JP2004317848A - 光レセプタクル及びそれを用いた光モジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】光ファイバ内臓フェルールを必要とせず、製造が容易で、しかも短尺かつ安価であり、光信号の結合効率が高い光レセクタプル及びそれを用いた光モジュールを提供する。
【解決手段】スリーブの一端部を把持する手段(把持リング4又は把持部)を備えたスリーブホルダ3と、該スリーブホルダ内に収容され、中空筒状でフェルール挿入用の内孔を有するスリーブ2とからなる光レセプタクル1、あるいはさらにアイソレータ及び/又はレンズを備える光レセプタクルであって、上記スリーブが、プラグフェルール21を挿入する側に長手方向に形成された幅の異なる連接した2つのスリット部分5,6を有する弾性部分と、該弾性部分以外のスリットが形成されていない剛性部分とからなる。好適には、前記スリーブホルダ又はスリーブに、該スリーブの内周側に突出するストッパが形成されている。
【選択図】 図1
【解決手段】スリーブの一端部を把持する手段(把持リング4又は把持部)を備えたスリーブホルダ3と、該スリーブホルダ内に収容され、中空筒状でフェルール挿入用の内孔を有するスリーブ2とからなる光レセプタクル1、あるいはさらにアイソレータ及び/又はレンズを備える光レセプタクルであって、上記スリーブが、プラグフェルール21を挿入する側に長手方向に形成された幅の異なる連接した2つのスリット部分5,6を有する弾性部分と、該弾性部分以外のスリットが形成されていない剛性部分とからなる。好適には、前記スリーブホルダ又はスリーブに、該スリーブの内周側に突出するストッパが形成されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバコネクタを受光素子もしくは発光素子に光学的に接続する用途などに用いられる光レセプタクル及びそれを用いた光モジュールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光信号を電気信号に変換する為の光モジュールは、半導体レーザーやフォトダイオード等の光素子をケーシング内に収容し、光ファイバを通じて光信号を導入又は導出するような構造となっている。そして、光モジュールには、大きく分けるとピッグテ−ル型とレセプタクル型の2種類がある。
光レセプタクルは、従来から光ファイバコネクタを受光素子もしくは発光素子に光学的に接続する際に用いられ、図9に示す剛体スリーブを使ったタイプ、図10及び図11に示す割スリーブを使ったタイプが用いられている。
【0003】
図9に示す光レセプタクル11においては、フェルール15の中央貫通孔内に光ファイバ16が一体的に接合された円柱状の光ファイバ内蔵フェルール(スタブ)14が円筒状の剛体スリーブ12の一端部(図面において右側端部)内に圧入又は接着され、剛体スリーブ12の一端部外周はスリーブホルダ13内に装着されている。剛体スリーブ12の他端部(図面において左側端部)内には、プラグフェルール(本明細書においては、光レセプタクルに挿入される光コネクタ側のフェルールをいう。)21が挿入、保持され、プラグフェルール21の光ファイバ22と、光ファイバ内蔵フェルール14の光ファイバ16とが、各々の端面において接触し、光学的に接続される。
【0004】
一方、図10に示す割スリーブ型の光レセプタクル11aでは、光ファイバ内蔵フェルール(スタブ)14aは、割スリーブ12aの一端部内に挿入されており、さらに割スリーブ12aの一端部には把持リング17aが装着されている。これら割スリーブ12a、光ファイバ内蔵フェルール14a及び把持リング17aは、圧入又は接着により一体化されている。割スリーブ12aの外側は、スリーブホルダ13aで覆われている。ここで、割スリーブ12aはセラミック、金属又は樹脂製であり、軸方向に全長に亘って延在するようにスリット(図示せず)が形成され、径方向に弾性的に変形可能となっている。把持リング17aは、スリーブホルダ13a内で光ファイバ内蔵フェルール14aや割スリーブ12aを保持するためのものである。また、図11に示す割スリーブ型の光レセプタクル11bでは、割スリーブ12bの一端部外周とスリーブホルダ13bとの間に把持リング17bを圧入して、割スリーブ12bの自由な変形を一部拘束しているが、他の構成は図10に示す光レセプタクルと同様である。
【0005】
従来の光レセプタクルを用いたレセプタクル型光送受信モジュールの一例を図12に示す。光レセプタクル11のスタブ側の端面に、レンズ32、レーザダイオード(LD)33及びフォトダイオード(PD)34が一直線上に配して収容されているケーシング31を接合して光モジュール(LDモジュール)30を構成してあり、光レセプタクル11とケーシング31の接続部にはアイソレータ35が配されている。そして、光コネクタ20の光ファイバ22を内蔵したプラグフェルール21を上記光レセプタクル11のスリーブ12内に挿入し、プラグフェルール21の光ファイバ22の端面を光ファイバ内蔵フェルール(スタブ)14の光ファイバ16の端面に当接させることによって、光モジュール30への光信号の導出導入を行なうようになっている。なお、符号36は光モジュールの端子である。
【0006】
図9に示す従来の剛体スリーブ型の光レセプタクル11は、剛体スリーブ12の内径寸法のばらつきと、挿入するプラグフェルール21の外径寸法のばらつきが累積し、光ファイバ内蔵フェルール14の光ファイバ16とプラグフェルール21の光ファイバ22を接続する際の軸ずれが大きくなり、接続損失が大きくなるという欠点を有していた。
