JP2004323509A - 2,7−ジアミノナフタレン化合物、電荷輸送材料、有機電界発光素子材料、および有機電界発光素子 - Google Patents

2,7−ジアミノナフタレン化合物、電荷輸送材料、有機電界発光素子材料、および有機電界発光素子 Download PDF

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Abstract

【課題】電流効率、発光効率が高く、低電圧駆動が可能で駆動安定性、耐熱性に優れた安定した発光特性を示す有機電界発光素子を提供する。
【解決手段】下記一般式(I)で表される新規2,7−ジアミノナフタレン化合物。この2,7−ジアミノナフタレン化合物を含む層を有する有機電界発光素子。
【化24】
Figure 2004323509

(一般式(I)中、R〜Rは、各々独立に、置換基を有していても良い芳香族基を表すか、あるいはRとR、RとRが結合して、各々独立に、置換基を有していても良い環を形成する。
但し、R〜R、RとRが結合して形成する環、およびRとRが結合して形成する環のうちの少なくとも1つは、3環以上が縮合してなる、置換基を有していても良い芳香族縮合環基を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、新規な2,7−ジアミノナフタレン化合物と、これを用いた電荷輸送材料、有機電界発光素子材料および有機電界発光素子に関するものである。詳しくは、有機化合物から成る発光層に電界をかけて光を放出する薄膜型デバイスとしての有機電界発光素子に用いられる、特に正孔輸送性の層形成材料として好適な新規2,7−ジアミノナフタレン化合物と、これを用いた電荷輸送材料、有機電界発光素子材料および、この2,7−ジアミノナフタレン化合物含む層を設けた有機電界発光素子に関するものである。
従来、薄膜型の電界発光(EL)素子としては、無機材料のII−VI族化合物半導体であるZnS、CaS、SrS等に、発光中心であるMnや希土類元素(Eu、Ce、Tb、Sm等)をドープしたものが一般的であるが、上記の無機材料から作製したEL素子は、
1)交流駆動が必要(50〜1000Hz)、
2)駆動電圧が高い(〜200V)、
3)フルカラー化が困難(特に青色)、
4)周辺駆動回路のコストが高い、
という問題点を有している。
しかし、近年、上記問題点の改良のため、有機薄膜を用いたEL素子の開発が行われるようになった。特に、発光効率を高めるため、電極からのキャリアー注入の効率向上を目的として、電極の種類の最適化を行い、芳香族ジアミンから成る正孔輸送層と8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体から成る発光層とを設けた有機電界発光素子の開発(Appl.Phys.Lett.,51巻,913頁,1987年)により、従来のアントラセン等の単結晶を用いたEL素子と比較して発光効率の大幅な改善がなされ、実用特性に近づいている。
上記の様な低分子材料を用いた電界発光素子の他にも、発光層の材料として、ポリ(p−フェニレンビニレン)、ポリ[2-メトキシ-5-(2-エチルヘキシルオキシ)-1,4-フェニレンビニレン]、ポリ(3-アルキルチオフェン)等の高分子材料を用いた電界発光素子の開発や、ポリビニルカルバゾール等の高分子に低分子の発光材料と電子移動材料を混合した素子の開発も行われている。
有機電界発光素子をフラットパネル・ディスプレイやバックライト等の光源に応用するためには、素子の信頼性を十分に確保する必要がある。しかしながら、従来の有機電界発光素子では耐熱性が不十分であり、素子の環境温度やプロセス温度の上昇により電流−電圧特性が高電圧側にシフトしたり、素子駆動時の局所的なジュール発熱により寿命が低下したり、非発光部分(ダークスポット)の発生および増加等の劣化が避けられなかった。
これらの劣化の主原因は、有機層の薄膜形状の劣化である。この薄膜形状の劣化は素子駆動時の発熱等による温度上昇で、有機非晶質薄膜の結晶化(または凝集)等に起因すると考えられている。この耐熱性の低さは、材料のガラス転移温度(以下「Tg」と略す)の低さに由来すると考えられる。
低分子量(例えば、分子量400〜600程度)の化合物、特に正孔輸送材料については、融点が低く対称性が高いものが多い。これまでに有機電界発光素子の正孔輸送材料としてよく用いられている代表的な芳香族アミン化合物を以下に示す。
Figure 2004323509
Figure 2004323509
Figure 2004323509
上記芳香族ジアミン(A−1)のTgは65℃であり、N,N’−ジフェニル−N,N’−(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(通常TPDと呼ばれる)のTgは60℃、スターバースト型芳香族トリアミン(A−2)のTgは75℃(J.Phys.Chem.,97巻、6240頁、1993年)、また、α−ナフチル基を導入した4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(A−3)のTgは96℃(電子情報通信学会技術研究報告、OME95-54、1995年)である。
これらの芳香族アミン化合物から形成される有機非晶質薄膜では、温度上昇により結晶化したり、正孔輸送層と発光層の2層型素子構造においては相互拡散現象を起こしたりする。そして、その結果、素子の発光特性、特に駆動電圧が高くなる劣化現象が現れ、最終的には駆動寿命の低下につながる。また、素子の駆動時以外でも、素子作成時において、蒸着、ベーキング(アニール)、配線、封止等の工程での温度上昇が見込まれるため、正孔輸送材料のTgは更に高いことが望ましい。
一方、低分子量化合物の代わりに高分子材料を有機電界発光素子の正孔輸送材料として用いる試みも行われており、例えばポリビニルカルバゾール(電子情報通信学会技術研究報告、OME90-38、1990年)、ポリシラン(Appl.Phys.Lett.、59巻、2760頁、1991年)、ポリフォスファゼン(第42回高分子学会年次大会、I-8-07およびI-8-08、1993年)等が報告されている。しかし、ポリビニルカルバゾールは200℃と高いTgを有するものの正孔のトラップ等の問題があり耐久性は低く、ポリシランは光劣化等により駆動寿命が数秒と短く、ポリフォスファゼンはイオン化ポテンシャルが高く、いずれも従来の芳香族ジアミン化合物を凌ぐ特性は示していない。
この他に、芳香族ジアミン化合物をポリカーボネートやポリメチルメタアクリレートに30〜80重量%分散させた正孔輸送層も検討されているが(Jpn.J.Appl.Phys.、31巻、L960頁、1992年)、低分子化合物が可塑剤として作用してTgを下げ、素子特性も芳香族ジアミン化合物を単独で使用した場合と比較して低下している。
このように、有機電界発光素子の実用化に向けて、素子の耐熱性および駆動寿命に未だ大きな問題を抱えているのが現状である。
有機電界発光素子の耐熱性が改善されず、発光特性が不安定なことは、ファクシミリ、複写機、液晶ディスプレイのバックライト等の光源としては大きな問題であり、フラットパネル・ディスプレイ等の表示素子としても望ましくない特性である。特に車載用表示への応用を考える上では深刻である。
なお、特開平8−87122号公報には下記(A−4)のような2,7−ジアミノナフタレン化合物を含む有機電界発光素子および電子写真感光体の電荷輸送層についての記載があり、また、特開平7−120949号公報には下記(A−5)、(A−6)のような2,7−ジアミノナフタレン化合物を含む電子写真感光体の感光層についての記載がある。
Figure 2004323509
Figure 2004323509
しかし、上記化合物(A−4)、(A−5)、(A−6)は、有機電界発光素子の正孔輸送層材料としてはTgが低く、該化合物を正孔輸送層に用いた有機電界発光素子では十分な駆動寿命が得られないと考えられる。また、後述するようにジアミノナフタレン化合物はアミノ基の置換位置により電気化学的特性およびイオン化ポテンシャルが大きく異なるため、それを正孔輸送層に用いた有機電界発光素子の特性も異なる。本発明者が鋭意検討した結果、有機電界発光素子の正孔輸送材料としては、2,7−位置換体が特に有用であることを見出したが、特開平8−87122号公報および特開平7−120949号公報にはアミノ基の置換位置と電気化学的特性およびイオン化ポテンシャルに関する記載はない。
