JP2004319976A - 転写シート及びそれを用いた配線基板とその製造方法 - Google Patents

転写シート及びそれを用いた配線基板とその製造方法 Download PDF

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康博 菅谷
Hiroyuki Ishitomi
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Abstract

【課題】転写性を向上し低温での転写を実現し、寸法安定性、ビア接続信頼性を改善できる転写シート及びそれを用いた配線基板とその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の転写シート(100)は、ガラス転移温度が60℃以上の樹脂フィルム(101)と、前記樹脂フィルム(101)上に形成されたシリコーン樹脂層(103)と、前記シリコーン樹脂層(103)の上に形成された金属配線パターン(104)とを備え、前記金属配線パターン(104)の露出表面が粗化面であり、前記粗化面の10点平均表面粗さ(Rz)が2μm以上であり、前記金属配線パターン(104)がシリコーン樹脂層(103)に接触している面は前記露出表面より前記表面粗さ(Rz)が低い。
【選択図】 図1

Description

本発明は、配線基板及び半導体パッケージなどの導体回路を形成するための転写シート及びそれを用いた配線基板とその製造方法に関するものである。
近年、電子機器は、小型化が進んでいるが、携帯情報端末の発達やコンピューターのモバイル化によって、一層の小型化が進み、これら電子機器に搭載される多層配線基板には、一層の機能化、薄型化且つ配線パターンのファイン化が求められている。
また、通信機器に代表されるように、高速動作が求められる電子機器が広く使用されるに伴い、その高速動作に対応できる多層のプリント基板が求められている。そのためには、配線長を短くすると共に、配線の幅を細くし且つ配線の間隔を小さくして、電気信号の伝搬に要する時間を短縮することが必要である。つまり、多層基板には、小型化、薄型化、高密度化が求められる。
多層基板の高密度実装を進める上で、重要なのが微細な配線パターンの形成である。通常のプリント配線基板においては、例えば、サブトラクティブ法により配線パターンを形成する方法が一般的である。このサブトラクティブ法では、厚み18〜35μm程度の銅箔を、化学エッチングすることにより、基板に配線パターンを形成するが、この方法でも75μm以下の線幅である配線パターンを量産することは困難であると言われており、前記配線パターンをさらに微細化するためには、前記銅箔を薄くする必要がある。
また、前記サブトラクティブ法によれば、基板表面に配線パターンが飛出した構造となるため、半導体に形成したバンプ上に、電気接続のための半田や導電性接着剤等を乗せ難く、また、前記バンプが配線パターン間に移動して、ショートするおそれもある。また、前記突出した配線パターンのため、例えば、後の工程で、封止樹脂で封止する際の障害となるおそれもある。
そこで、予め微細な配線パターンを離型性フィルム上に形成し、配線パターンだけを所望の基板に転写する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
さらに、配線パターンのより確実な転写性を確保するために、予め離型性フィルムに熱処理を加えておき、転写時の離型性フィルム収縮による寸法変化を抑える方法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
また、前記特許文献2と同様に確実な転写性を確保するために、離型性フィルムの表面に接着剤層を介して金属箔を形成し、金属箔の抗張力を調整することで、転写時の位置ずれが発生しにくく、信頼性の高い配線基板を歩留まり良く製造する方法が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
一方、上記転写法における離型性フィルムの表面に設けられる接着剤層として、経時変化が無く、耐薬品性に優れたシリコーンを利用する構成が提案されている(例えば、特許文献4参照)。本構成によれば、エッチング等による配線形成時のパターニング保持性に優れている。
以上のような転写法により転写される配線パターンは、基板表面に埋め込まれて基板表面が平坦な構造となるため、サブトラクティブ法における配線パターンが突出するという問題は回避される。
特開平10−84186号公報 特開平10−51108号公報 特開2002−111203号公報 特開2002−359455号公報
しかし、転写法によって微細配線を転写させる場合には、転写後の配線間の寸法誤差が、安価なポリエチレンフタレート(PET)等を用いると発生し、これによりビアとの接続不良や、半導体バンプとの接続不良が発生する等の問題があるため、前記の特許文献2〜4に開示された技術では、寸法変化分を補正するか、離型フィルムを予め加熱処理を施し、転写時の加熱時に収縮を0.05%以下に抑える方法を提案している。
これらの技術では、離型性フィルムを用いて配線パターンを基板に転写する際に加える温度が比較的高い(例えば、80〜170℃である旨が記載されている)ため、導電性ペーストがビアホールに充填されたBステージ状態のプリプレグシートに配線パターンを転写する場合に、導電性ペーストがほぼ硬化をしてしまう場合があった。
このように導電性ペーストが硬化した状態のプリプレグシート(配線パターンが埋め込まれている)を複数枚準備し、その後、それら複数のシートを積層し、加熱・加圧して複数のプリプレグシートを一括硬化する多層配線基板の製造方法においては、複数のシートを積層して一括硬化する場合に、硬化した導電性ペーストの存在によりシートの加圧が不均一となる場合や、配線パターンとの密着性が悪くなる場合が生じ、ビア接続を得る上で不都合が発生することがあった。
すなわち、従来の転写形成材を用いた実装体の構造では、転写性、寸法安定性、ビア接続信頼性の全てを満たすことが困難であった。
本発明は、前記従来の問題を解決するため、転写性を向上し低温での転写を実現し、寸法安定性、ビア接続信頼性を改善できる転写シート及びそれを用いた配線基板とその製造方法を提供する。
