JP2002317679A - タイヤ状態量適応型車両制御システム - Google Patents

タイヤ状態量適応型車両制御システム

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JP2002317679A
JP2002317679A JP2001050708A JP2001050708A JP2002317679A JP 2002317679 A JP2002317679 A JP 2002317679A JP 2001050708 A JP2001050708 A JP 2001050708A JP 2001050708 A JP2001050708 A JP 2001050708A JP 2002317679 A JP2002317679 A JP 2002317679A
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tire
control system
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speed
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JP2001050708A
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Hiroyoshi Kojima
弘義 小島
Kozo Fujita
耕造 藤田
Toshiro Kurusu
俊郎 来栖
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】タイヤ状態量の異常時における車両の安全性を
さらに向上させる。 【解決手段】車輪のタイヤ状態量またはそれに関連する
関連物理量を検出するセンサの出力信号に基づき、タイ
ヤ状態量が異常である状態で、車両を加速するためのそ
の車両の運転者による加速操作にかかわらず、車両の走
行速度である車速Vが予め定められた上限値VLMTを超
えないように車両を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両のタイヤの状
態量を考慮してその車両を制御する技術に関するもので
あり、特に、車両の安全性を向上させる技術に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】車両のタイヤの状態量(例えば、タイヤ
空気圧の高さ)を考慮してその車両を制御する装置が既
に提案されている。そして、この種の車両制御システム
の一従来例が特開平7−186645号公報に記載され
ている。この公報に記載の従来装置においては、タイヤ
の空気圧が異常になると、車両の走行速度である車速が
通常より低くなるように抑制される。
【0003】この従来装置においては、そのような車速
抑制を行うために、車両を加速するためにその車両の運
転者により操作される加速操作部材(例えば、アクセル
ペダル)の操作量とその車両におけるエンジンの出力と
の関係が変更される。具体的には、車速抑制を行うこと
が必要でない場合には、それら加速操作量とエンジン出
力との関係として通常のものが使用されるのに対し、車
速抑制を行うことが必要である場合には、その通常の関
係に代えて、同じ加速操作量に対応するエンジン出力が
通常の関係に従うものより小さい特別の関係が使用さ
れ、その特別の関係に従ってエンジン出力が制御され
る。
【0004】したがって、この従来装置においては、タ
イヤの状態量空気圧が異常になると、同じ加速操作量に
対応するエンジン出力が、タイヤの空気圧が正常である
場合におけるより小さくされ、それにより、車速が抑制
されることになるのである。その結果、この従来装置に
よれば、タイヤ空気圧の異常時における車両の安全性が
向上する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、タイヤ
状態量(例えばタイヤ空気圧、タイヤ変形量)の異常時
における車両の安全性をさらに向上させる技術を開発す
べく、研究を行った。この研究により、次のような知見
を得た。
【0006】タイヤ状態量の異常時における車両の安全
性をさらに向上させるためには、車両走行中、例えばタ
イヤ空気圧が異常に低いことやタイヤの異常な変形に起
因してタイヤが損傷する可能性を低減することが望まし
く、そのタイヤ損傷可能性を低減するためには、車両走
行中にタイヤ(特に、それを構成するゴム)に加えられ
る負荷をできる限り減らすことが望ましい。この知見
は、例えば、車両走行中にタイヤにおいてゴムの劣化を
抑えることが望ましいという理由に基づくものである。
【0007】一方、そのタイヤ負荷は、一般に、タイヤ
の回転速度が大きいほど大きいため、タイヤ負荷を減ら
すためには、タイヤの回転速度すなわち車速を低くする
ことが望ましい。
【0008】したがって、車両走行中にタイヤ負荷を減
らして車両の安全性をさらに向上させるためには、車速
に上限値を設定し、タイヤ状態量の異常時には、車両を
加速するためのその車両の運転者による加速操作にかか
わらず、車速が上限値を超えないように車両を制御する
ことが望ましい。
【0009】前述のように、前記公報は、タイヤ空気圧
の異常時に車速を抑制することを開示している。しか
し、この公報は、タイヤ空気圧の異常時における車両の
安全性を向上させるという課題を解決するために、車速
に上限値を設定するという概念を採用することも、タイ
ヤ空気圧の異常時に、車両を加速するためのその車両の
運転者による加速操作にかかわらず、車速が上限値を超
えないように車両を制御するという概念を採用すること
も開示してはいない。
【0010】
【課題を解決するための手段および発明の効果】以上の
知見に基づき、本発明は、タイヤ状態量の異常時におけ
る車両の安全性をさらに向上させることを課題としてな
されたものであり、本発明によって下記各態様が得られ
る。各態様は、請求項と同様に、項に区分し、各項に番
号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で
記載する。これは、本明細書に記載の技術的特徴のいく
つかおよびそれらの組合せのいくつかの理解を容易にす
るためであり、本明細書に記載の技術的特徴やそれらの
組合せが以下の態様に限定されると解釈されるべきでは
ない。 (1) ホイールに装着されたタイヤの内部に空気が圧
力下に封入されて構成された車輪を備えた車両に設けら
れ、前記タイヤの状態量に基づいてその車両を制御する
システムであって、前記タイヤ状態量またはそれに関連
する関連物理量を検出し、それに応じた信号を出力する
センサと、そのセンサの出力信号に基づき、前記タイヤ
状態量が異常である状態で、前記車両を加速するための
その車両の運転者による加速操作にかかわらず、前記車
両の走行速度である車速が予め定められた上限値を超え
ないように前記車両を制御する制御装置とを含む車両制
御システム。
【0011】この車両制御システムによれば、タイヤ状
態量が異常である状態では、車両を加速するためのその
車両の運転者による加速操作にかかわらず、車速が予め
定められた上限値を超えないように車両が制御される。
【0012】したがって、この車両制御システムによれ
ば、運転者の意思にかかわらず、タイヤ状態量が異常で
ある状態で、タイヤに加えられる負荷が過大になること
を確実に回避し得る。
【0013】本項において「タイヤ状態量」という用語
は、タイヤの使用によって生じる物理的変化量または化
学的変化量を示すものである。タイヤ状態量として、例
えばタイヤの空気圧であるタイヤ圧の状態量を意味する
ように解釈したり、タイヤ形状の変形状態であるタイヤ
変形量を意味するように解釈することが可能であり、タ
イヤ状態量として少なくともタイヤ圧とタイヤ変形量の
一つが含まれる。また、タイヤ変形にはタイヤに生じる
素早い変形や、物理的に復元が困難であるか不可能であ
る変形の意味を含めて解釈することが可能である。
【0014】本項において「センサ」は、タイヤ状態量
(タイヤ圧やタイヤ変形量)を連続値または複数の離散
値として検出する形式のセンサとしたり、タイヤ状態量
