JP2004316187A - 橋梁の排水性舗装覆工型伸縮設備とその施工法 - Google Patents

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Yukio Kida
征雄 木田
Makoto Wakabayashi
誠 若林
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Abstract

【課題】橋梁の伸縮部に覆工された排水性舗装がコンクリート床版の伸縮量を確実に吸収して、その路面の剥離による陥没や隆起を予防する。
【解決手段】コンクリート床版(2)の遊間(S1)を挟むほぼハ字型の対向状態に埋設された伸縮継手(J)と、その継手(J)の上端部とほぼ面一状態に打設された後打ちコンクリート(6)へ、上方から一定厚み(T3)の排水性舗装(7)を1層だけ覆工して、その排水性舗装(7)における上記遊間(S1)と対応位置する部分を、その遊間(S1)の伸縮作用に追従できる必要な開口幅(O)の目地(10)として切り抜き分離すると共に、上記伸縮用目地(10)の周辺を通行車両により踏圧される一定幅(W1)の踏圧部分帯域(Z)に限って、その排水性舗装(7)のポーラスな組織体内へ浸透させたグラウト材(11)により、高強度に固形化した。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は橋梁の排水性舗装覆工型伸縮設備と、そのための施工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に橋梁の覆工型伸縮設備では、その鋼材から成る伸縮継手が路面に露出せず、その路面の平坦性と連続性が保持されるため、通行車両の操縦安定性が向上し、振動や騒音も発生し難く、特に温度変化の激しい積雪寒冷地に用いて有効であると言われており、従来から実公平6−17841号が知られている。
【0003】
そして、これでは伸縮継手全体を覆う舗装アスファルト(78)のうち、その一方の継手本体部材(10)における上面部(12)の先端と対応位置する部分に目地(77)が形成されており、その目地(77)の内部に弾性シール材(77a)が充填されている点で、本発明に近似すると考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記公知考案の構成では向かい合う継手本体部材(10)(20)のうち、その一方の上面部(12)が背高く、他方の上面部(22)が背低い段違いの設置状態にあり、その後打ちコンクリート(79)とも相俟って区成された凹溝の内部へ、舗装アスファルト(78)が部分的な厚肉状態として覆工されるようになっている。
【0005】
しかも、上記目地(77)はその舗装アスファルト(78)の厚みを、予じめ完全に切り抜き分離してもいない。そのため、コンクリート床版(71)の伸縮作用に必らずしも追従せず、その伸縮量を吸収することができない。
【0006】
つまり、温度変化の激しい積雪寒冷地において、その冬期の収縮によりコンクリート床版(71)の遊間(継ぎ目)が、大きく広がり過ぎた場合には、これに対応しきれない目地(77)から舗装アスファルト(78)の上記厚肉部分へ、クラックがアットランダムに波及し、その部分を崩壊させてしまうことになる。
【0007】
又、夏期の膨張に起因して、同じくコンクリート床版(71)の遊間が逆に狭くなり過ぎた場合には、その背高い継手本体部材(10)と後打ちコンクリート(79)との挟圧力を受けた舗装アスファルト(78)の上記厚肉部分が、その体積の移動する逃げ場所を上向きに求めて、路面を隆起させることになり、これに伴なうアットランダムなクラックも発生し、何れにしても経年的・累加的に路面の陥没や穴明き現象を惹起するおそれがある。
【0008】
その意味から上記公知考案の構成では、舗装アスファルト(78)が密粒度アスファルト混合物から成り、しかもコンクリートカッターの厚みに相応する一定不変の開口幅(約5mm以下)を備えた狭い目地(切削目地)(77)でも、コンクリート床版(71)の伸縮作用を吸収し得る程度として、そのコンクリート床版(71)の伸縮量が僅小である場合に限ればともかく、上記舗装アスファルト(78)が特に排水性舗装(別名:高機能舗装)として、6号砕石のみやこれより細かい砕石、砂なども含む粒状骨材の排水性アスファルト混合物から、空隙率の高いポーラスな組織体をなす場合や、上記コンクリート床版(71)の伸縮量が大きい橋梁である場合には、到底適用実施することができず、上記問題を生ずることが必至である。
【0009】
更に、上記目地(77)内の弾性シール材(77a)については言えば、冬期の施工により弾性シール材(77a)を目地(77)の内部へ、路面との面一状態に充填した場合、次の夏期にコンクリート床版(71)の遊間が狭くなると、その弾性シール材(77a)は圧縮変形されて、路面から隆起するため、通行車両の操縦安定性を阻害し、振動や騒音を発生することになる。
【0010】
他方、夏期の施工によって上記弾性シール材(77a)を目地(77)の内部へ、同じく路面との面一状態に充填した場合、次の冬期にコンクリート床版(71)の遊間が広くなると、その弾性シール材(77a)が伸び変形して、路面から陥没するため、上記問題を招来するほか、これとの相対的に残存隆起している目地(77)の開口縁部が、通行車両により掻き取られて、その周辺から路面の陥没と延いては穴明き現象を惹起することにもなる。
【0011】
この点、上記舗装アスファルト(78)が空隙率の高いポーラスな組織体の排水性舗装である場合には、通常の密粒度アスファルト舗装に比して撓みやすく、路面の耐摩耗性に劣る関係上、その路面に表出する粒状骨材が目地(77)の開口縁部から一層容易に剥離されてしまい、このような剥離現象は路面のうちでも、特に通行車両の輪荷重を繰り返し直接受ける踏圧部分帯域において、顕著に発生するのである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明はこのような課題の改良を企図しており、そのために役立つ橋梁の排水性舗装覆工型伸縮設備として、コンクリート床版の遊間を挟むほぼハ字型の対向状態に設置された伸縮継手と、
