロパンジオール等のジオール類、水素化ビスフェノールA、ビスフェノールAエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等を付加したグリコール類、トリメチロールプロパン等のトリオール類(以下これらの多価アルコールを「低級多価アルコール」ということもある。)が挙げられ、2種類以上を併用しても良い。
【0013】
本発明で使用する(B)成分(=数平均分子量で200以上のポリアルキレングリコール等)は、通常のジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコールと異なり、(B)成分は高分子量のフラクションを有しており、この高分子量フラクションと(A)成分のグリセリンとを組合せたことにより、高性能な成形品と物性を得ることができたと推定している。
【0014】
ジシクロペンタジエン1モルに対し、多価アルコール((A)グリセリンと(B)数平均分子量が200以上のポリアルキレングリコール等の合計)0.5〜2.0当量、好ましくは0.7〜1.5当量(ヒドロキシル基当りの当量)の範囲で配合する。多価アルコール成分の配合が0.5を下回るときは硬化においての収縮が少ないが、強度が低下する。逆に1.5当量を上回る配合においては収縮が大きくなり寸法精度が低下するので好ましくない。
多価アルコールとして(A)グリセリンと(B)数平均分子量が200以上のポリアルキレングリコール等をモル比でA/B=0.5〜10、好ましくは0.8〜7の範囲で配合する。この配合比が0.5より小さいときは充分な硬度が得られなくなり、10を超えるときにはコンクリートが脆くなる
【0015】
また全OH基成分(ジシクロペンタジエン、(A)成分および(B)成分の合計)中の(B)成分、即ちポリアルキレングリコール等の配合量は、OH当量比にして0.03〜0.3の範囲で配合する。この範囲外においては硬化時の収縮が大きくなったり、寸法精度が低下したり、強度が不十分となったり、クラックが発生しやすくなったりして好ましくない。
【0016】
本発明におけるジシクロペンタジエンで変性した不飽和ポリエステルの製造方法としては、(1)カルボン酸、ポリアルキレングリコール等、ジシクロペンタジエンを同時に仕込み一挙に縮合させて同時に縮合反応させる一段法、(2)カルボン酸及びポリアルキレングリコール等をまず縮合させ、その反応の途中でジシクロペンタジエンを加え縮合反応させる二段法、(3)無水カルボン酸とジシクロペンタジエンを水の存在下において付加させ、その後ポリアルキレングリコール、多塩基性カルボン酸等を仕込み反応する方法等があるが、いずれの方法を用いても良い。また反応に際しジシクロペンタジエンの加熱解離によるシクロペンタジエンと不飽和酸が反応して生成する、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸が存在することもある。
【0017】
本発明で使用する重合性不飽和単量体としては、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、クロルスチレン等のスチレン誘導体、アクリル酸又はメタクリル酸のアルキルエステル類、酢酸ビニル等が挙げられ、特に製品の機械的物性、耐水性などの物性、およびコストなどの面からからスチレンが好ましい。
不飽和ポリエステル樹脂における重合性不飽和単量体の配合量は、不飽和ポリエステル100重量部に対し20〜65重量部、好ましくは20〜55重量部である。20重量部以下の配合では硬化体の機械的物性、耐水性が不十分となり、また65重量部を超える配合では収縮性が大きくなり、成形体にクラックが発生しやすくなる。
【0018】
不飽和ポリエステル樹脂を製造する時に、重合性不飽和単量体の重合によるゲル化防止の目的で重合禁止剤を使用する。例えばハイドロキノン、ターシャリブチルカテコール、ターシャリブチルハイドロキノン、メチルハイドロキノン、パラベンゾキノン等が用いられ、2種類以上を併用しても良い。
その他配合剤としては、通常の不飽和ポリエステル樹脂で使用されている添加剤を使用することができ、例えば硬化剤、硬化促進剤等がある。
また用途および性能に応じて、各種添加剤を使用しても良い。例えば、離型剤、紫外線吸収剤、顔料、減粘剤、可塑剤、難燃剤、補強材、光硬化剤等を使用しても良い。
【0019】
不飽和ポリエステル樹脂の硬化剤としては過酸化物系が使用でき、使用条件に応じて適宣なものを用いることができる。例えばジアシルパーオキサイド系、パーオキシエステル系、ジアリルパーオキサイド系、ケトンパーオキサイド系、パーオキシケタール系、アルキルパーエステル系、パーオキシカーボネート系等のものが使用され、2種類以上を併用しても良い。
硬化促進剤としては例えば、ナフテン酸コバルト、オクテン酸コバルト、ナフテン酸銅、バナジルアセチルアセテート、鉄アセチルアセテート、N、N−ジメチルアニリン等が挙げられる。
【0020】