が設定値以下である状態と、それ以外の状態とで互いに
異なる信号を出力する形式のタイヤ状態量スイッチとし
たり、それら2状態の一方では信号を出力し、他方では
信号を出力しない形式のタイヤ状態量スイッチとするこ
とが可能である。
【0015】また、「センサ」はタイヤ状態量を直接的
に検出したり、タイヤ状態量に関連する関連物理量から
間接的に検出することが可能である。更に、センサとし
てはタイヤ内の圧力を検出する圧力センサや、タイヤ内
外の温度、タイヤの振動や音を検出するセンサとした
り、タイヤにかかる荷重やタイヤの回転速度を検出する
センサとしたり、光学的にタイヤの外観を撮像してタイ
ヤの状態量を解析する検出装置を含めることが可能であ
る。
【0016】また、本項および下記の各項において「車
速が上限値を超えないように車両を制御する」ことは、
車速が上限値を超えていない状態でタイヤ状態量が異常
となった場合には、その後に車速が上限値を超えてしま
うことがないように車両を制御することと、車速が上限
値を超えている状態でタイヤ状態量が異常となった場合
には、その後に車速が減少して上限値を超えない状態と
なるように車両を制御することとの少なくとも一方を意
味する。
【0017】また、本項に係るシステムがタイヤ状態量
異常時のタイヤ負荷軽減を一目的とすることに着目すれ
ば、本項および下記の各項において「車速が上限値を超
えないように車両を制御する」ことは、少なくともタイ
ヤ状態量が異常である車輪の回転速度または一定時間当
たりの回転数を、予め定められた上限値を超えないよう
に制御することを意味すると解釈することが可能であ
る。
【0018】(2) 前記制御装置が、前記車両の駆動
力と制動力との少なくとも一方である車両力を変化させ
る車両力変化装置を介して前記車両を制御するものであ
る(1)項に記載の車両制御システム。
【0019】本項において「車両力変化装置」とは、例
えば、車両の動力源であるエンジンへの燃料供給量を正
規の量より減少させることにより実現したり、そのエン
ジンの吸気通路の有効開口面積を正規の面積より減少さ
せることにより実現することが可能である。
【0020】また、車両の動力源がモータである場合に
は、モータへの供給電力を減少させることにより実現す
ることが可能である。
【0021】さらに「車両力変化装置」が、例えば、車
両の制動装置である摩擦ブレーキまたは回生ブレーキに
より実現することが可能である。 (3) 前記センサが、前記タイヤ状態量(タイヤ圧、
タイヤ変形量)を直接に検出する直接式であり、前記制
御装置が、その直接式センサの出力信号に基づき、前記
タイヤ状態量が異常であるか否かを判定する判定手段を
含む(1)または(2)項に記載の車両制御システム。 (4) 前記センサが、前記関連物理量を検出すること
により、前記タイヤ状態量(タイヤ圧、タイヤ変形量)
を間接に検出する間接式であり、前記制御装置が、その
間接式センサの出力信号に基づき、前記タイヤ状態量が
異常であるか否かを判定する判定手段を含む(1)また
は(2)項に記載の車両制御システム。 (5) 前記間接式センサが、前記車輪の角速度である
車輪速度を検出する車輪速度センサを含む(4)項に記
載の車両制御システム。 (6) 前記車両が、前記車輪を複数備えており、前記
車輪速度センサが、それら複数の車輪に関してそれぞれ
設けられており、前記制御装置が、それら複数の車輪速
度センサから前記複数の車輪に関してそれぞれ出力され
た複数の信号間の相対的な関係に基づき、それら複数の
車輪のうちの少なくとも1つのタイヤ状態量が異常であ
るか否かを判定する判定手段を含む(5)項に記載の車
両制御システム。 (7) 前記制御装置が、外乱オブザーバであって、前
記車輪に対して、相対回転可能なリム側部とベルト側部
とが少なくともねじりばねにより互いに連結されたタイ
ヤモデルが想定され、そのタイヤモデルに基づき、前記
車輪の回転運動を記述する運動システムが想定され、そ
の運動システムにおいて、前記タイヤ状態量としてのタ
イヤ圧の変化に伴う前記ねじりばねのばね定数の変化を
前記車輪に対する外乱とみなし、前記車輪速度センサか
ら出力される車輪速度信号を前記リム側部の角速度を表
す信号として用いることにより、前記外乱を前記運動シ
ステムの状態変数の1つとして推定し、それにより、前
記タイヤ圧を推定するものを含む(5)項に記載の車両
制御システム。
【0022】この車両制御システムによれば、車両が車
輪を複数備えている場合に、各車輪ごとにタイヤ状態量
としてのタイヤ圧を推定することを容易に行い得る。各
車輪のタイヤ圧を、他の車輪のタイヤ圧に対して相対的
にではなく、互いに独立して絶対的に推定することを容
易に行い得るのである。 (8) さらに、前記車速を検出する車速センサを含
み、かつ、前記制御装置が、その車速センサによる検出
車速が前記上限値を超えないように前記車両を制御する
手段を含む(1)ないし(6)項のいずれかに記載の車
両制御システム。
【0023】この車両制御システムによれば、車速セン
サによって車速の実際値が監視されるため、車速の実際
値が上限値を確実に超えないようにすることを容易に行
い得る。 (9) 前記上限値が、前記タイヤ状態量(タイヤ圧、
タイヤ変形量)が、それに対して予め定められた基準値
から逸脱する量に基づいて変化させられる可変値である
(1)ないし(8)項のいずれかに記載の車両制御シス
テム。
【0024】この車両制御システムによれば、車速の上
限値を、タイヤ状態量が基準値から逸脱する量の変化に
追従させることが可能となり、その結果、車速の上限値
をその逸脱量に好適に適合させることを容易に行い得
る。 (10) 前記上限値が、前記タイヤ状態量(タイヤ
圧、タイヤ変形量)が、それに対して予め定められた基
準値から逸脱する量が大きい場合において小さい場合に
おけるより小さくなるように変化させられる可変値であ
る(1)ないし(8)項のいずれかに記載の車両制御シ
ステム。
【0025】タイヤ状態量が基準値から逸脱する量が大
きい場合において小さい場合におけるより、タイヤが耐
え得る負荷が小さいと考えられることから、車速の上限
値も小さくすることが、タイヤが損傷する可能性を低減
するために望ましいと考えられる。
【0026】このような知見に基づき、本項に係る車両
制御システムにおいては、車速の上限値が、タイヤ状態
量が基準値から逸脱する量が大きい場合において小さい
場合におけるより小さくなるように変化させられる可変
値とされている。
【0027】したがって、この車両制御システムによれ
ば、車速の上限値を、タイヤ状態量が基準値から逸脱す
る量すなわちタイヤの耐負荷性との関係において適正化
することを容易に行い得る。 (11) 前記車両が、動力源の動力が駆動力として駆
動力伝達装置を経て前記車輪に伝達されることにより、
駆動されるとともに、ブレーキが作動させられることに
より、制動されるものであり、前記制御装置が、前記車
速が前記上限値を超えないようにする車速制限を、それ
ら動力源と駆動力伝達装置とブレーキとの少なくとも一
つを介して行うものである(1)ないし(10)項のい
ずれかに記載の車両制御システム。
【0028】この車両制御システムにおいては、車速が
上限値を超えないようにする車速制限を、動力源がエン
ジン(内燃機関)である場合にはそのエンジンのエンジ
ンブレーキ作用を利用して行うことが可能であり、ま
た、動力源が電動モータである場合にはその電動モータ
の回生ブレーキ作用を利用して行うことが可能である。
【0029】また、この車両制御システムにおいては、
上記車速制限を、駆動力伝達装置において変速比を増加
させることにより行ったり、駆動力伝達装置において駆
動力の伝達率を低減することにより行うことが可能であ
る。
【0030】また、この車両制御システムにおいては、
上記車速制限を行うためのブレーキとして、摩擦ブレー
キを使用したり、回生ブレーキを使用したり、空力ブレ
ーキを使用することが可能である。 (12) 前記車両が、燃料の燃焼により動力を発生さ
せるエンジンをその車両の動力源として備えており、前
記制御装置が、常には作動しないが、前記車速が前記上
限値を超えようとしたかまたは超えている場合に作動
し、それにより、前記エンジンへの燃料供給を実質的に
