JP2004322463A - 記録装置および記録装置の制御方法 - Google Patents

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JP2004322463A JP2003120102A JP2003120102A JP2004322463A JP 2004322463 A JP2004322463 A JP 2004322463A JP 2003120102 A JP2003120102 A JP 2003120102A JP 2003120102 A JP2003120102 A JP 2003120102A JP 2004322463 A JP2004322463 A JP 2004322463A
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Yuichi Ariga
勇一 有賀
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Abstract

【課題】使用環境に応じて十分な性能を発揮させることを可能とする。
【解決手段】キャリッジ19に記録ヘッド18が搭載され、当該キャリッジ19を往復動させてシートに記録するプリンタ(記録装置)10において、環境温度を検出する温度センサ52を備え、前記キャリッジ19が所定速度に達するまでの加速時の加速度、あるいは、前記キャリッジ19が前記所定速度から停止するまでの減速時の加速度のうち、少なくともいずれかの加速度が、前記温度センサにより検出された環境温度に基づいて変更される構成とする。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、往復動するキャリッジに記録ヘッドが搭載される構成の記録装置および記録装置の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
記録装置には、記録ヘッドを搭載したキャリッジをプラテンの軸方向に沿って走行させる間に、記録ヘッドにおける複数本の記録ワイヤをプラテンへ向かって突出させて、記録ヘッドとプラテンとの間に搬送されるシートにインクリボンを介して画像を記録するドットインパクトプリンタがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
キャリッジは、キャリッジ軸及びキャリッジガイド軸に摺動自在に支持されて、プラテン103の軸方向に沿って走行、つまり主走査方向左向きまたは右向きに走行するが、このキャリッジの走行が、キャリッジ駆動モータ及び図示しない制御基板部により制御される。
【0004】
つまり、制御基板部は、キャリッジ駆動モータの回転数を上昇させてキャリッジを加速させ、所定速度で移動する定速領域に至らせた後、キャリッジ駆動モータの回転数を低下させてキャリッジを減速させ、キャリッジの速度をゼロとした後に、キャリッジの走行方向を反転させて加速させ、上述の走行動作を繰り返す。
【0005】
上記のような加速時および減速時の加速度は、記録装置が使用され得る環境条件(例えば、環境温度や環境湿度など)において最も過酷な条件を想定し、当該過酷な条件下であってもキャリッジ駆動モータが問題なく動作し得るような値に制限されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平5−116345号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、記録装置が使用される一般的な態様においては、上記のような過酷な条件下で使用されることは稀である。従って、一般的な使用の態様においては、前記加速度をより大きく設定可能であるにもかかわらず、加速度が制限され、記録装置が備える本来の性能が十分に発揮されていない。
【0008】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、使用環境に応じて十分な性能を発揮することが可能な記録装置および記録装置の制御方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、キャリッジに記録ヘッドが搭載され、当該キャリッジを往復動させてシートに記録する記録装置において、環境の特徴値を検出する環境検出手段を備え、前記キャリッジが所定速度に達するまでの加速時の加速度、あるいは、前記キャリッジが前記所定速度から停止するまでの減速時の加速度のうち、少なくともいずれかの加速度を、前記環境検出手段により検出された特徴値に基づいて変更することを特徴とする記録装置を提供する。