JP2014031726A - スターリングエンジンの駆動制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 加熱部及び冷却部における作動気体の加熱効率及び冷却効率をより高め、高い熱交換効率を実現する。
【解決手段】 少なくともディスプレーサ用駆動アクチュエータ5mを駆動制御することによりディスプレーサピストン2mpを進退駆動し、ディスプレーサシリンダ2m内の作動気体Gの作用によりパワーシリンダ6に内蔵するパワーピストン6pを移動させるスターリングエンジンの駆動制御方法であって、駆動アクチュエータ5mに対してパルス信号となる位置切換制御信号Smcを付与することにより、ディスプレーサピストン2mpを、ディスプレーサシリンダ2mにおける加熱側の容積を最大にする加熱側容積最大位置Xmh又は冷却側の容積を最大にする冷却側容積最大位置Xmcに切換制御する。
【選択図】 図1
【解決手段】 少なくともディスプレーサ用駆動アクチュエータ5mを駆動制御することによりディスプレーサピストン2mpを進退駆動し、ディスプレーサシリンダ2m内の作動気体Gの作用によりパワーシリンダ6に内蔵するパワーピストン6pを移動させるスターリングエンジンの駆動制御方法であって、駆動アクチュエータ5mに対してパルス信号となる位置切換制御信号Smcを付与することにより、ディスプレーサピストン2mpを、ディスプレーサシリンダ2mにおける加熱側の容積を最大にする加熱側容積最大位置Xmh又は冷却側の容積を最大にする冷却側容積最大位置Xmcに切換制御する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、バイオマス燃料や太陽熱等を熱源に利用して運転できるスターリングエンジンの駆動制御方法に関する。
従来、内部に作動気体及び移動可能なディスプレーサピストンを収容したディスプレーサシリンダと、このディスプレーサシリンダの一端側を加熱可能な加熱部と、ディスプレーサシリンダの他端側を冷却可能な冷却部と、ディスプレーサピストンを進退駆動可能なディスプレーサ用駆動アクチュエータと、ディスプレーサシリンダ内の作動気体の作用により移動可能なパワーピストンを内蔵するパワーシリンダとを具備してなるスターリングエンジンとしては、特許文献1で開示されるフリーピストン型スターリングエンジンが知られている。
同文献1で開示されるフリーピストン型スターリングエンジンは、ディスプレーサピストンとパワーピストンの位相差を90度に調整して安定作動させることを目的としたものであり、具体的には、一端に加熱部を有し、且つ他端に冷却部を有するディスプレーサシリンダの内部に移動可能に収容され、加熱部側又は冷却部側に移動されることによりディスプレーサシリンダ内のガスを加熱又は冷却して膨張又は収縮させるディスプレーサピストンと、膨張又は収縮されたガスによりパワーシリンダ内を住復動されるパワーピストンと、該パワーピストンからディスプレーサピストンに往復動をその位相を反転させて伝える位相反転機構と、パワーピストンと位相反転機構との間又は位相反転機構とディスプレーサピストンとの間に設けられ、該ディスプレーサピストンの位相が前記パワーピストンの位相よりも90度遅れるように調整する位相調整バネとにより構成される。この場合、スターリングエンジンの駆動時におけるディスプレーサピストン及びパワーピストンの時間に対する振幅の変化特性は、共に正弦曲線に沿って変化し、両者間の位相差は90度となる。
しかし、上述した従来のフリーピストン型のスターリングエンジンは、次のような問題点があった。
第一に、ディスプレーサピストンの時間に対する振幅の変化特性、即ち、ディスプレーサシリンダにおける加熱側又は冷却側の容積は、図8(A)に実線で示す特性曲線のように、正弦曲線に沿って変化するため、ディスプレーサシリンダ内のガスに対する加熱作用及び冷却作用も正弦曲線に沿った緩やかな作用となる。このような緩やかな加熱作用及び冷却作用は、高い熱交換効率を実現する観点からは必ずしも望ましい制御態様であるとは言えず、加熱部による加熱効率を高め、かつ冷却部による冷却効率を高める観点からは更なる検証及び改善の余地があった。なお、図8(B)に実線で示す特性曲線はパワーピストンの時間に対する振幅(ピストン位置)の変化特性であり、ディスプレーサピストンに対して90゜位相差の正弦曲線となる。
第二に、パワーシリンダとディスプレーサシリンダを基本的な構成要素とし、パワーピストンの反復移動によりエネルギを取出す構造のため、パワーピストンの背圧の影響等により必ずしも作動ガスの有するエネルギを十分に取出しているとはいえない。したがって、スターリングエンジンの原理構成を基本にして、高出力化及び能力アップを図る観点からも更なる改善の余地があった。
本発明は、このような背景技術に存在する課題を解決したスターリングエンジンの駆動制御方法の提供を目的とするものである。
本発明は、上述した課題を解決するため、内部に作動気体G及び移動可能なディスプレーサピストン2mpを内蔵したディスプレーサシリンダ2mの一端側を加熱部3により加熱し、かつディスプレーサシリンダ2mの他端側を冷却部4により冷却するとともに、少なくともディスプレーサ用駆動アクチュエータ5mを駆動制御することによりディスプレーサピストン2mpを進退駆動し、ディスプレーサシリンダ2m内の作動気体Gの作用によりパワーシリンダ6に内蔵するパワーピストン6pを移動させるスターリングエンジン1の駆動制御方法であって、駆動アクチュエータ5mに対してパルス信号となる位置切換制御信号Smcを付与することにより、ディスプレーサピストン2mpを、ディスプレーサシリンダ2mにおける加熱側の容積を最大にする加熱側容積最大位置Xmh又は冷却側の容積を最大にする冷却側容積最大位置Xmcに切換制御することを特徴とする。
この場合、発明の好適な態様により、駆動アクチュエータ(主駆動アクチュエータ)5mにはリニア式電動アクチュエータ5mxを用いることができる。また、ディスプレーサシリンダ(主ディスプレーサシリンダ)2mに対して、内部に作動気体G及び移動可能なディスプレーサピストン2spを内蔵した第二のディスプレーサシリンダ(副ディスプレーサシリンダ)2sの一端側を加熱部3により加熱し、かつ副ディスプレーサシリンダ2sの他端側を冷却部4により冷却するとともに、第二のディスプレーサ用駆動アクチュエータ(副駆動アクチュエータ)5sを駆動制御することにより副ディスプレーサシリンダ2sに内蔵するディスプレーサピストン2spを進退駆動し、パワーピストン6pにより仕切られたパワーシリンダ6の前後室6f,6rの一方6rに主ディスプレーサシリンダ2m内の作動気体Gを作用させ、かつ前後室6f,6rの他方6fに副ディスプレーサシリンダ2s内の作動気体Gを作用させるとともに、副駆動アクチュエータ5sに対してパルス信号となる第二の位置切換制御信号Sscを付与することにより、副ディスプレーサシリンダ2sに内蔵するディスプレーサピストン2spを、副ディスプレーサシリンダ2sにおける加熱側の容積を最大にする加熱側容積最大位置Xsh又は冷却側の容積を最大にする冷却側容積最大位置Xscに切換えることができる。