JPH10253184A - 冷凍機 - Google Patents

冷凍機

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JPH10253184A
JPH10253184A JP6070397A JP6070397A JPH10253184A JP H10253184 A JPH10253184 A JP H10253184A JP 6070397 A JP6070397 A JP 6070397A JP 6070397 A JP6070397 A JP 6070397A JP H10253184 A JPH10253184 A JP H10253184A
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compressor
power
expander
detector
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Atsushi Kajitani
淳 梶谷
Nobuo Fujii
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B2309/00Gas cycle refrigeration machines
    • F25B2309/001Gas cycle refrigeration machines with a linear configuration or a linear motor

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  • Control Of Positive-Displacement Pumps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷凍機内部の作動ガス圧力や温度は、冷凍機
の外部環境温度や冷凍機の低温室の温度や冷凍機の冷却
性能によって変化するため最大冷熱量を必要とする場面
では、圧縮機ガス圧力によって圧縮抵抗が異なるので、
圧縮機動作を最大に制御することができず部品の衝突や
破損または発生冷熱量の低下が起こる。 【解決手段】 圧縮機または高温室の内部の作動ガスに
ついて温度または圧力を検出し、検出温度または圧力
と、低温室温度とに応じた電力操作を行う。最大冷熱量
を必要とする場面では圧縮機動作を最大に制御する電力
操作、低温室温度を目標値に保つ場面では冷却効率を反
映した電力操作を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば赤外線検
知素子を例えば80K程度の低温に冷却する冷凍機に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】冷凍機の例として図7に特願昭62−2
70997に記載されている従来のスターリング冷凍機
の構成例を示す。図7においてスターリング冷凍機は、
大きく分けて圧縮機1と膨張機2と電源35と電力量制
御器36より構成される。圧縮機1は支持ばね18によ
り位置決めされたピストン16が第1のシリンダ17内
部を往復運動する構造となっている。ピストン16には
非磁性材料からなる軽量のスリーブ19が連結されてい
る。またスリーブ19には導電体が巻き付けられ、可動
コイル20が形成されている。可動コイル20はハウジ
ング21の壁を通して外部に伸びる第1のリード線22
及び第2のリード線23と接続している。これらのリー
ド線22,23はハウジング21の外側に第1の電気接
点24及び第2の電気接点25を持ち、電源35と接続
している。ハウジング21内には環状永久磁石26及び
ヨーク27が設けられており、これらは、閉磁気回路を
構成している。可動コイル20は環状永久磁石26及び
ヨーク27からなる閉磁気回路に設けられた間隙28内
でピストン16の軸方向に往復運動できる構造になって
いる。間隙28内には可動コイル20の運動方向を横切
る半径方向に永久磁界が存在する。以上のスリーブ1
9、可動コイル20、リード線22,23、環状永久磁
石26、ヨーク27は全体としてリニアモータ29を構
成している。第1のシリンダ17の内側のピストン16
上部の内部空間を圧縮室30と呼ぶ。圧縮室30には例
えばヘリウムなどの高圧の作動ガスが封入されている。
圧縮室30内の作動ガスが第1のシリンダ17とピスト
ン16の隙間を通過しないように第1のシリンダ17と
ピストン16の隙間にはシール31,32が設けられて
いる。以上が圧縮機1の構成である。
【0003】膨張機2は円筒状の第2のシリンダ3及び
共振ばね4により係合され第2のシリンダ3内を摺動自
在に往復するディスプレーサ5を有している。第2のシ
リンダ3内部の空間はディスプレーサ5によって2分割
されており、ディスプレーサ5より上方の空間を低温室
6、下方の空間を高温室7と呼ぶ。ディスプレーサ5内
部には再生器8、ガス通過孔9,10が設けられ、低温
室6と高温室7は再生器8とガス通過孔9,10を介し
て連通しており、再生器8には例えば銅の金網などの蓄
冷材11が充填されている。第2のシリンダ3とディス
プレーサ5の隙間を作動ガスが通過しないようにディス
プレーサ5と第2のシリンダ3の隙間にはシール12,
13が設けられている。膨張機2の各室には圧縮機1と
同様に例えばヘリウムなどの高圧の作動ガスが封入され
ている。以上が膨張機2の構成である。圧縮機1の圧縮
室30と膨張機2の高温室7は、連結管14を介して連
通している。また、圧縮室30、高温室7、再生器8、
低温室6は互いに連通しており、これらの室全体を作動
室15と呼ぶ。
【0004】電力量制御器36は、スイッチ40、第1
の電力量補正モジュール41、定温補償モジュール4
2、及び起動時電力量制御モジュール43から構成され
る。膨張機2の低温室6の上部には温度検出器37が設
けてあり低温室6の温度を検出する。低温室温度検出器
37の検出信号はスイッチ40、第1の電力量補正モジ
ュール41、及び定温補償モジュール42に接続されて
いる。スイッチ40は低温室温度検出器37の検出信号
