JP2020164400A - レジンコンクリート組成物、被膜付き骨材、被膜付き充填剤、及び繊維強化プラスチック複合管 - Google Patents

レジンコンクリート組成物、被膜付き骨材、被膜付き充填剤、及び繊維強化プラスチック複合管 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた曲げ強度を有する硬化物を得られるレジンコンクリート組成物、被膜付き骨材、被膜付き充填剤及び優れた曲げ強度を有する繊維強化プラスチック複合管を提供する。【解決手段】不飽和ポリエステル樹脂と、骨材と、前記骨材の表面の少なくとも一部に位置する被膜とを含み、前記被膜がシランカップリング剤を含有する、レジンコンクリート組成物、充填剤と、前記充填剤の表面の少なくとも一部に位置する被膜とをさらに含み、前記被膜がシランカップリング剤を含有する前記レジンコンクリート組成物、被膜付き骨材、被膜付き充填剤、及び繊維強化プラスチック複合管。【選択図】なし

Description

本発明は、レジンコンクリート組成物、被膜付き骨材、被膜付き充填剤、及び繊維強化プラスチック複合管に関する。
繊維強化プラスチック複合管は、一般に、レジンコンクリート組成物を成形し、硬化させた樹脂モルタル層の内周面及び外周面の少なくとも一方に繊維強化樹脂を含む繊維強化樹脂層を積層した構造を有している。
レジンコンクリート組成物は、結合剤としての合成樹脂と骨材を含む組成物である。
上記合成樹脂としては、不飽和ポリエステル、アクリル樹脂、エポキシ樹脂又はフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂が使用される。有機物の合成樹脂と無機物との接着力を向上するため、さらに、レジンコンクリート組成物に、シランカップリング剤を添加する場合がある。
特許文献1には、(メタ)アクリル酸及びそのエステルから選ばれる少なくとも1種のモノマー成分、上記モノマー成分に溶解又は膨潤可能な重合体、並びに骨材を実質的に主成分とするアクリル系レジンコンクリート組成物において、上記骨材として、表面全域又は部分的にシランカップリング剤、顔料及びバインダー成分からなる混合成分の着色層が形成されている着色骨材を用いたことを特徴とするアクリル系レジンコンクリート組成物が記載されている。
特許文献2には、硅砂骨材の表面全域若しくは部分的にシランカップリング剤、顔料及びバインダー成分からなる混合成分の着色層が形成されていることを特徴とするアクリル系レジンコンクリート用着色骨材が記載されている。
特許文献3には、50〜92質量部の骨材、3〜6質量部のメタクリレート樹脂、5〜44質量部の充填材、及び上記充填材に対して0.1〜2質量%のシランカップリング剤を含有してなるレジンコンクリートであって、JIS A 1101(コンクリートのスランプ試験方法)に準拠した方法で測定されるスランプ値が12〜21cmの範囲にあることを特徴とするレジンコンクリートが記載されている。
特開昭62−275048号公報 特公平6−104582号公報 特開平9−86992号公報
不飽和ポリエステル樹脂は、アクリル樹脂に比べて低コストで製造でき、また、原料の組合せによるグレード設計の自由度が高い。そのため、結合剤として不飽和ポリエステル樹脂を用いるポリエステル系レジンコンクリート組成物に対する需要が存在する。
しかし、ポリエステル系レジンコンクリート組成物には、硬化時の収縮が大きいという欠点が存在する。硬化時の収縮により、結合剤と骨材との間に剥離が発生して、硬化物の強度が低下することがある。硬化時の収縮を緩和しようとして、熱可塑性樹脂を収縮抑制剤として添加すると、熱可塑性樹脂の強度が低いため、硬化物の強度が低下することがある。また、従来から、最密充填を狙い、充填剤として炭酸カルシウムが含有されているが、炭酸カルシウムには樹脂との密着性及び、強度を向上させる機能はない。
結果として、ポリエステル系レジンコンクリート組成物は、硬化物が十分な曲げ強度を得られない場合があった。また、このレジンコンクリート組成物を樹脂モルタル層に用いた繊維強化プラスチック複合管は、十分な曲げ強度を得られない場合があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、優れた曲げ強度を有する硬化物を得られるレジンコンクリート組成物、被膜付き骨材、被膜付き充填剤及び優れた曲げ強度を有する繊維強化プラスチック複合管を提供することを課題とする。
上記課題は以下の構成によって解決される。
[1] 不飽和ポリエステル樹脂と、骨材と、前記骨材の表面の少なくとも一部に位置する被膜とを含み、前記被膜がシランカップリング剤を含有する、レジンコンクリート組成物。
[2] 前記シランカップリング剤はメタクリル基を有機官能基として有する、[1]に記載のレジンコンクリート組成物。
[3] 前記不飽和ポリエステル樹脂と前記骨材とは、前記シランカップリング剤を介して結合している、[1]又は[2]に記載のレジンコンクリート組成物。
[4] 前記骨材が珪砂である、[1]〜[3]のいずれか1つに記載のレジンコンクリート組成物。
[5] 充填剤と、前記充填剤の表面の少なくとも一部に位置する被膜とをさらに含み、前記被膜がシランカップリング剤を含有する、[1]〜[4]のいずれか1つに記載のレジンコンクリート組成物。
[6] 前記シランカップリング剤はメタクリル基を有機官能基として有する、[5]に記載のレジンコンクリート組成物。
[7] 前記不飽和ポリエステル樹脂と前記充填剤とは、前記シランカップリング剤を介して結合している、[5]又は[6]に記載のレジンコンクリート組成物。
[8] 前記充填剤がガラスパウダーである、[5]〜[7]のいずれか1つに記載のレジンコンクリート組成物。
[9] 骨材と、前記骨材の表面の少なくとも一部に位置する被膜とを含み、前記被膜がシランカップリング剤を含有する、ポリエステル系レジンコンクリート用被膜付き骨材。
