JP2004316639A - トラクション制御装置 - Google Patents

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泰 小林
Yukihisa Miwa
幸久 三輪
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Abstract

【課題】 左右の駆動輪のうちの高速側駆動輪のスリップを抑制するように制動力を付加する場合において、車両の安定性の悪化を抑制することができるトラクション制御装置を提供する。
【解決手段】 LSDブレーキ制御の制御開始条件が成立した場合には、左右の駆動輪速差に基づいて高速側駆動輪のスリップを抑制するように制動力が付加される(ステップS102)。さらに、アクセルペダル開度及びエンジン回転数に基づいて算出された要求駆動力が所定値THより大きい場合に、エンジン駆動力制御部12cは、エンジン駆動力を所定値THに一致させるように電子制御スロットルバルブ15を制御する(ステップS108,S110,S112)。
【選択図】 図2

Description

本発明は、駆動輪のスリップを抑制する車両用のトラクション制御装置に関する。
下記特許文献1には、駆動輪のスリップ量に無関係に、左右の駆動輪速の差が所定値以下になるように制動力を制御するブレーキトラクション制御技術が記載されている。
特開平6−99801号公報(第3−5頁、第2図)
上記従来技術では、ブレーキトラクション制御実行中におけるエンジン駆動力は、運転者のアクセル操作量に依存している。
そのため、エンジンから出力される駆動力が大きくなり両駆動輪が過度のスリップ状態(空転状態)になることが考えられる。このような場合、駆動輪の横力(サイドフォース)が減少し又は無くなるために、車両の安定性が悪化し、運転者の望む方向に車両を進めることが困難になる。
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、左右の駆動輪のうちの高速側駆動輪のスリップを抑制するように制動力を付加する場合において、車両の安定性の悪化を抑制することができるトラクション制御装置を提供することを目的とする。
本発明に係るトラクション制御装置は、左右の駆動輪のうちの高速側駆動輪のスリップを抑制するように制動力を付加すると共に、アクセルペダル開度に応じてエンジン駆動力を制御するトラクション制御装置において、エンジン駆動力が所定値より大きくならないように制限する駆動力制限手段を備えることを特徴とする。
本発明に係るトラクション制御装置によれば、高速側駆動輪のスリップを抑制するように制動力が付加されるときに、アクセルペダル開度に応じてエンジン駆動力が制御される一方、エンジン駆動力が所定値より大きくならないように制限されるので、駆動輪が過度にスリップ状態になることを防止することができる。よって、駆動輪に横力を発生させる余地を残すことが可能となる。
また、本発明に係るトラクション制御装置では、駆動力制限手段が、アクセルペダル開度及びエンジン回転数に基づいて運転者の要求する要求駆動力を算出する要求駆動力算出手段と、要求駆動力算出手段により算出された要求駆動力が所定値以上の場合には、エンジン駆動力を所定値に一致させるように制御するエンジン駆動力制御手段とを備えることが好ましい。
このようにすれば、運転者がアクセルペダルを大きく踏み込んだ場合であっても、アクセルペダル開度等から求められる要求駆動力が所定値以上のときには、エンジン駆動力が該所定値に一致するように制御される。
本発明に係るトラクション制御装置では、駆動力制限手段が、ブレーキ油圧に応じて第1駆動力ガード値を算出すると共に高速側駆動輪のスリップ量に応じて第2駆動力ガード値を算出する第1ガード値算出手段を備え、上記所定値として、第1駆動力ガード値及び第2駆動力ガード値のうちの小さい方の値を用いることが好ましい。
このようにすれば、駆動輪が制動されることによりエンジンからの駆動力がディファレンシャルギヤに過大にかかるような場合、又は、高速側駆動輪のスリップ量が増大してディファレンシャルギヤにおける左右駆動輪の回転数差が非常に大きくなった場合に、ブレーキ油圧又はスリップ量に応じてエンジン駆動力が制限される。これにより、スリップ量の増大や過大な駆動力がディファレンシャルギヤに加えられることが抑制されので、ディファレンシャルギヤを保護することができる。
