JP2004321003A - 微粉砕コーヒーの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】焙煎コーヒー豆を効率よく微粉砕できる微粉砕コーヒーの製造方法を提供すること。
【解決手段】焙煎コーヒー豆中に含まれる油脂成分を少なくとも25%以上除去し、その後乾式にて粉砕処理を行う微粉砕コーヒーの製造方法。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は微粉砕コーヒーの製造方法に関し、詳しくは、焙煎コーヒー豆を乾式にて微粉砕して得られる微粉砕コーヒーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
粉砕された焙煎コーヒー豆は、所定温度の熱水を通水してコーヒー抽出液を得たり、さらには、その芳香性を利用して各種食品に添加・混合することに利用されたりしている。その芳香性は、コーヒー豆をどのように粉砕するかにより左右されるため、粉砕は重要な工程となる。
【0003】
例えば、乾燥粉砕焙焼豆と食用油とから、粉砕焙焼コーヒー約5〜70%と食用油約95〜30%とを含むスラリーを製造する工程と、油の存在下で粉砕焙焼コーヒーを約0.1〜20ミクロンの粒度にまで微粉砕することによって、油中のコーヒーの安定な分散液を形成する工程とを含む、焙焼コーヒー豆から安定なコーヒーフレーバーと芳香源とを製造する方法に関する発明が提案されている(特許文献1)。
【0004】
焙煎して粗粉砕したコーヒー豆を水と混合し、混合した水を湿式粉砕機に通液し、コーヒー豆を更に微粉砕し、脂肪を含有するコーヒー成分を抽出し、抽出した水を採取するコーヒー抽出液の製造方法に関する発明が提案されている(特許文献2)。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−38681号公報
【特許文献2】
特開平11−75694号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術の内、特許文献1は、焙焼コーヒーの微粉砕を食用油の存在下で行っているため、油の後処理を必要とし、食用油の存在が支障のない用途にのみ使用できるという制約がある。しかも、油中のコーヒーの存在量を増やすとコーヒー分散液の粘度が高くなり、処理し難くなると共に、粉砕処理中の温度上昇を避けられないという問題が生じるとされており、粉砕処理効率は低いものとならざるを得ない。
【0006】
更に、特許文献2の方法は、焙煎コーヒー豆を水中で粗粉砕した後、再度微粉砕するようにしているが、水中での粉砕は油中での粉砕と同様に、焙煎コーヒー豆の割合が増えると粘度が高くなり、効率よく微粉砕することは困難である。
【0007】
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の有する問題点に鑑みて、焙煎コーヒー豆を効率よく微粉砕できる微粉砕コーヒーの製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記課題を解決すべく鋭意検討したところ、焙煎コーヒー豆を微粉砕するに際して、焙煎コーヒー豆中の油脂分の存在が重要な要素であり、この油脂分の所定量を予め除去しておき、その後の乾式での粉砕処理することが効率よく微粉砕できることを見出し、本発明を完成した。
【0009】
すなわち、本発明の微粉砕コーヒーの製造方法の特徴構成は、焙煎コーヒー豆中に含まれる油脂成分を少なくとも25%以上除去し、その後乾式にて粉砕処理を行うことにある。
【0010】
この構成によれば、簡単な処理でありながら焙煎コーヒー豆を効率よく微粉砕でき、湿式粉砕処理に伴う問題点もなく、生産性が高くなって製造コストを低減できると共に、微粉砕された粉体どうしは凝集し難く、いわゆるブロッキング現象を生じ難いので取り扱い易いものとなり、後処理がほとんど不要でそのまま利用でき、用途範囲が広くなる。焙煎コーヒー中に含まれる油脂成分の除去量が25%未満の場合は、微粉砕に時間がかかるのみならず、微粉砕された粉体どうしが凝集し易くなって好ましくない。より好ましくは、焙煎コーヒー豆中に含まれる油脂成分を少なくとも40%以上除去することである。
【0011】
乾式での前記粉砕処理を、メジアン径で1mm以下に粗粉砕した後、微粉砕することが好ましい。
【0012】
微粉砕する前に予め1mm以下に粗粉砕することにより、一層効率よく短時間に微粉砕することができると共に、粒度分布を狭くできる。より好ましくは、メジアン径で0.5mm以下に粗粉砕することである。
【0013】
【発明の実施の形態】
本実施形態に係るコーヒー液の製造方法を、図1を参照して詳細に説明する。まず、コーヒー豆を焙煎する(#1)。焙煎条件は特に限定されるものではなく、コーヒー豆の種別に対応して、所定の目的に応じた焙煎度に仕上げる。コーヒー豆についても、限定されるものではなく、アラビカ種、ロブスタ種、リベリカ種などを使用できる。
【0014】
焙煎されたコーヒー豆中に含まれる油脂成分を、少なくとも25%以上除去し、より好ましくは40%以上除去する(#2)。油脂成分の除去方法としては、治具を用いて焙煎豆を加圧し圧搾する方法が、確実に油脂成分を抽出・除去できるので好ましい。例えば、回転軸とケーシングの間隙に焙煎コーヒー豆を挟み込み加圧して搾油する、米国アンダーソン社製の搾油機「EXPELLER MX−550」などを使用できるが、この方法に限定されるものではない。
