JP2004099769A - レジンコンクリート用不飽和ポリエステル樹脂およびレジンコンクリート組成物、ならびにその組成物から得られる成形品 - Google Patents

レジンコンクリート用不飽和ポリエステル樹脂およびレジンコンクリート組成物、ならびにその組成物から得られる成形品 Download PDF

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Hirotaka Honda
本 多  宏 隆
Yoichi Hara
原   洋 一
Masanao Fujiyoshi
藤 吉  真 尚
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Abstract

【解決手段】(a)不飽和酸(a1)、アルキレングリコール(a2)、ジシクロペンタジエン(a3)および飽和酸(a4)からなる不飽和ポリエステル組成物と、(b)重合性不飽和単量体とから得られるレジンコンクリート用不飽和ポリエステル樹脂(I)、骨材(II)、充填材(III)、硬化促進剤(IV)および硬化剤(V)から得られる。レジンコンクリート組成物およびその成形品。
【効果】本発明に係るレジンコンクリート用不飽和ポリエステル樹脂を用いることによって、樹脂含有量を低減しながらも成形作業に重要な流動性に優れ、成形後の成形性(脱型性)に優れたレジンコンクリート組成物を得ることができ、さらに低収縮化剤を用いることなく低収縮な成形品を得ることができる。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、レジンコンクリート用不飽和ポリエステル樹脂およびこの樹脂から得られるレジンコンクリート組成物、ならびにその成形品に関する。より詳しくは、不飽和ポリエステル組成物と重合性不飽和単量体とから得られるレジンコンクリート用不飽和ポリエステル樹脂およびこの樹脂から得られるレジンコンクリート組成物、ならびにその組成物から遠心内取り成形により得られる成形品に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
特開2000−95928号公報に記載されているように、不飽和ポリエステルと重合性不飽和単量体とからなる不飽和ポリエステル樹脂組成物、骨材、および充填材を用いたレジンコンクリート組成物は公知であり、工業的にはマンホール、管材、下水ます等の上下水道関連製品、成形品等に用いられている。これらの成形品は、特に遠心成形方法により成形されている。従来のレジンコンクリート、特に粗骨材を含有せず、樹脂含有量が15〜20%と比較的高い範囲のレジンコンクリートには、成形時の硬化収縮によるクラックの発生、および成形型への抱きつきの解決策として、通常、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル等の熱可塑性樹脂からなる低収縮化剤が併用されている。
【0003】
しかし、低収縮化剤それ自体は硬化しないため、得られた成形品の強度が低下する、成形品の表面がべたつく、また季節、気温、硬化炉の温度のばらつき等に起因する硬化時の発熱温度のばらつきにより低収縮効果がばらつき、製品寸法および強度が一定しない等の問題点を有していた。さらには、低収縮化剤の種類によっては不飽和ポリエステル樹脂との相溶性が乏しいため、レジンコンクリートを成形する際の流動性や脱泡性が低下し、製品外観の低下が生じる、または樹脂含有量を高める必要性が生じたためのコストアップにつながる等の問題点も有していた。
【0004】
【発明の目的】
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題を解決しようとするものであって、成形時に優れた流動性を示すとともに優れた成形性(脱型性)を有し、得られた成形品が低収縮性を示すレジンコンクリート組成物を得ることができるレジンコンクリート用不飽和ポリエステル樹脂を提供することを目的としている。さらには、この樹脂から得られるレジンコンクリート組成物、ならびにその成形品を提供することを目的としている。
【0005】
【発明の概要】
本発明者は、上記問題点を解決すべく鋭意研究し、レジンコンクリート用不飽和ポリエステル樹脂に飽和酸を含有させることにより、上記特性を有するレジンコンクリート組成物を得ることができることを見出した。
すなわち、本発明に係るレジンコンクリート用不飽和ポリエステル樹脂は、(a)不飽和酸(a1)、アルキレングリコール(a2)、ジシクロペンタジエン(a3)および飽和酸(a4)からなる不飽和ポリエステル組成物と、(b)重合性不飽和単量体とから得られることを特徴としている。