なお、副駆動アクチュエータ5sにはリニア式電動アクチュエータ5sxを用いることができる。さらに、主駆動アクチュエータ5mに付与する位置切換制御信号Smcの位相と第二の位置切換制御信号Sscの位相は180〔゜〕異ならせることができる。一方、パワーピストン6pにおけるピストンロッド6poの運動を作用させる出力部7を設けることができ、この出力部7には、少なくとも、パワーピストン6pにおけるピストンロッド6poの運動を作用させる運動入力軸7sを有するリニア式発電機11xを含む発電機11,又は運動入力軸7sの運動を直接出力させる運動出力ユニット12の一方又は双方を含ませることができる。また、パワーピストン6pの前端位置Xfと後端位置Xrを位置センサ15f,15r,15により検出し、この検出結果に基づいて各位置切換制御信号Smc,Sscを生成することができる。なお、この前端位置Xfと後端位置Xrは変更可能にすることができる。
このような手法による本発明に係るスターリングエンジン1の駆動制御方法によれば、次のような顕著な効果を奏する。
(1) 駆動アクチュエータ5mに対してパルス信号となる位置切換制御信号Smcを付与することにより、ディスプレーサピストン2mpを、ディスプレーサシリンダ2mにおける加熱側の容積を最大にする加熱側容積最大位置Xmh又は冷却側の容積を最大にする冷却側容積最大位置Xmcに切換制御するようにしたため、加熱時には加熱側容積最大位置Xmhにおける最大量の作動気体Gに対して直ち(ほぼ瞬時)に加熱を開始できるとともに、冷却時には冷却側容積最大位置Xmcにおける最大量の作動気体Gに対して直ち(ほぼ瞬時)に冷却を開始できる。したがって、作動気体Gに対する加熱部3による加熱効率及び冷却部4による冷却効率をより高め、ディスプレーサシリンダ2mにおける高い熱交換効率を実現することができる。
(2) 好適な態様により、主駆動アクチュエータ5mにリニア式電動アクチュエータ5mxを用い、及び(又は)副駆動アクチュエータ5sにリニア式電動アクチュエータ5sxを用いれば、駆動制御部と組合わせることにより、ディスプレーサピストン2mp,2spを、正確なタイミングで確実かつ円滑に移動させることができるとともに、多様な制御が可能になるため、制御態様の最適化を容易に行うことができる。特に、ディスプレーサピストン2mp,2spをリニア式電動アクチュエータ5mx,5sxの駆動出力軸により直接移動させることができるため、例えば、ロータリアクチュエータを使用した際に用いるクランク機構やボールねじ機構等の運動変換機構が不要となり、部品点数の削減によるスターリングエンジン全体の小型化,低コスト化及び軽量化に寄与できる。
(3) 好適な態様により、主ディスプレーサシリンダ2mに対して、内部に作動気体G及び移動可能なディスプレーサピストン2spを内蔵した副ディスプレーサシリンダ2sの一端側を加熱部3により加熱し、かつ副ディスプレーサシリンダ2sの他端側を冷却部4により冷却するとともに、副駆動アクチュエータ5sを駆動制御することにより副ディスプレーサシリンダ2sに内蔵するディスプレーサピストン2spを進退駆動し、パワーピストン6pにより仕切られたパワーシリンダ6の前後室6f,6rの一方6rに主ディスプレーサシリンダ2m内の作動気体Gを作用させ、かつ前後室6f,6rの他方6fに副ディスプレーサシリンダ2s内の作動気体Gを作用させるとともに、副駆動アクチュエータ5sに対してパルス信号となる第二の位置切換制御信号Sscを付与することにより、副ディスプレーサシリンダ2sに内蔵するディスプレーサピストン2spを、副ディスプレーサシリンダ2sの加熱側の容積を最大にする加熱側容積最大位置Xsh又は冷却側の容積を最大にする冷却側容積最大位置Xscに切換えるようにすれば、パワーピストン6pの前後面の圧力差を大きくすることができるため、概ね2倍のパワーアップ、即ち、高出力化及び能力アップを実現できる。
(4) 好適な態様により、パワーピストン6pにおけるピストンロッド6poの運動を作用させる運動入力軸7sを有する発電機11を設ければ、太陽熱やバイオマス等の自然エネルギを利用し、或いは工場の排熱等の廃棄エネルギを再利用する、地球環境に優しい発電システムの一つとして構築できる。特に、発電機11として、リニア式発電機11xを設ければ、パワーピストン6pにおけるピストンロッド6poの運動出力を、リニア式発電機11xの運動入力として直接利用できるため、部品点数の最少化を図ることができ、スターリングエンジン1全体の小型化,低コスト化及び軽量化に寄与できる。
(5) 好適な態様により、パワーピストン6pにおけるピストンロッド6poの運動を作用させる運動入力軸7sの運動を直接出力させる運動出力ユニット12を設ければ、運動入力軸7sの運動を、産業機械等の動力源として直接利用することができるとともに、運動入力軸7sをシーリングカバーで覆うことにより、出力部7における密閉性を容易かつ確実に確保することができる。
(6) 好適な態様により、パワーピストン6pの前端位置Xfと後端位置Xrを位置センサ15f,15rにより検出し、この検出結果に基づいて各位置切換制御信号Smc,Sscを生成するようにすれば、各位置切換制御信号Smc,Sscを容易に生成することができるとともに、位置切換制御を確実に行うことができる。
(7) 好適な態様により、前端位置Xfと後端位置Xrを変更可能にすれば、常に最大出力を得るための最化制御を容易に行えるなど、多様的で発展的な制御を行うことができる。
次に、本発明に係る好適実施形態を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
まず、本実施形態に係る駆動制御方法を実施できるスターリングエンジン1の構成について、図2〜図5を参照して説明する。
スターリングエンジン1は、大別して、第一のディスプレーサシリンダとなる主ディスプレーサシリンダ2m,第一のディスプレーサ用駆動アクチュエータとなる主駆動アクチュエータ5m,パワーシリンダ6,出力部7及び駆動制御部13を有する基本構成を備えるとともに、第二のディスプレーサシリンダとなる副ディスプレーサシリンダ2s及び第二のディスプレーサ用駆動アクチュエータとなる副駆動アクチュエータ5s、更に、各ディスプレーサシリンダ2m,2sの一端側を加熱可能な加熱部3と、各ディスプレーサシリンダ2m,2sの他端側を冷却可能な冷却部4を備えて構成する。
