JP2004317565A - 高強度プラスチック光ファイバテープ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】テープ心線のプラスチック光ファイバの径を特別大きくする必要がなく、被覆加工時の引張り張力によりプラスチック光ファイバが断線してしまうことがなく、また被覆加工時の熱によりプラスチック光ファイバが溶けて断線してしまうことがなく、また伝送特性が良い高強度プラスチック光ファイバテープ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】2本のプラスチック光ファイバ1,1を整列し、この2本のプラスチック光ファイバ1,1の中間部に抗張力体2としてヤング率が6000〜9000 kg/mm2のガラスファイバを配設し、これらの外周を紫外線硬化樹脂3にてテープ状に被覆し一体化させ、高強度プラスチック光ファイバテープ(2心)5とする。
【選択図】 図1
【解決手段】2本のプラスチック光ファイバ1,1を整列し、この2本のプラスチック光ファイバ1,1の中間部に抗張力体2としてヤング率が6000〜9000 kg/mm2のガラスファイバを配設し、これらの外周を紫外線硬化樹脂3にてテープ状に被覆し一体化させ、高強度プラスチック光ファイバテープ(2心)5とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバテープ及びその製造方法に関し、更に詳しくは複数本のプラスチック光ファイバと抗張力体を樹脂によって一括被覆した高強度プラスチック光ファイバテープ及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プラスチック光ファイバは、安価、軽量、柔軟性等の特徴を有しており、照明用途、通信分野等で実用化されている。なお、プラスチック光ファイバとは、プラスチック光ファイバ素線またはプラスチック光ファイバ素線を樹脂で被覆したプラスチック光ファイバコードをいい、被覆用樹脂としてはポリメタクリル酸メチル、ポリオレフィン等の熱可塑性樹脂や、紫外線硬化樹脂等の硬化性樹脂がある。また、プラスチック光ファイバは単体の使用の他、複数本のプラスチック光ファイバをテープ状に加工して用いられている。
従来のプラスチック光ファイバの耐張力の補強に関する文献としては、下記特許文献1の「加工性に優れた高張力プラスチック光ファイバコード」に記載されているが、図3に示すように、クラッド材を施したプラスチック光ファイバ1’の上に、片面にプラスチックフィルムをラミネートしたガラス繊維テープ2c’を補強層として縦添えし、さらに外装シース3’としてポリエチレンを被覆して構成されたものであり、従来の光コードと同等の高張力を保持し、加工性を大幅に向上させ、自動端末加工が可能となることを目的としている。
なお光ファイバテープは、テープ心線となる光ファイバの複数本を整列し、例えばポリエチレンやPVC(ポリ塩化ビニル樹脂)の被覆加工(溶融押し出し)によりテープ状に一体化させたものであり公知である。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−148473
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
プラスチック光ファイバは、例えば0.5mmφのもので、引っ張り強度は2kgfと非常に小さいので、PVC等の被覆加工時の引張り張力により断線してしまうことが有るという問題点があった。なお、光ファイバテープのテープ心線となるプラスチック光ファイバの径を大きくしても引っ張り強度はそれ程上がらない上に光ファイバテープの外形寸法が大きくなってしまうという問題点があった。また、プラスチック光ファイバは熱に弱く、PVC等の被覆加工時に速度が上がって安定するまでは溶けて断線してしまうことが有るという問題点があった。またPVC等の被覆加工時に熱と圧力がファイバにかかることによりファイバの伝送特性を悪化させてしまうという問題点があった。
【0005】
本発明は、上記従来技術が有する各種問題点を解決するためになされたものであり、テープ心線を特別大きくする必要がなく、被覆加工時の引張り張力によりプラスチック光ファイバが断線してしまうことがなく、また被覆加工時の熱によりプラスチック光ファイバが溶けて断線してしまうことがなく、更に伝送特性が良い高強度プラスチック光ファイバテープ及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