【0013】
その伸縮継手の向かい合う相互間に介挿一体化された伸縮可能な防水シールと、
【0014】
上記コンクリート床版に対する伸縮継手の支保工として、その伸縮継手の上端部とほぼ面一な一定厚みだけ打設された後打ちコンクリートと、
【0015】
上記伸縮継手と後打ちコンクリートへ1層として、上方から覆工された一定厚みの排水性舗装とを備え、
【0016】
その排水性舗装における上記コンクリート床版の遊間と対応位置する部分を、その遊間の伸縮作用に追従できる必要な開口幅の目地として切り抜き分離すると共に、
【0017】
上記伸縮用目地の周辺を通行車両により繰り返し踏圧される一定幅の踏圧部分帯域に限って、その排水性舗装のポーラスな組織体内へ浸透させたグラウト材により、高強度に固形化したことを特徴とし、
【0018】
又、上記排水性舗装覆工型伸縮設備の施工法として、アングル型鋼板や曲げ加工鋼板からの対称なほぼハ字型として向かい合う相互間に予じめ伸縮可能な防水シールが介挿一体化されている伸縮継手を、コンクリート床版の遊間と対応位置する付近に刳り取った埋込み凹所へ、その遊間を挟む対向状態に挿入セットして、
【0019】
その伸縮継手の上端部とほぼ面一な一定厚みだけ後打ちコンクリートを打設することにより、上記伸縮継手をその埋込み凹所へ埋設一体化した後、
【0020】
上記伸縮継手の向かい合う相互間へ上方から排水性舗装の封止床となるバックアップ材を載置セットした状態のもとで、その伸縮継手と上記後打ちコンクリートへ上方から一定厚みの排水性舗装を1層だけ覆工し、
【0021】
引き続き、その排水性舗装における上記コンクリート床版の遊間と対応位置する部分に伸縮用目地を切り抜き加工して、その目地から上記バックアップ材を取り出し除去した後、
【0022】
上記伸縮継手の向かい合う相互間へやはり上方からグラウト材の封止床となる伸縮可能なクッションパッドを、その防水シールとの積層状態に詰め込み一体化し、
【0023】
その後、上記排水性舗装の通行車両により踏圧される一定幅の踏圧部分帯域に限って、その目地の開口内部からと路面の上方から、グラウト材を排水性舗装のポーラスな組織体内へ浸透状態に充填することにより、上記目地の周辺を高強度に固形化し、
【0024】
最後に、その目地の開口内部へ伸縮可能な透水パッキングを詰め込み一体化することを特徴とするものである。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基いて本発明を詳述すると、その本発明に係る橋梁の排水性舗装覆工型伸縮設備は図1〜9の施工状態から明白なように、橋脚(1)上に対応位置する伸縮継手(J)を有しており、その伸縮継手(J)がコンクリート床版(2)の遊間(S1)を挟む対向状態に埋設一体化されて、温度変化に起因する遊間(S1)の伸縮作用を吸収し得るようになっている。その遊間(S1)の伸縮量は最大設計値として、例えば約30mmである。
【0026】
(3)は橋梁の鋼製主桁であり、その上記遊間(S1)を挟む一方がゴム製の可動シュー(4)を介して、又残る他方が鋼製の固定シュー(5)によって、共通の橋脚(1)へ各々支持されていることは言うまでもない。
【0027】
(6)は上記伸縮継手(J)の支保工となる後打ちコンクリートであって、道路の縦断方向に沿う一定の長さ(L1)(例えば約600〜700mm)と厚み(T1)(例えば約75〜105mm)を有する。
【0028】
又、(7)は空隙率の高いポーラスな組織の排水性アスファルト混合物から成る排水性舗装(別名:高機能舗装)であって、上記伸縮継手(J)の後打ちコンクリート(6)を除く橋梁一般部では、一定な厚み(T2)(例えば約40〜60mm)の密粒度アスファルト混合物から成る防水性基層(8)によって支保された2層をなしているが、橋梁の伸縮部となる後打ちコンクリート(6)の上面に限っては、防水性基層(8)を具備しておらず、その排水性表層のみの1層として覆工されており、何れにしても排水性舗装(7)が橋梁の平坦性と連続性に富む路面を形作っている。
【0029】
その場合、図4、8の拡大図から明白なように、橋梁の伸縮部をなす後打ちコンクリート(6)の上面へ、1層として覆工される排水性舗装(7)の厚み(T3)は、その橋梁一般部での厚み(T4)(例えば約35〜40mm)に比し、約30mmを最大限度とする一定寸法(G)だけ厚く設定しておくことが好ましい。
【0030】
つまり、伸縮継手(J)の支保工となる後打ちコンクリート(6)の上面を、橋梁一般部における上記防水性基層(8)の上面よりも、その一定寸法(G)だけ低く陥没する凹段面(6a)として仕上げるのである。
【0031】
そうすれば、上記排水性舗装(7)の切削機械(図示省略)が後打ちコンクリート(6)と誤って接触する損傷事故の予防に役立つばかりでなく、その伸縮部での1層にとどまる排水性舗装(7)の耐久性も向上することになる。
【0032】
但し、このような効果を達成できるならば、排水性舗装(7)における橋梁一般部での上記厚み(T4)を、その伸縮部での厚み(T3)と同等に厚肉化して、上記後打ちコンクリート(6)の上面を防水性基層(8)の上面と面一状態に仕上げても勿論良い。
【0033】
尚、上記後打ちコンクリート(6)の上面を凹段面(6a)として陥没させたことに起因して、その低い凹段面(6a)に排水性舗装(7)の浸透水が滞溜するおそれについては、後打ちコンクリート(6)に図20のような排水凹溝(9)を切り欠き区成するか、又は別個な排水管路(図示省略)を埋設することにより、その排水性舗装(7)の浸透水を道路の横断勾配に沿って路肩部へ排出させれば良い。
【0034】
更に、(10)は上記伸縮継手(J)の後打ちコンクリート(6)へ1層として覆工された排水性舗装(7)の厚み(T3)を、完全に切り抜き分離した伸縮用の目地であり、コンクリート床版(2)における遊間(S1)の伸縮量を吸収するために、その遊間(S1)の真上に対応位置しつつ、これとの平行な直線形態に列設されている。
【0035】