この場合、主ディスプレーサシリンダ2mの内部には、作動気体G、望ましくは、ヘリウムガス,窒素ガス等の不活性ガスを、例えば、0.5〜10〔MPa〕程度の高圧状態で収容するとともに、軸方向Fsへ自在に移動可能なディスプレーサピストン2mpを内蔵する。したがって、主ディスプレーサシリンダ2mの内周面とディスプレーサピストン2mpの外周面の間には、作動気体Gが流通可能な隙間Cmが設けられている。ディスプレーサピストン2mpは、片ロッドタイプであり、ピストンロッド21mは、主ディスプレーサシリンダ2mの一方の端面2mfから突出する。また、副ディスプレーサシリンダ2sも主ディスプレーサシリンダ2mと同様に構成し、ディスプレーサピストン2spを内蔵するとともに、ピストンロッド21sは、副ディスプレーサシリンダ2sの一方の端面2sfから突出する。これにより、内部に作動気体G及び移動可能なディスプレーサピストン2mpを内蔵した主ディスプレーサシリンダ2mが構成されるとともに、内部に作動気体G及び移動可能なディスプレーサピストン2spを内蔵した副ディスプレーサシリンダ2sが構成される。なお、Csは、副ディスプレーサシリンダ2sの内周面とディスプレーサピストン2spの外周面の間に設けられることにより作動気体Gが流通可能な隙間を示す。
一方、各ディスプレーサシリンダ2m,2sは、図2に示すように並設する。そして、図4に示すように、ディスプレーサシリンダ2m及び副ディスプレーサシリンダ2sの一端側(ヘッド側)には、加熱部3を付設するとともに、ディスプレーサシリンダ2m及び副ディスプレーサシリンダ2sの他端側(ピストンロッド側)には、冷却部4を付設する。この場合、加熱部3には、バイオマス(量的生物資源)燃料を利用した燃焼装置,太陽熱を集めて高温化する集熱装置,工場の排熱等の廃棄エネルギを再利用する加熱装置等の、各種高温発生手段を利用できる。例示は、バイオマス燃料の燃焼装置3aである。冷却部4には、ディスプレーサシリンダ2m,2sに付設したウォータジャケット4ajに冷却水を供給して冷却を行う冷却水供給装置4aを用いることができる。冷却水には、井戸水,河川水,水道水等を利用できる。なお、冷却水は、積極的に冷却した水という意味ではなく、ディスプレーサシリンダ2m,2sを冷却する水の意味であり、例えば、工場等の廃棄水をそのまま利用する形態であってもよい。したがって、冷却部4も冷却する目的を達成できるものであれば、各種冷却手段を利用できる。これにより、主ディスプレーサシリンダ2mの一端側を加熱可能な加熱部3が構成されるとともに、ディスプレーサシリンダ2mの他端側を冷却可能な冷却部4が構成される。
また、加熱部3及び冷却部4は、それぞれ主ディスプレーサシリンダ2m及び副ディスプレーサシリンダ2sに共用させることができる。例示は、ディスプレーサシリンダ2mと2sを並設したため、加熱部3及び冷却部4をディスプレーサシリンダ2mと2sに共用させたが、主ディスプレーサシリンダ2mと副ディスプレーサシリンダ2sを離間して設置した場合には、主ディスプレーサシリンダ2mと副ディスプレーサシリンダ2sのそれぞれに独立した加熱部3…及び冷却部4…を付設したり、或いは加熱部3を主ディスプレーサシリンダ2mと副ディスプレーサシリンダ2sの双方に共用し、冷却部4…を主ディスプレーサシリンダ2mと副ディスプレーサシリンダ2sのそれぞれに独立して付設する形態であってもよい。
このように、加熱部3及び(又は)冷却部4を、主ディスプレーサシリンダ2m及び副ディスプレーサシリンダ2sに共用するようにすれば、加熱部3及び(又は)冷却部4を構成する部品点数を半減できるため、スターリングエンジン1の更なるコスト低減及び小型化に寄与できるとともに、加熱形態及び冷却形態の組合わせにより、その最適化を容易に行える利点がある。
さらに、主ディスプレーサシリンダ2mに対する同軸上の位置であって、この主ディスプレーサシリンダ2mにおけるピストンロッド21mが突出する端面2mfに対向する位置には、主駆動アクチュエータ5mを配設する。また、副ディスプレーサシリンダ2sに対する同軸上の位置であって、この副ディスプレーサシリンダ2sにおけるピストンロッド21sが突出する端面2sfに対向する位置には、副駆動アクチュエータ5sを配設する。各駆動アクチュエータ5m及び5sには、電動式駆動アクチュエータ、望ましくはリニア式電動アクチュエータ5mx,5sxを用いることができる。この場合、リニア式電動アクチュエータ5mx,5sxの各プランジャ(駆動出力軸)22m,22sは、前述したピストンロッド21m,21sにそれぞれ直結することができる。したがって、ピストンロッド21m(21s)とプランジャ22m(22s)は、一本のロッドにより兼用可能である。
これにより、主駆動アクチュエータ5mは、主ディスプレーサピストン2mpを進退駆動可能となるともに、副駆動アクチュエータ5sは、副ディスプレーサピストン2spを進退駆動可能となる。なお、23mはピストンロッド21m(プランジャ22m)を覆う軸受管、23sはピストンロッド21s(プランジャ22s)を覆う軸受管をそれぞれ示す。なお、リニア式電動アクチュエータ5mx,5sxにおいて、24m,24sはコイル、25m,25sはマグネットを示し、リニア式電動アクチュエータ5mx,5sxは、リニアモータ原理により作動する。
このように、駆動アクチュエータ5m,5sに、リニア式電動アクチュエータ5mx,5sxを用いれば、駆動制御部13と組合わせることにより、ディスプレーサピストン2mp,2spを、正確なタイミングで確実かつ円滑に移動させることができるとともに、多様な制御が可能になるため、制御態様の最適化を容易に行うことができる。特に、ディスプレーサピストン2mp,2spをリニア式電動アクチュエータ5mx,5sxの駆動出力軸により直接移動させることができるため、例えば、ロータリアクチュエータを使用した際に用いるクランク機構やボールねじ機構等の運動変換機構が不要となり、部品点数の削減によるスターリングエンジン1全体の小型化,低コスト化及び軽量化に寄与できる利点がある。
他方、片ロッドタイプのパワーピストン6pを内蔵するパワーシリンダ6を備える。そして、パワーシリンダ6の後端面6crと主ディスプレーサシリンダ2mの端面2mfを連通管26mを介して接続する。これにより、パワーピストン6pにより仕切られる後室6rは、連通管26mを介して主ディスプレーサシリンダ2mの内部に連通する。また、パワーシリンダ6の前端面6cfと副ディスプレーサシリンダ2sの端面2sfを連通管26sを介して接続する。これにより、パワーピストン6pにより仕切られる前室6fは、連通管26sを介して副ディスプレーサシリンダ2sの内部に連通する。よって、主ディスプレーサシリンダ2m内の作動気体Gの作用及び副ディスプレーサシリンダ2s内の作動気体Gの作用により移動可能なパワーピストン6pを内蔵するパワーシリンダ6が構成される。