[10] 充填剤と、前記充填剤の表面の少なくとも一部に位置する被膜とを含み、前記被膜がシランカップリング剤を含有する、ポリエステル系レジンコンクリート用被膜付き充填剤。
[11] 樹脂モルタル層と、前記樹脂モルタル層の内周面及び外周面の少なくとも一方に積層された繊維強化樹脂層と、を有する繊維強化プラスチック複合管であって、
前記樹脂モルタル層は、[1]〜[9]のいずれか1つに記載のレジンコンクリート組成物の硬化物からなり、
前記繊維強化樹脂層は、繊維強化樹脂からなる、
繊維強化プラスチック複合管。
本発明によれば、優れた曲げ強度を有する硬化物を得られるレジンコンクリート組成物、被膜付き骨材、被膜付き充填剤、及び優れた曲げ強度を有する繊維強化プラスチック複合管を提供できる。
図1は、繊維強化プラスチック複合管の実施形態を示す図である。
本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、その数値範囲の両端の数値を含む。
本明細書において、(メタ)アクリルは、アクリル及びメタクリルを総称するものとする。(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイル、(メタ)アクリロイルオキシ及び(メタ)アクリルアミドについても同様である。
[レジンコンクリート組成物]
本発明のレジンコンクリート組成物は、不飽和ポリエステル樹脂と、骨材と、骨材の表面の少なくとも一部に位置する被膜とを含む。
<不飽和ポリエステル樹脂>
不飽和ポリエステル樹脂は、不飽和ポリエステル(a)と重合性不飽和単量体(b)とを含む。
上記不飽和ポリエステル(a)は、飽和二塩基酸(a1)、不飽和二塩基酸(a2)、並びにグリコール(a3)を原料として用いることが好ましい。
飽和二塩基酸(a1)は、オルソフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸又はアジピン酸等の1分子中に炭素原子間非共役二重結合を含まない二塩基酸である。飽和二塩基酸(a1)は、必要に応じて、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
不飽和二塩基酸(a2)は、無水マレイン酸又はフマル酸等の1分子中に1個以上の炭素原子間非共役二重結合を含む二塩基酸である。不飽和二塩基酸(a2)は、必要に応じて、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
グリコール(a3)は、エチレングリコール若しくはプロピレングリコール等のアルキレングリコール、ジアルキレングリコール若しくはトリアルキレングリコール等のポリオキシアルキレングリコール、又はビスフェノールA若しくはビスフェノールF等のビスフェノール等の1分子中に2個のヒドロキシ基を含むジオールである。グリコール(a3)は、必要に応じて、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
上記不飽和ポリエステル(a)は、さらに、不飽和二塩基酸(a2)及びグリコール(a3)のいずれにも包含されない、1分子中に1個又は2個の炭素原子間非共役二重結合を有する単量体(a4)を原料として用いることができる。このような単量体(a4)としては、スチレン、プロピレン、ジシクロペンタジエン及び(メタ)アクリル酸アルキルエステル等が挙げられるが、これらに限定されない。単量体(a4)は、必要に応じて、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
不飽和ポリエステル(a)の合成方法は、飽和二塩基酸(a1)、不飽和二塩基酸(a2)及びグリコール(a)酸、所望により、単量体(a4)を同時に仕込み、縮合させる合成方法等があるが、特に限定されない。
不飽和ポリエステル樹脂は、上記飽和二塩基酸(a1)の種類又は上記グリコール(a3)の種類によって、オルソ系不飽和ポリエステル樹脂、イソ系不飽和ポリエステル樹脂、テレ系不飽和エステル樹脂及びビス系不飽和ポリエステル樹脂に分類する場合がある。
重合性不飽和単量体(b)は、特に限定されず、従来、不飽和ポリエステル樹脂に使用されているものを使用できる。
重合性不飽和単量体(b)の例は、スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ジビニルベンゼン、t−ブチルスチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、ジアリールフタレ−ト、トリアリールシアヌレ−ト、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸トリデシル、ジシクロペンテニロキシエチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノブチルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノヘキシルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノヘキシルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジメタアクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジメタクリロキシプロパン、2,2−ビス〔4−(メタクリロキシエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メタクリロキシジエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル〕プロパン、テトラエチレングリコールジアクリレート、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加(n=2)ジアクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド付加(n=3)ジアクリレート及びペンタエリスリトールジアクリレートモノステアレートであるが、これらに限定されない。