本発明の転写シートは、ガラス転移温度が60℃以上の樹脂フィルムと、前記樹脂フィルム上に形成されたシリコーン樹脂層と、前記シリコーン樹脂層の上に形成された金属配線パターンとを備えた転写シートであって、前記金属配線パターンの露出表面が粗化面であり、前記粗化面の10点平均表面粗さ(Rz)が2μm以上であり、前記金属配線パターンがシリコーン樹脂層に接触している面は前記露出表面より前記表面粗さ(Rz)が低いことを特徴とする。
本発明の回路基板は、電気絶縁基板シートの厚さ方向に穴があけられ、その中に導電体が充填されており、前記シートの表面及び裏面から選ばれる少なくとも一方の主面には、前記導電体と電気的に結合した金属配線パターンが転写により一体化されている回路基板であって、前記金属配線パターンの樹脂と接している界面が粗化面であり、前記粗化面の10点平均表面粗さ(Rz)が2μm以上であり、前記金属配線パターンの非埋没面は前記埋没面より前記表面粗さ(Rz)が低いことを特徴とする。
本発明の回路基板の製造方法は、ガラス転移温度が60℃以上の樹脂フィルムと、前記樹脂フィルム上に形成されたシリコーン樹脂層と、前記シリコーン樹脂層の上に形成された金属配線パターンとを備え、前記金属配線パターンの露出表面が粗化面であり、前記粗化面の10点平均表面粗さ(Rz)が2μm以上であり、前記金属配線パターンがシリコーン樹脂層に接触している面は前記露出表面より前記表面粗さ(Rz)が低い転写シートを電気絶縁基板用シートに重ね合わせ、前記配線パターンが前記絶縁基板用シートに埋没可能な温度に加熱して加圧し、前記配線パターンの少なくとも一部を前記絶縁基板用シートに埋没させ、前記樹脂フィルムを剥離し、前記配線パターンが埋め込まれた配線基板を得ることを特徴とする。
本発明によれば、低温で配線パターンを転写させることができるため、被写体であるBステージ(半硬化)のプリプレグに予め充填されているビアペーストを殆ど硬化させることがない。その結果、一括硬化時のタイミングで導電性ペーストの硬化を一挙に推進させることができるため、極めて良好なビア接続信頼性を得ることができる。また、本発明の転写形成材によれば、低温での転写性に優れ、寸法変化を抑制でき、かつ、一括硬化時のビア接続信頼性に優れた高い信頼性を確保する配線基板を得ることができる。
本発明者らは、上記の従来の問題について鋭意検討した結果、ガラス転移点が60℃以上の樹脂フィルムの表面にシリコーンの樹脂層を介して転写側の金属箔の表面が粗化された配線パターンが形成された転写シートを用いることにより、導電性ペーストの完全硬化が開始する前の温度(例えば、60℃〜80℃前後の低温)にもかかわらず配線パターンを未硬化の樹脂シート等に転写させることができ、そのため、ビアペーストを殆ど硬化させずに転写工程を行えるため、転写工程を経て行われる一括積層硬化による多層基板において、良好なビア接続信頼性を得られることを見出し本発明に至った。
すなわち本発明の転写シートは、ガラス転移温度が60℃以上の樹脂フィルムと、前記樹脂フィルム上に形成されたシリコーン樹脂層と、前記シリコーン樹脂層の上に形成された金属配線パターンとを備え、前記金属配線パターンの表面が粗化されており、前記粗化面の平均表面粗さ(Rz)が2μm以上であり、かつ裏面の粗さ(Rz)は表面より低い。前記表面粗さは、電解めっきによって金属を粒子状に積層析出させて形成できる。金属箔として圧延銅箔を用いると、屈曲性に優れより好ましい。このめっきによる析出粒子による凹凸を有する銅箔は、例えば古河サーキットフォイル社製、商品名“STDタイプ”がある。前記金属配線パターンは銅箔で、前記樹脂フィルムはPETフィルムであることが好ましい。PETを用いることにより、安価に製造でき、転写材を普及させる上で有利である。
前記金属箔表面にシランカップリング処理を施したことが好ましい。これにより、配線パターン形成時の保持性向上に加え、転写性を向上させることができる。
前記銅箔に表面処理を行う場合には、Znメッキ処理を行う。通常はこれ以外のメッキ、例えばNiめっき、クロメート処理は不要である。前記Znメッキ処理により、防錆処理が施され且つ良好なビア接続を得ることができる。
前記粗化面の前記表面粗さ(Rz)は3μm以上8μm以下であることが好ましい。また、前記金属配線のキャリアーシート(樹脂フィルム)面の表面粗さ(Rz)は0.5μm以上1.5μm以下、さらに好ましくは0.6μm以上1.2μm以下である。
前記樹脂フィルムと前記シリコーン樹脂層との間に、プライマー層をさらに有することが好ましい。前記樹脂フィルムと前記シリコーン樹脂層との接着強度を高めるためである。
本発明の回路基板は、前記金属配線パターンの樹脂と接している界面が粗化面であル。前記粗化面は樹脂内に埋没していてもよいし、配線の側壁は部分的に露出していてもよい。前記粗化面の10点平均表面粗さ(Rz)は2μm以上である。これにより、前記シートの厚さ方向に形成されている導電体との電気的及び機械的結合を高くすることができる。すなわち、金属配線表面の凹凸により、アンカー効果が発揮でき、強固な結合ができる。
配線基板の製造方法は、前記転写シートを準備し、前記転写シートを絶縁基板用シートに重ね合わせ、40℃から80℃に加熱して積層し、前記配線パターンを前記絶縁基板用シートに埋設し、前記樹脂フィルムを剥離し、前記配線パターンが埋め込まれた絶縁基板用シートを得る工程を少なくとも含むのが好ましい。また、配線基板の他の製造方法としては、ガラス転移温度が60℃以上の樹脂フィルム上にシリコーン層を形成し、前記シリコーン上に、表面が粗化されており、かつ粗化面の表面粗さRzが2μm以上の配線パターンを形成して、転写シートを準備する工程と、導電性ペーストが貫通孔に充填された絶縁基板用シートを準備する工程と、前記転写シートの前記配線パターンを前記絶縁基板用シートの前記導電性ペーストに接続されるように重ね合わせて、前記導電性ペーストの硬化反応ピーク温度よりも低い温度で加熱して積層し、前記配線パターンを前記絶縁基板用シートに埋設する工程と、前記樹脂フィルムを剥離し、前記配線パターンが埋め込まれた絶縁基板用シートを得る工程を少なくとも含む。