特開平2−44363号公報にはジアミノナフタレン化合物を含有する電子写真感光体についての記載があるが、この公報に記載されている化合物もまた有機電界発光素子の正孔輸送層材料としてはTgが低いと考えられる。さらに、後述するように、有機電界発光素子の正孔輸送材料としては、フロンティア電子軌道が窒素原子に置換したアリール基に大きく広がっている化合物が、正孔移動度が大きいために有用であると考えられるが、特開平2−44363号公報記載のジアミノナフタレン化合物は窒素原子に非共役のアルキル基およびアラルキル基が置換しているため、窒素原子に置換したアルキル基およびアラルキル基にフロンティア電子軌道が広がらず、正孔移動度が小さいと考えられ、有機電界発光素子の正孔輸送層材料としては好ましくない。しかも、本公報に記載される例示化合物は全て1,5−位置換体であり、電気化学的特性およびイオン化ポテンシャルの面からも有機電界発光素子の正孔輸送層材料としては2,7−位置換体には及ばないと考えられる。
特開平5−234681号公報には、下記の(A−7)ような2,6−ジアミノナフタレン化合物が有機電界発光素子の正孔輸送層材料の具体例として記載されている。
Figure 2004323509
しかし、該化合物(A−7)は2,6−位置換体であるため、イオン化ポテンシャルが低く有機電界発光素子の正孔輸送層材料としては2,7−位置換体ほど好ましくないと思われる。また、後述するように、2,6−位置換体は中心のナフチレン基の電子密度が大きいため、窒素原子に置換したアリール基にフロンティア電子軌道が広がらず、正孔移動度が比較的小さくなる傾向がある。さらに、該化合物は有機溶媒への溶解性の点においても改善の余地があり、生産性の面で課題があると考えられる。
特開平6−120541号公報には、電荷輸送染料としてジアミノアセナフテン化合物を含む有機太陽電池についての記載があり、特開平4−181260号公報および特開平2−44364号公報にはジアミノフェナントレンを含む電子写真感光体についての記載があり、特開平2−44365号公報にはジアミノアントラセンを含む電子写真感光体についての記載がある。しかし、これらの、3環以上が縮合してなる縮合環基に2個以上のアミノ基が置換された化合物は、中心の縮合環基の電子雲が大きく広がっているため、窒素原子に置換したアリール基にフロンティア電子軌道が広がらず、正孔移動度が比較的小さく、正孔輸送層材料として好ましくないと考えられる。さらに、これらの3環以上の縮合環基に2個以上のアミノ基が置換された化合物は、LUMO(最低非占有分子軌道)のエネルギーレベルが低く、比較的長波長領域に吸収および発光波長をもつため、特に青色の有機電界発光素子の正孔輸送層材料としては問題がある。
特開平8−87122号公報 特開平7−120949号公報 特開平2−44363号公報 特開平5−234681号公報 特開平6−120541号公報 特開平4−181260号公報 特開平2−44364号公報 特開平2−44365号公報 Appl.Phys.Lett.,51巻,913頁,1987年 J.Phys.Chem.,97巻、6240頁、1993年 電子情報通信学会技術研究報告、OME95-54、1995年 電子情報通信学会技術研究報告、OME90-38、1990年 Appl.Phys.Lett.、59巻、2760頁、1991年 第42回高分子学会年次大会、I-8-07およびI-8-08、1993年 Jpn.J.Appl.Phys.、31巻、L960頁、1992年
本発明は上記従来の問題点を解決し、低電圧、高効率駆動が可能であり、かつ耐熱性、駆動安定性に優れ、高温においても安定な発光特性を長時間にわたって維持できる有機電界発光素子を実現し得る新規2,7−ジアミノナフタレン化合物と、これを用いた電荷輸送材料、有機電界発光素子材料及び有機電界発光素子を提供することを目的とする。
本発明の2,7−ジアミノナフタレン化合物は、下記一般式(I)で表されることを特徴とする。
Figure 2004323509
(一般式(I)中、R〜Rは、各々独立に、置換基を有していても良い芳香族基を表すか、あるいはRとR、RとRが結合して、各々独立に、置換基を有していても良い環を形成する。
但し、R〜R、RとRが結合して形成する環、およびRとRが結合して形成する環のうちの少なくとも1つは、3環以上が縮合してなる、置換基を有していても良い芳香族縮合環基を表す。)
即ち、本発明者は、有機電界発光素子の電流効率、発光効率および駆動寿命特性等において、更なる向上を図るべく検討した結果、上記一般式(I)で表される新規2,7−ジアミノナフタレン化合物が、分子中に有する3環以上の芳香族縮合環基の存在のために、Tgが高く、適度なイオン化ポテンシャルを有し、正孔輸送能が高く、電流効率および発光効率の向上、さらには駆動安定性および駆動寿命の向上に有効であることを見出し、本発明に到達した。
上記一般式(I)で表される本発明の2,7−ジアミノナフタレン化合物は、その分子構造から高いTgを有し、容易には結晶化しない有機薄膜を得ることが可能である。また、本発明の2,7−ジアミノナフタレン化合物のイオン化ポテンシャルおよび酸化還元電位は、それぞれ、4.9〜5.3eV程度、0.6〜1.0Vvs.SCE程度であり、有機電界発光素子の正孔輸送層材料として適度な値を有する。そのため、本発明の2,7−ジアミノナフタレン化合物を正孔輸送層材料として用いた有機電界発光素子は、高い電流効率および発光効率を示す。
一方、アミノ基の置換位置の異なるジアミノナフタレン化合物(すなわち、2,6−ジアミノナフタレン化合物、1,4−ジアミノナフタレン化合物、1,5−ジアミノナフタレン化合物)のイオン化ポテンシャルおよび酸化還元電位は、対応する2,7−ジアミノナフタレン化合物と比較して、それぞれ、0.2〜0.5eVおよび0.2〜0.5V程度低い。このため、前述の置換基の異なるジアミノナフタレン化合物を正孔輸送層材料として用いた場合、発光層に用いられる分子とのエキサイプレックスが形成されやすくなるため、有機電界発光素子としての電流効率および発光効率が低いものとなる。
通常、芳香族ジアミンが一電子酸化されたラジカルカチオンの正電荷は中心部に局在化し、正孔移動の妨げとなる。しかし、本発明の2,7−ジアミノナフタレン化合物は、中心のナフタレン環に比較して、より大きな電子雲を有する芳香族縮合環基を置換基として有しているため、正電荷が非局在化して、高い正孔輸送能を示す。さらに、本発明の2,7−ジアミノナフタレン化合物は、2つの窒素原子の相互作用が、前述のアミノ基の置換位置の異なるジアミノナフタレン化合物と比較して弱いため、中心のナフチレン基での正電荷の局在化が起こりにくく、より高い正孔輸送能を持つと考えられる。このため、本発明の2,7−ジアミノナフタレン化合物を正孔輸送層材料として用いた有機電界発光素子は、駆動安定性に優れる。
本発明の電荷輸送材料は、このような本発明の2,7−ジアミノナフタレン化合物を含むものであり、本発明の有機電界発光素子材料は、このような本発明の2,7−ジアミノナフタレン化合物を含むものである。
即ち、前記一般式(I)で表される2,7−ジアミノナフタレン化合物は、高いTgを有し、かつ電荷輸送性が高いことから、電荷輸送性材料として電子写真感光体、有機電界発光素子、光電変換素子、有機太陽電池、有機整流素子等に好適に使用できる。また、前記一般式(I)で表される2,7−ジアミノナフタレン化合物を用いることにより、耐熱性に優れ、長期間安定に駆動(発光)する有機電界発光素子が得られ、有機電界発光素子材料として好適である。
本発明の有機電界発光素子は、陽極と陰極との間に発光層を有する有機電界発光素子において、このような本発明の2,7−ジアミノナフタレン化合物を含む層を有するものであり、耐熱性、発光効率に優れ、駆動寿命が長い安定した有機電界発光素子である。
本発明によれば、正孔輸送能が高く、適度なイオン化ポテンシャルを有し、耐熱性に優れた新規2,7−ジアミノナフタレン化合物と、この2,7−ジアミノナフタレン化合物を好ましくは正孔輸送層に用いることにより、電流効率、発光効率が高く、低電圧駆動が可能で駆動安定性、耐熱性に優れた安定した発光特性を示す有機電界発光素子を得ることができる。
以下に本発明の実施の形態について詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はこれらの内容に特定はされない。
なお、本発明において「芳香族基」とは「芳香族炭化水素基および芳香族複素環基」を意味し、従って、前記一般式(I)に導入される「芳香族縮合環基」とは、芳香族炭化水素環のみが3環以上縮合してなる芳香族縮合環基であっても良く、芳香族複素環のみが3環以上縮合してなる芳香族縮合環基であっても良く、また、芳香族炭化水素環と芳香族複素環とが合計で3環以上縮合してなる芳香族縮合環基であっても良い。