このような剛体スリーブ型の光レセプタクル11の欠点を解決するため、図10及び図11に示されるような割スリーブ12a、12bが使用されているが、割スリーブは径方向に弾性変形するため、割スリーブ12a、12bの光ファイバ内蔵フェルール14a、14bを把持する力とプラグフェルール21を把持する力が等しくなるよう、割スリーブの長さL1+L2(図10参照)は可能な限り長くする必要があり、図11に示す把持リングの配置態様はこの点を改善したものである。なお、上記L1は割スリーブ12a、12bにプラグフェルール21が挿入される長さを示し、L2は割スリーブ12a、12bに光ファイバ内蔵フェルール14a、14bが挿入される長さである。
【0007】
しかし、近年、高密度実装を目的とした光レセプタクルの小型化が要求されており、割スリーブに挿入する光ファイバ内蔵フェルールをできるだけ短くする必要があるが、その長さL1+L2を短くするには、前記した割スリーブの作用の点から制限がある。さらに、割スリーブ及び光ファイバ内蔵フェルールがセラミックスから作製される場合、割スリーブの内周及び光ファイバ内蔵フェルールの外周は完全な真円とはならず、部分的な点接触しかしていない。そのため、図11に示すような光レセプタクルの場合、プラグフェルール21を挿入する際の荷重によって光ファイバ内蔵フェルール14bが一端部側、即ち光素子側に位置ずれを生じ、予め光素子と光レセプタクル11bを最適な結合効率を達成できる位置に調芯しても、プラグフェルール21の光ファイバ22と光ファイバ内蔵フェルール14bの光ファイバ16bの各端面との結合効率が低下するという欠点を有していた。このような欠点を解決するため、図9に示す把持リングと図11に示す把持リングを合体したような構造の、軸方向の位置ずれを防止するストッパ部を備えた把持リングを用いることも提案されている(特許文献1参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開2003−43313号公報(特許請求の範囲)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
前記したように、従来の割スリーブ型の光レセプタクルでは種々の提案がなされているが、光ファイバ内蔵フェルール(スタブ)を用いているため、その長さ(L1+L2)を短くするには制限があり、光レセプタクルの小型化の障害となっていた。
また、従来の割スリーブ型の光レセプタクルでは、スリーブが割スリーブ(軸方向全長に亘ってスリットが形成された弾性スリーブ)であるため、スリーブをスリーブホルダに保持するためには、スリーブ内に光ファイバ内臓フェルール(スタブ)を配し、スタブとスリーブホルダとの間にスリーブを挟持する構造とすることが必要であり、そのため、光ファイバ内臓フェルール(スタブ)は不可欠であった。しかし、このような構成では、光信号は光ファイバ内臓フェルールを介してやり取りされるため、先に説明したようにその位置ずれ等によって、係合効率の低下が生じ、また光ファイバ内蔵フェルールの長さの分だけ、長尺な光レセプタクルとなってしまう。
さらに、近年の光レセプタクルの短尺化の要求に伴い、その中に配設される光ファイバ内臓フェルールについても短尺化が求められているが、短尺であればあるほど、その製造が困難となっていた。
【0010】
本発明は、上述したような従来の光レセプタクルの欠点を改善すべくなされたものであり、その主たる目的は、光ファイバ内臓フェルールを必要とせず、製造が容易で、しかも短尺かつ安価であり、光信号の結合効率が高い光レセクタプル及びそれを用いた光モジュールを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明によれば光ファイバ内臓フェルールを用いていない光レセプタクルが提供され、その第一の態様は、スリーブの一端部を把持する手段を備えたスリーブホルダと、該スリーブホルダ内に収容され、中空筒状でフェルール挿入用の内孔を有するスリーブとからなる光レセプタクルであって、上記スリーブが、プラグフェルールを挿入する側の少なくとも一部が弾性を有する部分からなり、該弾性部分以外の部分が剛性部分からなることを特徴としている。
【0012】
本発明の光ファイバ内臓フェルールを用いていない光レセプタクルの第二の態様は、スリーブの一端部を把持する手段を備えたスリーブホルダと、該スリーブホルダ内に収容され、中空筒状でフェルール挿入用の内孔を有するスリーブと、アイソレータ及び/又はレンズとからなる光レセプタクルであって、上記スリーブが、プラグフェルールを挿入する側の少なくとも一部が弾性を有する部分からなり、該弾性部分以外の部分が剛性部分からなることを特徴としている。
【0013】
前記いずれの態様においても、好適には、前記スリーブの把持する手段が、把持リングからなるか、あるいはスリーブホルダの内周部に突設された把持部からなる。
また、前記スリーブのスリーブホルダで把持される部分が剛性部分からなり、それ以外の部分が長手方向に形成されたスリットを有する弾性部分からなる。より具体的な好適な態様においては、前記スリーブの弾性部分が、スリーブの長手方向に形成された幅の異なる連接した2つのスリット部分を有し、剛性部分にはスリットが形成されていない。さらに好適な態様においては、前記スリーブホルダ又はスリーブに、該スリーブの内周側に突出するストッパが形成されている。
さらに本発明によれば、前記光レセプタクルの一端部に光素子を収容したケーシングを取り付けてなることを特徴とする光モジュールも提供される。
【0014】
【発明の実施の形態】
前記のように、本発明の光レセプタクルは、プラグフェルールを挿入する側の少なくとも一部が弾性を有する部分からなり、該弾性部分以外の部分が剛性部分からなるスリーブを用いる。このようなスリーブを用いれば、スリーブホルダにより把持される側のスリーブ部分は剛性部分からなるため、光ファイバ内臓フェルールを用いなくてもスリーブホルダ内に正確に安定して固定することができる。そのため、光ファイバ内臓フェルールの分だけ光レセプタクルの長さを短くでき、光レセプタクルの短尺化の要求に応えることができる。また、製造が困難な光ファイバ内臓フェルールを使用しないので、製造が容易で、短尺かつ安価なレセプタクルを作製することができる。さらに、光ファイバ内臓フェルールを用いないため、従来のように光ファイバ内臓フェルールの位置ずれが生じることはなく、安定した結合効率を得ることができる。