停止させる燃料カット手段を含む(1)ないし(11)
項のいずれかに記載の車両制御システム。
【0031】この車両制御システムによれば、エンジン
への燃料供給が実質的に停止させられてそのエンジンの
出力が低下することにより、車速が上限値を超えないよ
うにすることが可能である。 (13) 前記車両が、吸気通路を経て供給される燃料
の燃焼により動力を発生させるエンジンをその車両の動
力源として備えており、前記制御装置が、常には作動し
ないが、前記車速が前記上限値を超えようとしたかまた
は超えている場合に作動し、それにより、前記吸気通路
を実質的に閉じて前記エンジンをエンジンブレーキとし
て機能させるエンジンブレーキ手段を含む(1)ないし
(12)項のいずれかに記載の車両制御システム。
【0032】この車両制御システムによれば、エンジン
の吸気通路が実質的に閉じられてエンジンがエンジンブ
レーキとして機能させられることにより、車速が上限値
を超えないようにすることが可能である。
【0033】この車両制御システムは、前記(12)項
に記載の技術と組み合わせて実施すれば、車速が上限値
を超えないようにすることをより効果的に行い得る。 (14) 前記車両が、電力により動力を発生させる電
動モータをその車両の動力源として備えており、前記制
御装置が、常には作動しないが、前記車速が前記上限値
を超えようとしたかまたは超えている場合に作動し、そ
れにより、前記電動モータへの電力供給を実質的に停止
させる電力カット手段を含む(1)ないし(13)項の
いずれかに記載の車両制御システム。
【0034】この車両制御システムによれば、電動モー
タへの電力供給が実質的に停止させられてその電動モー
タの出力が低下することにより、車速が上限値を超えな
いようにすることが可能である。 (15) 前記車両が、電力により動力を発生させる電
動モータをその車両の動力源として備えており、前記制
御装置が、常には作動しないが、前記車速が前記上限値
を超えようとしたかまたは超えている場合に作動し、そ
れにより、前記電動モータを回生ブレーキとして機能さ
せる回生ブレーキ手段を含む(1)ないし(14)項の
いずれかに記載の車両制御システム。
【0035】この車両制御システムによれば、電動モー
タが回生ブレーキとして機能させられることにより、車
速が上限値を超えないようにすることが可能である。
【0036】この車両制御システムは、前記(14)項
に記載の技術と組み合わせて実施すれば、車速が上限値
を超えないようにすることをより効果的に行い得る。 (16) 前記車両が、その車両を制動するブレーキを
備えており、前記制御装置が、常には作動しないが、前
記車速が前記上限値を超えようとしたかまたは超えてい
る場合に作動し、それにより、前記ブレーキを作動させ
る自動ブレーキ手段を含む(1)ないし(15)項のい
ずれかに記載の車両制御システム。
【0037】この車両制御システムによれば、自動的に
ブレーキが作動させられることにより、車速が上限値を
超えないようにすることが可能である。 (17) さらに、前記車速が前記上限値を超えようと
したかまたは超えている状態にあるか否かにかかわら
ず、前記タイヤ状態量(タイヤ圧、タイヤ変形量)が異
常となったことに応答して作動し、それにより、タイヤ
状態量が異常であることを前記車両の運転者に告知する
警報器を含む(1)ないし(16)項のいずれかに記載
の車両制御システム。
【0038】この車両制御システムによれば、車速が上
限値を超えようとしないかまたは超えていないときであ
っても、タイヤ状態量が正常から異常に移行すると、そ
れに応答して警報器が作動させられ、それにより、タイ
ヤ状態量が異常であることが車両の運転者に告知され
る。
【0039】したがって、この車両制御システムによれ
ば、タイヤ状態量が異常であることが早期に運転者に告
知される。 (18) さらに、前記タイヤ状態量(タイヤ圧、タイ
ヤ変形量)が異常である状態で、前記車速が前記上限値
を超えようとしたかまたは超えていることに応答して作
動し、それにより、タイヤ状態量が異常であることを前
記車両の運転者に告知する警報器を含む(1)ないし
(16)項のいずれかに記載の車両制御システム。
【0040】この車両制御システムにおいては、タイヤ
状態量が異常である状態で、車速が上限値を超えようと
したかまたは超えているときに、それに応答して警報器
が作動させられ、それにより、タイヤ状態量が異常であ
ることが車両の運転者に告知される。
【0041】したがって、この車両制御システムによれ
ば、タイヤ状態量が異常となっても、車速が上限値を超
えようとすることを阻止することが必要となるまでは、
タイヤ状態量が異常であることが運転者に告知されな
い。
【0042】よって、この車両制御システムによれば、
運転者の意思にかかわらず、車速が上限値を超えないよ
うにする車速制限が自動的に開始されることを、その警
報器を通じて運転者が知ることができることとなる。 (19) 前記制御装置が、前記警報器の連続作動時間
が設定時間を超えた場合に作動し、それにより、前記車
速が前記上限値を超えないように前記車両を制御する手
段を含む(18)項に記載の車両制御システム。
【0043】運転者の中には、警報器の作動により、車
両を減速させる必要性を自ら認識し、積極的に減速操作
を行う運転者も存在すると考えられる。このような運転
者にとっては、勝手に車速制限を行うことは違和感を起
こさせる原因となり得る。
【0044】このことを考慮し、本項に係る車両制御シ
ステムにおいては、タイヤ状態量が異常である状態で、
車速が上限値を超えようとしたかまたは超えているため
に警報器の作動が開始しても、それの連続作動時間が設
定時間を超えないうちは、車速が上限値を超えないよう
にする車速制限が行われない。
【0045】したがって、この車両制御システムによれ
ば、警報器の作動に応答して積極的に減速操作を行う運
転者に違和感を起こさせることを回避しつつ、そのよう
な積極的な減速操作を行わない運転者に対しては自動的
に車速制限を行って車両の安全性を向上させ得る。 (20) さらに、前記タイヤ状態量(タイヤ圧、タイ
ヤ変形量)が異常となったことに応答して作動し、その
ことを前記車両の運転者に告知する第1の警報部と、前
記制御装置が前記車速が前記上限値を超えないようにす
る車速制限を開始したことに応答して作動し、そのこと
を前記運転者に告知する第2の警報部とを含む(1)な
いし(16)項のいずれかに記載の車両制御システム。
【0046】この車両制御システムによれば、車両の運
転者が、タイヤ状態量が異常となったことと、車速制限
が開始されたこととが互いに独立して認識することが可
能となり、その結果、タイヤを含む車両の状態を正確に
認識することが可能となる。 (21) さらに、前記センサが、前記車輪の角速度で
ある車輪速度を検出する車輪速度センサと前記タイヤ圧
を直接検出するタイヤ直接圧力センサのうち少なくとも
一方を含むものであり、その出力された信号に基づき、
前記タイヤ状態量としてのタイヤ変形量を推定する推定
部を含む(1)または(2)項に記載の車両制御システ
ム。
【0047】車輪速度センサや直接圧力センサのうち少
なくとも一方の信号出力からタイヤの変形量を推定する
ことができる。(22) さらに、前記センサが、前記
車輪の角速度である車輪速度を検出する車輪速度センサ
と前記タイヤ圧を直接検出するタイヤ直接圧力センサと
前記タイヤの温度を検出する温度センサとタイヤにかか
る荷重を検出する荷重センサのうち少なくとも一つを含
むものであり、その出力された信号に基づき前記タイヤ
状態量(タイヤ圧、タイヤ変形量)を推定する推定部を
含む(1)または(2)項に記載の車両制御システム。
【0048】車輪速度センサ、直接圧力センサ、温度セ
ンサ、荷重センサ及びこれらに関連する物理量を検出す
るセンサのうち少なくとも一つに基づいてタイヤ状態量
を算出する。特に車輪速センサと直接圧力センサのうち
少なくとも一方の信号出力を主体的に使用し、温度セン
サと過重センサのうち少なくとも一方の信号出力を補助
的に使用してタイヤ状態量を推定すれば、高精度に状態
量を推定することが可能となる。
【0049】各センサの組み合わせはタイヤ状態量の検