以上の本発明の方法を用いることにより、通常転写が困難な低温で配線パターンを形成することができる。その結果、PET等の離型フィルムを用いても、転写時の寸法変化を0.05%以下にすることができる。
また、前記絶縁基板用シートは、導電性ペーストが貫通孔に充填されたものであり、前記転写シートの前記配線パターンを前記絶縁基板用シートの前記導電性ペーストに接続されるように重ね合わせることが好ましい。
また、前記絶縁基板用シートを複数枚準備し、前記複数枚の絶縁基板シートを一括で積層、硬化させる工程を少なくとも含む配線基板の製造方法である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本発明は下記の実施の形態に限定されるものではない。
(第1の実施の形態)
図1A−Bは、本発明の転写シート及びそれを用いた転写方法の一例を示す断面図である。図1Aに示すように、本実施の形態の転写シート100は、樹脂フィルムからなる支持体101上にプライマー層102を介して硬化したシリコーン樹脂層103、シリコーン樹脂層103上に形成した配線パターン104を備えており、支持体101のガラス転移温度が60℃以上である。
次に、配線パターン104を形成後、絶縁基板シートに配線パターン104側を向けて転写シート100を重ね、配線パターン104の少なくとも一部を絶縁基板シートに埋設して配線パターン104を転写し、支持体101を剥離する(図1B)。この支持体101を剥離する際には、シリコーン樹脂層103も一緒に剥がされるため、配線パターン104のみが転写される。そのため、従来法のように配線パターンを転写後に粘着層を反応硬化するための紫外線照射工程あるいは加熱工程等の煩雑な工程が不要となる。
なお、本発明で用いられる支持体101としては、例えばアルミニウムや銅箔、ステンレス箔等の金属箔を用いても構わないが、取り扱いの観点から樹脂フィルムが望ましい。
樹脂フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂フィルム、ポリイミド、ポリプロピレン、ポリフェニレンサルファイド等の樹脂フィルムが、耐薬品性、耐熱性及び強度の点から好ましい。
本発明の転写シートにおいて、樹脂フィルム等の支持体101と硬化したシリコーン樹脂103との密着力が重要であるので、この密着力をより高めるために樹脂フィルム101シリコーン樹脂103を塗布する前に、接着層であるプライマー層102を設けても構わないが、省略しても良い。一方、プライマー層の代わり、あるいは追加としてプラズマ処理等の表面処理を加えても構わない。
プライマー層102としては、樹脂フィルムとシリコーン樹脂との密着力を向上させるものであれば、特に限定されるものではないが、液状のエポキシ樹脂、ポリウレタン系、ポリエステル/セルロース系、シリル基含有樹脂等を用いることができる。プライマー層の膜厚としては、0.1〜100μm、より好ましくは0.5〜10μmの厚みである。プライマー層が薄すぎると塗布時にピンホール等の欠陥が生じやすくなり、厚すぎると、材料コストとして高くなってしまい経済的に不利である。
本発明で用いられるシリコーン樹脂層103は、縮合反応によって得られるものでも、金属触媒の作用等を利用した付加型でも構わない。
また、縮合型シリコーンゴムには、亜鉛、鉛、カルシウム、マンガン等の金属を含んだ化合物などを触媒として添加することが可能である。
また、付加型シリコーンゴムには、白金単体、塩化白金、オレフィン配位白金などを触媒として、用いることも可能である。
シリコーン樹脂層103の膜厚は、通常0.5〜10μm、より好ましくは1〜5μmである。シリコーン樹脂層の膜厚が、薄すぎると金属箔との密着性の不均一性の問題が生じることがある。厚すぎると材料コストとして高くなってしまい経済的に不利である。
本発明の用いられる金属箔としては、例えば、銅、アルミニウム、金、銀、ステンレス等が用いられうるが、好ましくは、銅または銅を含む合金箔が導電性、エッチング性、コストの面から好ましい。
金属箔の厚みは、通常9μm以上35μm以下であり、好ましくは12μm以上30μm以下である。厚みが35μmを越える場合には、シリコーン樹脂層の金属箔保持力が不安定になり配線パターン作成のエッチング時に金属箔が一部脱落する場合があるので、あまり好ましくない。
シリコーン樹脂層103の上に金属箔を重ね合わせる方法としては、プレス、ロールラミネーター等で加熱、加圧する方法が採られる。加熱、圧力等は、目的に応じ、適宜選定することができる。
配線パターン104は、通常良く知られているフォトレジスト法等によって所定の回路パターンを作成し、エッチング等によって、配線パターニングを行う。
前記第1の金属層の表面の転写側は、粗化されていることが好ましい。例えば、中心線平均粗さ(Ra)は1μm以上、10点平均表面粗さ高さRzは2μm以上であることが好ましい。前記Rzが2μm未満であると、転写する基材との接着性がやや弱くなり、50℃から80℃程度の低温で配線パターンの転写を行うと、ほぼパターンの大部分は転写されるものの、一部、転写されず脱落するものが発生する。一方、Rzを2μm以上と大きく確保することによって、60℃前後の低温で転写を行っても確実に転写を行うことができる。さらに、より好ましくは、Rzが3〜8μmの範囲である。8μmを超えると取り扱いが容易でなくなるからである。
また、前記金属層の両面が粗化されていても構わないが転写面と反対の面は転写面より平滑であることが好ましい。シリコーン樹脂層上に配線パターンを形成することにより、転写時の剥離性に優れるからである。
これらのことより、シリコーン樹脂層上に配線パターンを形成することと、転写される樹脂シート側の配線パターンの表面を粗化し、粗化範囲を規定する相乗効果によって初めて、例えば60℃〜80℃という低温で配線パターン転写を行うことができる。
次に、配線パターン104が転写される被写体である配線基板について説明する。前記シート状基材105は、無機フィラーと熱硬化性樹脂組成物とを含み、少なくとも一つの貫通孔を有し、前記貫通孔に導電性ペースト106が充填されていることが好ましい。このようなシート状基材及びそれを用いた配線基板に関しては、例えば特開平11−220262号公報に開示されているものを利用することができる。これにより、熱伝導性に優れ、前記配線パターンが前記導電性ペースト106により電気的に接続された、インナービアホール(IVH)構造を有する高密度実装用コンポジット配線基板を容易に得ることができる。また、このシート状基材105を用いれば、配線基板の作製の際に、高温処理の必要がなく、例えば、熱硬化性樹脂の硬化温度である200℃程度の低温処理で十分である。
