JP3748516B2 - 半導体装置および無線通信システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は半導体装置に関し、より詳しくは、ガリウム砒素基板を用いて構成された半導体装置に関する。
【0002】
また、この発明は、そのような半導体装置を使って通信を行う無線通信システムに関する。
【0003】
【従来の技術】
ガリウム砒素基板を用いて構成された高周波用の半導体装置としては、ガリウム砒素基板上に複数個の素子(例えばヘテロ接合バイポーラトランジスタ)を所定間隔で並べて形成し、各素子の両側の隙間に上記基板を貫通するバイアホールを設け、各素子の表面電極(エミッタ電極など)と基板裏面に設けた裏面電極とをバイアホールを通る金属配線で接続したものが知られている(例えば特開平8−279562号公報)。表面電極と裏面電極とをつなぐ金属配線は、バイアホールの中に金属を埋め込んで、またはバイアホールの内壁に沿って金属膜を設けて形成されている。例えば図1は、半絶縁性ガリウム砒素基板801を貫通するバイアホール825の内壁に沿って、表面電極(図示せず)と裏面電極802とをつなぐ金属膜803を設けた場合の断面構造を示している。この場合、同じバイアホール825の互いに対向する内壁に設けられた金属膜803,803の間には空隙が存在する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、表面電極と裏面電極とをつなぐ金属配線を、バイアホールの中に金属を埋め込んで、またはバイアホールの内壁に沿って金属膜を設けて形成した場合、ガリウム砒素基板に比べて金属の熱膨張率が大きいことから、素子の動作によって温度上昇が生じると、バイアホール内の金属から基板に対して大きな力が加わり、基板が損傷を受ける場合がある。例えば図1に示したように複数個並べられた素子のそれぞれの間にバイアホール825が存在する場合、各バイアホール825内の金属膜803が発熱によって膨張するため、基板801にストレス804が蓄積して、ついには基板内部805にマイクロクラックを生じさせる。この結果、素子の信頼性が損なわれる。
【0005】
そこで、この発明の目的は、ガリウム砒素基板を貫通する貫通孔内に金属配線が形成された半導体装置であって、素子の信頼性を高めることができるものを提供することにある。
【0006】
また、この発明の目的は、そのような半導体装置を使って通信を行う無線通信システムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
マイクロクラックは、通常は図1に示したように基板内部805に発生するため、基板801を研磨しないと見えないことが多く、観察が困難である。また、同じウェハ内に作製された素子であっても、マイクロクラックが全く生じない素子も存在する。このため、マイクロクラック発生のメカニズムには、不明な点も残されている。
【0008】
本発明者らは、素子の信頼性に寄与する要因について広範な調査を行った結果、素子の信頼性はガリウム砒素基板を作製するための結晶成長方法によって左右され、上記ガリウム砒素基板が垂直ブリッジマン法によって結晶成長されたものであれば、高い信頼性が得られることを見出した。
【0009】
そこで、この発明の半導体装置は、ガリウム砒素基板を有し、上記基板の両面間を貫通して貫通孔が形成され、上記基板の一方の面に形成された第1電極と上記基板の他方の面に形成された第2電極とが、上記貫通孔の内壁に沿って形成された金属配線によって接続されている半導体装置において、上記ガリウム砒素基板が垂直ブリッジマン法によって結晶成長されており、かつ、上記ガリウム砒素基板上に複数個の素子が所定間隔で並べて形成され、上記貫通孔は、上記各素子の間の隙間に、上記複数個の素子が所定間隔で並べられている方向が幅方向になるように設けられており、かつ、上記貫通孔の幅は、40μm以下であることを特徴とする。
【0010】
この発明の半導体装置によれば、高い信頼性が得られる(詳細は後述する)。
【0011】
一実施形態の半導体装置は、上記金属配線は上記貫通孔の内壁に被着された金属膜からなることを特徴とする。
【0012】
