JP2004319821A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】半導体基板1に、半導体基板1を貫通するバイアホール3を形成した後、半導体基板1の表側と裏側を挟み込むように、半導体基板1を補強するための絶縁性樹脂性のメッキ用治具10を半導体基板1に取り付ける。この後、メッキ液をメッキ用治具10の穴17からバイアホール3内に流してメッキ液を流動させて、半導体基板1の表面におけるフォトレジストマスク8が形成された以外の部分およびバイアホール3内にメッキ膜を成長させる。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体基板を貫通したバイアホール内にメッキ膜が形成された半導体装置を製造する半導体装置の製造方法としては、半導体基板の表側または裏側に、電極、半導体素子または配線等の金属物を形成した後、半導体基板を貫通しているバイアホールの一方の貫通口に蓋をした状態で、バイアホール内部にメッキ膜を成長させる方法がある(例えば、特開平3−58421号公報(特許文献1)、特開平8−78437号公報(特許文献2))。これらの半導体装置の製造方法では、シリコン基板(Si基板)や化合物半導体基板(GaAs基板、GaN基板、SiGe基板、InP基板、InGaP基板等)の表側と裏側に、片側づつメッキ膜を形成している。
【0003】
以下にこれらの半導体装置の製造方法を、図7(A)〜図10(C)を用いて簡単に説明する。
【0004】
先ず、図7(A)に示すように、半導体基板71の表側とバイアホール73内部に金属膜77を被着させた後、金属膜77の上にメッキ保護用のレジスト78を所定のパターンに形成し、次いで、半導体基板71の表面の上方から半導体基板71の表面に図7(B)に示す矢印E方向にメッキ液を流して、図8(A)に示すように、バイアホール73内にメッキ膜82を形成する。尚、詳述しないが、図7(A)において、72は半導体素子又は配線、74はスクライブラインである。
【0005】
次に、上記レジスト78および金属膜77を除去して、製造途中の半導体装置を図8(B)に示すような状態にした後、図9(A)に示すように、半導体基板71の裏側とバイアホール73における金属膜77の最底部とが連通し、バイアホール73が半導体基板71を貫通した状態になるまで図9(A)に矢印Fで示す方向から半導体基板71の裏側を研磨する。その後、図9(B)に示すように、半導体基板71の裏側に金属膜79を被着させた後、その上にレジストマスク用のレジスト98を所望パターンに形成する。
【0006】
最後に、図10(A)に矢印Gで示す方向から半導体基板71の裏面上にメッキ液を供給して、図10(B)に示すように、メッキ膜102を半導体基板71の裏面におけるバイアホール73に対応する箇所の付近に形成した後、レジスト98およびレジスト98に対応する金属膜79部分を除去して、バイアホール73内部とバイアホール73の開口部近傍に、メッキ膜82,102を形成する。上記メッキ膜82,102は一体でなく、半導体基板71の表面側のメッキ膜82と、半導体基板71の裏面側のメッキ膜102とは、金属膜77および金属膜79を介して電気的に接続されている。
【0007】
【特許文献1】
特開平3−58421号公報
【特許文献2】
特開平8−78437号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記図7(A)〜10(C)でメッキ膜の成長方法が示される半導体装置の製造方法では、メッキ液の循環の仕組みの違いによって、メッキの成長レートがバイアホールの出入り口と内部とで異なり、バイアホール内がメッキ膜で充填される前に、出入り口のメッキ膜がバイアホールを塞いでしまい、バイアホール内に空隙が頻繁に発生するという問題がある。このことから、バイアホールに充填されたメッキ膜の容積が小さくなって、バイアホールに充填されたメッキ膜から外部に放出される熱量が小さくなり、半導体装置が熱的に損傷を受け易くなるという問題がある。
【0009】