前記シート状基材105全体に対し、前記無機フィラーの割合が70〜95重量%であり、前記熱硬化性樹脂組成物の割合が5〜30重量%であることが好ましく、特に好ましくは、前記無機フィラーの割合が85〜90重量%であり、前記熱硬化性樹脂組成物の割合が10〜15重量%である。前記シート状基材は、前記無機フィラーを高濃度含有できることから、その含有量により、配線基板における、熱膨張係数、熱伝導度、誘電率等を任意に設定することが可能である。
前記無機フィラーは、Al23、MgO、BN、AlNおよびSiO2からなる群から選択された少なくとも一つの無機フィラーであることが好ましい。前記無機フィラーの種類を適宜決定することにより、例えば、熱伝導性、熱膨張性、誘電率を所望の条件に設定することが可能であり、例えば、前記シート状基材における平面方向の熱膨張係数を、実装する半導体の熱膨張係数と同程度に設定し、かつ高熱伝導性を付与することも可能である。
前記無機フィラーの中でも、例えば、Al23、BN、AlN等を用いたシート状基材105は、熱伝導性に優れ、MgOを用いたシート状基材は、熱伝導度に優れ、かつ熱膨張係数を大きくすることができる。また、SiO2、特に非晶質SiO2を使用した場合、熱膨張係数が小さく、軽い、低誘電率のシート状基材を得ることができる。なお、前記無機フィラーは、一種類でもよいし、二種類以上を併用してもよい。
前記無機フィラーと熱硬化性樹脂組成物とを含むシート状基材は、例えば、以下のようにして作製できる。まず、前記無機フィラーと熱硬化性樹脂組成物とを含む混合物に粘度調整用溶媒を加え、任意のスラリー粘度であるスラリーを調製する。前記粘度調製用溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、トルエン等が使用できる。
そして、予め準備した離型フィルム上において、前記スラリーを用いて、例えば、ドクターブレード法等により造膜し、前記熱硬化性樹脂の硬化温度よりも低い温度で処理して、前記粘度調整用溶媒を揮発させた後、前記離型フィルムを除去することによりシート状基材が作製できる。
前記造膜した時の膜厚は、前記混合物の組成や、添加する前記粘度調整用溶媒の量により適宜決定されるが、通常、厚み80〜200μmの範囲である。また、前記粘度調製用溶媒を揮発させる条件は、例えば、前記粘度調製用溶媒の種類や前記熱硬化性樹脂の種類等により適宜決定されるが、通常、温度70〜150℃で、5〜15分間である。
前記離型フィルムとしては、通常は、合成樹脂フィルムが使用でき、例えば、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリフェニレンフタレート、ポリイミドおよびポリアミドからなる群から選択された少なくとも一つの樹脂を含む有機フィルムであることが好ましく、特に好ましくはPPSである。
また、シート状基材105は上記材料に限定されず、他の例として、シート状補強材に熱硬化性樹脂組成物を含浸したものであり、少なくとも一つの貫通孔を有し、前記貫通孔に導電性ペーストが充填されているものを用いても良い。
前記シート状補強材は、前記熱硬化性樹脂を保持できる多孔性の材料であれば、特に制限されないが、ガラス繊維の織布、ガラス繊維の不織布、耐熱有機繊維の織布および耐熱有機繊維の不織布からなる群から選択された少なくとも一つのシート状補強材であることが好ましい。前記耐熱有機繊維としては、例えば、全芳香族ポリアミド(アラミド樹脂)、全芳香族ポリエステル、ポリブチレンオキシド等があげられ、中でもアラミド樹脂が好ましい。
前記熱硬化性樹脂は、耐熱性であれば特に制限されないが、特に耐熱性に優れることから、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂およびシアネート系樹脂あるいはポリフェニレンフタレート樹脂からなる群から選択された少なくとも一つの樹脂を含むことが好ましい。また、前記熱硬化性樹脂は、いずれか一種類でもよいし、二種類以上を併用してもよい。
このような、シート状基材105は、例えば、前記熱硬化性樹脂組成物中に前記シート状補強材を浸漬した後、乾燥させ半硬化状態にすることにより作製できる。
前記含浸は、前記シート状基材全体における前記熱硬化性樹脂の割合が、30〜60重量%になるように行うことが好ましい。
また、シート状基材105の他の例としては、有機バインダ、可塑剤およびセラミック粉末を含むグリーンシートであって、少なくとも一つの貫通孔を有し、前記貫通孔に導電性ペーストが充填されているものを用いても良い。このシート状基材は、高耐熱性で密閉性が良く、熱伝導性にも優れる。
前記セラミック粉末は、Al23、MgO、ZrO2、TiO2、BeO、BN、SiO2、CaOおよびガラスからなる群から選択された少なくとも一つのセラミックを含むことが好ましく、特に好ましくは、Al2350〜55重量%とガラス粉45〜50重量%との混合物である。なお、前記セラミックは、一種類でもよいし、二種類以上を併用してもよい。
前記有機バインダとしては、例えば、ポリビニルブチラート(PVB)、アクリル樹脂、メチルセルロース樹脂等が使用でき、前記可塑剤としては、例えば、ブチルベンジルフタレート(BBP)、ジブチルフタレート(DBP)等が使用できる。
このような、前記セラミック等を含むグリーンシートは、例えば、前記無機フィラーと熱硬化性樹脂とを含むシート状基材の前記作製方法と同様にして作製できる。なお、各処理条件は、前記構成材料の種類等により適宜決定される。
前記配線基板の2番目の製造方法において、前記シート状基材として前記グリーンシートを用いる場合、前記配線基板の積層を、加熱加圧処理による前記シート状基材の接着と、焼成によるセラミック粉末の焼結とにより行うことが好ましい。
以上のような前記シート状基材105の厚みは、通常、50〜250μmの範囲であることが好ましい。
