JP2004323235A - コンクリート製品の吊上具及び吊部材 - Google Patents

コンクリート製品の吊上具及び吊部材 Download PDF

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Abstract

【課題】コンクリート製品に対する環体の取付姿勢を自由に変更することができるコンクリート製品の吊上具を提供する。
【解決手段】コンクリート製品Cの吊り位置に埋設された定着部材13の挿入孔131に吊部材12を構成する軸体15の先端部を挿入して回転させることにより吊部材12をコンクリート製品に係合する。前記軸体15の外周面に対し該軸体15の軸線O1の周りで回転可能に、かつその軸線方向に所定のストローク範囲で往復動可能に旋回取付体16を装着する。前記軸体15と旋回取付体16との間には該軸体15を下方に付勢可能なコイルバネ18を設ける。前記旋回取付体16の左右両側面には一対の係合穴16c,16dを設け、両係合穴に対し環体22の切欠部に互いに対向するように折り曲げ形成された左右一対の係合突部22a,22bを、前記軸線O1とほぼ直交する軸線O2の周りで回転可能に係合する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンクリート製品に埋設された定着部材に係合されて、コンクリート製品を吊り上げるのに用いるコンクリート製品の吊上具及び吊部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
側溝の蓋等のコンクリート製品の上面には、現場での移動をクレーンで行うために該コンクリート製品の成型時に定着部材が埋設固定され、この定着部材に対し吊部材が取り外し可能に係合されるようになっている。図12に示すように前記定着部材31の収容筒部31aの内部には、係合金具32が嵌入固定され、その下端開口部にはキャップ33が嵌合されている。前記収容筒部31aの内部に形成された貫通孔31bの下端部には係合孔31cが形成され、前記係合孔31cの内周面には回動方向規制部31dが形成されている。前記係合金具32は図13に示すように中央部に平面ほぼ横長四角形状の案内通路32aを備え、その両側二箇所に係止凹部32bを形成している。
【0003】
一方、前記吊部材は、前記定着部材31の内部に挿入され、かつ前記係合金具32に係止される軸体34と、環体35とにより構成されている。前記軸体34は大径部34aと、該大径部34aよりも小径の縮径部34bと、該縮径部34bの下端部に一体に形成された係止突起34cとにより構成されている。
【0004】
そして、前記軸体34をコイルバネ36の弾力に抗して定着部材31の上方から貫通孔31b内に挿入するとともに、係止突起34cを案内通路32aから下方に案内移動する。係止突起34cが案内通路32aを通過して回動許容空間Sに移動された状態で軸体34を垂直軸線の周りで90度回動し、係止突起34cを係止凹部32bと対応させて軸体34の押圧を解除する。すると、畜勢されていたコイルバネ36によって係止突起34cが係止凹部32bに係合された状態が保持される。そして、環体35をクレーン等により持ち上げるとコンクリート製品Cは軸体34によって持ち上げられて所望の場所に運搬される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来のコンクリート製品Cの吊上具は、定着部材31に対し吊部材の軸体34をワンタッチで挿入係止することができるという利点を有する。しかし、吊部材の環体35は、軸体34に連結固定されていたため、コンクリート製品の複数箇所に埋設された定着部材31に対し複数の吊上具を一つのクレーンのフックに連係された傾斜するワイヤー37により係止して吊り上げる場合には、環体35の姿勢を傾斜した適正な姿勢に変更することができない。このため、収容筒部31aの上端縁の力の作用点P1からワイヤー37の力の作用点P2までの距離、つまり曲げモーメントの長さが長くなる。従って、収容筒部31aの上端部(作用点P1)に軸体34が梃子の原理によって過大な押圧力を作用させるので、収容筒部31aの上端部が破壊されるという問題があった。
【0006】
上述の破壊を避けるためにクレーンによるコンクリート製品の吊り上げ方法を特定の方法、つまり各環体35に対しワイヤー37をそれぞれ上下方向に、かつ互いに平行に連結して吊り上げるという方法に頼らざるを得なかった。