しかも、その伸縮用目地(10)は排水性舗装(7)の施工時期や施工場所などの温度条件に応じた一定の開口幅(O)として、例えば約20〜50mmでの広く又は狭く設定されるのであり、何れにしても上記遊間(S1)の伸縮作用に追従して、その遊間(S1)を発生源とするアットランダムなクラックが、排水性舗装(7)に波及することを予防し、路面の平坦性を維持するようになっている。
【0036】
上記排水性舗装(7)の排水性アスファルト混合物は従来技術の課題としても説明した通り、6号砕石のみや、その6号砕石にこれより細かい砕石、砂なども含む配合の粒状骨材(M)から成り、空隙率の高いポーラスな組織体として、その路面から粒状骨材(M)の剥離されやすい特性がある。
【0037】
又、橋梁を通行する大型貨物車両は、ダブルタイヤを装着している通例であり、これによる大きな輪荷重(踏圧)を繰り返し受けるため、上記排水性舗装(7)の踏圧部分帯域(Z)が残余の非踏圧部分帯域(X)に比して、早期に摩耗する。
【0038】
殊更、その排水性舗装(7)はコンクリート床版(2)の遊間(S1)と対応する位置において、一定な開口幅(O)の伸縮用目地(10)を介して切り抜き分離されているため、その目地(10)の開口縁部から周辺に向かって、排水性舗装(7)の粒状骨材(M)が容易に掻き取り剥離されてしまい、路面が経年的・累加的に陥没して、通行車両の操縦安定性を阻害するほか、低周波振動や騒音などを発生することにもなる。
【0039】
(11)はこのような問題を予防するため、上記後打ちコンクリート(6)の上面へ1層として覆工された排水性舗装(7)の路面中、その通行車両による一定幅(W1)の踏圧部分帯域(Z)に限って、上記伸縮用目地(10)の周辺に充填された透水性のグラウト材であり、その目地(10)の開口縁部を高強度に固形化すると共に、排水性舗装(7)の粒状骨材(M)をその路面からの剥離不能に保つ。
【0040】
その場合、図2、3は片側2車線の橋梁を例示しており、(12)は上記排水性舗装(7)の浸透水を集める路肩部のサイド導水路、(13)はこれに連通するドレン管、(14)は壁高欄、(15)は縁石、(16)は車道外側線、(17)は車両通行帯境界線(区画線)であって、大型貨物車両がこれを目印としつつ、上記踏圧部分帯域(Z)を通行することになる。その踏圧部分帯域(Z)の一定幅(W1)は大型貨物車両の車体幅:約250cm、ダブルタイヤのトレッド幅:約50cm、運転中の左右横方向へ振れ動く余裕代:約30cmを考慮した数値として、経験則上約1mに想定されている。
【0041】
上記排水性舗装(7)のグラウト材(11)としてはセメントと水との混合物へ、上記粒状骨材(M)と同等以下の耐摩耗性がある硬質骨材のシリカサンド(珪砂)やエメリー、珪石、ボーキサイトを焼成したカルサインドボーキサイト、金属又は非金属の精錬時に副産される特殊な硬質スラグ、溶融アルミナ、各種研磨剤などを適当に加えて調製した常温型の泥状物質か、又は道路表示材として知られている水性アクリルエマルジョン(水性塗料)に、やはり耐摩耗性のガラスビーズやゴムチップ、鉄粉などの硬質骨材を適当に混合して加熱調製した高温型の液状物質が好適である。
【0042】
そして、これらのグラウト材(11)は排水性舗装(7)のポーラスな組織体に対する浸透性を発揮し得るため、これを排水性舗装(7)の施工完了後に、その伸縮用目地(10)の開口内部からと路面の上方から流し込み又は散布して、引き続きローラーやバイブレーターなどの転圧力を加えることにより、その排水性舗装(7)の空隙へ浸透状態に充填すれば良い。
【0043】
そのグラウト材(11)の浸透度(充填深さ)については、冬期や積雪寒冷地において施工される排水性舗装(7)の上記伸縮用目地(10)が、最も広い開口幅(O2)(例えば約50mm)に設定された場合でも、目地(10)の開口縁部やその周辺を依然高強度な固形状態に維持し得る程度として、その最も広い開口幅(O2)に適当な余裕代(例えば約10〜20mm)を加えた一定の長さ(L2)(例えば約70mm)分に限っては、上記後打ちコンクリート(6)の上面に到達するまでの深さとして、その排水性舗装(7)における一定な厚み(T3)の全体分にグラウト材(11)を充填する。
【0044】
その排水性舗装(7)の全体厚み(T3)分に充填された上記一定長さ(L2)分から、相互の離反する方向(道路の縦断方向)へ延在する長さ(L3)としては、これを短かくとも後打ちコンクリート(6)と防水性基層(8)との境界部に対応位置する付近までの例えば約550〜650mmに設定して、この一定長さ(L3)分では上記グラウト材(11)を排水性舗装(7)の表面から浅くとも平均的に約5mmの深さとして充填することにより、粒状骨材(M)が路面から剥離・飛散したり、流動したりしない抵抗を与えて、耐摩耗性を昂める。尚、そのグラウト材(11)の浸透度(充填深さ)は上記セメントに対する水の混合比率や、別な流動促進用混和剤などによって、適当に調整することも可能である。
【0045】
つまり、上記一定長さ(L2)(L3)の全体を短かくとも後打ちコンクリート(6)の一定長さ(L1)とほぼ同等に設定して、そのグラウト材(11)を排水性舗装(7)の路面から表出させるのである。しかも、その排水性舗装(7)の路面から表出するグラウト材(11)の平面輪郭形状としては、図2のように上記伸縮用目地(10)を横断中心線とするほぼ対称な菱型やその他の両端が先細りとなる幾何学形状に設定することが好ましい。
【0046】
そうすれば、既往の道路表示用施工機械により正確な平面輪郭形状を画定できるほか、その平面輪郭形状における道路の縦断方向と非直角に交叉する先細り傾斜辺(11a)(11b)を、通行車両のダブルタイヤが踏圧することになるため、ここを緩やかな傾斜路面として自然に生成することができ、その段差解消によって操縦安定性も向上する。
【0047】
このようなグラウト材(11)はあくまでも排水性舗装(7)における一定幅(W1)の踏圧部分帯域(Z)に限って充填されており、残余の通行車両により踏圧されない非踏圧部分帯域(X)では、その排水性舗装(7)の排水性が依然として確保された状態にある。
【0048】
更に、(18)はやはり通行車両による一定幅(W1)の踏圧部分帯域(Z)に限って、その伸縮用目地(10)の開口内部へ詰め込み一体化された防水パッキングであり、伸縮可能なゴムやその他の弾性材から成る。