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の記録装置において、前記キャリッジが前記所定速度に達するまでの加速時の加速度、あるいは、前記キャリッジが前記所定速度から停止するまでの減速時の加速度のうち、少なくともいずれかの加速度と、前記環境の特徴値が取り得る値範囲との対応関係を予め記憶し、前記環境検出手段により検出された特徴値と、予め記憶されている前記対応関係とに基づいて前記加速度を変更することを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の記録装置において、前記所定速度として、設定される記録品位に応じて複数の速度が予め設定されていることを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の記録装置において、前記キャリッジは、パルスモータにより駆動され、前記加速度の変更は、前記パルスモータの相切換え時間を変更することで行われることを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の記録装置において、前記環境の特徴値は、少なくとも環境温度あるいは環境湿度のいずれか1つを含むことを特徴とする。
【0014】
請求項6に記載の発明は、キャリッジに記録ヘッドが搭載され、当該キャリッジを往復動させてシートに記録する記録装置の制御方法において、環境の特徴値を検出する第1の過程と、前記キャリッジが前記所定速度に達するまでの加速時の加速度、あるいは、前記キャリッジが前記所定速度から停止するまでの減速時の加速度のうち、少なくともいずれかの加速度を、前記第1の過程において検出された特徴値に基づいて変更する第2の過程とを具備することを特徴とする記録装置の制御方法を提供する。
【0015】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の記録装置の制御方法において、前記記録装置には、前記キャリッジが前記所定速度に達するまでの加速時の加速度、あるいは、前記キャリッジが前記所定速度から停止するまでの減速時の加速度のうち、少なくともいずれかの加速度との対応関係が予め記憶されており、前記第2の過程においては、前記第1の過程において検出された特徴値と、予め記憶されている前記対応関係とに基づいて前記加速度を変更することを特徴とする。
【0016】
請求項8に記載の発明は、請求項6に記載の記録装置の制御方法において、前記所定速度として、設定され得る記録品位に応じて複数の速度が予め設定されていることを特徴とする。
【0017】
請求項9に記載の発明は、請求項6に記載の記録装置の制御方法において、前記キャリッジは、パルスモータにより駆動され、前記第2の過程における加速度の変更は、前記パルスモータの相切換え時間を変更することで行われることを特徴とする。
【0018】
請求項10に記載の発明は、請求項6乃至9のいずれかに記載の記録装置の制御方法において、前記環境の特徴値は、少なくとも環境温度あるいは環境湿度のいずれか1つを含むことを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明に係る記録装置の一実施の形態が適用されたドットインパクトプリンタのプリンタ本体を示す斜視図である。図2は、図1のプリンタ本体を示す側断面図である。
【0020】
これらの図に示す記録装置としてのプリンタ10は、記録ヘッドの図示しない多数の記録ワイヤを、インクリボン31(図2)を介してシートSに打ち付けてドットを記録することにより、文字を含む画像を印刷するドットインパクトプリンタである。ここで、シートSは、単票紙や連続紙などの普通紙などである。
【0021】
上記プリンタ10は、図1に示すように、記録装置本体としてのプリンタ本体11と、このプリンタ本体11に着脱自在に装着されたプッシュトラクタユニット12及び排出ユニット13と、同じくプリンタ本体11に着脱自在に装着されたシート供給ガイド34(図2)と、プリンタ本体11の上方、下方をそれぞれ覆う図示しないアッパケース及びロアケースと、を有して構成される。
【0022】
上記プリンタ本体11は、本体フレームとしてのベースフレーム14、シート案内フレーム15(図2)、左サイドフレーム16及び右サイドフレーム17と、記録ヘッド18及びキャリッジ19を備えた印刷機構部20と、プラテン21、シート案内22及びピンチローラ25(図2)を備えたシート搬送機構部23と、を有して構成される。
【0023】
ベースフレーム14及びシート案内フレーム15は、図2に示すようにほぼ平行配置され、これらのベースフレーム14及びシート案内フレーム15の両端に上記左サイドフレーム16、右サイドフレーム17がそれぞれ立設して固定される。これらの左サイドフレーム16と右サイドフレーム17間に、図1に示すように、キャリッジ軸24が架け渡されて回動可能に枢支され、キャリッジガイド部材としてのキャリッジガイド軸28が架け渡されて固定支持される。また、プラテン21は、プラテン軸33に回転一体に固定され、このプラテン軸33が、左サイドフレーム16と右サイドフレーム17との間に架け渡されて、回転自在に枢支される。