【0007】
この発明の目的は上記従来の技術に存する問題点を解消して、コンクリート製品に対する環体の取付姿勢を自由に変更することができ、コンクリート製品の吊り上げ動作を確実かつ円滑に行うことができるコンクリート製品の吊上具及び吊部材を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、コンクリート製品の吊り位置に埋設される定着部材と、軸体と環体を備えた吊部材とから構成され、前記軸体を前記定着部材の挿入孔に挿入して回転させることにより吊部材を前記定着部材に係合するように構成したコンクリート製品の吊上具において、前記軸体の外周面に対し該軸体の軸線の周りで回転可能に、かつ軸線方向に所定のストローク範囲で往復動可能に旋回取付体を装着し、前記軸体と旋回取付体との間には該軸体を上方又は下方に付勢可能な付勢手段を設け、前記旋回取付体の外側面には一対の係合穴を設け、両係合穴に対し環体の切欠部に互いに対向するように折り曲げ形成された左右一対の係合突部を、前記軸線とほぼ直交する軸線の周りで回転可能に係合し、前記軸体の上側基端部に該軸体を回動操作するための回動操作部を設けたことを要旨とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記軸体の外周面には第1係止段部が形成され、前記軸体を貫通するように旋回取付体に設けられた軸穴の内周面には前記第1係止段部と対向するように第2係止段部が形成され、前記第1,2係止段部の間には付勢手段としてのコイルバネが介在され、該コイルバネにより前記軸体を下方に付勢して回動操作部を旋回取付体の上面に押圧するようにしたことを要旨とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2において、前記軸体の小径部の外周面と、前記旋回取付体の軸孔の内周面との間には、前記第1,2係止段部の間に位置するようにスリーブが介在され、該スリーブの下端は前記第1係止段部に係止され、スリーブの上端には前記コイルバネの下端が係止され、前記スリーブの外径寸法は、前記軸体の大径部の外径寸法よりも大きく設定され、該スリーブは軸体の小径部の外周面及び旋回取付体の軸穴の内周面に対し相対回転可能に収容されていることを要旨とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1において、前記軸体の外周面には小径部が形成され、該小径部の上下両端には前記旋回取付体の軸穴に突出するように設けた位置規制ピンに係止されて前記旋回取付体に対する軸体のストローク範囲を規制するための第1及び第2の規制段部が形成され、前記旋回取付体の上面と、軸体の上側基端部に設けたバネ受け部との間には、付勢手段としてのコイルバネが介在され、該コイルバネにより軸体が上方向に付勢されていることを要旨とする。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項において、前記軸体の上端部には雄ネジ部及び取付部が形成され、前記雄ネジ部にはナットが螺合され、前記取付部には回動操作部が取り外し可能に連結されていることを要旨とする。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項において、前記旋回取付体の外周には前記一対の係合穴に代えて一対の連結ピンが突出するように設けられ、前記環体の切欠部には前記一対の係合突部に代えて一対のリング部が設けられ、前記連結ピンに前記リング部が回転可能に嵌合されていることを要旨とする。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項において、前記吊部材の軸体の大径部の外径寸法を、前記定着部材の挿入孔の内径寸法とほぼ同一とし、大径部の先端部に縮径部を介して前記挿入孔の内径寸法より短くかつ縮径部よりも長い寸法の係止突起を設け、前記定着部材の内端付近に前記係止突起を挿入できる開口を有する抜出阻止体を設け、該抜出阻止体の下面に対し前記開口から軸体の軸線の周りで所定角度だけ回動された前記係止突起の抜け出しを阻止する抜出阻止部を設けたことを要旨とする。