まず、前記一般式(I)で表される本発明の2,7−ジアミノナフタレン化合物について説明する。
本発明の2,7−ジアミノナフタレン化合物を示す前記一般式(I)中、R〜Rは、各々独立に、置換基を有していても良い芳香族基を表すか、あるいはRとR、RとRが結合して、各々独立に、置換基を有していても良い環を形成するが、R〜R、RとRが結合して形成する環、およびRとRが結合して形成する環のうちの少なくとも1つは、3環以上が縮合してなる、置換基を有していても良い芳香族縮合環基を表す。
〜Rとして具体的には、フェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、アントリル基、ピレニル基、フルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、フルオランテニル基、ペリレニル基、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフリル基、インドリル基、カルバゾリル基、ベンゾカルバゾリル基、ピリジル基、キノリル基、キノキサリル基などの5または6員環の単環、またはこれらの環の2〜5縮合環からなる基、好ましくはフェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、アントリル基、フルオレニル基が挙げられる。これらはいずれも置換基を有していても良い。
また、RとR、あるいはRとRが互いに結合して、環を形成する場合、この環の好ましい具体例を以下に示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 2004323509
(式中、R,R,Rはアルキル基、芳香族炭化水素基、または水素原子を示す。)
なお、これらはいずれも置換基を有していても良い。
前記一般式(I)で表される本発明の2,7−ジアミノナフタレン化合物において、R〜R、RとRが結合して形成する環、およびRとRが結合して形成する環のうち少なくとも1つは、3環以上が縮合してなる、置換基を有していても良い芳香族縮合環基である。該芳香族縮合環基を有することにより、化合物のTgが上昇するため、例えば後述する有機電界発光素子の層に使用した場合に、素子の耐熱性が向上し、好ましい。
なお、化合物における正電荷の非局在化の点からは、R〜Rから選ばれた少なくとも1つが、3環以上が縮合してなる、置換基を有していても良い芳香族縮合環基である場合がより好ましい。
該芳香族縮合環基としては、アントリル基、フェナントリル基、ピレニル基、フルオレニル基、ピレニル基などの、5員環〜6員環の3環以上、好ましくは4環以上、また通常は5環以下の縮合環からなる芳香族炭化水素基や、アクリジニル基、フェナントリジニル基、ベンゾカルバゾリル基などの、5員環〜6員環の3環以上、好ましくは4環以上、また通常は5環以下の縮合環からなる芳香族複素環基などが挙げられる。
該縮合環の中でも、より好ましいものは芳香族炭化水素環が縮合したものであり、特に好ましいものはフェナントリル基である。フェナントリル基を有することにより、該化合物を含む層を有する有機電界発光素子の、連続駆動特性が飛躍的に向上する。
該芳香族縮合環基が結合する位置としては、R〜Rのいずれであっても良いが、RまたはRと、RまたはRとに、各々1つずつ有している場合が特に好ましい。
また、合成上は−NRと−NRが等しい、対称性の高い化合物が好ましいが、−NRと−NRを異なる基とすることにより、該化合物を含む薄膜の非晶性が高まるという利点があり、このような非対象の化合物も好ましい。
〜Rの芳香族基、RとRあるいはRとRが結合して形成する環、および上記芳香族縮合環基が有しうる置換基としては、特に制限はないが、例えば、メチル基、エチル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基等の炭素数1〜10のアルキル基、ビニル基等の炭素数2〜11のアルケニル基、エチニル基等の炭素数2〜11のアルキニル基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数2〜11のアルコキシ基アルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、ジメチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、エチルメチルアミノ基等のジアルキルアミノ基;メチルフェニルアミノ基などのアルキルアリールアミノ基;ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基、フェニルナフチルアミノ基、N−カルバゾリル基等のジアリールアミノ基;アセチル基等の炭素数2〜11のアシル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の炭素数2〜11のアルコキシカルボニル基;フェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、アントリル基、ピレニル基、フルオレニル基、ベンゾフルオレニル基等の芳香族炭化水素基;チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフリル基、インドリル基、カルバゾリル基、ベンゾカルバゾリル基、ピリジル基、キノリル基、キノキサリル基等の芳香族複素環基、から選ばれた1以上の置換基が挙げられ、これらはさらに置換されても良い。更なる置換基としては、特に制限はないが、例えば上述のアルキル基、芳香族炭化水素基などが挙げられる。これらの置換基はR〜R等の環上に2以上導入されていても良く、その場合において、置換基の位置は任意であり、また、複数の置換基は互いに同一であっても異なるものであっても良い。
〜Rにおける芳香族基、RとRあるいはRとRが結合して形成する環、および前記芳香族縮合環基、が有し得る置換基として、上記の中でも好ましいのはメチル基、フェニル基、トリル基、t−ブチル基、ビフェニル基、エチル基である。
このような本発明の2,7−ジアミノナフタレン化合物のうち、対象な化合物は、例えば2,7−ジヒドロキシナフタレン(B)を出発原料にして以下のように簡便に合成される。
Figure 2004323509
即ち、まず2,7−ジヒドロキシナフタレン(B)と一般式(II)で表される芳香族アミンとを1:2のモル比で脱水反応させる。得られた一般式(C)で表される中間体を、一般式(III)で表される芳香族ハロゲン化物と反応させることにより、一般式(D)で表される本発明の2,7−ジアミノナフタレン化合物が得られる。なお、上記一般式(II),(C),(III),(D)中、ArおよびArは、各々独立に、置換基を有していても良い芳香族基を表す。但し、ArおよびArのうちの少なくとも1方は、3環以上が縮合してなる、置換基を有していても良い芳香族縮合環基を表す。Xはヨウ素、臭素、塩素等のハロゲン原子である。
また、非対称型の2,7−ジアミノナフタレン化合物であれば、以下に示すようにして、2種類の芳香族アミンを用い、これらを2,7−ジヒドロキシナフタレン(B)に段階的に反応させることにより、合成することができる。
Figure 2004323509
即ち、まず、2,7−ジヒドロキシナフタレン(B)と一般式(IV)で表される芳香族アミンとを1:1のモル比で脱水反応させる。続いて、得られた一般式(E)で表される中間体と一般式(V)で表される芳香族アミンとを1:1のモル比で脱水反応させる。得られた一般式(F)で表される中間体を、一般式(VI)で表される芳香族ハロゲン化物と反応させることにより、一般式(G)で表される本発明の2,7−ジアミノナフタレン化合物が得られる。なお、一般式(IV)〜(VI),(E),(F),(G)中、Ar〜Arは、各々独立に、置換基を有していても良い芳香族基を表す。但し、Ar〜Arのうちの少なくとも1つは、3環以上が縮合してなる、置換基を有していても良い芳香族縮合環基を表す。Xはヨウ素、臭素、塩素等のハロゲン原子である。
非対象な2,7−ジアミノナフタレン化合物はまた、以下のようにして2種類の芳香族ハロゲン化物を用い、これらを段階的に反応させることにより、合成することもできる。
Figure 2004323509
