JP2004317108A - スターリング機関 - Google Patents
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- F25B2309/00—Gas cycle refrigeration machines
- F25B2309/001—Gas cycle refrigeration machines with a linear configuration or a linear motor
Abstract
【課題】 ピストンやディスプレーサの位置をケーシング外部から検出することが可能なスターリング冷凍機を提供する。
【解決手段】 スターリング冷凍機は、作動媒体が封入されたケーシングと、ケーシング内部に配置されたシリンダ2と、シリンダ2内に位置しするピストン3およびディスプレーサ4と、ケーシングに板バネ31を介して取付けられた振動吸収用のバランスマス32と、ディスプレーサ4に取付けられた第1の磁石16と、ケーシングの外壁面に配設され、第1の磁石16との距離に応じた第1の信号を出力する第1の磁気センサ17と、バランスマス32に取付けられた第2の磁石33と、ケーシング外部に配置され、第2の磁石33との距離に応じた第2の信号を出力する第2の磁気センサ34とを備える。
【選択図】 図5
【解決手段】 スターリング冷凍機は、作動媒体が封入されたケーシングと、ケーシング内部に配置されたシリンダ2と、シリンダ2内に位置しするピストン3およびディスプレーサ4と、ケーシングに板バネ31を介して取付けられた振動吸収用のバランスマス32と、ディスプレーサ4に取付けられた第1の磁石16と、ケーシングの外壁面に配設され、第1の磁石16との距離に応じた第1の信号を出力する第1の磁気センサ17と、バランスマス32に取付けられた第2の磁石33と、ケーシング外部に配置され、第2の磁石33との距離に応じた第2の信号を出力する第2の磁気センサ34とを備える。
【選択図】 図5
Description
本発明は、スターリング機関に関し、特に、フリーピストン型スターリング機関に関する。
近年、環境問題の見地から、スターリング機関が注目を浴びている。スターリング機関は、外部の熱源を利用して可逆サイクルであるスターリングサイクルを実現する外燃機関であり、ガソリンなどの引火性や着火性に優れた燃料を必要とする内燃機関に比べ、低公害であるという長所を備えた熱機関である。このスターリング機関を応用した装置として、スターリング冷凍機が知られている。
一般に、冷凍機等に使用される冷凍サイクルとしては、蒸気圧縮式の冷凍サイクルが採用される場合が多い。この蒸気圧縮式の冷凍サイクルは、作動媒体としての冷媒にフロン(クロロフルオロカーボン)を用い、フロンの凝縮および蒸発を利用して所望の冷却性能を得るものである。
しかし、冷媒として使用されるフロンは非常に化学的安定性が高く、大気中に放出された場合には、成層圏にまで達してオゾン層を破壊するとの指摘がなされている。このため、近年においては、特定のフロンの使用および生産が規制されており、フロンを用いた蒸気圧縮式の冷凍サイクルに代わる次世代の冷凍サイクルとして、逆スターリングサイクルが鋭意研究されている。
逆スターリングサイクルにおいては、作動媒体としてヘリウムガスや水素ガス、窒素ガスなどを採用することができるため、地球環境に悪影響を及ぼす心配がない。また、逆スターリングサイクルは、小型の装置構成で極低温を発生させることが可能であり、各種冷凍機等への応用が可能である。これらの理由から、逆スターリングサイクルを用いたスターリング冷凍機の実用化が期待されている。
スターリング冷凍機は、作動媒体である冷媒ガスをピストンを用いて圧縮・膨張する圧縮機と、圧縮機から吐出された冷媒ガスをディスプレーサを用いて圧縮・膨張させる膨張機とを組合わせたものである。従来、これら圧縮機と膨張機とは別個に構成されたものが一般的であったが、近年においてはピストンとディスプレーサを同軸上に配置することにより、シリンダを共有化したものが一般化しつつある。さらには、ディスプレーサを直接駆動することなく、ピストンの往復動によって生じる冷媒ガスの圧力変化を受けてディスプレーサがピストンと共振するように構成された、いわゆるフリーピストン型のスターリング冷凍機が一般化しつつある。
ところで、このフリーピストン型スターリング冷凍機においては、ディスプレーサの往復動が作動ガスの圧力変化によって決定されるため、何らかの原因によってピストンおよびディスプレーサが衝突する場合がある。ピストンおよびディスプレーサが衝突する場合としては、ピストンとディスプレーサとが衝突する場合やディスプレーサがシリンダの閉塞端に衝突する場合などがある。ピストンおよびディスプレーサが衝突した場合には、内部構成部品が破損することによってスターリング冷凍機が動作しなくなり、スターリング冷凍機の故障の原因となる。
なお、ピストンおよびディスプレーサが衝突する原因としては、たとえば、スターリング冷凍機の運転開始直後等において、急速冷凍を実現するためにピストンを駆動するリニアモータに過大な入力が加えられた場合や、リニアモータに供給される電源の電圧値に変動が生じた場合、スターリング冷凍機の周囲温度に急激な変化が生じた場合などが挙げられる。
以上のような観点から、ピストンとディスプレーサとの衝突を回避すべく考案されたスターリング冷凍機として、特開2002−213831号公報(特許文献1)に開示のものがある。この特許文献1に開示のスターリング冷凍機は、ピストンを駆動するリニアモータの駆動用コイルの両側であって、ピストンと同期して駆動する環状永久磁石の可動範囲外に配置された位置検知用コイルに誘起される誘導起電力を常時監視し、誘導起電力が基準値以上となった場合に直ちにリニアモータへの入力電圧を降圧するように構成したものである。
一方、フリーピストン型スターリング冷凍機においては、ケーシング内部が完全に密閉されているため、外部からピストンやディスプレーサの動作状態を把握することは極めて困難である。しかしながら、効率よく所望の冷凍性能を得るためにはピストンの動作を適正化する必要があり、外部からピストンやディスプレーサの動作状態を把握することは極めて重要である。
ピストンの動作状態を把握すべく考案されたリニアコンプレッサとしては、特開2002−70734号公報(特許文献2)に開示のものがある。この特許文献2に開示のリニアコンプレッサは、リニアコンプレッサのピストンシャフトに永久磁石を取付け、固定子鉄心の中空円筒部の内壁に磁気センサを取付けてこの磁気センサによって永久磁石の位置を検知し、ピストンの位置を検出する構成としたものである。
また、上記特許文献2と同様に、ピストンの動作状態を把握すべく考案されたガス圧縮膨張機として、特開2000−146339号公報(特許文献3)がある。この特許文献3に開示のガス圧縮膨張機においては、駆動手段によってシリンダ内を往復動するピストンの位置をレーザー変位計にて測定するために、内部に封入された作動ガスを密閉するケーシングの外殻の一部にレーザー光を透過する透明の耐圧ガラスを配置し、この耐圧ガラスを介してレーザー光をピストンに照射するように構成している。
特開2002−213831号公報
特開2002−70734号公報
特開2000−146339号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示のスターリング冷凍機においては、作動ガスが封入されたケーシング内部が非常に高圧であり、しかもケーシング内部に封入された作動ガスには急激な温度変化が生じるため、安定して精度よくピストンの位置を検出することは非常に困難である。また、ディスプレーサの位置を検知することはできないため、ディスプレーサがシリンダの閉塞端に衝突することを事前に回避することもできない。
また、上記特許文献2に開示のリニアコンプレッサをスターリング冷凍機に適用した場合にも、特許文献1に開示のスターリング冷凍機と同様に、ケーシング内部に位置検知部が配置されることになるため、安定して精度よくピストンの位置を検出することは困難となる。また、ディスプレーサの位置を検知することはできないため、ディスプレーサがシリンダの閉塞端に衝突することを事前に回避することもできない。