また、上記図7(A)〜10(C)でメッキ膜の成長方法が示される半導体装置の製造方法では、半導体基板71の表側とバイアホール73内にメッキ膜82を形成する工程と、半導体基板71の裏側とバイアホール73の底とが連通するまで半導体基板71の裏面側を研磨する工程と、半導体基板71の裏側にメッキ膜102を形成させる工程とが必要になり、半導体基板71の表面にメッキ膜82を形成する工程と、半導体基板71の裏面側にメッキ膜102を形成する工程とを別々に行う必要があるので、メッキ成長に費やす工数が多大になって、メッキ成長に費やす時間とコストが大きくなるという問題がある。
【0010】
そこで、本発明の目的は、バイアホール内に空隙が発生しにくくて、かつ、メッキ成長に費やす工数が少ない半導体装置の製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明の半導体装置の製造方法は、半導体基板を貫通するバイアホールを形成する工程と、上記バイアホールを通してメッキ液を流動させて、上記バイアホール内にメッキ膜を成長させて、上記バイアホール内をメッキ金属で充填する工程とを備えることを特徴としている。
【0012】
上記発明の半導体装置の製造方法によれば、上記半導体基板を貫通する上記バイアホールを形成してから、このバイアホールにメッキ液を流動させるようにしたので、バイアホールの一方の開口部を塞いだ状態でメッキ膜を成長させる従来の方法と異なり、メッキ液の流れが停滞して滞ることがない。したがって、開口部のメッキ膜がバイアホールを塞いで、バイアホール内に空洞が発生することを低減できるので、バイアホール中を殆んど余すことなくメッキ金属で充填することができて、このバイアホールに充填されたメッキ金属から外部に放出される熱量を大きくできて、半導体装置の熱的な破壊を防止できる。
【0013】
また、上記発明の半導体装置の製造方法によれば、上記バイアホール内をメッキ金属で充填する工程で、半導体基板の表面側と半導体基板の裏面側にも同時にメッキ膜を成長させることができるので、半導体の基板裏側にメッキ膜を形成する工程を省略できる。したがって、メッキ膜を形成するときの工数が大幅に少なくなるので、メッキ膜の成長に要する作業時間とコストを大幅に小さくできる。
【0014】
また、一実施形態の半導体装置の製造方法は、上記バイアホールを形成する工程と、上記バイアホール内をメッキ金属で充填する工程との間に、上記バイアホールの内面に金属膜を形成する工程を備えることを特徴としている。
【0015】
上記実施形態によれば、上記バイアホールを形成する工程と、上記バイアホール内をメッキ金属で充填する工程との間に、上記バイアホールの内面に金属膜を形成する工程を備えるので、上記バイアホールの内面に形成された金属膜上に、メッキ膜を被着性良く確実かつ迅速に成長させることができる。
【0016】
また、一実施形態の半導体装置の製造方法では、上記バイアホール内をメッキ金属で充填する工程では、上記メッキ液の流動方向を、上記半導体基板の表面から裏面に向かう方向と、上記半導体基板の裏面から表面に向かう方向とに所定時間ごとに交互に切り替えて、上記バイアホールを通してメッキ液を流動させて、上記バイアホール内に上記メッキ膜を成長させて、上記バイアホール内をメッキ金属で充填することを特徴としている。
【0017】
上記実施形態によれば、上記メッキ液の流動方向を、半導体基板の表面から裏面の方向と半導体基板の裏面から表面の方向との間に所定時間ごとに交互に切り替えて、上記メッキ液を上記バイアホールを通して流動させるようにしたので、上記バイアホールの表面および裏面の開口部と、内部とのメッキ膜の成長レートの差が小さくなって、バイアホール内部に空隙が出来ることを低減できて、メッキ膜中の金属成分を上記バイアホールの内部にまで安定的に供給できる。したがって、メッキ膜から放出される熱量を更に大きくできる。
【0018】
また、一実施形態の半導体装置の製造方法は、上記バイアホールを形成する工程と、上記バイアホール内をメッキ金属で充填する工程との間に、上記半導体基板の表側と上記半導体基板の裏側の少なくとも一方に、上記半導体基板を補強するための治具を取り付ける工程を備えることを特徴としている。
【0019】
上記実施形態によれば、メッキ液をバイアホール中に流動させる前に、上記半導体基板の表側と上記半導体基板の裏側の少なくとも一方に、半導体基板を補強するための治具を取り付けるので、バイホール内にメッキ液を流動させたときに、半導体基板に流体外圧がかかっても、上記半導体基板が上記治具で支えられて補強される。したがって、半導体基板として、例えば、シリコン基板(Si基板)や化合物半導体基板(GaAs基板、GaN基板、SiGe基板、InP基板、InGaP基板等)といった強度が弱い半導体基板を使用した場合でも、バイホール内にメッキ液を流動させたときに、半導体基板が損傷することが防止できる。