一実施形態の半導体装置は、上記金属配線は上記貫通孔内を埋める金属柱からなることを特徴とする。
【0014】
一実施形態の半導体装置は、上記素子はヘテロ接合バイポーラトランジスタであることを特徴とする。
【0015】
一実施形態の半導体装置は、上記貫通孔の内部が有機膜によって充填されていることを特徴とする。
一実施形態の半導体装置は、上記有機膜は、ベンゾシクロプテン、ポリイミド、または、エポキシからなることを特徴とする。
【0016】
この発明の無線通信システムは、上述のような半導体装置を有する無線通信用送信機を備えたことを特徴とする。
【0017】
この発明の無線通信システムによれば、高い信頼性が得られる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の半導体装置および無線通信システムを実施の形態によって詳細に説明する。
【0019】
図2は一実施形態の半導体装置を上方から見たときの平面パターンレイアウトを示し、図1はその半導体装置の一部、つまり、一つのバイアホール125とその近傍部分の断面を斜め上方から見たところを示している。
【0020】
図2に示すように、この半導体装置は、垂直ブリッジマン法(VB法)である縦形ボート結晶成長法で成長されたGaAs基板101を有し、このGaAs基板101上に複数個の素子領域110,110,…が一方向(図2における基板101の長手方向)に一定間隔で並べて形成されている。各素子110,110,…の間の隙間に、それぞれGaAs基板101の両面間を貫通して貫通孔としてのバイアホール125(そのパターンを破線で示す)が形成されている。図1に示すように、各バイアホール125の平面形状は、幅104が10μmから50μmの範囲内で、長さ106が80μmの長方形形状に設定されている。GaAs基板101の厚み、つまり各バイアホール125の深さ105は、30μm〜200μmの範囲内に設定されている。
【0021】
GaAs基板101の表面(上面)には、第1電極としての表面電極(図示せず)が素子領域110内に形成されている。なお、金属膜102のうち基板表面の素子領域110に延在する部分が図示しない表面電極と接触している。一方、GaAs基板101の裏面(下面)には、PHS(plated heat sink)として働く第2電極としての金属層103が全面に設けられている。上記表面電極と裏面金属層103とは、この例ではバイアホール125の内壁(基板の側壁)108に沿って形成された金属配線102によって接続されている。この例では、金属配線102は、電解メッキによって形成された金属(Au)膜からなっている。
【0022】
この半導体装置では、GaAs基板101が垂直ブリッジマン法(VB法)によって結晶成長されているので、高い信頼性が得られる。
【0023】
次に、本発明者による冷熱サイクル試験を通して、その根拠を説明する。
【0024】
本発明者による実験では、図9〜図1の表中に示すように、様々な種類の試料(半導体装置)1−1〜13−3を作製した。
【0025】
バイアホール125の寸法としては、幅104を10μmから50μmの範囲内、長さ106を80μm、深さ105を100μmに設定した。
【0026】
バイアホール125同士の間隔109は、幅104と同じ寸法から、幅104の5倍寸法まで変化させた。なお、横方向に並ぶバイアホール125の数は、50個に設定した。
【0027】
試料を構成する基板の種類としては、垂直ブリッジマン法(VB法)である縦形ボート結晶成長法で成長されたGaAs基板101のほか、比較のため、液体封止引き上げ結晶成長法(LEC法)で成長されたGaAs基板、横型ボート結晶成長法(HB法)で成長されたGaAs基板を用いた。基板の厚みとしては、図9〜図11に示すように100μmに設定した。
【0028】
バイアホール125内部の金属膜102の厚み(配線厚み)は、電解メッキの制御によって10μmに設定した。なお、バイアホール125の幅104が20μm以上の試料では、基板下面レベルから基板上面レベルまで、互いに対向する内壁108に沿った金属膜102間に空隙107が存在する。しかし、バイアホール125の幅104が10μm〜20μmの試料では、基板上面レベルでは、互いに対向する内壁108に沿った金属膜102がメッキ段階で互いに接触して、バイアホール125の上部が金損膜102で塞がれる。図9〜図1の表中では、この接触の有無を「バイア内側壁電極接触有無」と表し、この接触の有無によって試料を分類した。