出要求条件やタイヤが使用される運転条件等から適宜選
択されるものであり、上記センサの他に車両状態量(速
度、前後加速度、横加速度、操舵角度、ヨーレイト、タ
イヤ駆動力)やタイヤが接地する路面状態量(路面μ、
悪路状態)などの各種情報を追加的に用いることも可能
である。
【0050】
【発明の実施の形態】以下、本発明のさらに具体的な実
施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明する。
【0051】図1には、本発明の第1実施形態に従う車
両制御システムが搭載された車両のうちその車両制御シ
ステムに関連する部分が平面図で示されている。
【0052】同図に示すように、車両は、動力源として
のエンジン(内燃機関)10を備えている。このエンジ
ン10は、それの吸気側において吸気マニホールド12
に接続されている。この吸気マニホールド12内の吸気
通路14にスロットルバルブ16が取り付けられてい
る。このスロットルバルブ16は、電動モータ等、スロ
ットルアクチュエータ20により作動させられ、それに
より、吸気通路14の開度を変化させる。
【0053】吸気マニホールド12には、さらに、エン
ジン10の燃焼室に燃料を供給する燃料供給装置として
のインジェクタ24が取り付けられている。
【0054】エンジン10は、それの排気側において排
気マニホールド26に接続されている。エンジン10の
燃焼ガスはその排気マニホールド26を経て車外に排出
される。
【0055】エンジン10は、それの出力側において駆
動力伝達装置30と連携させられている。駆動力伝達装
置30は、エンジン10の出力を駆動力として車両の複
数の車輪のうちの駆動車輪に伝達する装置である。駆動
力伝達装置30は、本実施形態においては、トルクコン
バータ32と、オートマチックトランスミッション(以
下、「A/T」と略称する)34と、図示しないデファ
レンシャルギヤとがそれらの順に、エンジン10と駆動
車輪との間において互いに連携させられることにより、
構成されている。A/T34のアウトプットシャフトに
は、車速を検出する車速センサ38が取り付けられてい
る。
【0056】インジェクタ24とスロットルアクチュエ
ータ20と車速センサ38とはエンジンECU40に電
気的に接続されている。エンジンECU40は、コンピ
ュータを主体とし、エンジン10の状態を電子的に制御
する電子制御ユニットである。
【0057】車両は、それの前後左右にそれぞれに車輪
を備えている。車輪の総数は4つである。各車輪50
は、よく知られているように、図2に示すように、金属
製のホイール52に装着されたゴム製のタイヤ54の内
部に空気が圧力下に封入されて構成されている。
【0058】車両は、さらに、同図に示すように、タイ
ヤ圧検出装置60を備えている。このタイヤ圧検出装置
60は、各車輪50のタイヤ54の空気圧であるタイヤ
圧を圧力スイッチ方式により直接に検出する形式であ
る。タイヤ圧検出装置60は、図2に示すように、各車
輪50ごとにホイール52に装着された発信器62と、
各車輪50ごとに車両のボデー側に装着されたアンテナ
64と、それら複数のアンテナ64に共通に接続された
受信器66とを含むように構成されている。各発信器6
2は、各タイヤ54の空気圧が設定値以下となると、タ
イヤ54が低圧状態にあることを示すタイヤ低圧信号を
電波に搬送して発信する。各アンテナ64は、対応する
発信器62からのタイヤ低圧信号を受信して受信器66
に伝送する。
【0059】図3には、以上説明したタイヤ圧検出装置
60の全体構成がブロック図で概念的に示されている。
同図において「FL」は左前輪、「FR」は右前輪、
「RL」は左後輪、「RR」は右後輪をそれぞれ意味し
ている。このことは他の図においても同様である。
【0060】同図に示すように、このタイヤ圧検出装置
60は車速制限ECU70と接続されている。車速制限
ECU70は、コンピュータを主体とし、車両の全車輪
50のうちのいずれか1つでもタイヤ圧が異常である状
態で、車両を加速するためのその車両の運転者による加
速操作(例えば、スロットルバルブ16の開度を増加さ
せる向きのアクセルペダルの踏込み操作)にもかかわら
ず、車速Vが予め定められた上限値VLMTを超えないよ
うに車両を電子的に制御する電子制御ユニットである。
【0061】この車速制限ECU70は、車速Vが上限
値VLMTを超えないようにする車速制限を、インジェク
タ24を介してエンジン10に対して燃料カットを行う
ことと、スロットルアクチュエータ20を介してスロッ
トルバルブ16を最も閉じた位置にしてエンジンブレー
キを作用させることとの共同により、実現する形式とさ
れている。
【0062】そのため、車速制限ECU70は、図3に
示すように、エンジンECU40を介してインジェクタ
24とスロットルアクチュエータ20とに接続されると
ともに、直接に車速センサ38に接続されている。
【0063】車速制限ECU70には、さらに、警報器
74も接続されている。警報器74は、車両のうちの少
なくとも1つの車輪50のタイヤ圧が異常に低いことを
運転者に視覚的にまたは聴覚的に告知するために作動さ
せられる。警報器74は、車輪50を特定してタイヤ圧
が異常に低いことを運転者に告知するように設計するこ
とが可能である。
【0064】図4には、車速制限ECU70のコンピュ
ータのROMに記憶されている車速制限プログラムの内
容がフローチャートにより概念的に表されている。この
プログラムは、コンピュータのCPUにより、各車輪5
0ごとに繰り返し実行される。
【0065】この車速制限プログラムの各回の実行時に
は、まず、ステップS11(以下、単に「S11」で表
す。他のステップについても同じとする)において、タ
イヤ圧検出装置60からの情報により、全車輪50のう
ちこのプログラムの今回の実行対象であるもの(以下、
「実行対象車輪50」という)に関連し、発信器62が
タイヤ低圧信号を発信したか否かが判定される。発信し
ていない場合には、S11の判定がNOとなり、直ちに
このプログラムの一回の実行が終了する。
【0066】これに対して、実行対象車輪50に関連
し、発信器62がタイヤ低圧信号を発信した場合には、
S11の判定がYESとなり、S12に移行する。
【0067】このS12においては、警報器74がON
にされ、それにより、少なくとも1つの車輪50のタイ
ヤ圧が異常に低いことが運転者に告知される。
【0068】その後、S13において、車速センサ38
から現在の車速Vが取り込まれる。続いて、S14にお
いて、その取り込まれた車速Vが、ROMから読み出さ
れた上限値VLMT以上であるか否かが判定される。上限
値VLMT以上ではない場合には、S14の判定がNOと
なり、直ちにこのプログラムの一回の実行が終了する。
【0069】これに対して、上記取り込まれた車速Vが
上限値VLMT以上である場合には、S14の判定がYE
Sとなり、S15において、前記燃料カットを指令する
ための信号がエンジンECU40に出力される。その
後、S16において、前記エンジンブレーキを指令する
ための信号がエンジンECU40に出力される。以上
で、このプログラムの一回の実行が終了する。
【0070】図5および図6は、そのプログラムによる
車速制限の効果がグラフで例示されている。図5は、車
速Vが運転者の加速操作によって上限値VLMT以上であ
る状態で、タイヤ圧が異常であると判定された場合の車
速Vの時間的推移を示している。これに対して、図6
は、車速Vが運転者の加速操作によって上限値VLMT
上となる前に、タイヤ圧が異常であると判定されて、そ
の後に車速Vが上限値V LMT以上となった場合の車速V
の時間的推移を示している。いずれの図においても、実
線グラフは、運転者の加速操作にもかかわらず車速制限
により車速Vが低下させられる様子を示し、一方、二点
鎖線グラフは、車速制限が行われなかった場合の車速V
の時間的推移、すなわち、運転者による加速操作に忠実
に応答した時間的推移を比較例として示している。
【0071】なお付言すれば、本実施形態においては、
車速センサ38により検出された車速が参照されること
により、車速制限が行われるようになっているが、後述
の、車輪の角速度である車輪速度を検出する車輪速度セ