【0020】
また、一実施形態の半導体装置の製造方法は、上記バイアホール内にメッキ膜を成長させて、上記バイアホール内をメッキ金属で充填する上記工程を行なうと同時に、上記バイアホール内に成長されたメッキ膜と、上記半導体基板の表側と裏側の少なくとも一方に形成された半導体素子または配線とを連結するメッキ膜を形成する工程を行うことを特徴としている。
【0021】
上記実施形態によれば、上記バイアホール内にメッキ膜を成長させて、上記バイアホール内をメッキ金属で充填すると同時に、上記バイアホール内に成長されたメッキ膜と、上記半導体基板の表側と裏側の少なくとも一方に形成された半導体素子または配線とが連結される。したがって、バイホール内のメッキ金属と、半導体素子または配線とのメッキ膜による配線を簡単に行うことができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0023】
(第1実施形態)
図1(A)〜図3(B)は、半導体装置にメッキ膜を形成する本発明の第1実施形態の半導体装置の製造方法を説明する製造途中の半導体装置の断面図である。
【0024】
先ず、図1(A)に示すように、半導体基板1の表側に電極もしくは複数の電極を備えた半導体素子又は配線2とスクライブライン4とを形成し、次いで、ドライエッチングなどの方法により半導体基板1の表側からバイアホール3を形成する。上記バイアホール3は、半導体基板1の表面に平行な方向の断面における一辺の長さaが10μm〜50μmになっており、深さbが20μm〜100μmになっている。
【0025】
次に、図1(A)に示すように、半導体基板1の表側に所定のパターンのフォトレジストマスク5を形成し、続けて、図1(B)に示すように、半導体基板1の裏面がバイアホール3の底に達するまで、すなわち、バイアホール3が半導体基板1を貫通するまで、半導体基板1の裏面側を図1(B)に矢印Aで示す方向から研磨する。
【0026】
この後、図1(C)に示すように、半導体基板1の表側および裏側の所定箇所とバイアホール3内にスパッタ法もしくは蒸着法を用いて金属膜7を被着し、更に、図2(A)に示すように、半導体基板1の表側と裏側にメッキ保護用のフォトレジストマスク8を、所定のパターンに両側マスクアライナー等を用いて半導体基板表側と裏側に同時に形成する。
【0027】
その後、図2(B)に示すように、半導体基板1の表側と裏側を挟み込むように、治具の一例としての絶縁性樹脂性のメッキ用治具10を半導体基板1に取り付ける。上記メッキ用治具10は、半導体基板1の表側に形成されたスクライブライン4と同じ間隔の網目を有し、かつ、メッキ膜を形成する近辺部のみ穴17が開いている網目状の器具である。上記メッキ用治具10は、穴17以外の支柱部11をスクライブライン4に対応するフォトレジストマスク8の部分に重ねた状態で、支柱部11をフォトレジストマスク8に押し付けて、半導体基板1に取り付けられている。上記メッキ用治具10は、メッキ液の流動を行う際、半導体基板1に掛かかる外圧である流体圧が、半導体基板1の厚を薄くして半導体基板強度を下げて半導体基板を破損させないように、半導体基板1に強度を与える役割を果たしている。
【0028】
次に、メッキ用治具10で挟まれた半導体基板1をメッキ装置内にセットして、半導体基板1の表側および裏側とバイアホール3の内部に形成された金属膜7の上に、バイアホール3を介してメッキ流を流して、電界メッキ法を用いて、半導体基板1の表面、半導体基板1の裏面およびバイアホール3内に、図3(A)に示すような、断面I字状のメッキ膜12を形成する。上記メッキ膜12は、図10(C)に示す金属膜77,79を介して繋がる従来の半導体装置のメッキ膜82,102とは異なり、一体となっている。上記メッキ膜12を形成するとき、上記メッキ流は、その流れの方向が図2に矢印Bに示す方向である半導体基板1の表側から裏側へ向かう方向と、この方向と逆の方向である裏側から表側へ向かう方向とに所定時間置きに切り替えられるようになっている。
【0029】