即ち、2,7−ジヒドロキシナフタレン(B)と一般式(VII)で表される芳香族アミンとを1:2のモル比で脱水反応させる。得られた一般式(H)で表される中間体を、一般式(VIII)で表される芳香族ハロゲン化物と1:1のモル比で反応させる。得られた一般式(J)で表される中間体を、一般式(IX)で表される芳香族ハロゲン化物と1:1のモル比で反応させることにより、一般式(K)で表される本発明の2,7−ジアミノナフタレン化合物が得られる。なお、一般式(VII)〜(IX),(H),(J),(K)中、Ar〜Arは、各々独立に、置換基を有していても良い芳香族基を表す。但し、Ar〜Arのうちの少なくとも一つは、3環以上が縮合してなる、置換基を有していても良い芳香族縮合環基を表す。Xはヨウ素、臭素、塩素等のハロゲン原子である。
前記一般式(I)において、RとR、あるいはRとRとが結合して環を形成している2,7−ジアミノナフタレン化合物であれば、上述のようにして製造された2,7−ジアミノナフタレン化合物のアミン基上の置換基について、縮合反応を行う、または2,7−ジヒドロキシナフタレン(B)と環状の2級アミンを反応させることによって得られる。
前記一般式(I)で表される本発明の2,7−ジアミノナフタレン化合物の分子量は、通常、下限が450程度、好ましくは500程度であり、上限は通常1500程度、好ましくは1000程度である。この下限値を下回るとTgが低下する虞があり、また上限を超えると蒸着による成膜が困難になる可能性がある。
前記一般式(I)で表される本発明の2,7−ジアミノナフタレン化合物の好ましい具体例を以下の表−1(No.1〜No.94)に示すが、これらに限定するものではない。
Figure 2004323509
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前記一般式(I)で表される本発明の2,7−ジアミノナフタレン化合物は、高い電荷輸送性を有するため、電荷輸送性材料として電子写真感光体、有機電界発光素子、光電変換素子、有機太陽電池、有機整流素子等に好適に使用できる。特に正孔輸送性に優れることから電子輸送性の化合物として好適である。
また、前記一般式(I)で表される本発明の2,7−ジアミノナフタレン化合物を用いることにより、耐熱性に優れ、長期間安定に駆動(発光)する有機電界発光素子が得られるため、有機電界発光素子材料としても好適である。
次に、このような本発明の2,7−ジアミノナフタレン化合物を用いて構成される本発明の有機電界発光素子について説明する。
本発明の有機電界発光素子は、陽極と陰極との間に発光層を有し、前記一般式(I)で表される本発明の2,7−ジアミノナフタレン化合物を含有する層を有することを特徴とする。
本発明の有機電界発光素子において、この2,7−ジアミノナフタレン化合物は、有機電界発光素子におけるいずれの層に含有されていても良いが、好ましくは陽極と発光層との間の正孔輸送性の層に含有される。
本発明の有機電界発光素子において、同一の層内に2種以上の前記2,7−ジアミノナフタレン化合物が含有されていても良く、また、2以上の層にこの2,7−ジアミノナフタレン化合物が含有されていても良い。このような場合、これらの層に含有される2,7−ジアミノナフタレン化合物は同一のものであっても異なるものであっても良い。
なお、本発明の有機電界発光素子において、陽極−発光層間の層が、1つの場合にはこれを「正孔輸送層」と称し、2つ以上の場合は陽極に接している層を「陽極バッファ層」、それ以外の層を総称して「正孔輸送層」と称す。
以下に、図面を参照して、前記一般式(I)で表される本発明の2,7−ジアミノナフタレン化合物を正孔輸送層に含有する場合を例に、本発明の有機電界発光素子の実施の形態を詳細に説明する。
図1〜図3は本発明の有機電界発光素子の構造例を模式的に示す断面図であるが、本発明の有機電界発光素子は、何ら図示のものに限定されるものではない。図1〜図3において、1は基板、2は陽極、3は陽極バッファ層、4は正孔輸送層、5は発光層、6は電子輸送層、7は陰極を各々表わす。
基板1は有機電界発光素子の支持体となるものであり、石英やガラスの板、金属板や金属箔、プラスチックフィルムやシートなどが用いられる。特にガラス板や、ポリエステル、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスルホンなどの透明な合成樹脂の板が好ましい。合成樹脂基板を使用する場合にはガスバリア性に留意する必要がある。基板のガスバリア性が小さすぎると、基板を通過した外気により有機電界発光素子が劣化することがあるので好ましくない。このため、合成樹脂基板を用いる場合には、その少なくとも片面に緻密なシリコン酸化膜等を設けてガスバリア性を確保する方法も好ましい方法の一つである。
基板1上には陽極2が設けられる。陽極2は正孔輸送層4への正孔注入の役割を果たすものである。この陽極2は、通常、アルミニウム、金、銀、ニッケル、パラジウム、白金等の金属、インジウムおよび/またはスズの酸化物などの金属酸化物、ヨウ化銅などのハロゲン化金属、カーボンブラック、あるいは、ポリ(3-メチルチオフェン)、ポリピロール、ポリアニリン等の導電性高分子などにより構成される。陽極2は通常、スパッタリング法、真空蒸着法などにより形成されることが多い。また、銀などの金属微粒子、ヨウ化銅などの微粒子、カーボンブラック、導電性の金属酸化物微粒子、導電性高分子微粉末などを用いて陽極2を形成する場合には、適当なバインダー樹脂溶液に分散し、基板1上に塗布することにより陽極2を形成することもできる。更に、導電性高分子を用いて陽極2を形成する場合には、電解重合により直接基板1上に薄膜を形成したり、基板1上に導電性高分子溶液を塗布して陽極2を形成することもできる(Appl.Phys.Lett.,60巻,2711頁,1992年)。陽極2は異なる材料からなる層を積層して形成された積層構造を有するものであっても良い。
陽極2の厚みは、必要とする透明性により異なる。透明性が必要とされる場合は、可視光の透過率を、通常60%以上、好ましくは80%以上とすることが望ましく、この場合、陽極2の厚みの下限は通常5nm好ましくは10nmであり、上限は通常1000nm好ましくは500nmである。不透明で良い場合は陽極2の厚みは任意であり、例えば金属等で形成して基板1を兼ねても良い。
図1の有機電界発光素子では、陽極2の上に正孔輸送層4が設けられている。
正孔輸送層4の材料に要求される条件としては、陽極2からの正孔注入効率が高く、注入された正孔を効率良く輸送することが可能で、かつ、発光層5に正孔を効率良く受け渡しすることができる材料であることが必要である。そのためには正孔移動度が大きく、適度なイオン化ポテンシャルを有し、可視光の光に対して透明性が高く、さらに、容易には結晶化しない安定な非晶質膜を形成することができ、トラップとなる不純物が製造時や使用時に発生しにくいことが要求される。従って、4.9〜5.3eV程度のイオン化ポテンシャルを有し、可視光領域の吸収が小さく、フロンティア電子軌道が広く非局在化し、さらに、高いガラス転移温度Tgを有する材料が好ましい。
前記一般式(I)で表される本発明の2,7−ジアミノナフタレン化合物はこれらの条件を十分に満たすため、本発明の有機電界発光素子においては、本発明の2,7−ジアミノナフタレン化合物を陽極2と後述する発光層5との間に設けられる正孔注入・輸送性の層形成材料として使用することが好ましい。
なお、イオン化ポテンシャルは物質のHOMO(最高被占分子軌道)レベルにある電子を真空準位に放出するのに必要なエネルギーで定義され、光電子分光法で直接測定されるか、あるいは電気化学的に測定した酸化電位を基準電極に対して補正しても求められる。後者の方法の場合は、例えば、飽和甘コウ電極(SCE)を基準電極として用いたとき、
イオン化ポテンシャル=酸化電位(vs.SCE)+4.3eV
で表される("Molecular Semiconductors",Springer-Verlag,1985年、98頁)。
一般式(I)で表される本発明の2,7−ジアミノナフタレン化合物を含む正孔輸送層4は、塗布法あるいは真空蒸着法により前記陽極2上に形成される。塗布法による場合には、本発明の2,7−ジアミノナフタレン化合物を溶媒に溶解し、さらに必要によりこれに正孔のトラップにならないバインダー樹脂や塗布性改良剤などの添加剤とを添加して調製した塗布溶液を用い、公知の湿式成膜法により陽極2上に層形成すれば良い。ここで、湿式成膜法としては、スプレー法、印刷法、スピンコート法、ディップコート法、ダイコート法などの通常の塗布法や、インクジェット法、スクリーン印刷法など各種印刷法等が挙げられる。