により、第1の電力量補正モジュール41の出力に従う
クールダウンモード、定温補償モジュール42の出力に
従う定温制御モードを切り替える。第1の電力量補正モ
ジュール41は温度検出器37の検出信号を入力として
リニアモータ29に供給する電力量を操作する。定温補
償モジュール42は温度検出器37の検出信号を入力と
して検出温度を一定値となるようリニアモータ29に供
給する電力量を操作する。起動時電力量制御モジュール
43は電源起動時にリニアモータ29への電力量を徐々
に増加させるように操作する。電力量制御器36は各モ
ジュールによる操作の積をとり電力量を決定する。電源
35はこの決定に基づいてリニアモータ29に出力す
る。
【0005】上記のように構成された従来のスターリン
グ冷凍機の動作について説明する。電源35より電気接
点24,25及びリード線22,23を介して可動コイ
ル20に交流電流を供給すると、可動コイル20には間
隙28中の永久磁界との相互作用により軸方向にローレ
ンツ力が働く。その結果ピストン16と可動コイル20
からなる組立体はピストン16の軸方向で上下に移動す
る。今、可動コイル20に正弦波電流を印加すると、ピ
ストン16はシリンダ17の内部を往復運動し、圧縮室
30から低温室6に至る作動室15のガス圧力に正弦波
状の波動を与える。この正弦波状の圧力波動によりディ
スプレーサ5内の再生器8を通過する作動ガスの流量が
周期的に変化し、再生器8による圧力損失によってディ
スプレーサ5の両端には周期的な圧力差が生じる。この
圧力差と共振ばね4の共振によって再生器8を含むディ
スプレーサ5はピストン16と同じ周波数かつ異なった
位相で膨張機2内を軸方向に往復する。ピストン16及
びディスプレーサ5が適当な位相差を保って運動すると
き、作動室15に封入された作動ガスは「逆スターリン
グサイクル」として既知の熱力学サイクルを構成し、主
として低温室6に冷熱を発生する。
【0006】上記「逆スターリングサイクル」とその冷
熱発生の原理については、文献「Cryocooler
s」(G.Walker,Plenum Press,
New York,1983,PP.117〜123)
に詳細に説明されている。以下にその原理について説明
する。ピストン16により圧縮された圧縮室30内の作
動ガスは高温室7、ガス通過孔9、再生器8に流れ込
む。作動ガスは、再生器8では半サイクル前に蓄えられ
た冷熱により予冷され、低温室6内に入る。そして、大
部分の作動ガスが低温室6内に入ると膨張が始まり、低
温室6内に冷熱を発生する。作動ガスは、次に逆の順序
で再生器8に冷熱を放出しながら流路を戻り圧縮室30
に入る。この時、膨張機2先端部から熱を奪いその外部
を冷却する。このようにして、大部分の作動ガスが圧縮
室30内に戻ると再び圧縮が始まり、次のサイクルに移
動する。以上のようなプロセスを繰返すことにより低温
室6の温度は徐々に低下し、例えば80ケルビン程度の
低温を得ることができる。
【0007】このようなスターリング冷凍機は、例えば
赤外線検出器に用いられ、例えば80ケルビン程度の一
定温度を保つようにして自動制御により動作させる。そ
の場合、2つの動作モードに区別して動作させるのが普
通である。すなわち、低温室6の温度が目標の温度に対
しある程度以上高温の場合には、目標の温度近傍までの
冷却時間(クールダウンタイム)の短縮を目的として、
低温室6に発生する冷熱量が最大となるような動作モー
ド(クールダウンモード)で駆動し、目標の温度近傍と
なってからは目標値に収束させ維持するような動作モー
ド(定温制御モード)で駆動する。両モードの切換はス
イッチ40により行われる。クールダウンモードにおい
ては、常にピストン16の振幅を最大とすることで最大
の冷熱量を得ることができる。リニアモータ29に供給
される電力量を一定とした場合、ピストン16の振幅は
低温室6の温度により変動し、低温室6の温度が低下す
るにつれて小さくなる。これは低温室6の温度の低下に
ともない、低温室6内作動ガスの粘性が増大し圧縮機1
の圧縮負荷が増加することによる。そこで第1の電力量
補正モジュール41は温度検出器37により検出された
低温室6の温度信号を入力とし、低温室6の温度が低下
するにつれてリニアモータ29への供給電力量を増大さ
せるよう操作する。一方、定温制御モードにおいては定
温補償モジュール42が低温室6の温度信号を入力と
し、低温室6の温度変動が例えば0.1ケルビン以下と
なるように電源35のリニアモータ29への供給電力量
を制御する。低温補償モジュール42の具体的な処理内
容としては、低温室温度と目標温度の差を算出し、算出
温度差を時間積分して電力操作量とするのが一般的であ
る。また、起動時電力量制御モジュール43は、電源起
動時に可動コイル20に供給される電力量が急激に増大
しないように徐々に電力量を増大するよう操作し、ピス
トン13の振幅が可動範囲を越えて動作し部品が衝突し
破損することを防止する。電力量制御器36は、第1の
電力量補正モジュール41または定温補償モジュール4
2、及び起動時電力量制御モジュール43によるそれぞ
れの操作を積算してリニアモータ29に供給する電力量
を決定し、電源35に指示する。リニアモータ29に供
給する電源35はこの決定に基づいてリニアモータ29
に出力する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来装置
には以下に述べるような課題があった。クールダウンモ
ードにおいては、ピストン16の振幅を常に最大振幅に
維持すればクールダウンタイムを最短にできる。しか
し、この振幅は実際には低温室6の温度だけでなく、圧
縮室30内の作動ガス圧力によっても変化する。低温室
6の温度を一定とし、一定電力を供給したときの圧縮室
30内の作動ガス圧力とピストン16の振幅の関係を図
8に示す。図8において、P10,S10は、例えば圧
縮室30内の作動ガス圧力が10kg/cm2 の時の供
給電力とピストン16の振幅、P15,S15は、例え
ば圧縮室30内の作動ガス圧力が15kg/cm2 の時
の供給電力とピストン16の振幅である。図8からわか
るようにガス圧力が高いときほど、振幅が小さくなる。