前記シート状基材は、前記のように、少なくとも一つの貫通孔を有し、前記貫通孔に導電性ペーストが充填されていることが好ましい。前記貫通孔の位置は、通常、配線パターンと接触するように形成されれば、特に制限されないが、ピッチが、250〜500μmの等間隔の位置に形成されることが好ましい。
前記貫通孔の大きさは、特に制限されないが、通常、直径100〜200μmの範囲であり、好ましくは、直径100〜150μmの範囲であるが、近年の微細配線を考慮して100μm以下のものを用いても特に問題は無い。
前記貫通孔の形成方法は、前記シート状基材の種類等により適宜決定されるが、例えば、炭酸ガスレーザー加工、パンチングマシーンによる加工、金型による一括加工等があげられる。
前記導電性ペーストとしては、導電性を有していれば、特に制限されないが、通常、導電性金属材料の粒子を含有する樹脂等が使用できる。前記導電性金属材料としては、例えば、銅、銀、金、銀パラジウム、あるいは銅粒子を銀でコーティングしたものや、これらを混合したものが使用でき、前記樹脂としては、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、アクリル系樹脂等の熱硬化性樹脂が使用できる。また、前記導電性ペースト中の前記導電性金属材料の含量は、通常、80〜95重量%の範囲である。また、前記シート状基材がセラミックグリーンシートの場合は、熱硬化性樹脂の代わりにガラス及びアクリルバインダーが用いられる。
なお、本発明においては、導電性ペーストの硬化開始温度や硬化反応ピーク温度と、配線パターンの転写時の加熱温度との関係が重要である。以下、導電性ペーストの硬化開始温度と硬化反応ピーク温度の定義について詳細に説明する。
本発明において、導電性ペーストの硬化開始温度は、図3を参照して以下のように定義できる。
導電性ペーストを示差熱分析(30℃から250℃(硬化開始温度以上に相当)に昇温レート5℃/minで昇温する)に付し、図3に模式的に示すような示差熱曲線(温度(T、横軸)vs温度差(ΔT、縦軸)を得る。曲線のピークを示す部分(図3では下向きのピーク)に関して、曲線の立ち上がり点B(ΔTが急激に下がり始める点)を決定する。次に、点Bからピーク点C間で、最大傾斜の点Eにて引いた外挿接線(a)と点Bにおける点Bからの外挿接線(b)の交点Gにおける温度を硬化開始温度と定義する。そして、図3における下向きのピーク点Cにおける温度を硬化反応ピーク温度と定義する。つまり、硬化開始温度を超えると、導電性ペーストの半硬化反応が進み、硬化反応ピーク温度を超えると、導電性ペーストの完全硬化反応が進むことになる。硬化反応ピーク温度より低い場合は、半硬化反応の度合いが進む場合があるが、完全硬化になることはない。また硬化開始温度以下では硬化反応が進まない。
この示差熱曲線を得るには、熱分析測定装置(セイコーインスツルメンツ株式会社製、示差熱熱重量同時測定装置 TG/DTA200)を使用でき、上述のような硬化開始温度、硬化反応ピーク温度は、装置に組み込まれたソフトウェアによって簡単に算出できる。
なお、導電性ペーストの硬化開始温度や硬化反応ピーク温度は、導電性ペースト中の樹脂、硬化剤、硬化促進剤などの成分、量などにより調整することが可能である。
つぎに、前記転写用配線パターン形成材100とシート状基材105との接着方法、および前記パターン転写銅箔から支持体である樹脂フィルム101,プライマー層102,シリコーン層103を剥離する方法は、特に制限されないが、前記シート状基材105が熱硬化性樹脂を含む場合、例えば、以下に示すようにして行うことができる。
まず、前記転写用配線パターン形成材100とシート状基材105とを、位置合わせをして配置し、これらを加熱加圧処理することによって、前記シート状基材中の前記熱硬化性樹脂を溶融軟化させ、前記シート状基材105に、配線パターンを形成した金属層104を埋没させる。続いて、これらを前記熱硬化性樹脂の軟化温度あるいは硬化温度で処理し、後者の場合は、前記樹脂を硬化させることにより、前記転写用配線パターン形成材100とシート状基材105とを接着でき、固定される。
前記加熱加圧条件は、前記熱硬化性樹脂が完全硬化しなければ、特に制限されないが、通常、圧力10〜100kg/cm2、温度50〜120℃、時間1〜120分間である。
すなわち、導電性ペースト106が配線パターンの転写工程時に硬化が進まない温度で転写を行うことが好ましい。つまり、本発明の最大の特徴は導電性ペースト106が完全に硬化しないように加熱加圧条件を設定することである。導電性ペーストの硬化反応ピーク温度よりも低い温度で加熱することが好ましく、さらに硬化開始温度よりも低い温度で加熱することが最も好ましい。
具体的な加熱温度は、使用する導電性ペーストの硬化反応ピーク温度や硬化開始温度によるが、通常の導電性ペーストを用いた場合は、40℃から80℃程度で行なうことが好ましい。
本発明では、更に、転写工程を導電性ペーストの硬化反応ピーク温度以下で、具体的には80℃以下の温度で行えることによって、ガラス転移温度Tgが比較的低いPETフィルム等の寸法変化を抑えることができる。低温転写が可能になることによって、通常100℃程度の熱処理を行うと、引っ張り応力の緩和作用で寸法変化が発生してしまうPET,PPSフィルムを用いてもほぼ全く寸法変化が無く、支持体として用いる樹脂フィルムの選択肢が大幅に増やすことができる。言い換えれば、寸法変化を抑えるために行う熱処理等の工程を省くことができる。
一方、前記シート状基材105が、前記セラミックを含むグリーンシートである場合は、例えば、以下に示すようにして行うことができる。前記と同様にして、加熱加圧処理を行うことにより、配線パターンを形成する金属層104を前記シート状基材105に埋没させ、前記シート状基材と転写用配線パターン形成材とを接着できる。その後、前記と同様に、前記支持層101,102,103の剥離により、前記金属配線パターン層104以外の転写用配線パターンの構成材料を除去する。
