JP2004317003A - 除湿機 - Google Patents

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Abstract

【課題】LEDなどの表示部を搭載した除湿機において、複数の異常を一度に表示可能とする。
【解決手段】室内空気循環ファン39A,39Bや除湿手段(除湿ロータ30、再生空気循環ファン41、加熱ヒータ43)の異常を検出する2以上の異常検出手段を設けるとともに、該異常検出手段により異常を検出すると室内空気循環ファン39A,39Bや除湿手段を停止する異常モードを設け、該異常モードでは、予め設定した特定のスイッチ62Aを操作すると、各異常に応じて予め設定した表示部(LED63a〜63c,64a〜64c,66)を表示させ、2以上の異常を同時に表示可能な構成とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、除湿機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の除湿機は、ケーシング内が除湿通路と再生通路とに区画され、これら通路に跨って円板状の除湿ロータが回転可能に配設されている。
【0003】
前記除湿通路には、室内の空気を吸気口から吸引し、排気口から室内に循環供給するための室内空気循環ファンが配設されている。前記再生通路には、該再生通路内の再生空気を循環させる再生空気循環ファンと、前記再生空気および除湿ロータを加熱する加熱ヒータとが配設されている。また、ケーシング内には、前記再生通路の一部を構成する熱交換器が配設されている。
【0004】
そして、前記除湿通路では、吸引した室内の空気を前記除湿ロータを通過することにより、空気に含有した水分が吸着され、乾燥した空気として排気口から室内に循環供給される。
【0005】
また、再生通路では、内部の再生空気が前記加熱ヒータで加熱され、この状態で前記除湿ロータを通過することにより、該除湿ロータが吸着した水分を放出する。そして、その再生空気が、熱交換器を通過する際に熱交換によって冷却されると、含有した水分が結露する。これにより、再生空気に含まれた水分は取り除かれ、結露した水はタンクに回収される。
【0006】
この除湿機には、前記ケーシングの表面に、送風量や動作状態などを選択する複数のスイッチと、その動作状態を表示する複数の表示部とを備えた操作パネルが設けられており、この操作パネルなどの表示に関連する先行技術文献情報としては次のものがある。
【0007】
【特許文献1】
特開平5−248670号公報
【0008】
この特許文献1では、フロートスイッチや給水弁の異常を検出する検出手段を設け、これらの異常を検出すると、機器の動作を停止するとともに、ランプを表示させることにより、その異常状況をユーザに知らせるように構成している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記除湿機において、異常の種類は複数あり、一度に複数の異常が発生している場合にはその原因を表示させ、ユーザに確認させることができないという問題がある。なお、表示手段として液晶パネルを使用している機器では、複数の異常が発生している場合には、所定時間毎に対応した異なる異常を表示させたり、特定のスイッチを操作する度に異なる異常を表示させるなどの方法が可能であるが、LEDなどの表示手段を用いた機器の場合にはその方法を適用することはできない。
【0010】
そこで、本発明では、LEDなどの表示部を搭載した除湿機において、複数の異常を一度に表示可能とすることを課題とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明の第1の除湿機は、ケーシングの表面に、送風量や動作状態などを選択する複数のスイッチと、その動作状態を表示する複数の表示部とを有する操作パネルを備え、室内空気循環ファンにより室内の空気を吸引し、除湿手段によって除湿した乾燥空気を室内に循環供給する除湿機において、前記室内空気循環ファンや除湿手段の異常を検出する2以上の異常検出手段を設けるとともに、該異常検出手段により異常を検出すると前記室内空気循環ファンや除湿手段を停止する異常モードを設け、該異常モードでは、予め設定した特定のスイッチを操作すると、各異常に応じて予め設定した表示部を表示させ、2以上の異常を同時に表示可能な構成としている。
【0012】