レジンコンクリートとするための骨材としては、例えば砕石、砂、寒水石、大理石、石灰石、川砂等が用いられる。用いる骨材の平均粒径は、成形品の大きさ、厚さ等によって異なるが、通常は0.05〜50mm、好ましくは0.1〜20mmである。
充填材としては例えば炭酸カルシウム、フライアッシュ、ガラス粉、水酸化アルミニウム、大理石屑等が挙げられる。充填材の平均粒径は0.5μm〜20μm程度である。
【0021】
これらの原料からなる不飽和ポリエステル樹脂レジンコンクリート組成物は、不飽和ポリエステルを重合性不飽和単量体で希釈した不飽和ポリエステル樹脂25〜5重量部に対して、骨材、充填材の総和が75〜95重量部(不飽和ポリエステル樹脂との合計量100重量部)配合することによって得られる。
換言すれば、不飽和ポリエステル樹脂100重量部に対して骨材、充填材の合計を300〜1900重量部、好ましくは400〜1200重量部を配合することによって得られる。
【0022】
本発明の不飽和ポリエステル樹脂レジンコンクリート組成物の特徴は、以上のような成分において、特に全OH基成分として、ジシクロペンタジエン、(A)グリセリンおよび(B)数平均分子量が200以上のポリアルキレングリコールを含有することである。
【0023】
本発明のレジンコンクリート組成物の成形方法としては、型枠に流し込む注形成形、円筒状の型を回転させながら流し込む遠心成形、プレス機による圧縮成形等がある。本発明のレジンコンクリート組成物より得られる成形品には、マンホール、集水蓋、CCボックス、人工大理石、カーストップ等が挙げられる。成形方法としては、型枠に流し込む注形成形、円筒状の型を回転させながら流し込む遠心成形、プレス機による圧縮成形等がある。
【0024】
[実施例]
以下に本発明の実施例によって詳細を説明するが本発明は実施例に限定されるものではない。
【0025】
(合成例1)
ジシクロペンタジエン669g、水91g、無水マレイン酸451gを4つ口フラスコ内に仕込み、不活性ガス雰囲気中で、135℃で2時間反応した。その後、グリセリン85g、ポリエチレングリコール(数平均分子量400)368g仕込み、徐々に210℃まで昇温し、酸価が35以下になったところで反応を終了した。フラスコ内温度が140℃以下になった時にスチレンモノマーを599g、ハイドロキノン0.2g投入した。その後、フラスコ内温度が40℃以下になった時、ナフテン酸コバルト6g添加した。そこで得た不飽和ポリエステル樹脂をG−1とした。
【0026】
(合成例2)
ジシクロペンタジエン582g、水79g、無水マレイン酸392gを4つ口フラスコ内に仕込み、不活性ガス雰囲気中で、135℃で2時間反応した。その後、グリセリン111g、ポリエチレングリコール(数平均分子量1600)320g仕込み、徐々に210℃まで昇温し、酸価が35以下になったところで反応を終了した。フラスコ内温度が140℃以下になった時にスチレンモノマーを600g、ハイドロキノン0.2g投入した。その後、フラスコ内温度が40℃以下になった時、ナフテン酸コバルト6g添加した。そこで得た不飽和ポリエステル樹脂をG−2とした。
【0027】
(合成例3)
ジシクロペンタジエン560g、水76g、無水マレイン酸340g、無水フタル酸57gを4つロフラスコ内に仕込み、不活性ガス雰囲気中で、135℃で2時間反応した。その後、グリセリン89g、ポリエチレングリコール(分子量Mw400)462gを仕込み、徐々に210℃まで昇温し、酸価が35以下になったところで反応を終了した。フラスコ内温度が140℃以下になった時にスチレンモノマーを457g、ハイドロキノン0.17gを投入した。その後、フラスコ内温度が40℃以下になった時、ナフテン酸コバルト5、2g添加した。そこで得た不飽和ポリエステル樹脂をG−3とした。
【0028】
(比較合成例1)
ジシクロペンタジエン589g、水80g、無水マレイン酸397gを4つ口フラスコ内に仕込み、不活性ガス雰囲気中で、130℃で2時間反応した。その後、ポリエチレングリコール(数平均分子量200)405g仕込み、徐々に210℃まで昇温し、酸価が35以下になったところで反応を終了した。フラスコ内温度が140℃以下になった時にスチレンモノマーを599g、ハイドロキノン0.2g投入した。その後、フラスコ内温度が40℃以下になった時、ナフテン酸コバルト6g添加した。そこで得た不飽和ポリエステル樹脂をZ−1とした。
【0029】
(比較合成例2)
ジシクロペンタジエン701g、水95g、無水マレイン酸473gを4つ口フラスコ内に仕込み、不活性ガス雰囲気中で、130℃で2時間反応した。その後、グリセリン89g、ジエチレングリコール128g仕込み、徐々に210℃まで昇温し、酸価が35以下になったところで反応を終了した。フラスコ内温度が140℃以下になった時にスチレンモノマーを600g、ハイドロキノン0.2g投入した。その後、フラスコ内温度が40℃以下になった時、ナフテン酸コバルト6g添加した。そこで得た不飽和ポリエステル樹脂をZ−2とした。
【0030】
(比較合成例3)