バインダー樹脂としては、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル等が用いられる。正孔輸送層4に占めるバインダー樹脂量が多いと正孔移動度が低下するので、バインダー樹脂は正孔輸送層4中の含有量が50重量%以下となるように用いるのが好ましい。
真空蒸着法による場合には、本発明の2,7−ジアミノナフタレン化合物を収容したルツボを真空容器内に設置し、陽極2をルツボに対向させて配置する。この真空容器内を真空ポンプで10−4Pa程度にまで排気した後、ルツボを加熱して2,7−ジアミノナフタレン化合物を蒸発させ、発生した蒸気を陽極2上に蒸着させる。
なお、正孔輸送層4は、本発明の2,7−ジアミノナフタレン化合物の1種を単独で使用して形成しても良く、必要に応じて2種以上を混合して形成しても良い。また、本発明の素子の性能を損なわない範囲で本発明の2,7−ジアミノナフタレン化合物以外の芳香族アミン等を含有していても良い。正孔輸送層4には、さらに、アクセプタとして、芳香族カルボン酸の金属錯体および/または金属塩(特開平4-320484号公報)、ベンゾフェノン誘導体およびチオベンゾフェノン誘導体(特開平5-295361号公報)、フラーレン類(特開平5-331458号公報)等を10−3〜10重量%の濃度でドープして、フリーキャリアとしての正孔を生成させても良い。このようにすると一般に駆動電圧を低くすることができる。さらに、本発明の2,7−ジアミノナフタレン化合物が有する、優れた特性を損なわない限りにおいて、この正孔輸送層4には公知の正孔輸送材料を併用しても良い。
この公知の正孔輸送性材料としては、例えば、1,1-ビス(4-ジ-p-トリルアミノフェニル)シクロヘキサン、4,4'-ビス[N-(1-ナフチル)-N-フェニルアミノ]ビフェニルで代表される2個以上の3級アミンを含み2個以上の縮合芳香族環が窒素原子に置換した芳香族アミン(特開平5−234681号公報)、トリフェニルベンゼンの誘導体でスターバースト構造を有する芳香族トリアミン(米国特許第4,923,774号)、N,N'-ジフェニル-N,N'-ビス(3-メチルフェニル)ビフェニル-4,4'-ジアミン等、ピレニル基に芳香族ジアミノ基が複数個置換した化合物、スチリル構造を有する芳香族ジアミン(特開平4−290851号公報)、チオフェン基で芳香族3級アミンユニットを連結したもの(特開平4−304466号公報)、スターバースト型芳香族トリアミン(特開平4−308688号公報)、フルオレン基で3級アミンを連結したもの(特開平5−25473号公報)、トリアミン化合物(特開平5−239455号公報)、ビスジピリジルアミノビフェニル、N,N,N-トリフェニルアミン誘導体(特開平6−1972号公報)、フェノキサジン構造を有する芳香族ジアミン(特開平7−138562号公報)、ジアミノフェニルフェナントリジン誘導体(特開平7−252474号公報)、シラザン化合物(米国特許第4,950,950号公報)、シラナミン誘導体(特開平6−49079号公報)、ホスファミン誘導体(特開平6−25659号公報)などが挙げられる。これらの化合物は、単独で用いても良いし、必要に応じて2種以上を混合して用いても良い。
正孔輸送層4中の本発明の2,7−ジアミノナフタレン化合物の含有量は該層中50重量%以上であることが好ましく、80重量%以上であることがより好ましい。
正孔輸送層4の膜厚は、通常5nm以上、好ましくは10nm以上であり、また通常300nm以下、好ましくは100nm以下である。この様に薄い膜を一様に形成するためには、一般に真空蒸着法がよく用いられる。
図1に示す素子において、正孔輸送層4の上には発光層5が設けられる。発光層5は、電界を与えられた電極間において、陽極2から注入されて正孔輸送層4を移動する正孔と、陰極7から注入されて電子輸送層6を移動する電子との再結合により励起されて強い発光(蛍光または燐光)を示す発光性化合物を主成分として形成される。この発光性化合物は、安定な薄膜形状を有し、固体状態で高い(発光の)量子収率を示し、正孔および/または電子を効率良く輸送することができるものであることが必要である。更に電気化学的かつ化学的に安定であり、トラップとなる不純物が製造時や使用時に発生しにくい化合物であることが要求される。
このような条件を満たし、蛍光を示す発光層を形成する化合物としては、8-ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体などの錯体化合物(特開昭59-194393号公報)、10-ヒドロキシベンゾ[h]キノリンの錯体化合物(特開平6-322362号公報)、ビススチリルベンゼン誘導体(特開平1-245087号公報、同2-222484号公報)、ビススチリルアリーレン誘導体(特開平2-247278号公報)、(2-ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾールの金属錯体(特開平8-315983号公報)、シロール誘導体等が挙げられる。また、前述の正孔輸送性材料のうち、発光性を有する芳香族アミン系化合物も発光層材料として用いることができる。これらの発光層材料は、通常は真空蒸着法により正孔輸送層4上に積層される。
素子の発光効率を向上させるとともに発光色を変える目的で、例えば、8-ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体をホスト材料として、クマリン等のレーザー用蛍光色素をドープすること(J.Appl.Phys.,65巻,3610頁,1989年)等が行われている。このドーピング手法は、発光層5にも適用でき、ドープ用材料としては、クマリン以外にも各種の蛍光色素が使用できる。青色発光を与える蛍光色素としては、ペリレン、ピレン、アントラセン、クマリンおよびそれらの誘導体等が挙げられる。緑色蛍光色素としては、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体等が挙げられる。黄色蛍光色素としては、ルブレン、ペリミドン誘導体等が挙げられる。赤色蛍光色素としては、DCM系化合物、ベンゾピラン誘導体、ローダミン誘導体、ベンゾチオキサンテン誘導体、アザベンゾチオキサンテン等が挙げられる。
上記のドープ用蛍光色素以外にも、ホスト材料に応じて、レーザー研究,8巻,694頁,803頁,958頁(1980年);同9巻,85頁(1981年)、に列挙されている蛍光色素などを、発光層用のドープ材料として使用することができる。
ホスト材料に対して上記蛍光色素がドープされる量は、10−3重量%以上が好ましく、また10重量%以下が好ましい。ドープ量が10−3重量%未満では素子の発光効率向上に寄与できない場合があり、10重量%を超えると濃度消光が起き、発光効率の低下に至る可能性がある。
一方、燐光発光を示す発光層は、通常、燐光性ドーパントとホスト材料を含んで形成される。燐光性ドーパントとしては、例えば周期表7ないし11族から選ばれる金属を含む有機金属錯体が挙げられ、該金属錯体のT1(最低励起三重項準位)より高いT1を有する電荷輸送性有機化合物をホスト材料として使用することが好ましい。
周期表7ないし11族から選ばれる金属を含む燐光性有機金属錯体における、該金属として好ましくは、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、および金が挙げられる。
燐光発光を示す発光層に使用されるホスト材料としては、蛍光発光を示す発光層に使用されるホスト材料として前述した材料の他に、4,4'−N,N'−ジカルバゾールビフェニルなどのカルバゾール誘導体(WO 00/70655号公報)、トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム(USP 6,303,238号公報)、2,2',2’’−(1,3,5−ベンゼントリル)トリス[1−フェニル−1H−ベンズイミダゾール](Appl.Phys.Lett.,78巻,1622項,2001)、ポリビニルカルバゾール(特開2001−257076号公報)等が挙げられる。
さらに本発明の有機電界発光素子における発光層5は、ホスト材料および燐光性ドーパントと共に、前述の蛍光色素を含有していてもよい。
発光層5中にドーパントとして含有される有機金属錯体の量は、0.1重量%以上が好ましく、また30重量%以下が好ましい。この量が0.1重量%未満では素子の発光効率向上に寄与できない場合があり、30重量%を超えると有機金属錯体同士が2量体を形成する等の理由で濃度消光が起き、発光効率の低下に至る可能性がある。