重合性不飽和単量体(b)は、必要に応じて、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
不飽和ポリエステル(a)の数平均分子量は、特に限定されないが、400〜1500が好ましく、400〜1200がより好ましく、400〜1000がさらに好ましい。不飽和ポリエステル(a)の数平均分子量がこの範囲内であると、不飽和ポリエステル樹脂の流動性等が良好であり、成形性がより良好となる。
不飽和ポリエステル樹脂中の、不飽和ポリエステル(a)及び重合性不飽和単量体(b)の含有量は、特に限定されないが、不飽和ポリエステル(a)及び重合性不飽和単量体(b)の合計量を100質量部として、不飽和ポリエステル(a)が80〜60質量部、重合性不飽和単量体(b)が残部であることが好ましい。この範囲内であると、ポリエステル樹脂の収縮性、物性及び成形性がより良好になる。
不飽和ポリエステル樹脂には、不飽和ポリエステル(a)の合成に用いた化合物及び重合性不飽和単量体(b)以外の化合物を、本発明の効果を失わない範囲で、混合してもよい。
不飽和ポリエステル樹脂の市販品としては、イソ系不飽和ポリエステル樹脂(日本ユピカ社製)等が挙げられる。
本発明のレジンコンクリート組成物中の不飽和ポリエステル樹脂の含有量は、特に限定されないが、レジンコンクリート組成物の100質量部に対して、10〜30質量部が好ましく、10〜20質量部がより好ましく、10〜15質量部がさらに好ましい。
また、本発明のレジンコンクリート組成物では、結合剤として、不飽和ポリエステル以外の熱硬化性樹脂を併用してもよいが、不飽和ポリエステル樹脂の含有量は、結合剤100質量部に対して、50質量部超100質量部以下であり、65〜100質量部が好ましく、80〜100質量部がより好ましく、95〜100質量部がさらに好ましい。
<骨材>
本発明のレジンコンクリート組成物は、骨材を含むことにより、レジンコンクリート組成物中の不飽和ポリエステル樹脂の含有量を低下させる。これにより、不飽和ポリエステル樹脂の硬化の際の発熱量を減らし、レジンコンクリート組成物が硬化する際の表面と内部の温度差を緩和して、ひび割れの発生を抑制する。また、不飽和ポリエステル樹脂が硬化する際の収縮量を減らし、レジンコンクリート組成物が硬化する際の収縮を減少させる。さらに、不飽和ポリエステル樹脂の使用量を減らし、レジンコンクリート組成物のコストを低減できる。
上記骨材の種類は、特に限定されないが、珪砂、砂利、砕石、玉石、高炉スラグ骨材又は人工軽量骨材等の従来レジンコンクリート組成物に配合されてきた骨材を使用できる。
骨材としては、大気中の二酸化炭素及び水との反応性が低く、本発明のレジンコンクリートの硬化物の劣化が遅くなることから、二酸化ケイ素の含有量が多い骨材が好ましく、珪砂が特に好ましい。
上記骨材は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
上記骨材の平均粒径は、特に限定されないが、0.1〜10mmが好ましく、0.1〜5mmがより好ましく、0.1〜1mmがさらに好ましい。
ここで、骨材の平均粒径は、d50(メジアン径)である。
上記骨材として珪砂を用いる場合の市販品としては、例えば、珪砂6号(平均粒径0.3mm:三久海運社製)、珪砂3号(平均粒径1mm:三久海運社製)及び珪砂7号(平均粒径0.1mm:三久海運社製)が挙げられるが、これらに限定されない。
市販品の珪砂としては、珪砂6号、珪砂3号及び珪砂7号からなる群から選択される1種類以上を用いることが好ましく、珪砂を単独で用いるか、又は2種類以上の珪砂を混合して用いてもよい。
本発明のレジンコンクリート組成物中の上記骨材の含有量は、特に限定されないが、レジンコンクリート組成物の100質量部に対して、60〜90質量部が好ましい。
<充填剤>
本発明のレジンコンクリート組成物は、さらに、充填剤を含んでもよい。
本発明のレジンコンクリート組成物が充填剤を含むと、珪砂間の隙間に入り込み、細密充填が可能となる。組成物の成形性の改善による作業性の向上及び硬化物の靭性等の物性の向上が期待できる。
上記充填剤は、特に限定されないが、炭酸カルシウム、シリカ、クレー、マイカ、タルク、ウォラストナイト、アルミナ、水酸化アルミニウム及びカオリンからなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、炭酸カルシウムがより好ましい。
上記充填剤は、必要に応じて、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
上記充填剤の粒径は、特に限定されないが、100μm以下が好ましく、0.05〜50μmがより好ましく、0.1〜10μmがさらに好ましい。
ここで、上記充填剤の粒径は、光学顕微鏡、電子顕微鏡で測定した値である。
上記充填剤として炭酸カルシウムを用いる場合の市販品としては、例えば、ホワイトン(粒径3μm;白石工業社製)が挙げられるが、これに限定されない。
本発明のレジンコンクリート組成物が上記充填剤を含む場合の上記充填剤の含有量は、特に限定されないが、上記骨材と上記充填剤の総量が、本発明のレジンコンクリート組成物の100質量部に対して、75〜95質量部が好ましい。
(ガラスパウダー)
ガラスパウダーは、充填材(フィラー)として用いた場合に、樹脂の寸法安定性及び耐熱性並びに樹脂硬度を向上させることができるため、樹脂用添加剤として非常に有用な材料である。本発明のレジンコンクリート組成物は、炭酸カルシウムの代替品として、シランカップリング剤処理されたガラスパウダーを含むことにより、樹脂自体とガラスパウダー間に化学結合が形成される。これにより、ひび割れ、クラックをさらに抑制し、優れた曲げ強度を有する硬化物が得られる。
上記ガラスパウダーの種類は、特に限定されないが、粒径が小さいほど骨材間の隙間に充填され、補強材として寄与すると考えられる。