第1の観点として本発明は、複数本のプラスチック光ファイバを整列し、樹脂によりテープ状に一体化させた光ファイバテープであって、前記複数本のプラスチック光ファイバの中間部に、抗張力体としてヤング率が6000〜9000 kg/mm2のガラスファイバを配設して整列し、これらの外周を紫外線硬化樹脂によりテープ状に一体化させたことを特徴とする高強度プラスチック光ファイバテープにある。
前記ヤング率が6000〜9000 kg/mm2のガラスファイバとしては、例えば、石英ガラスの外周が紫外線硬化樹脂にて被覆されている石英ガラスファイバを用いることができる。また紫外線硬化樹脂としては、一般的なものを用いることができる。
上記第1観点の高強度プラスチック光ファイバテープでは、テープ心線として用いるプラスチック光ファイバ(ヤング率20〜120kg/mm2)に比べてヤング率が6000〜9000 kg/mm2と大きいガラスファイバを複数本の光ファイバの中間部に配設しているのでプラスチック光ファイバの引っ張り強度を補完することができ、テープ心線を特別大きくすることが不要となり、光ファイバテープの外形寸法をコンパクトにすることができる。なお、ヤング率を6000〜9000 kg/mm2とした理由は、ヤング率がこの範囲の石英ガラスファイバが抗張力体として好ましいためである。
【0007】
第2の観点として本発明は、高強度プラスチック光ファイバテープの製造方法であって、複数本のプラスチック光ファイバの中間部に、抗張力体としてヤング率が6000〜9000 kg/mm2のガラスファイバを配設してニップル(整列具)により整列させ、整列光ファイバ・抗張力体とする光ファイバ・抗張力体整列工程;と、前記整列光ファイバ・抗張力体の外周にダイスにより紫外線硬化樹脂を塗布し、樹脂塗布整列光ファイバ・抗張力体とする紫外線硬化樹脂塗布工程;と、前記樹脂塗布整列光ファイバ・抗張力体に紫外線を照射して紫外線硬化樹脂を硬化させ、テープ状に一体化させる紫外線硬化樹脂硬化工程;と、により高強度プラスチック光ファイバテープとすることを特徴とする高強度プラスチック光ファイバテープの製造方法にある。
上記第2観点の製造方法では前記整列工程、紫外線硬化樹脂塗布工程等において、プラスチック光ファイバ(ヤング率20〜120kg/mm2)に比べてヤング率が大きいガラスファイバ(例えばヤング率6000〜9000 kg/mm2の石英ガラス)を複数本の光ファイバの中間部に配設させることにより、プラスチック光ファイバの引っ張り強度不足をガラスファイバで補完することができ、被覆加工時の引張り張力によりプラスチック光ファイバが断線してしまうことがなくなる。また複数本のプラスチックファイバとガラスファイバを紫外線硬化樹脂にてテープ状に被覆する際の温度は、PVC等の被覆加工時の温度(例えば240℃の溶融押し出し)よりも低い温度、例えば50℃で良いのでプラスチック光ファイバは速度が安定するまでの間に溶けて断線してしまうことがなくなる。また紫外線硬化樹脂硬化工程においては、溶融押し出しと比較して大きな圧力を掛けること無しに紫外線硬化樹脂を密着硬化することが出来るので、光ファイバの伝送特性を悪化させてしまうことなく高強度プラスチック光ファイバテープを効率よく製造することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の内容を、図に示す実施の形態により更に詳細に説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の高強度プラスチック光ファイバテープの一例を示す断面図である。図2は、本発明の高強度プラスチック光ファイバテープの製造方法の一例を示すチャートである。
これらの図において、1はプラスチック光ファイバ、2は抗張力体(ガラスファイバ)、3は紫外線硬化樹脂、5は高強度プラスチック光ファイバテープ(2心)である。
【0009】
−第1の実施の形態−
本発明の高強度プラスチック光ファイバテープの一例について図1を用いて説明する。
本発明の高強度プラスチック光ファイバテープ(2心)5は、複数本(2本)のプラスチック光ファイバ、例えばφ0.5mmのプラスチック光ファイバ1,1と、この複数本(2本)のプラスチック光ファイバ1,1の中間部に抗張力体2として、例えばφ0.125mm石英ガラスに紫外線硬化樹脂を被覆してφ0.25mmとし、ヤング率が7300 kg/mm2の石英ガラスファイバを配設して整列し、これらの外周を紫外線硬化樹脂3にて、テープ状に被覆し一体化させたものである。
【0010】
−第2の実施の形態−
本発明の高強度プラスチック光ファイバテープの製造方法の一例について図2を用いて説明する。