燐光発光を示す発光層における燐光性ドーパントの量は、従来の蛍光(1重項)を用いた素子において、発光層に含有される蛍光性色素(ドーパント)の量より、若干多い方が好ましい傾向がある。また燐光性ドーパントと共に蛍光色素が発光層中に含有される場合、該蛍光色素の量は、0.05重量%以上が好ましく、0.05重量%以上がより好ましく、また10重量%以下が好ましく、2重量%以下がより好ましい。
発光層5の膜厚は、通常3nm以上、好ましくは5nm以上であり、また通常200nm以下、好ましくは100nm以下である。
発光層5も正孔輸送層4と同様の方法で形成することができるが、通常は真空蒸着法が用いられる。
以下に、上述の蛍光色素および/または燐光色素(燐光性ドーパント)を発光層のホスト材料にドープする方法を説明する。
塗布の場合は、前記発光層ホスト材料と、ドープ用色素、さらに必要により、電子のトラップや発光の消光剤とならないバインダー樹脂や、レベリング剤等の塗布性改良剤などの添加剤を添加し溶解した塗布溶液を調製し、スピンコート法などの方法により正孔輸送層4上に塗布し、乾燥して発光層5を形成する。バインダー樹脂としては、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル等が挙げられる。バインダー樹脂は添加量が多いと正孔/電子移動度を低下させるので、少ない方が望ましく、通常発光層5中の含有量で50重量%以下が好ましい。
真空蒸着法の場合には、前記ホスト材料を真空容器内に設置されたルツボに入れ、ドープする色素を別のルツボに入れ、真空容器内を適当な真空ポンプで10−4Pa程度にまで排気した後、各々のルツボを同時に加熱してホスト材料と色素を蒸発させ、ルツボと向かい合って置かれた基板上に層を形成する。また、他の方法として、上記の材料を予め所定比で混合したものを同一のルツボを用いて蒸発させても良い。
上記各ドーパントが発光層5中にドープされる場合、発光層5の膜厚方向において均一にドープされていても良く、膜厚方向において濃度分布があっても構わない。例えば、正孔輸送層4側の界面近傍にのみドープしたり、逆に、陰極7側の界面近傍にのみドープしても良い。
なお、発光層5は、本発明の性能を損なわない範囲で上記以外の成分を含んでいてもよい。
図1に示す素子において、発光層5の上に設けられる陰極7は、直接あるいは任意の層を介して発光層5に電子を注入する役割を果たす。陰極7として用いられる材料は、前記陽極2に使用される材料を用いることが可能であるが、効率良く電子注入を行なうには、仕事関数の低い金属が好ましく、スズ、マグネシウム、インジウム、カルシウム、アルミニウム、銀等の適当な金属またはそれらの合金が用いられる。具体例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、アルミニウム−リチウム合金等の低仕事関数の合金電極が挙げられる。
陰極7の膜厚は通常、陽極2と同様である。低仕事関数金属から成る陰極7を保護する目的で、この上に更に、仕事関数が高く大気に対して安定な金属層を積層することは素子の安定性を増すため好ましい。この目的のために、アルミニウム、銀、銅、ニッケル、クロム、金、白金等の金属が使われる。
正孔注入の効率を更に向上させ、かつ、有機層全体の陽極2への付着力を改善させる目的で、図2,3に示す如く、正孔輸送層4と陽極2との間に陽極バッファ層3を挿入することも行われている。陽極バッファ層3を挿入することで、初期の素子の駆動電圧が下がると同時に、素子を定電流で連続駆動した時の電圧上昇も抑制される効果がある。陽極バッファ層3に用いられる材料に要求される条件としては、陽極2とのコンタクトが良く均一な薄膜を形成することができ、熱的に安定、すなわち、融点およびTgが高く、融点としては300℃以上、Tgとしては100℃以上が要求される。更に、イオン化ポテンシャルが低く陽極2からの正孔注入が容易なこと、正孔移動度が大きいことが挙げられる。
この目的のために、これまでに、銅フタロシアニン等のフタロシアニン化合物(特開昭63-295695号公報)、ポリアニリン(Appl.Phys.Lett.,64巻、1245頁,1994年)、ポリチオフェン(Optical Materials,9巻、125頁、1998年)等の有機化合物や、スパッタ・カーボン膜(Synth.Met.,91巻、73頁、1997年)や、バナジウム酸化物、ルテニウム酸化物、モリブデン酸化物等の金属酸化物(J.Phys.D,29巻、2750頁、1996年)が報告されている。
また、正孔注入・輸送性の低分子有機化合物と電子受容性化合物を含有する層(特開平11−251067号公報、特開2000−159221号公報等に記載)や、芳香族アミノ基等を含有する非共役系高分子化合物に、必要に応じて電子受容性化合物をドープしてなる層(特開平11−135262号公報、特開平11−283750号公報、特開2000−36390号公報、特開2000−150168号公報、特開平2001−223084号公報、およびWO97/33193号公報など)、またはポリチオフェン等の導電性ポリマーを含む層(特開平10−92584号公報)なども挙げられるが、これらに限定されるものではない。
上記陽極バッファ層3材料としては、低分子・高分子いずれの化合物を用いる
ことも可能である。
陽極バッファ層3の場合も、正孔輸送層4と同様にして薄膜形成可能であるが、無機物の場合には、さらに、スパッタ法や電子ビーム蒸着法、プラズマCVD法が用いられる。
以上の様にして形成される陽極バッファ層3の膜厚は、低分子化合物を用いて形成される場合、下限は通常3nm、好ましくは10nm程度であり、上限は通常100nm、好ましくは50nm程度である。また高分子化合物を用いて形成される陽極バッファ層3の膜厚の下限は通常5nm、好ましくは10nm程度であり、上限は通常1000nm、好ましくは500nm程度である。
素子の発光効率を更に向上させることを目的として、図3に示す如く、発光層5と陰極7の間に電子輸送層6を設けても良い。電子輸送層6は、電界を与えられた電極間において陰極7から注入された電子を効率良く発光層5の方向に輸送することができる化合物より形成される。
電子輸送層6に用いられる電子輸送性化合物としては、陰極7からの電子注入効率が高く、かつ、高い電子移動度を有し注入された電子を効率良く輸送することができる化合物であることが必要である。
このような条件を満たす材料としては、8-ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体などの錯体化合物(特開昭59-194393号公報)、10-ヒドロキシベンゾ[h]キノリンの錯体化合物、オキサジアゾール誘導体、ジスチリルビフェニル誘導体、シロール誘導体、3-または5-ヒドロキシフラボン錯体化合物、ベンズオキサゾール錯体化合物、ベンゾチアゾール錯体化合物、トリスベンズイミダゾリルベンゼン(米国特許第5,645,948号)、キノキサリン化合物(特開平6-207169号公報)、フェナントロリン誘導体(特開平5-331459号公報)、2-t-ブチル-9,10-N,N'-ジシアノアントラキノンジイミン、n型水素化非晶質炭化シリコン、n型硫化亜鉛、n型セレン化亜鉛などが挙げられる。
電子輸送層6の膜厚は、通常5nm以上、好ましくは10nm以上であり、また通常200nm以下、好ましくは100nm以下である。
電子輸送層6は、正孔輸送層4と同様にして塗布法あるいは真空蒸着法により発光層5上に積層することにより形成される。通常は、真空蒸着法が用いられる。
更に、陰極7と図1,2の発光層5との界面、または陰極7と図3の電子輸送層6との界面に、LiF、MgF、LiOなどの極薄絶縁膜(膜厚0.1〜5nm)を挿入することも、素子の効率を向上させる有効な方法である(Appl.Phys.Lett.,70巻,152頁,1997年;特開平10-74586号公報;IEEE Trans.Electron.Devices,44巻,1245頁,1997年)。
本発明の有機電界発光素子は、上述した各層の他にも、陽極と陰極との間に任意の層を有していても良い。例えば、発光層で再結合しなかった正孔が陰極側へ通り抜けるのを阻止するべく、発光層の陰極側界面に接するように正孔阻止層を設けたり、電子輸送層や正孔輸送層を、各々複数の層を積層することにより構成してもよい。また層構成についても、図1とは逆の構造、即ち、基板上1に陰極7、発光層5、正孔輸送層4、陽極2の順に積層することも可能であり、既述したように少なくとも一方が透明性の高い2枚の基板の間に本発明の有機電界発光素子を設けることも可能である。同様に、図2、3に示した前記各層構成とは逆の構造に積層することも可能である。