【0015】
また、本発明の光レセプタクルの好適な態様においては、前記スリーブホルダ又はスリーブに、該スリーブの内周側に突出するストッパが形成されている。このようなストッパを設けることにより、挿入されるプラグフェルールを精度良く位置決めでき、より安定した結合効率を得ることが可能となる。
【0016】
【実施例】
以下、添付図面に示す実施例を説明しつつ、本発明についてさらに具体的に説明する。
図1は本発明の光レセプタクルの第一実施例を示しており、この光レセプタクル1は、スリーブホルダ3と、該スリーブホルダ3内に収容され、中空筒状でフェルール挿入用の内孔を有するスリーブ2と、該スリーブの一端部を把持し、スリーブホルダ内に固定する把持リング4とからなり、上記スリーブ2の一端部外周とスリーブホルダ3との間に把持リング4が圧入され、嵌合又は接着されることによって、これらが一体的に固定されている。
【0017】
上記スリーブ2は、図2に示すように、中空筒状であり、かつ、把持リング4により圧力がかかる部分はスリットが形成されていない剛性部分であるが、それ以外の部分には第一スリット部5と第二スリット部6が連接して形成されているため、径方向に弾性変形可能な弾性部分となっている。第一スリット部5は、スリーブ2の他端部から所定距離だけ軸方向に形成されて、第一スリット部5よりもかなり短い第二スリット部6に連接しており、かつ、第一スリット部5の幅はこの部分にある程度の弾性力を持たせる為に第二スリット部6の幅よりも小さく形成されて、第一スリット部5における弾性変形が剛性部分により影響を受けず、第一スリット部分全体が均一に弾性変形可能であるように構成されている。従って、第二スリット部6の長さ及び幅は、第一スリット部5の弾性変形に対する剛性部分の影響を遮断する程度の短かさでよい。
上記のような構成を採用することにより、スリーブ2の把持リング4で加締められる部分が剛体となっているので、光ファイバ内臓フェルールが無くてもスリーブ2を強固に把持・固定しておくことが可能になる。また、スリーブホルダ3にスリーブ2を挿入する際、スリーブにスリットがあるため弾性変形により比較的挿入し易い。
【0018】
図3は本発明の光レセプタクルに用いるスリーブの変形例を示している。このスリーブ2aにおいては、細長い第一スリット部5aは、前記実施例と同様にスリーブ2aの他端部から所定距離だけ軸方向に形成されているが、該第一スリット部5aの幅より若干大きな直径の円形状の第二スリット部6aに連接している。
なお、前記したいずれの実施例においても、スリット(第一スリット部と第二スリット部)は1つである必要はなく、軸方向に複数個設けることもできる。
【0019】
上述の光レセプタクル1を用いて光モジュールを構成する場合には、光レセプタクル1の把持リング4装着側側端面に、図12に示すような光素子(LD33、PD34)とレンズ32を備えたケーシング31を接合し、光レセプタクル1のスリーブ2内にプラグフェルール21を挿入することにより、光信号のやりとりを行なうことができる。
【0020】
図4は本発明の光レセプタクルの第二実施例を示しており、この光レセプタクル1aは、スリーブホルダ3aと、該スリーブホルダ3a内に収容され、中空筒状でフェルール挿入用の内孔を有するスリーブ2とからなり、スリーブホルダ3aの一端部内周部には環状の把持部7が突設されている。上記スリーブ2の一端部がスリーブホルダ3aの把持部7内に圧入され、嵌合又は接着されることによって、これらが一体的に固定されている。なお、この実施例の光レセプタクル1aにおいては、スリーブホルダ3aのプラグフェルール21挿入側先端部に鍔部が形成されていないため、装着の際に、スリーブ2は図面上左右両方向からスリーブホルダ3a内に挿入可能である。
上記スリーブ2が、図2に示すように、中空筒状であり、かつ、把持部7によって圧力がかかる部分はスリットが形成されていない剛性部分であるが、それ以外の部分には第一スリット部5と第二スリット部6が連接して形成されているため、径方向に弾性変形可能な弾性部分となっていることは前記第一実施例と同様である。なお、前記把持部7は、スリーブホルダ3aの一端部内周部に全周に亘って環状に突設されているが、複数の断続的な突部(突条)、好ましくは3個以上の等間隔で突設されたものでもよい。
【0021】
本発明の光レセプタクルは、光ファイバ内臓フェルールを用いる必要がない為、挿入するプラグフェルールを止める位置止めストッパを設けることが望ましい。このようなストッパを設けることにより、精度よくプラグフェルールの位置決めをすることが可能となる。そのようなストッパを設けた光レセプタクルの実施例を図5に示す。
【0022】
図5は本発明の光レセプタクルの第三実施例を示しており、この光レセプタクル1bにおいては、スリーブホルダ3の所定位置内周面に、第二スリット部6を通してスリーブ2の内周側に突出するストッパ8が形成されている。従って、スリーブ2内に挿入されたプラグフェルール21はストッパ8に当接することによりそれ以上の挿入は阻止されるので、精度よくプラグフェルール21の位置決めをすることが可能となる。
なお、ストッパ8は、この実施例のようにスリーブホルダ3の内部に設けてスリーブのスリット部(第一スリット部5、5a又は第二スリット部6、6a)から突出するように構成してもよいし、あるいは図示はしないが、スリーブ自体の内周面に突起部を設けてもよい。
【0023】
図6は本発明の光レセプタクルの第四実施例を示しており、この光レセプタクル1cは、従来の光ファイバ内臓フェルールが入っていたスペースにアイソレータ35を内臓したものである。なお、このアイソレータ35は、スリーブの一端部に接着され、又はアイソレータが壊れない程度の圧力で圧入して固定されている。この実施例(以下の第四実施例でも同様)の場合、アイソレータ35がストッパの役割を果たし、スリーブ2内に挿入されたプラグフェルール21はアイソレータ35に当接してそれ以上の挿入は阻止される。
