JP2000344083A - 車両用トラクション制御装置 - Google Patents
車両用トラクション制御装置Info
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- JP2000344083A JP2000344083A JP11159541A JP15954199A JP2000344083A JP 2000344083 A JP2000344083 A JP 2000344083A JP 11159541 A JP11159541 A JP 11159541A JP 15954199 A JP15954199 A JP 15954199A JP 2000344083 A JP2000344083 A JP 2000344083A
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Abstract
ション制御装置を提供する。 【解決手段】 エンジン5、副変速機6aを有するトラ
ンスミッション6に接続される駆動輪1を有する車両に
おいて、TRCコンピューター4は、車両の車輪速セン
サ33により駆動輪1の空転を検出し、アクチュエータ
ー3を制御することで、駆動輪1に制動力を付与して空
転抑制制御を行うものであり、副変速機6aが低速状態
の場合には、駆動輪1の許容スリップ量を小さくするこ
とを特徴とする。
Description
転するのを抑制するトラクション制御装置に関する。
保するため、駆動輪の空転を抑制する制御を行うトラク
ション制御装置が知られている。公知のトラクション制
御装置は、駆動輪の空転を検出すると、エンジン出力を
絞ったり、空転している駆動輪に制動力を付与すること
で空転を抑制するものである。
ンク時の応急措置などで異径タイヤが装着されている場
合には、正常なタイヤと車輪速度が異なってくるため、
空転を正確に検出できなくなるおそれがある。
定を正確に行う技術として特開平8−99626号公報
に開示されている技術がある。この技術は、異径タイヤ
について車輪速度の補正を行うものである。
正係数の算定中等にはトラクション制御が誤作動しない
ように制御開始条件となる車輪速度と実車体速度との差
の閾値をトラクション制御に入りにくくなるように変更
することが一般的である。しかし、閾値を変更した状態
で一般的に大きな駆動力が必要とされるオフロード等の
走行時やスタックからの脱出時には、車輪スリップが増
大して走破性や脱出性が低下してしまう。
路等の走破性を確保しうる車両用トラクション制御装置
を提供することを課題とする。
め、本発明に係る車両用トラクション制御装置は、駆動
輪の空転を検出する空転検出手段と、検出した空転量が
予め設定された許容スリップ量を超える場合に駆動輪に
制動力を付与することで該駆動輪の空転を許容スリップ
量以内に抑制する制御を行う制動力制御手段とを備える
車両用トラクション制御装置において、駆動輪は、駆動
系に副変速機を介して接続されており、副変速機の変速
状態を検出する副変速機状態検出器をさらに備え、制動
力制御手段は、副変速機が低速状態である場合には、そ
れ以外の場合に比べて許容スリップ量を小さくして空転
抑制制御を行うことを特徴とする。
れている車両においては、オフロード走行時等走破性が
重視される場合やスタックからの脱出時には副変速機が
低速状態に設定されるのが一般的である。本発明によれ
ば、副変速機が低速状態に設定されている場合には、そ
れ以外の場合に比べて許容スリップ量を小さく設定して
空転抑制制御を行うので、操縦者が意図した通りの走破
性を重視したトラクション制御を行うことができる。
かつ副変速機が低速状態以外の状態において、空転抑制
制御時の許容スリップ量を増大させて制御を行うことが
好ましい。そして、この所定の車両状態は、車輪速度補
正完了前あるいはタイヤ径が正常であると判定される前
の状態であることが好ましい。
径が正常であると判定される前等の所定の車両状態で、
かつ、副変速機が低速状態以外の状態の場合には、許容
スリップ量を増大させて制御することで、制御開始条件
を緩和してトラクション制御の誤作動を防止することが
できる。
の好適な実施の形態について詳細に説明する。図1は、
本発明に係るトラクション制御装置を搭載した車両の主
要部分を示す概略構成図である。
1RR、1RLの全てを駆動輪とする4WD式の車両で
ある。この車両の駆動系は、エンジン5と、トランスミ
ッション6とを備えており、図示していない駆動軸、差