【0049】
この点、図1、4、6、7では上記踏圧部分帯域(Z)の一定幅(W1)と対応する一定長さの防水パッキング(18)を、ブタジエンゴム(BP)やクロロプレンゴム(CR)などの合成ゴムから比較的厚肉・中実な鼓型に造形して、その伸縮用目地(10)の内壁面へ接着や溶着などの手段により固定しているが、上記目地(10)が収縮するも排水性舗装(7)の路面から隆起しない防水パッキング(18)である限り、その鼓型に代る倒立U字型やその他の伸縮可能な形状を採用しても良い。
【0050】
他方、(19)は上記排水性舗装(7)の路面中、残余の非踏圧部分帯域(X)に限って、やはり伸縮用目地(10)の開口内部へ詰め込み一体化された透水パッキングであり、これは伸縮性に富むスポンジ(合成樹脂の連続気泡体)として、排水性舗装(7)の浸透水を道路の縦断勾配に沿って排出できるようになっている。
【0051】
但し、その目地(10)が収縮するも排水性舗装(7)の路面から隆起しない透水パッキング(19)である限り、上記スポンジに代えて、図8〜10に示す倒立U字型の伸縮可能なゴムを採用すると共に、そのゴムに向かい合う複数づつの透水孔(20)を切り欠いても良い。
【0052】
尚、上記防水パッキング(18)の使用を省略して、その代りにこのようなゴムやスポンジなどの透水パッキング(19)を、上記踏圧部分帯域(Z)と非踏圧部分帯域(X)との区別なく、伸縮用目地(10)における開口内部の全体長さに亘って詰め込み一体化してもさしつかえない。
【0053】
先に一言した橋脚(1)上の伸縮継手(J)は図11、12に抽出する如く、コンクリート床版(2)の遊間(S1)と平行な直線形態の伸縮許容間隙(S2)を保って、側面視のほぼハ字型に向かい合う対称な一対のアングル型鋼板や曲げ加工鋼板から成り、道路の横断方向に沿って一定長さ(W2)(例えば約1750mm)だけ延在する。そのコンクリート床版(2)から起立する伸縮継手(J)の一定高さ(H)は、上記後打ちコンクリート(6)の厚み(T1)とほぼ同等の寸法である。
【0054】
尚、茲に例示する約1750mmの一定長さ(W2)は道路の片側車線について、その伸縮継手(J)の2基づつを直列の継ぎ足し状態に接続使用する寸法である。
【0055】
即ち、その伸縮継手(J)を示した図11、12において、(21a)(21b)はこれを形作る対称な一対の傾斜壁プレートであり、上記コンクリート床版(2)の遊間(S1)を挟むハ字型に起立するが、その両傾斜壁プレート(21a)(21b)の上端部からは天井プレート(22a)(22b)が一定角度(例えば約90度)の折り曲げ角度として、互いに離反する斜め上方へ連続一体に張り出されており、上記排水性舗装(7)を受け止める支持床として機能し得るようになっている。
【0056】
(23a)(23b)は両傾斜壁プレート(21a)(21b)の中途高さ位置から一定の左右間隔ピッチを保つ分布状態として、相互の離反する方向へ一体的に張り出し延長された複数づつの水平なアンカー筋であり、好ましくはその各個の先端部が後打ちコンクリート(6)との喰い付き力を昂めるフック(24a)(24b)として、約90度だけ折り曲げられている。
【0057】
このような伸縮継手(J)のアンカー筋(23a)(23b)は施工現場において、別個の水平な連結筋(25a)(25b)や垂直なホールインアンカー(差し筋)(26a)(26b)の複数づつと、図4、6〜9のような縦横交錯する組立状態に溶接一体化されることとなる。
【0058】
(27a)(27b)はこのようなアンカー筋(23a)(23b)と交互する千鳥配列状態として、同じく両傾斜壁プレート(21a)(21b)の中途高さ位置から相互の離反する方向へ、連続一体に張り出し分布された複数づつの鋼板製補強リブであり、その各個には後打ちコンクリート(6)との喰い付き力を昂める長孔(28a)(28b)が開口形成されている。
【0059】
このような補強リブ(27a)(27b)を伸縮継手(J)に設置して、大型貨物車両の通行荷重にも耐え得る高強度の支持力を発揮させると共に、その補強リブ(27a)(27b)に開口する長孔(28a)(28b)へ別個な補強筋(29a)(29b)を、図4、6〜9のように差し込み貫通させることもできるようになっている。
【0060】
(30a)(30b)は伸縮継手(J)を直列状態に継ぎ足し接続するための鋼板製接続片であって、両傾斜壁プレート(21a)(21b)における長手方向(道路の横断方向)の両端部から上記補強リブ(27a)(27b)と同じく、相互の離反する方向へ一体的に張り出されており、その各個にはボルト受け入れ孔(31a)(31b)が開口形成されている。
【0061】
施工現場において、隣り合う伸縮継手(J)の接続片(30a)(30b)同志を突き合わせ、そのボルト受け入れ孔(31a)(31b)へ挿通するボルトとナット(図示省略)との締結によって、上記伸縮継手(J)の複数を直列状態に継ぎ足し接続できるようになっているのである。
【0062】
又、(32)は伸縮継手(J)の上記伸縮許容間隙(S2)を密封する防水シールであって、ゴムやその他の伸縮可能な弾性材から成り、両傾斜壁プレート(21a)(21b)の中途高さ位置へ予じめ焼き付けや溶着、接着などの固定手段によって介挿一体化されている。これによって、上記排水性舗装(7)からコンクリート床版(2)の遊間(S1)に向かう浸透水を封止し、その浸透水の落下による上記主桁(3)や固定シュー(5)の発錆を防止するようになっている。
【0063】
この点、図11〜14では上記伸縮用目地(10)の防水パッキング(18)と同じブタジエンゴム(BR)やクロロプレンゴム(CR)などの合成ゴムから、比較的厚肉・中実な鼓型に造形された防水シール(32)を示しており、しかもこれを両傾斜壁プレート(21a)(21b)へ、その伸縮継手(J)の端部から予じめ一定量(W3)だけ張り出す状態に固定一体化している。
【0064】
そして、隣り合う伸縮継手(J)を図13から図14のように、直列状態に継ぎ足し接続した時に初めて、その防水シール(32)における一定量(W3)の張り出し端部(32f)(32r)同志が、互いに突き合い圧縮されて密着状態を保ち、優れた防水効果を発揮するようになっている。