また、本発明の第2の除湿機は、ケーシングの表面に、送風量や動作状態などを選択する複数のスイッチと、その動作状態を表示する複数の表示部とを有する操作パネルを備え、室内空気循環ファンにより室内の空気を吸引し、除湿手段によって除湿した乾燥空気を室内に循環供給する除湿機において、前記室内空気循環ファンや除湿手段の異常を検出する2以上の異常検出手段を設けるとともに、該異常検出手段により異常を検出すると前記室内空気循環ファンや除湿手段を停止する異常モードを設け、該異常モードでは、全ての表示部を表示させる第1表示状態と、各異常に応じて予め設定した表示部を表示させて2以上の異常を同時に表示可能とした第2表示状態とを交互に行うように構成している。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る除湿機を示す。この除湿機は、大略、矩形状をなすケーシング10の内部を除湿通路11と再生通路12とに区画し、その内部に、除湿ロータ30と、室内空気循環ファン39A,39Bと、再生空気循環ファン41と、加熱ヒータ43と、熱交換器45とを水平に配設するとともに、下部にタンク55を配設したものである。なお、これらの構成部品のうち、前記除湿ロータ30、再生空気循環ファン41、加熱ヒータ43、および、熱交換器45は、吸引した空気を除湿する除湿手段を構成する。
【0014】
前記ケーシング10は、図2(A),(B)に示すように、基枠13の前後に前カバー14と後カバー15とを配設したものである。前記前カバー14の上部にはルーバー16を備えた排気口17が形成されている。前記後カバー15には、垂直方向に延びる複数のスリットからなる吸気口18が形成されている。また、ケーシング10には、前記基枠13にカバー14,15を組み付けることにより、その下部にタンク収容室19が形成される。
【0015】
前記基枠13の前面側には、図3に示すように、一対のインボリュート通路を構成する壁20a,20bを備えるとともに開口された室内空気循環ファン配設部20A,20Bと、再生空気循環ファン配設部21と、該再生空気循環ファン配設部21から加熱ヒータ配設部25にかけて延びるダクト部22とが設けられている。このダクト部22は、断面凹字形状の溝からなり、この溝に内嵌する逆凹字形状のダクトカバー23を配設することにより再生通路12の一部を構成する。また、本実施形態のダクトカバー23の上面には、前記室内空気循環ファン配設部20Aのインボリュート通路の一部を構成する壁部24が設けられている。
【0016】
また、基枠13の後面側には、図4および図5に示すように、加熱ヒータ配設部25と、除湿ロータ配設部26と、前記再生空気循環ファン配設部21に連通する円筒状のダクト27とが設けられている。前記加熱ヒータ配設部25は、前記ダクト部22と連通している。除湿ロータ配設部26は、後述する除湿ロータ30の保持部材33の下端縁より肉厚の周壁28の上面に、ガイド用の凹溝29を設けたものである。
【0017】
なお、前記再生通路12は、再生空気循環ファン配設部21、該配設部21と連通したダクト部22、該ダクト部22と連通した加熱ヒータ配設部25、該配設部25と対応するように除湿ロータ30の反対側に配設したローターカバー53、および、該ローターカバー53に接続するとともに前記再生空気循環ファン配設部21に接続する熱交換器45により構成される。そして、この区画された再生通路12および前記タンク収容室19を除くケーシング10内が、前記除湿ロータ30を介して吸気口18と排気口17とを連通させる除湿通路11を構成する。
【0018】
前記除湿ロータ30は、その約3/4が除湿通路11内に位置し、約1/4が再生通路12内に位置するように、前記両通路11,12に跨って駆動モータ31により回転可能に配設した円板状のものである。具体的には、この除湿ロータ30は、図5に示すように、ゼオライトまたはシリカゲルを結合させたメッシュ状のセラミックハニカムからなるロータ本体32を、樹脂製の保持部材33によって保持させたものである。
【0019】
前記保持部材33は、ロータ本体32の中央に位置する軸受部34と、ロータ本体32の外周部に位置する外壁部35と、これらを加熱ヒータ43と反対に位置する熱交換器45の側で連結する連結枠36とからなる。前記外壁部35には、外方に突出するフランジ部37が設けられるとともに、駆動モータ31の出力軸に配設した歯車31aに噛み合う複数の凸状歯38が設けられている。本実施形態では、30度間隔をもって位置する12個の凸状歯38を更に端部に向けて延ばし、後述する第5の異常検出手段を構成するマイクロスイッチ69の接点を押圧してオンするための凸状の作動部38aを設けている。
【0020】