【0006】
この不飽和ポリエステル組成物(a)は、不飽和酸(a1)を20〜30重量%含有することが好ましく、ジシクロペンタジエン(a3)を30〜40重量%含有することが好ましく、飽和酸(a4)を10〜30重量%含有することが好ましい。また、前記レジンコンクリート用不飽和ポリエステル樹脂は、不飽和ポリエステル組成物(a)80〜60重量部と、重合性不飽和単量体(b)20〜40重量部とを、不飽和ポリエステル組成物(a)と重合性不飽和単量体(b)との総量が100重量部となるように含有することが好ましい。
【0007】
また、本発明に係るレジンコンクリート組成物は、(I)レジンコンクリート用不飽和ポリエステル樹脂、(II)骨材、(III)充填材、(IV)硬化促進剤および(V)硬化剤から得られることを特徴としている。
さらに、本発明に係るレジンコンクリート成形品は、(I)レジンコンクリート用不飽和ポリエステル樹脂、(II)骨材、(III)充填材、(IV)硬化促進剤および(V)硬化剤から、遠心成形法により得ることができることを特徴としている。
【0008】
【発明の具体的説明】
以下、本発明に係るレジンコンクリート用不飽和ポリエステル樹脂、およびこの樹脂から得られるレジンコンクリート組成物、ならびにその成形品について、詳細に説明する。
<(I)レジンコンクリート用不飽和ポリエステル樹脂>
本発明に係るレジンコンクリート用不飽和ポリエステル樹脂(I)は、不飽和ポリエステル組成物(a)と、重合性不飽和単量体(b)とから得ることができる。さらに、不飽和ポリエステル組成物(a)は、不飽和酸(a1)、アルキレングリコール(a2)、ジシクロペンタジエン(a3)および飽和酸(a4)からなる。
(a)不飽和ポリエステル組成物
本発明で用いられる不飽和ポリエステル組成物(a)は、ジシクロペンタジエンで変性した不飽和ポリエステルである。以下に、不飽和ポリエステル組成物(a)の製造方法およびその際に用いることができる原料について説明する。
(a1)不飽和酸
本発明に用いることができる不飽和酸(a1)とは、不飽和結合を有する鎖状または分岐状の二塩基酸またはその酸無水物を意味し、たとえば、マレイン酸、フマル酸等の不飽和二塩基酸およびその酸無水物が挙げられる。不飽和ポリエステル組成物(a)は、この不飽和酸(a1)を、該組成物全量に対して20〜30重量%含有することが好ましい。
(a2)アルキレングリコール
本発明に用いることができるアルキレングリコール(a2)として、たとえば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール等のアルキレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール等のジアルキレングリコール、トリエチレングリコール等のトリアルキレングリコールが挙げられる。
(a3)ジシクロペンタジエン
不飽和ポリエステル組成物(a)は、ジシクロペンタジエン(a3)を、該組成物全量に対して30〜40重量%含有することが好ましい。
(a4)飽和酸
本発明に用いることができる飽和酸(a4)とは、不飽和結合を有しない鎖状または分岐状の二塩基酸、または芳香環以外に不飽和結合を有しない芳香族二塩基酸、あるいはそれらの酸無水物を意味し、たとえば、オルソフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、アジピン酸等の二塩基酸およびその酸無水物が挙げられる。不飽和ポリエステル組成物(a)は、この飽和酸(a4)を、該組成物全量に対して10〜30重量%含有することが好ましい。
【0009】
飽和酸(a4)を用いることによって、成形時に優れた流動性を示すとともに優れた成形性(脱型性)を有し、得られた成形品が低収縮性を示すレジンコンクリート組成物を得ることができる。すなわち、樹脂含有量を低減しながらも成形作業に重要な流動性に優れ、成形後の成形性(脱型性)に優れたレジンコンクリート組成物を得ることができ、さらに低収縮化剤を用いることなく低収縮性の成形品を得ることができる。
(不飽和ポリエステル組成物(a)の製造方法)
本発明で用いられる不飽和ポリエステル組成物(a)の製造方法は、
(1)不飽和酸(a1)、アルキレングリコール(a2)、ジシクロペンタジエン(a3)および飽和酸(a4)を、同時に仕込んで縮合させる一段合成方法、