本発明の有機電界発光素子は、有機電界発光素子が、単一の素子、アレイ状に配置された構造からなる素子、陽極と陰極がX−Yマトリックス状に配置された構造のいずれにおいても適用することができる。
このような有機電界発光素子によれば、正孔輸送層4に、正孔注入輸送能が高く、かつ、発光層界面との障壁も少なく、さらに、高いTgを有し、容易には結晶化しない本発明の2,7−ジアミノナフタレン化合物を含有させることにより、電流効率および発光効率が高く、かつ、低電圧駆動が可能で駆動安定性、耐熱性に優れた有機電界発光素子が提供される。
なお、本発明に係る前記一般式(I)で表される2,7−ジアミノナフタレン化合物は、基本的に正孔注入・輸送性の層には使用可能であるので、図1〜図3における正孔輸送層に限らず、陽極と発光層との間に設けられるいずれの層にも採用することが可能である。
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
実施例1:例示化合物(1)の合成
以下の構造式に示す本発明の2,7−ジアミノナフタレン化合物(例示化合物(1):表−1のNo.1の化合物)を合成した。
Figure 2004323509
1) N,N’−ビス(4−メチルフェニル)−2,7−ジアミノナフタレンの合成
Figure 2004323509
2,7−ジヒドロキシナフタレン16.3g(0.102mol)、p−トルイジン27.3g(0.245mol)、およびヨウ素1.3g(0.005mol)にテトラエチレングリコールジメチルエーテル4mLを加え、窒素雰囲気下、165℃で5.5時間反応させた。反応終了後、反応液にエタノール150mLを加え、10分間還流させた。放冷後、得られた結晶を濾過により回収することにより、白色針状結晶27.5g(0.081mol,収率80%)を得た。
2) N,N’−ビス(4−メチルフェニル)−N,N’−ジ(9−フェナントリル)−2,7−ジアミノナフタレンの合成
Figure 2004323509
N,N’−ビス(4−メチルフェニル)−2,7−ジアミノナフタレン6.40g(0.019mol)、9−ヨードフェナントレン16.0g(0.042mol)、銅2.4g(0.038mol)および炭酸カリウム7.8g(0.057mol)にテトラエチレングリコールジメチルエーテル30mLを加え、窒素下、200℃で8時間反応させた。反応終了後、反応液にテトラヒドロフラン(THF)150mLを加え不溶物を濾別した。濾液に含まれるTHFを減圧留去した後、メタノールに注ぎ、得られた沈殿物を濾過により回収した。得られた沈殿物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/トルエン=3/1)によって精製し、メタノールで洗浄することにより乳白色粉末7.54g(0.011mol,収率58%)を得た。
この乳白色粉末0.72gを昇華精製したところ、薄黄色アメ状固体0.51g(収率72%)が回収された。回収物の質量分析を行ったところ、分子量が690であったことから、該薄黄色アメ状固体が例示化合物(1)であることを確認した。また、セイコー電子社製DSC−20により示差熱分析測定したところ、Tgは152℃と高い値を示した。融点は高い非晶質性のために検出できなかった。
該薄黄色アメ状固体のH−NMR(CDCl3,270MHz)データを以下に示す。
8.69 (d, 2H, J=9.3)
8.66 (d, 2H, J=9.3)
8.06 (dd, 2H, J=8.2, 0.9)
7.70 (dd, 2H, J=7.7, 1.6)
7.62 (dd, 2H, J=6.9, 1.6)
7.60-7.49 (m, 6H)
7.55 (s, 2H)
7.43 (ddd, 2H, 7.2, 6.9, 0.9)
7.13 (dd, 2H, J=8.9, 2.0)
7.02-6.99 (m, 8H)
6.89 (d, 2H, J=2.0)
2.26 (s, 6H)
実施例2:例示化合物(91)の合成
以下の構造式に示す本発明の2,7−ジアミノナフタレン化合物(例示化合物(91):表−1のNo.91の化合物)を合成した。
Figure 2004323509
1)2,7−ビス(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ナフタレンの合成
Figure 2004323509
2,7−ジヒドロキシナフタレン11.8g (0.074mol)に塩化メチレン300mLおよびトリエチルアミン50mLを加え、窒素下、0℃に冷却した。滴下ロートから無水トリフルオロスルホン酸50.0g(0.177mol)を2時間かけて加えた後、2時間かけて室温まで昇温し、室温で30分間攪拌した。反応混合物を水300mLに放出し、攪拌した後、有機層を分取した。無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過、濃縮後、メタノールで再結晶することにより白色結晶23.6g
(0.056mol,収率75%)を得た。
2)2,7−ビス(N−カルバゾリル)ナフタレンの合成
Figure 2004323509
2,7−ビス(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ナフタレン3.50g (0.0083mol)、カルバゾール3.31g (0.0198mol)、炭酸カリウム6.48g (0.0469mol)にキシレン30mLを加え、窒素下、80℃に昇温した後、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)0.17g(0.00016mol)と1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン0.36g(0.00065mol)から調製した触媒のキシレン溶液10mLを5分間かけて加えた。120℃で8時間反応させた後、室温に冷却後、濃縮した。クロロホルムおよび水を加え、析出物を溶解し、有機層を分取した。無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過、濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/トルエン=4/1)によって精製し、メタノールで洗浄することにより白色粉末0.85g
(0.0019mol,収率22%)が得られた。
この白色粉末の質量分析を行ったところ、分子量が458であったことから、該白色粉末が例示化合物(91)であることを確認した。また、セイコー電子社製DSC−20により示差熱分析測定したところ、Tgは93℃であり、融点は250℃であった。
該白色粉末のH−NMR(CDCl3, 270MHz)データを以下に示す。
8.20 (d, 2H, J=8.5)
8.19 (dd, 4H, J=8.0, 1.5)
8.12 (d, 2H, J=1.9)
7.79 (dd, 2H, J=8.5, 1.9)
7.53 (dd, 4H, J=8.0, 1.5)
7.45 (ddd, 4H, 8.0, 7.6, 1.5)
7.33 (ddd, 4H, 8.0, 7.6, 1.5)
実施例3:例示化合物(1)の電気化学的・分光学的測定
BAS製エレクトロケミカルアナライザー650Aにより、過塩素酸テトラブチルアンモニウム0.1Mの塩化メチレン溶液中で、作用電極としてBAS製GCE、対電極としてPt線、参照電極としてAg線を用いて、例示化合物(1)のサイリックボルタンメトリーを測定したところ、酸化還元電位は0.83Vvs.SCEであり、有機電界発光素子の正孔輸送層材料として適度な値を示した。なお、酸化還元電位は内標物質としてフェロセン/フェロセニウムを用いて換算した。
また、真空蒸着することにより成膜した例示化合物(1)の薄膜試料のイオン化ポテンシャルを理研計器(株)製の紫外線電子分析装置(AC−1)を用いて測定したところ、5.07eVであり、有機電界発光素子の正孔輸送層材料として適度な値を示した。
また、この薄膜試料の可視部分の吸収スペクトルを測定した結果を図4に示す。図4に示す如く、可視光領域において高い透明性を示した。
比較例1:比較化合物(L)の合成
2,7−ジヒドロキシナフタレンの代わりに2,6−ジヒドロキシナフタレンを用いた他は、実施例1と同様の方法で、下記構造式で表される比較化合物(L)を合成した。
Figure 2004323509