また、駆動力制限手段が、ブレーキ油圧に基づいてディファレンシャルギヤの歯面圧力を推定する歯面圧力推定手段と、高速側駆動輪のスリップ量及び歯面圧力に基づいて第3駆動力ガード値を算出する第2ガード値算出手段とを備え、上記所定値として第3駆動力ガード値を用いる構成としてもよい。
このようにすれば、ディファレンシャルギヤの推定歯面圧力及びスリップ量に応じてエンジン駆動力が制限される。これにより、ディファレンシャルギヤの歯面圧力やスリップ量の増大が抑制され、ディファレンシャルギヤが保護される。
本発明によれば、アクセルペダル開度及びエンジン回転数に基づいて算出された要求駆動力が所定値以上の場合に、エンジン駆動力制御手段が、エンジン駆動力を所定値に一致させるように制御する構成としたので、左右の駆動輪のうちの高速側駆動輪のスリップを抑制するように制動力を付加する場合において、車両の安定性の悪化を抑制することができる。
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
(第1実施形態)
まず、図1を用いて、第1実施形態に係るトラクション制御装置の全体構成について説明する。
トラクション制御装置が搭載された車両には、駆動輪1RR,1RL及び従動輪1FR,1FLが取り付けられている。ここで、従動輪1FRは前方右側、従動輪1FLは前方左側、駆動輪1RRは後方右側、駆動1RLは後方左側の車輪をそれぞれ示している。即ち、この車両では、フロントエンジン・リヤドライブ(FR)形式が採用されている。なお、フロントエンジン・リヤドライブ形式ではなくフロントエンジン・フロントドライブ(FF)形式等の他の形式を採用することも可能であることは言うまでもない。
従動輪1FR,1FL及び駆動輪1RR,1RLには、それぞれの車輪速を検出する車輪速センサ2FR,2FL,2RR,2RLが取り付けられている。また、各車輪にはブレーキディスク3が取り付けられている。各ブレーキディスク3に対して、ブレーキパッド4及びホイールシリンダ5を内蔵したブレーキキャリパ6が取り付けられている。各ホイールシリンダ5は、ブレーキ配管7を介してブレーキアクチュエータ8に接続されている。
ブレーキアクチュエータ8は、油圧ポンプや電磁バルブ等を有している。トラクション制御時には、ブレーキアクチュエータ8の油圧ポンプによってマスタシリンダ9内のブレーキオイルをブレーキ配管7を介してホイールシリンダ5に送出することで、ホイールシリンダ5内の油圧を上昇させて各車輪を制動させる。詳細には、ホイールシリンダ5内の油圧を上昇させることで、ブレーキパッド4がブレーキディスク3に押圧され、摩擦力によってブレーキディスク3と連結されている各車輪が制動される。
ブレーキアクチュエータ8は、電磁バルブの開閉によってホイールシリンダ5内の油圧を調節することにより、各車輪の制動力を個別に調節する。なお、本実施形態に用いられているブレーキシステムは、ディスクブレーキシステムであるが、ドラムブレーキシステム等でもよい。
ブレーキアクチュエータ8は、車両のトラクションを制御する電子制御装置(以下、TRC ECUという)11に接続され、ブレーキアクチュエータ8が有している油圧ポンプや電磁バルブ等がTRC ECU11により駆動される。また、車輪速センサ2FR〜2RLもTRC ECU11に接続されている。TRC ECU11では、車輪速センサ2FR〜2RLからの検出信号に基づいて推定車体速度及び各駆動輪のスリップ率等が算出される。詳細については後述する。
さらに、TRC ECU11は、エンジン制御用電子制御装置(以下、ENG ECUという)12とも接続されており、制動力制御とエンジン出力制御(駆動力制御)とを協調させることができるように構成されている。
TRC ECU11は、その内部に、演算を行うマイクロプロセッサ、このマイクロプロセッサに各処理を実行させるためのプログラムを記憶するROM、演算結果などの各種データを記憶するRAM及び12Vバッテリによってその記憶内容が保持されるバックアップRAM等を有している。
そして、上記構成によって、TRC ECU11は、従動輪速と駆動輪速との差に応じて駆動輪1RR,1RLのスリップ率を算出し、このスリップ率を目標スリップ率に一致させるように制動力及びエンジン駆動力を調節する、いわゆる基本的なトラクション制御を行う。これにより、駆動輪1RR,1RLのスリップを防ぎ、路面状況に応じた駆動力を確保し、車両の発進加速性・旋回安定性などの操縦性を向上させることができる。