一方、パワーシリンダ6に対する同軸上の位置であって、前端面6cfに対向する位置には、出力部7を構成する発電機11を配設する。これにより、パワーピストン6pにおけるピストンロッド6poの運動が作用される運動入力軸7sを有する発電機11が構成される。発電機11には、リニア式発電機11xを用いることが望ましい。この場合、リニア式発電機11xのシャフトとなる運動入力軸7sは、パワーピストン6pのピストンロッド6poに直結させることができる。したがって、ピストンロッド6poと運動入力軸7sは、一本のロッドにより兼用することができる。なお、リニア式発電機11xにおいて、27はコイル、28はマグネットを示す。また、リニア式発電機11xのケーシング部11xcの内部には、マグネット28の運動軸方向の位置、即ち、パワーシリンダ6内におけるパワーピストン6pの位置(前端位置,後端位置)を間接的に検出する二つの位置センサ15f,15rを配設する。この場合、15fは前位置センサ、15rは後位置センサとなる。これらの位置センサ15f,15rには、マグネット28(又は他の一体部品)の位置を非接触で検出可能なリードスイッチや光学的センサ等を用いることができる。
このように、パワーピストン6pにおけるピストンロッド6poの運動を作用させる運動入力軸7sを有する発電機11を設ければ、太陽熱やバイオマス等の自然エネルギを利用し、或いは工場の排熱等の廃棄エネルギを再利用する、地球環境に優しい発電システムの一つとして構築できる。特に、発電機11に、リニア式発電機11xを用いれば、パワーピストン6pにおけるピストンロッド6poの運動出力を、リニア式発電機11xの運動入力として直接利用できるため、部品点数の最少化を図ることができ、スターリングエンジン1全体の小型化,低コスト化及び軽量化に寄与できる利点がある。なお、29はピストンロッド6po(運動入力軸7s)を覆う軸受管を示す。
ところで、このような機械的構成を有するスターリングエンジン1は、各ディスプレーサシリンダ2m,2s、各駆動アクチュエータ5m,5s、パワーシリンダ6及び発電機11を、気密性を有する一体化した密閉構造Msにより構成することができる。即ち、図5に示すように、各ディスプレーサシリンダ2m,2sのシリンダ部2mc,2sc、各駆動アクチュエータ5m,5sのケーシング部5mc,5sc、パワーシリンダ6のシリンダ部6c、リニア式発電機11xのケーシング部11xc、各連通管26m,26s及び各軸受管23m,23s,29を、気密性を有する一体化した密閉構造Msによるハウジング部61により構成することができる。なお、図5は、連続する密閉構造Msとして、全体を一体成形したハウジング部61を示すが、連続する密閉構造Msとは、各部を別体の部品として製作し、必要なシーリング手段を介して結合する場合を含む概念である。このように、各ディスプレーサシリンダ2m,2s、各駆動アクチュエータ5m,5s、パワーシリンダ6及び発電機11を、気密性を有する一体化した密閉構造Msにより構成すれば、密閉構造のハウジング部61を容易かつ安価に製作できるとともに、気密性及び信頼性の高いハウジング部61を確実に得れる利点がある。
他方、図3には、スターリングエンジン1の全体の駆動制御を司る駆動制御部13を示す。駆動制御部13は、一連の制御処理を行うマイクロコンピュータを用いた制御部本体51を備え、この制御部本体51には、前位置センサ15f及び後位置センサ15rの検出結果に対応して各駆動アクチュエータ5m,5sに対する切換制御(各ディスプレーサピストン2mp,2spの位置切換制御)及び駆動制御を行うためのシーケンスプログラムを格納したメモリ51mが付属する。したがって、各位置センサ15f,15rにより検出されるパワーピストン6pの前端位置Xf,後端位置Xrの検出結果は、制御部本体51に付与され、制御部本体51では、検出結果となる前端位置Xf,後端位置Xrに基づいて、駆動アクチュエータ5mを駆動制御するための位置切換制御信号Smcと駆動アクチュエータ5sを駆動制御するための位置切換制御信号Sscが生成される。このように、各位置切換制御信号Smc,Sscは、各位置センサ15f,15rの検出結果に基づいて容易に生成することができるとともに、位置切換制御を確実に行うことができる。その他、52は運転スイッチ等を含む操作部を示すとともに、53はリニア式発電機11xに接続した電源設備を示す。なお、駆動制御部13は、マイクロコンピュータを用いた制御部本体51を例示したが、電気回路の組合わせにより構成してもよい。
よって、このような構成を備えるスターリングエンジン1によれば、パワーピストン6pにより仕切られたパワーシリンダ6の前後室6f,6rの一方6rに主ディスプレーサシリンダ2m内の作動気体Gを作用させ、かつ前後室6f,6rの他方6fに副ディスプレーサシリンダ2s内の作動気体Gを作用させてなるため、作動気体Gがパワーピストン6p(ピストンロッド)とパワーシリンダ6間から僅かに漏れたとしても、パワーシリンダ6と各ディスプレーサシリンダ2m,2sから形成される密閉空間内の移動に留まる。したがって、この密閉空間外、即ち、系外への漏れが確実に防止されるため、作動気体Gの漏れに基づく性能低下や効率低下を回避できる。さらに、発電機11(出力部7)を含めて密閉空間に形成すれば、ピストンロッド6poと軸受管29間の隙間から漏れる作動気体Gに対しても系外への漏れを確実に防止できる。加えて、高気密性を確保する特別な構造や高度な精密部品を組合わせるなどの専用対策が不要になるため、全体のコスト削減にも寄与できる。
次に、このような構成を備えるスターリングエンジン1の動作を含む本実施形態に係る駆動制御方法について、図1〜図3,図6〜図7を参照して説明する。
まず、図3の操作部52の運転スイッチをONにすることにより、燃焼装置3a及び冷却水供給装置4aが作動し、図2に示すように、各ディスプレーサシリンダ2m,2sの一端側(ヘッド側)が、通常、数百〔℃〕以上に加熱されるとともに、各ディスプレーサシリンダ2m,2sの他端側(ピストンロッド側)が冷却水により冷却される。この後、制御部本体51から各ディスプレーサピストン2mp,2spの位置を切換える位置切換制御信号(パルス信号)Smc,Sscが各駆動アクチュエータ5m,5sに付与され、スターリングエンジン1の運転が行われる。
図1は、スターリングエンジン1の各部の動きを示すタイミングチャートである。なお、図1における符号(a)〜(h)は、図6における(a)〜(d)及び図7における(e)〜(h)の符号に対応する。また、図6及び図7において、点線矢印は作動気体Gの流通方向を示している。さらに、電源設備53には、発電機11の発電出力を蓄電するバッテリを搭載し、運転開始時には、このバッテリを利用して駆動制御部13及び各駆動アクチュエータ5m,5s等を駆動することができる。
今、スターリングエンジン1は図1(a)のタイミングにあるものとする。このタイミングにおけるスターリングエンジン1の動作状態を図6(a)に示す。このタイミングでは、パワーシリンダ6のパワーピストン6pが前端位置Xfに位置し、この前端位置Xfは前位置センサ15fにより検出されるとともに、この検出結果は制御部本体51に付与される。そして、制御部本体51では、前位置センサ15fの検出結果に基づいてパルス信号となる位置切換制御信号Smc,Sscが生成され、位置切換制御信号Smcは一方の駆動アクチュエータ5mに付与されるとともに、位置切換制御信号Sscは他方の駆動アクチュエータ5sに付与される。これにより、駆動アクチュエータ5mが駆動制御され、主ディスプレーサシリンダ2mのディスプレーサピストン2mpは、図6(a)中における右端位置から左端位置へ直ちに移動するとともに、駆動アクチュエータ5sが駆動制御され、副ディスプレーサシリンダ2sのディスプレーサピストン2spは、図6(a)中における左端位置から右端位置へ直ちに移動する。なお、図6(a)は、この切換動作の中間のタイミングを示している。