【0015】
その後、乾式にて粉砕処理を行う。この粉砕は、まず、メディアン径で約1mm以下、望ましくは0.5mm以下になるように粗粉砕する(#3)。粗粉砕は、ロール式ミル、ボール式ミル、石臼式ミル等、種々の形式の粉砕機を使用することができる。
【0016】
更に、粗粉砕した焙煎コーヒー粒子を、微粉砕する(#4)。この場合、焙煎コーヒー豆から油脂成分が除去されているので、微粉砕することが容易となる。例えば、焙煎したコーヒー豆を用いて、4段ロールタイプのロール式粉砕機により粉砕すると、約30分程度でメディアン径約53μm程度にすることができる。ついで、粗粉砕したコーヒー粒子を、例えばバーハンマー式やピンハンマー式の衝撃式粉砕機により微粉砕すると、数分でメディアン径約14μm程度(最大径約45μm)にすることができる。
【0017】
このように、焙煎されたコーヒー豆中に含まれる油脂成分の所定量を除去した焙煎コーヒー豆の場合、効率良く短時間に微粉砕できると共に、最大径が小さく分布の狭い微粉砕粒が得られる。しかも、得られた微粉砕粒は塊状になり難くてほぐれ易く、ブロッキングが生じ難い粒子が得られる。もとより、湿式で粉砕するものではないため、粉砕中に粘度が高くなって処理効率が低下するということがなく、乾燥工程や用いた溶媒の後処理工程などは不要であり、微粉砕されたコーヒー粒子を直接的に利用可能となる。この程度に微粉砕されたコーヒー粒子は、コーヒー飲料に添加され使用されても、通常の粉砕品に比べて残渣としての沈殿量は少ないので、微粉砕コーヒー粒子の有する香り、風味を広く利用できることになる。例えば、微粉砕コーヒー粒子に直接水または湯を加えてコーヒー飲料にすることが可能になり、ペーパーフィルター等でろ過する、いわゆるペーパードリップ方式を採用する必要のないコーヒー飲料とすることができる。更には、キャンデーやマーガリン等に添加しても、ザラつきを感じ難くさせることができる。また、粉砕機としては、乾式で粉砕できるものであれば、上記した粉砕機に限定されるものではない。
【0018】
【実施例】
更に、本発明を実施例に基づいて詳細に説明する。
【0019】
(実施例1)
油脂含有量14.3%のアラビカ種の焙煎コーヒー豆を加圧して、その油脂量の52%を搾油した搾油済み焙煎コーヒー豆5kgに対して粗粉砕を行った。粗粉砕は、(株)豊製作所製の4段ロール型粉砕機を用いて行った。この粉砕機は、各段に2本のロールが組合わされて構成されており、1段目から4段目まで後段に行くにしたがい0.9〜0.2mmのクリアランスを設定すると共に、ロール回転数を変えて粉砕した。粉砕した時間は、約30分であった。粉砕した粒子の粒度は、(株)堀場製作所製のレーザー回折・散乱式粒度分布計LA−910を用いて測定すると共に、そのときの希釈液にはエタノールを用いた。
【0020】
(比較例1)
油脂含有量14.3%のアラビカ種の焙煎コーヒー豆を、搾油することなく、実施例1と同様にして粉砕した。その結果を表1に示す。
【0021】
【表1】
Figure 2004321003
表1より、本実施例のものは比較例に比べて約1/7と微細であり、粒度分布も狭いことがわかる。
【0022】
(実施例2)
上記実施例1により得られた粉砕粒子1.2kgを、杉山重工(株)製の衝撃式粉砕機「ベベルインパクター」を用いて微粉砕した。粉砕条件は、主軸回転数8400(rpm)、副軸回転数7000(rpm)、粉砕時間2分とした。その結果を表2に示す。微粉砕した粒子の粒度は、実施例1と同様に、(株)堀場製作所製のレーザー回折・散乱式粒度分布計LA−910を用いて測定した。
【0023】
(比較例2)
上記比較例1により得られた粉砕粒子を、実施例2と同様な粉砕条件で更に微粉砕した。粉砕時間は2分、4分とした。得られた粒子の粒度を測定した結果を表2に示す。
【0024】
【表2】
Figure 2004321003
表2に示すように、実施例2は粉砕時間を2倍に延長した比較例の場合よりも、微細な粒子が得られると共に、粒度分布も顕著に狭いことがわかる。
【0025】
〔別実施の形態〕
(1)上記実施形態では、得られたコーヒー微粉砕粉は、コーヒー抽出液に混合して用いてもよいし、コーヒー液以外の飲料や食品に香料などとして用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る製造工程を示すフローチャート

Claims (2)

  1. 焙煎コーヒー豆中に含まれる油脂成分を少なくとも25%以上除去し、その後乾式にて粉砕処理を行う微粉砕コーヒーの製造方法。
  2. 乾式での前記粉砕処理を、メジアン径で1mm以下に粗粉砕した後、微粉砕する請求項1の微粉砕コーヒーの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017500053A (ja) * 2013-12-23 2017-01-05 コーニンクラケ ダウ エグバート ビー.ブイ. 芳香を保持した可溶性コーヒー
CN109414032A (zh) * 2016-07-19 2019-03-01 雀巢产品技术援助有限公司 咖啡豆颗粒

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