一方、図7は本発明の光レセプタクルの第五実施例を示しており、この光レセプタクル1dは、従来の光ファイバ内臓フェルールが入っていたスペースにアイソレータ35とレンズ32を内臓したものである。
このように、アイソレータ35あるいはさらにレンズ32を内臓した光レセプタクル1c、1dを用いることにより、図12に示すような光モジュール30からアイソレータ35あるいはさらにレンズ32を削除でき、その構成を簡単にすることが可能になる。
【0024】
図8は本発明の光モジュールの一例を示している。ここで用いられている光レセプタクル1eは、従来の光ファイバ内臓フェルールが入っていたスペースにアイソレータ35とレンズ32を内臓したものである。光レセプタクル1eの把持リング4装着側側端面には、レーザダイオード(LD)33を備えたケーシング31が接合されており、光レセプタクル1eのスリーブ2内にプラグフェルール21を挿入することにより、光信号のやりとりを行なうことができる。なお、符号36は光モジュールの端子である。勿論、図12に示す従来の光モジュール30に、レンズ、アイソレータを有しない本発明の光レセプタクルを組み合わせてもよい。
【0025】
上記光レセプタクルのスリーブは、ステンレス鋼、りん青銅、非晶質合金等の金属や、エポキシ樹脂、液晶ポリマー等のプラスチックス、アルミナ、ジルコニア等のセラミックスなどから作製され、また、上記把持リングは、同様に金属、プラスチック、セラミックス等から作製される。
【0026】
以上、本発明の好適な実施態様について説明したが、本発明の光レセプタクルは前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内であれば種々の設計変更が可能である。例えば、前記スリーブ2、2aの内周面に軸方向に複数の突起(凸条)を設け、好ましくは3個以上の突起(凸条)を均一間隔で設け、該突起が挿入されるプラグフェルール21の外周面に当接して保持するように構成してもよい。それによって、プラグフェルールを挿入する際の接触抵抗を小さくして作業性を良好にできる。さらに、前記スリーブ2、2aにはスリット5、6、5a、6aが形成されていることから、プラグフェルール21を挿入する際に、スリーブの内径が拡張されて挿入を容易に行なうことができるように構成されているが、スリーブ端面のエッジ部やスリット端縁部を曲面状に丸みを付けておくことにより、欠けやプラグフェルール外周面の傷付き防止に効果的である。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、製造が困難な光ファイバ内臓フェルールを用いる必要がないので、製造が容易で、しかも短尺かつ安価な光レセプタクルを作製することができる。さらに、光ファイバ内臓フェルールを用いないため、従来のように光ファイバ内臓フェルールの位置ずれが生じることはなく、安定した結合効率を得ることができる。
また、本発明の光レセプタクルの好適な態様においては、前記スリーブホルダ又はスリーブに、該スリーブの内周側に突出するストッパが形成されている。このようなストッパを設けることにより、挿入されるプラグフェルールを精度良く位置決めでき、より安定した結合効率を得ることが可能となる。
さらに、アイソレータあるいはさらにレンズを内臓したスリーブを用いた場合、アイソレータがストッパの役割を果たし、また、光モジュールからアイソレータあるいはさらにレンズを削除でき、その構成を簡単にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光レセプタクルの第一実施例を示す概略断面図である。
【図2】本発明の光レセプタクルに用いるスリーブの一実施形態を示す概略斜視図である。
【図3】本発明の光レセプタクルに用いるスリーブの他の実施形態を示す概略斜視図である。
【図4】本発明の光レセプタクルの第二実施例を示す概略断面図である。
【図5】本発明の光レセプタクルの第三実施例を示す概略断面図である。
【図6】本発明の光レセプタクルの第四実施例を示す概略断面図である。
【図7】本発明の光レセプタクルの第五実施例を示す概略断面図である。
【図8】本発明の光モジュールの一例を示す概略断面図である。
【図9】従来の光レセプタクルの一例を示す概略断面図である。
【図10】従来の光レセプタクルの他の例を示す概略断面図である。
【図11】従来の光レセプタクルのさらに他の例を示す概略断面図である。
【図12】従来の光モジュールの一例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1,1a,1b,1c,1d,1e,11,11a,11b 光レセプタクル
2 スリーブ
3,13,13a,13b スリーブホルダ
4,17a,17b 把持リング
5,5a 第一スリット部
6,6a 第二スリット部
7 把持部
8 ストッパ
12 剛体スリーブ
12a,12b 割スリーブ
14,14a,14b 光ファイバ内蔵フェルール(スタブ)
16,16a,16b,22 光ファイバ
21 プラグフェルール
30 光モジュール
31 ケーシング
32 レンズ
33 レーザダイオード(LD)
34 フォトダイオード(PD)
35 アイソレータ
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバコネクタを受光素子もしくは発光素子に光学的に接続する用途などに用いられる光レセプタクル及びそれを用いた光モジュールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光信号を電気信号に変換する為の光モジュールは、半導体レーザーやフォトダイオード等の光素子をケーシング内に収容し、光ファイバを通じて光信号を導入又は導出するような構造となっている。そして、光モジュールには、大きく分けるとピッグテ−ル型とレセプタクル型の2種類がある。