また、上記特許文献3に開示のガス圧縮膨張機においては、ピストンの位置検出をレーザー変位計で行うため、ケーシングの一部を耐圧ガラスで形成する必要があり、ケーシングの構造が複雑化する問題がある。また、ディスプレーサが位置するシリンダの閉塞端には吸熱部が位置しているため、この部分にレーザー変位計を取り付けることは実質的に不可能であり、ディスプレーサの位置を検出することができない。このため、ディスプレーサがシリンダの閉塞端に衝突することを事前に回避することができない。
なお、上記特許文献3には、レーザー変位計に代えて磁気センサやMRセンサを適用する旨の記載はあるが、具体的にどのような構成とし、どのようにピストンの位置検出を行うかについての詳細な記載はない。
以上においては、スターリング機関の応用例としてスターリング冷凍機に着目して説明を行なってきたが、これらの問題点はスターリング冷凍機に限られるものではなく、外燃機関としての一般的なスターリング機関においても非常に重要な問題である。すなわち、外燃機関としてのスターリング機関においても、ピストンおよびディスプレーサが衝突しない範囲内で最大の出力を得ようとした場合には、ピストンおよびディスプレーサの位置を外部から検出することが非常に重要となる。
したがって、本発明は、上述の問題点を解決すべくなされたものであり、ピストンやディスプレーサの位置をケーシング外部から検出することが可能なスターリング機関を提供することを目的とする。
また、ピストンやディスプレーサの位置をケーシング外部から検出することにより、これらが衝突することを安定して精度よく回避することが可能なスターリング機関を提供することを目的とする。
さらには、ピストンおよびディスプレーサの衝突回避範囲内において最大出力運転が可能なスターリング機関を提供することを目的とする。
本発明の第1の局面に基づくスターリング機関は、ケーシングと、シリンダと、ピストンと、ディスプレーサとを備えている。ケーシングには作動ガスが封入されており、その内部にはシリンダが配置されている。ピストンおよびディスプレーサは、このシリンダ内に位置している。ピストンは、駆動手段によって駆動されてシリンダ内を往復動する。ディスプレーサは、ピストンが往復動することによって生ずる力を受けてピストンと位相差をもって往復動する。ディスプレーサには磁石が取付けられており、ケーシングの外壁面には磁気センサが配設されている。この磁気センサは、磁石との距離に応じた信号を出力する。
このように構成することにより、ディスプレーサの位置をスターリング機関の外部から精度よく検出することが可能になり、ディスプレーサの動作状態を正確に把握することが可能になる。
上記本発明の第1の局面に基づくスターリング機関にあっては、磁気センサがディスプレーサに取付けられた磁石の往復動方向の延長線上に位置していることが好ましい。このように構成することにより、磁気センサで検知した磁束密度からディスプレーサの位置を容易に特定することができるようになる。
上記本発明の第1の局面に基づくスターリング機関にあっては、磁気センサから出力される信号に基づいてピストンの動作を制御する制御手段をさらに備えていることが好ましい。このように構成することにより、磁気センサによって検出された位置情報からディスプレーサがピストンに衝突するかどうかの判断が容易に行なえるようになるため、制御手段を用いてピストンの動作を制御することによって精度よくこれらの衝突を回避することが可能になる。また、制御手段を用いてピストンの動作を制御することにより、衝突回避範囲内における最大出力運転が実現可能となるため、高効率のスターリング機関を提供することが可能になる。
上記本発明の第1の局面に基づくスターリング機関にあっては、上述の制御手段が、駆動手段へ供給される電力の電圧を制御する電圧制御手段であることが好ましい。このように、ピストンの動作を制御する制御手段として電圧制御手段を用いることにより、ピストンのストロークを自在に調整することが可能になるため、精度よく衝突を回避することが可能になる。また、衝突回避範囲内における最大出力運転も容易に実現されるようになる。
本発明の第2の局面に基づくスターリング機関は、ケーシングと、シリンダと、ピストンと、ディスプレーサと、バランスマスとを備えている。ケーシングには作動ガスが封入されており、その内部にはシリンダが配置されている。ピストンおよびディスプレーサは、このシリンダ内に位置している。ピストンは、駆動手段によって駆動されてシリンダ内を往復動する。ディスプレーサは、ピストンが往復動することによって生ずる力を受けてピストンと位相差をもって往復動する。バランスマスは、ケーシングに弾性部材を介して取付けられており、ピストンおよびディスプレーサが往復動することによって生ずるケーシングの振動を吸収する。バランスマスには磁石が取付けられており、ケーシングの外部には磁気センサが配置されている。この磁気センサは、磁石との距離に応じた信号を出力する。
ピストンが往復動することによって生じるケーシングの振動はバランスマスによって吸収される。また、ケーシングに生じる振動は、ピストンの往復運動に大きく依存する。このため、バランスマスの運動状態を検出することにより、ピストンの動作状態を推定することが可能となる。このため、上述の構成とすることにより、ピストンの位置をスターリング機関の外部から検出することが可能になり、ピストンの動作状態を把握することが可能になる。
上記本発明の第2の局面に基づくスターリング機関にあっては、磁気センサがバランスマスに取付けられた磁石の往復動方向の延長線上に位置していることが好ましい。このように構成することにより、磁気センサで検知した磁束密度からバランスマスの位置を容易に検出することが可能になり、ピストンの位置を比較的簡単に特定できるようになる。
上記本発明の第2の局面に基づくスターリング機関にあっては、磁気センサから出力される信号に基づいてピストンの動作を制御する制御手段をさらに備えていることが好ましい。このように構成することにより、ピストンが所定の振幅を超えて往復動している場合に制御手段を用いてピストンの振幅を小さく抑えることにより、未然に衝突を防止することが可能になる。また、制御手段を用いてピストンの動作を制御することにより、衝突回避範囲内における最大出力運転が実現可能となるため、高効率のスターリング機関を提供することが可能になる。
上記本発明の第2の局面に基づくスターリング機関にあっては、上述の制御手段が、駆動手段へ供給される電力の電圧を制御する電圧制御手段であることが好ましい。このように、ピストンの動作を制御する制御手段として電圧制御手段を用いることにより、ピストンのストロークを自在に調整することが可能になるため、精度よく衝突を回避することが可能になる。また、衝突回避範囲内における最大出力運転も容易に実現されるようになる。
本発明の第3の局面に基づくスターリング機関は、ケーシングと、シリンダと、ピストンと、ディスプレーサと、バランスマスとを備えている。ケーシングには作動ガスが封入されており、その内部にはシリンダが配置されている。ピストンおよびディスプレーサは、このシリンダ内に位置している。ピストンは、駆動手段によって駆動されてシリンダ内を往復動する。ディスプレーサは、ピストンが往復動することによって生ずる力を受けてピストンと位相差をもって往復動する。バランスマスは、ケーシングに弾性部材を介して取付けられており、ピストンおよびディスプレーサが往復動することによって生ずるケーシングの振動を吸収する。ディスプレーサには第1の磁石が取付けられており、ケーシングの外壁面には第1の磁気センサが配設されている。この第1の磁気センサは、第1の磁石との距離に応じた第1の信号を出力する。バランスマスには第2の磁石が取付けられており、ケーシングの外部には第2の磁気センサが配置されている。この第2の磁気センサは、第2の磁石との距離に応じた第2の信号を出力する。
このように構成することにより、ディスプレーサとピストンの双方の位置をスターリング機関の外部から精度よく検出することが可能になり、ディスプレーサおよびピストンの動作状態を正確に把握することが可能になる。