これは、ガス圧力により圧縮抵抗が異なるためである。
圧縮室30内の作動ガス圧力はガス温度にほぼ比例す
る。圧縮室30内の作動ガス温度は冷凍機が起動してい
なければ冷凍機の外部環境温度と一致し、起動後は外部
環境温度より上昇する。したがって、圧縮室30内の作
動ガス温度は、冷凍機の使用環境温度範囲よりも広い温
度範囲において変化する。これにより、前記のように低
温室6の温度だけで電力供給量を補正しても、圧縮室3
0のガス温度によってピストン16の振幅が異なり、常
に最大振幅で動作させることができない。すなわち、ク
ールダウンモードにおいて、ガス温度が高い場合には圧
力振幅が小さくなるので冷却速度が低下しクールダウン
タイムが長くなり、逆に、ガス温度が低い場合にはピス
トン16の振幅が大きくなり可動範囲を越えて動作し、
可動コイル20がハウジング21やヨーク27と衝突し
て破損するという課題があった。
【0009】一方、定温制御モードにおいては、高温室
7の内部の作動ガス温度によって、低温室6の温度安定
精度が変動するという課題があった。この課題の詳細に
ついて以下に説明する。冷凍機が生成し得る冷熱量は高
温室温度をTH、低温室温度をTLとしたとき数1で表
されるカルノー効率ηによって決まる。数1は低温部の
温度を一定且つ冷凍機の冷却性能を一定としたとき、高
温室7の内部の作動ガスが高温であるほど、電力操作量
に対する発生冷熱量応答が小さくなることを示してい
る。つまり従来の冷凍機のように、高温室7の内部の作
動ガス温度に関係なく、低温室6の温度だけを検出して
低温室6の温度制御をした場合、高温室7の内部の作動
ガス温度が高ければ温度安定精度は良いが応答が遅くな
り、高温室7の内部の作動ガス温度が低ければ応答は速
いが温度安定精度が悪くなるという課題があった。ま
た、低温室温度に関して複数の目標温度を設定する場合
にも同様の課題があった。
【0010】
【数1】
【0011】また、冷凍機の寿命に関しては以下に説明
するような課題があった。一般に冷凍機は長期間使用を
続けていると次第に冷却性能が劣化し、目標の低温が得
られなくなる。上記のようなスターリング冷凍機の場合
は主に摺動部の摩耗によって次第に冷却性能が劣化し、
入力電力量に対する発生冷熱量が次第に減少する。定温
補償モジュール42は低温室6の温度が一定の低温にな
るように電力量を操作するので、冷却性能の劣化にとも
ない次第に電力量は増加していき、遂には許容電力値に
達した後、冷凍機は目標の低温が得られなくなってその
機能を失う。ここで、従来の冷凍機では、前記許容入力
電力値すなわち定温補償モジュール42の電力量操作範
囲の上限値は、圧縮機1の内部の作動ガス温度によらず
一定値に設定していた。しかしながら、上記のように、
ピストン13の振幅及びカルノー効率は圧縮機1の内部
の作動ガス温度によって異なる。よって従来の冷凍機が
寿命に近づくと、圧縮機1の内部の作動ガス温度が低い
場合には供給電力量が設定上限値に達していないのに部
品衝突や破損が生じ、圧縮機1の内部の作動ガス温度が
高い場合にはピストン13の動作振幅に余裕があるにも
かかわらず電力制限によって目標の低温まで冷却できな
くなる。これにより結果的に冷凍機としての寿命が短縮
するという課題があった。
【0012】この発明は、上記のような課題を解決する
ためになされたもので、ガス温度の変化による、クール
ダウンタイムの延長、部品の衝突と破損、及び温度安定
性の変動を防止できる冷凍機を得ること、またこれによ
り冷凍機寿命の短縮を防止することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】第1の発明による冷凍機
は、従来の冷凍機に加え、圧縮機内部の作動ガス圧力を
検出し、圧力が高いほどリニアモータに印加する電力量
を大となるように操作する電力量制御により、圧縮抵抗
変動によらず常に可動部品を衝突や破損させることなく
可動範囲において最大動作をさせる手段を設けたことを
特徴とする。
【0014】また、第2の発明による冷凍機は、従来の
冷凍機に加え、圧縮機内部の作動ガス圧力を検出し、圧
縮機内部の作動ガス圧力と低温室温度から近似的に求ま
るカルノー効率に反比例した電力操作により、圧縮機内
部の作動ガス圧力や目標とする低温室温度の値によらず
均一な低温室温度安定精度を得る手段を設けたことを特
徴とする。
【0015】また、第3の発明による冷凍機は、従来の
冷凍機に加え、圧縮機内部に設置された温度検出器によ
って圧縮機内部の作動ガス温度を検出し、温度が高いほ
どリニアモータに印加する電力量を大となるように操作
する電力量制御により、圧縮抵抗変動によらず常に可動
部品を衝突や破損させることなく可動範囲において最大
動作をさせる手段を設けたことを特徴とする。
【0016】また、第4の発明による冷凍機は、従来の
冷凍機に加え、圧縮機内部に設置された温度検出器によ
って圧縮機内部の作動ガス温度を検出し、圧縮機内部の
作動ガス温度と低温室温度から求まるカルノー効率に反
比例した電力操作により、圧縮機内部の作動ガス温度や
目標とする低温室温度の値によらず均一な低温室温度安
定精度を得る手段を設けたことを特徴とする。
【0017】また、第5の発明による冷凍機は、従来の
冷凍機に加え、圧縮機外部に設置された温度検出器によ
って圧縮機外部表面温度を検出し、温度が高いほどリニ
アモータに印加する電力量を大となるように操作する電
力量制御により、圧縮抵抗変動によらず常に可動部品を
衝突や破損させることなく可動範囲において最大動作を
させる手段を設けたことを特徴とする。
【0018】また、第6の発明による冷凍機は、従来の
冷凍機に加え、圧縮機外部に設置された温度検出器によ
って圧縮機外部表面温度を検出し、圧縮機外部表面温度
と低温室温度から近似的に求まるカルノー効率に反比例
した電力操作により、圧縮機外部表面温度や目標とする
低温室温度の値によらず均一な低温室温度安定精度を得
る手段を設けたことを特徴とする。
【0019】また、第7の発明による冷凍機は、従来の
冷凍機に加え、冷凍機の外部環境温度を検出し、温度が
高いほどリニアモータに印加する電力量を大となるよう