【0015】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載のコンクリート製品の吊上具に用いる吊部材を要旨とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、この発明を具体化した一実施形態を図1〜図8に基づいて説明する。
図8に示すようにコンクリート製品Cは大重量の厚肉ブロック状に構成されている。このコンクリート製品Cは複数の吊上具によってクレーン等により水平状態で持ち上げることができるようになっている。
【0017】
前記各吊上具は同じ構成を採っているので、片側の吊上具について説明する。
図1に示すようにコンクリート製品Cの吊上具11は、コンクリート製品Cに埋設された定着部材13と、この定着部材13に対し係合・離脱可能に形成された吊部材12とにより構成されている。前記定着部材13の下端部にはキャップ14が嵌合されている。
【0018】
前記定着部材13は円筒状に形成された収容筒部13aと、収容筒部13aの下部内周面に一体的に形成された抜出阻止体としての左右一対の吊上げ力保持部13b,13cと、前記吊上げ力保持部13b,13cの下端部に形成された抜出阻止部としての係止凹部13d,13eとを備えている。前記係止凹部13d,13eは、回動規制部13f,13gと、係止突起13h,13iとによって形成されている。前記収容筒部13aの外周面には離脱防止突起13jが複数箇所に設けられている。この離脱防止突起13jは、図4に示すように前記吊上げ力保持部13b,13cのほぼ中央部と対応する位置に2箇所に設けられるとともに、これと対応する位置から90°離れた位置に2箇所に設けられている。又、前記吊上げ力保持部13b,13cのほぼ中央部と対応する離脱防止突起13jは、対応しない他の離脱防止突起13jよりも大きく形成されている。
【0019】
前記収容筒部13aの下端部にはボス部13kが一体に形成され、ボス部13kの下端開口部を覆うように前記キャップ14が嵌合されている。前記ボス部13kの内部には、係止突起13h,13iと前記キャップ14の底面との間で後述する軸体15の係止突起15cの回動を許容する回動許容空間Sが形成されている。
【0020】
次に、コンクリート製品を吊り上げるための吊部材12について説明する。
この吊部材12を構成するステンレススチール製の軸体15は、前記収容筒部13aの挿入孔131に挿入される大径部15aと、該大径部15aの下端(先端)部に一体に連結した縮径部15bと、該縮径部15bの下端部に横向きに一体形成した係止突起15cとを備えている。前記大径部15aの上端部には第1係止段部15dを介して小径部15eが形成されている。
【0021】
前記小径部15eの外周面には旋回取付体16が軸体15の軸線O1方向に所定のストローク範囲内で往復動可能に、かつ該軸線O1を中心に相対回動可能に嵌装されている。前記小径部15eの外周面と前記旋回取付体16の軸穴16aの内周面との間には、所定の隙間が形成され、該隙間には円筒状のスリーブ17が小径部15e及び旋回取付体16と相対回転可能に嵌合され、その下端面は前記第1係止段部15dに係止されている。前記旋回取付体16の軸穴16aの内周面には前記スリーブ17の上端面と対向するように第2係止段部16bが形成され、該第2係止段部16bと前記スリーブ17の上端面との間には、付勢手段としてのコイルバネ18が介在されている。
【0022】
前記軸体15の小径部15eの上端部に形成された雄ネジ部15fには、ナット19が螺合され、該ナット19は溶接によって雄ネジ部15fに連結されている。前記ナット19には回動操作部としての棒状の操作レバー20が溶接により連結されている。前記旋回取付体16の上面と前記ナット19の下面との間には座金21が介在されている。
【0023】
前記旋回取付体16は図7に示すように、横長四角柱状に形成され、その左右両側面には側方及び下方に開口するように係合凹部16c,16dが形成されている。両係合凹部16c,16dには環体22の下端の切欠部に互いに対向するように湾曲形成した左右一対の係合突部22a,22bが前記軸体15の軸線O1とほぼ直交する軸線O2の周りで回転可能に係合されている。前記旋回取付体16の下面には前記両係合凹部16c,16d内の係合突部22a,22bが係合凹部16c,16dから下方に外れるのを防止するための離脱防止板23が溶接により連結されている。
【0024】