動ギヤ等を介してトランスミッション6の副変速機6a
と各輪1FR、1FL、1RR、1RLとが接続されて
いる。
と、ブレーキブースタ20と、マスタシリンダ22と、
アクチュエータ3とが接続されており、アクチュエータ
3から延びる作動油ラインが各車輪1FR、1FL、1
RR、1RLに設けられたホイール・シリンダ31に接
続され、ブレーキパッド32を作動させる構成になって
いる。ブレーキペダル2には、ブレーキの操作状態を検
出するストップランプスイッチ21が取り付けられてお
り、各車輪1FR、1FL、1RR、1RLには、車輪
の回転状態を検出する車輪速センサ33がそれぞれ取り
付けられている。
ンサ33の出力はTRCコンピュータ4に入力されてい
る。TRCコンピュータ4はアクチュエーター3の動作
を制御するものであり、本発明に係るトラクション制御
装置の制動力制御手段に相当する。また、エンジン5、
トランスミッション6は制御用のエンジンコンピュータ
7に接続される。そして、TRCコンピュータ4とエン
ジンコンピュータ7とは相互に接続されている。
まれると、ブレーキブースタ20はその踏力を増大させ
てマスタシリンダ22へと伝達し、作動油がアクチュエ
ータ3へと送られる。アクチュエータ3から各車輪に設
けられたホイール・シリンダ31へと作動油を伝達する
ことでブレーキパッド32を作動させて、制動が行われ
る。
図1〜図3を参照して説明する。図2は、トラクション
制御動作を表すフローチャートである。以下、特に説明
のない限り制御動作はTRCコンピューター4内の演算
処理装置(CPU)によって実行される。そして、副変
速機6aは、低速状態のL4と高速状態のH4間で切り
替えを行うものである。
出する。具体的には、各車輪1の車輪速センサ33から
得られた車輪速度、トランスミッション6の出力軸回転
数等を参照して各車輪1の回転状態の偏差を調べる。そ
して、偏差が大きい場合は、異径タイヤの装着判定を行
う。そして、既に異径タイヤ装着が検知されている場合
や車輪速センサ33間の出力偏差が検出されている場合
はそれらの出力の補正、つまり車輪速度補正を行う。
であると判定されたか車輪速度補正が完了しているかを
調べる。そして、いずれかが完了前(以下、所定の車両
状態と呼ぶ。)であればステップS3aに移行し、両者
が完了している場合(以下、通常時と呼ぶ。)にはステ
ップS3bへと移行し、それぞれエンジンコンピュータ
7からの副変速機6aの状態情報により、ギヤ位置がL
4、つまり、副変速機6aが低速状態にあるか否かを判
定する。そして、ギヤ位置に応じてそれぞれステップS
4〜S7へと移行し、トラクション制御の際に用いる許
容スリップ量の設定を行う。
H4のときには、ステップS4に示されるように許容ス
リップ量をSp1×K1に設定する。所定の車両状態
で、ギヤ位置L4のときには、ステップS5に示される
ように許容スリップ量をSp2×K2に設定する。通常
時で、ギヤ位置H4のときには、ステップS6に示され
るように許容スリップ量をSp1に設定する。所定の車
両状態で、ギヤ位置L4のときには、ステップS7に示
されるように許容スリップ量をSp2に設定する。
を満たすように設定することで、許容スリップ量は、同
一の車両状態であれば、ギヤ位置H4のときのほうが、
ギヤ位置L4のとき以上に設定され、ギヤ位置が同一で
あれば、所定の車両状態の場合に、通常時より大きな許
容スリップ量に設定されることになる。
定した後、ステップS8において、スリップ発生を判定
し、検出した場合は、ステップS9へと移行し、スリッ
プ量を設定した許容スリップ量内に抑えるトラクション
制御を行う。
ラクション制御中と比較するため、制御中の車両挙動、
ブレーキ制御油圧等を比較して示したものである。図3
(a)、図3(b)は、本発明に係るトラクション制御
装置によるトラクション制御中のタイムチャートであっ
て、図3(a)が空転輪の車輪速度と実車体速度の時間
変化を、図3(b)が空転輪へのブレーキ制御油圧の時
間変化をそれぞれ示している。一方、図3(c)、図3
(d)は、従来のトラクション制御中のタイムチャート
であって、図3(c)が空転輪の車輪速度と実車体速度
の時間変化を、図3(d)が空転輪へのブレーキ制御油
圧の時間変化をそれぞれ示している。従来のトラクショ
ン制御装置によるトラクション制御中の車輪速度と実車
体速度の関係をそれぞれ示している。これらの図はいず
れも異径タイヤ等を検出した場合に、車輪がぬかるみな
どに入ってほぼ停止したスタック状態から脱出する際の