に操作する電力量制御により、圧縮抵抗変動によらず常
に可動部品を衝突や破損させることなく可動範囲におい
て最大動作をさせる手段を設けたことを特徴とする。
【0020】また、第8の発明による冷凍機は、従来の
冷凍機に加え、冷凍機の外部環境温度を検出し、外部環
境温度と低温室温度から近似的に求まるカルノー効率に
反比例した電力操作により、外部環境温度や目標とする
低温室温度の値によらず均一な低温室温度安定精度を得
る手段を設けたことを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
実施の形態1 図1はこの発明の実施の形態1を示すスターリング冷凍
機構成図である。1から35,37,40から43は上
記従来装置と同一のものであり、ここでは省略する。図
において38は圧縮機1の内部に取り付けられ作動ガス
の圧力を検出する圧力検出器であり、この圧力検出器3
8の出力端は第2の電力量補正モジュール44及び圧力
−温度変換モジュール55に接続されている。ここでガ
ス温度がガス圧力に比例することを利用する。圧力−温
度変換モジュール55は圧力信号を温度信号に変換す
る。第2の電力量補正モジュール44は圧力検出器38
の検出信号を入力とし、圧縮機1の内部の作動ガス圧力
が高いときほどリニアモータ29への供給電力量を増大
させるよう操作する。前記ガス圧力に対する電力量の変
化量は、この場合、ガス圧力に対する支持ばね18とピ
ストン16が形成するばね−質量系の共振周波数の変化
から逆算して、例えば図5に示すように、常にピストン
16の振幅が可動範囲の最大値Smaxになるような値
を求める。一方、熱量利得補償モジュール52は、圧縮
機内ガス温度と低温室温度から求まるカルノー効率の逆
数を出力する。また電力リミッタ53は定温補償モジュ
ール42及び熱量利得補償モジュール52によって操作
される電力量が、ピストン振幅が可動範囲を越える値と
ならないように電力量を制限する。この制限値は第1の
電力量補正モジュール41及び第2の電力量補正モジュ
ール44により操作された電力量に一致する。よって電
力リミッタ53は第1の電力量補正モジュール41及び
第2の電力量補正モジュール44により操作された電力
量と、定温補償モジュール42及び熱量利得補償モジュ
ール52により操作された電力量とを比較して、どちら
か小さい方の値を出力するようにする。電力量制御器3
6は第1の電力量補正モジュール41または定温補償モ
ジュール42、及び起動時電力量制御モジュール43、
第2の電力量補正モジュール44による操作を積算して
電力量を決定する。
【0022】このように構成された冷凍機では、起動時
電力量制御モジュール43による起動時制御後のクール
ダウンモードにおいては、リニアモータ29に供給され
る電力量には常に低温室6の温度に対応した補正と圧縮
機1の内部の作動ガス圧力に対応した補正がなされ、ピ
ストン13は振幅を常に可動範囲の最大値に保って動作
することが出来る。したがって、作動ガスの圧力振幅を
最大値に保ち低温室6に発生する冷熱量を最大値に維持
できるので、可動コイル20をハウジング21やヨーク
27に衝突させて破損することなく、クールダウンタイ
ムを短縮できる。一方定温補償モードでは目標低温室温
度と高温室温度によって常にカルノー効率を考慮した電
力操作を行うので、熱制御系としてとらえた場合の補償
特性が目標低温室温度や高温室温度によらず均一にな
り、温度安定性や応答速度を均一にすることができる。
また、定温補償モードにおける電力操作範囲は、電力リ
ミッタ53によりピストン振幅が可動範囲の最大値とな
る値を上限としているので、冷凍機の冷却効率の劣化が
進んでも、可動コイル20をハウジング21やヨーク2
7に衝突させて破損することなく、ピストン振幅が可動
範囲の最大値となるまで冷凍機として機能する。
【0023】ここで圧力検出器38の取付位置は圧縮機
1の内部または高温室7の内部であればどこでもよい。
また、第2の電力量補正モジュール44は電気回路で構
成してもよいし、電力量制御器を例えばマイクロプロセ
ッサとしたときのソフトウェアモジュールでもよく、実
現方法はハードウェア、ソフトウェアを問わない。ま
た、圧縮機1内部のガス圧力がピストン振幅にあたえる
影響と低温室温度がピストン振幅にあたえる影響とが独
立とみなせない場合には、例えば電力量制御器36をマ
イクロプロセッサで構成して、例えば図6のように圧縮
機内部のガス圧力と低温室温度の2変数を入力し両変数
の高次関数としてピストン振幅が最大となる電力を出力
するソフトウェアモジュールを設け、第1の電力補正モ
ジュール41と第2の電力補正モジュール44の代わり
に配置すればよい。
【0024】実施の形態2 図2はこの発明の実施の形態2を示すスターリング冷凍
機構成図である。1から35,37,40から43は上
記従来装置と同一のものであり、ここでは省略する。図
において51は圧縮機1の内部に取り付けられ封入ガス
の温度を検出する温度検出器であり、この温度検出器5
1の出力端は熱量利得補償モジュール52及び温度−圧
力変換モジュール56に接続されている。ここでガス温
度がガス圧力にほぼ比例することを利用する。温度−圧
力変換モジュール56は温度信号を圧力信号に変換す
る。圧力信号は第2の電力量補正モジュール44に接続
されている。第2の電力量補正モジュール44は、圧力
が高いときほどリニアモータ29への供給電力量を増大
させるよう操作する。圧力に対する電力の変化量は、こ
の場合、ガス圧力に対する支持ばね18とピストン16
から形成されるばね−質量系の共振周波数の変化から逆
算して、常にピストンの振幅が可動範囲の最大値になる
ような値に定める。一方、熱量利得補償モジュール52
は、圧縮機内ガス温度と低温室温度から求まるカルノー
効率の逆数を出力する。また電力リミッタ53は定温補
償モジュール42と熱量利得補償モジュール52によっ
て操作される電力量が、ピストン振幅が可動範囲を越え
る値とならないように電力を制限する。この制限値は第
1の電力量補正モジュール41及び第2の電力量補正モ
ジュール44により操作された電力量に一致する。よっ
て電力リミッタ53は第1の電力量補正モジュール41