したがって、やや時間が経過した図1(b)に示すタイミングでは、図6(b)に示すように、主ディスプレーサシリンダ2mのディスプレーサピストン2mpが左端位置、即ち、主ディスプレーサシリンダ2mにおける冷却側の容積が最大となる冷却側容積最大位置Xmcに移動するとともに、副ディスプレーサシリンダ2sのディスプレーサピストン2spは右端位置、即ち、副ディスプレーサシリンダ2sにおける加熱側の容積が最大となる加熱側容積最大位置Xshに移動する。このように、各駆動アクチュエータ5m,5sが切換制御され、主ディスプレーサシリンダ2mは、加熱側容積最大から冷却側容積最大に切換えられるとともに、副ディスプレーサシリンダ2sは、冷却側容積最大から加熱側容積最大に切換えられる。
これにより、副ディスプレーサシリンダ2s内の作動気体Gが膨張し、連通管26sを介してパワーシリンダ6の前室6f内に作用するとともに、主ディスプレーサシリンダ2m内の作動気体Gが収縮し、連通管26mを介してパワーシリンダ6の後室6r内に作用するため、パワーシリンダ6内のパワーピストン6pは後側(図6(b)中、上側)へ移動する。なお、従来のように主ディスプレーサシリンダ2mのみを備えた場合には、主ディスプレーサシリンダ2sにおける作動気体Gの収縮のみでパワーピストン6pが移動することになる。
また、図1(c),(d)もパワーピストン6pの移動途中のタイミングを示し、図6(c),(d)がこの状態に対応する。そして、パワーピストン6pが、図7(e)に示すパワーシリンダ6の後端位置(図7(e)中、上端位置)Xrに達すれば、後位置センサ15rが検出する。これにより、制御部本体51が各位置切換制御信号Smc,Sscを出力し、このタイミングにおいて、主ディスプレーサシリンダ2mのディスプレーサピストン2mpが、図6(d)の左端位置から右端位置へ移動し、冷却側容積最大から加熱側容積最大に切換わるとともに、副ディスプレーサシリンダ2sのディスプレーサピストン2spが、図6(d)の右端位置から左端位置へ移動し、加熱側容積最大から冷却側容積最大に切換わる。図7(e)は、この切換動作の中間のタイミングを示している。
したがって、やや時間が経過した図1(f)に示すタイミングでは、図7(f)に示すように、主ディスプレーサシリンダ2mのディスプレーサピストン2mpが右端位置(加熱側容積最大位置Xmh)へ移動し、加熱側容積最大になるとともに、副ディスプレーサシリンダ2sのディスプレーサピストン2spが左端位置(冷却側容積最大位置Xsc)へ移動し、冷却側容積最大になる。これにより、主ディスプレーサシリンダ2m内の作動気体Gが膨張し、連通管26mを介してパワーシリンダ6の後室6rに作用するとともに、副ディスプレーサシリンダ2s内の作動気体Gが収縮し、連通管26sを介してパワーシリンダ6の前室6fに作用するため、パワーシリンダ6内のパワーピストン6pが前側(図7(f)中、下側)へ移動する。
また、図1(g),(h)もパワーピストン6pの移動途中のタイミングを示し、図7(g),(h)がこの状態に対応する。そして、パワーピストン6pが、図6(a)に示すパワーシリンダ6の前端位置(図6(a)中、下端位置)Xfに達すれば、前位置センサ15fが検出する。この結果、制御部本体51が各位置切換制御信号Smc,Sscを出力し、このタイミングにおいて、主ディスプレーサシリンダ2mのディスプレーサピストン2mpが、図7(h)の右端位置から左端位置へ移動し、加熱側容積最大から冷却側容積最大に切換わるとともに、副ディスプレーサシリンダ2sのディスプレーサピストン2spが、図7(h)の左端位置から右端位置へ移動し、冷却側容積最大から加熱側容積最大に切換わる。図6(a)は、この切換動作の中間のタイミングを示している。
これにより、スターリングエンジン1の1周期(1サイクル)の動作過程が終了する。このように、本実施形態に係る駆動制御方法は、図1に示すように、ディスプレーサピストン2mp,2spの位置が、パルス信号となる位置切換制御信号Smc,Sscによりほぼ瞬時に切換えられる。即ち、主駆動アクチュエータ5mに位置切換制御信号Smcが付与されることにより、ディスプレーサピストン2mpは、ディスプレーサシリンダ2mにおける加熱側の容積を最大にする加熱側容積最大位置Xmh又は冷却側の容積を最大にする冷却側容積最大位置Xmcに、ほぼ瞬時に切換えられ、直ちに加熱側容積最大位置Xmhにおける最大量の作動気体Gに対する加熱又は冷却側容積最大位置Xmcにおける最大量の作動気体Gに対する冷却が開始される。同様に、副駆動アクチュエータ5sに位置切換制御信号Sscが付与されることにより、ディスプレーサピストン2spは、ディスプレーサシリンダ2sにおける加熱側の容積を最大にする加熱側容積最大位置Xsh又は冷却側の容積を最大にする冷却側容積最大位置Xscに、ほぼ瞬時に切換えられ、直ちに加熱側容積最大位置Xshにおける最大量の作動気体Gに対する加熱又は冷却側容積最大位置Xscにおける最大量の作動気体Gに対して冷却が開始される。したがって、作動気体Gに対する加熱部3による加熱効率及び冷却部4による冷却効率をより高め、ディスプレーサシリンダ2mにおける高い熱交換効率を実現することができる。
この点が図8(A),(B)に実線で示す背景技術に係るスターリングエンジンとは異なる。即ち、背景技術で挙げたスターリングエンジンにおけるディスプレーサピストンの位置(振幅)の時間的変動は、図8(A)に示すような、いわば正弦曲線Drに従ったものとなる。これに対し、本実施形態に係る駆動制御方法におけるディスプレーサピストンの位置の時間的変動は、図8(A)に仮想線で示す矩形線(パルス波形)Diに従ったものとなる。したがって、図8(A)に実線と仮想線で示したディスプレーサピストンの位置の時間的変動を比較することにより、本実施形態に係る駆動制御方法の優位性を検証することができる。
通常、ディスプレーサシリンダに対して単位時間に出入する熱量Q,伝熱面積Ka,熱源との温度差ΔT,の間には、Q∝Ka×ΔTの関係が成立する。ディスプレーサシリンダの直径を一定とすると、加熱部(又は冷却部)の伝熱面積∝加熱部(又は冷却部)のディスプレーサ容積となるため、図8(A)は伝熱面積の時間的変動とみることができる。そこで、ディスプレーサピストンを正弦曲線Drで駆動制御した場合における加熱部伝熱面積の最大値をHpとすると、加熱部伝熱面積の平均値Hiは、正弦曲線の特性により、Hi=(2/π)×Hp=0.64Hpとなる。このことは、図8(A)で2種類のハッチングで示す面積がバランスすることからも明らかである。