ンサを複数または単独で利用することにより推定された
車速を参照することにより、車速制限が行われるように
して本発明を実施することが可能である。
【0072】さらに付言すれば、本実施形態において
は、4つの車輪が装着された車両(例えば、乗用車)に
対して車速制限が行われるようになっているが、それよ
り多い数の車輪が装着された車両(例えば、大型車両)
に対して車速制限が行われるようにして本発明を実施す
ることが可能である。
【0073】さらに付言すれば、本実施形態において
は、タイヤ圧検出装置60が圧力スイッチ方式によりタ
イヤ圧を検出する形式を採用しているが、例えば、タイ
ヤ圧の絶対値を連続値として(例えば、リニアに)検出
する形式が採用されるようにして本発明を実施すること
が可能である。
【0074】さらに付言すれば、本実施形態において
は、エンジン10の作用を利用した車速制限技術として
燃料カットとエンジンブレーキとが使用されているが、
それらの少なくとも1つに代えて、またはそれらと共
に、点火遅角制御や排気ブレーキを使用するようにして
本発明を実施することが可能である。点火遅角制御は、
よく知られているように、エンジンの点火時期を通常よ
り遅らせることにより、エンジンの出力を低下させる技
術である。これに対して、排気ブレーキは、よく知られ
ているように、大型トラックにおいてよく採用されてい
る形式の減速ブレーキ(リターダ)であり、エンジンの
排気通路に設けられたバルブを閉じることにより、エン
ジンを圧縮機として使用し、それにより、車両を減速さ
せる技術である。
【0075】さらに付言すれば、本実施形態において
は、タイヤ圧が異常であることが検出された場合に、車
速制限の有無にかかわらず、警報器74が作動させられ
て運転者に警報が出されるようになっているが、例え
ば、警報器74を2種類の警報を出力可能とし、タイヤ
圧が異常であることが検出されたならば、警報器74に
第1の警報を出力させ、それにより、タイヤ圧が異常で
あることを運転者に告知し、車速制限が開始されたなら
ば、警報器74に第2の警報を出力させ、それにより、
タイヤ圧の異常に起因して車速制限が自動的に開始され
たことを運転者に告知するようにして本発明を実施する
ことが可能である。この場合、警報器74は、それのう
ち第1の警報を出力する部分が「第1の警報部」、第2
の警報を出力する部分が「第2の警報部」としてそれぞ
れ機能するように構成されたものであると考えることが
可能である。また、そのような2種類の警報は、同じ警
報器のうちの同じ発光部が発する光の色や模様を互いに
異ならせることにより、実現することが可能である。
【0076】さらに付言すれば、警報器の数が1つであ
るか複数であるかを問わず、2種類の警報を出力するこ
とが可能である警報器は、例えば、次のように作動させ
ることが可能である。
【0077】タイヤ圧が異常に低いと判定されたなら
ば、第1の警報を音または光により出力し、それによ
り、車速を低下させる減速操作を運転者に促す。その第
1の警報に従って運転者が減速操作を行い、それに応答
して車速が低下した場合には、再度、低中速の車速領域
(例えば、約80[km/h]以下の車速領域)におい
てタイヤ圧の判定を行い、その判定結果と前回の判定結
果とを互いに比較することにより、前回の判定結果が正
しいものであったか否かを確認する。今回のタイヤ圧判
定においてタイヤ圧が異常ではないと判定されたと仮定
すると、前回の判定結果が誤りであったとして、第1の
警報を解除する。これに対して、今回もタイヤ圧が異常
であると判定されたと仮定すると、第2の警報を音また
は光により出力し、それにより、タイヤ圧が異常である
ことを運転者に告知する。いずれにしても、車速が上限
値を超えているかまたは超えようとする場合には、車速
が上限値を超えないように車両が制御されることとな
る。
【0078】以上の説明から明らかなように、本実施形
態においては、エンジンECU40とインジェクタ24
とスロットルアクチュエータ20とエンジン10とが互
いに共同して前記(2)項における「車両力変化装置」
の一例を構成し、タイヤ圧検出装置60のうちの特に発
信器62が前記(1)項における「センサ」の一例と、
前記(3)項における「直接式センサ」の一例とをそれ
ぞれ構成し、車速制限ECU70が前記(1)項におけ
る「制御装置」の一例を構成しているのである。
【0079】次に、本発明の第2実施形態を説明する。
ただし、本実施形態は、第1実施形態と共通する要素が
多いため、異なる要素についてのみ詳細に説明し、共通
の要素については同一の名称または符号を使用して引用
することにより、詳細な説明を省略する。
【0080】第1実施形態においては、タイヤ圧を検出
する専用のセンサとしての発信器62を用いることによ
り、タイヤ圧が直接に検出されるようになっているが、
本実施形態においては、図7に示すように、車輪50の
角速度を検出し、それに応じた車輪速度信号を出力する
車輪速度センサ80であって他の用途(例えば、アンチ
ロック制御等)にも用いられるものと共に用いることに
より、タイヤ圧が基準値より低い可能性があるか否かが
判定されるようになっている。
【0081】車輪速度センサ80は、各車輪50ごとに
設けられている。車輪速度センサ80は、よく知られて
いるように、電磁ピックアップであり、車輪50と共に
回転するロータの外周に形成された多数の歯の通過に応
じて周期的に変化する電圧を発生する。
【0082】本実施形態においては、図7に示すよう
に、4つの車輪速度センサ80が車速制限ECU90に
接続されている。この車速制限ECU90は、それら4
つの車輪速度センサ80から出力された4つの車輪速度
信号に基づいてタイヤ圧の状態を推定する部分と、その
推定結果に基づき、車速Vが上限値VLMTを超えないよ
うに燃料カットとエンジンブレーキとをエンジンECU
40に指令する部分とを備えている。
【0083】ここで、4つの車輪速度センサ80から出
力された4つの車輪速度信号に基づいてタイヤ圧の状態
を推定する原理を説明する。
【0084】本実施形態においては、各車輪50の車輪
速度はその車輪50のタイヤの動荷重半径に依存してお
り、動荷重半径に換算可能であるという事実と、車両の
4つの車輪50のいずれかに関してタイヤ圧が低下する
と、左右の車輪50間において動荷重半径に差が生じる
という事実とに着目することにより、各車輪50のタイ
ヤ圧の状態が推定される。
【0085】ところで、各タイヤの動荷重半径を各車輪
50の車輪速度で代用する場合には、左右の車輪50間
でタイヤ54の動荷重半径が同じであれば必ず車輪速度
も同じであることが必要である。しかし、車両旋回時に
は、いわゆる内輪差の存在により、左右の車輪50間で
タイヤ54の動荷重半径が同じであっても車輪速度が同
じにはならない。
【0086】一方、内輪差については、左右の前輪間に
おける内輪差と、左右の後輪間における内輪差とでほぼ
同じであると考えることが可能である。
【0087】以上の知見に基づき、本実施形態において
は、車両の4つの車輪50のいずれかに関してタイヤ圧
が異常となったか否かを判定するために基準値Aと比較
されるべきパラメータとしてタイヤ圧異常判定値VDP
が使用されるとともに、そのタイヤ圧異常判定値VDP
が、次式により定義されるようになっている。
【0088】VDP=RFL/RFR−RRL/RRR ただし、 RFL:左前輪の動荷重半径 RFR:右前輪の動荷重半径 RRL:左後輪の動荷重半径 RRR:右後輪の動荷重半径 なお付言すれば、上記式においては、左右輪間における
動荷重半径の関係が左輪の動荷重半径と右輪の動荷重半
径との比として表現されるようになっているが、差とし
て表現することが可能である。
【0089】さらに付言すれば、本実施形態において
は、各車輪ごとに、車輪速度V**がタイヤ54の動荷重
半径R**に換算されるようになっているが、4つの車輪
50に関して共通に車速Vが用いられてその換算が行わ
れることから、実際には、そのような換算を行うことは
不可欠ではない。本実施形態においては、説明の便宜
上、そのような換算が行われるようになっているにすぎ
ないのである。
【0090】第1実施形態においては、タイヤ圧Pが基