本発明の光ファイバテープの製造方法は、複数本(例えば2本)のプラスチック光ファイバの中間部に、抗張力体としてヤング率が6000〜9000 kg/mm2のガラスファイバを配設してニップル(整列具)により整列させ、整列光ファイバ・抗張力体とする光ファイバ・抗張力体整列工程f1;と、前記整列光ファイバ・抗張力体の外周にダイスにより紫外線硬化樹脂を塗布し、樹脂塗布整列光ファイバ・抗張力体とする紫外線硬化樹脂塗布工程f2;と、前記樹脂塗布整列光ファイバ・抗張力体に紫外線を照射して紫外線硬化樹脂を硬化させ、テープ状に一体化させる紫外線硬化樹脂硬化工程f3;と、により高強度プラスチック光ファイバテープ(例えば2心)とする高強度プラスチック光ファイバテープの製造方法である。
【0011】
−第3の実施の形態−
本発明の製造方法の具体例について図1、2を用いて説明する。
先ず、φ0.5mmのプラスチック光ファイバ1,1の2本とφ0.125mm石英ガラスでφ0.25mm紫外線硬化樹脂付きとした抗張力体2の1本を準備する。
次いで整列工程f1として、ニップル(図示せず)により図1のように2本のプラスチックファイバ1,1の中間部に前記抗張力体2の1本を整列させ整列光ファイバ・抗張力体とする。
次いで紫外線硬化樹脂塗布工程f2として、前記整列光ファイバ・抗張力体の外周にダイス(図示せず)により図1のように紫外線硬化樹脂3を塗布し樹脂塗布整列光ファイバ・抗張力体とする。
次いで紫外線硬化工程f3として、前記樹脂塗布整列光ファイバ・抗張力体に紫外線照射ランプ(図示せず)により紫外線を照射し、ダイス形状(図1)のように紫外線硬化樹脂3を硬化させて高強度プラスチック光ファイバテープ(2心)5を製造した。
【0012】
【発明の効果】
本発明の高強度プラスチック光ファイバテープによれば、テープ心線として用いるプラスチック光ファイバに比べてヤング率が6000〜9000 kg/mm2と大きいガラスファイバを抗張力体に用い、複数本のプラスチック光ファイバの中間部に配設しているのでプラスチック光ファイバの引っ張り強度を補完することができ、テープ心線を特別大きくすることが不要となり、光ファイバテープの外形寸法をコンパクトにすることができるようになった。
また、本発明の高強度プラスチック光ファイバテープの製造方法によれば、光ファイバ・抗張力体整列工程、紫外線硬化樹脂塗布工程等において、プラスチック光ファイバに比べてヤング率が6000〜9000 kg/mm2のガラスファイバを複数本の光ファイバの中間部に整列させることにより、プラスチック光ファイバの引っ張り強度をガラスファイバで補完することができ、被覆加工時の引張り張力によりプラスチック光ファイバが断線してしまうことがなくなった。また複数本のプラスチックファイバとガラスファイバを紫外線硬化樹脂にてテープ状に被覆する際の温度は、PVC等の被覆加工時の温度よりも低い温度で良いのでプラスチック光ファイバは速度が安定するまでの間に溶けて断線してしまうことがなくなった。また紫外線硬化樹脂硬化工程は溶融押し出しと比較して大きな熱と圧力を掛けること無しに紫外線硬化樹脂を密着硬化することが出来るので、樹脂密着の際ファイバにかかる歪を小さくする事が可能となり、ファイバの伝送特性を悪化させてしまうことなく高強度プラスチック光ファイバテープを効率よく製造することができるようになった。従って、本発明は産業上に寄与する効果が極めて大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高強度プラスチック光ファイバテープの一例を示す断面図である。
【図2】本発明の高強度プラスチック光ファイバテープの製造方法の一例を示すチャートである。
【図3】特許文献1の高張力プラスチック光ファイバコードの構成を示す横断面図である。
【符号の説明】
1 プラスチック光ファイバ
2 抗張力体(ガラスファイバ)
3 紫外線硬化樹脂
5 高強度プラスチック光ファイバテープ(2心)
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバテープ及びその製造方法に関し、更に詳しくは複数本のプラスチック光ファイバと抗張力体を樹脂によって一括被覆した高強度プラスチック光ファイバテープ及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プラスチック光ファイバは、安価、軽量、柔軟性等の特徴を有しており、照明用途、通信分野等で実用化されている。なお、プラスチック光ファイバとは、プラスチック光ファイバ素線またはプラスチック光ファイバ素線を樹脂で被覆したプラスチック光ファイバコードをいい、被覆用樹脂としてはポリメタクリル酸メチル、ポリオレフィン等の熱可塑性樹脂や、紫外線硬化樹脂等の硬化性樹脂がある。また、プラスチック光ファイバは単体の使用の他、複数本のプラスチック光ファイバをテープ状に加工して用いられている。