【0024】
シート案内22は、左サイドフレーム16と右サイドフレーム17との間に配設されて、シート案内フレーム15に嵌合して固定されている。また、左サイドフレーム16及び右サイドフレーム17の後方部、上方部それぞれには、前記プッシュトラクタユニット12、排出ユニット13をそれぞれ装着可能な図示しないトラクタユニット装着部、排出ユニット装着部が設けられている。
【0025】
図1に示すプッシュトラクタユニット12は、シートSとしての連続紙をシート搬送機構部23へ送り出し、シート供給ガイド34は、シートSとしての単票紙を1枚づつシート搬送機構部23へ供給する。また、排出ユニット13は、連続紙または単票紙をシート搬送機構部23からプリンタ10外へ引き出すものである。
【0026】
つまり、図2に示すように、プッシュトラクタユニット12のトラクタベルト26の回転により、このトラクタベルト26のピン27の作用で、連続紙は、シート搬送機構部23のシート案内22に案内されてプラテン21へ向い、矢印M方向に送給される。このプッシュトラクタユニット12の非動作時に、シート供給ガイド34から単票紙が一枚づつ、シート案内22を経てプラテン21へ供給可能とされる。また、排出ユニット13の排出ローラ29の回転により、後述のごとく、記録ヘッド18により文字等が記録された連続紙または単票紙は、シート搬送機構部23のプラテン21から矢印N方向に引き出される。これにより、連続紙または単票紙は、キャリッジ19の後述の主走査方向に直交する副走査方向に搬送される。
【0027】
図1及び図3に示す前記キャリッジ19は、キャリッジ軸24及びキャリッジガイド軸28に摺動自在に挿通されると共に、記録ヘッド18を搭載する。キャリッジ軸24及びキャリッジガイド軸28がプラテン21と平行に配置されることから、キャリッジ19は、これらのプラテン21、キャリッジ軸24及びキャリッジガイド軸28の軸方向と一致する主走査方向に移動(走行)可能に設けられる。
【0028】
このキャリッジ19は、キャリッジ駆動モータ42及びタイミングベルト30を備えたキャリッジ駆動系により走行(走査)される。キャリッジ駆動モータ42は、ベースフレーム14に固定され、このキャリッジ駆動モータ42にキャリッジ駆動プーリ41が回転一体に取り付けられる。また、左サイドフレーム16にスプリング44(図3)等を介してキャリッジ従動プーリ43が弾性支持されている。これらのキャリッジ駆動プーリ41とキャリッジ従動プーリ43にタイミングベルト30が巻き掛けられ、このタイミングベルト30にキャリッジ19が結合される。
【0029】
従って、キャリッジ駆動モータ42の正転または逆転により、キャリッジ19は、タイミングベルト30を介しキャリッジ軸24及びキャリッジガイド軸28に案内されて、主走査方向における図1の左向きまたは右向きに走行される。
【0030】
前記記録ヘッド18は多数の記録ワイヤ(不図示)を備え、これらの記録ワイヤの突出方向前方にインクリボン31が位置する。記録ヘッド18は、キャリッジ19と共に主走査方向に走行する間に、記録ワイヤを突出させてインクリボン31に打ち当て、インクリボン31のインクを、プラテン21とインクリボン31との間に搬送されるシートS(連続紙または単票紙)に付着させて、このシートSに文字を含む画像を記録する記録動作を実行する。
【0031】
記録ヘッド18によるこの記録動作は、キャリッジ19が主走査方向左向きまたは右向きに走行する間に、記録ヘッド18の記録ワイヤにより一行分の記録がなされ、この一行分の記録がなされる度に、シートSが連続紙の場合には、図2に示すシート搬送機構部23のプラテン21、プッシュトラクタユニット12及び排出ユニット13が、また、シートSが単票紙の場合には、シート搬送機構部23のプラテン21、ピンチローラ25及び排出ユニット13が、それぞれシートSを所定量(通常行間分)搬送させ、これらの動作が繰り返されることにより実施される。
【0032】
なお、図2に示す符号32は、ベースフレーム14とシート案内フレーム15との間に開口して形成されて、プリンタ10の下方からシート搬送機構部23内へシートSを供給するためのボトムシート供給口である。
【0033】
図3に示すように、キャリッジ19を駆動制御する機構は、キャリッジ19を駆動する前記キャリッジ駆動モータ(ステッピングモータ(すなわちパルスモータ))42と、キャリッジ19を往復走行可能にキャリッジ駆動モータ42を制御する、制御手段としての制御基板部51とを有して構成される。
【0034】