前記室内空気循環ファン39A,39Bは、前記除湿通路11内において、室内空気循環ファン配設部20A,20Bに配設される一対のシロッコファンで構成され、それぞれモータ40A,40Bの駆動により回転する。これにより、図1に実線の矢印で示すように、後カバー15の吸気口18から室内の空気を吸引し、前記除湿ロータ30によって除湿した乾燥空気を前カバー14の排気口17から室内に循環供給するものである。
【0021】
なお、本実施形態では、第1の室内空気循環ファン39Aは前記室内空気循環ファン配設部20Aに配設され、そのモータ40Aは、回転が早い「強」運転と、回転が遅い「弱」運転とが可能な変速機能を有するものを用いている。また、第2の室内空気循環ファン39Bは前記室内空気循環ファン配設部20Bに配設され、そのモータ40Bは、回転が早い「強」運転のみが可能なものを用いている。
【0022】
前記再生空気循環ファン41は、前記再生通路12内において、前記再生空気循環ファン配設部21に配設され、モータ42の駆動により回転する。これにより、図1に破線の矢印で示すように、再生通路12内の再生空気を、ダクト部22を介して加熱ヒータ43のヒータケース44内に供給し、除湿ロータ30、および、熱交換器45の順で循環させるものである。
【0023】
前記加熱ヒータ43は、前記除湿ロータ30の前方に配設され、図示しない電源回路からの供給電力により発熱し、再生空気および除湿ロータ30を加熱するものである。この加熱ヒータ43は、連続した1巻きのコイルからなり、前記再生通路12を構成するヒータケース44を介して前記加熱ヒータ配設部25に配設される。
【0024】
前記熱交換器45は、前記除湿通路11内において、前記除湿ロータ30の背面側に配設されるとともに前記再生通路12の一部を構成するもので、図6(A),(B)に示すように、真空成形または圧空成形により形成した一対のパネル46A,46Bを溶着した樹脂製のものである。各パネル46A,46Bは、互いに対称に位置する複数の仕切用凹条47A,47Bを備え、これら仕切用凹条47A,47Bを除く部位により再生空気を通過させる複数の流路48が形成されている。また、一方のパネル46Aには、扇形状の流入口49と、基枠13のダクト27と対応する円形状の流出口50と、結露水をタンク55に排水するためのドレン部51とが設けられている。さらに、貼り合わされた仕切用凹条47A,47Bの部位には、吸引した空気を流通させるための通孔52が設けられている。なお、本実施形態では、前記流入口49は、前記除湿ロータ30において、加熱ヒータ43を収容するヒータケース44と反対面に配設されるローターカバー53に形成した接続部54に接続されるように構成している。
【0025】
前記タンク55は、図2(B)に示すように、上面開口の箱体形状をなし、その内部にはフロート部材56が回動可能に配設されている。このフロート部材56は、タンク55内の水位が上昇すると、下部のフロート部56aが浮き上がることにより全体が回動する。
【0026】
なお、前記タンク収容室19には、上端開口の箱体形状をなすサブタンク57が配設されている。このサブタンク57には、水平方向に移動可能な弁58が配設されている。この弁58は、スプリングによって常閉状態を維持するように構成されており、タンク55を装着することにより前記フロート部材56の上端の押圧部56bが当接して開弁する。そして、タンク55内の水位が上昇してフロート部材56が回動することにより、押圧部56bによる弁58の押圧が解除され、閉弁するように構成している。前記弁58には、分岐したマイクロスイッチ動作部59が設けられ、該マイクロスイッチ動作部59によりサブタンク57に隣接して配設したマイクロスイッチ60をオンまたはオフするように構成している。
【0027】
前記基枠13の上側の表面には、図7に示す操作パネル61が配設されている。この操作パネル61は、上方からマイナスイオン発生装置をオンまたはオフさせるためのスイッチ62A、衣類乾燥コースのモードを選択するためのスイッチ62B、除湿動作のモードを選択するためのスイッチ62C、切タイマーを設定するためのスイッチ62D、および、除湿機の運転をオンまたはオフさせるためのスイッチ62Eが設けられている。
【0028】
また、前記操作パネル61において、前記スイッチ62Bの上部には、衣類乾燥コースである夜干し、速乾および節電の3つのモードに対応する第1LED63a,63b,63cが設けられている。さらに、スイッチ62Cの上部には、除湿動作である静音、標準および強の3つのモードに対応する第2LED64a,64b,64cが設けられている。さらにまた、スイッチ62Dの上部には、切タイマーの設定時間である1(時間)、2(時間)、4(時間)および6(時間)に対応する第3LED65a,65b,65c,65dが設けられている。そして、スイッチ62Eの下部には、タンク55が装着されていない状態、または、タンク55内が満水になった状態を示す第4LED66が設けられている。