最後に、半導体基板1を図示しないメッキ装置から取り外すと共に、メッキ用治具10を半導体基板1から取り外して、製造途中の半導体装置を図3(A)に示す状態にした後、更に、フォトレジストマスク8、バイアホール3の壁面に形成された部分以外の金属膜7およびフォトレジスト5を除去して、バイアホール3にメッキ膜12を形成する。
【0030】
上記第1実施形態の半導体装置の製造方法によれば、半導体基板1の表面から裏面まで貫通するバイアホール3を形成してから、この貫通したバイアホール3にメッキ液を流動させるようにしたので、バイアホールの一方の開口部を塞いだ状態でメッキ膜を成長させる従来の方法と異なり、メッキ液の流れが停滞して滞ることがない。このことから、開口部のメッキ膜12がバイアホール3を塞いで、バイアホール3の内部に空洞が発生することが低減できるので、バイアホール3中を殆ど余すことなくメッキ膜12で充填することができて、メッキ膜12から外部に放出される熱量を大きくできる。したがって、半導体装置の熱的な破壊を防止できる。
【0031】
また、上記第1実施形態の半導体装置の製造方法によれば、バイアホール3内をメッキ膜12で充填させる工程で、半導体基板1の表面側と半導体基板1の裏面側にも同時にメッキ膜12を成長させることができるので、従来の方法で必要であった半導体基板の裏面側にメッキ膜を形成させる工程を省略できる。したがって、メッキ膜12を形成するときに要する工数が大幅に少なくなるので、メッキ膜の成長に要する作業時間とコストが大幅に小さくなる。
【0032】
また、上記第1実施形態の半導体装置の製造方法によれば、バイアホール3を形成する工程と、バイアホール3内をメッキ膜12で充填する工程との間に、バイアホール3の内面に金属膜7を形成する工程を備えるので、バイアホール3の内面に形成された金属膜7に、メッキ膜12を確実かつ迅速に成長させることができる。
【0033】
また、上記第1実施形態の半導体装置の製造方法によれば、メッキ流をバイアホール3中に流動させる前に、半導体基板1の両面から挟み込むように、半導体基板1に強度を与えるためのメッキ用治具10を取り付けたので、バイホール3の内部にメッキ液を流動させたときに半導体基板1に掛かる流体圧をメッキ用治具10で受けることができる。したがって、バイホール3内部にメッキ液を流動させたときに半導体基板1が損傷することが防止できる。
【0034】
また、上記第1実施形態の半導体装置の製造方法によれば、上記メッキ液の流動方向を、半導体基板1の表面から裏面の方向と半導体基板1の裏面から表面の方向との間に所定時間ごとに交互に切り替えて、上記メッキ液をバイアホール3を通して流動させるようにしたので、バイアホール3の表面および裏面の開口部と、内部とのメッキ膜12の成長レートの差が小さくなって、バイアホール3内部に空隙が出来ることを防止できて、メッキ膜12中の金属成分を上記バイアホール3の内部にまで安定的に供給できる。したがって、メッキ膜12から放出される熱量を更に大きくできる。
【0035】
また、上記半導体装置によれば、半導体基板1の表面側に形成されたメッキ膜12と、半導体基板1の裏面側に形成されたメッキ膜12と、半導体基板1を貫通するように設けたバイアホール3内に形成されたメッキ膜12とが一体で、これらのメッキ膜12が同時に形成されているので、この半導体装置の製造に要する工数が小さくなって、この半導体装置の製造コストが小さくなる。
【0036】
尚、上記第1実施形態の半導体装置の製造方法では、半導体基板1の表面側のみに半導体素子又は配線2が形成された半導体基板1のバイアホール3と、バイアホール3の両側の開口部の周辺とにメッキ膜12を形成したが、この発明の半導体装置の製造方法では、半導体基板の裏面のみに半導体素子が形成された半導体基板や、または、半導体基板の表面と裏面の両方に半導体素子が形成された半導体基板におけるバイアホールと、バイアホールの両側の開口部の周辺とにメッキ膜を形成しても良い。
【0037】
また、上記第1実施形態の半導体装置の製造方法では、メッキ液の流れの方向を、半導体基板1の表側から裏側へ向かう方向と、半導体基板1の裏側から表側へ向かう方向とに所定時間置きに切り替えて、バイアホール3にメッキ膜12を形成したが、この発明の半導体装置の製造方法では、メッキ液の流れを変えずに、メッキ液を半導体基板の表側から裏側へ向かう方向に流し続けるか、あるいは、メッキ液を半導体基板の裏側から表側へ向かう方向に流し続けて、バイアホールにメッキ膜を形成しても良い。