【0029】
これらの様々な種類の試料に対して、−40℃から250℃までの冷熱サイクル試験(最低温度−40℃と最高温度250℃でそれぞれ30分ずつ保持して冷熱衝撃を加える)を行った。そして、冷熱サイクルがそれぞれ100回、200回、300回、500回終了した時点で、試料の外観変化(マイクロクラック発生)の有無と、表面電極と裏面電極との間の導通有無とを観測して、歩留り判定を行った。
【0030】
図9中の試料(No)1−1,2−1,3−1を比較すると、これらの試料は、バイアホール125の寸法が幅10μm×長さ80μm×深さ100μmであり、またバイアホール125の間隔が10μmであり、これらの点で共通している。しかし、冷熱サイクル500回終了時の歩留りは、それぞれ10%,30%,97%と大きく差が生じている。この差は、基板の成長法によるものと考えられる。すなわち、試料1−1がLEC法で結晶成長された基板、試料2−1がHB法で結晶成長された基板を用いているのに対して、試料3−1がVB法で結晶成長された基板を用いているからだと考えられる。この結果、LEC法やHB法で結晶成長された基板を用いたものよりも、VB法で結晶成長された基板を用いたものの方が信頼性に優れることが判る。
【0031】
この傾向は、バイアホール125の間隔を20μmに設定した試料1−2,2−2,3−2間の比較や、バイアホール125の間隔を30μmに設定した試料1−3,2−3,3−3間の比較、バイアホール125の間隔を40μmに設定した試料1−4,2−4,3−4間の比較、バイアホール125の間隔を50μmに設定した試料1−5,2−5,3−5間の比較でも、同じである。
【0032】
また、バイアホール125の寸法が幅15μm×長さ80μm×深さ100μmの場合において、バイアホール125の間隔を15μmに設定した試料4−1,5−1間の比較、および、バイアホール125の間隔を30μmに設定した試料4−2,5−2間の比較、バイアホール125の間隔を45μmに設定した試料4−3,5−3間の比較、バイアホール125の間隔を60μmに設定した試料4−4,5−4間の比較、バイアホール125の間隔を75μmに設定した試料4−5,5−5間の比較でも、HB法で結晶成長された基板を用いた試料に比べて、VB法で結晶成長された基板を用いた試料の方が、いずれも良好な歩留り(冷熱サイクル500回終了時)を示した。例えば、試料4−1,5−1間の比較では、冷熱サイクル500回終了時の歩留りはそれぞれ30%,98%であった。
【0033】
なお、バイアホール125寸法が幅10μm×長さ80μm×深さ100μmである場合の、例えば試料1−1,2−1,3−1間の比較結果では、HB法で結晶成長された基板を用いた試料は、LEC法で結晶成長された基板を用いた試料に比べて、よい冷熱サイクル歩留りを示していることから、バイアホール125寸法が幅20μm×長さ80μm×深さ100μmである場合も、HB法で結晶成長された基板を用いた試料は、LEC法で結晶成長された基板を用いた試料よりも、冷熱サイクル歩留りが良好であると推定できる。
【0034】
また、バイアホール125の寸法が幅20μm×長さ80μm×深さ100μmである場合も、図10中に示す試料6−1,7−1間の比較、試料6−2,7−2間の比較、試料6−3,7−3間の比較、試料6−4,7−4間の比較、試料6−5,7−5間の比較において、VB法で結晶成長された基板を用いた試料は、HB法で結晶成長された基板を用いた試料よりも、良好な歩留り(冷熱サイクル500回終了時)を示した。
【0035】
同様に、バイアホール125の寸法が幅40μm×長さ80μm×深さ100μmである場合も、試料8−1,9−1間の比較、試料8−2,9−2間の比較、試料8−3,9−3間の比較、試料8−4,9−4間の比較、試料8−5,9−5間の比較において、VB法で結晶成長された基板を用いた試料は、HB法で結晶成長された基板を用いた試料よりも、良好な歩留り(冷熱サイクル500回終了時)を示した。