【0029】
前記除湿機に設けた図示しない制御手段は、マイコンを実装した制御基板を備え、電源のスイッチ62Eがオン状態になり、ケーシング10のタンク収容室19にタンク55がセットされ、かつ、満水状態でない場合に、前記除湿ロータ30の駆動モータ31、室内空気循環ファン39A,39Bのモータ40A,40B、再生空気循環ファン41のモータ42、および、加熱ヒータ43に対して電力を通電して除湿動作を開始する。また、タンク55内が満水状態になると、または、機器自体が転倒すると、前記各構成部品への通電を停止して除湿動作を停止するものである。
【0030】
ここで、前記タンク55の未装着状態および満水状態は、前記マイクロスイッチ60により検出する。このマイクロスイッチ60は、オン状態の場合にはHi信号を出力し、オフ状態の場合にはLo信号を出力する。そのため、図8(A)に示すように、タンク55が未装着状態の場合には、マイクロスイッチ60がオフ状態であるため、Lo信号の出力状態を維持するため、未装着状態を検出することができる。また、タンク55が装着されると、マイクロスイッチ60がオン状態となるため、Hi信号の出力状態が維持されるため、タンク55の装着状態を検出することができる。さらに、タンク55が装着され、かつ、除湿動作を実行している状態で、タンク55が満水状態になると、前記フロート部材56が回動することによりマイクロスイッチ60がオフ状態となり、Lo信号の出力状態となるため、満水状態を検出することができる。
【0031】
また、機器の転倒は、制御基板に実装された図示しない転倒スイッチにより検出する。ここで、この転倒スイッチは、オン状態の場合には、図8(B)に示すように、所定時間毎にLo信号を出力し、その他の時間はHi信号を出力する。そして、タンク収容室19にタンク55が収容されていない場合には、Lo信号の入力がなく、常にHi信号が入力されることになり、このLo信号の入力の有無により転倒状態を検出することができる。
【0032】
また、制御手段は、ユーザが操作パネル61のスイッチ62Cを操作することにより「静音」運転(第1風量)を選択すると、前記室内空気循環ファン39Aを「弱」運転させるとともに、室内空気循環ファン39Bを停止させる。そして、加熱ヒータ43には、150秒電力を通電(オン)させた後、170秒電力の通電を遮断(オフ)するようにデューティー制御する。また、ユーザが「標準」運転(第2風量)を選択すると、前記室内空気循環ファン39Aを「弱」運転させるとともに、室内空気循環ファン39Bを「強」運転させる。そして、加熱ヒータ43には、160秒電力を通電(オン)させた後、130秒電力の通電を遮断(オフ)するようにデューティー制御する。また、ユーザが「強」運転(第3風量)を選択すると、前記室内空気循環ファン39Aを「強」運転させるとともに、室内空気循環ファン39Bを「強」運転させる。そして、加熱ヒータ43には、常に電力を供給する。
【0033】
さらに、ユーザが操作パネル61のスイッチ62Bを操作することにより衣類乾燥コースにおける夜干しモードを選択すると、第1工程として60分間「標準」運転し、第2工程として270分間「静音」運転した後、第3工程として30分間「標準」運転して停止する。また、ユーザが衣類乾燥コースにおける速乾モードを選択すると、150分間「強」運転して停止する。また、ユーザが衣類乾燥コースにおける節電モードを選択すると、270分間「強」運転して停止する。そして、加熱ヒータ43には、150秒電力を通電(オン)させた後、450秒電力の通電を遮断(オフ)するようにデューティー制御する。
【0034】
本実施形態では、前記マイコンは、5つの異常検出手段によりそれぞれ異なる異常を検出すると、前記室内空気循環ファン39や除湿手段を構成する各構成部品30,41,43を停止する異常モードを実行する。そして、この異常モードでは、予め設定した特定のスイッチ62Aを操作すると、その操作状態が継続している間のみ、各異常に応じて予め設定した表示部であるLED63a〜63c,64a〜64c,65aを表示させ、2以上の異常を同時に表示できるように構成している。
【0035】
具体的には、第1の異常検出手段は、マイコン自体であり、制御回路におけるA/D変換器の異常を検出するものである。
【0036】
第2の異常検出手段は、前記再生通路12内における加熱ヒータ43の近傍に配設した第1サーミスタ67であり、サブファンのモータ故障による異常を検出するものである。
【0037】