光レセプタクルは、従来から光ファイバコネクタを受光素子もしくは発光素子に光学的に接続する際に用いられ、図9に示す剛体スリーブを使ったタイプ、図10及び図11に示す割スリーブを使ったタイプが用いられている。
【0003】
図9に示す光レセプタクル11においては、フェルール15の中央貫通孔内に光ファイバ16が一体的に接合された円柱状の光ファイバ内蔵フェルール(スタブ)14が円筒状の剛体スリーブ12の一端部(図面において右側端部)内に圧入又は接着され、剛体スリーブ12の一端部外周はスリーブホルダ13内に装着されている。剛体スリーブ12の他端部(図面において左側端部)内には、プラグフェルール(本明細書においては、光レセプタクルに挿入される光コネクタ側のフェルールをいう。)21が挿入、保持され、プラグフェルール21の光ファイバ22と、光ファイバ内蔵フェルール14の光ファイバ16とが、各々の端面において接触し、光学的に接続される。
【0004】
一方、図10に示す割スリーブ型の光レセプタクル11aでは、光ファイバ内蔵フェルール(スタブ)14aは、割スリーブ12aの一端部内に挿入されており、さらに割スリーブ12aの一端部には把持リング17aが装着されている。これら割スリーブ12a、光ファイバ内蔵フェルール14a及び把持リング17aは、圧入又は接着により一体化されている。割スリーブ12aの外側は、スリーブホルダ13aで覆われている。ここで、割スリーブ12aはセラミック、金属又は樹脂製であり、軸方向に全長に亘って延在するようにスリット(図示せず)が形成され、径方向に弾性的に変形可能となっている。把持リング17aは、スリーブホルダ13a内で光ファイバ内蔵フェルール14aや割スリーブ12aを保持するためのものである。また、図11に示す割スリーブ型の光レセプタクル11bでは、割スリーブ12bの一端部外周とスリーブホルダ13bとの間に把持リング17bを圧入して、割スリーブ12bの自由な変形を一部拘束しているが、他の構成は図10に示す光レセプタクルと同様である。
【0005】
従来の光レセプタクルを用いたレセプタクル型光送受信モジュールの一例を図12に示す。光レセプタクル11のスタブ側の端面に、レンズ32、レーザダイオード(LD)33及びフォトダイオード(PD)34が一直線上に配して収容されているケーシング31を接合して光モジュール(LDモジュール)30を構成してあり、光レセプタクル11とケーシング31の接続部にはアイソレータ35が配されている。そして、光コネクタ20の光ファイバ22を内蔵したプラグフェルール21を上記光レセプタクル11のスリーブ12内に挿入し、プラグフェルール21の光ファイバ22の端面を光ファイバ内蔵フェルール(スタブ)14の光ファイバ16の端面に当接させることによって、光モジュール30への光信号の導出導入を行なうようになっている。なお、符号36は光モジュールの端子である。
【0006】
図9に示す従来の剛体スリーブ型の光レセプタクル11は、剛体スリーブ12の内径寸法のばらつきと、挿入するプラグフェルール21の外径寸法のばらつきが累積し、光ファイバ内蔵フェルール14の光ファイバ16とプラグフェルール21の光ファイバ22を接続する際の軸ずれが大きくなり、接続損失が大きくなるという欠点を有していた。
このような剛体スリーブ型の光レセプタクル11の欠点を解決するため、図10及び図11に示されるような割スリーブ12a、12bが使用されているが、割スリーブは径方向に弾性変形するため、割スリーブ12a、12bの光ファイバ内蔵フェルール14a、14bを把持する力とプラグフェルール21を把持する力が等しくなるよう、割スリーブの長さL1+L2(図10参照)は可能な限り長くする必要があり、図11に示す把持リングの配置態様はこの点を改善したものである。なお、上記L1は割スリーブ12a、12bにプラグフェルール21が挿入される長さを示し、L2は割スリーブ12a、12bに光ファイバ内蔵フェルール14a、14bが挿入される長さである。
【0007】
しかし、近年、高密度実装を目的とした光レセプタクルの小型化が要求されており、割スリーブに挿入する光ファイバ内蔵フェルールをできるだけ短くする必要があるが、その長さL1+L2を短くするには、前記した割スリーブの作用の点から制限がある。さらに、割スリーブ及び光ファイバ内蔵フェルールがセラミックスから作製される場合、割スリーブの内周及び光ファイバ内蔵フェルールの外周は完全な真円とはならず、部分的な点接触しかしていない。そのため、図11に示すような光レセプタクルの場合、プラグフェルール21を挿入する際の荷重によって光ファイバ内蔵フェルール14bが一端部側、即ち光素子側に位置ずれを生じ、予め光素子と光レセプタクル11bを最適な結合効率を達成できる位置に調芯しても、プラグフェルール21の光ファイバ22と光ファイバ内蔵フェルール14bの光ファイバ16bの各端面との結合効率が低下するという欠点を有していた。このような欠点を解決するため、図9に示す把持リングと図11に示す把持リングを合体したような構造の、軸方向の位置ずれを防止するストッパ部を備えた把持リングを用いることも提案されている(特許文献1参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開2003−43313号公報(特許請求の範囲)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
前記したように、従来の割スリーブ型の光レセプタクルでは種々の提案がなされているが、光ファイバ内蔵フェルール(スタブ)を用いているため、その長さ(L1+L2)を短くするには制限があり、光レセプタクルの小型化の障害となっていた。