【0036】
しかし、バイアホール125の幅が50μmになると、図11中に示す試料10−1,11−1間の比較、試料10−2,11−2間の比較、試料10−3,11−3間の比較、試料10−4,11−4間の比較、試料10−5,11−5間の比較では、VB法で結晶成長された基板を用いた試料とHB法で結晶成長された基板を用いた試料とで、冷熱サイクル500回終了時の歩留りは大差がない。例えば試料10−1,11−1間の比較では、冷熱サイクル500回終了時の歩留りはそれぞれ98%と、100%であった。
【0037】
同様に、バイアホール125の幅が100μmになっても、試料12―1,13−1間の比較、試料12−2,13−2間の比較、試料12−3,13−3間の比較では、VB法で結晶成長された基板を用いた試料とHB法で結晶成長された基板を用いた試料とで、冷熱サイクル500回終了時の歩留りは大差がない。実際に、試料12―1,13−1;12−2,13−2;12−3,13−3における、冷熱サイクル500回終了時の歩留りは、それぞれ95%,100%;95%,100%;97%,100%であった。
【0038】
このように、バイアホール125の幅104が40μm以下に小さく設定された場合、冷熱サイクル試験において、GaAs基板の結晶成長方法が歩留りを決定する要因であることが示されている。
【0039】
すなわち、結晶成長方法として、VB法がもっとも、バイアホール125の冷熱サイクル試験における歩留りを低下させない。その次に、HB法、LEC法となる。ただし、結晶成長方法による冷熱サイクル試験の歩留り差は、バイアホール125の幅104が大きくなるにつれて、顕著でなくなり、幅104が50μm以上であれば、若干の効果しか示さなくなる
【0040】
次に、この理由について考察する。VB法で結晶成長されたGaAs基板は、一般に、転位密度が3×10cm−2〜6×10cm−2というように、HB法やLEC法で成長されたGaAs基板に比べて1桁小さいと言われている。バイアホール125上部が金属膜102によって塞がれている試料に、冷熱サイクルストレスが加わると、金属とGaAs結晶との間の熱膨張率差により、GaAs結晶内部に大きなストレスが生じる。ここで、GaAs結晶内部に転位が多く存在すると、ストレスがかかった部位は耐えられなくなり、破壊されるメカニズムが考えられる。
【0041】
実際に、HB法やLEC法で結晶成長された基板を用いた試料では、バイアホール125の幅が40μmである場合と20μmである場合とを比較すると、冷熱サイクルの歩留りに大きな差が生じている。この歩留り差は、バイアホール125上部が塞がっていない場合と塞がっている場合との差、言い換えればバイアホール125内部に金属が充填されている場合と充填されていない場合との差であると考えられる。
【0042】
しかし、VB法で結晶成長された基板を用いた試料では、バイアホール125の幅が10μmでバイアホール125上部が金属膜102によって塞がれていても、冷熱サイクル500回終了時の歩留りは殆ど低下せず、歩留り97%を維持している。すなわち、VB法で結晶成長された基板を用いた試料では、バイアホール125内部に金属が充填されていても、冷熱サイクルによる破壊を効果的に防ぐことが可能である。なお、VB法で結晶成長された基板を用いた試料では、バイアホール125の内部が、金属ではなく、ベンゾシクロプテンや、ポリイミド、エポキシ等の有機膜によって充填されている場合も、冷熱サイクルによる破壊を効果的に防ぐことができると考えられる。
【0043】
一方、バイアホール125の幅が50μm以上と大きい場合は、試料を構成する基板の結晶成長方法による歩留り差は、ほとんど見られない。むしろ、どの試料でも、基板の結晶成長方法によらず、歩留りがあまり低下しないことが注目される。これは、冷熱サイクルによる破壊は、バイアホール125の幅が40μm以下と小さく、その間隔が微小な場合に限り生じる問題であることを意味している。
【0045】
このように、試料を構成する基板としてVB法で結晶成長されたものを用いることにより、バイアホール125の幅が40μm以下というように微細なばあいであっても、高い信頼性が得られる。