【0065】
但し、伸縮できる材質と形状から成る防水シール(32)である限り、中実・厚肉な鼓型に代る図15のような倒立U字型やその他の形状として、その伸縮継手(J)の両傾斜壁プレート(21a)(21b)へ予じめ固定一体化してもさしつかえない。
【0066】
更に、(33)は伸縮継手(J)の伸縮許容間隙(S2)へ上方から詰め込み一体化されたクッションパッドであって、その上面に予じめ防水被膜(33a)がコーティングされたスポンジ(合成樹脂の連続気泡体)や軟質のウレタンフォーム(独立気泡体)などから成る。上記防水シール(32)が伸縮継手(J)の生産工場において、その両傾斜壁プレート(21a)(21b)へ予じめ固定一体化されているに反し、このクッションパッド(33)は施工現場において、上方から図4〜9のような防水シール(32)への積層状態に圧入されることにより、上記グラウト材(11)が伸縮継手(J)の伸縮許容間隙(S2)へ進入・落下することを封止する。
【0067】
本発明の上記排水性舗装覆工型伸縮設備を現場施工するに当っては、先ず橋梁のコンクリート床版(2)と排水性舗装(7)並びにその防水性基層(8)を、その遊間(S1)と対応位置する付近において所謂箱抜き形態に刳り取る。(34)はその刳り取り開口された埋込み凹所を示している。
【0068】
そして、伸縮継手(J)をその傾斜壁プレート(21a)(21b)同志がコンクリート床版(2)の遊間(S1)に跨がり対向する起立状態として、上記埋込み凹所(34)の内部へ正しく挿入セットし、その伸縮継手(J)の両傾斜壁プレート(21a)(21b)から張り出している水平なアンカー筋(23a)(23b)へ、各々別個な連結筋(25a)(25b)とホールインアンカー(差し筋)(26a)(26b)との複数づつを、その相互の縦横交錯する組立状態に溶接一体化した後、伸縮継手(J)の天井プレート(22a)(22b)を言わば定規材として、上記埋込み凹所(34)の内部へ支保工となる後打ちコンクリート(6)を、その天井プレート(22a)(22b)の上端部とほぼ面一状態になる一定の厚み(T1)だけ打設することにより、伸縮継手(J)を埋設一体化するのである。
【0069】
尚、このような伸縮継手(J)の隣り合う接続片(30a)(30b)同志が、図外のボルトとナットを介して接続一体化され、道路幅に応じた複数の継ぎ足し直列状態に埋設されることは言うまでもない。その際、伸縮継手(J)に付属する防水シール(32)の張り出し端部(32f)(32r)同志を、突き合い圧縮状態に保つことが好ましいことも、上記した通りである。
【0070】
次に、上記伸縮継手(J)における道路の横断方向に沿って開口延在する伸縮許容間隙(S2)へ、上方から図16のように剛性なバックアップ材(B)を載置セットして、これにより伸縮許容間隙(S2)を封止状態に保った上、後打ちコンクリート(6)の上面へ排水性舗装(7)の1層だけを覆工する。
【0071】
その排水性舗装(7)のバックアップ材(B)としては、伸縮継手(J)の伸縮許容間隙(S2)に対する排水性舗装(7)の進入・落下を堰止めることができれば足りるが、特に図17のような鉄筋や鋼管などの堰止め直杆(35a)と、フラットバーの振れ止め片(36)とから溶接一体化された倒立振り子型のバックアップ材(B)か、又は図18のような鋼板の堰止め台(35b)と、やはりフラットバーの振れ止め片(36)とから溶接一体化されたT字型のバックアップ材(B)を使用することが好ましい。
【0072】
排水性舗装(7)の荷重を受けるも、そのバックアップ材(B)の堰止め直杆(35a)や堰止め台(35b)が、伸縮継手(J)の天井プレート(22a)(22b)へ安定良く納まり係止し、その排水性舗装(7)の粒状骨材(M)が伸縮継手(J)の伸縮許容間隙(S2)へ些さかも進入・落下するおそれはなく、上記排水性舗装(7)の厚み(T3)を一定化しやすくなるからである。
【0073】
次いで、上記排水性舗装(7)におけるコンクリート床版(2)の遊間(S1)や伸縮継手(J)の伸縮許容間隙(S2)と対応位置する部分へ、そのバックアップ材(B)の堰止め直杆(35a)や堰止め台(35b)よりも広い開口幅(O)の伸縮用目地(10)を、図19に示す如くコンクリートカッターやその他の切削機械によって切り抜き加工する。
【0074】
そして、その目地(10)の開口から先のバックアップ材(B)を取り出し除去した後、上記伸縮継手(J)の開口した伸縮許容間隙(S2)へ図20のように、上方からクッションパッド(33)を伸縮継手(J)の防水シール(32)と積層する状態に詰め込み一体化する。
【0075】
その場合、排水性舗装(7)のバックアップ材(B)を除去したとしても、その排水性舗装(7)は目地(10)の開口縁部において、伸縮継手(J)の両天井プレート(22a)(22b)により受け止められているため、不慮に脱落するおそれはない。これを換言すれば、伸縮継手(J)の天井プレート(22a)(22b)を支持床として、排水性舗装(7)が受け止められているため、その排水性舗装(7)に上記目地(10)を安定良く切り抜き開口させることができるわけである。
【0076】
その後、上記排水性舗装(7)における一定幅(W1)の踏圧部分帯域(Z)に限って、その目地(10)の開口内部へグラウト材(11)を流し込むことにより、これを図20の矢印で示す如く、目地(10)の内壁面から排水性舗装(7)への浸透状態に充填して、その目地(10)の開口縁部を高強度に固形化する一方、同じく目地(10)の周辺へ路面の上方からもグラウト材(11)を浸透させて、その排水性舗装(7)の粒状骨材(M)が通行車両の輪荷重により、路面から剥離・飛散したり、流動したりしない抵抗を与え、耐摩耗性を昂める。
【0077】
そのグラウト材(11)の充填作業に際しては、排水性舗装(7)における上記踏圧部分帯域(Z)と非踏圧部分帯域(X)とを仕切るため、図21のようにゴムや軟質ウレタンフォーム(独立気泡体)、その他の伸縮可能な防水仕切り板(37)を、その目地(10)の開口内部へ圧入一体化する。
【0078】