また、従来の割スリーブ型の光レセプタクルでは、スリーブが割スリーブ(軸方向全長に亘ってスリットが形成された弾性スリーブ)であるため、スリーブをスリーブホルダに保持するためには、スリーブ内に光ファイバ内臓フェルール(スタブ)を配し、スタブとスリーブホルダとの間にスリーブを挟持する構造とすることが必要であり、そのため、光ファイバ内臓フェルール(スタブ)は不可欠であった。しかし、このような構成では、光信号は光ファイバ内臓フェルールを介してやり取りされるため、先に説明したようにその位置ずれ等によって、係合効率の低下が生じ、また光ファイバ内蔵フェルールの長さの分だけ、長尺な光レセプタクルとなってしまう。
さらに、近年の光レセプタクルの短尺化の要求に伴い、その中に配設される光ファイバ内臓フェルールについても短尺化が求められているが、短尺であればあるほど、その製造が困難となっていた。
【0010】
本発明は、上述したような従来の光レセプタクルの欠点を改善すべくなされたものであり、その主たる目的は、光ファイバ内臓フェルールを必要とせず、製造が容易で、しかも短尺かつ安価であり、光信号の結合効率が高い光レセクタプル及びそれを用いた光モジュールを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明によれば光ファイバ内臓フェルールを用いていない光レセプタクルが提供され、その第一の態様は、スリーブの一端部を把持する手段を備えたスリーブホルダと、該スリーブホルダ内に収容され、中空筒状でフェルール挿入用の内孔を有するスリーブとからなる光レセプタクルであって、上記スリーブが、プラグフェルールを挿入する側の少なくとも一部が弾性を有する部分からなり、該弾性部分以外の部分が剛性部分からなることを特徴としている。
【0012】
本発明の光ファイバ内臓フェルールを用いていない光レセプタクルの第二の態様は、スリーブの一端部を把持する手段を備えたスリーブホルダと、該スリーブホルダ内に収容され、中空筒状でフェルール挿入用の内孔を有するスリーブと、アイソレータ及び/又はレンズとからなる光レセプタクルであって、上記スリーブが、プラグフェルールを挿入する側の少なくとも一部が弾性を有する部分からなり、該弾性部分以外の部分が剛性部分からなることを特徴としている。
【0013】
前記いずれの態様においても、好適には、前記スリーブの把持する手段が、把持リングからなるか、あるいはスリーブホルダの内周部に突設された把持部からなる。
また、前記スリーブのスリーブホルダで把持される部分が剛性部分からなり、それ以外の部分が長手方向に形成されたスリットを有する弾性部分からなる。より具体的な好適な態様においては、前記スリーブの弾性部分が、スリーブの長手方向に形成された幅の異なる連接した2つのスリット部分を有し、剛性部分にはスリットが形成されていない。さらに好適な態様においては、前記スリーブホルダ又はスリーブに、該スリーブの内周側に突出するストッパが形成されている。
さらに本発明によれば、前記光レセプタクルの一端部に光素子を収容したケーシングを取り付けてなることを特徴とする光モジュールも提供される。
【0014】
【発明の実施の形態】
前記のように、本発明の光レセプタクルは、プラグフェルールを挿入する側の少なくとも一部が弾性を有する部分からなり、該弾性部分以外の部分が剛性部分からなるスリーブを用いる。このようなスリーブを用いれば、スリーブホルダにより把持される側のスリーブ部分は剛性部分からなるため、光ファイバ内臓フェルールを用いなくてもスリーブホルダ内に正確に安定して固定することができる。そのため、光ファイバ内臓フェルールの分だけ光レセプタクルの長さを短くでき、光レセプタクルの短尺化の要求に応えることができる。また、製造が困難な光ファイバ内臓フェルールを使用しないので、製造が容易で、短尺かつ安価なレセプタクルを作製することができる。さらに、光ファイバ内臓フェルールを用いないため、従来のように光ファイバ内臓フェルールの位置ずれが生じることはなく、安定した結合効率を得ることができる。
【0015】
また、本発明の光レセプタクルの好適な態様においては、前記スリーブホルダ又はスリーブに、該スリーブの内周側に突出するストッパが形成されている。このようなストッパを設けることにより、挿入されるプラグフェルールを精度良く位置決めでき、より安定した結合効率を得ることが可能となる。
【0016】
【実施例】
以下、添付図面に示す実施例を説明しつつ、本発明についてさらに具体的に説明する。
図1は本発明の光レセプタクルの第一実施例を示しており、この光レセプタクル1は、スリーブホルダ3と、該スリーブホルダ3内に収容され、中空筒状でフェルール挿入用の内孔を有するスリーブ2と、該スリーブの一端部を把持し、スリーブホルダ内に固定する把持リング4とからなり、上記スリーブ2の一端部外周とスリーブホルダ3との間に把持リング4が圧入され、嵌合又は接着されることによって、これらが一体的に固定されている。
【0017】
上記スリーブ2は、図2に示すように、中空筒状であり、かつ、把持リング4により圧力がかかる部分はスリットが形成されていない剛性部分であるが、それ以外の部分には第一スリット部5と第二スリット部6が連接して形成されているため、径方向に弾性変形可能な弾性部分となっている。第一スリット部5は、スリーブ2の他端部から所定距離だけ軸方向に形成されて、第一スリット部5よりもかなり短い第二スリット部6に連接しており、かつ、第一スリット部5の幅はこの部分にある程度の弾性力を持たせる為に第二スリット部6の幅よりも小さく形成されて、第一スリット部5における弾性変形が剛性部分により影響を受けず、第一スリット部分全体が均一に弾性変形可能であるように構成されている。従って、第二スリット部6の長さ及び幅は、第一スリット部5の弾性変形に対する剛性部分の影響を遮断する程度の短かさでよい。
上記のような構成を採用することにより、スリーブ2の把持リング4で加締められる部分が剛体となっているので、光ファイバ内臓フェルールが無くてもスリーブ2を強固に把持・固定しておくことが可能になる。また、スリーブホルダ3にスリーブ2を挿入する際、スリーブにスリットがあるため弾性変形により比較的挿入し易い。