そして、前記配線パターン104が転写された前記グリーンシートの両面もしくは片面に、前記グリーンシートの焼結温度で実質的に焼結収縮しない無機組成物を主成分とする拘束シートを配置、積層した後、脱バインダ処理および焼成処理を行い、その後、前記拘束シートを取り除き第2の金属層で構成された配線パターンが形成されたセラミック基板を形成することができる。
前記転写の際に行われる加熱加圧条件は、例えば、前記グリーンシートおよび導電性ペーストに含まれる熱硬化性樹脂の種類等により適宜決定されるが、通常、圧力10〜200kg/cm2、温度50〜80℃、時間2〜30分間である。グリーンシートへの配線パターン転写がかなり低温の加熱で実現できるため、グリーンシートの可塑性をそのまま維持でき、タック性も維持できる。そのため、何らグリーンシートに損傷を与えることが無いことに加え、次工程である積層工程を容易に行うことができる。
前記配線パターンが形成されたグリーンシートの両面もしくは片面に、前記グリーンシートの焼結温度で実質的に焼結収縮しない無機組成物を主成分とする拘束シートを配置、積層する加熱加圧条件は、例えば、前記グリーンシート及び拘束シートに含まれる熱硬化性樹脂の種類等により適宜決定されるが、通常、圧力20〜200kg/cm2、温度70〜100℃、時間1〜10分間である。このような製造方法は、例えば、特開平5−10266号公報や特開平5−30819号公報に開示されているものと同様である。
前記脱バインダ処理は、例えば、前記バインダーの種類、配線パターンを構成する金属等により、その条件が適宜決定されるが、通常、電気炉を用いて、温度500〜700℃で、2〜5時間処理することによって行うことができる。特に銅箔配線の場合は、熱分解性に優れたメタクリル酸系アクリルバインダー等の有機バインダーで構成されたグリーンシートを用い、非酸化雰囲気である窒素雰囲気下脱バインダー、焼成を行うことになる。
前記焼成処理の条件は、例えば、前記セラミックの種類等により適宜決定されるが、通常、ベルト炉を用いて、空気中あるいは窒素中で、温度860〜950℃、時間30〜60分である。
(第2の実施の形態)
さらに、図2A−Bを用いて前記転写形成材によって配線パターンが形成された樹脂シートを用いた配線基板の製造方法について説明する。この方法により、多層配線基板を作製する場合は、予め作製した単層あるいは2層の配線基板シートを積層し、層間を接着することにより作製できる。当然ながら、一括で積層することが可能である。図2A−Bにおいては、2層(両面)の配線基板シート1枚と、単層の配線基板シート2枚を準備し、2層の配線シートの両側に単層の配線シートを配置して一括積層する工程を示している。なお、本発明はこのような一括積層に限定されるものではなく、2層の配線シートを最外層とし、その上に単層のシートを複数枚積層しても良い。また、2層の配線シートの代わりに従来の配線基板を用いても良い。この従来の配線基板はすでに完成した基板で、単層や多層のセラミック配線基板や樹脂配線基板を用いることができる。
次に、シート状基材205が熱硬化性樹脂を含む配線基板シート207a,207b,207cを積層する場合は、まず、第1の実施形態と同様に、加熱加圧処理によって、予め導電性ペースト206が充填されたシート状基材205に配線パターン204のみを転写し、前記熱硬化性樹脂の硬化処理を行わずに、得られた単層の配線基板シート207a,207b,207cを積層する(図2A)。そして、前記積層体210を、前記熱硬化性樹脂の硬化温度で加熱加圧処理し、前記熱硬化性樹脂を硬化することによって、前記配線基板間を接着固定する。加熱加圧条件の温度は前記の実施の形態1で述べた通りに、導電性ペースト206が完全に硬化しない硬化反応ピーク温度より低い温度であり、意図的に100℃以下、更に好ましくは60℃程度の低温で配線層の転写を行えば、配線パターン204の転写後も導電性ペースト及びシート状基材が半硬化状態のままとなりプリプレグのように扱える。図2Bにおいて、208はシート状基材、209は導電性ペーストの硬化物である。
本工法によれば、殆ど未硬化のプリプレグ同様、導電性ペースト206も殆ど未硬化であるため、一括硬化工程で、全ビアが同時に厚み方向の微妙な矯正を行いながら硬化接続させることができる。その結果、極めて信頼性の高いビア接続を有した4層板以上の多層板を得ることができる。
また、ガラエポ基板等をコア層としてピルドアップ基板を考えた場合、前記シート状基材として本発明の転写形成材を用いることによって未硬化の状態で配線パターン形成し、最終的な順次積層時に一括硬化を行うことも可能となる。
また、例えば、前記シート状基材がセラミックを含む前記セラミック配線基板を積層する場合は、前記と同様に、前記シート状基材205に配線パターン204のみを転写した後、この単層あるいは2層のセラミック配線基板シートを積層し、加熱加圧処理と、前記セラミックの焼成とを行うことにより、前記配線基板間を接着固定する。
前記多層配線基板における積層数は、特に制限されないが、通常、4〜8層であり、12層に及ぶものもある。また、前記多層配線基板の全体の厚みは、通常、500〜1000μmである。ここで用いられるセラミック基板としては、銅や銀と同時焼成可能な低温焼成セラミック、例えばアルミナ基ガラスセラミック、Bi−Ca−Nb−O系セラミック等を用いても構わない。
(実施例、比較例)
つぎに、本発明について実施例及び比較例を用いて具体的に説明する。図1に示す各種構成からなる樹脂系転写材を用いた場合、またそれらを各種温度で転写工程を行い配線パターン転写を行った場合、さらにはそれら配線パターンが転写された樹脂シートを用いて多層配線板を形成した場合のビア接続信頼性を検討した。それぞれの条件を表1に、結果を表2に示す。
表1−2においては、下記のものを用いた。
(1)樹脂シートはシリカ(平均粒径9μm、83質量%添加)及びエポキシ樹脂からなる厚さ100μmのものを用いた。
(2)銅箔組成:Znめっき及びシランカップリング処理
(3)配線パターン:線幅(L)/線と線の間のスペース幅(S)=100/100μm
(4)ビア信頼性:ビア直径150μm、ランド直径300μmからなる4層板の吸湿リフロー JEDEC(USA Moisture Sensitivity Classification (J-STD-020A) and Handling (J-STD-033) standars), Level.1条件の信頼性。◎:接続抵抗変化殆どなし。○:±20以内。△:倍増程度の変化有り。