変動をそれぞれ示したものである。
やスタック状態にあったとすると、通常、副変速機6a
は低速状態、つまりギヤ位置L4状態に設定されてい
る。従来のトラクション制御においては、正常タイヤ判
定前や車両速度補正完了前は副変速機6aが低速状態、
つまりギヤ位置L4状態であっても許容スリップ量は大
きく(Sp1×K1)設定されたが、本発明におけるト
ラクション制御では、許容スリップ量はそれより小さい
Sp2×K2に設定されている。
t0で車輪が空転し始めたとすると、本発明におけるト
ラクション制御においては、図3(a)に示されるよう
に、時刻t1で空転輪の車輪速度が許容車輪速度(実車
体速度+許容スリップ量)を超えるので、トラクション
制御が開始される。そして、制御開始が早く、制御量が
少なくてすむので、空転輪の車輪速度の変動も小さく、
制御に必要なブレーキ制御油圧も図3(b)に示される
ように小さくて済む。その結果、安定した実車体速度が
得られ、走行性が確保される。
おいては、図3(c)に示されるように、許容車輪速度
が大きいために、空転を開始してから空転輪の車輪速度
が許容車輪速度を越えてトラクション制御が開始される
までに時間がかかり、じっさいにトラクション制御が開
始されるのは、時刻t2になる。そして、許容スリップ
量が大きく、制御開始が遅れた分だけ図3(d)に示さ
れるようにブレーキ制御油圧を大きくする必要があり、
さらに空転輪の車輪速度の変動も大きくなる。そして、
許容スリップ量を大幅に上回るスリップが発生して車体
速度の低下が起こり、走行性が低下してしまう。
前や車両速度補正完了前でも副変速機6aが低速状態の
場合には、許容スリップ量を抑制してトラクション制御
を行うことでオフロード等の走行性を確保することがで
きる。
判定前や車両速度補正完了前においては許容スリップ量
を増大させる制御を行う例を説明してきたが、副変速機
の状態のみをみて、副変速機が低速状態の場合は高速状
態の場合よりも常に許容スリップ量を小さくしてトラク
ション制御を行ってもよい。
破性が重視される副変速機のギヤ位置が低速状態の場合
には、許容スリップ量を小さく設定してトラクション制
御を行うことで、荒れた路面や急坂路等での走行性が向
上する。
載した車両の主要部分の構成を示す図である。
御動作を表すフローチャートである。
と従来のトラクション制御で比較して示したものであ
り、(a)、(b)は、本発明のトラクション制御中の
タイムチャートで、(a)が空転輪の車輪速度と実車体
速度の時間変化を、(b)が空転輪へのブレーキ制御油
圧の時間変化をそれぞれ示し、(c)、(d)は、従来
のトラクション制御中のタイムチャートで、(c)が空
転輪の車輪速度と実車体速度の時間変化を、(d)が空
転輪へのブレーキ制御油圧の時間変化をそれぞれ示して
いる。
ー、4…TRCコンピューター、5…エンジン、6…ト
ランスミッション、7…エンジンコンピュータ、21…
ストップランプスイッチ、31…ホイール・シリンダ、
32…ブレーキパッド、33…車輪速センサ。
転するのを抑制するトラクション制御装置に関する。
保するため、駆動輪の空転を抑制する制御を行うトラク
ション制御装置が知られている。公知のトラクション制
御装置は、駆動輪の空転を検出すると、エンジン出力を
絞ったり、空転している駆動輪に制動力を付与すること
で空転を抑制するものである。
ンク時の応急措置などで異径タイヤが装着されている場
合には、正常なタイヤと車輪速度が異なってくるため、
空転を正確に検出できなくなるおそれがある。
定を正確に行う技術として特開平8−99626号公報
に開示されている技術がある。この技術は、異径タイヤ
について車輪速度の補正を行うものである。
正係数の算定中等にはトラクション制御が誤作動しない
ように制御開始条件となる車輪速度と実車体速度との差
の閾値をトラクション制御に入りにくくなるように変更
することが一般的である。しかし、閾値を変更した状態
で一般的に大きな駆動力が必要とされるオフロード等の
走行時やスタックからの脱出時には、車輪スリップが増
大して走破性や脱出性が低下してしまう。
路等の走破性を確保しうる車両用トラクション制御装置
を提供することを課題とする。
め、本発明に係る車両用トラクション制御装置は、駆動
輪の空転を検出する空転検出手段と、検出した空転量が
予め設定された許容スリップ量を超える場合に駆動輪に
制動力を付与することで該駆動輪の空転を許容スリップ
量以内に抑制する制御を行う制動力制御手段とを備える
車両用トラクション制御装置において、駆動輪は、駆動