前記定着部材13の両吊上げ力保持部13b,13cの間には、前記係止突起15cを非回動状態で下方に案内するための案内通路132が形成されている。前記吊上げ力保持部13b,13c及び案内通路132の平面形状は図4に示すようになっている。
【0025】
前記定着部材13の収容筒部13aの内部に形成された挿入孔131の内径寸法は、前記軸体15の大径部15aの直径寸法よりも僅かに大きく形成されている。前記縮径部15bは前記直径寸法よりも小径の直径寸法に設定され、係止突起15cの長さ寸法は、前記大径部15aの直径寸法と同じかそれよりも小さく、かつ縮径部15bの直径寸法よりも大きく設定されている。この実施形態では係止突起15cの長さ寸法と前記大径部15aの直径寸法をほぼ同じにしている。
【0026】
前記のように構成した吊上具によりコンクリート製品Cを持ち上げる場合の動作について説明する。
図1はコンクリート製品Cに埋設固定された定着部材13から吊部材12が取り外され、図5に示すように案内通路132と係止突起15cが上方から見て対応した状態を示す。この状態において吊部材12の軸体15の下端部を定着部材13の挿入孔131に挿入すると、係止突起15cが案内通路132の上端入口に至る。この状態で係止突起15cが案内通路132と対応していない場合には操作レバー20を回動して対応させる。この対応状態で係止突起15cを案内通路132から下方に移動させる。
【0027】
係止突起15cが案内通路132を通り抜けた直後の状態においては、大径部15aが挿入孔131に係合されるとともに、スリーブ17の下端面がコンクリート製品Cの上面に当接される。
【0028】
さらに、旋回取付体16及び環体22をコイルバネ18の弾性力に抗して下方に押動すると、軸体15が下方に移動され、その係止突起15cが係止突起13h,13iの下面を超えて下方の回動許容空間Sに移動される。この状態において、操作レバー20を操作して軸体15を90度時計回り方向に回動させると、係止突起15cが同方向に90度回動される。このため図2に示すように係止突起15cが係止凹部13d,13eと対応する位置に移動される。この状態で吊部材12の押圧を解除すると、蓄勢されていたコイルバネ18の作用により軸体15が図3に示すように上方に引き上げられる。そして、スリーブ17の下端面がコンクリート製品Cの上面に接触した状態のまま旋回取付体16がコンクリート製品Cの上面から離隔され、係止突起15cが係止凹部13d,13eに係合される。
【0029】
図3に示すように係止突起15cが係止凹部13d,13eに係合された状態においては、軸体15がその軸線O1を中心に回動することはないので、環体22にワイヤーロープ等を係止してコンクリート製品Cを上方に持ち上げることができる。1つのコンクリート製品に対し図8に示すように複数の吊上具を用いることによって、コンクリート製品を安定して吊り上げることができる。
【0030】
なお、前記定着部材13から前記軸体15を取り外す場合には、前述した連結動作と逆の動作で行えば良い。
次に、前記のように構成した吊上具についてその効果を構成とともに列記する。
【0031】
(1)前記実施形態では、前記軸体15の小径部15eに対し旋回取付体16をスリーブ17を介して軸体15の軸線O1の回りで回転可能に支持した。又、旋回取付体16の左右両側部に設けた係合凹部16c,16dに対し環体22の下端部の切欠部に対向するように湾曲形成した係合突部22a,22bを軸線O1と直交する軸線O2の回りで回転可能に係合した。このため、前記定着部材13の所定位置に挿入固定された軸体15に対し前記環体22の姿勢を自由に変更することができ、コンクリート製品に対する前記環体22の取付姿勢を、適正な位置に容易に変更することができる。従って、図8に示すようにコンクリート製品に連結された環体22にクレーン等により吊り下げられたワイヤー25が任意の方向に傾斜していてもそれに追従して環体22の姿勢を適正姿勢に変更することができる。
【0032】
又、環体22の姿勢を自由に変更できるので、定着部材13の収容筒部13aの上端縁に対する軸体15の大径部15aの外周面の押圧力を抑制して収容筒部13aの上端部の破壊を防止し、コンクリート製品の吊り上げ動作を適正かつ確実に行うことができる。即ち、図3に示すように、コンクリート製品Cの上面から係合突部22a,22bの軸線O2までの距離Lがコンクリート製品Cの吊り上げの際に梃子の原理により軸体15に作用する曲げモーメントの長さとなる。従って、従来の技術で述べた梃子の長さ寸法と比較して短くなり、定着部材13の収容筒部13aの上端部の破壊を防止することができる。