制御基板部51は、図2に示すように、例えばプリンタ本体11の後方におけるシートフレーム15の下方に配置される。この制御基板部51は、上述のようにキャリッジ19を往復走行可能にキャリッジ駆動モータ42を制御するほか、記録ヘッド18における記録ワイヤの突出動作を制御し、更に、プラテン21、プッシュトラクタユニット12及び排出ユニット13を駆動制御する。
【0035】
キャリッジ19の駆動時にあっては、キャリッジ駆動モータ42により当該キャリッジ19が所定速度に達するまで速度ゼロから加速され、この所定速度で一定時間走行した後に、速度ゼロまで減速され停止する(例えば図6参照)。
【0036】
ところで、プリンタ本体11内の環境温度や環境湿度といった環境の特徴値が変化することにより、プリンタ本体11の各部の寸法やタイミングベルト30の硬度、キャリッジ軸24に塗布されたグリス等の粘度、あるいは、キャリッジ駆動モータ42のトルク値などが影響を受け、キャリッジ19の駆動時にキャリッジ駆動モータ42に加わる負荷が変化することになる。
【0037】
従って、この負荷の変化、すなわち、環境の特徴値の変化を検出し、キャリッジ駆動モータ42に加わる負荷が過負荷とならない範囲で制御することで、キャリッジ駆動モータ42の損傷あるいは誤動作を防止できると共に、当該キャリッジ駆動モータ42の性能を充分に発揮させることが可能となる。
【0038】
そこで本実施形態では、制御基板部51は、キャリッジ19が所定速度に達するまでの加速時の加速度と、キャリッジ19が所定速度から停止するまでの減速時の加速度とを環境の特徴値に応じて変更する加減速制御を行うことで、キャリッジ駆動モータ42の性能を充分に活かし、記録動作時のスループットを向上させている。以下、かかる加減速制御の詳細について説明する。なお、以下では、環境の特徴値として環境温度を例示し、当該環境温度に基づいて加減速制御が行われる場合について説明する。
【0039】
図4は、加減速制御のための構成を機能に則して示すブロック図である。この図において、温度センサ(例えばサーミスタ)52は、プリンタ本体11内の環境温度を検出して制御基板部51に出力するものである。温度センサ52は、プリンタ10が備える各構成要素(例えば記録ヘッドなど)の発熱に影響されずに環境温度をより正確に検出すべく、例えばベースフレーム14、左サイドフレーム16あるいは右サイドフレーム17といった本体フレームに設けられている。
【0040】
モータドライバ53は、制御基板部51の制御の下、ステッピングモータからなるキャリッジ駆動モータ42の各相に電流を供給することで励磁して、当該キャリッジ駆動モータ42を回転駆動させるものである。
【0041】
上記制御基板部51は、制御主体たるCPUの他に、記憶手段としてのROMおよびRAMを備え、このROMには加減速制御のための制御プログラムや図5に示す複数の加速度テーブル100−1〜100−3(図示例では3つ)が記憶されている。RAMは、CPUのワークエリアとして使用される。
【0042】
上記複数の加速度テーブル100−1〜100−3の各々は、キャリッジ19を速度ゼロから所定速度に至らせるまでの加速時の加速度および所定速度から速度ゼロに至らせるまでの減速時の加速度の各々を規定するものであり、温度センサ52によって検出された環境温度に応じて、制御基板部51により複数の加速度テーブル100−1〜100−3の中から1つだけが選択される。
【0043】
図示例では、加減速度として、キャリッジ駆動モータ42の励磁相を切替える時間を規定することで、上記加速度が規定される構成となっている。詳述すると、加速度テーブル100−1〜100−3には、加速時の加速度を規定するデータとして、キャリッジ駆動モータ42の相切替え時間が次第に短くなるデータが記録され、また、減速時の加速度を規定するデータとして、当該相切替え時間が次第に長くなるデータが記録さている。従って、相切替え時間を次第に短くすることにより、キャリッジ駆動モータ42の回転速度が次第に速くなり、これによりキャリッジ19が加速され、またこれとは逆に、相切替え時間が次第に長くすることで、キャリッジ駆動モータ42の回転速度が次第に遅くなり、キャリッジ19が減速されることとなる。
【0044】
上記複数の加速度テーブル100−1〜100−3の各々では、これらの相切替え時間間隔が異なり、図6に示すように、加速度テーブル100−1、100−2、100−3の順で加速時および減速時の加速度が小さくなるように設定されている。
【0045】
これら加速度テーブル100−1〜100−3に、どのような加速度を設定するかは、実験などにより求められている。具体的には、上記のように、環境温度あるいは環境湿度などの環境の特徴値が変化すると、プリンタ本体11の各部の寸法やタイミングベルト30の硬度、キャリッジ軸24に塗布されたグリス等の粘度、あるいは、キャリッジ駆動モータ42のトルク値などプリンタ本体11の各構成要素が影響を受け、それらの物性値などが変化する。従って、環境の特徴値が変化した場合に、キャリッジ19の駆動時にキャリッジ駆動モータ42に加わる負荷が増加するか否かは、上記各構成要素の物性値の変化が複合的に組み合わさって決定されるため、予め予測することは困難である。