(2)不飽和酸(a1)とアルキレングリコール(a2)と飽和酸(a4)とを縮合させ、その途中でジシクロペンタジエン(a3)を加えて、得られた縮合物を変性させる二段合成方法、
(3)不飽和酸(a1)の酸無水物とジシクロペンタジエン(a3)とを水の存在下で反応させてモノエステルを生成させ、その後、アルキレングリコール(a2)と飽和酸(a4)とを仕込み反応させる方法等が挙げられるが、いずれの方法を用いてもよい。
(b)重合性不飽和単量体
本発明において、重合性不飽和単量体(b)は、通常の不飽和ポリエステル樹脂組成物に使用されるものを用いることができる。たとえば、スチレン、α−メチルスチレン、クロルスチレン、ジクロルスチレン、ジビニルベンゼン、t−ブチルスチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、ジアリールフタレート、トリアリールシアヌレート、
さらに、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸トリデシル、ジシクロペンテニロキシエチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノブチルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノヘキシルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノ(2−エチルヘキシル)エーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(2−エチルヘキシル)エーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノヘキシルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(2−エチルヘキシル)エーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレ−ト、ポリテトラメチレングリコールジメタアクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジメタクリロキシプロパン、2,2−ビス〔4−(メタクリロキシエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メタクリロキシ・ジエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メタクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル〕プロパン、テトラエチレングリコールジアクリレート、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加(n=2)ジアクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド付加(n=3)ジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレートモノステアレートなどのアクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル等の、樹脂と架橋可能な不飽和単量体および不飽和オリゴマー等が挙げられる。これら重合性不飽和単量体(b)は、単独でも用いても、2種類以上を併用してもよい。
(I)レジンコンクリート用不飽和ポリエステル樹脂
本発明に係るレジンコンクリート用不飽和ポリエステル樹脂(I)は、上記製造方法により得られる不飽和ポリエステル組成物(a)と、重合性不飽和単量体(b)とから得ることができる。このレジンコンクリート用不飽和ポリエステル樹脂(I)は、80〜60重量部の不飽和ポリエステル組成物(a)と、20〜40重量部の重合性不飽和単量体(b)とを、不飽和ポリエステル組成物(a)と重合性不飽和単量体(b)との総量が100重量部となるように含有することが好ましい。
【0010】
不飽和ポリエステル組成物(a)と重合性不飽和単量体(b)の含有量が上記範囲にあるレジンコンクリート用不飽和ポリエステル樹脂(I)を用いることによって、低収縮性、種々の物性および成形性(脱型性)に優れたレジンコンクリート組成物およびその成形品を得ることができる。また、前記レジンコンクリート用不飽和ポリエステル樹脂(I)の粘度は、通常、常温(25℃)で1〜2ポイズであることが好ましい。
<レジンコンクリート組成物>