【0033】
(2)前記実施形態では、小径部15eの外周面に対しスリーブ17を回転可能に嵌合し、かつ小径部15e上で軸線方向の往復動可能に嵌合し、スリーブ17の下端面をコンクリート製品Cの上面に当接するようにした。又、小径部15eの外周面と旋回取付体16の軸穴16aの内周面との間にコイルバネ18を収容し、このコイルバネ18によってスリーブ17を下方に付勢し、スリーブ17の下端面を軸体15の第1係止段部15dに当接するようにした。このため、コイルバネ18が旋回取付体16及びスリーブ17によって常時覆われているので、コイルバネ18の汚損や損傷を防止し、耐久性を向上することができる。
【0034】
(3)前記実施形態では、前記小径部15eの上端部に雄ネジ部15fを形成し、この雄ネジ部15fに螺合されたナット19を小径部15eの上端部に溶接によって固定し、前記ナット19の上面に操作レバー20を溶接によって固定した。このため、小径部15eの上端部に対しナット19及び操作レバー20を容易に取り付けることができる。
【0035】
(4)前記実施形態では、定着部材13に対する軸体15の係止突起15cの係合動作を容易に行うことができる。
次に、図9に基づいてこの発明の別の実施形態を説明する。
【0036】
この実施形態おいては、前記旋回取付体16の軸穴16aに対し軸体15の大径部15aを回転可能に貫通している。前記大径部15aの中間部の外周面には小径部15eが形成されている。該小径部15eの上下両端には前記旋回取付体16の軸穴16aに突出するように設けた位置規制ピン24に係止されて前記旋回取付体16に対する軸体15のストローク範囲を規制するための第1及び第2の規制段部15g,15hが形成されている。そして、前記旋回取付体16の上面と、軸体15の上側基端部に設けたバネ受け部15iとの間には、付勢手段としてのコイルバネ18が介在されている。そして、該コイルバネ18により軸体15が上方向に付勢されている。なお、軸体15の上端部に形成された大径部15jはコイルバネ18を安定して保持するためのものである。旋回取付体16には環体22が回動可能に連結されている。
【0037】
この別例においては、定着部材13に対する軸体15の係合動作初期において、旋回取付体16の下端面に接合した離脱防止板23の下面がコンクリート製品Cの上面に接触される。この状態で操作レバー20を操作し、軸体15をコイルバネ18の付勢力に抗して下方に移動して係止突起15cを定着部材13の係止凹部13d,13eに係合する。
【0038】
上記別例においても、前述した本実施形態と同様にコンクリート製品Cに対する環体22の取付姿勢を自由に変更して吊り上げ作業を適正状態で迅速かつ確実に行うことができる。又、旋回取付体16に対する軸体15の連結構造を、旋回取付体16に形成した軸穴16a、軸体15に形成した小径部15e及び位置規制ピン24によって簡素化することができ、製造及び組み付け作業を容易に行うことができる。
【0039】
次に、図10及び図11に基づいてこの発明の別の実施形態を説明する。
この実施形態では、前記旋回取付体16の外周面に対し連結ピン16e,16fを二カ所に一体にかつ同一直線上に位置するように突出形成している。前記環体22の両端部には、前記二つの連結ピン16e,16fに回動可能に嵌合される一対のリング部22c,22dが一体に形成されている。リング部22c,22dの穴22e,22fに前記連結ピン16e,16fを嵌合する作業は、環体22の上部を加熱して軟化した状態でリング部22c,22dを接近方向に変位することにより行われる。
【0040】
前記軸体15の雄ネジ部15fの上端部には取付部15kが一体に形成されている。この取付部15kの外周面にはビス27を螺合するネジ孔15lが形成されている。前記取付部15kには該取付部15kを挿入する挿入孔26aを有するスリーブ26が嵌合され、スリーブ26の外周面に形成された孔26bからビス27を前記取付部15kのネジ孔15lに螺合することにより取付部15kにスリーブ26を取り付けている。前記スリーブ26の上面には操作レバー20が溶接によって連結されている。
【0041】