上記本発明の第3の局面に基づくスターリング機関にあっては、第1の信号と第2の信号とに基づいてピストンの動作を制御する制御手段をさらに備えていることが好ましい。このように構成することにより、第1および第2の磁気センサによってピストンおよびディスプレーサの相対的な位置関係が検出可能であるため、この位置情報からディスプレーサがピストンに衝突するかどうかの判断が確実に行なえるようになる。このため、この位置情報に基づいてピストンの動作を制御することにより、確実にディスプレーサとピストンとが衝突することを防止することができるようになる。また、制御手段を用いてピストンの動作を制御することにより、衝突回避範囲内における最大出力運転が実現可能となるため、高効率のスターリング機関を提供することが可能になる。
本発明の第4の局面に基づくスターリング機関は、ケーシングと、シリンダと、ピストンと、ディスプレーサとを備えている。ケーシングには作動ガスが封入されており、その内部にはシリンダが配置されている。ピストンおよびディスプレーサは、このシリンダ内に位置している。ピストンは、リニアモータによって駆動されてシリンダ内を往復動する。ディスプレーサは、ピストンが往復動することによって生ずる力を受けてピストンと位相差をもって往復動する。ピストンに取付けられたマグネットホルダには、リニアモータの磁気回路を構成する磁石が固着されており、ケーシングの外壁面には磁気センサが配設されている。この磁気センサは、ピストンの往復動に伴って生じる磁気回路の変化を検出し、ピストンに取付けられた磁石との距離に応じた信号を出力する。
このように構成することにより、ピストンの位置をスターリング機関の外部から検出することが可能になり、ピストンの動作状態を把握することが可能になる。
本発明の第5の局面に基づくスターリング機関は、ケーシングと、シリンダと、ピストンと、ディスプレーサとを備えている。ケーシングには作動ガスが封入されており、その内部にはシリンダが配置されている。ピストンおよびディスプレーサは、このシリンダ内に位置している。ピストンは、リニアモータによって駆動されてシリンダ内を往復動する。ディスプレーサは、ピストンが往復動することによって生ずる力を受けてピストンと位相差をもって往復動する。ピストンに取付けられたマグネットホルダには、リニアモータの磁気回路を構成する磁石が固着されている。マグネットホルダには、さらに上記リニアモータの磁気回路を構成する磁石とは別に位置検出用の磁石が固着されている。また、ケーシングの外壁面には磁気センサが配設されている。この磁気センサは、上記位置検出用の磁石との距離に応じた信号を出力する。
このように構成することにより、ピストンの位置をスターリング機関の外部から検出することが可能になり、ピストンの動作状態を把握することが可能になる。
上記本発明の第4および第5の局面に基づくスターリング機関にあっては、磁気センサから出力される信号に基づいて、ピストンの動作を制御する制御手段をさらに備えていることが好ましい。このように構成することにより、磁気センサによって検出された位置情報からピストンがディスプレーサに衝突するかどうかの判断が容易に行えるようになるため、制御手段を用いてピストンの動作を制御することによって制度よくこれらの衝突を回避することが可能になる。また、制御手段を用いてピストンの動作を制御することにより、衝突回避範囲内における最大出力運転が実現可能となるため、高効率のスターリング機関を提供することが可能になる。
上記本発明の第4および第5の局面に基づくスターリング機関にあっては、上述の制御手段が、リニアモータへ供給される電力の電圧を制御する電圧制御手段であることが好ましい。このように、ピストンの動作を制御する制御手段として電圧制御手段を用いることにより、ピストンのストロークを自在に調整することが可能になるため、精度よく衝突を回避することが可能になる。また、衝突回避範囲内における最大出力運転も容易に実現されるようになる。
本発明によれば、ピストンやディスプレーサの位置をケーシング外部から検出することが可能なスターリング機関を提供することが可能になる。
また、ピストンやディスプレーサの位置をケーシング外部から検出することにより、これらが衝突することを安定して精度よく回避することが可能なスターリング機関を提供することが可能になる。
さらには、ピストンおよびディスプレーサの衝突回避範囲内において最大出力運転が可能なスターリング機関を提供することが可能になる。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して説明する。なお、以下に示す実施の形態においては、スターリング機関の応用例であるスターリング冷凍機を例示して説明を行なう。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるスターリング冷凍機の構造および機能ブロックを示す模式図である。また、図2は、本発明の実施の形態1におけるスターリング冷凍機の制御フローを示すフローチャートである。
図1は、本発明の実施の形態1におけるスターリング冷凍機の構造および機能ブロックを示す模式図である。また、図2は、本発明の実施の形態1におけるスターリング冷凍機の制御フローを示すフローチャートである。
(スターリング冷凍機の構成)
まず、図1を参照して本発明の実施の形態1におけるスターリング冷凍機の構成について説明する。図1に示すように、スターリング冷凍機1Aは、ヘリウムガスや水素ガス、窒素ガスなどの作動ガスが作動媒体として内部に充填されたケーシングを有している。ここで言うスターリング冷凍機のケーシングは、作動ガスを内部に密閉するすべての部材を含むものであり、後述する圧縮室や膨張室、背圧室、さらにはこれらを連通する流路からなる作動空間を覆う部材を言う。すなわち、図1に示すスターリング冷凍機1Aのケーシングは、ベッセル10のみならず、放熱部(ウォームヘッド)8や吸熱部(コールドヘッド)9などを含むものである。なお、ケーシングの内部には、作動ガスが充填されたシリンダ2が配置されている。
まず、図1を参照して本発明の実施の形態1におけるスターリング冷凍機の構成について説明する。図1に示すように、スターリング冷凍機1Aは、ヘリウムガスや水素ガス、窒素ガスなどの作動ガスが作動媒体として内部に充填されたケーシングを有している。ここで言うスターリング冷凍機のケーシングは、作動ガスを内部に密閉するすべての部材を含むものであり、後述する圧縮室や膨張室、背圧室、さらにはこれらを連通する流路からなる作動空間を覆う部材を言う。すなわち、図1に示すスターリング冷凍機1Aのケーシングは、ベッセル10のみならず、放熱部(ウォームヘッド)8や吸熱部(コールドヘッド)9などを含むものである。なお、ケーシングの内部には、作動ガスが充填されたシリンダ2が配置されている。
シリンダ2内には、ピストン3およびディスプレーサ4が同軸上に嵌装されて位置している。これらピストン3およびディスプレーサ4によってシリンダ2内の作動空間が圧縮室6と膨張室7とに区画されている。圧縮室6は、放熱部(ウォームヘッド)8によって覆われている。一方、膨張室7は、吸熱部(コールドヘッド)9によって覆われている。なお、ピストン3から見てディスプレーサ4とは反対側の空間には、ベッセル10によって囲まれた背圧室15が位置している。
シリンダ2の外側に位置する背圧室15には、駆動手段であるリニアモータ20が配置されている。リニアモータ20は、ピストン3に取付けられたマグネットホルダ19に固着された磁石21と、この磁石21を挟み込むように位置するインナーヨーク22aおよびアウターヨーク22bと、電源に接続されたコイル23とから構成される。このコイル23に外部の電源から電力が供給されることにより、リニアモータ20が作動し、シリンダ2内の軸方向にピストン3が駆動することになる。なお、上記磁石21としては、たとえば永久磁石が用いられる。