第3の異常検出手段は、前記再生通路12内における再生空気の供給方向に対して除湿ロータ30の下流側に配設した第2サーミスタ68であり、メインファンのモータ故障による異常を検出するものである。
【0038】
第4の異常検出手段は前記転倒スイッチであり、該転倒スイッチ自体の故障を検出するものである。ここで、この転倒スイッチが故障すると、図8(B)に示すように、Hi信号の入力が断たれて常にLo信号が入力されるため、この転倒スイッチの故障を検出することができる。
【0039】
第5の異常検出手段は、除湿ロータ30の周囲に配設したマイクロスイッチ69であり、前記除湿ロータ30のモータ故障によるロータロックを検出するものである。ここで、本実施形態の除湿ロータ30は2分で1回転し、また、作動部38aを30度間隔で12個設けているため、マイクロスイッチ69は、10秒毎に接点がオンされる。そのため、10秒を越えてもオン状態を検出できない場合には、除湿ロータ30が故障によりロックしたという異常を検出することができる。
【0040】
なお、以下の表1に各異常に応じた表示の一例を示す。
【0041】
【表1】
Figure 2004317003
【0042】
前記表1に示すように、スイッチ62Aが操作され、その操作が継続中の場合において、マイコンがA/D変換器の異常を検出すると、第1LED63aを点灯させる。また、マイコンが第1サーミスタ67の断線を検出すると第1LED63bを点灯させる。また、マイコンが第2サーミスタ68の断線を検出すると第1LED63cを点灯させる。また、マイコンが第1サーミスタ67を介して異常高温を検出すると第2LED64aを点灯させる。また、マイコンが転倒スイッチの故障を検出すると第2LED64bを点灯させる。また、マイコンが第2サーミスタ68を介して異常高温を検出すると第2LED64cを点灯させる。また、マイコンがマイクロスイッチ69を介して除湿ロータ30の異常を検出すると第3LED65aを点灯させる。
【0043】
次に、前記除湿機による第1実施形態の制御について具体的に説明する。
ユーザがスイッチ62Eをオンするとともに、タンク収容室19にタンク55をセットし、スイッチ62Bまたはスイッチ62Cを操作して希望の除湿動作を選択すると、マイコンは、図9に示すように、ステップS1で、各コースに応じた従来と同様の除湿動作を実行する。
【0044】
ついで、ステップS2で、各異常検出手段によって異常を検出したか否かを判断し、異常を検出した場合には異常モードに遷移し、異常を検出しない場合にはステップS1に戻る。即ち、いずれかの異常検出手段によって異常を検出するか、ユーザが設定した切タイマーの時間が経過するまで、ステップS1の除湿動作を実行する。
【0045】
異常モードでは、まず、ステップS3で、各構成部品31,40A,40B,42,43の動作停止処理を実行して除湿動作を停止させた後、ステップS4で、制御基板に実装した圧電ブザーなどによる報知手段によって異常報知音を出力する。ついで、ステップS5で、全てのLED63a〜63c,64a〜64c,65a〜65d,66を点灯させた後、ステップS6で、スイッチ62Aがオン操作されるまで待機する。
【0046】
そして、スイッチ62Aがオン操作されると、ステップS7で、全てのLED63a〜63c,64a〜64c,65a〜65d,66を消灯した後、ステップS8で、異常モードの実行中であることを表示するために第4LED66を点灯させる。
【0047】
ついで、ステップS9で、マイコンによってA/D変換器の異常の有無を検出する。そして、A/D変換器の異常を検出した場合にはステップS10に進み、第1LED63aを点灯させてステップS11に進む。一方、A/D変換器の異常を検出しない場合にはそのままステップS11に進む。
【0048】
ステップS11では、第1サーミスタ67からの入力信号の有無により該第1サーミスタ67が断線しているか否かを検出する。そして、第1サーミスタ67の断線を検出した場合にはステップS12に進み、第1LED63bを点灯させてステップS13に進む。一方、第1サーミスタ67の断線を検出しない場合にはそのままステップS13に進む。
【0049】
図10に示すように、ステップS13では、第2サーミスタ68からの入力信号の有無により該第2サーミスタ68が断線しているか否かを検出する。そして、第2サーミスタの断線を検出した場合にはステップS14に進み、第1LED63cを点灯させてステップS15に進む。一方、第2サーミスタ68の断線を検出しない場合にはそのままステップS15に進む。
【0050】