【0018】
図3は本発明の光レセプタクルに用いるスリーブの変形例を示している。このスリーブ2aにおいては、細長い第一スリット部5aは、前記実施例と同様にスリーブ2aの他端部から所定距離だけ軸方向に形成されているが、該第一スリット部5aの幅より若干大きな直径の円形状の第二スリット部6aに連接している。
なお、前記したいずれの実施例においても、スリット(第一スリット部と第二スリット部)は1つである必要はなく、軸方向に複数個設けることもできる。
【0019】
上述の光レセプタクル1を用いて光モジュールを構成する場合には、光レセプタクル1の把持リング4装着側側端面に、図12に示すような光素子(LD33、PD34)とレンズ32を備えたケーシング31を接合し、光レセプタクル1のスリーブ2内にプラグフェルール21を挿入することにより、光信号のやりとりを行なうことができる。
【0020】
図4は本発明の光レセプタクルの第二実施例を示しており、この光レセプタクル1aは、スリーブホルダ3aと、該スリーブホルダ3a内に収容され、中空筒状でフェルール挿入用の内孔を有するスリーブ2とからなり、スリーブホルダ3aの一端部内周部には環状の把持部7が突設されている。上記スリーブ2の一端部がスリーブホルダ3aの把持部7内に圧入され、嵌合又は接着されることによって、これらが一体的に固定されている。なお、この実施例の光レセプタクル1aにおいては、スリーブホルダ3aのプラグフェルール21挿入側先端部に鍔部が形成されていないため、装着の際に、スリーブ2は図面上左右両方向からスリーブホルダ3a内に挿入可能である。
上記スリーブ2が、図2に示すように、中空筒状であり、かつ、把持部7によって圧力がかかる部分はスリットが形成されていない剛性部分であるが、それ以外の部分には第一スリット部5と第二スリット部6が連接して形成されているため、径方向に弾性変形可能な弾性部分となっていることは前記第一実施例と同様である。なお、前記把持部7は、スリーブホルダ3aの一端部内周部に全周に亘って環状に突設されているが、複数の断続的な突部(突条)、好ましくは3個以上の等間隔で突設されたものでもよい。
【0021】
本発明の光レセプタクルは、光ファイバ内臓フェルールを用いる必要がない為、挿入するプラグフェルールを止める位置止めストッパを設けることが望ましい。このようなストッパを設けることにより、精度よくプラグフェルールの位置決めをすることが可能となる。そのようなストッパを設けた光レセプタクルの実施例を図5に示す。
【0022】
図5は本発明の光レセプタクルの第三実施例を示しており、この光レセプタクル1bにおいては、スリーブホルダ3の所定位置内周面に、第二スリット部6を通してスリーブ2の内周側に突出するストッパ8が形成されている。従って、スリーブ2内に挿入されたプラグフェルール21はストッパ8に当接することによりそれ以上の挿入は阻止されるので、精度よくプラグフェルール21の位置決めをすることが可能となる。
なお、ストッパ8は、この実施例のようにスリーブホルダ3の内部に設けてスリーブのスリット部(第一スリット部5、5a又は第二スリット部6、6a)から突出するように構成してもよいし、あるいは図示はしないが、スリーブ自体の内周面に突起部を設けてもよい。
【0023】
図6は本発明の光レセプタクルの第四実施例を示しており、この光レセプタクル1cは、従来の光ファイバ内臓フェルールが入っていたスペースにアイソレータ35を内臓したものである。なお、このアイソレータ35は、スリーブの一端部に接着され、又はアイソレータが壊れない程度の圧力で圧入して固定されている。この実施例(以下の第四実施例でも同様)の場合、アイソレータ35がストッパの役割を果たし、スリーブ2内に挿入されたプラグフェルール21はアイソレータ35に当接してそれ以上の挿入は阻止される。
一方、図7は本発明の光レセプタクルの第五実施例を示しており、この光レセプタクル1dは、従来の光ファイバ内臓フェルールが入っていたスペースにアイソレータ35とレンズ32を内臓したものである。
このように、アイソレータ35あるいはさらにレンズ32を内臓した光レセプタクル1c、1dを用いることにより、図12に示すような光モジュール30からアイソレータ35あるいはさらにレンズ32を削除でき、その構成を簡単にすることが可能になる。
【0024】
図8は本発明の光モジュールの一例を示している。ここで用いられている光レセプタクル1eは、従来の光ファイバ内臓フェルールが入っていたスペースにアイソレータ35とレンズ32を内臓したものである。光レセプタクル1eの把持リング4装着側側端面には、レーザダイオード(LD)33を備えたケーシング31が接合されており、光レセプタクル1eのスリーブ2内にプラグフェルール21を挿入することにより、光信号のやりとりを行なうことができる。なお、符号36は光モジュールの端子である。勿論、図12に示す従来の光モジュール30に、レンズ、アイソレータを有しない本発明の光レセプタクルを組み合わせてもよい。
【0025】
上記光レセプタクルのスリーブは、ステンレス鋼、りん青銅、非晶質合金等の金属や、エポキシ樹脂、液晶ポリマー等のプラスチックス、アルミナ、ジルコニア等のセラミックスなどから作製され、また、上記把持リングは、同様に金属、プラスチック、セラミックス等から作製される。
【0026】