ピストン3は、リニアモータ20によって駆動されるが、板バネ12によってケーシングに固定されているため、シリンダ2内を周期的に往復動することになる。また、ディスプレーサ4は、ピストン3が往復動することによって生ずるガス圧の変化を受けてシリンダ2内を往復動するが、ディスプレーサロッド14および板バネ13を介してケーシングに固定されているため、周期的に往復動することになる。このピストン3の往復動とディスプレーサ4の往復動とは、定常運転時において一定の位相差をもって同じ周期で行なわれる。
圧縮室6と膨張室7との間には再生器5が配設されており、この再生器5を介してこれら両室が連通することにより、スターリング冷凍機1A内に閉回路が構成されている。この閉回路内に封入された作動ガスが、ピストン3およびディスプレーサ4の動作に合わせて流動することにより、逆スターリングサイクルが実現する。
(スターリング冷凍機の動作)
次に、上記構成のスターリング冷凍機の動作について説明する。まず、リニアモータ20を作動させ、ピストン3を駆動する。リニアモータ20によって駆動されたピストン3は、ディスプレーサ4に接近し、圧縮室6内の作動ガスを圧縮する。これにより、圧縮室6内の作動ガス温度は上昇するが、放熱部8によってこの圧縮室6内に発生した熱が外部へと放出されるため、圧縮室6内の作動ガス温度はほぼ等温に維持される。すなわち、本過程は、逆スターリングサイクルにおける等温圧縮過程に相当する。
次に、上記構成のスターリング冷凍機の動作について説明する。まず、リニアモータ20を作動させ、ピストン3を駆動する。リニアモータ20によって駆動されたピストン3は、ディスプレーサ4に接近し、圧縮室6内の作動ガスを圧縮する。これにより、圧縮室6内の作動ガス温度は上昇するが、放熱部8によってこの圧縮室6内に発生した熱が外部へと放出されるため、圧縮室6内の作動ガス温度はほぼ等温に維持される。すなわち、本過程は、逆スターリングサイクルにおける等温圧縮過程に相当する。
次に、ピストン3によって圧縮室6内において圧縮された作動ガスは、その圧力により再生器5内に流入し、さらに膨張室7へと送られる。その際、作動ガスの持つ熱が再生器5に蓄熱される。すなわち、本過程は、逆スターリングサイクルの等容冷却過程に相当する。
つづいて、膨張室7内に流入した高圧の作動ガスは、ディスプレーサ4がピストン3側へ下がることにより、膨張する。これにより、膨張室7内の作動ガス温度は下降するが、吸熱部9によって外部の熱が膨張室7内へと伝熱されるため、膨張室7内はほぼ等温に保たれる。すなわち、本過程は、逆スターリングサイクルの等温膨張過程に相当する。
やがて、ディスプレーサ4がピストン3から遠ざかる方向に上昇し始めることにより、膨張室7内の作動ガスは再生器5を通過して、再び圧縮室6側へと戻る。その際、再生器5に蓄熱されていた熱が作動ガスに与えられるため、作動ガスは昇温する。すなわち、本過程は、逆スターリングサイクルの等容加熱過程に相当する。
この一連の過程(等温圧縮過程−等容冷却過程−等温膨張過程−等容加熱過程)が繰り返されることにより、逆スターリングサイクルが構成される。この結果、吸熱部9は徐々に低温になり、極低温を有するに至る。
(ディスプレーサの位置検出機構)
次に、本実施の形態におけるスターリング冷凍機のディスプレーサの位置検出機構について説明する。図1に示すように、スターリング冷凍機1Aのディスプレーサ4には、磁石16が取付けられている。この磁石16としては、たとえば永久磁石を利用することが可能である。磁石16はディスプレーサ4の吸熱部9に対向する面側に取付けられており、作動ガスの流動を阻害することがないようにディスプレーサ4に埋設されている。
次に、本実施の形態におけるスターリング冷凍機のディスプレーサの位置検出機構について説明する。図1に示すように、スターリング冷凍機1Aのディスプレーサ4には、磁石16が取付けられている。この磁石16としては、たとえば永久磁石を利用することが可能である。磁石16はディスプレーサ4の吸熱部9に対向する面側に取付けられており、作動ガスの流動を阻害することがないようにディスプレーサ4に埋設されている。
ケーシングを構成する吸熱部9の外壁面には、磁気センサ17が配設されている。磁気センサ17は、上述の磁石16との距離を検知するものであり、たとえば磁束密度を検知することによって磁石16との距離を検出するセンサである。図1に示すように、磁気センサ17がディスプレーサ4に取付けられた磁石16の往復動方向の延長線上に位置するように配置した場合には、磁石16との間の距離を磁束密度から容易に特定できるようになる。
このようなディスプレーサの位置検出機構を設けることにより、シリンダ内におけるディスプレーサの位置をスターリング機関の外部から精度よく検出することが可能になり、ディスプレーサの動作状態を正確に把握することが可能になる。ケーシング内部にセンサを配置した場合には、圧力や温度の影響を受け易く、検出精度に欠けるおそれがあるが、本構成のようにケーシング外部にセンサを配置することにより、精度よく位置情報を検出することが可能になる。
また、この位置データをクロック回路によって生成された時間データと対応付けることにより、ディスプレーサ4の位置や振幅のみならず、振幅周期をも検出することが可能になる。すなわち、時々刻々と変化するディスプレーサの動作状況を精度よく検出することが可能になる。
ディスプレーサの動作状態を正確に把握することが可能になれば、設計・試作時においては、より高性能で高信頼性のスターリング冷凍機を製作するためのデータ取りに大変役立つ。また、製品の製造時においては、製品の性能検査に大いに役立つようになる。さらに、製品出荷後の使用時においては、後述するピストンの動作制御機構と組合わせることにより、ピストンとディスプレーサとが衝突することを未然に防止することが可能になる。このように、本位置検出機構を設けることによって得られる効果は、非常に大きいものである。
(ピストンの動作制御機構)
次に、本実施の形態におけるスターリング冷凍機のピストンの動作制御機構について説明する。図1において磁気センサ17は、スターリング冷凍機1Aの動作を制御する制御マイクロコンピュータ24に信号を出力する。磁気センサ17は、検出した磁束密度に対応して異なるレベルの信号を制御マイクロコンピュータ24に出力するため、制御マイクロコンピュータ24内においてこの信号をもとに演算処理を行うことにより、磁石16の位置が検出され、結果としてディスプレーサ4の位置が特定される。
次に、本実施の形態におけるスターリング冷凍機のピストンの動作制御機構について説明する。図1において磁気センサ17は、スターリング冷凍機1Aの動作を制御する制御マイクロコンピュータ24に信号を出力する。磁気センサ17は、検出した磁束密度に対応して異なるレベルの信号を制御マイクロコンピュータ24に出力するため、制御マイクロコンピュータ24内においてこの信号をもとに演算処理を行うことにより、磁石16の位置が検出され、結果としてディスプレーサ4の位置が特定される。
制御マイクロコンピュータ24は、インバータ電源回路40からリニアモータ20に出力される電力を制御する電源制御部25を含んでいる。この電源制御部25は、ピストン3の動作を制御する制御手段に相当する。たとえば、インバータ電源回路40から出力される電力の電圧値を調整することにより、ピストン3の振幅を制御したり、インバータ電源回路40から出力される電力の周波数を調整することにより、ピストン3の振幅周期を制御したりするものである。
制御マイクロコンピュータ24は、上述の磁気センサ17によって検出されたディスプレーサ4の位置情報をもとに電源制御部25に指令を導出し、リニアモータ20を制御してピストン3の動作を制御する。
(制御フロー)
次に、図2を参照して、電源制御部として、インバータ電源回路からリニアモータに出力される電力の電圧を制御する電圧制御手段を採用した場合のスターリング冷凍機の制御フローの一例について説明する。
次に、図2を参照して、電源制御部として、インバータ電源回路からリニアモータに出力される電力の電圧を制御する電圧制御手段を採用した場合のスターリング冷凍機の制御フローの一例について説明する。