ステップS15では、第1サーミスタ67からの入力信号により再生通路12内における除湿ロータ30の上流側が異常高温になっているか否かを検出する。そして、第1サーミスタ67によって異常高温を検出した場合にはステップS16に進み、第2LED64aを点灯させてステップS17に進む。一方、第1サーミスタ67によって異常高温を検出しない場合にはそのままステップS17に進む。
【0051】
ステップS17では、転倒スイッチからの入力信号により該転倒スイッチが故障しているか否かを検出する。そして、転倒スイッチの故障を検出した場合にはステップS18に進み、第2LED64bを点灯させてステップS19に進む。一方、転倒スイッチの故障を検出しない場合にはそのままステップS19に進む。
【0052】
ステップS19では、第2サーミスタ68からの入力信号により再生通路12内における除湿ロータ30の下流側が異常高温になっているか否かを検出する。そして、第2サーミスタ68によって異常高温を検出した場合にはステップS20に進み、第2LED64cを点灯させてステップS21に進む。一方、第2サーミスタ68によって異常高温を検出しない場合にはそのままステップS21に進む。
【0053】
ステップS21では、マイクロスイッチ69からの入力信号が断たれることによる除湿ロータ30の異常を検出しているか否かを検出する。そして、マイクロスイッチ69によって異常を検出した場合にはステップS22に進み、第3LED65aを点灯させてステップS23に進む。一方、マイクロスイッチ69によって異常を検出しない場合にはそのままステップS23に進む。
【0054】
ステップS23では、スイッチ62Aのオン操作が停止されることによりオフ状態になるまで待機する。そして、スイッチ62Aがオフ状態になると、ステップS24で、全てのLED63a〜63c,64a〜64c,65a〜65d,66を消灯させて図9に示すステップS4に戻る。
【0055】
なお、ステップS1での除湿処理において、異常ではない満水状態をマイクロスイッチ60により検出した場合には、ステップS3以降の異常モードには移行せず、この除湿処理において第4LED66を点滅させて、各構成部品の動作を停止する。また、転倒スイッチにより機器自体の転倒を検出した場合には、異常報知音を出力させるとともに、各構成部品の動作を停止する。
【0056】
このように、本実施形態では、特定のスイッチ62Aが操作され続けている状態では、種々の異常のうち、その異常に応じて異なるLED63a〜63c,64a〜64c,65aを点灯させ、複数の異常でも同時に表示する。そのため、ユーザは、その表示状態を確認することにより、異常の種類を把握することができる。また、ユーザが異常の種類を把握しなくても、その表示状態は記憶し易いため、その表示状態を製造メーカーのサービスカウンターの者に伝えることにより、アフターサービスによる修理を正確に行うことができる。ここで、機器の異常の種類としては、再現性を有するものと無いものとがあり、再現性が無い異常はアフターサービスによる修理が非常に困難であったが、本実施形態の除湿機によれば、その異常状況を確実に伝えることができる。
【0057】
図11および図12は第2実施形態の除湿機による制御を示すフローチャートであり、除湿機自体の構成は第1実施形態と同一である。この第2実施形態では、異常モードでいずれのスイッチ62A〜62Eも操作することなく、全ての異常を表示できるようにした点で、第1実施形態と相違している。なお、以下では、第1実施形態と同一のステップは具体的な説明を省略し、相違する部分のみを具体的に説明する。
【0058】
第2実施形態のマイコンは、ユーザがスイッチ62A〜62Eを操作して希望の除湿動作を選択すると、図11および図12に示すように、第1実施形態と同様にステップS1からステップS5を行う。
【0059】
そして、ステップS4で異常報知音を出力するとともに、ステップS5で、全てのLED63a〜63c,64a〜64c,65a〜65d,66を点灯させると、第2実施形態では、ステップS6’で、5秒経過するまで待機する。そして、5秒経過すると、ステップS7で、全てのLED63a〜63c,64a〜64c,65a〜65d,66を消灯する。
【0060】
その後、第1実施形態と同様に、ステップS8からステップS22を行う。そして、これらのステップにより異常に応じたLED63a〜63c,64a〜64c,65aを点灯させた後、ステップS23’で、5秒経過すると、ステップS24で、全てのLED63a〜63c,64a〜64c,65a〜65d,66を消灯させて図11に示すステップS4に戻る。
【0061】