この実施形態では、旋回取付体16の外周面に連結ピン16e,16fを一体に突出形成するとともに、環体22の下端部に連結ピン16e、16fに嵌合されるリング部22c,22dを一体に形成した。このため、旋回取付体16に係合凹部16c,16dを形成する構造と比較して、旋回取付体16と環体22の連結強度を向上することができる。
【0042】
又、軸体15の上端部に取付部15kを形成し取付部15kに対しスリーブ26を嵌合してビス27によって軸体15とスリーブ26を連結するようにしたので、吊り上げ作業中において軸体15が損傷した場合に、軸体15と旋回取付体16の分離作業及び交換作業を容易に行うことができる。
【0043】
なお、前記実施形態は以下のように変更することもできる。
○ 図示しないが、側溝の蓋に用いられるコンクリート製品に対し定着部材13を上下方向に貫通するように埋設し、前記キャップ14を省略してもよい。
【0044】
○ 前記実施形態では縮径部15bの下端外周部に係止突起15cを二箇所に突設し、二つの案内通路132を対向して設けたが、これを一箇所にして案内通路132を一箇所にしてもよい。又、係止突起15cを三箇所あるいは四箇所にして、案内通路132も三箇所あるいは四箇所に変更してもよい。
【0045】
○ 前記実施形態では、コンクリート製品Cに定着部材13を縦向きに埋設して、吊部材12の軸体15を縦方向から定着部材13に挿入して係合し、コンクリート製品Cを縦吊りするようにした。これに代えて、コンクリート製品Cの側面に定着部材13を横向きに埋設し、吊部材12の軸体15を水平方向から定着部材13の内部に挿入して係合し、コンクリート製品を横吊りするようにしてもよい。
【0046】
○ 図示しないが、定着部材13にネジ孔を形成し、該ネジ孔に軸体15の下端部に形成した雄ネジを螺合するようにしてもよい。
上記の横吊り構造の場合にも前述した縦吊の構造と同様の効果がある。
【0047】
この明細書においては、上述の横吊り構造の吊上具11も本発明の技術思想に含まれるものとする。
【0048】
【発明の効果】
以上詳述したように請求項1〜8記載の発明は、コンクリート製品に対する環体の取付姿勢を自由に変更することができ、コンクリート製品の吊り上げ動作を確実かつ円滑に行うことができる。
【0049】
請求項2記載の発明は、旋回取付体の内部に付勢手段としてのコイルバネを収容することができ、該コイルバネを保護し、その耐久性を向上することができる。
【0050】
請求項3記載の発明は、軸体を定着部材に係合した状態で、スリーブの下端面がコンクリート製品の表面に接触されるので、コイルバネの下端がスリーブによって常時遮蔽され、コイルバネの保護をより確実に行うことができ、その耐久性を一層向上することができる。
【0051】
請求項4記載の発明は、旋回取付体に対する軸体の連結構造を、旋回取付体に形成した軸穴、軸体に形成した小径部及び位置規制ピンによって簡素化することができ、製造及び組み付け作業を容易に行うことができる。
【0052】
請求項5記載の発明は、軸体の取付部から回動操作部を容易に取り外すことができ、軸体の雄ネジ部からナットを取り外して軸体の交換作業を容易に行うことができる。
【0053】
請求項6記載の発明は、旋回取付体と環体の連結強度を向上することができる。
請求項7記載の発明は、定着部材に対する軸体の先端部の係合動作を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を具体化したコンクリート製品の吊上具の一例を示す分離断面図。
【図2】図1の軸体を定着部材内に挿入して回動した状態を示す要部の拡大断面図。
【図3】軸体を定着部材内において回動して係止突起を係止凹部に係合した状態を示す要部拡大断面図。
【図4】定着部材の平面図。
【図5】図1のA−A線断面図。
【図6】図3のB−B線断面図。
【図7】定着部材と吊部材の分離斜視図。
【図8】コンクリート製品と吊上具との関係を示す斜視図。
【図9】この発明の別例を示す吊部材の正断面図。
【図10】この発明の別例を示す吊部材の正面図。
【図11】図10に示す吊部材の一部省略分解斜視図。
【図12】従来のコンクリート製品の吊上具を示す断面図。
【図13】図12の定着部材の係合金具を通る平断面図。