従来のプラスチック光ファイバの耐張力の補強に関する文献としては、下記特許文献1の「加工性に優れた高張力プラスチック光ファイバコード」に記載されているが、図3に示すように、クラッド材を施したプラスチック光ファイバ1’の上に、片面にプラスチックフィルムをラミネートしたガラス繊維テープ2c’を補強層として縦添えし、さらに外装シース3’としてポリエチレンを被覆して構成されたものであり、従来の光コードと同等の高張力を保持し、加工性を大幅に向上させ、自動端末加工が可能となることを目的としている。
なお光ファイバテープは、テープ心線となる光ファイバの複数本を整列し、例えばポリエチレンやPVC(ポリ塩化ビニル樹脂)の被覆加工(溶融押し出し)によりテープ状に一体化させたものであり公知である。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−148473
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
プラスチック光ファイバは、例えば0.5mmφのもので、引っ張り強度は2kgfと非常に小さいので、PVC等の被覆加工時の引張り張力により断線してしまうことが有るという問題点があった。なお、光ファイバテープのテープ心線となるプラスチック光ファイバの径を大きくしても引っ張り強度はそれ程上がらない上に光ファイバテープの外形寸法が大きくなってしまうという問題点があった。また、プラスチック光ファイバは熱に弱く、PVC等の被覆加工時に速度が上がって安定するまでは溶けて断線してしまうことが有るという問題点があった。またPVC等の被覆加工時に熱と圧力がファイバにかかることによりファイバの伝送特性を悪化させてしまうという問題点があった。
【0005】
本発明は、上記従来技術が有する各種問題点を解決するためになされたものであり、テープ心線を特別大きくする必要がなく、被覆加工時の引張り張力によりプラスチック光ファイバが断線してしまうことがなく、また被覆加工時の熱によりプラスチック光ファイバが溶けて断線してしまうことがなく、更に伝送特性が良い高強度プラスチック光ファイバテープ及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
第1の観点として本発明は、複数本のプラスチック光ファイバを整列し、樹脂によりテープ状に一体化させた光ファイバテープであって、前記複数本のプラスチック光ファイバの中間部に、抗張力体としてヤング率が6000〜9000 kg/mm2のガラスファイバを配設して整列し、これらの外周を紫外線硬化樹脂によりテープ状に一体化させたことを特徴とする高強度プラスチック光ファイバテープにある。
前記ヤング率が6000〜9000 kg/mm2のガラスファイバとしては、例えば、石英ガラスの外周が紫外線硬化樹脂にて被覆されている石英ガラスファイバを用いることができる。また紫外線硬化樹脂としては、一般的なものを用いることができる。
上記第1観点の高強度プラスチック光ファイバテープでは、テープ心線として用いるプラスチック光ファイバ(ヤング率20〜120kg/mm2)に比べてヤング率が6000〜9000 kg/mm2と大きいガラスファイバを複数本の光ファイバの中間部に配設しているのでプラスチック光ファイバの引っ張り強度を補完することができ、テープ心線を特別大きくすることが不要となり、光ファイバテープの外形寸法をコンパクトにすることができる。なお、ヤング率を6000〜9000 kg/mm2とした理由は、ヤング率がこの範囲の石英ガラスファイバが抗張力体として好ましいためである。
【0007】
第2の観点として本発明は、高強度プラスチック光ファイバテープの製造方法であって、複数本のプラスチック光ファイバの中間部に、抗張力体としてヤング率が6000〜9000 kg/mm2のガラスファイバを配設してニップル(整列具)により整列させ、整列光ファイバ・抗張力体とする光ファイバ・抗張力体整列工程;と、前記整列光ファイバ・抗張力体の外周にダイスにより紫外線硬化樹脂を塗布し、樹脂塗布整列光ファイバ・抗張力体とする紫外線硬化樹脂塗布工程;と、前記樹脂塗布整列光ファイバ・抗張力体に紫外線を照射して紫外線硬化樹脂を硬化させ、テープ状に一体化させる紫外線硬化樹脂硬化工程;と、により高強度プラスチック光ファイバテープとすることを特徴とする高強度プラスチック光ファイバテープの製造方法にある。