【0038】
また、上記第1実施形態の半導体装置の製造方法では、半導体基板1の表側と裏側を挟み込むように、絶縁性樹脂性のメッキ用治具10を半導体基板1に取り付けて半導体基板1の両側から半導体基板1を補強するようにしたが、この発明の半導体装置の製造方法では、半導体基板の表面側と上記半導体基板の裏面側の内の片側のみに、治具の一例としてのメッキ用治具を取り付けて、半導体基板を補強するようにしても良い。
【0039】
また、上記第1実施形態の半導体装置の製造方法では、半導体基板1の一方の表面(第1実施形態では、この一方の表面は半導体基板1の表側の表面)からバイアホール3を形成した後、半導体基板1の他方の表面(第1実施形態では、この他方の表面は半導体基板の裏側の表面)を研磨して、半導体基板1を貫通するバイアホール3を形成したが、この発明の半導体装置の製造方法では、例えば、VB法(Vertical Boat Method)を用いて予め半導体基板厚が薄い半導体基板を形成し、この半導体基板厚が薄い半導体基板に一気に半導体基板を貫通するバイアホールを形成しても良い。
【0040】
(第2実施形態)
図4(A)〜図6(B)は、半導体装置にメッキ膜を形成する本発明の第2実施形態の半導体装置の製造方法を説明する製造途中の半導体装置の断面図である。
【0041】
上記第2実施形態の半導体装置の製造方法では、第1実施形態の半導体装置の製造方法と共通の構成、作用効果および変形例については、説明を省略することにし、第1実施形態の半導体装置の製造方法と異なる構成、作用効果および変形例についてのみ説明を行うことにする。
【0042】
以下に、図4(A)〜図6(B)を用いて、第2実施形態の半導体装置の製造方法を説明する。
【0043】
先ず、図4(A)に示すように、半導体基板41の表側に電極もしくは複数の電極を備えた半導体素子又は配線42とスクライブライン44とを形成し、次いで、ドライエッチングなどの方法により半導体基板41の表側からバイアホール43を形成する。上記バイアホール43は、半導体基板1の表面と平行な方向の断面における一辺の長さaが10μm〜50μmになっており、深さbが20μm〜100μmになっている。
【0044】
次に、図4(A)に示すように、半導体基板41の表面側に形成された半導体素子又は配線42の表面を覆わないように、フォトレジストマスク45を形成した後、図4(B)に示すように、半導体基板41の裏面がバイアホール43の底に達するまで、すなわち、バイアホール43が半導体基板41を貫通するまで、図4(B)に矢印Cで示す方向から半導体基板41の裏面を研磨する。
【0045】
この後、図4(C)に示すように、半導体基板41の表側および裏側とバイアホール43内にスパッタ法もしくは蒸着法を用いて金属膜47を被着する。この金属膜47の一部分は、半導体素子又は配線42の表面に直接接触するようになっており、半導体素子素子42とバイアホール43の壁面とが、金属膜47を介して繋がっている。この後、図5に示すように、両側マスクアライナー等を用いて、半導体基板41の表側と裏側にメッキ保護用のフォトレジストマスク58を同時に形成する。上記フォトレジストマスク58は、半導体基板41の表面側では、半導体素子又は配線42におけるバイアホール43側と反対側の隣接部からバイアホール43に対して離れる方向に広範囲に形成されており、半導体基板41の裏面側では、スクライブライン44に対応する部分の付近のみに形成されている。
【0046】
次に、図5に示すように、第1実施形態で使用したものと同様の構成を有する治具の一例としての絶縁性樹脂性のメッキ用治具10を、第1実施形態の方法と同様の方法で半導体基板41の表面および裏面に取り付けた後、メッキ用治具10で挟まれた半導体基板41を図示しないメッキ装置内にセットする。
【0047】
この後、電界メッキを行って、半導体基板41の表側および裏側と、バイアホール43内とに形成された金属膜47上にメッキ膜62(図6(A)参照)を形成する。電界メッキを行う際、メッキ液の流れを、図5に矢印Dで示す半導体基板41の表側からバイアホール43を通じて半導体基板41の裏側の方向と、その方向の逆向きの方向である半導体基板41の裏側からバイアホール43を通じて半導体基板41の表側の方向とに、所定時間起きに交互に切替えている。このようにして、メッキ液の流れを絶えず変化させて、メッキ液の流れが滞らないようにメッキ液を流動させて、バイアホール43の中に空洞が生じないようにメッキを成長させる。