本発明に係るレジンコンクリート組成物は、レジンコンクリート用不飽和ポリエステル樹脂(I)、骨材(II)、充填材(III)、硬化促進剤(IV)および硬化剤(V)から得ることができる。また、必要に応じて、硬化遅延剤(VI)を用いることができる。
(II)骨材
本発明において、たとえば、砕石、砂岩、寒水石、大理石、石英、花崗岩、石灰石、珪石、珪砂、川砂等が、骨材(II)として好ましく用いられる。軽量化のために、焼結頁岩、パーライト、シラスバルーン、ガラスバルーン等の軽量骨材を用いることができる。骨材(II)の平均粒径は、成形品の大きさ、厚さによって異なるが、好ましくは0.05〜50mm、より好ましくは、0.1〜20mmである。また、骨材(II)は、レジンコンクリート組成物全量に対して12.5〜92.5重量%の量で添加されることが好ましい。また、JIS G 5901−1968で規定される1号珪砂(平均粒径5〜2.5mm)、2号珪砂(粒径2.5〜1.2mm)、3号珪砂(粒径1.2〜0.6mm)、4号珪砂(粒径0.6〜0.3mm)、5号珪砂(粒径0.3〜0.15mm)、6号珪砂(粒径0.15〜0.074mm)、7号珪砂(粒径0.074mm以下)も用いることができる。
【0011】
骨材(II)は、単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
(III)充填材
本発明で用いられる充填材(III)は、炭酸カルシウム粉、フライアッシュ、クレー、アルミナ粉、珪石粉、タルク、シリカパウダー、ガラス粉、マイカ、水酸化アルミニウム、大理石屑等が好ましい。充填材(III)の平均粒径は、好ましくは0.5μm〜20μm程度である。また、レジンコンクリート組成物全量に対して2.5〜62.5重量%の量の充填材(III)が添加されることが好ましい。また、充填材(III)は、単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
(IV)硬化促進剤
本発明で用いられる硬化促進剤(IV)としては、金属石鹸類、たとえばナフテン酸コバルト、オクテン酸コバルト、オクテン酸バナジル、ナフテン酸銅、ナフテン酸バリウムが挙げられる。また、バナジルアセチルセテート、コバルトアセチルアセテート、鉄アセチルアセトネート等の金属キレート化合物を用いることもできる。さらに、アミン類、たとえばN,N−ジメチルアミノ−p−ベンズアルデヒド、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、メチルヒドロキシエチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N −ビス(2−ヒドロキシエチル)−p−トルイジン、4−N,N−ジメチルアミノベンズアルデヒド、4−N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノベンズアルデヒド、4−メチルヒドロキシエチルアミノベンズアルデヒド、N,N −ビス(2−ヒドロキシプロピル)−p−トルイジン、N−エチル−m−トルイジン、トリエタノールアミン、m−トルイジン、ジエチレントリアミン、ピリジン、フェニルモルホリン、ピペリジン、ジエタノールアニリンも用いることができる。
【0012】
硬化促進剤(IV)は、不飽和ポリエステル(a)と重合性不飽和単量体(b)の総量100重量部に対して0.001〜5重量部添加することが好ましい。上記硬化促進剤のうち、本発明では、金属石鹸類、アミン類の硬化促進剤が好ましく用いられる。なお、硬化促進剤(IV)は予め不飽和ポリエステル樹脂組成物(a)に添加してもよいし、使用時に添加してもよい。また、硬化促進剤(IV)は、単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
(V)硬化剤
本発明で用いられる硬化剤(V)として、たとえば、アゾイソブチロニトリル等のアゾ化合物、ジアシルパーオキサイド系、パーオキシエステル系、ハイドロパーオキサイド系、ジアルキルパーオキサイド系、ケトンパーオキサイド系、パーオキシケタール系、アルキルパーエステル系、パーカーボネート系等の公知の有機過酸化物、具体的には、メチルエチルケトンパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等を用いることができる。これらの硬化剤(V)は、混練条件、養生温度等により適宜選択される。
【0013】