図2に示すように、ステップ1(S1)において、インバータ電源回路40からリニアモータ20へ出力される電力の電圧VEを所定量δ1だけ昇圧する。次に、ステップ2(S2)において、ディスプレーサ4の振幅Xdを検知する。次に、ステップ3(S3)において、ディスプレーサ4の振幅Xdが予め決められた基準値以下かどうか判断する。もし、ディスプレーサ4の振幅Xdが基準値以下である場合にはステップ1に戻る。もし、ディスプレーサ4の振幅Xdが基準値よりも大きい場合にはステップ4(S4)に進み、インバータ電源回路40からリニアモータ20へ出力される電力の電圧VEを所定量δ2だけ降圧し、ステップ2に戻る。
ここで、昇圧または降圧する電圧δ1およびδ2を小さく(たとえば、数十mVから数V程度)とすることにより、ピストンとディスプレーサが衝突しない範囲内において徐々にリニアモータへの入力を増加させることが可能になるため、衝突回避範囲内における最大出力運転が可能になる。
(作用・効果)
以上において説明したように、本実施の形態の如くのスターリング冷凍機とすることにより、ディスプレーサの位置を装置外部から精度よく検出することが可能になり、ディスプレーサの動作状態を正確に把握することが可能になるとともに、精度よくピストンとディスプレーサが衝突することを回避することができるようになる。また、衝突回避範囲内における最大出力運転も容易に実現されるようになる。このため、高信頼性で高性能のスターリング冷凍機を提供することが可能になる。
以上において説明したように、本実施の形態の如くのスターリング冷凍機とすることにより、ディスプレーサの位置を装置外部から精度よく検出することが可能になり、ディスプレーサの動作状態を正確に把握することが可能になるとともに、精度よくピストンとディスプレーサが衝突することを回避することができるようになる。また、衝突回避範囲内における最大出力運転も容易に実現されるようになる。このため、高信頼性で高性能のスターリング冷凍機を提供することが可能になる。
(実施例)
本実施例は、上述の実施の形態1の構成のスターリング冷凍機を実際に製作する場合の一例を示すものである。
本実施例は、上述の実施の形態1の構成のスターリング冷凍機を実際に製作する場合の一例を示すものである。
たとえば、出力200Wのスターリング冷凍機をピストンの最大振幅が8mmとなるような運転条件にて動作させる場合を考える。図1において、ディスプレーサ4に取付けられる磁石16をNd−Fe−B系永久磁石とし、磁気センサ17としてGaAsやInSbなどの化合物半導体を用いたホール素子とする。また、第1の磁石16の大きさは、直径5mm、厚さ1mmとする。
このように構成した場合には、ディスプレーサ4が吸熱部9に最も近付いた状態において、第1の磁気センサ17のセンシング面における磁束密度は20mT程度となり、ディスプレーサ4が吸熱部9から最も遠ざかった状態における磁束密度は5mT程度となる。この約5mTから約20mT程度の磁束密度はホール素子を用いて充分に検知できるため、本構成の如くのスターリング冷凍機1Aとすることにより、外部からディスプレーサ4の位置を正確に検出することが可能であることがわかる。
(実施の形態2)
図3は、本発明の実施の形態2におけるスターリング冷凍機の構造を示す模式断面図である。また、図4は、本発明の実施の形態2におけるスターリング冷凍機の制御フローを示すフローチャートである。なお、上述の実施の形態1と同様の部分については図中同一の符号を付し、その説明はここでは繰り返さない。
図3は、本発明の実施の形態2におけるスターリング冷凍機の構造を示す模式断面図である。また、図4は、本発明の実施の形態2におけるスターリング冷凍機の制御フローを示すフローチャートである。なお、上述の実施の形態1と同様の部分については図中同一の符号を付し、その説明はここでは繰り返さない。
(スターリング冷凍機の構成)
図3に示すように、本実施の形態におけるスターリング冷凍機1Bは、ケーシングを構成するベッセル10に弾性部材である板バネ31を介して接続されたバランスマス32を備えている。バランスマス32は、ピストン3やディスプレーサ4が往復動することによって生じるケーシングの振動を吸収する質量部材である。具体的には、ピストン3やディスプレーサ4が振動することによってケーシングに振動が生じた場合に、このケーシングの振動に対して追従するようにバランスマスが振動することにより、装置の振動が低減されるとともに騒音の発生も大幅に抑制されるようになる。
図3に示すように、本実施の形態におけるスターリング冷凍機1Bは、ケーシングを構成するベッセル10に弾性部材である板バネ31を介して接続されたバランスマス32を備えている。バランスマス32は、ピストン3やディスプレーサ4が往復動することによって生じるケーシングの振動を吸収する質量部材である。具体的には、ピストン3やディスプレーサ4が振動することによってケーシングに振動が生じた場合に、このケーシングの振動に対して追従するようにバランスマスが振動することにより、装置の振動が低減されるとともに騒音の発生も大幅に抑制されるようになる。
(ピストンの位置検出機構)
次に、本実施の形態におけるスターリング冷凍機のピストンの位置検出機構について説明する。図3に示すように、バランスマス32の所定位置には、磁石33が取付けられている。この磁石33としては、たとえば永久磁石が利用可能である。スターリング冷凍機1Bのケーシング外部のバランスマス32と対向する位置には、磁気センサ34が配置されている。磁気センサ34は、上述の磁石33との距離を検知するものであり、たとえば磁束密度を検知するセンサである。図3に示すように、磁気センサ34がバランスマス32に取付けられた磁石33の往復動方向の延長線上に位置するように配置した場合には、磁石33との間の距離を磁束密度から容易に特定できるようになる。
次に、本実施の形態におけるスターリング冷凍機のピストンの位置検出機構について説明する。図3に示すように、バランスマス32の所定位置には、磁石33が取付けられている。この磁石33としては、たとえば永久磁石が利用可能である。スターリング冷凍機1Bのケーシング外部のバランスマス32と対向する位置には、磁気センサ34が配置されている。磁気センサ34は、上述の磁石33との距離を検知するものであり、たとえば磁束密度を検知するセンサである。図3に示すように、磁気センサ34がバランスマス32に取付けられた磁石33の往復動方向の延長線上に位置するように配置した場合には、磁石33との間の距離を磁束密度から容易に特定できるようになる。
上述のようにピストン3が往復動することによって生じるケーシングの振動はバランスマス32によって吸収される。また、ケーシングに生じる振動は、ピストン3の往復運動に大きく依存する。このため、バランスマス32の運動状態を検出することにより、ピストン3の動作状態を推定することが可能となる。本実施の形態のスターリング冷凍機1Bにおいては、磁石33の位置を磁気センサ34を用いて検出することにより、バランスマス32の振動状態が検出されるため、ピストン3の動作状態を推定することが可能である。
このようなピストンの位置検出機構を設けることにより、シリンダ内におけるピストンの位置をスターリング機関の外部から検出することが可能になり、ピストンの動作状態を把握することが可能になる。ピストンの動作状態を把握することが可能になれば、設計・試作時においては、より高性能で高信頼性のスターリング冷凍機を製作するためのデータ取りに大変役立つ。また、製品の製造時においては、製品の性能検査に大いに役立つようになる。さらに、製品出荷後の使用時においては、後述するピストンの動作制御機構と組合わせることにより、ピストンとディスプレーサとが衝突することを未然に防止することが可能になる。このように、本位置検出機構を設けることによって得られる効果は、非常に大きいものである。
(ピストンの動作制御機構)
次に、本実施の形態におけるスターリング冷凍機のピストンの動作制御機構について説明する。図3において磁気センサ34は、スターリング冷凍機1Bの動作を制御する制御マイクロコンピュータ24に信号を出力する。磁気センサ34は、検出した磁束密度に対応して異なるレベルの信号を制御マイクロコンピュータ24に出力するため、制御マイクロコンピュータ24内においてこの信号をもとに演算処理を行うことにより、磁石33の位置が検出され、結果としてピストン3の位置が特定される。