比較例2:比較化合物(L)の電気化学的・分光学的測定
この比較化合物(L)について、実施例3と同様の方法でサイリックボルタンメトリーを測定したところ、酸化還元電位は0.51Vvs.SCEであった。なお、酸化還元電位は内標物質としてフェロセン/フェロセニウムを用いて換算した。また、薄膜試料のイオン化ポテンシャルを実施例3と同様に測定したところ、4.75eVであり、いずれも例示化合物(1)よりも低かった。また、薄膜試料の可視部分の吸収スペクトルを測定した結果は図4に示す通りであり、透明性についても例示化合物(1)より劣るものであった。
実施例4:例示化合物(1)を使用した有機電界発光素子の作製
図3に示す構造を有する有機電界発光素子を以下の方法で作製した。
ガラス基板上にインジウム・スズ酸化物(ITO)透明導電膜を120nm堆積したもの(ジオマテック社製;電子ビーム成膜品;シート抵抗15Ω/sq)を通常のフォトリソグラフィ技術と塩酸エッチングを用いて2mm幅のストライプにパターニングして陽極2を形成した。パターン形成したITO基板を、アセトンによる超音波洗浄、純水による水洗、イソプロピルアルコールによる超音波洗浄の順で洗浄後、窒素ブローで乾燥させ、最後に紫外線オゾン洗浄を行った。
次に、陽極バッファ層3として下記構造の芳香族ジアミン含有ポリエーテル(P-1)(重量平均分子量25,300;ガラス転移温度171℃)およびこの(P-1)に対し10重量%の下記化合物(P-2)を下記の条件で、上記ガラス基板上にスピンコートした。
Figure 2004323509
Figure 2004323509
溶媒 : 安息香酸エチル
(P−1)濃度: 20[mg/ml]
(P−2)濃度: 2[mg/ml]
スピナ回転数 : 1500[rpm]
スピナ回転時間: 30[秒]
乾燥条件 : 100℃で1.5時間
上記のスピンコートにより30nmの膜厚の均一な薄膜形状を有する陽極バッファ層3を形成した。
次に、陽極バッファ層3を塗布成膜した基板1を真空蒸着装置内に設置した。この装置の粗排気を油回転ポンプにより行った後、装置内の真空度が2×10-6Torr(約2.7×10-4Pa)以下になるまで液体窒素トラップを備えた油拡散ポンプを用いて排気した。
この装置内に配置されたセラミックルツボに例示化合物(1)を入れ、ルツボの周囲のタンタル線ヒーターで加熱して蒸着を行った。蒸着時の真空度は1.3×10-6Torr(約1.7×10-4Pa)で、蒸着速度0.1〜0.17nm/秒(平均0.13nm/秒)で膜厚40nmの正孔輸送層4を成膜した。
引続き、発光層5の材料として、以下の構造式(Q−1)および(Q−2)に示すアルミニウムの8−ヒドロキシキノリン錯体(Al(CHNO))およびC545Tを同時に蒸着した。アルミニウムの8−ヒドロキシキノリン錯体に対するC545Tの割合は0.8重量%になるようにした。
Figure 2004323509
Figure 2004323509
この蒸着時の真空度は0.7×10-6Torr(約0.9×10-4Pa)、アルミニウムの8−ヒドロキシキノリン錯体の蒸着速度は0.15nm/秒、C545Tの蒸着速度は0.0012nm/秒で、膜厚30nmの発光層5を成膜した。
続いて、電子輸送層6として、上記のアルミニウムの8−ヒドロキシキノリン錯体(Q−1)を正孔輸送層4と同様にして蒸着し、この時のアルミニウムの8−ヒドロキシキノリン錯体蒸着時の真空度は0.6×10−6Torr(約0.8×10−4Pa)、蒸着速度は0.2nm/秒で、蒸着された電子輸送層6の膜厚は30nmであった。
なお、上記の正孔輸送層4、発光層5、および電子輸送層6を真空蒸着する時の基板温度は室温に保持した。
ここで、電子輸送層6までの蒸着を行った素子を一度前記真空蒸着装置内より大気中に取り出し、陰極蒸着用のマスクとして2mm幅のストライプ状シャドーマスクを、陽極2のITOストライプと直交するように素子に密着させた。この素子を別の真空蒸着装置内に設置し、有機層形成時と同様にして装置内の真空度が2.5×10-6Torr(約3.2×10-4Pa)以下になるまで排気した。
続いて、陰極7として、フッ化リチウム(LiF)をモリブデンボートを用いて、蒸着速度0.01nm/秒、真空度5.8×10−6Torr(約7.5×10−4Pa)で蒸着して、0.3nmの膜厚に電子輸送層6の上に成膜した。次に、アルミニウムを同様にモリブデンボートにより加熱して、蒸着速度0.5nm/秒、真空度1×10−5Torr(約1.3×10−3Pa)で膜厚80nmのアルミニウム層を形成して陰極7を完成させた。以上の2層型陰極7の蒸着時の基板温度は室温に保持した。
以上の様にして、2mm×2mmのサイズの発光面積部分を有する有機電界発光素子が得られた。この素子の発光特性を表−2に、駆動寿命を表−3に示す。表−2において、発光輝度は250mA/cmの電流密度での値、発光効率は100cd/mでの値、輝度/電流は輝度−電流密度特性の傾きを、電圧は100cd/mでの値を各々示す。また、表−3において、駆動寿命は初期輝度5000cd/m、室温駆動での輝度半減時間を示す。
表−2に示すように、例示化合物(1)を含む正孔輸送層の使用により、駆動電圧の低下が達成され、高輝度、高効率の素子が得られたことが明らかである。また、表−3より、駆動寿命の長い、耐熱性に優れる素子が得られたことが明らかである。
比較例3:比較化合物(L)を使用した有機電界発光素子の作製
正孔輸送層4の材料として例示化合物(1)の代わりに、2,6−ジアミノナフタレン化合物である比較化合物(L)を用いたこと以外は、実施例4と同様にして有機電界発光素子を作製した。この素子の発光特性を表−2に示す。
比較例4:比較化合物(A−3)を使用した有機電界発光素子の作製
正孔輸送層4の材料として例示化合物(1)の代わりに、前記4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(A−3)を用いたこと以外は、実施例4と同様にして有機電界発光素子を作製した。この素子の発光特性を表−2に、駆動寿命を表−3に示す。
表−2,表−3に示すように、比較例3,4で作製した素子の発光効率は実施例4で作製した素子に比べて低く、また駆動寿命が短いものであった。
Figure 2004323509
Figure 2004323509
本発明による有機電界発光素子はフラットパネル・ディスプレイ(例えばOAコンピューター用は壁掛けテレビ)の分野や面発光体としての特徴を生かした光源(例えば、複写機の光源、液晶ディスプレイや計器類のバックライト光源)、表示板、標識灯への応用が考えられ、特に、高耐熱性、長寿命性が要求される車載用表示素子としてはその技術的価値は大きいものである。
本発明の有機電界発光素子の実施の形態の一例を示した模式的断面図である。 本発明の有機電界発光素子の実施の形態の別の例を示した模式的断面図である。 本発明の有機電界発光素子の実施の形態の別の例を示した模式的断面図である。 実施例3および比較例2にて測定した、薄膜試料の吸収スペクトルチャートである。
符号の説明
1 基板
2 陽極
3 陽極バッファ層
4 正孔輸送層
5 発光層
6 電子輸送層
7 陰極

Claims (6)

  1. 下記一般式(I)で表される2,7−ジアミノナフタレン化合物。
    Figure 2004323509
    (一般式(I)中、R〜Rは、各々独立に、置換基を有していても良い芳香族基を表すか、あるいはRとR、RとRが結合して、各々独立に、置換基を有していても良い環を形成する。
    但し、R〜R、RとRが結合して形成する環、およびRとRが結合して形成する環のうちの少なくとも1つは、3環以上が縮合してなる、置換基を有していても良い芳香族縮合環基を表す。)
  2. 3環以上が縮合してなる、置換基を有していても良い芳香族縮合環基が、置換基を有していても良いフェナントリル基である、請求項1記載の2,7−ジアミノナフタレン化合物。
  3. 請求項1または2に記載の2,7−ジアミノナフタレン化合物を含む電荷輸送材料。
  4. 請求項1または2に記載の2,7−ジアミノナフタレン化合物を含む有機電界発光素子材料。
  5. 陽極と陰極との間に発光層を有する有機電界発光素子において、請求項1または2に記載の2,7−ジアミノナフタレン化合物を含む層を有することを特徴とする有機電界発光素子。
  6. 前記2,7−ジアミノナフタレン化合物を含む層を、陽極と発光層との間に有する、請求項5に記載の有機電界発光素子。
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