上記ガラスパウダーは、1種類を単独で用いてもよいし、粒径又は成分の異なる2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
上記ガラスパウダーの平均粒径は、特に限定されないが、5〜20μmが好ましく、5〜10μmがさらに好ましい。
ここで、ガラスパウダーの平均粒径は、d50(メジアン径)である。
上記充填剤としてガラスパウダーを用いる場合の市販品としては、例えば、CF0033(平均粒径8.03μm:日本フリット社製)、CF0017(平均粒径μm:日本フリット社製)及びCF0002(平均粒径μm:日本フリット社製)が挙げられるが、これらに限定されない。
市販品のガラスパウダーとしては、CF0033、CF0017、及び、CF0002からなる群から選択される1種類以上を用いることが好ましく、ガラスパウダーを単独で用いるか、又は2種類以上のガラスパウダーを混合して用いてもよい。
本発明のレジンコンクリート組成物中の上記ガラスパウダーの含有量は、特に限定されないが、レジンコンクリート組成物の100質量部に対して、5〜20質量部が好ましい。
<被膜>
被膜は、骨材の表面の少なくとも一部に位置し、上記被膜がシランカップリング剤を含有する。本発明のレジンコンクリート組成物が、充填剤と、当該充填剤の表面の少なくとも一部に位置する被膜とをさらに含む場合は、当該充填剤の被膜は、上記骨材の被膜と同様である。
本発明のレジンコンクリート組成物において、不飽和ポリエステル樹脂と、骨材とは、シランカップリング剤を介して結合している。これにより、不飽和ポリエステル樹脂と骨材との密着性が改善され、優れた曲げ強度を有する硬化物が得られる。
シランカップリング剤を被膜中に含有することにより、シランカップリング剤の使用量を低減しながら、十分な強度の向上を達成することができ、かつ、低コストである。
上記シランカップリング剤は、不飽和ポリエステル樹脂と反応性を持つ有機官能基と、骨材と反応性を持つ無機官能基を有することが好ましい。
上記有機官能基としては、(メタ)アクリル基、ビニル基、イソシアネート基、メルカプト基、エポキシ基及びアミノ基等が挙げられるが、(メタ)アクリル基が好ましく、メタクリル基がより好ましい。(メタ)アクリル基は、(メタ)アクリロイル基及び(メタ)アクリロイルオキシ基のような(メタ)アクリル部分を含む基を包含する。
上記無機官能基としては、加水分解性シリル基が好ましく、アルコキシシリル基がより好ましく、基中のアルコキシ基が2又は3個のアルコキシシリル基がさらに好ましく、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、メチルジメトキシシリル基及びエチルジエトキシシリル基からなる群から選択されるいずれか1種がいっそう好ましい。
上記シランカップリング剤は、不飽和ポリエステル樹脂との反応性がより良好であることから、メタクリル基を有機官能基として有することが好ましい。このようなシランカップリング剤としては、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシラン、3−メタクリロキシプロピルエチルジエトキシシラン及び3−メタクリロキシプロピルトリエトキシランからなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシランがより好ましい。アルコキシシリル基の加水分解によりアルコールが生成するため、作業者に対する安全性の観点からは、アルコキシ基はエトキシ基が好ましい。
3−メタクリロキシプロピルトリエトキシラン(別名:γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン)の市販品としては、KBE−503(信越化学工業社製)、SILQUEST Y−9936 SILANE(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製)、サイラエース(登録商標) S330(JNC社製)、Dynasylan(登録商標) AMEO(エボニックジャパン社製)及びM0725(東京化成工業社製)等が挙げられるが、これらに限定されない。
骨材の表面の少なくとも一部に上記シランカップリング剤を含有する被膜を設ける方法は、特に限定されないが、上記シランカップリング剤で当該骨材を表面処理する方法が挙げられる。
骨材の表面処理の方法は、特に限定されないが、上記シランカップリング剤を溶媒に溶解した処理液を調製しておき、当該骨材と処理液とを接触させて溶媒を除去し、当該骨材の表面に上記シランカップリング剤を含有する被膜を形成する方法が挙げられる。
上記シランカップリング剤を溶解する溶媒は、特に限定されないが、上記シランカップリング剤が3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランである場合は、エタノールと水を混合したエタノール−水混合溶媒が好ましい。溶媒の蒸発のしやすさから、エタノール−水混合溶媒中のエタノールは50質量%以上であることが好ましい。
骨材の加熱温度は、特に限定されないが、処理液からのエタノール−水混合溶媒の除去のしやすさから、100℃以上が好ましい。加熱温度の上限は、通常、150℃以下であり、120℃以下がより好ましい。
上記シランカップリング剤を含有する被膜は、本発明のレジンコンクリート組成物に含まれるすべての骨材について、当該骨材の表面積の少なくとも一部を覆うように形成されることが好ましい。
本発明のレジンコンクリート組成物中の上記被膜の含有量は、特に限定されないが、骨材及び充填剤の合計100質量部に対して、5〜30質量部が好ましく、10〜20質量部がより好ましく、10〜15質量部がさらに好ましい。
上記被膜が含有する上記シランカップリング剤の合計量は、特に限定されないが、骨材及び上記充填剤の合計100質量部に対して、5〜30質量部が好ましく、10〜25部質量部がより好ましく、15〜20質量部がさらに好ましい。