また、TRC ECU11によれば、低速側駆動輪の駆動輪速を基準として、より大きくスリップしている側(高速側)の駆動輪に制動を加えることにより、機械的な差動制限装置付終減速機(Limited Slip Differential(LSD))相当の機能を実現することができる。このようなLSD効果を出すためのブレーキ制御では、高スリップ側の駆動輪のスリップを抑制し、差動作用の制限と駆動力の増加を図ることにより、ぬかるみなどからの脱出性能、不整地での走行性能等を向上させることが可能となる。
以下、本明細書では、このLSD効果を出すためのブレーキ制御をLSDブレーキ制御という。なお、LSDブレーキ制御は、広義のトラクション制御に含まれる。
本実施形態に係るトラクション制御装置は、LSDブレーキ制御の実行時において、車両安定性を確保することができる適切なスリップ率が得られるようにエンジン駆動力を調節するものである。
ここで、まず基本的なトラクション制御について説明し、その後にLSDブレーキ制御について説明する。
TRC ECU11は、車輪速センサ2FR,2FLによって検出された従動輪1FR,1FLの車輪速の平均値を演算し、その演算結果を推定車体速度とする。なお、この推定車体速度の演算においては、推定車体速度の変化勾配に制限等を設けても良い。そして、この推定車体速度と駆動輪1RR,1RLの車輪速との差に応じて駆動輪1RR,1RLのスリップ率を算出する。
TRC ECU11は、算出されたスリップ率に基づいて、駆動輪1RR,1RLに付加する制動力及び駆動輪1RR,1RLに伝達される駆動力の双方または何れか一方を調節することにより、駆動輪1RR,1RLのスリップ量を適切な値に制御する。
ここで、駆動輪1RR,1RLそれぞれに制動力を働かせてトラクション制御を行う場合には、TRC ECU11は、駆動輪1RR,1RLにそれぞれのスリップ率に応じた制動力を働かせるべく目標制御油圧等を決定する。そして、この目標制御油圧に基づいてブレーキアクチュエータ8の電磁バルブ等が駆動され、駆動輪1RR,1RLそれぞれに制動力が付加される。
一方、駆動輪1RR,1RLに伝達される駆動力を調節してトラクション制御を行う場合には、TRC ECU11は、駆動輪1RR,1RLのスリップ率に応じた駆動力の調節を行うべくENG ECU12に対して制御信号を送出する。ENG ECU12は、TRC ECU11からの制御信号に基づいて電子制御スロットルバルブ(DBW)15の目標スロットルバルブ開度を決定し、実スロットルバルブ開度が目標スロットルバルブ開度に一致するように電子制御スロットルバルブ15を駆動する。このように電子制御スロットルバルブ15が駆動されることにより、エンジン13に吸入される吸入空気量が調節され、駆動輪1RR,1RLに伝達される駆動力が調節される。
一方、LSDブレーキ制御では、車輪速センサ2RR、2RLによって検出された駆動輪1RR,1RLの車輪速の内、低速側の駆動輪の車輪速を基準とし、両駆動輪の駆動輪速差に応じて、高速側の駆動輪に付加される制動力が求められる。そして、この求められた制動力に応じてブレーキアクチュエータ8が駆動され、高速側の駆動輪に制動力が付加される。これにより、低速側の駆動輪と高速側の駆動輪とのスリップ量の差が所定範囲内に制御される。
ENG ECU12には、アクセルペダル開度を検出するアクセルペダル開度センサ16やエンジン回転数を検出するクランクポジションセンサ17等が接続されている。ENG ECU12では、クランクポジションセンサ17からのパルス信号に基づいてエンジン回転数が算出される。
ENG ECU12は、その内部に、演算を行うマイクロプロセッサ、このマイクロプロセッサに各処理を実行させるためのプログラムを記憶するROM、演算結果などの各種データを記憶するRAM及び12Vバッテリによってその記憶内容が保持されるバックアップRAM等を有している。
そして、上記構成によって、ENG ECU12の内部には、アクセルペダル開度及びエンジン回転数に基づいて要求駆動力を算出する要求駆動力算出部12b、要求駆動力が所定値以上の場合には、エンジン駆動力を所定値に一致させるように制御するエンジン駆動力制御部12c等が構築されている。なお、エンジン駆動力が所定値より大きくならないように制限する駆動力制限部12aは、要求駆動力算出部12b及びエンジン駆動力制御部12cを備えて構成されている。即ち、ENG ECU12は、駆動力制限手段、要求駆動力算出手段、エンジン駆動力制御手段として機能する。