(5)総合信頼性:良;寸法変化、転写性、ビア接続信頼性のすべてが良好。不良;寸法変化、転写性、ビア接続信頼性の少なくとも一つが良好ではない。
Figure 2004319976
Figure 2004319976
本実施例では、主に寸法変化への影響を見るために、転写形成材の支持体に用いられる樹脂フィルムのガラス転移温度(Tg)を変化させた。接着層は、本発明のシリコーン層を形成した場合、あるいは比較例として粘着性を有するアクリル系材料の場合をそれぞれ検討した。シリコーン層を用いた場合、プライマー層は、アセトキシシリル基モノマーを用いた。
配線パターン用の金属箔として用いた銅箔は、両面光沢銅箔12μm及び片面粗化銅箔12μmを用いた。マット面側の銅箔は、シランカップリング処理を除けば、表面処理は施していない。なお、銅箔厚みは12μmのものを用いたが、9μm、あるいは18μm銅箔を用いても正常な転写性、ビア接続性を確認した。
また本実施例では、導電性ペーストとしては、Cu粒子をAgでコーティングしたフィラーで構成されるエポキシ系導電性ペーストを用いた。詳細を下記に示す。
(導電性ペースト)
(1)Cu粒子(三井金属社製、:平均粒径2μm) 85重量%
(2)ビスフェノールF型熱硬化エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、商品名“エピコート807") 7重量%
(3)ノボラック型フェノール樹脂(昭和高分子社製BRG558) 3重量%
(4)ブチルカルビトール(日本アルコール販売株式会社製) 5重量%
上記成分の合計100重量部に対し、硬化促進剤として、2−エチル−4−メチルイミダゾールを1重量部加えたものを、三本ロールミルにより混錬してペースト化した。
前記した方法および装置を用いて、導電性ペーストの硬化反応ピーク温度、硬化開始温度をDTA(differential thermal analysis)による熱分析によって測定したところ、硬化反応ピーク温度が100℃、硬化開始温度が90℃となった。
また本実施例では、転写する対象としてシリカとエポキシ樹脂からなる100μm厚の下記樹脂シートを採用した。
(樹脂シートの製造に用いた材料の成分組成)
(1)SiO2(三菱レーヨン社製、溶融シリカ、商品名“シリカエースQS−9”:平均粒径9μm) 83重量%
(2)液状熱硬化エポキシ樹脂(日本レック社製、EF−450) 16.5重量%
(3)カーボンブラック(東洋カーボン社製) 0.2重量%
(4)カップリング剤(味の素社製、チタネート系:46B) 0.3重量%
上記各成分を、上記組成になるように秤量し、これらの混合物に、粘度調整用溶剤としてメチルエチルケトンを加え、混合物のスラリー粘度を約20Pa・sとした。次に、混合物にアルミナの玉石を加え、ポット中で48時間、速度500rpmの条件で回転混合し、絶縁シートの原料となるスラリーを調製した。その後、スラリーをドクターブレード法にてフィルム状に塗布して、乾燥し、厚さ100μmの樹脂シートを得た。
本実施例で用いた配線パターンは、ビア接続評価用であり、L/S=100/100のパターンを採用した。また、ビア径、ランド径は、150μm、300μm設計とし、ビア接続を評価した基板は、図2で示すような転写工法によって一括硬化法で形成される4層板の結果を示している。
表1で示したビア接続信頼性は、85℃、85Rh、168hr、雰囲気で吸湿させた後、Pbフリー半田対応の260℃リフロー(JEDEC Level.1)を行った際のビア接続抵抗を示している。
実施例8の転写95%における不具合箇所は、何れもドットタイプのパターン転写の不具合であり、配線パターンのみの転写性について言えば、本実施例で95%以上の転写率を有する事例であれば、完全な転写性を示していた。
表1に示したサンプルの中で、比較例1〜5は、接着層として粘着性を有するアクリル系材料を採用している。支持体であるPETフィルムは、予め130℃で加熱処理を行い寸法変化が抑制されるようにしたものである。その結果として、銅箔の転写側を粗化させることによって、転写温度が100℃程度であれば、転写性がほぼ確保されるものの、それより転写温度が低下すると転写性が損なわれる箇所が発生する。更に、本実施例構成のビア接続では、転写温度が100℃であると、導電性ペーストが硬化してしまう部分があり、後の一括硬化後のビア接続抵抗の吸湿リフロー時の抵抗変化が大きくなる。また、本樹脂シートへの転写工程の際に、接着層であるアクリル樹脂が剥がれて付着してしまい、ビア接続に悪影響を及ぼしていた。
一方、比較例6以降で示される試料では、接着層にシリコーン樹脂を用いた構成を採用した。まず、比較例6、7の比較によって、転写側の銅箔の表面処理をシャイニー面からマット面に変更することで大幅に転写性が向上した。比較例6〜11で示されるように、シリコーン接着層の採用により、転写性は、各種転写温度で改善されたものの、60℃では、依然として転写不良が発生していた。但し、粗化度Rzを上げることで、60℃転写でもパターン転写性の向上が認められた。一方、PPSフィルム(Tg=90℃)、PETフィルム何れの場合も、熱処理工程を経ずに転写工程を行うと、100℃転写では、寸法変化が大きく、半導体パッケージ等の用途での不具合が確認された。一方、PETフィルムは、Tgが67℃であるため、60℃転写では、殆ど寸法変化が発生していないことが認められた。
一方、転写温度を40℃まで下げて転写性を評価したところ、接着層に面する銅箔シャイニー面側にシランカップリング処理を施した結果(実施例4)、転写性が更に向上した。
マット面側銅箔表面粗さについては、Rzを3μm以上確保したところ、実施例1に認められるように、60℃での転写性の確実性が確保された。勿論、実施例1の仕様に銅箔シャイニー面のシランカップリング処理を加えた実施例4に於いても、100%の転写性が確認された。