しかも、上記一定幅(W1)の踏圧部分帯域(Z)に限って、その目地(10)の開口内部へ好ましくは図22のような発泡スチロールのグラウト材用流動分配板(38)を挿入セットし、これにより区分された狭い間隙から排水性舗装(7)へ、グラウト材(11)を横向き分配状態として極力奥深くまで浸透させるのであり、そのグラウト材(11)の充填後には流動分配板(38)を取り出し除去するか、又は焼却や溶融により消失させれば良い。
【0079】
そうすれば、その流動分配板(38)の厚みと対応する一定開口幅(O)の目地(10)が生成される結果、これを図23のような最も狭い開口幅(O1)の伸縮用目地(10)として、そのまま活用することができる。又、これを夏期や暖熱地における高温条件下での伸縮用目地(10)と仮定した場合、同図から示唆されるように、その排水性舗装(7)を再度切り抜き加工することによって、冬期や積雪寒冷地における低温条件下での開口幅(O2)が広い伸縮用目地(10)を形成することも可能である。
【0080】
つまり、コンクリート床版(2)の遊間(S1)に追従する伸縮用目地(10)の開口幅(O)を、その夏期や暖熱地における高温条件下での狭い開口幅(O1)から上記排水性舗装(7)の切り抜き加工によって、冬期や積雪寒冷地における低温条件下での広い開口幅(O2)に仕様変更することができるわけである。
【0081】
その何れにしても、上記伸縮用目地(10)の開口縁部やその周辺は排水性舗装(7)に対するグラウト材(11)の充填により、高強度に固形化されているため、通行車両の輪荷重(踏圧)を繰り返し受けるも、その目地(10)の開口縁部やその周辺の路面から、排水性舗装(7)の粒状骨材(M)が掻き取り剥離されたり、流動したりするおそれはなく、耐摩耗性と平坦性に富む路面を保つことができる。
【0082】
そして、最後に排水性舗装(7)の路面中、上記一定幅(W1)の踏圧部分帯域(Z)ではその伸縮用目地(10)の開口内部へ、上記防水パッキング(18)を詰め込み一体化する一方、残余の非踏圧部分帯域(X)では同じく目地(10)の開口内部へ、上記透水パッキング(19)を詰め込み一体化することにより、その排水性舗装(7)の浸透水を道路の縦断勾配に沿って、支障なく排出できる状態に維持する。
【0083】
その場合、排水性舗装(7)の踏圧部分帯域(Z)と非踏圧部分帯域(X)とを区別することなく、その伸縮用目地(10)における開口内部の全体長さに亘って、1条の透水パッキング(19)を詰め込み一体化しても良いことは、既に述べた通りである。
【0084】
先には、本発明の現場施工法として、図16〜23に基き伸縮継手(J)の伸縮許容間隙(S2)へグラウト材(11)の封止床となるクッションパッド(33)を充填した後、目地(10)の開口内部へ発泡スチロールのグラウト材用流動分配板(38)を挿入セットして、その目地(10)の開口内部から排水性舗装(7)へグラウト材(11)を浸透させた後、上記流動分配板(38)を取り出し除去又は消失させる旨として説明したが、図22と対応する図24から明白なように、ほぼΩ型のゴムやその他の伸縮可能な弾性材から成る防水パッキング(39)を、やはり排水性舗装(7)の踏圧部分帯域(Z)に限って、その目地(10)の開口内部へ圧入一体化し、これによりグラウト材(11)を横向き分配状態として排水性舗装(7)へ浸透させた後、上記防水パッキング(39)をそのままでの詰め込み状態に放置しても良い。
【0085】
このような施工法を採用するならば、その防水パッキング(39)が上記クッションパッド(33)と流動分配板(38)並びに目地(10)内の防水パッキング(18)を兼用機能するため、そのクッションパッド(33)と流動分配板(38)の設置を省略することができ、しかもその防水パッキング(39)の伸縮度を目地(10)の開口幅(O)と対応する調整状態に固定維持することにより、その目地(10)を狭い開口幅(O1)から広い開口幅(O2)へと、排水性舗装(7)を再度切り抜き加工する必要がなくなる利点もある。その場合、目地(10)の開口内部に充填されたグラウト材(11)は、排水性舗装(7)の路面に露出するが、そのままの状態に放置してもさしつかえない。
【0086】
先には、橋脚(1)上の排水性舗装覆工型伸縮設備として説明したが、本発明は図1の施工状態に併記する如く、橋台(40)側の排水性舗装覆工型伸縮設備としても適用実施することができる。
【0087】
その場合、橋梁の上記主桁(3)は固定シュー(41)を介して、橋台(40)に支持されるため、伸縮継手(J)としてはその対称な一対の傾斜壁プレート(21a)(21b)同志が、直接に突き合うほぼハ字型をなす以外につき、図11〜15に示した橋脚(1)上の伸縮継手(J)と同一構成である。従って、図11〜15と対応する符号を記入するにとどめて、その構成と施工法の詳細な説明を省略する。
【0088】
又、上記のように主桁(3)の橋台(40)側は固定端をなすため、その排水性舗装(7)の目地(42)としても、図1のようなコンクリートカッターの厚みに相応する一定不変の開口幅(O)(例えば約5mm以下)を備えた狭い切削目地で足り、橋脚(1)上に対応位置する上記伸縮用目地(10)の如く、温度条件を考慮した狭い開口幅(O1)又は広い開口幅(O2)として切り抜き加工する必要がなく、ましてその開口内部へ上記防水パッキング(18)や透水パッキング(19)を詰め込み一体化する必要はない。
【0089】
その意味から言えば、橋梁における橋台(40)側の固定端に限って、上記伸縮継手(J)を排水性舗装覆工型伸縮設備の施工のみならず、密粒度アスファルト舗装覆工型伸縮設備の施工にも適用実施することができる。尚、図1の符号(43)は排水性舗装(7)の防水性基層(8)を支保する路盤、(44)はコンクリート製の踏掛け盤、(45)は裏込め材を示している。
【0090】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る橋梁の排水性舗装覆工型伸縮設備では、コンクリート床版(2)の遊間(S1)を挟むほぼハ字型の対向状態に設置された伸縮継手(J)と、
【0091】
その伸縮継手(J)の向かい合う相互間に介挿一体化された伸縮可能な防水シール(32)と、
【0092】