硬化剤(V)は、不飽和ポリエステル組成物(a)と重合性不飽和単量体(b)との総量100重量部に対して、好ましくは0.1〜4重量部、より好ましくは0.3〜3重量部添加することが望ましい。また、硬化剤(V)は、単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
(VI)硬化遅延剤
本発明においては、必要に応じて硬化遅延剤(VI)を用いてもよい。たとえば、トリハイドロベンゼン、トルハイドロキノン、1,4−ナフトキノン、パラベンゾキノン、ハイドロキノン、ベンゾキノン、トリメチルハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、p−tert−ブチルカテコール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−ジメチルアミノ−p−クレゾール、ナフテン酸銅等が用いられる。硬化遅延剤(VI)の添加量は、不飽和ポリエステル組成物(a)と重合性不飽和単量体(b)との総量100重量部に対して、好ましくは0.0001〜0.1重量部である。
(レジンコンクリート組成物)
本発明に係るレジンコンクリート組成物は、レジンコンクリート用不飽和ポリエステル樹脂(I)、骨材(II)、充填材(III)、硬化促進剤(IV)、硬化剤(V)、および必要に応じて硬化遅延剤(VI)から得ることができる。
【0014】
前記レジンコンクリート組成物は、不飽和ポリエステル(a)を重合性不飽和単量体(b)で希釈したレジンコンクリート用不飽和ポリエステル樹脂(I)が25〜5重量部と、骨材(II)と充填材(III)の総量が75〜95重量部とを、レジンコンクリート用不飽和ポリエステル樹脂(I)と骨材(II)と充填材(III)との総量が100重量部となるように配合することが好ましい。
【0015】
前記レジンコンクリート組成物を調製する際に、必要に応じて、離型剤、紫外線吸収剤、顔料、減粘剤、老化防止剤、可塑剤、難燃剤、安定剤、補強材、光硬化剤等の各種添加剤を添加してもよい。
本発明に係るレジンコンクリート組成物を用いることによって、成形品を成形する際のレジンコンクリート組成物の流動性がよく、その成形品を脱型する際の作業性(脱型性)がよくなり、さらには低収縮化剤を用いなくとも得られた成形品の収縮率は小さいため、脱型後の変形がない成形品を得ることができる。
<レジンコンクリート組成物から得られる成形品>
本発明に係る成形品は、前記レジンコンクリート組成物から成形することができる。本発明に係るレジンコンクリート組成物の成形方法は、通常、該組成物を型に流し込み、常温または加熱硬化することによる注型成形、または円筒状の型内に流し込んだ後、型を回転させ、その遠心力によりレジンコンクリート組成物を均一な厚さに賦型させ、常温または加熱硬化させることによる遠心成形法、合わせ型の中に流し込んだ後、プレス機により圧縮、常温または加熱硬化することによる圧縮成形法等が挙げられる。
【0016】
レジンコンクリート組成物をこれらの成形方法により成形し、たとえば、マンホール、排水ます、建材ブロック、舗装体ブロック、蓋、管材、補修材等の土木建築用成形品、人工大理石成形品、景観用成形品、イス、ベンチ、情報通信電力地下埋設用ボックス、情報関連成形品、電力関連成形品等を製造することができる。
【0017】
上記成形方法のうち、本発明においては、遠心成形法が特に好ましく用いられる。本発明に係るレジンコンクリート組成物を遠心成形により成形した場合、収縮率が小さく、脱型後の変形がない成形品を製造することができる。
【0018】
【実施例】
以下、本発明を実施例によってさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。以下、部とは、重量部を示す。
<成形品の評価方法>
(スランプフロー値の評価)
スランプフロー値の評価は、以下のように実施した。表1に示す種々の配合のレジンコンクリート組成物を、25℃にて、上端部直径40mm、下端部直径50mm、高さ74mmのカップに詰めた後、カップを引き上げ、水平に保った平滑なガラス板上にレジンコンクリートを展開した。15分後に展開したレジンコンクリート組成物の直径を直角な2方向に測定し、その平均値をスランプフロー値とした。
(収縮率の評価)
円筒形の金型を用いて、遠心成形により成形し、7日後、成形品の水平、垂直方向外形寸法を測定した。成形品の収縮率は、得られた測定値から、遠心成形で用いた金型の寸法(内径300mm×長さ500mm)に対する収縮率として求めた。
(成形性の評価)