準値P0から逸脱する逸脱量ΔP(タイヤ圧低下量)の
大小を問わず、上限値VLMTが不変とされているが、本
実施形態においては、上限値VLMTが逸脱量ΔPに応じ
て変化する可変値とされている。具体的には、図8にグ
ラフで示すように、逸脱量ΔPに応じて上限値VLMT
減少するように、それら逸脱量ΔPと上限値VLMTとの
関係が予め設定されているのであり、その関係は車速制
限ECU90のコンピュータのROMに記憶されてい
る。
【0091】図9には、本実施形態における車速制限E
CU90のコンピュータのROMに記憶されている車速
制限プログラムの内容がフローチャートにより概念的に
表されている。このプログラムは、コンピュータのCP
Uにより、4つの車輪50の全体について繰り返し実行
される。
【0092】この車速制限プログラムの各回の実行時に
は、まず、S31において、各車輪50ごとに、車輪速
度センサ80から車輪速度信号が取り込まれるとともに
その取り込まれた車輪速度信号に基づいて車輪速度V**
(**:FL,FR,RL,RR)が演算される。
【0093】次に、S32において、各車輪50ごと
に、上記演算された車輪速度V**が動荷重半径R**(*
*:FL,FR,RL,RR)に換算される。この換算
は、例えば、車速センサ38により検出された車速Vに
車輪50の通常スリップ率を見込んだ値を、上記演算さ
れた車輪速度V**(角速度)で割り算することにより、
行うことができる。
【0094】その後、S33において、4つの車輪50
についてそれぞれ取得された4つの動荷重半径R**を前
述の、タイヤ圧異常判定値VDPの定義式に代入するこ
とにより、タイヤ圧異常判定値VDPが演算される。
【0095】続いて、S34において、その演算された
タイヤ圧異常判定値VDPから基準値Aを引き算するこ
とにより、4つの車輪50全体につき、タイヤ圧Pの基
準値P0からの逸脱量ΔPが近似的に演算される。ここ
に「基準値A」は、それの符号がタイヤ圧異常判定値V
DPの実際の演算値の符号と一致するように変化させら
れるようになっている。したがって、逸脱量ΔPは、正
確には、その演算されたタイヤ圧異常判定値VDPから
基準値Aを引き算した値の絶対値として演算される。
【0096】その後、S35において、その演算された
逸脱量ΔPが正の基準値ΔP0以上であるか否かが判定
される。4つの車輪50のいずれかに関してタイヤ圧が
異常であるか否かが判定されるのである。今回は、その
演算された逸脱量ΔPが基準値ΔP0以上はないと仮定
すれば、S35の判定がNOとなり、直ちにこのプログ
ラムの一回の実行が終了する。これに対して、今回は、
その演算された逸脱量ΔPが基準値ΔP0以上であると
仮定すれば、S35の判定がYESとなり、S36に移
行する。
【0097】このS36においては、警報器74がON
にされ、それにより、少なくとも1つの車輪50のタイ
ヤ圧が異常に低いことが運転者に告知される。
【0098】その後、S37において、上記演算された
逸脱量ΔPに応じ、前記関係(図8参照)に従って上限
値VLMTが決定される。
【0099】続いて、S38において、車速センサ38
から現在の車速Vが取り込まれる。その後、S39にお
いて、その取り込まれた車速Vが、上記決定された上限
値V LMT以上であるか否かが判定される。上限値VLMT
上ではない場合には、S39の判定がNOとなり、直ち
にこのプログラムの一回の実行が終了する。
【0100】これに対して、上記取り込まれた車速Vが
上限値VLMT以上である場合には、S39の判定がYE
Sとなり、S40において、前記燃料カットを指令する
ための信号がエンジンECU40に出力される。その
後、S41において、前記エンジンブレーキを指令する
ための信号がエンジンECU40に出力される。以上
で、このプログラムの一回の実行が終了する。
【0101】以上の説明から明らかなように、本実施形
態においては、エンジンECU40とインジェクタ24
とスロットルアクチュエータ20とエンジン10とが互
いに共同して前記(2)項における「車両力変化装置」
の一例を構成し、車輪速度センサ80が前記(1)項に
おける「センサ」の一例と、前記(4)項における「間
接式センサ」の一例をそれぞれ構成し、車速制限ECU
90が前記(1)項における「制御装置」の一例を構成
しているのである。
【0102】次に、本発明の第3実施形態を説明する。
ただし、本実施形態は、第2実施形態と共通する要素が
多いため、異なる要素についてのみ詳細に説明し、共通
の要素については同一の名称または符号を使用して引用
することにより、詳細な説明を省略する。
【0103】第2実施形態においては、1つの車輪50
について複数の車輪速度センサ80を利用することによ
り、各車輪50のタイヤ圧が異常であるか否かが、他の
車輪50のタイヤ圧との関係において相対的に判定され
るようになっている。これに対して、本実施形態におい
ては、1つの車輪50について1つの車輪速度センサ8
0を後述の外乱オブザーバと共に利用することにより、
各車輪50のタイヤ圧が異常であるか否かが、他の車輪
50のタイヤ圧から独立して絶対的に判定されるように
なっている。
【0104】さらに、第2実施形態においては、車速V
が上限値VLMTを超えないようにする車速制限が、燃料
カットとエンジンブレーキとにより行われるようになっ
ているが、本実施形態においては、さらに、自動ブレー
キによっても行われるようになっている。
【0105】そのため、本実施形態においては、図10
に示すように、車速制限ECU110が外乱オブザーバ
112を含むように構成されている。車速制限ECU1
10はブレーキECU120を介して、各車輪50ごと
に設けられたブレーキアクチュエータ124に接続され
ている。
【0106】ブレーキアクチュエータ124は、車輪5
0の回転を摩擦により抑制するブレーキ126の制動力
を電気的に変化させるアクチュエータであり、電磁バル
ブや液圧ポンプを主体として液圧ブレーキ回路を構成す
るものとしたり、電動モータを主体としてブレーキ摩擦
材を直接に駆動する電動ブレーキを構成するものとする
ことが可能である。
【0107】ブレーキECU120は、各車輪50ごと
に設けられたブレーキアクチュエータ124を電子的に
制御する電子制御ユニットである。このブレーキECU
120は、アンチロック制御、トラクション制御、車両
挙動安定化制御等を行うために、各車輪50の車輪速度
または車輪スリップ率を各車輪速度センサ80により監
視しつつ、各車輪50のブレーキアクチュエータ124
を制御する。
【0108】図11には、本実施形態における車速制限
ECU110のコンピュータのROMに記憶されている
車速制限プログラムの内容がフローチャートにより概念
的に表されている。このプログラムは、コンピュータの
CPUにより、各車輪50ごとに繰り返し実行される。
【0109】この車速制限プログラムの各回の実行時に
は、まず、S61において、4つの車輪50のうちの前
記実行対象車輪50に関し、車輪速度センサ80から車
輪速度信号が取り込まれるとともにその取り込まれた車
輪速度信号に基づいて車輪速度V**(**:FL,F
R,RL,RR)が演算される。
【0110】次に、S62において、実行対象車輪50
に関し、上記演算された車輪速度V **に基づき、外乱オ
ブザーバ112により、タイヤ圧Pが推定される。外乱
オブザーバ112によりタイヤ圧を推定する技術は、例
えば、特開2000−238516号公報に開示されて
いる。
【0111】その技術を概念的に説明すれば、外乱オブ
ザーバ112においては、車輪50に対して、相対回転
可能なリム側部とベルト側部とが少なくともねじりばね
により互いに連結されたタイヤモデルが想定されてい
る。外乱オブザーバ112においては、さらに、そのタ
イヤモデルに基づき、車輪50の回転運動を記述する運
動システムが想定されている。その運動システムにおい
ては、タイヤ圧の変化に伴うねじりばねのばね定数の変
化を車輪50に対する外乱とみなされる。外乱オブザー
バ112においては、車輪速度センサ80から出力され
る車輪速度信号がリム側部の角速度を表す信号として用
いられる。それにより、外乱オブザーバ112は、外乱