【0046】
次に、上述のVB法で結晶成長された基板を用いた半導体装置の作製方法について説明する。
【0047】
まず、図3(A)に示すように、VB法で結晶成長された半絶縁性GaAs基板201の表面201aにレジスト202を塗布し、フォトリソグラフィを行って、このレジスト202にバイアホール形成用のパターン開口203を形成する。
【0048】
次に、図3(B)に示すように、パターン開口203を通して塩素ガスを用いたドライエッチングを行って、基板201の表面201aから基板途中で止まる孔204を設ける。この孔204の幅205は15μm、深さ206は110μmであった。
【0049】
次にレジスト203を剥離した後、図3(C)に示すように、基板201上にチタン2000Åと、金4000Åをこの順番で堆積させて、基板表面201aと孔204の内壁204a,204bとを覆うように、メッキ用の給電メタル207を形成する。
【0050】
次に、図4(A)に示すように、この状態の基板201上に、レジスト301を塗布し、フォトリソグラフィを行って、このレジスト301に金属配線形成用のパターン開口303を形成する。そして、このパターン開口303内の給電メタル207上に、電解メッキによって厚み10μmの金302を析出させる。このとき、孔204の底部は、上部に比してメッキ液の循環がよくないので、金の成長が遅くなる。したがって、金がオーバハングして成長し、孔204の上部が金によって塞がれる態様となる。
【0051】
次にレジスト301を除去した後、図4(B)に示すように、レジスト301が存在していた領域の給電メタル207を除去する。詳しくは、給電メタル207のうちの金層を、ヨウ素とヨウ化アンモニウムの水溶液によってエッチングし、チタン層を60℃〜90℃に加熱したリン酸によってエッチングする。
【0052】
次に、図4(C)に示すように、基板201の裏面201bを201b′まで、つまり給電メタル207の底部207bが露出するまで、研磨する。なお、通常は、研磨を行った後に、基板201の裏面201b′を厚さ数μm程度分だけエッチングする必要がある。これは、基板201内に生じた研磨ストレスを緩和したり、研磨時に研磨材によって汚れた箇所を清浄化し、後の工程で形成するバックメタルの密着性を向上させるためである。最終的に、基板201の厚み304は100μmになった。
【0053】
次に、図5(A)に示すように、基板201の裏面201b′に、チタン2000Åと、金4000Åをこの順番で蒸着してメッキ用の給電メタル(図示せず)を形成し、さらに金メッキを行って、厚み20μmの裏面電極401を形成する。
【0054】
こうして、半導体装置の作製を完了する。作製された半導体装置は、GaAs基板201の表面(上面)201a上に形成された表面電極(図示せず)と基板裏面201b′上に形成された裏面電極とが、バイアホール402の内壁に沿って形成された金属配線406(給電メタル207と金302とを含む)によって接続されたものとなる。この半導体装置の平面パターンレイアウトは、図5(B)に示すようになっており、バイアホールの幅403が15μmで、長さ404が80μmであった。金属配線406は、バイアホール402の内壁から基板表面に各辺5μmだけ延在している。バイアホール402同士の間隔405は、幅403と同じ15μmであった。
【0055】
なお、図9〜図11中に示したように様々に寸法設定された試料3−1〜3−5、5−1〜5−5、7−1〜7−5、9−1〜9−5は、同様の手順で作製される。
【0056】
図6は一実施形態の半導体装置の断面を示し、図7はその半導体装置の平面パターンレイアウトを示している。この半導体装置では、VB法で結晶成長された半絶縁性GaAs基板504上に、素子としてのヘテロ接合バイポーラトランジスタ500が所定間隔で2個横方向に並べて形成されている。
【0057】
図6によって分かるように、各ヘテロ接合バイポーラトランジスタ500は、半絶縁性GaAs基板504の表面上に、成長バッファ用アンドープGaAs層505を介してエピタキシャル成長されたコレクタ層503、ベース層502、エミッタ層501をこの順に備えている。コレクタ層503、ベース層502、エミッタ層501の表面には、それぞれコレクタ電極514、ベース電極513、エミッタ電極506が形成されている。一方、基板504の裏面全域には、PHS(plated heat sink)として働く厚さ20μmの裏面電極511が設けられている。