次に、図2を参照してトラクション制御装置の動作について説明する。ここで、図2は、トラクション制御装置によるLSDブレーキ制御時におけるエンジン駆動力制限処理を示すフローチャートである。図2に示す処理は、車両のイグニションスイッチがON状態にされてTRC ECU11及びENG ECU12の電源が投入されることにより起動され、所定時間毎に繰り返して実行される。
ステップS100では、LSDブレーキ制御の制御開始条件が成立したか否かについての判断が行われる。ここで、LSDブレーキ制御の制御開始条件としては、例えば、従動輪1FR,1FLの車輪速から求められた車体速度が所定値以下であることや両駆動輪1RR,1RLの車輪速差が所定値以上であること等が挙げられる。
ここで、制御開始条件が成立している場合にはステップS102に処理が移行し、制御開始条件が成立していない場合には、ステップS114に処理が移行する。
ステップS100が肯定された場合、ステップS102では、LSD効果を出すための制動力制御(LSDブレーキ制御)が実行される。すなわち、左右の駆動輪1RR,1RLの車輪速の差に基づいて、車輪速の高い側の駆動輪のスリップを抑制するように制動力が加えられる。この場合、車輪速の低い駆動輪を基準として両駆動輪1RR,1RLの車輪速差が所定値以下となるように目標制動力が求められ、この目標制動力に応じてブレーキアクチュエータ8が駆動されて高速側の駆動輪が制動される。また、ENG ECU12に対してLSDブレーキ制御が実行中であることを示す制御信号が送出される。
なお、LSDブレーキ制御では、車輪速の低い駆動輪のスリップ率には関係なく制御が行われ、両駆動輪1RR,1RLが共にスリップ状態になることが許容される。
続くステップS104では、アクセルペダル開度センサ16により検出されたアクセルペダル開度とクランクポジションセンサ17からのパルス信号に応じて算出されたエンジン回転数とに基づいて要求駆動力が算出される。なお、この要求駆動力の算出は、LSDブレーキ制御が実行中であることを示す制御信号を受信したENG ECU12において行われる。
ここで、ENG ECU12のROMには、予め、アクセルペダル開度とエンジン回転数と要求駆動力との関係を定めたマップ(要求駆動力マップ)が記憶されており、アクセルペダル開度及びエンジン回転数に基づいて要求駆動力マップが検索されることにより要求駆動力が求められる。
次に、ステップS106では、ステップS104で算出された要求駆動力が所定値TH(例えば、200N)以下であるか否かについて判断が行われる。ここで、要求駆動力が所定値TH以下である場合には、ステップS109において要求駆動力が目標エンジン駆動力として設定された後、ステップS110に処理が移行する。即ち、要求駆動力が所定値TH以下の領域では、エンジン駆動力はアクセルペダル開度などに応じて設定される。
一方、要求駆動力が所定値THより大きい場合には、ステップS108に処理が進む。
ステップS108では、目標エンジン駆動力として所定値TH(例えば、200N)が設定される。
そして、続くステップS110では、ステップS108又はS109において設定された目標エンジン駆動力に応じて電子制御スロットルバルブ15の目標スロットルバルブ開度が決定される。ここで、ENG ECU12のROMには、予め、目標エンジン駆動力とエンジン回転数と目標スロットルバルブ開度との関係を定めたマップ(目標スロットルバルブ開度マップ)が記憶されており、目標エンジン駆動力及びエンジン回転数に基づいて目標スロットルバルブ開度マップが検索されることにより目標スロットルバルブ開度が求められる。
次に、ステップS112では、目標スロットルバルブ開度と実スロットルバルブ開度とが一致するように電子制御スロットルバルブ15を駆動する電動モータが制御される。このように電子制御スロットルバルブ15が駆動されることにより、エンジン13に吸入される吸入空気量が調節され、駆動輪1RR,1RLに伝達される駆動力が所定値THとなるように調節される。
最後に、ステップS114において、イグニッションスイッチがON状態であればステップS100に処理が戻され、所定時間ごとに本処理が繰り返して実行される。一方、イグニションスイッチがOFFされた場合には処理が終了される。
このように、本実施形態によれば、LSDブレーキ制御が実行されているときに、アクセルペダル開度とエンジン回転数とから求められる要求駆動力が所定値THより大きい場合には、エンジン駆動力が所定値THに一致するように制御される。よって、エンジン駆動力が所定値THより大きくなることがないため、駆動輪1RR,1RLが過度のスリップ状態(空転状態)になることが防止される。よって、駆動輪に横力を発生させる余地を残すことができるので、車両の安定性の悪化を抑制することが可能となる。