を運動システムの状態変数の1つとして推定し、それに
より、タイヤ圧を推定する。
【0112】外乱オブザーバ112によりタイヤ圧Pが
推定されれば、その後、S63において、その推定され
たタイヤ圧Pが正の基準値P0より低いか否かが判定さ
れる。実行対象車輪50に関してタイヤ圧が異常である
か否かが判定されるのである。今回は、その推定された
タイヤ圧Pが基準値P0より低くはないと仮定すれば、
S63の判定がNOとなり、直ちにこのプログラムの一
回の実行が終了する。これに対して、今回は、その推定
されたタイヤ圧Pが基準値P0より低いと仮定すれば、
S63の判定がYESとなり、S64に移行する。
【0113】このS64においては、警報器74がON
にされ、それにより、実行対象車輪50のタイヤ圧が異
常に低いことが運転者に告知される。
【0114】その後、S65において、上記推定された
タイヤ圧Pの基準値P0からの逸脱量ΔPが演算され
る。続いて、S66において、その演算された逸脱量Δ
Pに応じ、前記関係(図8参照)に従って上限値VLMT
が決定される。
【0115】その後、S67において、車速センサ38
から現在の車速Vが取り込まれる。続いて、S68にお
いて、その取り込まれた車速Vが、上記決定された上限
値V LMT以上であるか否かが判定される。上限値VLMT
上ではない場合には、S68の判定がNOとなり、直ち
にこのプログラムの一回の実行が終了する。
【0116】これに対して、上記取り込まれた車速Vが
上限値VLMT以上である場合には、S68の判定がYE
Sとなり、S69において、前記燃料カットを指令する
ための信号がエンジンECU40に出力される。その
後、S70において、前記エンジンブレーキを指令する
ための信号がエンジンECU40に出力される。続い
て、S71において、4つのブレーキアクチュエータ1
24のうちの少なくとも1つを軽く(例えば、ブレーキ
クリアランスを消滅させる程度に)作動させる自動ブレ
ーキを指令するための信号がブレーキECU120に出
力される。以上で、このプログラムの一回の実行が終了
する。
【0117】なお付言すれば、本実施形態においては、
タイヤ圧異常に応答した車速制限が前記駆動力伝達装置
を利用せずに行われるようになっているが、その駆動力
伝達装置による変速制御を上述の燃料カット、エンジン
ブレーキおよび自動ブレーキと併用したり、単独で利用
するようにして本発明を実施することが可能である。例
えば、駆動力伝達装置は、有段の自動変速機A/Tや無
段変速機CVTを含むように構成されるが、有段の自動
変速機A/Tにあってはそれの変速段が低くなるように
シフト作動を行い、無段変速機CVTにあってはそれの
変速比を連続的に増加するように変更すれば、車速制限
が実現される。
【0118】それらの変速制御によって車速制限を実現
する場合には、車速低下の際に車両内の乗員に減速ショ
ックを与えるおそれがあるが、上述の燃料カットや、エ
ンジンブレーキまたは自動ブレーキと併用すれば、その
減速ショックを容易に緩和することが可能となる。
【0119】以上の説明から明らかなように、本実施形
態においては、エンジンECU40とインジェクタ24
とスロットルアクチュエータ20とエンジン10とブレ
ーキECU120とブレーキアクチュエータ124とブ
レーキ126とが互いに共同して前記(2)項における
「車両力変化装置」の一例を構成し、車輪速度センサ8
0が前記(1)項における「センサ」の一例と、前記
(4)項における「間接式センサ」の一例とをそれぞれ
構成し、車速制限ECU110が前記(1)項における
「制御装置」の一例を構成しているのである。
【0120】以上、本発明のいくつかの実施形態を図面
に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、前
記[課題を解決するための手段および発明の効果]の欄
に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種
々の変形、改良を施した形態で本発明を実施することが
可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態である車両制御システム
が搭載される車両のうちその車両制御システムと関連す
る部分を示す平面図である。
【図2】上記車両制御システムにおけるタイヤ圧検出装
置60が上記車両に取り付けられている様子を簡略化し
て示す側面図である。
【図3】上記車両制御システムを示す機能ブロック図で
ある。
【図4】図3における車速制限ECU70のコンピュー
タにより実行される車速制限プログラムの内容を概念的
に表すフローチャートである。
【図5】図4の車速制限プログラムの実行により実現さ
れる車速制限の効果を説明するためのグラフである。
【図6】図4の車速制限プログラムの実行により実現さ
れる車速制限の効果を説明するための別のグラフであ
る。
【図7】本発明の第2実施形態である車両制御システム
を示す機能ブロック図である。
【図8】図7における車速制限ECU90のコンピュー
タのROMに記憶されている逸脱量ΔPと上限値VLMT
との関係を示すグラフである。
【図9】図7における車速制限ECU90のコンピュー
タにより実行される車速制限プログラムの内容を概念的
に表すフローチャートである。
【図10】本発明の第3実施形態である車両制御システ
ムを示す機能ブロック図である。
【図11】図10における車速制限ECU110のコン
ピュータにより実行される車速制限プログラムの内容を
概念的に表すフローチャートである。
【符号の説明】
10 エンジン 16 スロットルバルブ 20 スロットルアクチュエータ 24 インジェクタ 38 車速センサ 40 エンジンECU 50 車輪 52 ホイール 54 タイヤ 60 タイヤ圧検出装置 62 発信器 70,90,110 車速制限ECU 74 警報器 80 車輪速度センサ 112 外乱オブザーバ 120 ブレーキECU 124 ブレーキアクチュエータ 126 ブレーキ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B60K 41/00 B60K 41/00 301B 3G301 301F 41/20 ZHV 41/20 ZHV F02D 9/02 F02D 9/02 Q 341 341K 29/02 29/02 D 311 311B 41/14 320 41/14 320D 45/00 314 45/00 314M Fターム(参考) 3D041 AA76 AA80 AC01 AC15 AC19 AC26 AD10 AD50 AD51 AE04 AE08 AE11 AE32 AE36 AE41 AF01 3D044 AA01 AA36 AB01 AC00 AC16 AC26 AC37 AD04 AD07 AD17 AD21 AE01 AE04 AE14 AE21 3G065 CA19 CA22 CA40 DA05 DA06 EA04 EA07 FA06 FA11 GA00 GA11 GA46 JA04 JA09 JA11 KA02 3G084 BA05 BA13 BA32 CA04 DA26 DA35 EA05 EA11 EB11 EC01 EC03 FA00 FA05 FA10 3G093 AA05 AA07 BA07 CB03 CB06 CB10 CB14 DA06 DB00 DB02 DB05 EA05 EA09 EB03 EB04 EB08 EC02 EC04 FA02 FA04 FA08 FA11 FA12 FB05 3G301 JA35 JB07 JB08 KA12 KB02 KB03 LA03 LB02 LC03 MA11 MA24 NA06 NA08 NB03 ND01 NE17 PF01A PF01Z PF03Z PG00

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホイールに装着されたタイヤの内部に空
    気が圧力下に封入されて構成された車輪を備えた車両に
    設けられ、前記タイヤの状態量に基づいてその車両を制
    御するシステムであって、 前記タイヤ状態量またはそれに関連する関連物理量を検