【符号の説明】C…コンクリート製品、O1,O2…軸線、11…吊上具、12…吊部材、13…定着部材、13h,13i,15c…係止突起、15…軸体、15a,15j…大径部、15b…縮径部、15d…第1係止段部、15e…小径部、15f…雄ネジ部、15g…第1の規制段部、15h…第2の規制段部、15i…バネ受け部、15k…取付部、16…旋回取付体、16a…軸穴、16b…第2係止段部、16e,16f…連結ピン、17,26…スリーブ、18…コイルバネ、19…ナット、22…環体、22a,22b…係合突部、22c,22d…リング部、24…位置規制ピン、26a,131…挿入孔。

Claims (8)

  1. コンクリート製品の吊り位置に埋設される定着部材と、軸体と環体を備えた吊部材とから構成され、前記軸体を前記定着部材の挿入孔に挿入して回転させることにより吊部材を前記定着部材に係合するように構成したコンクリート製品の吊上具において、
    前記軸体の外周面に対し該軸体の軸線の周りで回転可能に、かつ軸線方向に所定のストローク範囲で往復動可能に旋回取付体を装着し、前記軸体と旋回取付体との間には該軸体を上方又は下方に付勢可能な付勢手段を設け、前記旋回取付体の外側面には一対の係合穴を設け、両係合穴に対し環体の切欠部に互いに対向するように折り曲げ形成された左右一対の係合突部を、前記軸線とほぼ直交する軸線の周りで回転可能に係合し、前記軸体の上側基端部に該軸体を回動操作するための回動操作部を設けたことを特徴とするコンクリート製品の吊上具。
  2. 請求項1において、前記軸体の外周面には第1係止段部が形成され、前記軸体を貫通するように旋回取付体に設けられた軸穴の内周面には前記第1係止段部と対向するように第2係止段部が形成され、前記第1,2係止段部の間には付勢手段としてのコイルバネが介在され、該コイルバネにより前記軸体を下方に付勢して回動操作部を旋回取付体の上面に押圧するようにしたコンクリート製品の吊上具。
  3. 請求項2において、前記軸体の小径部の外周面と、前記旋回取付体の軸孔の内周面との間には、前記第1,2係止段部の間に位置するようにスリーブが介在され、該スリーブの下端は前記第1係止段部に係止され、スリーブの上端には前記コイルバネの下端が係止され、前記スリーブの外径寸法は、前記軸体の大径部の外径寸法よりも大きく設定され、該スリーブは軸体の小径部の外周面及び旋回取付体の軸穴の内周面に対し相対回転可能に収容されているコンクリート製品の吊上具。
  4. 請求項1において、前記軸体の外周面には小径部が形成され、該小径部の上下両端には前記旋回取付体の軸穴に突出するように設けた位置規制ピンに係止されて前記旋回取付体に対する軸体のストローク範囲を規制するための第1及び第2の規制段部が形成され、前記旋回取付体の上面と、軸体の上側基端部に設けたバネ受け部との間には、付勢手段としてのコイルバネが介在され、該コイルバネにより軸体が上方向に付勢されているコンクリート製品の吊上具。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項において、前記軸体の上端部には雄ネジ部及び取付部が形成され、前記雄ネジ部にはナットが螺合され、前記取付部には回動操作部が取り外し可能に連結されているコンクリート製品の吊上具。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項において、前記旋回取付体の外周には前記一対の係合穴に代えて一対の連結ピンが突出するように設けられ、前記環体の切欠部には前記一対の係合突部に代えて一対のリング部が設けられ、前記連結ピンに前記リング部が回転可能に嵌合されているコンクリート製品の吊上具。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項において、前記吊部材の軸体の大径部の外径寸法を、前記定着部材の挿入孔の内径寸法とほぼ同一とし、大径部の先端部に縮径部を介して前記挿入孔の内径寸法より短くかつ縮径部よりも長い寸法の係止突起を設け、前記定着部材の内端付近に前記係止突起を挿入できる開口を有する抜出阻止体を設け、該抜出阻止体の下面に対し前記開口から軸体の軸線の周りで所定角度だけ回動された前記係止突起の抜け出しを阻止する抜出阻止部を設けたコンクリート製品の吊上具。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載のコンクリート製品の吊上具に用いる吊部材。
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