一方、ディスプレーサピストンの加熱側容積最大位置Xmhを、正弦曲線Drにより駆動制御した場合と同じ位置に設定し、本実施形態に係る方法により駆動制御した場合、加熱部伝熱面積は一定値Hpになるとともに、加熱部伝熱面積の平均値もHpとなる。したがって、加熱過程における平均で見た場合、ΔH(Hp−Hi)分の伝熱面積が正弦曲線Drにより駆動制御した場合に比べて増加する。即ち、本実施形態に係る駆動制御方法を用いた場合には、背景技術で挙げたスターリングエンジンの場合に比べて加熱過程における伝熱面積の総和が、Hp/Hi=π/2=1.57倍に増加する。冷却過程においても同様に伝熱面積の総和が増加し、それに伴って、上述したQ∝Ka×ΔTにより、ディスプレーサシリンダに単位時間に出入する熱量Q及びパワーピストンの出力が増加する。
また、本実施形態に係る駆動制御方法を用いた場合には、ディスプレーサピストンの位置切換後の初期段階で最大値の作動気体Gが直ちに加熱又は冷却されるため、作動気体Gが所定の温度まで加熱又は冷却されるまでの時間が背景技術で挙げたスターリングエンジンの場合よりも短くなる。このため、パワーピストンの振動数を背景技術で挙げたスターリングエンジンよりも高くすることが可能となり、より高い出力を得れることになる。加えて、本実施形態に係る駆動制御方法を適用したスターリングエンジン1は、主ディスプレーサシリンダ2mと副ディスプレーサシリンダ2sを組合わせた構造を有するため、パワーピストン6pの前後面の圧力差を大きくすることができ、概ね2倍のパワーアップ、即ち、高出力化及び能力アップを実現できる。なお、この際、パワーピストン6pの前後面における圧力の高低が交互に変化するため、パワーピストン6p(ピストンロッド)とパワーシリンダ6間において作動気体Gの移動が発生したとしても、長期的に見た場合、平均化(相殺)され、主ディスプレーサシリンダ2m側の作動気体Gと副ディスプレーサシリンダ2s側の作動気体Gは均等に維持されることになり、パワーピストン6pの出力低下は回避される。
また、図8(B)に示すように、背景技術で挙げたスターリングエンジンでは、パワーピストンの位置の変化もディスプレーサシリンダにおける加熱側及び冷却側の容積変化と同様に正弦曲線Drpとなる。これに対して、本実施形態のようなパルス信号となる位置切換制御信号Smcにより駆動制御した場合、パワーピストン6pの位置は仮想線で示す変化曲線Dipとなる。即ち、ディスプレーサピストンの位置を加熱側容積最大位置Xmhに切換えた直後の初期段階から最大量の作動気体Gが直ちに加熱されるため、作動気体Gは初期段階に急峻に膨張してパワーピストン6pを速い速度で移動させるが、時間の経過により温度差が小さくなるに従って移動速度は急速に減少する。したがって、図9(B)に示すように、パワーピストン6pが前端位置Xfから移動を開始した後、後端位置Xrに到達する手前の位置、即ち、例示の場合、位置Xrs(変更後の後端位置)で切換える早期切換モードによる制御も可能になる。例示した早期切換モードの場合、一周期当たり本来の切換時点に対して3/4時点でディスプレーサピストンの位置の切換えを行っている。このことはパワーピストンの振動数fが4/3倍になることを意味する。なお、このときのパワーピストン6pの振幅A(Xrs)は、図8(B)についてみると、後端位置Xrで切換えた場合の振幅A(Xrs)の、A(Xrs)/A(Xr)=36/39=0.92倍となる。
さらに、パワーピストン6pの出力W、振幅A、振動数fの間には、パワーピストンに対して働く力が同じとすると、W∝A×fの関係が成立するため、パワーピストン6pの出力Wは、(36/39)×(4/3)≒1.23倍となる。即ち、例示したように、ディスプレーサピストンの位置を、本来の切換時点に対して3/4の時点で行う早期切換モードで制御した場合には、1.23倍の出力アップが可能となる。加えて、本実施形態に係わる駆動制御方法を用いた場合には、前述したように、一周期における平均伝熱面積を、Hp/Hi=π/2=1.57倍にすることが可能となるため、1.23×1.57≒1.93倍の能力アップを図ることができる。なお、図9において、Diepは、早期切換モードを行った場合、即ち、一周期当たり3/4時点での早期切換えを行った場合におけるパワーピストン6pの位置の変化特性を示すとともに、Xfsは、変更後の前端位置、即ち、早期切換モードを行った場合における、前端側の本来位置に対する3/4時点のディスプレーサピストン位置切換制御信号生成位置を示し、この位置Xfsは、上述した位置Xrsに対応する。また、Dieは、早期切換モードを行った場合の主ディスプレーサピストン2mpの位置の変化特性、Smceは早期切換モードを行った場合の位置切換制御信号をそれぞれ示し、位置変化特性Dieは、位置切換制御信号Smceによって制御されている。
このように、本実施形態に係る駆動制御方法を用いる場合、図1に示した制御形態は、パワーピストン6pの運動周期を設計条件の最適値に設定する場合を想定しているため、パワーピストン6pの運動周期を短くして振動数を増加させた場合、ディスプレーサピストン2mp,2spの往復運動で消費されるエネルギ或いはピストンシリンダや軸受管等において摩擦によって消費されるエネルギの急激な増加によってパワーピストン6pからの出力が低下する虞れがある。これに対して、図9に示した実施形態は、熱源温度差が減少又はパワーピストン6pへの負荷が増加し、パワーピストン6pの運動速度が、図1の制御形態(最適な設計条件)に対して減少した場合を想定しているため、上記早期切換モードによるパワーピストン6pの振動数の増加に伴うディスプレーサの往復運動及び各部の摩擦によるエネルギ損失の増加は、ディスプレーサピストン2mp,2spの運動周期が短くなることによるパワーピストン6pの出力の増加に比べて少ない。
なお、図10及び図11には、本実施形態に係るスターリングエンジン1の出力部7の変更例を示す。
図1は、出力部7として、発電機11(リニア発電機11x)を用いた場合を示したが、図10は、出力部7として、運動入力軸7sの運動を直接出力させる運動出力ユニット12を用いた場合を示す。運動出力ユニット12は、ピストンロッド6po(運動入力軸7s)を覆う軸受管29に一体のシーリングカバー71を備える。シーリングカバー71は完全に密閉された筒状に形成するとともに、下半部はピストンロッド6poの進退方向に伸縮する蛇腹部71eとして形成する。一方、ピストンロッド6poと一体の運動入力軸7sはシーリングカバー71の底部まで延設し、運動入力軸7sの下端には取付盤7spを一体形成するとともに、この取付盤7spはシーリングカバー71の底部内面に固定する。また、シーリングカバー71の底部外面にも盤状の出力作用端部72を固定し、この出力作用端部72の変位出力(運動出力)を外部の産業機械等に作用(入力)させることができる。さらに、シーリングカバー71の内周面には、前述した二つの位置センサ15f,15rを同様の位置関係で配設するとともに、運動入力軸7sには、位置センサ15f,15rにより検出可能なマグネット等の被検出部73を固定する。