及び第2の電力量補正モジュール44により操作された
電力量と、定温補償モジュール42及び熱量利得補償モ
ジュール52により操作された電力量とを比較して、ど
ちらか小さい方の値を出力するようにする。電力量制御
器36はクールダウンモードでは第1の電力量補正モジ
ュール41と第2の電力量補正モジュール44と起動時
電力量制御モジュール43による操作を積算して電力量
を決め、また定温補償モードでは定温補償モジュール4
2と熱量利得補償モジュール52と電力リミッタ53と
起動時電力量制御モジュール43による操作を積算して
電力量を決定する。
【0025】このように構成された冷凍機では、起動時
電力量制御モジュール43による起動時制御後のクール
ダウンモードにおいては、リニアモータ29に供給され
る電力量には常に低温室6の温度に対応した補正と圧縮
機1の内部の作動ガス温度に対応した補正がなされ、ピ
ストン13は振幅を常に可動範囲の最大値に保って動作
することが出来る。したがって、作動ガスの圧力振幅を
最大値に保ち低温室6に発生する冷熱量を最大値に維持
できるので、可動コイル20をハウジング21やヨーク
27に衝突させて破損することなく、クールダウンタイ
ムを短縮できる。一方定温補償モードでは目標低温室温
度と高温室温度によって常にカルノー効率を考慮した電
力操作を行うので、熱制御系としてとらえた場合の補償
特性が目標低温室温度や高温室温度によらず均一にな
り、温度安定性や応答速度を均一にすることができる。
また、定温補償モードにおける電力操作範囲は、電力リ
ミッタ53によりピストン振幅が可動範囲の最大値とな
る値を上限としているので、冷凍機の冷却性能の劣化が
進んでも、可動コイル20をハウジング21やヨーク2
7に衝突させて破損することなく、ピストン振幅が可動
範囲の最大値となるまで冷凍機として機能することがで
きる。
【0026】ここで温度検出器51の取付位置は圧縮室
30内だけに限らず圧縮機1の内部であればどこでもよ
く、高温室7の内部でもよい。また、構造上、圧縮機1
の内部の作動ガス温度と高温室7の内部の作動ガス温度
が著しく異なる場合には、それぞれ別の温度検出器を設
け、高温室温度を熱量利得補償モジュール52に、圧縮
室温度を第2の電力量補正モジュール44に入力すれば
よい。また、第2の電力量補正モジュール44は電気回
路で構成してもよいし、電力量制御器36を例えばマイ
クロプロセッサとしたときのソフトウェアモジュールで
もよく、実現方法はハードウェア、ソフトウェアを問わ
ない。また、圧縮機内ガス温度がピストン振幅にあたえ
る影響と低温室温度がピストン振幅にあたえる影響とが
独立とみなせない場合には、例えば電力量制御器36を
マイクロプロセッサで構成して、圧縮機内ガス温度と低
温室温度の2変数を入力し両変数の高次関数としてピス
トン振幅が最大となる電力を出力するソフトウェアモジ
ュールを設け、第1の電力補正モジュール41と第2の
電力補正モジュール44の代わりに配置すればよい。
【0027】実施の形態3 図3はこの発明の実施の形態3を示すスターリング冷凍
機構成図である。1から35,37,40から43は上
記従来装置と同一のものであり、ここでは省略する。図
において54は圧縮機1の外部表面に取り付けられ圧縮
機1の外部表面の温度を検出する温度検出器であり、こ
の温度検出器54の出力端は熱量利得補償モジュール5
2及び温度−圧力変換モジュール56に接続されてい
る。ここで内部の作動ガス温度がガス圧力にほぼ比例す
ることを利用する。一般に圧縮機1と高温室7は外部に
対する熱抵抗を小さく設計するものであるから、外部表
面温度と内部の作動ガス温度とはほぼ同値と考えること
ができる。温度−圧力変換モジュール56は温度信号を
圧力信号に変換する。圧力信号は第2の電力量補正モジ
ュール44に接続されている。第2の電力量補正モジュ
ール44は、圧力が高いときほどリニアモータ29への
供給電力量を増大させるよう操作する。圧力に対する電
力の変化量は、この場合、ガス圧力に対する支持ばね1
8とピストン16からなるばね−質量系の共振周波数の
変化から逆算して、常にピストンの振幅が可動範囲の最
大値になるような値に定める。一方、熱量利得補償モジ
ュール52は、高温室温度と低温室温度から求まるカル
ノー効率の逆数を出力する。また電力リミッタ53は定
温補償モジュール42と熱量利得補償モジュール52に
よって操作される電力量が、ピストン振幅が可動範囲を
越える値とならないように電力量を制限する。この制限
値は第1の電力量補正モジュール41及び第2の電力量
補正モジュール44により操作された電力量に一致す
る。よって電力リミッタ53は第1の電力量補正モジュ
ール41及び第2の電力量補正モジュール44により操
作された電力量と、定温補償モジュール42及び熱量利
得補償モジュール52により操作された電力量とを比較
して、どちらか小さい方の値を出力するようにする。電
力量制御器36はクールダウンモードには第1の電力量
補正モジュール41と第2の電力量補正モジュール44
と起動時電力量制御モジュール43による操作を積算し
て電力量を決め、また定温補償モードには定温補償モジ
ュール42と熱量利得補償モジュール52と電力リミッ
タ53と起動時電力量制御モジュール43による操作を
積算して電力量を決定する。
【0028】このように構成された冷凍機では、起動時
電力量制御モジュール43による起動時制御後のクール
ダウンモードにおいては、リニアモータ29に供給され
る電力量には常に低温室6の温度に対応した補正と圧縮
機1の内部の作動ガス温度に対応した補正がなされ、ピ
ストン13は振幅を常に可動範囲の最大値に保って動作
することが出来る。したがって、作動ガスの圧力振幅を
最大値に保ち低温室6に発生する冷熱量を最大値に維持
できるので、可動コイル20をハウジング21やヨーク
27に衝突させて破損することなく、クールダウンタイ
ムを短縮できる。一方定温補償モードでは目標低温室温
度と高温室温度によって常にカルノー効率を考慮した電
力操作を行うので、熱制御系としてとらえた場合の補償
特性が目標低温室温度や高温室温度によらず均一にな
り、温度安定性や応答速度を均一にすることができる。
また、定温補償モードにおける電力操作範囲は、電力リ
ミッタ53によりピストン振幅が可動範囲の最大値とな
る値を上限としているので、冷凍機の冷却性能が劣化し
てきても、可動コイル20をハウジング21やヨーク2
7に衝突させて破損することなく、ピストン振幅が可動
範囲の最大値となるまで冷凍機として機能することがで
きる。
【0029】ここで温度検出器54の取付位置は圧縮機
1の外部表面でなく膨張機2の高温室7の外部表面でも
よい。また、第2の電力量補正モジュール44は電気回
路で構成してもよいし、電力量制御器36を例えばマイ
クロプロセッサとしたときのソフトウェアモジュールで
もよく、実現方法はハードウェア、ソフトウェアを問わ
ない。また、高温室温度がピストン振幅にあたえる影響
と低温室温度がピストン振幅にあたえる影響とが独立と
みなせない場合には、例えば電力量制御器36をマイク
ロプロセッサで構成して、高温室温度と低温室温度の2
変数を入力し両変数の高次関数としてピストン振幅が最
大となる電力を出力するソフトウェアモジュールを設
け、第1の電力補正モジュール41と第2の電力補正モ
ジュール44の代わりに配置すればよい。
【0030】実施の形態4 図4はこの発明の実施の形態4を示すスターリング冷凍
機構成図である。1から35,37,40から43は上
記従来装置と同一のものであり、ここでは省略する。図
において39はスターリング冷凍機が置かれた環境の温
度を検出する温度検出器であり、この温度検出器39の
出力端は熱量利得補償モジュール52及び温度−圧力変
換モジュール56に接続されている。ここで環境温度は
作動ガス圧力に比例するとみなす。温度−圧力変換モジ
ュール56は環境温度信号を作動ガス圧力信号に変換す
る。圧力信号は第2の電力量補正モジュール44に入力
される。第2の電力量補正モジュール44は、圧力が高
いときほどリニアモータ29への供給電力量を増大させ
るよう操作する。圧力に対する電力の変化量は、この場
合、ガス圧力に対する支持ばね18とピストン16から
形成されるばね−質量系の共振周波数の変化から逆算し
て、常にピストンの振幅が可動範囲の最大値になるよう
な値に定める。一方、熱量利得補償モジュール52は、
高温室温度と低温室温度から求まるカルノー効率の逆数
を出力する。ここで環境温度と高温室温度を同一とみな
す。また電力リミッタ53は定温補償モジュール42と
熱量利得補償モジュール52によって操作される電力量
が、ピストン振幅が可動範囲を越える値とならないよう
に電力量を制限する。この制限値は第1の電力量補正モ
ジュール41及び第2の電力量補正モジュール44によ
り操作された電力量に一致する。よって電力リミッタ5
3は第1の電力量補正モジュール41及び第2の電力量
補正モジュール44により操作された電力量と、定温補
償モジュール42及び熱量利得補償モジュール52によ
り操作された電力量とを比較して、どちらか小さい方の
値を出力するようにする。電力量制御器36はクールダ
ウンモードには第1の電力量補正モジュール41と第2
の電力量補正モジュール44と起動時電力量制御モジュ
ール43による操作を積算して電力量を決め、また定温
補償モードには定温補償モジュール42と熱量利得補償
モジュール52と電力リミッタ53と起動時電力量制御
モジュール43による操作を積算して電力量を決定す
る。
【0031】このように構成された冷凍機では、起動時
電力量制御モジュール43による起動時制御後のクール
ダウンモードにおいては、リニアモータ29に供給され
る電力量について常に低温室6の温度に対応した補正と
スターリング冷凍機の外部環境温度に対応した補正がな
され、ピストン13は従来の冷凍機と比較して振幅を精
度良く可動範囲の最大値に保って動作することができ
る。したがって、作動ガスの圧力振幅を最大値に保ち低
温室6に発生する冷熱量を最大値に維持できるので、可
動コイル20をハウジング21やヨーク27に衝突させ
て破損することなく、クールダウンタイムを短縮でき
る。一方定温補償モードでは目標低温室温度と高温室温
度によって常にカルノー効率を考慮した電力操作を行う
ので、熱制御系としてとらえた場合の補償特性が目標低
温室温度や高温室温度によらず均一になり、温度安定性
や応答速度を均一にすることができる。また、定温補償
モードにおける電力操作範囲は、電力リミッタ53によ
りピストン振幅が可動範囲の最大値となる値を上限とし
ているので、冷凍機の冷却性能が劣化してきても、可動
コイル20をハウジング21やヨーク27に衝突させて
破損することなく、ピストン振幅が可動範囲の最大値と
なるまで冷凍機として機能することができる。
【0032】ここで、第2の電力量補正モジュール44
は電気回路で構成してもよいし、電力量制御器36を例
えばマイクロプロセッサとしたときのソフトウェアモジ
ュールでもよく、実現方法はハードウェア、ソフトウェ
アを問わない。また、環境温度がピストン振幅にあたえ
る影響と低温室温度がピストン振幅にあたえる影響とが
独立とみなせない場合には、例えば電力量制御器をマイ
クロプロセッサで構成して、環境温度と低温室温度の2
変数を入力し両変数の高次関数としてピストン振幅が最
大となる電力を出力するソフトウェアモジュールを設
け、第1の電力補正モジュール41と第2の電力補正モ
ジュール44の代わりに配置すればよい。
【0033】スターリング冷凍機の外部環境温度による
電力量補正を行った場合でも、圧縮機1の内部の作動ガ
ス温度による電力量補正を行った場合とほぼ同様の冷凍
機動作が得られることを以下に説明する。冷凍機が動作
していない状態においては、圧縮機1の内部の作動ガス
温度と環境温度とは同値である。冷凍機が起動すると、
圧縮機1の内部の作動ガス温度は環境温度に対して徐々
に上昇し、圧縮機1の熱抵抗によって決まる、ある一定
の温度差を保つようになるが、その上昇速度は低温室6
の温度の環境温度に対する下降速度よりも遅い。さら
に、低温室6の温度の下降にともない、圧縮抵抗の変化
はガス粘性増加による圧縮抵抗増加分が支配的となる。
すなわち、クールダウンモードにおいて低温室6の温度
がまだ大きく低下していない時期には圧縮機1の内部の
作動ガス温度と環境温度はほぼ同値であり、低温室6の
温度が低下すると圧縮抵抗の変化に及ぼす影響が相対的
に小さくなる。したがって、スターリング冷凍機の外部
環境温度を圧縮機1の内部の作動ガス温度とみなして補
正を行っても、圧縮機1の内部の作動ガス温度を直接検
知して補正した場合とほぼ同様の冷凍機動作となる。こ
の場合、圧縮機1の内部の作動ガス温度は必ず環境温度
よりも高いので、圧縮機1の内部の作動ガス温度を直接
検知して補正した場合にくらべ、ピストン振幅は小さく
なる傾向にある。よって、ガス温度を直接検知して補正
した場合にくらべ、クールダウンタイム短縮効果が小さ
くなる傾向にあるが、可動コイル20のハウジング21
やヨーク27への衝突や破損が起こることはない。厳密
には、冷却性能の劣化が進むにつれて環境温度とガス温
度の差は大きくなる。よって冷却性能の劣化にともな
い、ガス温度やガス圧力を直接検出した場合と比べて誤
差が大きくなる。しかしながら従来の冷凍機より精度良
くピストンの振幅を可動範囲の最大値に保つことができ
る。これにより、部品の衝突や破損を防ぎ、且つクール
ダウンタイムを短縮できる。またこの方法によれば、圧
縮機1の内部に温度検出器を設けて圧縮機1の内部の作
動ガス温度を直接検知しなくてよいので、圧縮機1の構
造が複雑にならない。また、従来のスターリング冷凍機
に対してスターリング冷凍機の外部環境温度を検出する
温度検出器を新たに設置し、この方法を適用することは
容易である。
【0034】
【発明の効果】第1の発明によれば、従来の低温室温度
による電力量補正に加え、圧縮機内部の作動ガス圧力に
よる電力量補正を行うので、クールダウンモードにおい
て従来より精度良くピストンの振幅を可動範囲の最大値
に保つことができる。これにより、部品の衝突や破損を
防ぎ、且つクールダウンタイムを短縮できる。
【0035】第2の発明によれば、従来の低温室温度に
よる電力量補正に加え、圧縮機内部の作動ガス圧力によ
る電力量補正を行って、目標低温室温度や高温室温度に
よらず熱制御系の補償特性を均一にできるので、低温室
温度の安定精度を均一にすることができる。
【0036】第3の発明によれば、従来の低温室温度に
よる電力量補正に加え、圧縮機内部の作動ガス温度によ
る電力量補正を行うので、クールダウンモードにおいて
従来より精度良くピストンの振幅を可動範囲の最大値に
保つことができる。これにより、部品の衝突や破損を防
ぎ、且つクールダウンタイムを短縮できる。
【0037】第4の発明によれば、従来の低温室温度に
よる電力量補正に加え、圧縮機内部の作動ガス温度によ
る電力量補正を行って、目標低温室温度や高温室温度に
よらず熱制御系の補償特性を均一にできるので、低温室
温度の安定精度を均一にすることができる。
【0038】第5の発明によれば、従来の低温室温度に
よる電力量補正に加え、圧縮機の外部表面温度による電
力量補正を行うので、クールダウンモードにおいて従来
より精度良くピストンの振幅を可動範囲の最大値に保つ
ことができる。この場合、ガス温度を直接検知しない
が、圧縮機の外部表面温度と圧縮機内部の作動ガス温度
とはほぼ同値である。したがってガス温度を直接検知し
た場合より僅かに精度は悪くなるが、ほぼ同様の効果が
得られる。これにより、部品の衝突や破損を防ぎ、且つ
クールダウンタイムを短縮できる。圧縮機外部に温度検
知器を設置するため圧縮機の構造が複雑にならず、また
従来の冷凍機への取付が容易である。
【0039】第6の発明によれば、従来の低温室温度に
よる電力量補正に加え、圧縮機の外部表面温度による電
力量補正を行って、目標低温室温度や高温室温度によら
ず熱制御系の補償特性を均一にできるので、低温室温度
の安定精度を均一にすることができる。圧縮機外部に温
度検知器を設置するため圧縮機の構造が複雑にならず、
また従来の冷凍機への取付が容易である。
【0040】第7の発明によれば、従来の低温室温度に
よる電力量補正に加え、冷凍機の環境温度による電力量
補正を行うので、クールダウンモードにおいて従来より
精度良くピストンの振幅を可動範囲の最大値に保つこと
ができる。この場合、作動ガス温度を直接検知しない
が、作動ガス温度の影響が大きい起動直後は、作動ガス
温度と環境温度は同一とみなせるので、作動ガス温度を
直接検知した場合と同様の効果が得られる。これによ
り、部品の衝突や破損を防ぎ、且つクールダウンタイム
を短縮できる。圧縮機外部に温度検知器を設置するため
圧縮機の構造が複雑にならず、また従来の冷凍機への取
付が容易である。
【0041】第8の発明によれば、従来の低温室温度に
よる電力量補正に加え、冷凍機の環境温度による電力量
補正を行って、目標低温室温度や高温室温度によらず熱
制御系の補償特性を均一にできるので、低温室温度の安
定精度を均一にすることができる。圧縮機外部に温度検
知器を設置するため圧縮機の構造が複雑にならず、また
従来の冷凍機への取付が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明によるスターリング冷凍機の実施の
形態1を示す図である。
【図2】 この発明によるスターリング冷凍機の実施の
形態2を示す図である。
【図3】 この発明によるスターリング冷凍機の実施の
形態3を示す図である。
【図4】 この発明によるスターリング冷凍機の実施の
形態4を示す図である。
【図5】 低温室温度一定とした場合のガス圧力とピス
トン振幅を一定にする電力との関係図である。
【図6】 低温室温度とガス圧力とピストン振幅を一定
にする電力との関係図である。
【図7】 従来のスターリング冷凍機を示す図である。
【図8】 従来のスターリング冷凍機において入力電力
量一定且つ低温室温度一定とした場合の、圧縮室内部の
作動ガス温度とピストンの振幅の関係図である。
【符号の説明】
1 圧縮機 2 膨張機 3 第2のシリンダ 4 共振ばね 5 ディスプレーサ 6 低温室 7 高温室 8 再生器 9 ガス通気孔 10 ガス通気孔 11 蓄冷材 12 シール 13 シール 14 連結管 15 作動室 16 ピストン 17 シリンダ 18 支持ばね 19 スリーブ 20 可動コイル 21 ハウジング 22 リード線 23 リード線 24 第1の電気接点 25 第2の電気接点 26 環状永久磁石 27 ヨーク 28 間隙 29 リニアモータ 30 圧縮室 31 シール 32 シール 35 電源 36 電力量制御器 37 温度検出器 38 圧力検出器 39 温度検出器 40 スイッチ 41 第1の電力量補正モジュール 42 定温補償モジュール 43 起動時電力制御モジュール 44 第2の電力量補正モジュール 51 温度検出器 52 熱量利得補償モジュール 53 電力リミッタ 54 温度検出器 55 圧力−温度変換モジュール 56 温度−圧力変換モジュール

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮機と、連結管を介して前記圧縮機に
    接続された膨張機と、前記圧縮機に電力を供給する電源
    と、前記圧縮機に供給する電力を制御する電力制御器と
    を備えた冷凍機において、前記圧縮機内部の作動ガス圧
    力を検出する圧力検出器と、前記膨張機の温度を検出す
    る温度検出器と、前記圧力検出器の検出圧力と前記温度
    検出器の検出温度から圧縮抵抗変動を求め圧縮抵抗変動
    に比例して前記圧縮機への供給電力を増減させる電力補
    正モジュールとを備えた冷凍機。
  2. 【請求項2】 圧縮機と、連結管を介して前記圧縮機に
    接続された膨張機と、前記圧縮機に電力を供給する電源
    と、前記圧縮機に供給する電力を制御する電力制御器と
    を備えた冷凍機において、前記圧縮機内部の作動ガス圧
    力を検出する圧力検出器と、前記膨張機の温度を検出す
    る温度検出器と、前記膨張機の温度を一定に保つように
    前記膨張機の目標温度と検出温度との差に基づいて電力
    操作を行う定温補償モジュールと、前記圧力検出器の検
    出圧力と前記温度検出器の検出温度とから求まるカルノ
    ー効率に反比例して前記定温補償モジュールの電力操作
    量を増減させる熱量利得補償モジュールとを備えた冷凍
    機。
  3. 【請求項3】 圧縮機と、連結管を介して前記圧縮機に
    接続された膨張機と、前記圧縮機に電力を供給する電源
    と、前記圧縮機に供給する電力を制御する電力制御器と
    を備えた冷凍機において、前記圧縮機の内部に設置され
    前記圧縮機内部の作動ガス温度を検出する温度検出器
    と、前記膨張機の温度を検出する温度検出器と、前記両
    温度検出器の検出温度から圧縮抵抗変動を求め圧縮抵抗
    変動に比例して前記圧縮機への供給電力を増減させる電
    力補正モジュールとを備えた冷凍機。
  4. 【請求項4】 圧縮機と、連結管を介して前記圧縮機に
    接続された膨張機と、前記圧縮機に電力を供給する電源
    と、前記圧縮機に供給する電力を制御する電力制御器と
    を備えた冷凍機において、前記圧縮機の内部に設置され
    前記圧縮機内部の作動ガス温度を検出する温度検出器
    と、前記膨張機の温度を検出する温度検出器と、前記膨
    張機の温度を一定に保つように前記膨張機の目標温度と
    検出温度との差に基づいて電力操作を行う定温補償モジ
    ュールと、前記両温度検出器の検出温度から求まるカル
    ノー効率に反比例して前記定温補償モジュールの電力操
    作量を増減させる熱量利得補償モジュールとを備えた冷
    凍機。
  5. 【請求項5】 圧縮機と、連結管を介して前記圧縮機に
    接続された膨張機と、前記圧縮機に電力を供給する電源
    と、前記圧縮機に供給する電力を制御する電力制御器と
    を備えた冷凍機において、前記圧縮機の外部表面温度を
    検出する温度検出器と、前記膨張機の温度を検出する温
    度検出器と、前記両温度検出器の検出温度から圧縮抵抗
    変動を求め圧縮抵抗変動に比例して前記圧縮機への供給
    電力を増減させる電力補正モジュールとを備えた冷凍
    機。
  6. 【請求項6】 圧縮機と、連結管を介して前記圧縮機に
    接続された膨張機と、前記圧縮機に電力を供給する電源
    と、前記圧縮機に供給する電力を制御する電力制御器と
    を備えた冷凍機において、前記圧縮機の外部表面温度を
    検出する温度検出器と、前記膨張機の温度を検出する温
    度検出器と、前記膨張機の温度を一定に保つように前記
    膨張機の目標温度と検出温度との差に基づいて電力操作
    を行う定温補償モジュールと、前記圧縮機の外部表面温
    度と膨張機温度とから求まるカルノー効率に反比例して
    前記定温補償モジュールの電力操作量を増減させる熱量
    利得補償モジュールとを備えた冷凍機。
  7. 【請求項7】 圧縮機と、連結管を介して前記圧縮機に
    接続された膨張機と、前記圧縮機に電力を供給する電源
    と、前記圧縮機に供給する電力を制御する電力制御器と
    を備えた冷凍機において、外部環境温度を検出する温度
    検出器と、前記膨張機の温度を検出する温度検出器と、
    前記両温度検出器の検出温度から圧縮抵抗変動を求め圧
    縮抵抗変動に比例して前記圧縮機への供給電力を増減さ
    せる電力補正モジュールとを備えた冷凍機。
  8. 【請求項8】 圧縮機と、連結管を介して前記圧縮機に
    接続された膨張機と、前記圧縮機に電力を供給する電源
    と、前記圧縮機に供給する電力を制御する電力制御器と
    を備えた冷凍機において、外部環境温度を検出する温度
    検出器と、前記膨張機の温度を検出する温度検出器と、
    前記膨張機の温度を一定に保つように前記膨張機の目標
    温度と検出温度との差に基づいて電力操作を行う定温補
    償モジュールと、前記両温度検出器の検出温度とから求
    まるカルノー効率に反比例して前記定温補償モジュール
    の電力操作量を増減させる熱量利得補償モジュールとを
    備えた冷凍機。
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