系に副変速機を介して接続されており、副変速機の変速
状態を検出する副変速機状態検出器をさらに備え、制動
力制御手段は、副変速機が低速状態である場合には、そ
れ以外の場合に比べて許容スリップ量を小さくして空転
抑制制御を行うことを特徴とする。
れている車両においては、オフロード走行時等走破性が
重視される場合やスタックからの脱出時には副変速機が
低速状態に設定されるのが一般的である。本発明によれ
ば、副変速機が低速状態に設定されている場合には、そ
れ以外の場合に比べて許容スリップ量を小さく設定して
空転抑制制御を行うので、操縦者が意図した通りの走破
性を重視したトラクション制御を行うことができる。
かつ副変速機が低速状態以外の状態において、空転抑制
制御時の許容スリップ量を増大させて制御を行うことが
好ましい。そして、この所定の車両状態は、車輪速度補
正完了前あるいはタイヤ径が正常であると判定される前
の状態であることが好ましい。
径が正常であると判定される前等の所定の車両状態で、
かつ、副変速機が低速状態以外の状態の場合には、許容
スリップ量を増大させて制御することで、制御開始条件
を緩和してトラクション制御の誤作動を防止することが
できる。
の好適な実施の形態について詳細に説明する。図1は、
本発明に係るトラクション制御装置を搭載した車両の主
要部分を示す概略構成図である。
1RR、1RLの全てを駆動輪とする4WD式の車両で
ある。この車両の駆動系は、エンジン5と、トランスミ
ッション6とを備えており、図示していない駆動軸、差
動ギヤ等を介してトランスミッション6の副変速機6a
と各輪1FR、1FL、1RR、1RLとが接続されて
いる。
と、ブレーキブースタ20と、マスタシリンダ22と、
アクチュエータ3とが接続されており、アクチュエータ
3から延びる作動油ラインが各車輪1FR、1FL、1
RR、1RLに設けられたホイール・シリンダ31に接
続され、ブレーキパッド32を作動させる構成になって
いる。ブレーキペダル2には、ブレーキの操作状態を検
出するストップランプスイッチ21が取り付けられてお
り、各車輪1FR、1FL、1RR、1RLには、車輪
の回転状態を検出する車輪速センサ33がそれぞれ取り
付けられている。
ンサ33の出力はTRCコンピュータ4に入力されてい
る。TRCコンピュータ4はアクチュエーター3の動作
を制御するものであり、本発明に係るトラクション制御
装置の制動力制御手段に相当する。また、エンジン5、
トランスミッション6は制御用のエンジンコンピュータ
7に接続される。そして、TRCコンピュータ4とエン
ジンコンピュータ7とは相互に接続されている。
まれると、ブレーキブースタ20はその踏力を増大させ
てマスタシリンダ22へと伝達し、作動油がアクチュエ
ータ3へと送られる。アクチュエータ3から各車輪に設
けられたホイール・シリンダ31へと作動油を伝達する
ことでブレーキパッド32を作動させて、制動が行われ
る。
図1〜図3を参照して説明する。図2は、トラクション
制御動作を表すフローチャートである。以下、特に説明
のない限り制御動作はTRCコンピューター4内の演算
処理装置(CPU)によって実行される。そして、副変
速機6aは、低速状態のL4と高速状態のH4間で切り
替えを行うものである。
出する。具体的には、各車輪1の車輪速センサ33から
得られた車輪速度、トランスミッション6の出力軸回転
数等を参照して各車輪1の回転状態の偏差を調べる。そ
して、偏差が大きい場合は、異径タイヤの装着判定を行
う。そして、既に異径タイヤ装着が検知されている場合
や車輪速センサ33間の出力偏差が検出されている場合
はそれらの出力の補正、つまり車輪速度補正を行う。
であると判定されたか車輪速度補正が完了しているかを
調べる。そして、いずれかが完了前(以下、所定の車両
状態と呼ぶ。)であればステップS3aに移行し、両者
が完了している場合(以下、通常時と呼ぶ。)にはステ
ップS3bへと移行し、それぞれエンジンコンピュータ
7からの副変速機6aの状態情報により、ギヤ位置がL
4、つまり、副変速機6aが低速状態にあるか否かを判
定する。そして、ギヤ位置に応じてそれぞれステップS
4〜S7へと移行し、トラクション制御の際に用いる許
容スリップ量の設定を行う。
H4のときには、ステップS4に示されるように許容ス
リップ量をSp1×K1に設定する。所定の車両状態
で、ギヤ位置L4のときには、ステップS5に示される
ように許容スリップ量をSp2×K2に設定する。通常