上記第2観点の製造方法では前記整列工程、紫外線硬化樹脂塗布工程等において、プラスチック光ファイバ(ヤング率20〜120kg/mm2)に比べてヤング率が大きいガラスファイバ(例えばヤング率6000〜9000 kg/mm2の石英ガラス)を複数本の光ファイバの中間部に配設させることにより、プラスチック光ファイバの引っ張り強度不足をガラスファイバで補完することができ、被覆加工時の引張り張力によりプラスチック光ファイバが断線してしまうことがなくなる。また複数本のプラスチックファイバとガラスファイバを紫外線硬化樹脂にてテープ状に被覆する際の温度は、PVC等の被覆加工時の温度(例えば240℃の溶融押し出し)よりも低い温度、例えば50℃で良いのでプラスチック光ファイバは速度が安定するまでの間に溶けて断線してしまうことがなくなる。また紫外線硬化樹脂硬化工程においては、溶融押し出しと比較して大きな圧力を掛けること無しに紫外線硬化樹脂を密着硬化することが出来るので、光ファイバの伝送特性を悪化させてしまうことなく高強度プラスチック光ファイバテープを効率よく製造することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の内容を、図に示す実施の形態により更に詳細に説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の高強度プラスチック光ファイバテープの一例を示す断面図である。図2は、本発明の高強度プラスチック光ファイバテープの製造方法の一例を示すチャートである。
これらの図において、1はプラスチック光ファイバ、2は抗張力体(ガラスファイバ)、3は紫外線硬化樹脂、5は高強度プラスチック光ファイバテープ(2心)である。
【0009】
−第1の実施の形態−
本発明の高強度プラスチック光ファイバテープの一例について図1を用いて説明する。
本発明の高強度プラスチック光ファイバテープ(2心)5は、複数本(2本)のプラスチック光ファイバ、例えばφ0.5mmのプラスチック光ファイバ1,1と、この複数本(2本)のプラスチック光ファイバ1,1の中間部に抗張力体2として、例えばφ0.125mm石英ガラスに紫外線硬化樹脂を被覆してφ0.25mmとし、ヤング率が7300 kg/mm2の石英ガラスファイバを配設して整列し、これらの外周を紫外線硬化樹脂3にて、テープ状に被覆し一体化させたものである。
【0010】
−第2の実施の形態−
本発明の高強度プラスチック光ファイバテープの製造方法の一例について図2を用いて説明する。
本発明の光ファイバテープの製造方法は、複数本(例えば2本)のプラスチック光ファイバの中間部に、抗張力体としてヤング率が6000〜9000 kg/mm2のガラスファイバを配設してニップル(整列具)により整列させ、整列光ファイバ・抗張力体とする光ファイバ・抗張力体整列工程f1;と、前記整列光ファイバ・抗張力体の外周にダイスにより紫外線硬化樹脂を塗布し、樹脂塗布整列光ファイバ・抗張力体とする紫外線硬化樹脂塗布工程f2;と、前記樹脂塗布整列光ファイバ・抗張力体に紫外線を照射して紫外線硬化樹脂を硬化させ、テープ状に一体化させる紫外線硬化樹脂硬化工程f3;と、により高強度プラスチック光ファイバテープ(例えば2心)とする高強度プラスチック光ファイバテープの製造方法である。
【0011】
−第3の実施の形態−
本発明の製造方法の具体例について図1、2を用いて説明する。
先ず、φ0.5mmのプラスチック光ファイバ1,1の2本とφ0.125mm石英ガラスでφ0.25mm紫外線硬化樹脂付きとした抗張力体2の1本を準備する。
次いで整列工程f1として、ニップル(図示せず)により図1のように2本のプラスチックファイバ1,1の中間部に前記抗張力体2の1本を整列させ整列光ファイバ・抗張力体とする。
次いで紫外線硬化樹脂塗布工程f2として、前記整列光ファイバ・抗張力体の外周にダイス(図示せず)により図1のように紫外線硬化樹脂3を塗布し樹脂塗布整列光ファイバ・抗張力体とする。
次いで紫外線硬化工程f3として、前記樹脂塗布整列光ファイバ・抗張力体に紫外線照射ランプ(図示せず)により紫外線を照射し、ダイス形状(図1)のように紫外線硬化樹脂3を硬化させて高強度プラスチック光ファイバテープ(2心)5を製造した。
【0012】
【発明の効果】
本発明の高強度プラスチック光ファイバテープによれば、テープ心線として用いるプラスチック光ファイバに比べてヤング率が6000〜9000 kg/mm2と大きいガラスファイバを抗張力体に用い、複数本のプラスチック光ファイバの中間部に配設しているのでプラスチック光ファイバの引っ張り強度を補完することができ、テープ心線を特別大きくすることが不要となり、光ファイバテープの外形寸法をコンパクトにすることができるようになった。