次に、本実施の形態におけるスターリング冷凍機のピストンの動作制御機構について説明する。図3において磁気センサ34は、スターリング冷凍機1Bの動作を制御する制御マイクロコンピュータ24に信号を出力する。磁気センサ34は、検出した磁束密度に対応して異なるレベルの信号を制御マイクロコンピュータ24に出力するため、制御マイクロコンピュータ24内においてこの信号をもとに演算処理を行うことにより、磁石33の位置が検出され、結果としてピストン3の位置が特定される。
制御マイクロコンピュータ24は、インバータ電源回路40からリニアモータ20に出力される電力を制御する電源制御部25を含んでいる。この電源制御部25は、ピストン3の動作を制御する制御手段に相当する。たとえば、インバータ電源回路40から出力される電力の電圧値を調整することにより、ピストン3の振幅を制御したり、インバータ電源回路40から出力される電力の周波数を調整することにより、ピストン3の周期を制御したりするものである。
制御マイクロコンピュータ24は、上述の磁気センサ34によって検出されたピストン3の位置情報をもとに電源制御部25に指令を導出し、リニアモータ20を制御してピストン3の動作を制御する。
(制御フロー)
次に、図4を参照して、電源制御部として、インバータ電源回路からリニアモータに出力される電力の電圧を制御する電圧制御手段を採用した場合のスターリング冷凍機の制御フローの一例について説明する。
次に、図4を参照して、電源制御部として、インバータ電源回路からリニアモータに出力される電力の電圧を制御する電圧制御手段を採用した場合のスターリング冷凍機の制御フローの一例について説明する。
図4に示すように、ステップ1(S1)において、インバータ電源回路40からリニアモータ20へ出力される電力の電圧VEを所定量δ1だけ昇圧する。次に、ステップ2(S2)において、ピストン3の振幅Xpを検知する。次に、ステップ3(S3)において、ピストン3の振幅Xpが予め決められた基準値以下かどうか判断する。もし、ピストン3の振幅Xpが基準値以下である場合にはステップ1に戻る。もし、ピストン3の振幅Xpが基準値よりも大きい場合にはステップ4(S4)に進み、インバータ電源回路40からリニアモータ20へ出力される電力の電圧VEを所定量δ2だけ降圧し、ステップ2に戻る。
ここで、昇圧または降圧する電圧δ1およびδ2を小さく(たとえば、数十mVから数V程度)とすることにより、ピストンとディスプレーサが衝突しない範囲内において徐々にリニアモータへの入力を増加させることが可能になるため、衝突回避範囲内における最大出力運転が可能になる。
(作用・効果)
以上において説明したように、本実施の形態の如くのスターリング冷凍機とすることにより、ピストンの位置を装置外部から検出することが可能になり、ピストンの動作状態を把握することが可能になるとともに、精度よくピストンとディスプレーサが衝突することを回避することができるようになる。また、衝突回避範囲内における最大出力運転も容易に実現されるようになる。このため、高信頼性で高性能のスターリング冷凍機を提供することが可能になる。
以上において説明したように、本実施の形態の如くのスターリング冷凍機とすることにより、ピストンの位置を装置外部から検出することが可能になり、ピストンの動作状態を把握することが可能になるとともに、精度よくピストンとディスプレーサが衝突することを回避することができるようになる。また、衝突回避範囲内における最大出力運転も容易に実現されるようになる。このため、高信頼性で高性能のスターリング冷凍機を提供することが可能になる。
(実施の形態3)
図5は、本発明の実施の形態3におけるスターリング冷凍機の構造および機能ブロックを示す模式図である。また、図6は、本発明の実施の形態3におけるスターリング冷凍機の制御フローを示すフローチャートである。なお、上述の実施の形態1および2と同様の部分については図中同一の符号を付し、その説明はここでは繰り返さない。
図5は、本発明の実施の形態3におけるスターリング冷凍機の構造および機能ブロックを示す模式図である。また、図6は、本発明の実施の形態3におけるスターリング冷凍機の制御フローを示すフローチャートである。なお、上述の実施の形態1および2と同様の部分については図中同一の符号を付し、その説明はここでは繰り返さない。
(スターリング冷凍機の構成)
図5に示すように、本実施の形態におけるスターリング冷凍機1Cは、上述の実施の形態1において示したディスプレーサの位置検出機構と、上述の実施の形態2において示したピストンの位置検出機構の双方を備えた構成となっている。具体的には、ディスプレーサ4に取付けられた第1の磁石16と、ケーシングの外壁面に配置され、第1の磁石16との距離を検知する第1の磁気センサ17と、バランスマス32に取付けられた第2の磁石33と、ケーシングの外部に配置され、第2の磁石33との距離を検知する第2の磁気センサ34とを備えている。
図5に示すように、本実施の形態におけるスターリング冷凍機1Cは、上述の実施の形態1において示したディスプレーサの位置検出機構と、上述の実施の形態2において示したピストンの位置検出機構の双方を備えた構成となっている。具体的には、ディスプレーサ4に取付けられた第1の磁石16と、ケーシングの外壁面に配置され、第1の磁石16との距離を検知する第1の磁気センサ17と、バランスマス32に取付けられた第2の磁石33と、ケーシングの外部に配置され、第2の磁石33との距離を検知する第2の磁気センサ34とを備えている。
第1の磁気センサ17および第2の磁気センサ34から出力された第1の信号および第2の信号は、制御マイクロコンピュータ24へと出力され、この入力に基づいてインバータ電源回路40からリニアモータ20に出力される電力を電源制御部25が調整し、ピストン3の動作が制御される。
(制御フロー)
次に、図6を参照して、電源制御部として、インバータ電源回路からリニアモータに出力される電力の電圧を制御する電圧制御手段を採用した場合のスターリング冷凍機の制御フローの一例について説明する。
次に、図6を参照して、電源制御部として、インバータ電源回路からリニアモータに出力される電力の電圧を制御する電圧制御手段を採用した場合のスターリング冷凍機の制御フローの一例について説明する。
図6に示すように、ステップ1(S1)において、インバータ電源回路40からリニアモータ20へ出力される電力の電圧VEを所定量δ1だけ昇圧する。次に、ステップ2(S2)において、ディスプレーサ4の振幅Xdを検知する。次に、ステップ3(S3)において、ディスプレーサ4の振幅Xdが予め決められた基準値以下かどうかを判断する。もし、ディスプレーサ4の振幅Xdが基準値以下である場合にはステップ5(S5)へと進む。もし、ディスプレーサ4の振幅Xdが基準値よりも大きい場合にはステップ4(S4)に進み、インバータ電源回路40からリニアモータ20へ出力される電力の電圧VEを所定量δ2だけ降圧し、ステップ2に戻る。
ステップS3においてディスプレーサ4の振幅Xdが予め決められた基準値以下である場合には、ステップ5においてピストン3の振幅Xpを検知する。次に、ステップ(S6)において、ピストン3の振幅Xpが予め決められた基準値以下かどうかを判断する。もし、ピストン3の振幅Xpが基準値以下である場合には、ステップ1に戻る。もし、ピストン3の振幅Xpが基準値よりも大きい場合にはステップ4に進み、インバータ電源回路40からリニアモータ20へ出力される電力の電圧VEを所定量δ2だけ降圧し、ステップ2に戻る。
ここで、昇圧または降圧する電圧δ1およびδ2を小さく(たとえば、数十mVから数V程度)とすることにより、ピストンとディスプレーサが衝突しない範囲内において徐々にリニアモータへの入力を増加させることが可能になるため、衝突回避範囲内における最大出力運転が可能になる。
(作用・効果)
以上のような構成とすることにより、第1および第2の磁気センサによってピストンおよびディスプレーサの相対的な位置関係が検出可能であるため、この位置情報からディスプレーサがピストンに衝突するかどうかの判断が確実に行なえるようになる。このため、この位置情報に基づいてピストンの動作を制御することにより、確実にディスプレーサとピストンとが衝突することを防止することができるようになる。また、衝突回避範囲内における最大出力運転が実現可能となるため、高効率のスターリング機関を提供することが可能になる。
以上のような構成とすることにより、第1および第2の磁気センサによってピストンおよびディスプレーサの相対的な位置関係が検出可能であるため、この位置情報からディスプレーサがピストンに衝突するかどうかの判断が確実に行なえるようになる。このため、この位置情報に基づいてピストンの動作を制御することにより、確実にディスプレーサとピストンとが衝突することを防止することができるようになる。また、衝突回避範囲内における最大出力運転が実現可能となるため、高効率のスターリング機関を提供することが可能になる。
(実施の形態4)
図7は、本発明の実施の形態4におけるスターリング冷凍機の構造および機能ブロックを示す模式断面図である。なお、上述の実施の形態1と同様の部分については図中同一の符号を付し、その説明はここでは繰り返さない。
図7は、本発明の実施の形態4におけるスターリング冷凍機の構造および機能ブロックを示す模式断面図である。なお、上述の実施の形態1と同様の部分については図中同一の符号を付し、その説明はここでは繰り返さない。
(スターリング冷凍機の構成)
図7に示すように、本実施の形態におけるスターリング冷凍機1Dは、ケーシングを構成するベッセル10のリニアモータ20に対応する位置の外壁面に、磁気センサ18を備えている。この磁気センサ18は、当該磁気センサ18が配置された位置における磁気回路(磁界)の変化を検知するセンサであり、たとえばホール素子等が用いられる。この磁気センサ18は、着脱が容易となるように、たとえば粘着テープ等によってベッセル10の外壁面に取付けられる。磁気センサ18をケーシングに対して着脱自在に構成することにより、組付けの作業性が向上するとともに、修理・交換等のメンテナンスが容易となる。
図7に示すように、本実施の形態におけるスターリング冷凍機1Dは、ケーシングを構成するベッセル10のリニアモータ20に対応する位置の外壁面に、磁気センサ18を備えている。この磁気センサ18は、当該磁気センサ18が配置された位置における磁気回路(磁界)の変化を検知するセンサであり、たとえばホール素子等が用いられる。この磁気センサ18は、着脱が容易となるように、たとえば粘着テープ等によってベッセル10の外壁面に取付けられる。磁気センサ18をケーシングに対して着脱自在に構成することにより、組付けの作業性が向上するとともに、修理・交換等のメンテナンスが容易となる。
スターリング冷凍機1Dを運転するためには、リニアモータ20に交流電圧を印加する必要がある。リニアモータ20に外部の電源から交流電圧を印加すると、コイル23が励磁され、磁石21に磁力による駆動力が作用する。この磁石21に作用する駆動力は、マグネットホルダ19を介してピストン3に伝達され、ピストン3がシリンダ2内を摺動するようになる。
マグネットホルダ19に固着された磁石21は、ピストン3の摺動に連動して背圧室15内を移動する。この磁石21の移動により、磁石21の近傍において磁気回路に変化が生じる。この磁気回路の変化は、ベッセル10の外壁面に配設された磁気センサ18に入力される。磁気センサ18は、磁気回路の変化を検出し、入力値に応じた信号を制御マイクロコンピュータ24に出力する。制御マイクロコンピュータ24は、磁気センサ18から入力された信号をもとにピストン3の位置を特定し、この位置情報をもとにピストン3の振幅を算出する。そして、このピストン3の振幅情報をもとに電源制御部25に指令を導出し、リニアモータ11に入力する交流電圧値等を制御してピストン3の動作を制御する。
このように構成することにより、シリンダ内におけるピストンの位置をスターリング機関の外部から検出することが可能になり、ピストンの動作状態を把握することが可能になる。ピストンの動作状態を把握することが可能になれば、設計・試作時においては、より高性能で高信頼性のスターリング冷凍機を製作するためのデータ取りに大変役立つ。また、製品の製造時においては、製品の性能検査に大いに役立つようになる。さらに、製品出荷後の使用時においては、ピストンの動作制御機構と組合わせることにより、ピストンとディスプレーサとが衝突することを未然に防止することが可能になる。このように、本位置検出機構を設けることによって得られる効果は、非常に大きいものである。なお、本スターリング冷凍機におけるピストン動作の制御フローは、たとえば上述の実施の形態2と同一の制御フローが採用可能である。
ピストン3の位置と磁気センサ18に入力される入力値との整合は、停止状態にあるスターリング冷凍機1Dにおいて、リニアモータ20のコイル23に直流電圧を印加するすることによって行われる。すなわち、コイル23に入力する直流電圧値を調整し、ピストン3の位置を種々の位置に変化させ、それぞれのピストン位置において磁気センサ18に入力される入力値を観測することにより、ピストン3の位置と磁気センサ18に入力される入力値との整合が行われる。これにより、磁気センサ18の入力値からピストン3の位置が高精度で検出できるようになる。
(作用・効果)
以上において説明したように、本実施の形態の如くのスターリング冷凍機とすることにより、ピストンの位置を装置外部から検出することが可能になり、ピストンの動作状態を把握することが可能になるとともに、精度よくピストンとディスプレーサが衝突することを回避することができるようになる。また、衝突回避範囲内における最大出力運転も容易に実現されるようになる。このため、高信頼性で高性能のスターリング冷凍機を提供することが可能になる。
以上において説明したように、本実施の形態の如くのスターリング冷凍機とすることにより、ピストンの位置を装置外部から検出することが可能になり、ピストンの動作状態を把握することが可能になるとともに、精度よくピストンとディスプレーサが衝突することを回避することができるようになる。また、衝突回避範囲内における最大出力運転も容易に実現されるようになる。このため、高信頼性で高性能のスターリング冷凍機を提供することが可能になる。
なお、より好ましくは、図7に示すように、スターリング冷凍機1Dの吸熱器9に温度センサ37を取付け、放熱器8に温度センサ38を取付け、さらにスターリング冷凍機1Dの設置箇所周囲の環境温度をモニタする温度センサ36を設け、これら温度センサ36〜38にて検出された温度情報を制御マイクロコンピュータ24に入力するように構成する。そして、上述のピストン3の位置情報に加え、これら各部の温度情報をもとにリニアモータ20に入力する電圧を調整し、ピストン3の動作を制御するように構成する。このように構成することにより、さらにきめ細かくスターリング冷凍機の動作を制御することが可能になるため、高性能で高信頼性のスターリング冷凍機とすることが可能になる。
(変形例)
図8は、本発明の実施の形態4の変形例におけるスターリング冷凍機の構造および機能ブロックを示す模式断面図である。本変形例におけるスターリング冷凍機1Eは、図7に示すスターリング冷凍機1Dにおいて、リニアモータ20の磁気回路を構成する磁石21とは別に位置検出用の磁石41をマグネットホルダ19に固着した構成を有している。また、この位置検出用の磁石41に対応した位置のケーシング外壁面には、磁気センサ42が配設されている。この磁気センサ42は、上述の位置検出用の磁石41との距離を検知するものであり、たとえば磁束密度を検知することによって磁石41との距離を検出するセンサである。
図8は、本発明の実施の形態4の変形例におけるスターリング冷凍機の構造および機能ブロックを示す模式断面図である。本変形例におけるスターリング冷凍機1Eは、図7に示すスターリング冷凍機1Dにおいて、リニアモータ20の磁気回路を構成する磁石21とは別に位置検出用の磁石41をマグネットホルダ19に固着した構成を有している。また、この位置検出用の磁石41に対応した位置のケーシング外壁面には、磁気センサ42が配設されている。この磁気センサ42は、上述の位置検出用の磁石41との距離を検知するものであり、たとえば磁束密度を検知することによって磁石41との距離を検出するセンサである。
本構成は、リニアモータ20によって構成される磁気回路の装置外部への漏洩が少ない場合に特に有効なものである。すなわち、本構成は、図7に示す構成のスターリング冷凍機1Dにおいて、磁気センサ18が配設されたケーシングの外壁面における磁気回路の変化が十分には捉えられない場合に有効なものである。本構成の如く、マグネットホルダ19に、別途、位置検出用の磁石41を設けることにより、装置外部からより精度よくピストン3の位置を検出することが可能になる。
なお、位置検出用の磁石41は、リニアモータ20の磁気回路を構成する磁石21から可能な限り離れた位置に配設されることが好ましい。このように構成することにより、磁気センサ42がリニアモータ20の磁気回路の影響を受け難くなるため、より精度よく位置検出を行うことが可能になる。
以上において説明した実施の形態1から4においては、磁気センサによって検出したディスプレーサやピストンの位置情報に基づき、これらの振幅を特定してピストンの動作を制御する構成とした場合を例示して説明を行なったが、特にこの構成に限定されるものではない。たとえば、振幅を特定せずにピストンやディスプレーサの絶対的な位置のみを検出し、これらの位置情報からピストンとディスプレーサが最も接近した場合の離間距離を算出してこの値が予め決められた基準値以上であるかどうかを判断することによっても衝突を回避することは可能である。このように、磁気センサによって検出された位置情報をどのように利用するかには、様々な手法が考えられる。
また、上述の実施の形態に示す各種機構は、適宜互いに組み合わせることが可能である。たとえば、実施の形態1に示すディスプレーサの位置検出機構と、実施の形態4に示すピストンの位置検出機構とを組み合わせれば、ピストンとディスプレーサの衝突をさらに精度よく回避することが可能になるとともに、衝突回避範囲内での最大出力運転もさらに制御性よく行うことができる。
また、上述の実施の形態1から4においては、いずれもスターリング機関の応用例であるスターリング冷凍機を例示して説明を行なったが、特にこれに限定されるものではない。たとえば、発電機として利用されるスターリング機関においても、ディスプレーサやピストンの動作状態を外部から検出することは高効率化やピストンおよびディスプレーサの衝突回避の観点から非常に重要であり、本発明を適用することは非常に有効である。
このように、今回開示した上記各実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって画定され、また特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
1A〜1E スターリング冷凍機、2 シリンダ、3 ピストン、4 ディスプレーサ、5 再生器、6 圧縮室、7 膨張室、8 放熱部、9 吸熱部、10 ベッセル、12,13,31 板バネ、14 ディスプレーサロッド、15 背圧室、16,33,41 磁石、17,18,34,42 磁気センサ、19 マグネットホルダ、20 リニアモータ、21 磁石、22a インナーヨーク、22b アウターヨーク、23 コイル、24 制御マイクロコンピュータ、25 電源制御部、32 バランスマス、36〜38 温度センサ、40 インバータ電源回路。
Claims (14)
- 作動媒体が封入されたケーシングと、
前記ケーシング内部に配置されたシリンダと、
前記シリンダ内に位置し、駆動手段に駆動されて往復動するピストンと、
前記シリンダ内に位置し、前記ピストンと位相差をもって往復動するディスプレーサと、
前記ディスプレーサに取付けられた磁石と、
前記ケーシングの外壁面に配設され、前記磁石との距離に応じた信号を出力する磁気センサと、
を備えた、スターリング機関。 - 前記磁気センサは、前記ディスプレーサに取付けられた前記磁石の往復動方向の延長線上に位置する、請求項1に記載のスターリング機関。
- 前記信号に基づいて、前記ピストンの動作を制御する制御手段をさらに備えた、請求項1または2に記載のスターリング機関。
- 前記制御手段は、前記駆動手段へ供給される電力の電圧を制御する電圧制御手段である、請求項3に記載のスターリング機関。
- 作動媒体が封入されたケーシングと、
前記ケーシング内部に配置されたシリンダと、
前記シリンダ内に位置し、駆動手段に駆動されて往復動するピストンと、
前記シリンダ内に位置し、前記ピストンと位相差をもって往復動するディスプレーサと、
前記ケーシングに弾性部材を介して取付けられ、前記ピストンおよび前記ディスプレーサが往復動することによって生ずる前記ケーシングの振動を吸収するバランスマスと、
前記バランスマスに取付けられた磁石と、
前記ケーシング外部に配置され、前記磁石との距離に応じた信号を出力する磁気センサと、
を備えた、スターリング機関。 - 前記磁気センサは、前記バランスマスに取付けられた前記磁石の往復動方向の延長線上に位置する、請求項5に記載のスターリング機関。
- 前記信号に基づいて、前記ピストンの動作を制御する制御手段をさらに備えた、請求項5または6に記載のスターリング機関。
- 前記制御手段は、前記駆動手段へ供給される電力の電圧を制御する電圧制御手段である、請求項7に記載のスターリング機関。
- 作動媒体が封入されたケーシングと、
前記ケーシング内部に配置されたシリンダと、
前記シリンダ内に位置し、駆動手段に駆動されて往復動するピストンと、
前記シリンダ内に位置し、前記ピストンと位相差をもって往復動するディスプレーサと、
前記ケーシングに弾性部材を介して取付けられ、前記ピストンおよび前記ディスプレーサが往復動することによって生ずる前記ケーシングの振動を吸収するバランスマスと、
前記ディスプレーサに取付けられた第1の磁石と、
前記ケーシングの外壁面に配設され、前記第1の磁石との距離に応じた第1の信号を出力する第1の磁気センサと、
前記バランスマスに取付けられた第2の磁石と、
前記ケーシング外部に配置され、前記第2の磁石との距離に応じた第2の信号を出力する第2の磁気センサと、
を備えた、スターリング機関。 - 前記第1の信号および前記第2の信号に基づいて、前記ピストンの動作を制御する制御手段をさらに備えた、請求項9に記載のスターリング機関。
- 作動媒体が封入されたケーシングと、
前記ケーシング内部に配置されたシリンダと、
前記シリンダ内に位置し、リニアモータに駆動されて往復動するピストンと、
前記シリンダ内に位置し、前記ピストンと位相差をもって往復動するディスプレーサと、
前記ピストンに取付けられたマグネットホルダに固着され、前記リニアモータの磁気回路を構成する磁石と、
前記ケーシングの外壁面に配設され、前記ピストンの往復動に伴って生じる前記磁気回路の変化を検出し、前記磁石の位置に応じた信号を出力する磁気センサと、
を備えたスターリング機関。 - 作動媒体が封入されたケーシングと、
前記ケーシング内部に配置されたシリンダと、
前記シリンダ内に位置し、リニアモータに駆動されて往復動するピストンと、
前記シリンダ内に位置し、前記ピストンと位相差をもって往復動するディスプレーサと、
前記ピストンに取付けられたマグネットホルダに固着され、前記リニアモータの磁気回路を構成する磁石と、
前記リニアモータの磁気回路を構成する磁石とは別に前記マグネットホルダに固着された位置検出用の磁石と、
前記ケーシングの外壁面に配設され、前記位置検出用の磁石との距離に応じた信号を出力する磁気センサと、
を備えたスターリング機関。 - 前記信号に基づいて、前記ピストンの動作を制御する制御手段をさらに備えた、請求項11または12に記載のスターリング機関。
- 前記制御手段は、前記リニアモータへ供給される電力の電圧を制御する電圧制御手段である、請求項13に記載のスターリング機関。
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