【0048】
次いで、上記メッキ装置からメッキ用治具10で挟まれた半導体基板41を取り出すと共に、メッキ用治具10を半導体基板41から取り外し、製造途中の半導体装置を図6(A)に示す構造にする。図6に示すように、上記メッキ膜62は、配線である金属膜47を介して半導体素子又は配線42に連結されている。次に、図6(A)に示す構造を有する半導体装置から、フォトレジストマスク58と、半導体基板41の表側でフォトレジストマスク58に対応する金属膜47部分と、半導体基板41の表側でフォトレジストマスク58に対応するフォトレジスト45部分を除去する。このようにして、残ったフォトレジスト45部分、金属膜47部分およびメッキ膜62で、半導体基板41の表面側では、半導体素子又は配線42とバイアホール43の壁面とを繋いで電流を流す構造を形成する一方、半導体基板41の裏面では、スクライブライン44に対応しない部分に広範囲にメッキ膜62を形成して、図6(B)に示す半導体装置の要部の製造を完了する。上記半導体基板41の裏面側のメッキ膜62は、半導体素子又は配線42で発生して、バイアホール43中のメッキ膜62部分を伝導した熱を、外部に放出する役割を担っている。
【0049】
上記第2実施形態の半導体装置の製造方法によれば、上記バイアホール43内にメッキ膜62を成長させて、バイアホール43内をメッキ膜62で充填すると同時に、バイアホール43内に成長されたメッキ膜62と、半導体基板41の表側に形成された半導体素子又は配線42を覆っている配線である金属膜47とが連結される。したがって、バイホール43内のメッキ膜62と、半導体素子又は配線42を覆っている配線である金属膜47とのメッキ膜62による配線を簡単に行うことができる。また、バイアホール43内に成長させるメッキ膜62を、半導体基板41の表側に形成された半導体素子又は配線42を覆っている配線である金属膜47に連結したので、半導体素子又は配線42で発生した熱を金属膜47およびメッキ膜62を介して外部に放出することができて、半導体素子又は配線42に熱による損傷が生じることを効果的に防止できる。
【0050】
また、上記第2実施形態の半導体装置の製造方法によれば、半導体基板41の表側と裏側にメッキ保護用のフォトレジストマスク58を形成する際、半導体基板41の裏側のフォトレジストマスク58をスクライブライン44の裏側付近のみ形成したので、半導体基板41の裏面に形成されるメッキ膜62の面積を大きくできる。したがって、半導体基板41の裏面のメッキ膜62の厚みの分だけ半導体装置の強度を増大させることができると共に、半導体基板41の裏面側のメッキ膜62から外部に放出される熱量が大きくなって、半導体装置の熱的な破壊を確実に防止できる。
【0051】
尚、上記第2実施形態の半導体装置の製造方法では、バイアホール43の内部に成長させるメッキ膜62を、半導体基板41の表側に形成された半導体素子又は配線42を覆っている配線である金属膜47に連結したが、この発明の半導体装置の製造方法では、バイアホールの内部に成長させるメッキ膜を、半導体基板の表側に形成された半導体素子に直接連結しても良い。また、この発明の半導体装置の製造方法では、バイアホールの内部に成長させるメッキ膜を、半導体基板の裏面に形成された半導体素子または配線に連結しても良い。また、この発明の半導体装置の製造方法では、バイアホールの内部に成長させるメッキ膜を、半導体基板の表面に形成された半導体素子または配線に連結すると同時に、上記バイアホールの内部に成長させるメッキ膜を、半導体基板の裏面に形成された半導体素子または配線に連結しても良い。
【0052】
【発明の効果】
以上より明らかなように、上記発明の半導体装置によれば、上記半導体基板の表面から裏面まで貫通する上記バイアホールを形成してから、この半導体基板を貫通しているバイアホールにメッキ液を流動させるようにしたので、メッキ液の流れが滞って開口部のメッキ膜がバイアホールを塞ぎ、バイアホールの内部に空洞が発生することが低減できる。したがって、メッキ液中の金属成分をバイアホール内に安定的に供給できて、メッキ膜がバイアホールの出入り口を塞ぎきる前に、バイアホール中を余すことなくメッキ膜で充填することができるので、このバイアホールに充填されたメッキ膜の放熱性を向上させることができる。