ジシクロペンタジエン701g、水95g、無水マレイン酸473gを4つ口フラスコ内に仕込み、不活性ガス雰囲気中で、130℃で2時間反応した。その後、エチレングリコール91g、ジエチレングリコール104g仕込み、徐々に210℃まで昇温し、酸価が35以下になったところで反応を終了した。フラスコ内温度が140℃以下になった時にスチレンモノマーを600g、ハイドロキノン0.2g投入した。その後、フラスコ内温度が40℃以下になった時、ナフテン酸コバルト6g添加した。そこで得た不飽和ポリエステル樹脂をZ−3とした。
【0031】
合成例1〜3及び比較合成例1〜3で得た樹脂を用いて表1に示す配合比で混練りしたレジンコンクリート組成物を縦60mmラ横60mmラ長さ240mmの金型に流し込み、気泡を取りくためバイブレーターをかけながら充填させた。常温硬化させ、14日静置後、強度測定、線収縮率の測定、金型の汚れ、作業性、成形品外観の確認を行なった。尚、55%メチルエチルパーオキサイドは、商品名パーメックN(日本油脂製)を使用した。
【0032】
曲げ試験はJIS A 1184「ポリエステルレジンコンクリートの曲げ強度試験方法」、圧縮試験はJIS A 1182「ポリエステルコンクリートの圧縮強度試験方法」に準じて測定を行なった。線収縮率は読み取り顕微鏡にて金型枠の寸法とレジコンの寸法の変化を読み取った。
【0033】
クラックの評価に関しては縦40mmラ横40mmラ長さ160mmの金型を用いて、金型の端から20mm間隔を開けて、そこにナットを型内に固定し成形品にナットがインサートされるようにレジコンを成形した。そこで得られた成形品のナット周辺のクラックの状態を目視で観察した。
【0034】
配合を表1に示し、成形品の物性値を表2に示す。
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
グリセリン及びポリアルキレングリコール等を用いた実施例1、実施例2及び実施例3は高強度であり、寸法精度に優れ、更に耐クラック性に優れた成形品を得ることができた。比較例1は柔らかすぎたため、十分な物性を得ることができなかった。比較例2は高強度であるが、十分な寸法精度を得ることができず、更にクラックの発生が確認された。比較例3は比較例2と同様にクラックの発生が確認された。
【0037】
【発明の効果】
本発明の不飽和ポリエステル樹脂レジンコンクリート組成物は、従来の低収縮化剤を使用しないレジンコンクリート組成物より優れた機械的性能と、同等の寸法精度を示し、かつ耐クラック性に優れた成形品外観に優れたレジンコンクリートをが得ることができた。本発明の不飽和ポリエステル樹脂レジンコンクリート組成物は、従来からあるレジンコンクリート成形品すべてに応用でき、硬化時の収縮が少なく寸法精度に優れ、かつ耐クラック性に優れた成形品を効率よく製造することができる。
Claims (9)
- ジシクロペンタジエン、不飽和多塩基性カルボン酸もしくはそれと飽和多塩基性カルボン酸及び多価アルコールとして(A)グリセリンと(B)数平均分子量が200以上のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールおよびポリブチレングリコールの群から選ばれた少なくとも1種のポリアルキレングリコールから得られた不飽和ポリエステルと重合性不飽和単量体からなることを特徴とするレジンコンクリート用不飽和ポリエステル樹脂。
- 不飽和多塩基性カルボン酸又は飽和多塩基性カルボン酸がそのカルボン酸無水物であってもよい多塩基性カルボン酸である請求項1に記載のレジンコンクリート用不飽和ポリエステル樹脂。
- 請求項1または2に記載の不飽和ポリエステル100重量部に対し、重合性不飽和単量体20〜65重量部を配合したレジンコンクリート用不飽和ポリエステル樹脂。
- 多価アルコールとして(A)グリセリンと(B)数平均分子量が200以上のポリアルキレングリコール等を、モル比でA/B=0.5〜10の範囲で配合した請求項1に記載のレジンコンクリート用不飽和ポリエステル樹脂。
- ジシクロペンタジエン1モルに対し、多価アルコール0.5〜2当量(ヒドロキシル基当りの当量)の範囲で配合した請求項1に記載のレジンコンクリート用不飽和ポリエステル樹脂。
- (B)成分の数平均分子量が200以上のポリアルキレングリコール等が、OH当量比にして0.03〜0.3の範囲で配合した請求項1に記載のレジンコンクリート用不飽和ポリエステル樹脂。
- 請求項1ないし6に記載の不飽和ポリエステル樹脂と骨材及び充填材を含むことを特徴とする不飽和ポリエステル樹脂レジンコンクリート組成物。
- 不飽和ポリエステル樹脂100重量部に対し、骨材及び充填材の合計300〜1900重量部を配合した請求項7に記載の不飽和ポリエステル樹脂レジンコンクリート組成物。
- 請求項7または8に記載の不飽和ポリエステル樹脂レジンコンクリート組成物を成形してなることを特徴とする成形品。
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