【0046】
そこで、ほぼ同一の設計の下に製造されたプリンタ10に対して、環境温度や環境湿度を変えてキャリッジ19の駆動試験を行い、試験が行われた環境ごとに、キャリッジ駆動モータ42が問題なく動作する範囲(具体的には、キャリッジ19の加速度)のうち最大のものを求め、この試験結果に基づいて上記加速度テーブル100−1〜100−3が作成される。
【0047】
本実施形態にかかるプリンタ10にあっては、環境の特徴値として環境温度のみについて試験が行われ、環境温度が通常の温度範囲(10℃〜30℃)よりも高い場合には、キャリッジ19駆動時にキャリッジ駆動モータ42に加わる負荷が低下し、キャリッジ19の加速度を大きく設定することができ、また、環境温度が低い場合には、負荷が増加し、キャリッジ19の加速度を小さく設定する必要があるという試験結果が得られている。そこで、環境温度が通常の温度範囲よりも高い場合には、最も大きな加速度を規定する加速度テーブル100−1が選択され、環境温度が低い場合には、最も小さな加速度を規定する加速度テーブル100−3が選択される。
【0048】
なお、プリンタ10には、記録品位(画像解像度)を規定するモードとして、ハイクオリティモードや通常印字モード等の複数の記録モードが予め設定されている。各々の記録モードでは、キャリッジ19の定速時の移動速度(上記所定速度)が異なり、例えばハイクオリティモードでは、ドット間隔を小さくするためにキャリッジ19を低速移動させるべく所定速度が小さく設定されている。そこで、本実施形態では、実際には、これら記録モード(すなわち、速度モード)ごとに、上記複数の加速度テーブル100が設けられた構成となっている。
【0049】
次いで本実施形態の動作について図7を参照して説明する。先ず、制御基板部51は、温度センサ52により検出されたプリンタ本体11内の環境温度Tを測定し(ステップSa1)、この測定結果に基づいて上記複数の加速度テーブル100−1〜100−3の中から、測定された環境温度Tにおいてキャリッジ駆動モータ42の性能を充分に発揮させることのできるテーブルを選択する。
【0050】
具体的には、上述のように、制御基板部51は、環境温度Tが通常温度範囲(本例では、10℃〜30℃の範囲)よりも高温の場合には(ステップSa2:YES)、最も大きな加速度を規定する加速度テーブル100−1を選択する(ステップSa3)。
【0051】
また、制御基板部51は、環境温度Tが上記通常温度範囲よりも低温の場合には(ステップSa4:NO)、最も小さな加速度を規定する加速度テーブル100−3を選択し(ステップSa5)、環境温度Tが上記通常温度範囲内である場合には、加速度テーブル100−2を選択する(ステップSa6)。
【0052】
そして、制御基板部51は、上記ステップSa3、Sa5あるいはSa6にて選択した加速度テーブル100に従ってモータドライバ53を制御することにより(ステップSa7)、この加速度テーブル100に規定されている加速度にてキャリッジ19が加減速されることとなる。
【0053】
このように、本実施形態によれば、キャリッジ19の加速度として、環境温度に応じた加速度が選択されるため、その環境温度下においてキャリッジ駆動モータ42が駆動可能な最大の加速度が選択される。これにより、図6に示すように、加速時の加速度が大きくなり、キャリッジ19の速度が所定速度に達する時間が早くなるため、シートへの記録が行われるタイミングが早くなり、スループットが向上することとなる。
【0054】
<変形例>
上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様にすぎず、本発明の範囲内で任意に変形が可能である。
【0055】
(変形例1) 上述した実施形態では、環境温度に基づいてキャリッジ19の加減速制御が行われる構成について例示したが、プリンタ本体11内の環境湿度に基づいて加減速制御が行われる構成であっても良い。
【0056】
図8は、環境湿度に基づく加減速制御の処理手順を示すフローチャートである。この図に示すように、この加減速制御にあっては、プリンタ本体11のケース内部などに取り付けられた湿度センサ(不図示)によって環境湿度Wが測定される(ステップSb1)。そして、制御基板部51は、環境湿度Wがとり得る値範囲ごとに実験などにより予め求められている複数の加速度テーブルの中から、測定された環境湿度Wにおいてキャリッジ駆動モータ42の性能を充分に発揮させることのできるテーブルを選択する。
【0057】