また、本発明の高強度プラスチック光ファイバテープの製造方法によれば、光ファイバ・抗張力体整列工程、紫外線硬化樹脂塗布工程等において、プラスチック光ファイバに比べてヤング率が6000〜9000 kg/mm2のガラスファイバを複数本の光ファイバの中間部に整列させることにより、プラスチック光ファイバの引っ張り強度をガラスファイバで補完することができ、被覆加工時の引張り張力によりプラスチック光ファイバが断線してしまうことがなくなった。また複数本のプラスチックファイバとガラスファイバを紫外線硬化樹脂にてテープ状に被覆する際の温度は、PVC等の被覆加工時の温度よりも低い温度で良いのでプラスチック光ファイバは速度が安定するまでの間に溶けて断線してしまうことがなくなった。また紫外線硬化樹脂硬化工程は溶融押し出しと比較して大きな熱と圧力を掛けること無しに紫外線硬化樹脂を密着硬化することが出来るので、樹脂密着の際ファイバにかかる歪を小さくする事が可能となり、ファイバの伝送特性を悪化させてしまうことなく高強度プラスチック光ファイバテープを効率よく製造することができるようになった。従って、本発明は産業上に寄与する効果が極めて大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高強度プラスチック光ファイバテープの一例を示す断面図である。
【図2】本発明の高強度プラスチック光ファイバテープの製造方法の一例を示すチャートである。
【図3】特許文献1の高張力プラスチック光ファイバコードの構成を示す横断面図である。
【符号の説明】
1 プラスチック光ファイバ
2 抗張力体(ガラスファイバ)
3 紫外線硬化樹脂
5 高強度プラスチック光ファイバテープ(2心)
Claims (2)
- 複数本のプラスチック光ファイバを整列し、樹脂によりテープ状に一体化させた光ファイバテープであって、
前記複数本のプラスチック光ファイバの中間部に、抗張力体としてヤング率が6000〜9000 kg/mm2のガラスファイバを配設して整列し、これらの外周を紫外線硬化樹脂によりテープ状に一体化させたことを特徴とする高強度プラスチック光ファイバテープ。 - 請求項1記載の高強度プラスチック光ファイバテープの製造方法であって、複数本のプラスチック光ファイバの中間部に、抗張力体としてヤング率が6000〜9000 kg/mm2のガラスファイバを配設してニップル(整列具)により整列させ、整列光ファイバ・抗張力体とする光ファイバ・抗張力体整列工程;と、前記整列光ファイバ・抗張力体の外周にダイスにより紫外線硬化樹脂を塗布し、樹脂塗布整列光ファイバ・抗張力体とする紫外線硬化樹脂塗布工程;と、前記樹脂塗布整列光ファイバ・抗張力体に紫外線を照射して紫外線硬化樹脂を硬化させ、テープ状に一体化させる紫外線硬化樹脂硬化工程;と、により高強度プラスチック光ファイバテープとすることを特徴とする高強度プラスチック光ファイバテープの製造方法。
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---|---|---|---|
JP2003107770A JP2004317565A (ja) | 2003-04-11 | 2003-04-11 | 高強度プラスチック光ファイバテープ及びその製造方法 |
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JP (1) | JP2004317565A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006208651A (ja) * | 2005-01-27 | 2006-08-10 | Fujikura Ltd | プラスチック光ファイバテープ心線 |
JP2007140116A (ja) * | 2005-11-18 | 2007-06-07 | Fujikura Ltd | プラスチック光ファイバテープ心線 |
JP2007293315A (ja) * | 2006-03-30 | 2007-11-08 | Fujikura Ltd | 光電気複合配線基板及びその結合効率評価方法 |
JP2017219691A (ja) * | 2016-06-07 | 2017-12-14 | 旭硝子株式会社 | プラスチック光ファイバリボン |
-
2003
- 2003-04-11 JP JP2003107770A patent/JP2004317565A/ja active Pending
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Effective date: 20070919 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |