JP2004353968A - パルス管冷凍機 - Google Patents
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Abstract
【課題】作動流体の圧力変動と変位の位相差を検知し、最適な位相条件で運転することができるパルス管冷凍機を提供することを目的とする。
【解決手段】圧力検知手段12及び流速検知手段9、10を設けて作動流体の圧力と変位の位相差を求め、これが所定の値になるように、圧縮手段1、位相制御手段7、8、13の少なくとも一方を制御することにより、冷凍負荷や設定温度、外気温度などの運転条件の変化に合わせて、適切な位相差の条件で冷凍機を運転することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】圧力検知手段12及び流速検知手段9、10を設けて作動流体の圧力と変位の位相差を求め、これが所定の値になるように、圧縮手段1、位相制御手段7、8、13の少なくとも一方を制御することにより、冷凍負荷や設定温度、外気温度などの運転条件の変化に合わせて、適切な位相差の条件で冷凍機を運転することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パルス管冷凍機の位相制御に関するもので、特に冷凍負荷や周囲環境などに応じて効率的に安定して最適な条件で運転できるパルス管冷凍機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、比較的低温をターゲットとした、冷媒の相変化を用いず作動流体の圧縮・膨張の往復運動により寒冷を得る蓄冷型の冷凍方法として、スターリング冷凍機とGM冷凍機が用いられている。これらは圧力振動源の違いに特徴があり、GM型は回転型の圧縮機により高圧と低圧の圧力源を構成し、バルブ切り替えにより冷凍機に圧力変動を発生させるものである。一方、スターリング冷凍機はシリンダ内を往復するピストンにより直接冷凍機に圧力振動を発生させている。どちらの方式も圧力振動源とは別に系内の作動流体の移動を制御するディスプレーサと呼ばれるピストンを備えており、蓄冷器の内部を往復運動する作動流体の圧力と変位の位相差を制御することで冷凍を行っている。
【0003】
次に、この蓄冷型冷凍機の動作原理について図5を用いて説明する。図5は蓄冷器内部における作動流体の圧力変動と変位の様子を示したものである。圧力振動源と接続された蓄冷器38の内部には蓄冷材39として粒子もしくは積層メッシュが配置されており、この蓄冷材39が構成する個々の経路の大きさは、作動流体が往復運動する間にこの蓄冷材39と充分熱交換できる程度に狭くなっている。図5(a)、図5(b)それぞれにおいて、右側の図は、ある流体素片40に注目してその動きと圧縮・膨張の様子を模式的に表現したものである。流体素片40を円で表わし、円の大きさが圧縮、膨張の状態を示しており、大きな円が膨張状態を表わし、小さな円が圧縮状態を表わしている。この流体素片40の上下にある直線状のものは蓄冷材39を示しており、上下方向の矢印は蓄冷材39との熱のやり取りを表している。また左側の図は、この流体素片40の変位と圧力の時間変化をグラフ上に示したものである。
【0004】
図5(a)において、作動流体40は右に変位しながら圧縮され、左に変位しながら膨張している。即ち左から右への変位は圧縮過程で、蓄冷材39に対し放熱しながら移動する。逆に右から左への変位は膨張過程で、蓄冷材39から吸熱しながら移動する。従ってこの場合、往復1周期の過程で吸熱と放熱がバランスし作動流体による熱の移動は起こらない。
【0005】
一方、図5(b)では左から右への変位の中間位置で最も圧縮され圧力が最大となり、右から左への変位の中間位置途中で最も膨張している。この場合、往復運動の右半分は膨張過程で吸熱、左半分は圧縮過程で放熱している。従って、1往復のトータルとして右から左に熱の移動(汲み上げ)が発生し、冷凍機として機能することになる。
【0006】
以上の説明から図5(a)のように、単に圧力変動を加えて圧力と位置を同位相で変化させるだけでは熱の移動は起こらず、図5(b)のように(理想的には90度の)位相差を持たせて変化させることで冷凍機として機能する。上で説明したスターリング冷凍機やGM冷凍機では、圧力振動を付与する一方でディスプレーサで作動流体を適切なタイミングで移動させることにより位相差の制御を実現している。
【0007】
近年、この蓄冷型冷凍機においてディスプレーサの替わりに、パルス管と呼ばれる中空管を設けこの中に発生させるガスピストンを利用したパルス管冷凍機の発展が著しい。このパルス管冷凍機では、冷凍部に可動機構であるディスプレーサが不要なため構造が簡単かつ低振動化が図りやすい等の特長をもつ。
【0008】
パルス管冷凍機は1960年代に発見され、当初の第一世代のベーシック型はパルス管の終端を単に閉端としていたため、上で説明した圧力変動と変位の位相差が小さく、スターリング冷凍機やGM冷凍機に比べて冷凍能力が小さく実用に向かないものであった。その後1980年代に、第二世代のオリフィス型として、パルス管の終端にオリフィスとバッファタンクを設けることでより大きな位相差に制御することが可能となり、実用化が進められた。さらにその後、より広範囲に位相を制御できる第三世代と呼ばれる数々の方法が提案され今日に至っている。これら第三世代の中でも特に、第二世代のオリフィスを細管に置き換えたイナータンス型と呼ばれる方式は、構造も簡単であり実用化に向いているものとして注目されている(例えば特許文献1参照)。
【0009】
以下、従来のイナータンス型パルス管冷凍機について図6を用いて説明する。図6は前記特許文献1に記載された従来のイナ―タンス型パルス管冷凍機の構成を模式的に表わした模式図である。図6中、中空パルス管41と円筒状の蓄冷器43がほぼ平行に配置され、双方の低温端がガス流路42を介して相互に接続されている。蓄冷器43の高温端はガス流路44を介して圧縮機45に接続されている。圧縮機45から供給された作動ガスは、ガス流路44、蓄冷器43及びガス流路42を通ってパルス管41内に導入される。パルス管41の高温端は、細管47によって所定の容積の内部空洞を有するバッファタンク48に接続されている。パルス管41と蓄冷器43は高温端近傍を除いて真空容器46内に収納されている。パルス管41の一端に細管47を介してバッファタンク48が設けられており、この2つが上記の位相制御機構として作用し、最適な位相条件に保つことで冷凍機としての効率を高いものにしている。
【0010】
【特許文献1】
特開平8−54152号公報(第3頁、図1)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の構成にあるようなパルス管冷凍機では、位相制御機構が簡単であるが故に、どのような運転条件でも効率の高い最適な位相差を実現できるわけではなく、一般に最適値からずれてしまう可能性がある。仮に位相制御機構のパラメータを可変として位相制御の範囲に幅を持たせたとしても、その位相差が実際の装置でどうなっているのかを簡単に検出することができなかった。特に変位を検出するのは難しく、実験室等においてはスモークワイヤー法やレーザードップラー流速計等を用いて作動流体の変位を観測することが行われているが、いずれの方法も実際の製品に搭載するのは難しい。従って、周囲温度等の環境が変化したり、冷却対象の負荷や設定温度の変化に応じて駆動周波数等の運転条件を制御する場合に、最適な運転条件となるように位相を調整することができず、場合によってはエネルギー効率を低下させてしまうという課題を有していた。
【0012】
本発明はこのような従来の課題を解決するものであり、実際の製品に搭載することが可能な圧力及び流速検知手段を備えることで、装置の設計が容易でかつ冷凍負荷や周囲環境などの条件が変化しても安定して効率的な運転が可能なパルス管冷凍機を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために本発明のパルス管冷凍機は、パルス管内部の作動流体の圧力と流速をそれぞれ検知する圧力検知手段、流速検知手段を備え、圧力検知手段及び流速検知手段により作動流体の圧力と変位の位相差を求め、これが所定の値になるように、圧縮手段、位相制御手段の少なくとも一方を制御するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、作動流体に対し周期的な圧力変動を作用させる圧縮手段と、中空筒状に形成されたパルス管と、圧縮手段に接続され、圧縮・膨張を繰り返しながら往復運動する作動流体との間で交換した熱を蓄積する蓄冷器と、蓄冷器とパルス管の間に配置され、被冷却対象から吸収した熱を作動流体に伝える熱交換器と、パルス管の一端に配置され、蓄冷器内部における作動流体の圧力変動と変位の位相を制御する位相制御手段と、パルス管内部の作動流体の圧力と流速をそれぞれ検知する圧力検知手段、流速検知手段を備え、圧力検知手段及び流速検知手段により作動流体の圧力と変位の位相差を求め、これが所定の値になるように、圧縮手段、位相制御手段の少なくとも一方を制御するものである。
【0015】
上記のように構成することで、冷凍負荷や設定温度、外気温度などの運転条件の変化に合わせて、適切な位相差の条件で冷凍機を運転することができる。
【0016】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1の構成に加え、流速検知手段を、圧縮手段が作用させる圧力変動周期よりも高い周波数で微弱な圧力脈動を発生させる送信手段と、送信手段で発生した圧力脈動を検出する受信手段から構成するものである。
【0017】
上記のように構成することで、受信手段は微弱圧力脈動と圧縮手段による圧力変動とを分離して検出できるようになる。
【0018】
また、請求項3に記載の発明は請求項2の構成に加え、流速検知手段を構成する送信手段及び受信手段をパルス管の端部もしくは中間部に配置し、さらにパルス管の軸方向に互いに距離を離して配置するものである。
【0019】
上記のように構成することで、送信手段から受信手段への圧力脈動の伝播時間から作動流体の流速を求めることができる。
【0020】
また、請求項4に記載の発明は請求項2の構成に加え、流速検知手段を構成する送信手段及び受信手段をパルス管の端部もしくは中間部に配置し、送信手段に対し複数の受信手段をパルス管の軸方向に互いに距離を離して配置するものである。
【0021】
上記のように構成することで、送信手段から複数の受信手段に微弱圧力脈動が伝播する時間の差から作動流体の流速を求めることができる。
【0022】
また、請求項5に記載の発明は請求項2から4の構成に加え、圧力検知手段と送信手段又は受信手段を一体に構成して配置するものである。
【0023】
上記のように構成することで、検知手段の設置に必要なスペースを小さくできる。
【0024】
以下本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0025】
(実施の形態1)
図1に本発明の実施の形態1におけるパルス管冷凍機の断面図を示す。図1において、リニア圧縮機1の圧縮室23からガス流路2を介して作動流体(ここではヘリウムを使用)は蓄冷器4に導入される。内部に銅メッシュを積層した蓄冷器4と中空円筒に形成したパルス管6は冷却部であるコールドヘッド5で折り返した形で接続している。また、蓄冷器4とパルス管6のコールドヘッド5と逆の端部はフランジ3で保持されており、これはコールドヘッド5を真空断熱することで低温に維持する際の真空容器のフランジとしての機能と、リニア圧縮機1から流入する熱流及びコールドヘッド5側から流れ込む熱流の放熱部としての機能を兼ねている。なお、パルス管6のもう一端は電磁バルブ13で開口が制御できる細管7を介してバッファタンク8に連通している。電磁バルブ13、細管7とバッファタンク8は作動流体の圧力−変位の位相制御機構として作用し、電磁バルブ13の開口を操作することで位相差を制御することが可能である。なお、電磁バルブ13の制御や以下に示す検知装置の駆動と演算、判定には、当然ながらこれらを統括して制御する制御部が必要となるが、図1では記載していない。
【0026】
本実施の形態の特徴は、微弱圧力脈動の送信部9と受信部10を、パルス管6の細管7に近い部分の内面に軸方向に少し離して向かい合わせて設けた点である。送信部9と受信部10は内部に圧電素子を備えており、微弱圧力脈動の発生と検出を行う。またその共振周波数は、リニア圧縮機1の運転周波数(数〜数十Hz)よりもはるかに高い周波数(数k〜数十kHz)とする。
【0027】
図2は送信部9と受信部10を備えたパルス管6の部分断面図である。送信部9の圧電体9aと受信部10の圧電体10aが角度θ、距離Lだけ離れて配置されている。送信部9の圧電体9aを共振周波数付近で駆動して微弱圧力脈動を発生し、受信部10に到達するまでの伝播時間に注目する。ヘリウムガス中における音速をc、また測定部分のガス流速を図中矢印の方向にvとすれば、送受信部間を伝播するのに要する時間をtとして、以下の関係が成り立つ。
【0028】
t×(c−vcosθ)=L
従って、伝播時間tを計測することでパルス管6の中の流速変動が求まる。ここから、流速変動に対し90°だけ位相の遅れる作動流体の変位を把握することができる。ただし、圧縮機1による圧力振動により音速cは変化するので、必要に応じて圧力センサ12の計測値を用いて、これを補正することが必要である。一方、圧力センサ12からは圧力の時間変動が得られ、それぞれのピーク値をとる時間差から位相差を求めることが可能となる。
【0029】
以上から、作動流体の圧力−変位の位相差をリアルタイムに知ることができる。この値が、予め決めておいた所定の範囲になるように、電磁バルブ13の開度を制御することで最適な位相差で冷凍機を運転することが可能となる。
【0030】
また、伝播時間を計測するのではなく周波数に注目する以下のような方法を用いることも可能である。送信部9から定常的に微弱圧力脈動を送出しこの周波数をf0とすれば、受信部10での受信周波数f1は以下で表される。
【0031】
f1=(1−vcosθ/c)×f0
この場合には、受信する周波数がパルス管6を移動するガスの流速に合わせて変動し、受信周波数が最も低くなるタイミングで流速最大となる。
【0032】
(実施の形態2)
図3に本発明の実施の形態2におけるパルス管冷凍機の部分断面図を示す。他の部分の基本構成は実施の形態1と同じであるため繰り返しての説明を避ける。異なる点は、1つの送信部9に対し2つの受信部10、11を軸方向に等しい距離だけずらして設けている点である。
【0033】
送信部9からの微弱圧力脈動が受信部10、11に伝播するのに要する時間をそれぞれt1、t2、送信部9と受信部10、11間の角度と距離を図に示すようにθ、Lとすれば、以下の関係が成り立つ。
【0034】
t1×(c−vcosθ)=L
t2×(c+vcosθ)=L
これから、音速cに依存しない以下の関係から流速を求めることができる。
【0035】
2vcosθ=L(1/t2−1/t1)
この関係を用いて、圧縮機1の駆動周期よりも短い時間間隔で伝播時間を計測し、作動流体の流速の変化を求める。
【0036】
以上のように、2つの受信部10、11を配置することで、作動流体の音速に依存せずに流速を求めることができ、これを用いて圧力変動と変位の位相差を検知する。この方法によれば音速を圧力や温度で補正する必要がなく、簡単に流速変動を求めることができる。
【0037】
なお、本実施の形態2では簡単のため2つの受信部10、11で、送信部9と受信部10、11間の角度と距離を同じ値θ、Lとしたが、異なっていても問題はない。
【0038】
(実施の形態3)
図4に本発明の実施の形態3におけるパルス管冷凍機の部分断面図を示す。他の部分の基本構成、及び作動流体の圧力−変位の位相差の検出方法は実施の形態1と同じであるため繰り返しての説明を避ける。異なる点は、受信部10の圧電体10aと同心円状に圧力センサの圧電体12を構成していることである。
【0039】
上記のように構成することで、別途圧力センサを設ける必要がなく安価に冷凍機を構成することができる。また、全体の構成もシンプルなものとなり小型化という点でも有利である。
【0040】
【発明の効果】
上記から明らかなように、本発明は圧力検知手段及び流速検知手段を設けて作動流体の圧力と変位の位相差を求め、これが所定の値になるように、圧縮手段、位相制御手段の少なくとも一方を制御するもので、冷凍負荷や設定温度、外気温度などの運転条件の変化に合わせて、適切な位相差の条件で冷凍機を運転することができ、エネルギー効率と動作の安定性の点で有利なパルス管冷凍機が得られるという効果を奏する。
【0041】
また、本発明は圧縮機による圧力変動よりも高い周波数の微弱圧力脈動を利用して流速検知を行うもので、送信受信手段として広く普及している圧電素子を利用することができ、パルス管冷凍機の位相検出機能を、安価でかつ高い信頼性で構成することができるという効果を奏する。
【0042】
また、本発明は流速検知を行うための送信手段及び受信手段を、パルス管の軸方向に位置をずらして配置するもので、装置への組込みが簡単である上に、安定した位相検知が可能となる効果を奏する。
【0043】
また、本発明は送信手段に対し複数の受信手段をパルス管の軸方向に位置をずらして配置するもので、受信手段の設置位置を適当に選ぶことで作動流体の音速の値に依存せずにその流速を求めることができ、音速の圧力補正等を必要とせず、簡単で信頼性の高い位相検知が可能となる効果を奏する。
【0044】
また、本発明は圧力検知手段と受信手段を一体に構成するもので、両検知手段の設置に必要なスペースが小さくなり、パルス管冷凍機を小型化できると共に、部品点数が減って低価格化の面でも有利となる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1を示すパルス管冷凍機の断面図
【図2】本発明の実施の形態1を示すパルス管冷凍機の部分断面図
【図3】本発明の実施の形態2を示すパルス管冷凍機の部分断面図
【図4】本発明の実施の形態3を示すパルス管冷凍機の部分断面図
【図5】従来の蓄冷式冷凍機の動作原理を示す模式図
【図6】従来のパルス管冷凍機の構成を示す模式図
【符号の説明】
1 リニア圧縮機
4 蓄冷器
5 コールドヘッド
6 パルス管
7 細管
8 バッファタンク
9 送信部
10 受信部
12 圧力センサ
13 電磁バルブ
【発明の属する技術分野】
本発明は、パルス管冷凍機の位相制御に関するもので、特に冷凍負荷や周囲環境などに応じて効率的に安定して最適な条件で運転できるパルス管冷凍機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、比較的低温をターゲットとした、冷媒の相変化を用いず作動流体の圧縮・膨張の往復運動により寒冷を得る蓄冷型の冷凍方法として、スターリング冷凍機とGM冷凍機が用いられている。これらは圧力振動源の違いに特徴があり、GM型は回転型の圧縮機により高圧と低圧の圧力源を構成し、バルブ切り替えにより冷凍機に圧力変動を発生させるものである。一方、スターリング冷凍機はシリンダ内を往復するピストンにより直接冷凍機に圧力振動を発生させている。どちらの方式も圧力振動源とは別に系内の作動流体の移動を制御するディスプレーサと呼ばれるピストンを備えており、蓄冷器の内部を往復運動する作動流体の圧力と変位の位相差を制御することで冷凍を行っている。
【0003】
次に、この蓄冷型冷凍機の動作原理について図5を用いて説明する。図5は蓄冷器内部における作動流体の圧力変動と変位の様子を示したものである。圧力振動源と接続された蓄冷器38の内部には蓄冷材39として粒子もしくは積層メッシュが配置されており、この蓄冷材39が構成する個々の経路の大きさは、作動流体が往復運動する間にこの蓄冷材39と充分熱交換できる程度に狭くなっている。図5(a)、図5(b)それぞれにおいて、右側の図は、ある流体素片40に注目してその動きと圧縮・膨張の様子を模式的に表現したものである。流体素片40を円で表わし、円の大きさが圧縮、膨張の状態を示しており、大きな円が膨張状態を表わし、小さな円が圧縮状態を表わしている。この流体素片40の上下にある直線状のものは蓄冷材39を示しており、上下方向の矢印は蓄冷材39との熱のやり取りを表している。また左側の図は、この流体素片40の変位と圧力の時間変化をグラフ上に示したものである。
【0004】
図5(a)において、作動流体40は右に変位しながら圧縮され、左に変位しながら膨張している。即ち左から右への変位は圧縮過程で、蓄冷材39に対し放熱しながら移動する。逆に右から左への変位は膨張過程で、蓄冷材39から吸熱しながら移動する。従ってこの場合、往復1周期の過程で吸熱と放熱がバランスし作動流体による熱の移動は起こらない。
【0005】
一方、図5(b)では左から右への変位の中間位置で最も圧縮され圧力が最大となり、右から左への変位の中間位置途中で最も膨張している。この場合、往復運動の右半分は膨張過程で吸熱、左半分は圧縮過程で放熱している。従って、1往復のトータルとして右から左に熱の移動(汲み上げ)が発生し、冷凍機として機能することになる。
【0006】
以上の説明から図5(a)のように、単に圧力変動を加えて圧力と位置を同位相で変化させるだけでは熱の移動は起こらず、図5(b)のように(理想的には90度の)位相差を持たせて変化させることで冷凍機として機能する。上で説明したスターリング冷凍機やGM冷凍機では、圧力振動を付与する一方でディスプレーサで作動流体を適切なタイミングで移動させることにより位相差の制御を実現している。
【0007】
近年、この蓄冷型冷凍機においてディスプレーサの替わりに、パルス管と呼ばれる中空管を設けこの中に発生させるガスピストンを利用したパルス管冷凍機の発展が著しい。このパルス管冷凍機では、冷凍部に可動機構であるディスプレーサが不要なため構造が簡単かつ低振動化が図りやすい等の特長をもつ。
【0008】
パルス管冷凍機は1960年代に発見され、当初の第一世代のベーシック型はパルス管の終端を単に閉端としていたため、上で説明した圧力変動と変位の位相差が小さく、スターリング冷凍機やGM冷凍機に比べて冷凍能力が小さく実用に向かないものであった。その後1980年代に、第二世代のオリフィス型として、パルス管の終端にオリフィスとバッファタンクを設けることでより大きな位相差に制御することが可能となり、実用化が進められた。さらにその後、より広範囲に位相を制御できる第三世代と呼ばれる数々の方法が提案され今日に至っている。これら第三世代の中でも特に、第二世代のオリフィスを細管に置き換えたイナータンス型と呼ばれる方式は、構造も簡単であり実用化に向いているものとして注目されている(例えば特許文献1参照)。
【0009】
以下、従来のイナータンス型パルス管冷凍機について図6を用いて説明する。図6は前記特許文献1に記載された従来のイナ―タンス型パルス管冷凍機の構成を模式的に表わした模式図である。図6中、中空パルス管41と円筒状の蓄冷器43がほぼ平行に配置され、双方の低温端がガス流路42を介して相互に接続されている。蓄冷器43の高温端はガス流路44を介して圧縮機45に接続されている。圧縮機45から供給された作動ガスは、ガス流路44、蓄冷器43及びガス流路42を通ってパルス管41内に導入される。パルス管41の高温端は、細管47によって所定の容積の内部空洞を有するバッファタンク48に接続されている。パルス管41と蓄冷器43は高温端近傍を除いて真空容器46内に収納されている。パルス管41の一端に細管47を介してバッファタンク48が設けられており、この2つが上記の位相制御機構として作用し、最適な位相条件に保つことで冷凍機としての効率を高いものにしている。
【0010】
【特許文献1】
特開平8−54152号公報(第3頁、図1)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の構成にあるようなパルス管冷凍機では、位相制御機構が簡単であるが故に、どのような運転条件でも効率の高い最適な位相差を実現できるわけではなく、一般に最適値からずれてしまう可能性がある。仮に位相制御機構のパラメータを可変として位相制御の範囲に幅を持たせたとしても、その位相差が実際の装置でどうなっているのかを簡単に検出することができなかった。特に変位を検出するのは難しく、実験室等においてはスモークワイヤー法やレーザードップラー流速計等を用いて作動流体の変位を観測することが行われているが、いずれの方法も実際の製品に搭載するのは難しい。従って、周囲温度等の環境が変化したり、冷却対象の負荷や設定温度の変化に応じて駆動周波数等の運転条件を制御する場合に、最適な運転条件となるように位相を調整することができず、場合によってはエネルギー効率を低下させてしまうという課題を有していた。
【0012】
本発明はこのような従来の課題を解決するものであり、実際の製品に搭載することが可能な圧力及び流速検知手段を備えることで、装置の設計が容易でかつ冷凍負荷や周囲環境などの条件が変化しても安定して効率的な運転が可能なパルス管冷凍機を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために本発明のパルス管冷凍機は、パルス管内部の作動流体の圧力と流速をそれぞれ検知する圧力検知手段、流速検知手段を備え、圧力検知手段及び流速検知手段により作動流体の圧力と変位の位相差を求め、これが所定の値になるように、圧縮手段、位相制御手段の少なくとも一方を制御するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、作動流体に対し周期的な圧力変動を作用させる圧縮手段と、中空筒状に形成されたパルス管と、圧縮手段に接続され、圧縮・膨張を繰り返しながら往復運動する作動流体との間で交換した熱を蓄積する蓄冷器と、蓄冷器とパルス管の間に配置され、被冷却対象から吸収した熱を作動流体に伝える熱交換器と、パルス管の一端に配置され、蓄冷器内部における作動流体の圧力変動と変位の位相を制御する位相制御手段と、パルス管内部の作動流体の圧力と流速をそれぞれ検知する圧力検知手段、流速検知手段を備え、圧力検知手段及び流速検知手段により作動流体の圧力と変位の位相差を求め、これが所定の値になるように、圧縮手段、位相制御手段の少なくとも一方を制御するものである。
【0015】
上記のように構成することで、冷凍負荷や設定温度、外気温度などの運転条件の変化に合わせて、適切な位相差の条件で冷凍機を運転することができる。
【0016】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1の構成に加え、流速検知手段を、圧縮手段が作用させる圧力変動周期よりも高い周波数で微弱な圧力脈動を発生させる送信手段と、送信手段で発生した圧力脈動を検出する受信手段から構成するものである。
【0017】
上記のように構成することで、受信手段は微弱圧力脈動と圧縮手段による圧力変動とを分離して検出できるようになる。
【0018】
また、請求項3に記載の発明は請求項2の構成に加え、流速検知手段を構成する送信手段及び受信手段をパルス管の端部もしくは中間部に配置し、さらにパルス管の軸方向に互いに距離を離して配置するものである。
【0019】
上記のように構成することで、送信手段から受信手段への圧力脈動の伝播時間から作動流体の流速を求めることができる。
【0020】
また、請求項4に記載の発明は請求項2の構成に加え、流速検知手段を構成する送信手段及び受信手段をパルス管の端部もしくは中間部に配置し、送信手段に対し複数の受信手段をパルス管の軸方向に互いに距離を離して配置するものである。
【0021】
上記のように構成することで、送信手段から複数の受信手段に微弱圧力脈動が伝播する時間の差から作動流体の流速を求めることができる。
【0022】
また、請求項5に記載の発明は請求項2から4の構成に加え、圧力検知手段と送信手段又は受信手段を一体に構成して配置するものである。
【0023】
上記のように構成することで、検知手段の設置に必要なスペースを小さくできる。
【0024】
以下本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0025】
(実施の形態1)
図1に本発明の実施の形態1におけるパルス管冷凍機の断面図を示す。図1において、リニア圧縮機1の圧縮室23からガス流路2を介して作動流体(ここではヘリウムを使用)は蓄冷器4に導入される。内部に銅メッシュを積層した蓄冷器4と中空円筒に形成したパルス管6は冷却部であるコールドヘッド5で折り返した形で接続している。また、蓄冷器4とパルス管6のコールドヘッド5と逆の端部はフランジ3で保持されており、これはコールドヘッド5を真空断熱することで低温に維持する際の真空容器のフランジとしての機能と、リニア圧縮機1から流入する熱流及びコールドヘッド5側から流れ込む熱流の放熱部としての機能を兼ねている。なお、パルス管6のもう一端は電磁バルブ13で開口が制御できる細管7を介してバッファタンク8に連通している。電磁バルブ13、細管7とバッファタンク8は作動流体の圧力−変位の位相制御機構として作用し、電磁バルブ13の開口を操作することで位相差を制御することが可能である。なお、電磁バルブ13の制御や以下に示す検知装置の駆動と演算、判定には、当然ながらこれらを統括して制御する制御部が必要となるが、図1では記載していない。
【0026】
本実施の形態の特徴は、微弱圧力脈動の送信部9と受信部10を、パルス管6の細管7に近い部分の内面に軸方向に少し離して向かい合わせて設けた点である。送信部9と受信部10は内部に圧電素子を備えており、微弱圧力脈動の発生と検出を行う。またその共振周波数は、リニア圧縮機1の運転周波数(数〜数十Hz)よりもはるかに高い周波数(数k〜数十kHz)とする。
【0027】
図2は送信部9と受信部10を備えたパルス管6の部分断面図である。送信部9の圧電体9aと受信部10の圧電体10aが角度θ、距離Lだけ離れて配置されている。送信部9の圧電体9aを共振周波数付近で駆動して微弱圧力脈動を発生し、受信部10に到達するまでの伝播時間に注目する。ヘリウムガス中における音速をc、また測定部分のガス流速を図中矢印の方向にvとすれば、送受信部間を伝播するのに要する時間をtとして、以下の関係が成り立つ。
【0028】
t×(c−vcosθ)=L
従って、伝播時間tを計測することでパルス管6の中の流速変動が求まる。ここから、流速変動に対し90°だけ位相の遅れる作動流体の変位を把握することができる。ただし、圧縮機1による圧力振動により音速cは変化するので、必要に応じて圧力センサ12の計測値を用いて、これを補正することが必要である。一方、圧力センサ12からは圧力の時間変動が得られ、それぞれのピーク値をとる時間差から位相差を求めることが可能となる。
【0029】
以上から、作動流体の圧力−変位の位相差をリアルタイムに知ることができる。この値が、予め決めておいた所定の範囲になるように、電磁バルブ13の開度を制御することで最適な位相差で冷凍機を運転することが可能となる。
【0030】
また、伝播時間を計測するのではなく周波数に注目する以下のような方法を用いることも可能である。送信部9から定常的に微弱圧力脈動を送出しこの周波数をf0とすれば、受信部10での受信周波数f1は以下で表される。
【0031】
f1=(1−vcosθ/c)×f0
この場合には、受信する周波数がパルス管6を移動するガスの流速に合わせて変動し、受信周波数が最も低くなるタイミングで流速最大となる。
【0032】
(実施の形態2)
図3に本発明の実施の形態2におけるパルス管冷凍機の部分断面図を示す。他の部分の基本構成は実施の形態1と同じであるため繰り返しての説明を避ける。異なる点は、1つの送信部9に対し2つの受信部10、11を軸方向に等しい距離だけずらして設けている点である。
【0033】
送信部9からの微弱圧力脈動が受信部10、11に伝播するのに要する時間をそれぞれt1、t2、送信部9と受信部10、11間の角度と距離を図に示すようにθ、Lとすれば、以下の関係が成り立つ。
【0034】
t1×(c−vcosθ)=L
t2×(c+vcosθ)=L
これから、音速cに依存しない以下の関係から流速を求めることができる。
【0035】
2vcosθ=L(1/t2−1/t1)
この関係を用いて、圧縮機1の駆動周期よりも短い時間間隔で伝播時間を計測し、作動流体の流速の変化を求める。
【0036】
以上のように、2つの受信部10、11を配置することで、作動流体の音速に依存せずに流速を求めることができ、これを用いて圧力変動と変位の位相差を検知する。この方法によれば音速を圧力や温度で補正する必要がなく、簡単に流速変動を求めることができる。
【0037】
なお、本実施の形態2では簡単のため2つの受信部10、11で、送信部9と受信部10、11間の角度と距離を同じ値θ、Lとしたが、異なっていても問題はない。
【0038】
(実施の形態3)
図4に本発明の実施の形態3におけるパルス管冷凍機の部分断面図を示す。他の部分の基本構成、及び作動流体の圧力−変位の位相差の検出方法は実施の形態1と同じであるため繰り返しての説明を避ける。異なる点は、受信部10の圧電体10aと同心円状に圧力センサの圧電体12を構成していることである。
【0039】
上記のように構成することで、別途圧力センサを設ける必要がなく安価に冷凍機を構成することができる。また、全体の構成もシンプルなものとなり小型化という点でも有利である。
【0040】
【発明の効果】
上記から明らかなように、本発明は圧力検知手段及び流速検知手段を設けて作動流体の圧力と変位の位相差を求め、これが所定の値になるように、圧縮手段、位相制御手段の少なくとも一方を制御するもので、冷凍負荷や設定温度、外気温度などの運転条件の変化に合わせて、適切な位相差の条件で冷凍機を運転することができ、エネルギー効率と動作の安定性の点で有利なパルス管冷凍機が得られるという効果を奏する。
【0041】
また、本発明は圧縮機による圧力変動よりも高い周波数の微弱圧力脈動を利用して流速検知を行うもので、送信受信手段として広く普及している圧電素子を利用することができ、パルス管冷凍機の位相検出機能を、安価でかつ高い信頼性で構成することができるという効果を奏する。
【0042】
また、本発明は流速検知を行うための送信手段及び受信手段を、パルス管の軸方向に位置をずらして配置するもので、装置への組込みが簡単である上に、安定した位相検知が可能となる効果を奏する。
【0043】
また、本発明は送信手段に対し複数の受信手段をパルス管の軸方向に位置をずらして配置するもので、受信手段の設置位置を適当に選ぶことで作動流体の音速の値に依存せずにその流速を求めることができ、音速の圧力補正等を必要とせず、簡単で信頼性の高い位相検知が可能となる効果を奏する。
【0044】
また、本発明は圧力検知手段と受信手段を一体に構成するもので、両検知手段の設置に必要なスペースが小さくなり、パルス管冷凍機を小型化できると共に、部品点数が減って低価格化の面でも有利となる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1を示すパルス管冷凍機の断面図
【図2】本発明の実施の形態1を示すパルス管冷凍機の部分断面図
【図3】本発明の実施の形態2を示すパルス管冷凍機の部分断面図
【図4】本発明の実施の形態3を示すパルス管冷凍機の部分断面図
【図5】従来の蓄冷式冷凍機の動作原理を示す模式図
【図6】従来のパルス管冷凍機の構成を示す模式図
【符号の説明】
1 リニア圧縮機
4 蓄冷器
5 コールドヘッド
6 パルス管
7 細管
8 バッファタンク
9 送信部
10 受信部
12 圧力センサ
13 電磁バルブ
Claims (5)
- 作動流体に対し周期的な圧力変動を作用させる圧縮手段と、中空筒状に形成されたパルス管と、前記圧縮手段に接続され、圧縮・膨張を繰り返しながら往復運動する作動流体との間で交換した熱を蓄積する蓄冷器と、前記蓄冷器と前記パルス管の間に配置され、被冷却対象から吸収した熱を作動流体に伝える熱交換器と、前記パルス管の一端に配置され、前記蓄冷器内部における作動流体の圧力変動と変位の位相を制御する位相制御手段と、前記パルス管内部の作動流体の圧力と流速をそれぞれ検知する圧力検知手段及び流速検知手段を備え、前記圧力検知手段及び流速検知手段により作動流体の圧力と変位の位相差を求め、これが所定の値になるように、前記圧縮手段、位相制御手段の少なくとも一方を制御することを特徴とするパルス管冷凍機。
- 流速検知手段を、圧縮手段が作用させる圧力変動周期よりも高い周波数で微弱な圧力脈動を発生させる送信手段と、前記送信手段で発生した圧力脈動を検出する受信手段から構成することを特徴とする請求項1に記載のパルス管冷凍機。
- 流速検知手段を構成する送信手段及び受信手段はパルス管の端部もしくは中間部に配置され、前記パルス管の軸方向に互いに距離を離して配置することを特徴とする請求項2に記載のパルス管冷凍機。
- 流速検知手段を構成する送信手段及び受信手段はパルス管の端部もしくは中間部に配置され、送信手段に対し複数の受信手段を前記パルス管の軸方向に互いに距離を離して配置することを特徴とする請求項2に記載のパルス管冷凍機。
- 圧力検知手段と送信手段又は受信手段を一体に構成することを特徴とする請求項2から4に記載のパルス管冷凍機。
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