一方、図11は、図10における位置センサ15f,15rを変更した例を示す。即ち、図10における位置センサ15f,15rは、パワーピストン6pの前端位置Xf又は後端位置Xrを検出するスイッチ機能を有するものであるが、図11は、パワーピストン6pの絶対位置を連続的に検出するリニアスケール等の位置センサ15を用いたものである。したがって、この位置センサ15は、前述した早期切換モードを実行するために、切換位置の設定を変更するための位置センサ15f,15rの代替として利用してもよいし、後述するように、位置及び速度の連続検出を行い、外乱等の性能変動要因が生じたときに、この性能変動に対して切換位置を連続的に変更し、最適化制御を行うために利用してもよい。なお、図11に示したパワーピストン6pの絶対位置を連続的に検出するリニアスケール等の位置センサ15は、発電機11(リニア発電機11x)を用いた場合等、運動出力ユニット12を用いない場合にも利用することができる。
このように、パワーピストン6pにおけるピストンロッド6poの運動を作用させる運動入力軸7sの運動を直接出力させる運動出力ユニット12を設ければ、運動入力軸7sの運動を、産業機械等の動力源として直接利用することができるとともに、運動入力軸7sをシーリングカバー71で覆うことにより、出力部7の密閉性も容易かつ確実に確保できる利点がある。したがって、図10(図11も同じ)の場合も、シーリングカバー71を含む、各ディスプレーサシリンダ2m,2sのシリンダ部2mc,2sc、各駆動アクチュエータ5m,5sのケーシング部5mc,5sc、パワーシリンダ6のシリンダ部6c、各連通管26m,26s及び各軸受管23m,23s,29を、気密性を有する一体化した密閉構造Msによるハウジング部61により構成することができる。なお、図10及び図11において、図2と同一部分については同一符号を付して、その構成を明確にするとともに、その詳細な説明は省略する。
次に、本実施形態に係る駆動制御方法であって、その他の制御方法について、特に、前述した早期切換モードを含む駆動制御方法について説明する。
上述した位置センサ15を利用すれば、図9に示した早期切換モードを容易かつ最適な形態により実行することができる。具体的には、パワーピストン6pの移動速度を、位置センサ15を利用して連続的に検出し、移動速度が減少した場合に、種々の移動速度に対して予め設定した最適な位置Xfs,Xrs、即ち、データテーブル等により設定した最適な、前端,後端の位置Xfs,Xrsにおいて、パワーピストン6pの到達が検出された時点で、ディスプレーサピストンの位置切換制御信号を生成し、ディスプレーサピストンの位置を切換えることができる。この場合には、パワーピストン6pの実際の検出位置とディスプレーサピストンの位置切換制御信号を生成する位置はいずれもXfs,Xrsであり、相互に対応関係を有する。
また、他の方法として、図10における位置センサ15f,15r及び必要に応じてその内側に追加して配設した位置センサによってパワーピストンの位置を検出し、そのデータを用いて予め設定した演算式等を利用してパワーピストンの位置の時間変動曲線を作成し、その曲線によりパワーピストン6pがデータテーブル等により設定した最適な前端,後端の位置Xfs,Xrsに到達する時点を推定し、推定した時点でディスプレーサピストンの位置切換制御信号を生成し、ディスプレーサピストンの位置を切換えることもできる。この場合には、パワーピストン6pの実際の検出位置と切換を行うための最適な前端,後端の位置Xfs,Xrs間における相互の対応関係はなくなる。
したがって、このような制御を行えば、例えば、設計条件よりも加熱部3と冷却部4間の温度差が小さい場合やパワーピストン6pに接続された負荷が大きい場合等により、パワーピストン6pの運動速度が低下し、それに伴い出力が著しく低下することによりパワーピストン6pが停止する可能性がある場合であっても、パワーピストン6pの出力が増加するように、パワーピストン6pの振幅が適宜修正され、当該パワーピストン6pが停止してしまう不具合を回避することができる。このように、早期切換モードを用いることにより、常に最大出力を得るための最適化制御を容易に行うことが可能となり、効率の向上及び稼働可能な温度領域の拡大が可能になるとともに、多様的で発展的な制御を行うことができる。
他方、以上の駆動制御方法は、パワーピストン6pの位置に応じて各ディスプレーサピストン2mp,2spの位置を切換える場合を示したが、必ずしもパワーピストン6pの位置を検出することを要せず、予め設定した一定時間間隔毎にディスプレーサピストン2mp,2spの位置を切換えてもよい。即ち、(パワーピストン6pの行程)=(パワーピストン6pの1行程の平均速度)×(1行程の所要時間)の関係により、ディスプレーサピストン2mp,2spの位置の切換時間間隔が一定の場合には、パワーピストン6pの運動速度の低下に伴ってパワーピストン6pの振幅が短くなるため、ディスプレーサピストン2mp,2spの位置の切換時間間隔を一定値に設定する方法により、熱源の温度差の低下等によりパワーピストンの運動速度が減少した場合に、パワーピストンの振幅を自動的に減少させ、出力の低下を少なくすることができる。また、この場合には、出力が最大になるようにディスプレーサピストン2mp,2spの位置の切換時間間隔を自動的に調整する機能を組込むか、或いは外部からの操作によりディスプレーサピストン2mp,2spの位置の切換時間間隔を変更することにより、熱源や負荷の変化等に対応してディスプレーサピストン2mp,2spの位置の切換時間間隔を最適な値に設定することができる。この場合には、パワーピストン6pの位置を検出する位置センサ15f…が不要になるため、構造を簡素化できる利点がある。
以上、好適実施形態について詳細に説明したが、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、細部の構成,形状,素材,数量,数値、特に、ディスプレーサピストン2mp,2spの位置制御方法及び出力エネルギの利用方法等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更,追加,削除することができる。