以上、本発明の好適な実施態様について説明したが、本発明の光レセプタクルは前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内であれば種々の設計変更が可能である。例えば、前記スリーブ2、2aの内周面に軸方向に複数の突起(凸条)を設け、好ましくは3個以上の突起(凸条)を均一間隔で設け、該突起が挿入されるプラグフェルール21の外周面に当接して保持するように構成してもよい。それによって、プラグフェルールを挿入する際の接触抵抗を小さくして作業性を良好にできる。さらに、前記スリーブ2、2aにはスリット5、6、5a、6aが形成されていることから、プラグフェルール21を挿入する際に、スリーブの内径が拡張されて挿入を容易に行なうことができるように構成されているが、スリーブ端面のエッジ部やスリット端縁部を曲面状に丸みを付けておくことにより、欠けやプラグフェルール外周面の傷付き防止に効果的である。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、製造が困難な光ファイバ内臓フェルールを用いる必要がないので、製造が容易で、しかも短尺かつ安価な光レセプタクルを作製することができる。さらに、光ファイバ内臓フェルールを用いないため、従来のように光ファイバ内臓フェルールの位置ずれが生じることはなく、安定した結合効率を得ることができる。
また、本発明の光レセプタクルの好適な態様においては、前記スリーブホルダ又はスリーブに、該スリーブの内周側に突出するストッパが形成されている。このようなストッパを設けることにより、挿入されるプラグフェルールを精度良く位置決めでき、より安定した結合効率を得ることが可能となる。
さらに、アイソレータあるいはさらにレンズを内臓したスリーブを用いた場合、アイソレータがストッパの役割を果たし、また、光モジュールからアイソレータあるいはさらにレンズを削除でき、その構成を簡単にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光レセプタクルの第一実施例を示す概略断面図である。
【図2】本発明の光レセプタクルに用いるスリーブの一実施形態を示す概略斜視図である。
【図3】本発明の光レセプタクルに用いるスリーブの他の実施形態を示す概略斜視図である。
【図4】本発明の光レセプタクルの第二実施例を示す概略断面図である。
【図5】本発明の光レセプタクルの第三実施例を示す概略断面図である。
【図6】本発明の光レセプタクルの第四実施例を示す概略断面図である。
【図7】本発明の光レセプタクルの第五実施例を示す概略断面図である。
【図8】本発明の光モジュールの一例を示す概略断面図である。
【図9】従来の光レセプタクルの一例を示す概略断面図である。
【図10】従来の光レセプタクルの他の例を示す概略断面図である。
【図11】従来の光レセプタクルのさらに他の例を示す概略断面図である。
【図12】従来の光モジュールの一例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1,1a,1b,1c,1d,1e,11,11a,11b 光レセプタクル
2 スリーブ
3,13,13a,13b スリーブホルダ
4,17a,17b 把持リング
5,5a 第一スリット部
6,6a 第二スリット部
7 把持部
8 ストッパ
12 剛体スリーブ
12a,12b 割スリーブ
14,14a,14b 光ファイバ内蔵フェルール(スタブ)
16,16a,16b,22 光ファイバ
21 プラグフェルール
30 光モジュール
31 ケーシング
32 レンズ
33 レーザダイオード(LD)
34 フォトダイオード(PD)
35 アイソレータ
Claims (8)
- スリーブの一端部を把持する手段を備えたスリーブホルダ(3)と、該スリーブホルダ内に収容され、中空筒状でフェルール挿入用の内孔を有するスリーブ(2,2a)とからなる光レセプタクル(1,1a,1b)であって、上記スリーブ(2,2a)が、プラグフェルール(21)を挿入する側の少なくとも一部が弾性を有する部分からなり、該弾性部分以外の部分が剛性部分からなることを特徴とする光レセプタクル。
- スリーブの一端部を把持する手段を備えたスリーブホルダ(3)と、該スリーブホルダ内に収容され、中空筒状でフェルール挿入用の内孔を有するスリーブ(2,2a)と、アイソレータ(35)及び/又はレンズ(32)とからなる光レセプタクル(1c,1d,1e)であって、上記スリーブ(2,2a)が、プラグフェルール(21)を挿入する側の少なくとも一部が弾性を有する部分からなり、該弾性部分以外の部分が剛性部分からなることを特徴とする光レセプタクル。
- 前記スリーブの把持する手段が、把持リング(4)からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の光レセプタクル。
- 前記スリーブの把持する手段が、スリーブホルダの内周部に突設された把持部(7)からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の光レセプタクル。
- 前記スリーブ(2,2a)のスリーブホルダ(3)で把持される部分が剛性部分からなり、それ以外の部分が長手方向に形成されたスリット(5,6,5a,6a)を有する弾性部分からなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の光レセプタクル。
- 前記スリーブ(2,2a)の弾性部分が、スリーブ(2,2a)の長手方向に形成された幅の異なる連接した2つのスリット部分(5,6,5a,6a)を有し、剛性部分にはスリットが形成されていないことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の光レセプタクル。
- 前記スリーブホルダ(3)又はスリーブ(2,2a)に、該スリーブの内周側に突出するストッパ(8)が形成されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の光レセプタクル。
- 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の光レセプタクル(1,1a,1b)の一端部に光素子を収容したケーシング(31)を取り付けてなることを特徴とする光モジュール。
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