時で、ギヤ位置H4のときには、ステップS6に示され
るように許容スリップ量をSp1に設定する。所定の車
両状態で、ギヤ位置L4のときには、ステップS7に示
されるように許容スリップ量をSp2に設定する。
を満たすように設定することで、許容スリップ量は、同
一の車両状態であれば、ギヤ位置H4のときのほうが、
ギヤ位置L4のとき以上に設定され、ギヤ位置が同一で
あれば、所定の車両状態の場合に、通常時より大きな許
容スリップ量に設定されることになる。
定した後、ステップS8において、スリップ発生を判定
し、検出した場合は、ステップS9へと移行し、スリッ
プ量を設定した許容スリップ量内に抑えるトラクション
制御を行う。
ラクション制御中と比較するため、制御中の車両挙動、
ブレーキ制御油圧等を比較して示したものである。図3
(a)、図3(b)は、本発明に係るトラクション制御
装置によるトラクション制御中のタイムチャートであっ
て、図3(a)が空転輪の車輪速度と実車体速度の時間
変化を、図3(b)が空転輪へのブレーキ制御油圧の時
間変化をそれぞれ示している。一方、図3(c)、図3
(d)は、従来のトラクション制御中のタイムチャート
であって、図3(c)が空転輪の車輪速度と実車体速度
の時間変化を、図3(d)が空転輪へのブレーキ制御油
圧の時間変化をそれぞれ示している。従来のトラクショ
ン制御装置によるトラクション制御中の車輪速度と実車
体速度の関係をそれぞれ示している。これらの図はいず
れも異径タイヤ等を検出した場合に、車輪がぬかるみな
どに入ってほぼ停止したスタック状態から脱出する際の
変動をそれぞれ示したものである。
やスタック状態にあったとすると、通常、副変速機6a
は低速状態、つまりギヤ位置L4状態に設定されてい
る。従来のトラクション制御においては、正常タイヤ判
定前や車両速度補正完了前は副変速機6aが低速状態、
つまりギヤ位置L4状態であっても許容スリップ量は大
きく(Sp1×K1)設定されたが、本発明におけるト
ラクション制御では、許容スリップ量はそれより小さい
Sp2×K2に設定されている。
t0で車輪が空転し始めたとすると、本発明におけるト
ラクション制御においては、図3(a)に示されるよう
に、時刻t1で空転輪の車輪速度が許容車輪速度(実車
体速度+許容スリップ量)を超えるので、トラクション
制御が開始される。そして、制御開始が早く、制御量が
少なくてすむので、空転輪の車輪速度の変動も小さく、
制御に必要なブレーキ制御油圧も図3(b)に示される
ように小さくて済む。その結果、安定した実車体速度が
得られ、走行性が確保される。
おいては、図3(c)に示されるように、許容車輪速度
が大きいために、空転を開始してから空転輪の車輪速度
が許容車輪速度を越えてトラクション制御が開始される
までに時間がかかり、じっさいにトラクション制御が開
始されるのは、時刻t2になる。そして、許容スリップ
量が大きく、制御開始が遅れた分だけ図3(d)に示さ
れるようにブレーキ制御油圧を大きくする必要があり、
さらに空転輪の車輪速度の変動も大きくなる。そして、
許容スリップ量を大幅に上回るスリップが発生して車体
速度の低下が起こり、走行性が低下してしまう。
前や車両速度補正完了前でも副変速機6aが低速状態の
場合には、許容スリップ量を抑制してトラクション制御
を行うことでオフロード等の走行性を確保することがで
きる。
判定前や車両速度補正完了前においては許容スリップ量
を増大させる制御を行う例を説明してきたが、副変速機
の状態のみをみて、副変速機が低速状態の場合は高速状
態の場合よりも常に許容スリップ量を小さくしてトラク
ション制御を行ってもよい。
破性が重視される副変速機のギヤ位置が低速状態の場合
には、許容スリップ量を小さく設定してトラクション制
御を行うことで、荒れた路面や急坂路等での走行性が向
上する。
載した車両の主要部分の構成を示す図である。
御動作を表すフローチャートである。
と従来のトラクション制御で比較して示したものであ
り、(a)、(b)は、本発明のトラクション制御中の
タイムチャートで、(a)が空転輪の車輪速度と実車体
速度の時間変化を、(b)が空転輪へのブレーキ制御油
圧の時間変化をそれぞれ示し、(c)、(d)は、従来
のトラクション制御中のタイムチャートで、(c)が空
転輪の車輪速度と実車体速度の時間変化を、(d)が空
転輪へのブレーキ制御油圧の時間変化をそれぞれ示して
いる。
ー、4…TRCコンピューター、5…エンジン、6…ト
ランスミッション、7…エンジンコンピュータ、21…