例えば、実施形態では、主ディスプレーサシリンダ2mと副ディスプレーサシリンダ2sを組合わせた形態について説明したが、主ディスプレーサシリンダ2m側のみを用いる形態であっても同様に適用できる。即ち、内部に作動気体G及び移動可能なディスプレーサピストン2mpを内蔵した主ディスプレーサシリンダ2mの一端側を加熱部3により加熱し、かつ主ディスプレーサシリンダ2mの他端側を冷却部4により冷却するとともに、少なくとも主駆動アクチュエータ5mを駆動制御することによりディスプレーサピストン2mpを進退駆動し、ディスプレーサシリンダ2m内の作動気体Gの作用によりパワーシリンダ6に内蔵するパワーピストン6pを移動させる構成を使用し、主駆動アクチュエータ5mに対してパルス信号となる位置切換制御信号Smcを付与することにより、ディスプレーサピストン2mpを、主ディスプレーサシリンダ2mにおける加熱側の容積を最大にする加熱側容積最大位置Xmh又は冷却側の容積を最大にする冷却側容積最大位置Xmcに切換制御するようにしてもよい。また、パワーピストン6pにおけるピストンロッド6poの運動が作用する出力部7として、発電機11と運動出力ユニット12を例示したが、その他、ピストンロッド6poの運動を利用できる各種機器類を適用できる。なお、出力部7とは所定の動作を行う機器類をはじめ、図10におけるピストンロッド6poの先端部分も含まれ、いわば、ピストンロッド6poに接続又は一体の物は全て含まれる。さらに、発電機11には、リニア式発電機11xを用いることが望ましいが、勿論、クランク機構等を介して運動入力軸を回転させるロータリ式の発電機であってもよい。一方、駆動アクチュエータ5m,5sとして、リニア式電動アクチュエータ5mx,5sxを用いた場合を示したが、ロータリ式電動アクチュエータをクランク機構等を介してディスプレーサピストン2mp,2spを移動する場合を排除するものではない。また、パワーピストン6pの動きを伝達機構(リンク機構)を介して駆動アクチュエータ5m,5sに伝達する機械的構成を排除するものではない。なお、作動気体Gとして不活性ガスを利用する場合を示したが、空気をはじめ、他の作動気体を排除するものではない。
本発明に係る駆動制御方法は、発電システム等の動力源として用いる各種スターリングエンジンに利用することができる。
1:スターリングエンジン,2m:ディスプレーサシリンダ(主ディスプレーサシリンダ),2mp:ディスプレーサピストン,2s:第二のディスプレーサシリンダ(副ディスプレーサシリンダ),2sp:ディスプレーサピストン,3:加熱部,4:冷却部,5m:ディスプレーサ用駆動アクチュエータ(主駆動アクチュエータ),5mx:リニア式電動アクチュエータ,5s:第二のディスプレーサ用駆動アクチュエータ(副駆動アクチュエータ),5sx:リニア式電動アクチュエータ,6:パワーシリンダ,6p:パワーピストン,6po:パワーピストンにおけるピストンロッド,6f:パワーシリンダの前室,6r:パワーシリンダの後室,7:出力部,7s:運動入力軸,11:発電機,11x:リニア式発電機,12:運動出力ユニット,15:位置センサ,15f:位置センサ(前位置センサ),15r:位置センサ(後位置センサ),G:作動気体,Smc:位置切換制御信号,Ssc:第二の位置切換制御信号,Xmh:加熱側容積最大位置,Xmc:冷却側容積最大位置,Xsh:加熱側容積最大位置,Xsc:冷却側容積最大位置,Xf:パワーピストンの前端位置,Xr:パワーピストンの後端位置
Claims (9)
- 内部に作動気体及び移動可能なディスプレーサピストンを内蔵したディスプレーサシリンダの一端側を加熱部により加熱し、かつ前記ディスプレーサシリンダの他端側を冷却部により冷却するとともに、少なくともディスプレーサ用駆動アクチュエータを駆動制御することにより前記ディスプレーサピストンを進退駆動し、前記ディスプレーサシリンダ内の作動気体の作用によりパワーシリンダに内蔵するパワーピストンを移動させるスターリングエンジンの駆動制御方法において、前記駆動アクチュエータに対してパルス信号となる位置切換制御信号を付与することにより、前記ディスプレーサピストンを、前記ディスプレーサシリンダの加熱側の容積を最大にする加熱側容積最大位置又は冷却側の容積を最大にする冷却側容積最大位置に切換制御することを特徴とするスターリングエンジンの駆動制御方法。
- 前記ディスプレーサシリンダのディスプレーサピストンを駆動制御する前記ディスプレーサ用駆動アクチュエータ(主駆動アクチュエータ)は、リニア式電動アクチュエータを用いることを特徴とする請求項1記載のスターリングエンジンの駆動制御方法。
- 前記ディスプレーサシリンダ(主ディスプレーサシリンダ)に対して、内部に作動気体及び移動可能なディスプレーサピストンを内蔵した第二のディスプレーサシリンダ(副ディスプレーサシリンダ)の一端側を加熱部により加熱し、かつ副ディスプレーサシリンダの他端側を冷却部により冷却するとともに、第二のディスプレーサ用駆動アクチュエータ(副駆動アクチュエータ)を駆動制御することにより副ディスプレーサシリンダに内蔵するディスプレーサピストンを進退駆動し、前記パワーピストンにより仕切られた前記パワーシリンダの前後室の一方に前記主ディスプレーサシリンダ内の作動気体を作用させ、かつ前記前後室の他方に前記副ディスプレーサシリンダ内の作動気体を作用させるとともに、前記副駆動アクチュエータに対してパルス信号となる第二の位置切換制御信号を付与することにより、前記副ディスプレーサシリンダに内蔵するディスプレーサピストンを、前記副ディスプレーサシリンダの加熱側の容積を最大にする加熱側容積最大位置又は冷却側の容積を最大にする冷却側容積最大位置に切換えることを特徴とする請求項1又は2記載のスターリングエンジンの駆動制御方法。
- 前記副駆動アクチュエータはリニア式電動アクチュエータを用いることを特徴とする請求項3記載のスターリングエンジンの駆動制御方法。
- 前記主駆動アクチュエータに付与する前記位置切換制御信号の位相と前記第二の位置切換制御信号の位相は180〔゜〕異ならせることを特徴とする請求項3又は4記載のスターリングエンジンの駆動制御方法。
- 前記パワーピストンにおけるピストンロッドの運動を作用させる出力部を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のスターリングエンジンの駆動制御方法。
- 前記出力部には、少なくとも、前記パワーピストンにおける前記ピストンロッドの運動を作用させる運動入力軸を有するリニア式発電機を含む発電機,又は運動入力軸の運動を直接出力させる運動出力ユニットの一方又は双方を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のスターリングエンジンの駆動制御方法。
- 前記パワーピストンの、前端位置と後端位置を位置センサにより検出又は推定し、この検出結果又は推定結果に基づいて前記各位置切換制御信号を生成することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のスターリングエンジンの駆動制御方法。
- 前記前端位置と後端位置は、変更可能であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のスターリングエンジンの駆動制御方法。
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