【0058】
2個のヘテロ接合バイポーラトランジスタ500,500と交互に、基板590(GaAs層505とGaAs基板504とを併せたものを指す。)の両面間を貫通する貫通孔としてのバイアホール600が、横方向に所定ピッチで計3個並べて設けられている。各バイアホール600の深さ610は、基板590の厚みに等しく、100μmに設定されている。
【0059】
この例では、エミッタ電極506と裏面電極511とが、バイアホール600の内壁に沿って形成された金属配線508によって接続されている。金属配線508とヘテロ接合バイポーラトランジスタ500との間の上下の隙間には、ポリイミド507が設けられている。バイアホールの幅608は15μm、金属配線508の厚みは10μmであり、この結果、バイアホール610の上部は金属配線508によって塞がれている。
【0060】
金属配線508は、図7によって分かるように、一つの矩形状領域を占めている。ベース電極513は、図7において縦方向に延びて、下部に配置されたベース電極パッド604に接続されている。コレクタ電極514は、図7において縦方向に延びて、上部に配置されたコレクタ電極パッド606に接続されている。
【0061】
バイアホール600の長さ607は、ヘテロ接合バイポーラトランジスタの長さとほぼ等しく、この例では100μmに設定されている。バイアホール600の幅608は15μmに設定されている。また、隣り合うバイアホール600同士の間隔609は45μmに設定されている。
【0062】
この半導体装置では、ヘテロ接合バイポーラトランジスタ500を動作させると、発熱して、動作条件によっては250℃以上になることもある。このため、基板と金属との熱膨張率差に起因して、バイアホール600内の金属配線508から基板590に対して大きな力が加わる。ここで、半絶縁性GaAs基板として、仮にLEC法やHB法で成長したものを用いた場合、ストレスによってGaAs基板が破壊される。この問題は、バイアホール600の幅が小さく、存在密度が高い場合に非常に起こりやすい。特に、バイアホールの幅が40μm以下に設定されている場合に破壊が顕著に生じる。ところが、この実施形態のように半絶縁性GaAs基板504としてVB法で成長したもの用いた場合、バイアホール600の幅が小さくとも、熱膨張による破壊が激減し、破壊は殆ど起こらなくなる。
【0063】
図8は、図6及び図7に示したタイプの半導体装置であってヘテロ接合バイポーラトランジスタ500の個数を20個(したがって、バイアホール600の個数を21個)としたものについての、高出力動作後の歩留りを、比較例とともに示している。ここで、バイアホール600の幅は10μmから50μmまで変化させ、バイアホール600の長さはいずれも80μmとし、深さは100μmとした。隣り合うバイアホール600同士の間隔はいずれも45μmとした。ヘテロ接合バイポーラトランジスタ500のエミッタ寸法は8μm×80μmとした。
【0064】
トータルで5Wの出力が得られるように、各ヘテロ接合バイポーラトランジスタ(HBT)500を周囲温度25℃で10分間連続動作させ、動作後の歩留りを確認した。歩留りの判定は、動作後の素子のDC特性が、正常に測定できるか否かを基準とした。破壊が生じる場合、素子は、発振したり、エミッタとベース間がショートしたりした。正常時の素子の熱抵抗は、40℃/Wであったので、5W出力時、200℃程度に温度が上昇していることになる。
【0065】
図8から分かるように、半絶縁性GaAs基板の結晶成長方法によって、動作後の歩留りに差が生じている。すなわち、VB法で結晶成長された基板を用いた場合、バイアホール600の寸法によらず、動作後の歩留りは低下しない。これに対して、HB法やLEC法で形成された基板を用いた場合、バイアホールの幅が小さくなるにつれて、動作後の歩留りが低下している。この結果は、図9〜図1で示した冷熱サイクル試験の結果と良く一致している。
【0066】