具体的には、環境湿度Wが通常湿度範囲(本例では、30%〜60%の範囲)よりも多湿の場合には、キャリッジ駆動モータ42の負荷が増加し、上記加速度テーブル100−3のように、キャリッジ19の加速度として小さな値が設定され、また、環境湿度Wが通用湿度範囲を下回る場合には、キャリッジ駆動モータ42の負荷が減少し、上記加速度テーブル100−1のように、キャリッジ19の加速度として大きな値が設定されることが予め実験などに求められている。
【0058】
そこで制御基板部51は、環境湿度Wが通常湿度範囲よりも多湿の場合には(ステップSb2:YES)、最も小さな加速度を規定する加速度テーブル100−3を選択する(ステップSa3)。また、制御基板部51は、環境湿度Wが上記通常湿度範囲を下回る場合には(ステップSb4:NO)、最も大きな加速度を規定する加速度テーブル100−1を選択し(ステップSb5)、環境湿度Wが上記通常湿度範囲内である場合には、加速度テーブル100−2を選択する(ステップSb6)。そして、制御基板部51は、上記ステップSb3、Sb5あるいはSb6にて選択した加速度テーブル100に従ってモータドライバ53を制御し(ステップSb7)、この加速度テーブル100に規定されている加速度にてキャリッジ19を加減速させる。
【0059】
このような処理により、キャリッジ19の加速度として、使用環境の湿度に応じてキャリッジ駆動モータ42の性能を充分に発揮する加速度に変更されることとなる。
【0060】
(変形例2) プリンタ本体11内の環境温度および環境湿度の両方に基づいて加減速制御が行われる構成であっても良い。図9は、かかる加減速制御の処理手順を示すフローチャートである。この図に示すように、この加減速制御にあっては、上記温度センサ52による環境温度Tの測定が行われ(ステップSc1)、次いで、プリンタ本体11のケース内部などに取り付けられた湿度センサ(不図示)によって環境湿度Wが測定される(ステップSc2)。なお、ステップSc1およびSc2の各々の処理は、どちらが先に行われても良い。
【0061】
次いで制御基板部51は、環境温度Tおよび環境湿度Wにおいてキャリッジ駆動モータ42の性能が充分に発揮されるように加速度テーブル100を、上記複数の加速度テーブル100−1〜100−3の中から選択する。
【0062】
具体的には、制御基板部51は、予め実験などにより求められた、環境温度Tと加速度テーブル100−1〜100−3との関係に従い加速度テーブル100を選択する。すなわち、環境温度Tが通常温度範囲(10℃〜30℃)よりも高温であり(ステップSc3:YES)、なおかつ、環境湿度Wが通常湿度(例えば60%)よりも低い場合には(ステップSc4:NO)、制御基板部51は、最も大きな加速度を規定する加速度テーブル100−1を選択する(ステップSc5)。
【0063】
また、環境温度Tが通常温度範囲よりも低く(ステップSc6:NO)、なおかつ、環境湿度Wが上記通常湿度よりも多湿である場合(ステップSc7:YES)には、制御基板部51は、最も小さな加速度を規定する加速度テーブル100−3を選択する(ステップSc8)。
【0064】
そして、環境温度Tが通常温度範囲よりも高い一方で(ステップSc3:YES)、環境湿度Wが通常湿度よりも多湿である場合(ステップSc4:YES)、および、環境温度Tが通常温度範囲内であると共に(ステップSc6:YES)、環境湿度Wが通常湿度よりも低い場合(ステップSc7:NO)には、加速度テーブル100−2が選択される。
【0065】
そして、制御基板部51は、上記ステップSc5、Sc8あるいはSc9にて選択した加速度テーブル100に従ってモータドライバ53を制御し(ステップSc10)、この加速度テーブル100に規定されている加速度にてキャリッジ19を加減速させる。
【0066】
これにより、キャリッジ19の加速度として、使用環境の温度および湿度に応じてキャリッジ駆動モータ42の性能を充分に発揮する加速度に変更されることとなる。
【0067】
(変形例3) キャリッジ19の加速時および減速時の加速度と、環境の特徴値(環境温度および/または環境湿度)との対応関係を数値データ列として上記加速度テーブル100に記録するに代えて、当該数値データ列から導かれる対応関係式を制御基板部51のROMなどに記憶させておく構成としても良い。さらにまた、加速度テーブル100の数は3つに限らず、環境の特徴値が取りえる値範囲をより細かく区切って複数の特徴値範囲を設け、各々の特徴値範囲ごとに加速度テーブルを設ける構成としても良い。また、本発明は、上記ドットインパクトプリンタに限らず、記録ヘッドが搭載されたキャリッジを移動させて記録を行う記録装置であれば、任意の記録装置に適用可能である。