また、上記骨材及び上記充填剤の表面積の合計に対する上記被膜の被覆率は、40%以上が好ましく、60%以上がより好ましい。シランカップリング剤で被覆されている箇所のみ、樹脂などの有機物との化学的結合が形成されるからである。そのため、被覆率は高いほど好ましい。また、被覆率は、熱重量測定又はカーボン分析により算出できる。シランカップリング剤の被覆率(%)は、下式により算出される。
シランカップリング剤の被覆率(%)=100×〔熱重量分析で減少した重量(mg)/{骨材の表面積の合計(mm)×シランカップリング剤の被覆厚み(mm)×比重(mg/mm)}〕
ただし、本発明のレジンコンクリート組成物が、充填剤と、当該充填剤の表面の少なくとも一部に位置する被膜とをさらに含む場合は、シランカップリング剤の被覆率(%)は、下式により算出される。
シランカップリング剤の被覆率(%)=100×〔熱重量分析で減少した重量(mg)/{骨材及び充填剤の表面積の合計(mm)×シランカップリング剤の被覆厚み(mm)×比重(mg/mm)}〕
<重合禁止剤>
本発明のレジンコンクリート組成物は、さらに、重合禁止剤を含んでもよい。
重合禁止剤を含有することにより、不飽和ポリエステルと重合性不飽和単量体との反応が抑制されるため、安全性が高まる。
上記重合禁止剤は、特に制限されないが、ハイドロキノン、トルハイドロキノン、トリメチルハイドロキノン、ターシャリーブチルハイドロキノン、ジターシャリーブチルハイドロキノン、ターシャリーブチルカテコール、メトキシハイドロキノン、ベンゾキノン、ターシャリーブチルキノン及びフェノチアジン等を使用できる。
上記重合禁止剤は1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
本発明のレジンコンクリート組成物が上記重合禁止剤を含む場合の上記重合禁止剤の含有量は、特に限定されないが、本発明のレジンコンクリート組成物の100質量部に対して、0.0001〜0.1質量部が好ましい。
<硬化剤及び硬化促進剤>
本発明のレジンコンクリート組成物を硬化させるには、硬化剤を添加して加熱することが好ましい。上記硬化剤には硬化促進剤を併用してもよい。
(硬化剤)
上記硬化剤は、特に限定されないが、有機過酸化物触媒が好ましく、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3,3−イソプロピルヒドロパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジクミルヒドロパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、イソブチルパーオキサイド、3,3,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド及びラウリルパーオキサイド等の有機過酸化物、並びにアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビスカルボンアミド等のアゾ系重合開始剤を使用できる。
上記硬化剤は、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
本発明のレジンコンクリート組成物に上記硬化剤を添加する場合の添加量は、特に限定されないが、本発明のレジンコンクリート組成物の100質量部に対して、0.1〜4質量部が好ましく、0.3〜3質量部がより好ましい。
上記硬化剤は、本発明のレジンコンクリート組成物を成形する前に添加することが好ましい。本発明のレジンコンクリート組成物を成形した後、加熱して硬化させることにより、形状を有するレジンコンクリート硬化物を得られる。
(硬化促進剤)
上記硬化促進剤は、特に限定されないが、オクテン酸バナジル、ナフテン酸銅、ナフテン酸バリウム、ナフテン酸コバルト及びオクテン酸コバルト等の金属石鹸、Li〔Co(NO〕、Li〔Co(NOCl〕、Li〔Co(NOBr〕、Li〔Co(NOCl〕、Li〔Co(NOBr〕、Na〔Co(NO〕、Na〔Co(NOCl〕、Na〔Co(NOBr〕、Na〔Co(NOCl〕、Na〔Co(NOBr〕、K〔Co(NO〕、K〔Co(NOCl〕、K〔Co(NOBr〕、K〔Co(NOCl〕およびK〔Co(NOBr〕等のコバルト化合物、バナジルアセチルアセテート、コバルトアセチルアセテート及び鉄アセチルアセトネート等の金属キレート化合物、並びにN,N−ジメチルアミノ−p−ベンズアルデヒド、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、メチルヒドロキシエチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−p−トルイジン、4−N,N−ジメチルアミノベンズアルデヒド、4−N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノベンズアルデヒド、4−メチルヒドロキシエチルアミノベンズアルデヒド、N,N−ビス(2−ヒドロキシプロピル)−p−トルイジン、N−エチル−m−トルイジン、トリエタノールアミン、m−トルイジン、ジエチレントリアミン、ピリジン、フェニルモルホリン、ピペリジン及びジエタノールアニリン等のアミンを使用できる。
上記硬化促進剤は、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
本発明のレジンコンクリート組成物が上記硬化促進剤を含む場合の上記硬化促進剤の含有量は、特に限定されないが、本発明のレジンコンクリート組成物の100質量部に対して、0.001〜5質量部が好ましい。
上記硬化促進剤は、本発明のレジンコンクリート組成物に硬化剤を添加する前に添加してもよいし、硬化剤と同時にレジンコンクリート組成物に添加してもよい。
<その他の成分>
本発明の作用効果を妨げない範囲で、上述した成分の他に、紫外線吸収剤、顔料、減粘剤、老化防止剤、可塑剤、難燃剤、安定剤又は補強材のような添加剤を含有してもよい。
<レジンコンクリート組成物の製造方法>