(第2実施形態)
次に、図3を用いて、第2実施形態に係るトラクション制御装置の全体構成について説明する。図3は、第2実施形態に係るトラクション制御装置の全体構成を示す図である。なお、図3において第1実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号が付されている。
第2実施形態は、各車輪1FR〜1RLに配設された各ホイールシリンダ5内のブレーキ油圧を検出する油圧センサ20FR〜20RLを備えている点、及び、ENG ECU12の内部に、ブレーキ油圧に応じて第1駆動力ガード値Tg1を算出すると共に、高速側駆動輪のスリップ量に応じて第2駆動力ガード値Tg2を算出する第1ガード値算出部12dを備えている点で第1実施形態と異なる。この第1ガード値算出部12dは第1ガード値算出手段として機能する。その他の構成については、上記第1実施形態と同一又は同様であるので、ここでは説明を省略する。
油圧センサ20FR〜20RLは、TRC ECU11に接続されている。なお、油圧センサ20FR〜20RLにより検出されるブレーキ油圧に代えて、TRC ECUで算出された目標制御油圧を用いてもよい。
次に、図4を参照して本実施形態に係るトラクション制御装置の動作について説明する。ここで、図4は、本実施形態によるLSDブレーキ制御時におけるエンジン駆動力制限処理を示すフローチャートである。図4に示す処理は、車両のイグニションスイッチがON状態にされてTRC ECU11及びENG ECU12の電源が投入されることにより起動され、所定時間毎に繰り返して実行される。
ステップS200〜S204は、上記第1実施形態によるエンジン駆動力制限処理におけるステップS100〜S104と同一であるので、ここでは説明を省略する。
続くステップS206では、油圧センサ20FR〜20RLにより検出されたブレーキ油圧に応じて第1駆動力ガード値Tg1が算出される。ここで、TRC ECU11のROMには、ブレーキ油圧と第1駆動力ガード値Tg1との関係を定めたマップ(第1駆動力ガード値マップ)が記憶されており、ブレーキ油圧に基づいてこの第1駆動力ガード値マップが検索されることにより第1駆動力ガード値が求められる。
第1駆動力ガード値マップは、図5に示されるように、所定のブレーキ油圧Pb1以下の領域において第1駆動力ガード値Tg1が所定値T1に固定されており、ブレーキ油圧Pbが所定値Pb1からPb2に増大するに従って第1駆動力ガード値Tg1が所定値T1から所定値T2に減少するように設定されている。また、ブレーキ油圧Pbが所定値Pb2以上の領域では、第1駆動力ガード値Tg1が所定値T2に固定されている。
続いてステップS208では、高速側駆動輪のスリップ量に応じて第2駆動力ガード値Tg2が算出される。ここで、TRC ECU11のROMには、スリップ量と第2駆動力ガード値Tg2との関係を定めたマップ(第2駆動力ガード値マップ)が記憶されており、高速側駆動輪のスリップ量に基づいてこの第2駆動力ガード値マップが検索されることにより第2駆動力ガード値が求められる。
第2駆動力ガード値マップは、図6に示されるように、所定のスリップ量V1以下の領域において第2駆動力ガード値Tg2が所定値T3に固定されており、スリップ量が所定値V1からV2に増大するに従って第2駆動力ガード値Tg2が所定値T3から所定値T4に減少するように設定されている。また、スリップ量Vが所定値V2以上の領域では、第2駆動力ガード値Tg2が所定値T4に固定されている。
次に、ステップS210では、ステップS206で算出された第1駆動力ガード値Tg1とステップS208で算出された第2駆動力ガード値Tg2の小さい方の値(以下、MIN(Tg1,Tg2)という)が、ステップS204で算出された要求駆動力と比較される。ここで、MIN(Tg1,Tg2)が要求駆動力より小さい場合には、ステップS212に処理が移行する。一方、MIN(Tg1,Tg2)が要求駆動力以上の場合には、ステップS214に処理が移行する。
ステップS210が肯定された場合、ステップS212において、MIN(Tg1,Tg2)が目標エンジン駆動力として設定される。
ステップS210が否定された場合、ステップS214において、要求駆動力が目標エンジン駆動力として設定される。
続くステップS216〜S220は、上記第1実施形態によるエンジン駆動力制限処理におけるステップS110〜S114と同一であるので、ここでは説明を省略する。