【0068】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、使用環境に応じて十分な性能を発揮することが可能な記録装置および記録装置の制御方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る記録装置の一実施の形態が適用されたドットインパクトプリンタのプリンタ本体を示す斜視図である。
【図2】同プリンタ本体を示す側断面図である。
【図3】同プリンタ本体を概略して示す平面図である。
【図4】同加速度制御のための機能的構成を示すブロック図である。
【図5】同加速度テーブルを示す図である。
【図6】同加速度制御を説明するための図である。
【図7】同加速度制御の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】本発明の変形例にかかる加速度制御の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明の変形例にかかる加速度制御の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 プリンタ
18 記録ヘッド
19 キャリッジ
42 キャリッジ駆動モータ
51 制御基板部
52 温度センサ
53 モータドライバ
100、100−1〜100−3 加速度テーブル

Claims (10)

  1. キャリッジに記録ヘッドが搭載され、当該キャリッジを往復動させてシートに記録する記録装置において、
    環境の特徴値を検出する環境検出手段を備え、
    前記キャリッジが所定速度に達するまでの加速時の加速度、あるいは、前記キャリッジが前記所定速度から停止するまでの減速時の加速度のうち、少なくともいずれかの加速度を、前記環境検出手段により検出された特徴値に基づいて変更する
    ことを特徴とする記録装置。
  2. 前記キャリッジが前記所定速度に達するまでの加速時の加速度、あるいは、前記キャリッジが前記所定速度から停止するまでの減速時の加速度のうち、少なくともいずれかの加速度と、前記環境の特徴値が取り得る値範囲との対応関係を予め記憶し、
    前記環境検出手段により検出された特徴値と、予め記憶されている前記対応関係とに基づいて前記加速度を変更する
    ことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記所定速度として、
    設定される記録品位に応じて複数の速度が予め設定されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  4. 前記キャリッジは、パルスモータにより駆動され、
    前記加速度の変更は、前記パルスモータの相切換え時間を変更することで行われる
    ことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  5. 前記環境の特徴値は、少なくとも環境温度あるいは環境湿度のいずれか1つを含む
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の記録装置。
  6. キャリッジに記録ヘッドが搭載され、当該キャリッジを往復動させてシートに記録する記録装置の制御方法において、
    環境の特徴値を検出する第1の過程と、
    前記キャリッジが前記所定速度に達するまでの加速時の加速度、あるいは、前記キャリッジが前記所定速度から停止するまでの減速時の加速度のうち、少なくともいずれかの加速度を、前記第1の過程において検出された特徴値に基づいて変更する第2の過程と
    を具備することを特徴とする記録装置の制御方法。
  7. 前記記録装置には、
    前記キャリッジが前記所定速度に達するまでの加速時の加速度、あるいは、前記キャリッジが前記所定速度から停止するまでの減速時の加速度のうち、少なくともいずれかの加速度との対応関係が予め記憶されており、
    前記第2の過程においては、
    前記第1の過程において検出された特徴値と、予め記憶されている前記対応関係とに基づいて前記加速度を変更する
    ことを特徴とする請求項6に記載の記録装置の制御方法。
  8. 前記所定速度として、
    設定され得る記録品位に応じて複数の速度が予め設定されている
    ことを特徴とする請求項6に記載の記録装置の制御方法。
  9. 前記キャリッジは、パルスモータにより駆動され、
    前記第2の過程における加速度の変更は、前記パルスモータの相切換え時間を変更することで行われる
    ことを特徴とする請求項6に記載の記録装置の制御方法。
  10. 前記環境の特徴値は、少なくとも環境温度あるいは環境湿度のいずれか1つを含む
    ことを特徴とする請求項6乃至9のいずれかに記載の記録装置の制御方法。
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