図6及び図7に示したタイプの半導体装置を、無線通信システムの送信機に用いた場合、表面電極と裏面電極とをつなぐ金属配線508によって接地インダクタンスを低減でき、高効率な素子を実現できる上に、高出力動作を行っても素子の破壊を招くことがない。したがって、信頼性の高い無線通信システムを構築できる。
【0067】
なお、上述の各実施形態では、金属配線は金属膜からなるものとしたが、バイアホール内を埋める金属柱からなっていても良い。その場合も、この発明は同様な作用効果を奏する。
【0068】
【発明の効果】
以上より明らかなように、この発明の半導体装置によれば、素子の信頼性を高めることができる。
【0069】
また、この発明の無線通信システムによれば、高い信頼性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施形態の半導体装置の一部、つまり、一つのバイアホールとその近傍部分の断面を斜め上方から見たところを示す図である。
【図2】 上記半導体装置を上方から見たときの平面パターンレイアウトを示す図である。
【図3】 上記半導体装置の作製方法を示す工程断面図である。
【図4】 上記半導体装置の作製方法を示す工程断面図である。
【図5】 Aは上記作製方法によって作製された半導体装置の断面を示す図、Bはその半導体装置の平面パターンレイアウトを示す図である。
【図6】 この発明の一実施形態の半導体装置の断面を示す図である。
【図7】 図6の半導体装置の平面パターンレイアウトを示す図である。
【図8】 図6及び図7に示したタイプの半導体装置についての、高出力動作後の歩留りを、比較例とともに示す図である。
【図9】 様々な種類の試料(半導体装置)についての冷熱サイクル試験の結果を示す図である。
【図10】 様々な種類の試料(半導体装置)についての冷熱サイクル試験の結果を示す図である。
【図11】 様々な種類の試料(半導体装置)についての冷熱サイクル試験の結果を示す図である。
【図12】 従来の半導体装置の問題点を説明する図である。
【符号の説明】
101、201、504 VB法で成長されたGaAs基板
102、406、508 金属配線
103、401、511 裏面電極
110 素子領域
125、402、600 バイアホール
500 ヘテロ接合バイポーラトランジスタ

Claims (7)

  1. ガリウム砒素基板を有し、上記基板の両面間を貫通して貫通孔が形成され、上記基板の一方の面に形成された第1電極と上記基板の他方の面に形成された第2電極とが、上記貫通孔の内壁に沿って形成された金属配線によって接続されている半導体装置において、
    上記ガリウム砒素基板が垂直ブリッジマン法によって結晶成長されており、
    かつ、上記ガリウム砒素基板上に複数個の素子が所定間隔で並べて形成され、上記貫通孔は、上記各素子の間の隙間に、上記複数個の素子が所定間隔で並べられている方向が幅方向になるように設けられており、
    かつ、上記貫通孔の幅は、40μm以下であることを特徴とする半導体装置。
  2. 請求項1に記載の半導体装置において、
    上記金属配線は上記貫通孔の内壁に被着された金属膜からなることを特徴とする半導体装置。
  3. 請求項1に記載の半導体装置において、
    上記金属配線は上記貫通孔内を埋める金属柱からなることを特徴とする半導体装置。
  4. 請求項1乃至のいずれか一つに記載の半導体装置において、
    上記素子はヘテロ接合バイポーラトランジスタであることを特徴とする半導体装置。
  5. 請求項1または2に記載の半導体装置において、
    上記貫通孔の内部が有機膜によって充填されていることを特徴とする半導体装置。
  6. 請求項に記載の半導体装置において、
    上記有機膜は、ベンゾシクロプテン、ポリイミド、または、エポキシからなることを特徴とする半導体装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一つに記載の半導体装置を有する無線通信用送信機を備えたことを特徴とする無線通信システム
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