上記コンクリート床版(2)に対する伸縮継手(J)の支保工として、その伸縮継手(J)の上端部とほぼ面一な一定厚み(T1)だけ打設された後打ちコンクリート(6)と、
【0093】
上記伸縮継手(J)と後打ちコンクリート(6)へ1層として、上方から覆工された一定厚み(T3)の排水性舗装(7)とを備え、
【0094】
その排水性舗装(7)における上記コンクリート床版(2)の遊間(S1)と対応位置する部分を、その遊間(S1)の伸縮作用に追従できる必要な開口幅(O)の目地(10)として切り抜き分離すると共に、
【0095】
上記伸縮用目地(10)の周辺を通行車両により繰り返し踏圧される一定幅(W1)の踏圧部分帯域(Z)に限って、その排水性舗装(7)のポーラスな組織体内へ浸透させたグラウト材(11)により、高強度に固形化してあるため、冒頭に述べた従来技術の課題を完全に改良できる効果がある。
【0096】
即ち、本発明の上記構成によれば、コンクリート床版(2)の遊間(S1)が夏期や暖熱地での膨張に起因して狭く、又冬期や積雪寒冷地での収縮に起因して広く、各々伸縮作用したとしても、排水性舗装(7)における上記遊間(S1)と対応位置する部分が、その遊間(S1)の伸縮作用に追従できる必要な開口幅(O)の伸縮用目地(10)として、その一定厚み(T3)の完全に切り抜き分離されているため、上記排水性舗装(7)の路面が隆起したり、逆に陥没したりするおそれはなく、その路面の平坦性を保持することができる。
【0097】
特に、冬期や積雪寒冷地での収縮に起因して、上記コンクリート床版(2)の遊間(S1)が大きく広がったとしても、又排水性舗装(7)が空隙率の高いポーラスな組織体として、通常の密粒度アスファルト舗装に比し撓みやすく、路面の耐摩耗性に劣るとしても、その通行車両の輪荷重を繰り返し受ける一定幅(W1)の踏圧部分帯域(Z)では、上記伸縮用目地(10)の周辺がグラウト材(11)の浸透によって、高強度に固形化されているため、その目地(10)の開口縁部や周辺の路面から排水性舗装(7)の粒状骨材(M)が掻き取り剥離されてしまうおそれはなく、その路面の高い耐摩耗性を得ることができる。
【0098】
しかも、通行車両により踏圧されない残余の非踏圧部分帯域(X)では、その排水性舗装(7)が依然空隙率の高いポーラスな組織体として維持されているため、路面から浸透する降雨を支障なく排水させることができ、その路面の水煙りや光の反射、騒音、ハイドロプレーニング現象などの防止に役立つのである。
【0099】
又、請求項2の構成を採用するならば、上記目地(10)に詰め込み一体化された伸縮可能なパッキング(18)(19)によって、その目地(10)の開口内部へ土砂や落下物などの異物が侵入・堆積することを防止できるほか、排水性舗装(7)の非踏圧部分帯域(X)に限って、その目地(10)の開口内部へ詰め込み一体化された透水パッキング(19)により、その排水性舗装(7)の浸透水を道路の縦断勾配に沿って確実に排出し得る効果もある。
【0100】
請求項3の構成を採用するならば、伸縮継手(J)とその後打ちコンクリート(6)の上面へ1層として覆工される排水性舗装(7)の耐久性を昂めることができ、又その排水性舗装(7)のリフレッシュ工事時に、切削機械が後打ちコンクリート(6)と誤って接触する損傷事故の予防にも役立つ。
【0101】
請求項4の構成を採用するならば、伸縮継手(J)をアングル型鋼板や曲げ加工鋼板から安価に大量生産できるばかりでなく、そのハ字型として起立する対称な一対の傾斜壁プレート(21a)(21b)が、後打ちコンクリート(6)の厚み(T1)とほぼ同等の一定高さ(H)を有し、しかもその上端部から曲げ出された天井プレート(22a)(22b)が、排水性舗装(7)の支持床として機能するようになっているため、その排水性舗装(7)の1層を容易に覆工でき、その支持状態の安定性と耐久強度にも優れる。
【0102】
更に、請求項5の施工法によれば、アングル型鋼板や曲げ加工鋼板からの対称なほぼハ字型に向かい合う伸縮継手(J)を、コンクリート床版(2)に刳り取った埋込み凹所(34)へ安定良く挿入セットできることや、その向かい合う相互間へ排水性舗装(7)の封止床となる剛性なバックアップ材(B)を納まり良く載置セットできること、又そのバックアップ材(B)を排水性舗装(7)に切り抜き開口された伸縮用目地(10)から、その排水性舗装(7)の覆工後に取り出し除去できること、更にはその目地(10)の開口内部を活用して、その開口内部からと路面の上方から、グラウト材(11)を排水性舗装(7)のポーラスな組織体内へ浸透状態に充填できることなどに基き、本発明に係る橋梁の排水性舗装覆工型伸縮設備を容易に施工し得るのであり、現場作業性に優れる。
【0103】
請求項6の施工法を採用するならば、施工時期や施工場所での温度条件に応じて、その排水性舗装(7)の切り抜き加工のみにより、コンクリート床版(2)における遊間(S1)の伸縮作用に追従する開口幅(O)の伸縮用目地(10)を設定することができ、その遊間(S1)の伸縮量に対する対応性が広がり、現場作業性の向上にも役立つ。
【0104】
又、請求項7の構成を採用するならば、そのグラウト材(11)が浸透性を発揮するため、これを排水性舗装(7)の空隙へ容易に充填することができる。
【0105】
請求項8の施工法を採用するならば、伸縮用目地(10)の開口幅(O1)が狭い場合には勿論のこと、その開口幅(O2)が最も広い場合でも、その目地(10)の周辺をグラウト材(11)の充填により高強度な固形状態に維持し得るため、上記排水性舗装(7)の粒状骨材(M)が目地(10)の開口縁部やその周辺から掻き取り剥離されるおそれを、確実に予防し得る効果がある。
【0106】
請求項9の施工法を採用するならば、排水性舗装(7)の粒状骨材(M)がその路面から剥離・飛散したり、流動したりするおそれを、上記グラウト材(11)により確実に防止することができるほか、その排水性舗装(7)の路面から表出するグラウト材(11)の平面輪郭形状は、道路の縦断方向と非直角に交叉する先細り傾斜辺(11a)(11b)を有し、その先細り傾斜辺(11a)(11b)が通行車両の踏圧する緩やかな傾斜路面として、段差の解消に役立つ結果、通行車両の操縦安定性を向上できることになる。
【0107】