    出し、それに応じた信号を出力するセンサと、 そのセンサの出力信号に基づき、前記タイヤ状態量が異
    常である状態で、前記車両を加速するためのその車両の
    運転者による加速操作にかかわらず、前記車両の走行速
    度である車速が予め定められた上限値を超えないように
    前記車両を制御する制御装置とを含む車両制御システ
    ム。
  2. 【請求項2】 前記制御装置が、前記車両の駆動力と制
    動力との少なくとも一方である車両力を変化させる車両
    力変化装置を介して前記車両を制御するものである請求
    項1に記載の車両制御システム。
  3. 【請求項3】 前記センサが、前記タイヤ状態量を直接
    に検出する直接式であり、 前記制御装置が、その直接式センサの出力信号に基づ
    き、前記タイヤ状態量が異常であるか否かを判定する判
    定手段を含む請求項1または2に記載の車両制御システ
    ム。
  4. 【請求項4】 前記センサが、前記関連物理量を検出す
    ることにより、前記タイヤ状態量を間接に検出する間接
    式であり、 前記制御装置が、その間接式センサの出力信号に基づ
    き、前記タイヤ状態量が異常であるか否かを判定する判
    定手段を含む請求項1または2に記載の車両制御システ
    ム。
  5. 【請求項5】 前記間接式センサが、前記車輪の角速度
    である車輪速度を検出する車輪速度センサを含む請求項
    4に記載の車両制御システム。
  6. 【請求項6】 前記車両が、前記車輪を複数備えてお
    り、 前記車輪速度センサが、それら複数の車輪に関してそれ
    ぞれ設けられており、 前記制御装置が、それら複数の車輪速度センサから前記
    複数の車輪に関してそれぞれ出力された複数の信号間の
    相対的な関係に基づき、それら複数の車輪のうちの少な
    くとも1つのタイヤ状態量が異常であるか否かを判定す
    る判定手段を含む請求項5に記載の車両制御システム。
  7. 【請求項7】 前記制御装置が、外乱オブザーバであっ
    て、前記車輪に対して、相対回転可能なリム側部とベル
    ト側部とが少なくともねじりばねにより互いに連結され
    たタイヤモデルが想定され、そのタイヤモデルに基づ
    き、前記車輪の回転運動を記述する運動システムが想定
    され、その運動システムにおいて、前記タイヤ状態量と
    してのタイヤ圧の変化に伴う前記ねじりばねのばね定数
    の変化を前記車輪に対する外乱とみなし、前記車輪速度
    センサから出力される車輪速度信号を前記リム側部の角
    速度を表す信号として用いることにより、前記外乱を前
    記運動システムの状態変数の1つとして推定し、それに
    より、前記タイヤ圧を推定するものを含む請求項5に記
    載の車両制御システム。
  8. 【請求項8】 さらに、前記車速を検出する車速センサ
    を含み、かつ、前記制御装置が、その車速センサによる
    検出車速が前記上限値を超えないように前記車両を制御
    する手段を含む請求項1ないし6のいずれかに記載の車
    両制御システム。
  9. 【請求項9】 前記上限値が、前記タイヤ状態量が、そ
    れに対して予め定められた基準値から逸脱する量に基づ
    いて変化させられる可変値である請求項1ないし8のい
    ずれかに記載の車両制御システム。
  10. 【請求項10】 前記上限値が、前記タイヤ状態量が、
    それに対して予め定められた基準値から逸脱する量が大
    きい場合において小さい場合におけるより小さくなるよ
    うに変化させられる可変値である請求項1ないし8のい
    ずれかに記載の車両制御システム。
  11. 【請求項11】 前記車両が、動力源の動力が駆動力と
    して駆動力伝達装置を経て前記車輪に伝達されることに
    より、駆動されるとともに、ブレーキが作動させられる
    ことにより、制動されるものであり、 前記制御装置が、前記車速が前記上限値を超えないよう
    にする車速制限を、それら動力源と駆動力伝達装置とブ
    レーキとの少なくとも一つを介して行うものである請求
    項1ないし10のいずれかに記載の車両制御システム。
  12. 【請求項12】 前記車両が、燃料の燃焼により動力を
    発生させるエンジンをその車両の動力源として備えてお
    り、 前記制御装置が、常には作動しないが、前記車速が前記
    上限値を超えようとしたかまたは超えている場合に作動
    し、それにより、前記エンジンへの燃料供給を実質的に
    停止させる燃料カット手段を含む請求項1ないし11の
    いずれかに記載の車両制御システム。
  13. 【請求項13】 前記車両が、吸気通路を経て供給され
    る燃料の燃焼により動力を発生させるエンジンをその車
    両の動力源として備えており、 前記制御装置が、常には作動しないが、前記車速が前記
    上限値を超えようとしたかまたは超えている場合に作動
    し、それにより、前記吸気通路を実質的に閉じて前記エ
    ンジンをエンジンブレーキとして機能させるエンジンブ
    レーキ手段を含む請求項1ないし12のいずれかに記載
    の車両制御システム。
  14. 【請求項14】 前記車両が、電力により動力を発生さ
    せる電動モータをその車両の動力源として備えており、 前記制御装置が、常には作動しないが、前記車速が前記
    上限値を超えようとしたかまたは超えている場合に作動
    し、それにより、前記電動モータへの電力供給を実質的
    に停止させる電力カット手段を含む請求項1ないし13
    のいずれかに記載の車両制御システム。
  15. 【請求項15】 前記車両が、電力により動力を発生さ
    せる電動モータをその車両の動力源として備えており、 前記制御装置が、常には作動しないが、前記車速が前記
    上限値を超えようとしたかまたは超えている場合に作動
    し、それにより、前記電動モータを回生ブレーキとして
    機能させる回生ブレーキ手段を含む請求項1ないし14
    のいずれかに記載の車両制御システム。
  16. 【請求項16】 前記車両が、その車両を制動するブレ
    ーキを備えており、 前記制御装置が、常には作動しないが、前記車速が前記
    上限値を超えようとしたかまたは超えている場合に作動
    し、それにより、前記ブレーキを作動させる自動ブレー
    キ手段を含む請求項1ないし15のいずれかに記載の車
    両制御システム。
  17. 【請求項17】 さらに、前記車速が前記上限値を超え
    ようとしたかまたは超えている状態にあるか否かにかか
    わらず、前記タイヤ状態量が異常となったことに応答し
    て作動し、それにより、タイヤ状態量が異常であること
    を前記車両の運転者に告知する警報器を含む請求項1な
    いし16のいずれかに記載の車両制御システム。
  18. 【請求項18】 さらに、前記タイヤ圧が異常である状
    態で、前記車速が前記上限値を超えようとしたかまたは
    超えていることに応答して作動し、それにより、タイヤ
    状態量が異常であることを前記車両の運転者に告知する
    警報器を含む請求項1ないし16のいずれかに記載の車
    両制御システム。
  19. 【請求項19】 前記制御装置が、前記警報器の連続作
    動時間が設定時間を超えた場合に作動し、それにより、
    前記車速が前記上限値を超えないように前記車両を制御
    する手段を含む請求項18に記載の車両制御システム。
  20. 【請求項20】 さらに、 前記タイヤ状態量が異常となったことに応答して作動
    し、そのことを前記車両の運転者に告知する第1の警報
    部と、 前記制御装置が前記車速が前記上限値を超えないように
    する車速制限を開始したことに応答して作動し、そのこ
    とを前記運転者に告知する第2の警報部とを含む請求項
    1ないし16のいずれかに記載の車両制御システム。
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