成形性は、内径300mm×長さ500mmの円筒形の金型を用いて遠心成形した際の、硬化発熱ピークを経過した後の成形品の脱型性(型からの抜けやすさ)と、脱型後の成形品の変形具合とを目視で評価した。
【0019】
さらに成型物の変形具合として、成形から7日後、成形品の水平、垂直方向外形寸法を測定し円形の偏平率を測定した。
(合成例1)ジシクロペンタジエン変性不飽和ポリエステル(A−1)の合成
撹拌機、還流冷却塔、不活性ガス導入管、温度計および滴下装置を取り付けた2リットルの四ツ口フラスコにジシクロペンタジエン352部および無水マレイン酸261部を仕込み、125℃まで昇温後、水48部を1.5時間かけて滴下し、120〜130℃の温度で酸価が220となるまで反応した。次に、無水フタル酸197部、エチレングリコール83部、ジエチレングリコール57部およびジプロピレングリコール122部を添加して、徐々に205℃まで昇温し、脱水量が約72部、酸価が約40になったところで合成を終了した。得られた反応生成物に、ハイドロキノン0.1部を添加し、ジシクロペンタジエン変性不飽和ポリエステル(A−1)を得た。
【0020】
(合成例2)ジシクロペンタジエン変性不飽和ポリエステル(A−2)の合成
撹拌機、還流冷却塔、不活性ガス導入管、温度計および滴下装置を取り付けた2リットルの四ツ口フラスコにジシクロペンタジエン374部および無水マレイン酸277部を仕込み、125℃まで昇温後、水51部を1.5時間かけて滴下し、120〜130℃の温度で酸価が220となるまで反応した。次に、無水フタル酸180部、エチレングリコール113部およびジエチレングリコール129部を添加して、徐々に205℃まで昇温し、脱水量が約73部、酸価が約40になったところで合成を終了した。得られた反応生成物に、トルハイドロキノン0.0800部を添加して、ジシクロペンタジエン変性不飽和ポリエステル(A−2)を得た。
【0021】
(比較合成例1)比較例用ジシクロペンタジエン変性不飽和ポリエステル(B−1)の合成
撹拌機、還流冷却塔、不活性ガス導入管、温度計および滴下装置を取り付けた2リットルの四ツ口フラスコにジシクロペンタジエン380部および無水マレイン酸329部を仕込み、125℃まで昇温後、水52部を1.5時間かけて滴下し、120〜130℃の温度で酸価が220となるまで反応した。次に、無水フタル酸106部、エチレングリコール82部、ジエチレングリコール56部およびジプロピレングリコール121部を添加して、徐々に205℃まで昇温し、脱水量が約73部、酸価が約40になったところで合成を終了した。得られた反応生成物に、トルハイドロキノン0.0800部を添加して、ジシクロペンタジエン変性不飽和ポリエステル(B−1)を得た。
【0022】
(比較合成例2)比較例用ジシクロペンタジエン変性不飽和ポリエステル(B−2)の合成
撹拌機、還流冷却塔、不活性ガス導入管、温度計および滴下装置を取り付けた2リットルの四ツ口フラスコにジシクロペンタジエン187部および無水マレイン酸278部を仕込み、125℃まで昇温後、水26部を1.5時間かけて滴下し、120〜130℃の温度で酸価が220となるまで反応した。次に、無水フタル酸280部、エチレングリコール190部およびジエチレングリコール150部を添加して、徐々に205℃まで昇温し、脱水量が約85部、酸価が約40になったところで合成を終了した。得られた反応生成物に、トルハイドロキノン0.0800部を添加して、ジシクロペンタジエン変性不飽和ポリエステル(B−2)を得た。
【0023】
(比較合成例3)比較例用ジシクロペンタジエン変性不飽和ポリエステル(B−3)の合成
撹拌機、還流冷却塔、不活性ガス導入管、温度計および滴下装置を取り付けた2リットルの四ツ口フラスコにジシクロペンタジエン456部および無水マレイン酸360部を仕込み、125℃まで昇温後、水62部を1.5時間かけて滴下し、120〜130℃の温度で酸価が220となるまで反応した。次に、エチレングリコール86部、ジエチレングリコール113部およびジプロピレングリコール55部を添加して、徐々に205℃まで昇温し、脱水量が約70部、酸価が約40になったところで合成を終了した。得られた反応生成物に、トルハイドロキノン0.0800部を添加し、ジシクロペンタジエン変性不飽和ポリエステル(B−3)を得た。
【0024】
(比較合成例4)比較例用不飽和ポリエステル(C−1)の合成