高速側駆動輪のスリップ量が増大し、ディファレンシャルギヤの片輪側が空転し続けるような状況では、油膜切れが発生し、ディファレンシャルギヤが損傷する恐れがある。また、LSD制御時に駆動輪を制動するブレーキの油圧が上昇するとディファレンシャルギヤにかかる駆動力が増大し、ディファレンシャルギヤが損傷する恐れがある。
本実施形態によれば、ブレーキ油圧に応じて算出された第1駆動力ガード値Tg1と高速側駆動輪のスリップ量に応じて算出された第2駆動力ガード値Tg2の小さい方の値で目標エンジン駆動力が制限される。そのため、スリップ量の増大や過大な駆動力がディファレンシャルギヤに加えられることが抑制されるため、車両安定性を確保しつつディファレンシャルギヤを保護することができる。
(第3実施形態)
次に、図7を用いて、第3実施形態に係るトラクション制御装置の全体構成について説明する。図7は、第3実施形態に係るトラクション制御装置の全体構成を示す図である。なお、図7において第2実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号が付されている。
第3実施形態は、ENG ECU12の内部に、ブレーキ油圧に応じてディファレンシャルギヤの歯面圧力を推定する歯面圧力推定部12eを備えている点、及び、第1ガード値算出部12dに代えて、高速側駆動輪のスリップ量と推定歯面圧力とに基づいて第3駆動力ガード値Tg3を算出する第2ガード値算出部12fを備えている点で上記第2実施形態と異なる。歯面圧力推定部12eは歯面圧力推定手段として機能し、第2ガード値算出部12fは第2ガード値算出手段として機能する。その他の構成については、上記第2実施形態と同一又は同様であるので、ここでは説明を省略する。
次に、図8を参照して本実施形態に係るトラクション制御装置の動作について説明する。ここで、図8は、本実施形態によるLSDブレーキ制御時におけるエンジン駆動力制限処理を示すフローチャートである。図8に示す処理は、車両のイグニションスイッチがON状態にされてTRC ECU11及びENG ECU12の電源が投入されることにより起動され、所定時間毎に繰り返して実行される。
ステップS300〜S304は、上記第2実施形態によるエンジン駆動力制限処理におけるステップS200〜S204と同一であるので、ここでは説明を省略する。
続くステップS306では、油圧センサ20FR〜20RLにより検出されたブレーキ油圧に基づいて、ディファレンシャルギヤの歯面圧力Pdが次式(1)により算出される。
Pd=(F1×R1)/(R2×A) ・・・(1)
ここで、F1はブレーキ油圧に基づいて求められるブレーキ制動力、R1は制動有効半径、R2はディファレンシャルギヤを構成するサイドギヤの半径、Aはサイドギヤの歯面面積である。
続いてステップS308では、ステップS306で推定された歯面圧力Pdと高速側駆動輪のスリップ量Vとの演算値に応じて第3駆動力ガード値Tg3が算出される。なお、歯面圧力Pdとスリップ量Vとの演算値としては、例えば、歯面圧力Pdとスリップ量Vとの積算値PdV等が用いられる。
ここで、TRC ECU11のROMには、積算値PdVと第3駆動力ガード値Tg3との関係を定めたマップ(第3駆動力ガード値マップ)が記憶されており、高速側駆動輪のスリップ量に基づいてこの第3駆動力ガード値マップが検索されることにより第3駆動力ガード値が求められる。
第3駆動力ガード値マップは、図9に示されるように、積算値PdVが所定値PdV1以下の領域において第3駆動力ガード値Tg3が所定値T5に固定されており、積算値PdVが所定値PdV1からPdV2に増大するに従って第3駆動力ガード値Tg3が所定値T5から所定値T6に減少するように設定されている。また、積算値PdVが所定値PdV2以上の領域では、第3駆動力ガード値Tg3が所定値T6に固定されている。
次に、ステップS310では、ステップS308で算出された第3駆動力ガード値Tg3が、ステップS304で算出された要求駆動力と比較される。ここで、第3駆動力ガード値Tg3が要求駆動力より小さい場合には、ステップS312に処理が移行する。一方、第3駆動力ガード値Tg3が要求駆動力以上の場合には、ステップS314に処理が移行する。
ステップS310が肯定された場合、ステップS312において、第3駆動力ガード値Tg3が目標エンジン駆動力として設定される。
ステップS310が否定された場合、ステップS314において、要求駆動力が目標エンジン駆動力として設定される。