本発明のレジンコンクリート組成物の製造方法は、特に限定されないが、例えば、以下の方法が挙げられる。
まず、珪砂等の骨材を、シランカップリング剤を含む処理液で処理して、骨材の表面の少なくとも一部に、シランカップリング剤を含む被膜を形成する。被膜を表面に形成した骨材を被膜付き骨材という。
次に、被膜付き骨材と、不飽和ポリエステル樹脂とを混合して、ミキサーを用いて混錬する。被膜付き骨材及び不飽和ポリエステル樹脂を混合する際に、所望により、充填剤、添加剤及び硬化促進剤から選択される1種類以上を一緒に混合してもよい。
さらに、硬化剤を混合して、よく混錬する。
硬化促進剤及び硬化剤の添加を、硬化物の製造直前に行うなど、種々の変形も可能である。
<硬化物の製造方法>
本発明のレジンコンクリート組成物を硬化させたものを、レジンコンクリート硬化物又は、単に、硬化物という。
硬化物の製造方法は、特に限定されないが、例えば、注型成形法、遠心成形法、圧縮成形法及び連続成形法が挙げられる。
注型成形法では、本発明のレジンコンクリート組成物を型に流し込み、加熱硬化する。
遠心成形法では、本発明のレジンコンクリート組成物を円筒状の型内に流し込んだ後、型を回転させ、その遠心力によりレジンコンクリート組成物を均一な厚さに賦型し、加熱硬化する。
圧縮成形法では、本発明のレジンコンクリート組成物を合わせ型の中に流し込んだ後、プレス機により圧縮し、加熱硬化する。
連続成形法では、マンドレルを回転させつつ前方へ一定速度で送りながら、本発明のレジンコンクリート組成物を巻き付け、硬化炉を通過させて、加熱硬化する。
本発明のレジンコンクリート組成物の硬化温度は、特に限定されないが、50℃以上が好ましく、50〜60℃がより好ましく、55〜65℃がさらに好ましい。
本発明のレジンコンクリート組成物の硬化時間は、特に限定されないが、6時間以上が好ましく、12時間以上がより好ましく、24〜48時間がさらに好ましい。
得られる硬化物としては、例えば、繊維強化プラスチック複合管の樹脂モルタル部分、マンホール、排水ます、建材ブロック、舗装体ブロック、蓋、管材、補修材等の土木建築用成形品、人工大理石成形品、景観用成形品、イス、ベンチ、C.C.(情報通信電力地下埋設用)ボックス、情報関連成形品、電力関連成形品等がある。
[被膜付き骨材]
本発明の被膜付き骨材は、骨材と、その表面の一部に位置する被膜とを含み、被膜はシランカップリング剤を含有する。この被膜付き骨材は、ポリエステル系レジンコンクリート用、特に、本発明のレジンコンクリート組成物用として、好ましい。シランカップリング剤を骨材の表面に位置する被膜が含有するため、結合剤である不飽和ポリエステル樹脂と骨材との間にシランカップリング剤を介した結合を形成するに際して、無駄が少なく、コスト的に優れている。
骨材及び被膜は、上述した本発明のレジンコンクリート組成物の骨材及び被膜と同様である。
本発明の被膜付き骨材の製造方法も、上述した本発明のレジンコンクリート組成物の被膜についての、骨材の表面の少なくとも一部にシランカップリング剤を含有する被膜を設ける方法と同様である。
[被膜付き充填剤]
本発明の被膜付き充填剤は、充填剤と、その表面の一部に位置する被膜とを含み、被膜はシランカップリング剤を含有する。この被膜付き充填剤は、ポリエステル系レジンコンクリート用、特に、本発明のレジンコンクリート組成物用として、好ましい。シランカップリング剤を充填剤の表面に位置する被膜が含有するため、結合剤である不飽和ポリエステル樹脂と充填剤との間にシランカップリング剤を介した結合を形成するに際して、無駄が少なく、コスト的に優れている。
充填剤及び被膜は、上述した本発明のレジンコンクリート組成物の充填剤及び被膜と同様である。
本発明の被膜付き充填剤の製造方法も、上述した本発明のレジンコンクリート組成物の被膜についての、充填剤の表面の少なくとも一部にシランカップリング剤を含有する被膜を設ける方法と同様である。
[繊維強化プラスチック複合管]
以下では、図1を参照しながら、本発明の繊維強化プラスチック複合管(以下「FRPM管」と略称する場合がある。)の実施形態を説明する。
本実施形態のFRPM管1は、環状又は筒状の樹脂モルタル層4と、樹脂モルタル層4の内周面に位置する内面繊維強化樹脂層3と、樹脂モルタル層4の外周面に位置する外面繊維強化樹脂層5と、内面繊維強化樹脂層3の内周面に位置する内面保護層2と、外面繊維強化樹脂層5の外周面に位置する外面保護層6とを有する。
即ち、FRPM管1は、内周側から順に、内面保護層2、内面繊維強化樹脂層3、樹脂モルタル層4、外面繊維強化樹脂層5、及び外面保護層6が位置する。内面繊維強化樹脂層3及び外面繊維強化樹脂層5は、一方があればよいが、両方があれば好ましい。内面保護層2及び外面保護層6は、無くてもよいが、一方又は両方があった方が好ましい。
<FRPM管の製造方法>
FRPM管1の製造方法は、特に限定されず、フィラメントワインディング法、遠心成形法、引抜成形法又はハンドレイアップ法等、従来公知の製造方法が挙げられる。
フィラメントワインディング法は、芯筒を回転させながら一定速度で送り、内面保護層2、内面繊維強化樹脂層3、樹脂モルタル層4、外面繊維強化樹脂層5、外面保護層6の材料を順次巻き付け、順次加熱硬化させてFRPM管を連続的に製造する製造方法である。芯筒のサイズを変更することにより、様々なサイズのFRPM管を製造できる。
また、FRPM管1の製造方法としては、特開2001−205711号公報の[0016]〜[0019]に記載されたFRPM管の製造方法、特開2001−205712号公報の[0020]〜[0028]に記載されたFRPM管の製造方法又は特開平10−193467号公報の[0009]〜[0019]に記載されたFRPM管の製造方法も挙げられる。
以下では、実施例により、本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲は、後述する実施例に限定されず、本発明の要旨を変更しない限り、種々の変更が可能である。
[骨材のシランカップリング剤処理]
<骨材の準備>