このように、第2実施形態の除湿機では、全てのLED63a〜63c,64a〜64c,65a〜65d,66を表示させる第1表示状態と、各異常に応じて予め設定した特定のLED63a〜63c,64a〜64c,65aを表示させて2以上の異常を同時に表示可能とした第2表示状態とを5秒毎に交互に行う。そのため、第1実施形態と同様に、複数の異常でも同時に確認することができる。また、第1実施形態のように何の操作をしなくてもその異常状況を確認することができるため、利便性の向上を図ることができる。
【0062】
なお、本発明の除湿機は、前記実施形態の構成に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
【0063】
例えば、機器の異常を検出した際の第1表示状態、および、異常の種類に応じた表示部(LED63a〜63c,64a〜64c,65a)を表示させる第2表示状態は、前記実施形態の構成に限定されず、種々の組合せにより表示してもよく、希望に応じて変更が可能である。
【0064】
また、第1実施形態では、特定のスイッチ62Aがオン操作されている時のみ、異常に応じた表示を行うようにしたが、特定のスイッチ62Aがオン操作されると、所定時間異常に応じた表示を行うようにしてもよい。
【0065】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の除湿機では、2以上の異常を予め設定した表示部によって同時に表示することができるため、ユーザが煩わしい操作を繰り返して全ての異常を確認する必要はない。また、表示部の表示状況で表現しているため、ユーザは印象に残り易い。そのため、修理を依頼する際に異常状況を正確に伝えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る除湿機を示す概略図である。
【図2】(A),(B)は除湿機の具体的構成を示す断面図である。
【図3】基枠の前面側の構成を示す分解斜視図である。
【図4】基枠の後面側の構成を示す背面図である。
【図5】除湿機の後面側の構成を示す分解斜視図である。
【図6】(A)は熱交換器の正面図、(B)は(A)の要部拡大断面図である。
【図7】操作パネルを示す正面図である。
【図8】(A)はマイクロスイッチの出力信号を示すタイムチャート、(B)は転倒スイッチの出力信号を示すタイムチャートである。
【図9】第1実施形態のマイコンの制御を示すフローチャートである。
【図10】図9の続きのフローチャートである。
【図11】第2実施形態のマイコンの制御を示すフローチャートである。
【図12】図11の続きのフローチャートである。
【符号の説明】
10…ケーシング、11…除湿通路、12…再生通路、17…排気口、18…吸気口、30…除湿ロータ、39A,39B…室内空気循環ファン、41…再生空気循環ファン、43…加熱ヒータ、45…熱交換器、55…タンク、57…サブタンク、60…マイクロスイッチ、61…操作パネル、62A〜62E…スイッチ、63a〜63c…第1LED、64a〜64c…第2LED、65a〜65d…第3LED、66…第4LED、67…第1サーミスタ、68…第2サーミスタ。

Claims (2)

  1. ケーシングの表面に、送風量や動作状態などを選択する複数のスイッチと、その動作状態を表示する複数の表示部とを有する操作パネルを備え、室内空気循環ファンにより室内の空気を吸引し、除湿手段によって除湿した乾燥空気を室内に循環供給する除湿機において、
    前記室内空気循環ファンや除湿手段の異常を検出する2以上の異常検出手段を設けるとともに、該異常検出手段により異常を検出すると前記室内空気循環ファンや除湿手段を停止する異常モードを設け、該異常モードでは、予め設定した特定のスイッチを操作すると、各異常に応じて予め設定した表示部を表示させ、2以上の異常を同時に表示可能としたことを特徴とする除湿機。
  2. ケーシングの表面に、送風量や動作状態などを選択する複数のスイッチと、その動作状態を表示する複数の表示部とを有する操作パネルを備え、室内空気循環ファンにより室内の空気を吸引し、除湿手段によって除湿した乾燥空気を室内に循環供給する除湿機において、
    前記室内空気循環ファンや除湿手段の異常を検出する2以上の異常検出手段を設けるとともに、該異常検出手段により異常を検出すると前記室内空気循環ファンや除湿手段を停止する異常モードを設け、該異常モードでは、全ての表示部を表示させる第1表示状態と、各異常に応じて予め設定した表示部を表示させて2以上の異常を同時に表示可能とした第2表示状態とを交互に行うようにしたことを特徴とする除湿機。
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