ストップランプスイッチ、31…ホイール・シリンダ、
32…ブレーキパッド、33…車輪速センサ。
Claims (3)
- 【請求項1】 駆動輪の空転を検出する空転検出手段
と、検出した空転量が予め設定された許容スリップ量を
超える場合に駆動輪に制動力を付与することで該駆動輪
の空転を前記許容スリップ量以内に抑制する制御を行う
制動力制御手段とを備える車両用トラクション制御装置
において、 前記駆動輪は、駆動系に副変速機を介して接続されてお
り、前記副変速機の変速状態を検出する副変速機状態検
出器をさらに備え、前記制動力制御手段は、前記副変速
機が低速状態である場合には、それ以外の場合に比べて
前記許容スリップ量を小さくして空転抑制制御を行うこ
とを特徴とする車両用トラクション制御装置。 - 【請求項2】 前記制動力制御手段は、所定の車両状態
でかつ前記副変速機が低速状態以外の状態において、空
転抑制制御時の許容スリップ量を増大させて制御を行う
ことを特徴とする請求項1記載の車両用トラクション制
御装置。 - 【請求項3】 前記所定の車両状態は、車輪速度補正完
了前あるいはタイヤ径が正常であると判定される前の状
態であることを特徴とする請求項2記載の車両用トラク
ション制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15954199A JP3653192B2 (ja) | 1999-06-07 | 1999-06-07 | 車両用トラクション制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15954199A JP3653192B2 (ja) | 1999-06-07 | 1999-06-07 | 車両用トラクション制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000344083A true JP2000344083A (ja) | 2000-12-12 |
JP3653192B2 JP3653192B2 (ja) | 2005-05-25 |
Family
ID=15696022
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15954199A Expired - Lifetime JP3653192B2 (ja) | 1999-06-07 | 1999-06-07 | 車両用トラクション制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3653192B2 (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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US7753156B2 (en) | 2006-10-06 | 2010-07-13 | Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha | Control system and vehicle including the same |
JP2016215902A (ja) * | 2015-05-22 | 2016-12-22 | 株式会社アドヴィックス | 車両用制御装置 |
US9694794B2 (en) | 2013-07-31 | 2017-07-04 | Advics Co., Ltd. | Vehicle control device |
US9771056B2 (en) | 2013-07-31 | 2017-09-26 | Advics Co., Ltd. | Vehicle control device |
USRE49258E1 (en) | 2002-04-18 | 2022-10-25 | Jaguar Land Rover Limited | Vehicle control |
Families Citing this family (1)
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-
1999
- 1999-06-07 JP JP15954199A patent/JP3653192B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (8)
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