撹拌機、還流冷却塔、不活性ガス導入管、温度計および滴下装置を取り付けた2リットルの四ツ口フラスコにエチレングリコ−ル38部、ジエチレングリコール194部、プロピレングリコール180部、無水フタル酸336部および無水マレイン酸334部を仕込み、210℃まで昇温し、11時間後に脱水量約82部、酸価40を確認して合成を終了させた。得られた反応生成物に、トルハイドロキノン0.0700部を添加し、tert−ブチルカテコール0.0700部を加え、不飽和ポリエステル(C−1)を得た。
【0025】
【実施例1〜2】
合成例1および2で合成したジシクロペンタジエン変性不飽和ポリエステル(A−1)および(A−2)を、それぞれ表1に示す配合比でスチレンに希釈し、混練したレジンコンクリート組成物を回転成形レジンコンクリート型に流し込み、充填した後、常温で硬化させ、1時間後に脱型し、7日静置後、管の外径を測定し、型に対する収縮率を測定した。
【0026】
6%ナフテン酸コバルト、55%メチルエチルケトンパーオキサイドを含まない同一配合比のものを流動性試験に供した。その結果を表2に示す。なお、炭酸カルシウムは商品名NS−200N(日東粉化製品)、7号珪砂および4号珪砂は三栄シリカ製品、55%メチルエチルケトンパーオキサイドは商品名パーメックN(日本油脂製品)を用いた。
【0027】
【比較例1〜4】
比較合成例1〜4で合成した不飽和ポリエステル(B−1)、(B−2)、(B−3)および(C−1)を、それぞれ表1に示す配合比でスチレンに希釈し、混練したレジンコンクリート組成物を、回転成形レジンコンクリート型に流し込み、充填した後、常温で硬化させ、1時間後に脱型し、7日静置後、管の外径を測定し、型に対する収縮率を測定した。
【0028】
6%ナフテン酸コバルト、55%メチルエチルケトンパーオキサイドを含まない同一配合比のものを流動性試験に供した。その結果を表2に示す。なお、炭酸カルシウムは商品名NS−200N(日東粉化製品)、7号珪砂および4号珪砂は三栄シリカ製品、55%メチルエチルケトンパーオキサイドは商品名パーメックN(日本油脂製品)を用いた。
【0029】
【表1】
Figure 2004099769
【0030】
【表2】
Figure 2004099769
【0031】
【発明の効果】
本発明に係るレジンコンクリート用不飽和ポリエステル樹脂を用いることによって、樹脂含有量を低減しながらも成形作業に重要な流動性に優れ、成形後の成形性(脱型性)に優れたレジンコンクリート組成物を得ることができ、さらに低収縮化剤を用いることなく低収縮な成形品を得ることができる。

Claims (7)

  1. (a)不飽和酸(a1)、アルキレングリコール(a2)、ジシクロペンタジエン(a3)および飽和酸(a4)からなる不飽和ポリエステル組成物と、(b)重合性不飽和単量体とから得られることを特徴とするレジンコンクリート用不飽和ポリエステル樹脂。
  2. 不飽和ポリエステル組成物(a)が、不飽和酸(a1)を20〜30重量%含有することを特徴とする請求項1に記載のレジンコンクリート用不飽和ポリエステル樹脂。
  3. 不飽和ポリエステル組成物(a)が、ジシクロペンタジエン(a3)を30〜40重量%含有することを特徴とする請求項1に記載のレジンコンクリート用不飽和ポリエステル樹脂。
  4. 不飽和ポリエステル組成物(a)が、飽和酸(a4)を10〜30重量%含有することを特徴とする請求項1に記載のレジンコンクリート用不飽和ポリエステル樹脂。
  5. 不飽和ポリエステル組成物(a)80〜60重量部と、重合性不飽和単量体(b)20〜40重量部とを、不飽和ポリエステル組成物(a)と重合性不飽和単量体(b)との総量が100重量部となるように含有することを特徴とする請求項1に記載のレジンコンクリート用不飽和ポリエステル樹脂。
  6. (I)請求項1〜5のいずれかに記載のレジンコンクリート用不飽和ポリエステル樹脂、(II)骨材、(III)充填材、(IV)硬化促進剤および(V)硬化剤から得られることを特徴とするレジンコンクリート組成物。
  7. (I)請求項1〜5のいずれかに記載のレジンコンクリート用不飽和ポリエステル樹脂、(II)骨材、(III)充填材、(IV)硬化促進剤および(V)硬化剤から、遠心成形法により得ることができることを特徴とする成形品。
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JP2006043950A (ja) * 2004-08-02 2006-02-16 Sanrekku:Kk レジンコンクリート製品の製造方法

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