珪砂3〜8号(三久海運社製)を2種類、合計75質量部を混合して、骨材を準備した。
<シランカップリング剤処理液の調製>
エタノール−水混合溶媒(エタノール90質量%、水10質量%)80質量部と、シランカップリング剤(γ−メタクリロキシプロピルトリエのトキシシラン;SILQUEST Y−9936 SILANE,モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製)20質量部とを混合して、シランカップリング剤を20質量%含むシランカップリング剤処理液を調製した。
<シランカップリング剤処理>
準備した骨材1600gを120℃に加熱した後、ミキサーに入れ、シランカップリング剤処理液360gを付加して約5分間撹拌し、ミキサーから取り出して板の上に均して自然冷却せしめて、骨材の表面の少なくとも一部にシランカップリング剤を含む被膜を設けた。
[実施例1]
<レジンコンクリート組成物の調製>
シランカップリング剤処理を施した骨材1650gに重質炭酸カルシウム(ホワイトン,白石工業社製)100gを混合し、不飽和ポリエステル樹脂(イソ系不飽和ポリエステル樹脂)300gに硬化剤(ナフテン酸コバルト)3gを添加してミキサーで混錬し、レジンコンクリート組成物を調製した。このレジンコンクリート組成物を「レジンコンクリート1」という。
<レジンコンクリート硬化物の作製>
調製したレジンコンクリート1の2050gを、内寸が横50mm×縦50mm×厚み50mmの型に入れ、60℃で360分間加熱して、レジンコンクリート硬化物を作製した。このレジンコンクリート硬化物を「試験片1」という。
<曲げ試験>
試験装置(島津オートグラフAG−1 10kN,島津製作所社製;支点間距離60mm,試験速度1.5mm/min)を用いて、作製した試験片1の3点曲げ試験を行い、弾性率(単位:MPa)、最大点試験力(単位:N)、最大点変位(単位:Mm)、最大点応力(単位:MPa)及び最大点ひずみ(単位:%)を測定した。測定結果を表1の該当欄に示す。
[実施例2〜5]
実施例1と同様にして、レジンコンクリート組成物を調製し、レジンコンクリート硬化物を作製し、曲げ試験を行った。測定結果を表1の該当欄に示す。実施例2〜5において、調製したレジンコンクリート組成物を、それぞれ、レジンコンクリート2〜5といい、作製したレジンコンクリート硬化物を、それぞれ、試験片2〜5という。
Figure 2020164400
[比較例1〜5]
シランカップリング剤処理を施していない骨材を用いて、実施例1と同様にして、レジンコンクリート組成物(レジンコンクリート6〜10)を調製し、レジンコンクリート硬化物(試験片6〜10)を作製し、曲げ試験を行った。測定結果を表2の該当欄に示す。
比較例1〜5において、調製したレジンコンクリート組成物を、それぞれ、レジンコンクリート6〜10といい、作製したレジンコンクリート硬化物を、それぞれ、試験片6〜10という。
Figure 2020164400
[結果の説明]
実施例1〜5の最大点応力の平均値(表1)と比較例1〜5の最大点応力の平均値(表2)とを対比すると、実施例の最大点応力の平均値が比較例の最大点応力の平均値よりも1割向上している。
これは、不飽和ポリエステル樹脂と骨材との間にシランカップリング剤を介した結合が形成されたことにより、樹脂と骨材の剥離が軽減され、密着性が向上したとことによると考えられる。
本発明のレジンコンクリート組成物を用いることにより、優れた曲げ強度を有する硬化物を得られること、及び、優れた曲げ強度を有する繊維強化プラスチック複合管を製造できることが示唆された。
[熱重量分析]
試験装置(STA7300,HITACHI社製;測定範囲30℃〜1000℃,昇温速度10℃/min,雰囲気 窒素フロー 200mL/min,試料容器 Ptパン開放,前処理なし)を用いて、シランカップリング剤処理を施した骨材を熱重量分析して、初期重量(熱処理前の重量)及び最終重量(熱処理後の重量)を求め、重量減及び重量変化率を算出した。結果を表3の該当欄に示す。
シランカップリング剤の被覆率(%)は、下式により算出した。
シランカップリング剤の被覆率(%)
=100×〔熱重量分析で減少した重量0.027(mg)/{珪砂の表面積4π(1.01)(mm)×シランカップリング剤の被覆厚み5×10−3(mm)×比重0.986(mg/mm)}〕
=42.7(%)
Figure 2020164400
[充填剤のシランカップリング剤処理]
<充填剤の準備>
ガラスパウダーCF0033(平均粒径8.03μm:日本フリット社製)を準備した。
<シランカップリング剤処理液の調製>
エタノール−水混合溶媒(エタノール90質量%、水10質量%)80質量部と、シランカップリング剤(γ−メタクリロキシプロピルトリエのトキシシラン;SILQUEST Y−9936 SILANE,モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製)20質量部とを混合して、シランカップリング剤を20質量%含むシランカップリング剤処理液を調製した。
<シランカップリング剤処理>
準備した充填剤100gをシランカップリング剤処理液100gを付加して約5分間撹拌し、ミキサーから取り出して、120℃で8時間加熱した後、板の上に均して自然冷却せしめて、ガラスパウダーの表面の少なくとも一部にシランカップリング剤を含む被膜を設けた。
[実施例6]
<レジンコンクリート組成物の調製>
シランカップリング剤処理を施したガラスパウダー100gに前記のシランカップリング剤処理を施した骨材1650g、を混合し、不飽和ポリエステル樹脂(イソ系不飽和ポリエステル樹脂)300gに硬化剤(ナフテン酸コバルト)3gを添加してミキサーで混錬し、レジンコンクリート組成物を調製した。このレジンコンクリート組成物を「レジンコンクリート1」という。
<レジンコンクリート硬化物の作製>
調製したレジンコンクリート1の2050gを、内寸が横50mm×縦50mm×厚み50mmの型に入れ、60℃で360分間加熱して、レジンコンクリート硬化物を作製した。このレジンコンクリート硬化物を「試験片11」という。