【0053】
また、上記バイアホール内をメッキ金属で充填する工程で、半導体基板の表面側と半導体基板の裏面側に同時にメッキ膜を成長させることができるので、半導体基板の裏面側にメッキ膜を形成する工程を省略できて、メッキ膜の成長に必要な作業時間とコストを大幅に低減できる。また、メッキ膜の成長レートを場所に寄らず均一にできるので、半導体基板表裏側のメッキ膜を薄くできて、半導体装置を薄くできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の半導体装置の製造方法を説明する製造途中の半導体装置の断面図である。
【図2】第1実施形態の半導体装置の製造方法を説明する図1に続く製造途中の半導体装置の断面図である。
【図3】第1実施形態の半導体装置の製造方法を説明する図2に続く製造途中の半導体装置の断面図である。
【図4】本発明の第2実施形態の半導体装置の製造方法を説明する製造途中の半導体装置の断面図である。
【図5】第2実施形態の半導体装置の製造方法を説明する図4に続く製造途中の半導体装置の断面図である。
【図6】第2実施形態の半導体装置の製造方法を説明する図5に続く製造途中の半導体装置の断面図である。
【図7】従来の第2実施形態の半導体装置の製造方法を説明する製造途中の半導体装置の断面図である。
【図8】従来の半導体装置の製造方法を説明する図7に続く製造途中の半導体装置の断面図である。
【図9】従来の半導体装置の製造方法を説明する図8に続く製造途中の半導体装置の断面図である。
【図10】従来の半導体装置の製造方法を説明する図9に続く製造途中の半導体装置の断面図である。
【符号の説明】
1,41 半導体基板
2,42 半導体素子又は配線
3,43 バイアホール
10 メッキ用治具
12,62 メッキ膜
Claims (5)
- 半導体基板を貫通するバイアホールを形成する工程と、
上記バイアホールを通してメッキ液を流動させて、上記バイアホール内にメッキ膜を成長させて、上記バイアホール内をメッキ金属で充填する工程と
を備える半導体装置の製造方法。 - 請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、
上記バイアホールを形成する工程と、上記バイアホール内をメッキ金属で充填する工程との間に、上記バイアホールの内面に金属膜を形成する工程を備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 請求項1または2に記載の半導体装置の製造方法において、
上記バイアホール内をメッキ金属で充填する工程では、上記メッキ液の流動方向を、上記半導体基板の表面から裏面に向かう方向と、上記半導体基板の裏面から表面に向かう方向とに所定時間ごとに交互に切り替えて、上記バイアホールを通してメッキ液を流動させて、上記バイアホール内をメッキ金属で充填することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、
上記バイアホールを形成する工程と、上記バイアホール内をメッキ金属で充填する工程との間に、上記半導体基板の表側と上記半導体基板の裏側の少なくとも一方に、上記半導体基板を補強するための治具を取り付ける工程を備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、
上記バイアホール内にメッキ膜を成長させて、上記バイアホール内をメッキ金属で充填する上記工程を行なうと同時に、上記バイアホール内に成長されたメッキ膜と、上記半導体基板の表側と裏側の少なくとも一方に形成された半導体素子または配線とを連結するメッキ膜を形成する工程を行うことを特徴とする半導体装置の製造方法。
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- 2003-04-17 JP JP2003112699A patent/JP2004319821A/ja active Pending
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