一方、支持体フィルムのTgを変えることを目的として、PETフィルム(Tg=67℃)の代わりに、共重合ポリエステル樹脂(デュポン社製商品名“バイオマックス”:Tg=47℃)を使用した比較例14、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂フィルム(Tg=0℃)を用いた比較例15、PPS(Tg=90℃)を用いた実施例5、ポリイミドフィルム(Tg=210℃)を用いた実施例6をそれぞれ作製し、樹脂シートに60℃で転写を行ったところ、寸法変化は、支持体のTgが転写温度以下である比較例14、15では、0.1%以上と大きく、不具合が発生した。一方、支持体フィルムのTgが転写温度60℃以上である実施例5、6では、いずれも転写時の寸法変化は0.01%以下であり、良好であった。
A−Bは本発明の第1の実施の形態における転写形成材の断面図及びそれを用いた配線パターン形成樹脂シートの断面図。 A−Bは本発明の第2の実施の形態における、一括硬化工程によって形成される多層配線の断面図。 本発明の一実施形態の導電性ペーストの硬化反応ピーク温度、硬化開始温度の説明図。
符号の説明
100 転写シート
101 支持体
102 プライマー層
103 シリコーン樹脂層
104,204 配線パターン
105,208 シート状基材
106,206,209 導電性ペースト
207a,207b,207c 配線基板シート
210 積層体

Claims (22)

  1. ガラス転移温度が60℃以上の樹脂フィルムと、前記樹脂フィルム上に形成されたシリコーン樹脂層と、前記シリコーン樹脂層の上に形成された金属配線パターンとを備えた転写シートであって、
    前記金属配線パターンの露出表面が粗化面であり、前記粗化面の10点平均表面粗さ(Rz)が2μm以上であり、
    前記金属配線パターンがシリコーン樹脂層に接触している面は前記露出表面より前記表面粗さ(Rz)が低いことを特徴とする転写シート。
  2. 前記金属配線パターンが銅箔である請求項1に記載の転写シート。
  3. 前記樹脂フィルムがポリエチレンテレフタレートである請求項1に記載の転写シート。
  4. 前記粗化面の前記表面粗さ(Rz)が3μm以上8μm以下である請求項1に記載の転写シート。
  5. 前記金属配線パターンがシリコーン樹脂層に接触している面の前記表面粗さ(Rz)が0.5μm以上1.5μm以下である請求項1に記載の転写シート。
  6. 前記配線パターン表面にシランカップリング剤が付与されている請求項1に記載の転写シート。
  7. 前記配線パターンの表面及び裏面から選ばれる少なくとも一面には、Znメッキがなされている請求項1に記載の転写シート。
  8. 前記樹脂フィルムと前記シリコーン樹脂層との間に、プライマー層をさらに有する請求項1に記載の転写シート。
  9. 前記金属配線の厚みが9μm以上35μm以下である請求項1に記載の転写シート。
  10. 電気絶縁基板シートの厚さ方向に穴があけられ、その中に導電体が充填されており、
    前記シートの表面及び裏面から選ばれる少なくとも一方の主面には、前記導電体と電気的に結合した金属配線パターンが転写により一体化されている回路基板であって、
    前記金属配線パターンの樹脂と接している界面が粗化面であり、前記粗化面の10点平均表面粗さ(Rz)が2μm以上であり、
    前記金属配線パターンの非埋没面は前記埋没面より前記表面粗さ(Rz)が低いことを特徴とする回路基板。
  11. 前記金属配線パターンが銅箔である請求項10に記載の回路基板。
  12. 前記粗化面の前記表面粗さ(Rz)が3μm以上8μm以下である請求項10に記載の回路基板。
  13. 前記金属配線パターンの非埋没面の前記表面粗さ(Rz)が0.5μm以上1.5μm以下である請求項10に記載の回路基板。
  14. 前記配線パターン表面にシランカップリング剤が付与されている請求項10に記載の回路基板。
  15. 前記配線パターンの表面及び裏面から選ばれる少なくとも一面には、Znメッキがなされている請求項10に記載の回路基板。
  16. 前記金属配線の厚みが9μm以上35μm以下である請求項10に記載の回路基板。
  17. ガラス転移温度が60℃以上の樹脂フィルムと、前記樹脂フィルム上に形成されたシリコーン樹脂層と、前記シリコーン樹脂層の上に形成された金属配線パターンとを備え、前記金属配線パターンの露出表面が粗化面であり、前記粗化面の10点平均表面粗さ(Rz)が2μm以上であり、前記金属配線パターンがシリコーン樹脂層に接触している面は前記露出表面より前記表面粗さ(Rz)が低い転写シートを電気絶縁基板用シートに重ね合わせ、
    前記配線パターンが前記絶縁基板用シートに埋没可能な温度に加熱して加圧し、前記配線パターンの少なくとも一部を前記絶縁基板用シートに埋没させ、
    前記樹脂フィルムを剥離し、前記配線パターンが埋め込まれた配線基板を得ることを特徴とする配線基板の製造方法。
  18. 前記絶縁基板用シートは、導電性ペーストが貫通孔に充填された構造を有しており、前記転写シートの前記配線パターンを前記絶縁基板用シートの前記導電性ペーストに接続されるように重ね合わせる請求項17に記載の配線基板の製造方法。
  19. 前記絶縁基板用シートは、シートの貫通孔に導電性ペーストが充填されたものであり、
    前記転写シートの前記配線パターンを前記絶縁基板用シートの前記導電性ペーストに接続されるように重ね合わせて、前記導電性ペーストの硬化反応ピーク温度よりも低い温度で加熱して積層し、前記配線パターンを前記絶縁基板用シートに埋設し、
    前記樹脂フィルムを剥離し、前記配線パターンが埋め込まれた絶縁基板用シートを得る請求項17に記載の配線基板の製造方法。
  20. 請求項17に記載の製造方法により得られた絶縁基板用シートを複数枚準備し、前記複数枚の絶縁基板シートを一括して積層し、硬化させる工程を少なくとも含む請求項17に記載の配線基板の製造方法。
  21. 前記転写シートは、支持体となる樹脂フィルム上にシリコーン樹脂層を形成する際に、樹脂フィルム上にプライマー層を形成し、その後、プライマー層上にシリコーン樹脂層を形成されたものである請求項17に記載の配線基板の製造方法。
  22. 前記配線パターンは、銅箔をエッチングして形成されたものである請求項17に記載の配線基板の製造方法。
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