続くステップS316〜S320は、上記第2実施形態によるエンジン駆動力制限処理におけるステップS210〜S214と同一であるので、ここでは説明を省略する。
高速側駆動輪のスリップ量が増大し、ディファレンシャルギヤの片輪側が空転し続けるような状況においてディファレンシャルギヤの歯面圧力が過度に増大したときには、ディファレンシャルギヤが損傷する恐れがある。
本実施形態によれば、推定歯面圧力Pdとスリップ量Vとの演算値に応じて算出された第3駆動力ガード値Tg3により目標エンジン駆動力が制限され、スリップ量の増大やディファレンシャルギヤの歯面圧力の増大が抑制されるため、車両安定性を確保しつつディファレンシャルギヤを保護することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態ではエンジン駆動力を調節するために電子制御スロットルバルブ15の開度を制御することにより吸入空気量を調節したが、エンジン13の点火時期制御や燃料カット等によりエンジン駆動力を調節しても良い。
第1実施形態に係るトラクション制御装置の全体構成を示す図である。 第1実施形態に係るトラクション制御装置によるLSDブレーキ制御時におけるエンジン駆動力制限処理を示すフローチャートである。 第2実施形態に係るトラクション制御装置の全体構成を示す図である。 第2実施形態に係るトラクション制御装置によるLSDブレーキ制御時におけるエンジン駆動力制限処理を示すフローチャートである。 第1駆動力ガード値マップの一例を示す図である。 第2駆動力ガード値マップの一例を示す図である。 第3実施形態に係るトラクション制御装置の全体構成を示す図である。 第3実施形態に係るトラクション制御装置によるLSDブレーキ制御時におけるエンジン駆動力制限処理を示すフローチャートである。 第3駆動力ガード値マップの一例を示す図である。
符号の説明
1FR,1FL…従動輪、1RR,1RL…駆動輪、2FR,2FL,2RR,2RL…車輪速センサ、3…ブレーキディスク、4…ブレーキパッド、5…ホイールシリンダ、6…ブレーキキャリパ、7…ブレーキ配管、8…ブレーキアクチュエータ、9…マスタシリンダ、11…TRC ECU、12…ENG ECU、12a…駆動力制御部、12b…要求駆動力算出部、12c…エンジン駆動力制御部、12d…第1ガード値算出部、12e…歯面圧力推定部、12f…第2ガード値算出部、13…エンジン、15…電子制御スロットルバルブ、16…アクセルペダル開度センサ、17…クランクポジションセンサ。

Claims (4)

  1. 左右の駆動輪のうちの高速側駆動輪のスリップを抑制するように制動力を付加すると共に、アクセルペダル開度に応じてエンジン駆動力を制御するトラクション制御装置において、
    前記エンジン駆動力が所定値より大きくならないように制限する駆動力制限手段を備えることを特徴とするトラクション制御装置。
  2. 前記駆動力制限手段は、
    アクセルペダル開度及びエンジン回転数に基づいて運転者の要求する要求駆動力を算出する要求駆動力算出手段と、
    前記要求駆動力算出手段により算出された前記要求駆動力が所定値以上の場合には、前記エンジン駆動力を前記所定値に一致させるように制御するエンジン駆動力制御手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載のトラクション制御装置。
  3. 前記駆動力制限手段は、ブレーキ油圧に応じて第1駆動力ガード値を算出すると共に前記高速側駆動輪のスリップ量に応じて第2駆動力ガード値を算出する第1ガード値算出手段を備え、
    前記所定値として、前記第1駆動力ガード値及び前記第2駆動力ガード値のうちの小さい方の値を用いることを特徴とする請求項2に記載のトラクション制御装置。
  4. 前記駆動力制限手段は、ブレーキ油圧に基づいてディファレンシャルギヤの歯面圧力を推定する歯面圧力推定手段と、前記高速側駆動輪のスリップ量及び前記歯面圧力に基づいて第3駆動力ガード値を算出する第2ガード値算出手段とを備え、
    前記所定値として、前記第3駆動力ガード値を用いることを特徴とする請求項2に記載のトラクション制御装置。
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WO2010134251A1 (ja) 2009-05-21 2010-11-25 アイシン精機株式会社 車両の接地荷重制御装置

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