<曲げ試験>
試験装置(島津オートグラフAG−1 10kN,島津製作所社製;支点間距離60mm,試験速度1.5mm/min)を用いて、作製した試験片11の3点曲げ試験を行い、弾性率(単位:MPa)、最大点試験力(単位:N)、最大点変位(単位:Mm)、最大点応力(単位:MPa)及び最大点ひずみ(単位:%)を測定した。測定結果を表1の該当欄に示す。
[実施例7〜10]
実施例6と同様にして、レジンコンクリート組成物を調製し、レジンコンクリート硬化物を作製し、曲げ試験を行った。測定結果を表4の該当欄に示す。実施例7〜10において、調製したレジンコンクリート組成物を、それぞれ、レジンコンクリート7〜10といい、作製したレジンコンクリート硬化物を、それぞれ、試験片7〜10という。
Figure 2020164400
[比較例6〜10]
シランカップリング剤処理を施していない骨材、充填剤を用いて、実施例6と同様にして、レジンコンクリート組成物(レジンコンクリート16〜20)を調製し、レジンコンクリート硬化物(試験片16〜20)を作製し、曲げ試験を行った。測定結果を表5の該当欄に示す。
比較例6〜10において、調製したレジンコンクリート組成物を、それぞれ、レジンコンクリート16〜20といい、作製したレジンコンクリート硬化物を、それぞれ、試験片16〜20という。
Figure 2020164400
[結果の説明]
実施例6〜10の最大点応力の平均値(表4)と比較例6〜10の最大点応力の平均値(表5)とを対比すると、実施例の最大点応力の平均値が比較例の最大点応力の平均値よりも2割向上している。
これは、不飽和ポリエステル樹脂と骨材、充填剤との間にシランカップリング剤を介した結合が形成されたことにより、樹脂と骨材、充填剤の剥離が軽減され、密着性が向上したとことによると考えられる。
本発明のレジンコンクリート組成物を用いることにより、優れた曲げ強度を有する硬化物を得られること、及び、優れた曲げ強度を有する繊維強化プラスチック複合管を製造できることが示唆された。
[熱重量分析]
試験装置(STA7300,HITACHI社製;測定範囲30℃〜1000℃,昇温速度10℃/min,雰囲気 窒素フロー 200mL/min,試料容器 Ptパン開放,前処理なし)を用いて、シランカップリング剤処理を施した充填剤を熱重量分析して、初期重量(熱処理前の重量)及び最終重量(熱処理後の重量)を求め、重量減及び重量変化率を算出した。結果を表6の該当欄に示す。
シランカップリング剤の被覆率(%)は、下式により算出した。
ガラスパウダーの個数はガラスパウダーの比重と体積より算出した。
シランカップリング剤の被覆率(%)
=100×〔熱重量分析で減少した重量0.017(mg)/{充填剤の表面積4π×(8.03×10−3(mm)×シランカップリング剤の被覆厚み5×10−3(mm)×比重0.986(mg/mm)×ガラスパウダーの個数2814627(個)}〕
=15.1(%)
Figure 2020164400
本発明のレジンコンクリート組成物は、優れた曲げ強度を有する硬化物が得られる。そのため、本発明のレジンコンクリート組成物を樹脂モルタル層に用いると、優れた曲げ強度を有する繊維強化プラスチック複合管を製造できる。
1 繊維強化プラスチック複合管
2 内面保護層
3 内面繊維強化樹脂層
3a 内面繊維強化樹脂層(周方向)
3b 内面繊維強化樹脂層(軸方向)
4 樹脂モルタル層
5 外面繊維強化樹脂層
5a 外面繊維強化樹脂層(軸方向)
5b 外面繊維強化樹脂層(周方向)
6 外面保護層

Claims (11)

  1. 不飽和ポリエステル樹脂と、骨材と、前記骨材の表面の少なくとも一部に位置する被膜とを含み、前記被膜がシランカップリング剤を含有する、レジンコンクリート組成物。
  2. 前記シランカップリング剤はメタクリル基を有機官能基として有する、請求項1に記載のレジンコンクリート組成物。
  3. 前記不飽和ポリエステル樹脂と前記骨材とは、前記シランカップリング剤を介して結合している、請求項1又は2に記載のレジンコンクリート組成物。
  4. 前記骨材が珪砂である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のレジンコンクリート組成物。
  5. 充填剤と、前記充填剤の表面の少なくとも一部に位置する被膜とをさらに含み、前記被膜がシランカップリング剤を含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のレジンコンクリート組成物。
  6. 前記充填剤の表面の少なくとも一部に位置する被膜が含有するシランカップリング剤はメタクリル基を有機官能基として有する、請求項5に記載のレジンコンクリート組成物。
  7. 前記不飽和ポリエステル樹脂と前記充填剤とは、前記シランカップリング剤を介して結合している、請求項5又は6に記載のレジンコンクリート組成物。
  8. 前記充填剤がガラスパウダーである、請求項5〜7のいずれか1項に記載のレジンコンクリート組成物。
  9. 骨材と、前記骨材の表面の少なくとも一部に位置する被膜とを含み、前記被膜がシランカップリング剤を含有する、ポリエステル系レジンコンクリート用被膜付き骨材。
  10. 充填剤と、前記充填剤の表面の少なくとも一部に位置する被膜とを含み、前記被膜がシランカップリング剤を含有する、ポリエステル系レジンコンクリート用被膜付き充填剤。
  11. 樹脂モルタル層と、前記樹脂モルタル層の内周面及び外周面の少なくとも一方に積層された繊維強化樹脂層と、を有する繊維強化プラスチック複合管であって、
    前記樹脂モルタル層は、請求項1〜8のいずれか1項に記載のレジンコンクリート組成物の硬化物からなり、
    前記繊維強化樹脂層は、繊維強化樹脂からなる、
    繊維強化プラスチック複合管。
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