請求項10の施工法を採用するならば、その施工に必要な用具を最少に節約でき、しかも伸縮用目地(10)を狭い開口幅(O1)から広い開口幅(O2)へと、再度排水性舗装(7)を切り抜き加工する必要がなくなり、現場作業性がますます向上する。
【0108】
更に、請求項11の施工法を採用するならば、そのバックアップ材(B)の剛性が昂まるほか、これを伸縮継手(J)の向かい合う相互間へ振れ動くおそれなく、安定な納まり状態に係止し得る効果もある。
【0109】
請求項12の施工法を採用するならば、ありふれた安価なスポンジ(合成樹脂の連続気泡体)をクッションパッド(33)並びに透水パッキング(39)として兼用できる効果がある。
【0110】
請求項13の施工法を採用するならば、その伸縮用目地(10)の開口内部へ圧入一体化された防水仕切り板(37)により、排水性舗装(7)の踏圧部分帯域(Z)に限って、その目地(10)の開口内部へグラウト材(11)を容易に正しく充填することができ、しかも上記防水仕切り板(37)は伸縮可能な弾性材から成るため、その圧入状態のままに放置しても支障を与えるおそれがなく、現場作業性の向上に役立つ。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る排水性舗装覆工型伸縮設備を施工した橋梁の概略的な断面図である。
【図2】図1から橋脚上の伸縮部を抽出して示す平面図である。
【図3】図2の中央横断面図である。
【図4】図1の伸縮部を抽出した拡大図であって、排水性舗装の通行車両による踏圧部分帯域を示している。
【図5】図4の5−5線断面図である。
【図6】図4の一部を抽出した拡大図である。
【図7】図6に対応する伸縮用目地の拡大状態を示す断面図である。
【図8】図4に対応する排水性舗装の非踏圧部分帯域を示す断面図である。
【図9】図8の一部を抽出した拡大図である。
【図10】図8の透水パッキングを抽出して示す斜面図である。
【図11】伸縮継手を抽出して示す斜面図である。
【図12】図11の断面図である。
【図13】伸縮継手の隣り合う一対を示す側面図である。
【図14】図13からの接続状態を示す一部切欠きの側面図である。
【図15】別な防水シールが付属する伸縮継手を示す図12に対応する断面図である。
【図16】本発明に係る排水性舗装覆工型伸縮設備の施工過程を示す断面図である。
【図17】図16のバックアップ材を抽出して示す斜面図である。
【図18】別なバックアップ材を抽出して示す斜面図である。
【図19】図16に後続する伸縮用目地の切り抜き状態を示す断面図である。
【図20】図19に後続するグラウト材の充填過程を示す断面図である。
【図21】伸縮用目地の仕切り状態を示す斜面図である。
【図22】流動分配板の使用によるグラウト材の充填過程を示す拡大断面図である。
【図23】図22に後続する伸縮用目地の開口状態を示す断面図である。
【図24】図22に対応するグラウト材の別な充填過程を示す断面図である。
【符号の説明】
(1)・橋脚
(2)・コンクリート床版
(3)・主桁
(6)・後打ちコンクリート
(6a)・凹段面
(7)・排水性舗装
(8)・防水性基層
(10)・伸縮用目地
(11)・グラウト材
(18)・防水パッキング
(19)・透水パッキング
(20)・透水孔
(21a)(21b)・傾斜壁プレート
(22a)(22b)・天井プレート
(23a)(23b)・アンカー筋
(27a)(27b)・補強リブ
(29a)(29b)・補強筋
(30a)(30b)・接続片
(32)・防水シール
(33)・クッションパッド
(33a)・防水被膜
(34)・埋込み凹所
(35a)・堰止め直杆
(35b)・堰止め台
(36)・振れ止め片
(37)・防水仕切り板
(38)・流動分配板
(39)・防水パッキング
(40)・橋台
(42)・目地(切削目地)
(B)・バックアップ材
(J)・伸縮継手
(M)・粒状骨材
(X)・排水性舗装の非踏圧部分帯域
(Z)・排水性舗装の踏圧部分帯域
(H)・伸縮継手の高さ
(O)(O1)(O2)・目地の開口幅
(S1)・遊間
(S2)・伸縮許容間隙

Claims (13)

  1. コンクリート床版(2)の遊間(S1)を挟むほぼハ字型の対向状態に設置された伸縮継手(J)と、
    その伸縮継手(J)の向かい合う相互間に介挿一体化された伸縮可能な防水シール(32)と、
    上記コンクリート床版(2)に対する伸縮継手(J)の支保工として、その伸縮継手(J)の上端部とほぼ面一な一定厚み(T1)だけ打設された後打ちコンクリート(6)と、
    上記伸縮継手(J)と後打ちコンクリート(6)へ1層として、上方から覆工された一定厚み(T3)の排水性舗装(7)とを備え、
    その排水性舗装(7)における上記コンクリート床版(2)の遊間(S1)と対応位置する部分を、その遊間(S1)の伸縮作用に追従できる必要な開口幅(O)の目地(10)として切り抜き分離すると共に、
    上記伸縮用目地(10)の周辺を通行車両により繰り返し踏圧される一定幅(W1)の踏圧部分帯域(Z)に限って、その排水性舗装(7)のポーラスな組織体内へ浸透させたグラウト材(11)により、高強度に固形化したことを特徴とする橋梁の排水性舗装覆工型伸縮設備。
  2. 通行車両により繰り返し踏圧される一定幅(W1)の踏圧部分帯域(Z)では、その目地(10)の開口内部へ伸縮可能な防水パッキング(18)を、
    通行車両により踏圧されない残余の非踏圧部分帯域(X)では、同じく目地(10)の開口内部へ伸縮可能な透水パッキング(19)を、
    その収縮するも排水性舗装(7)の路面から隆起しない形態に各々詰め込み一体化したことを特徴とする請求項1記載の橋梁の排水性舗装覆工型伸縮設備。
  3. 伸縮継手(J)と後打ちコンクリート(6)へ1層として、上方から覆工された排水性舗装(7)の一定厚み(T3)を、その橋梁一般部での厚み(T4)と同等に設定するか、
    又は橋梁一般部での厚み(T4)よりも、約30mmを最大限度とする一定寸法(G)だけ厚肉に設定したことを特徴とする請求項1記載の橋梁の排水性舗装覆工型伸縮設備。
  4. 伸縮継手(J)を後打ちコンクリート(6)の厚み(T1)とほぼ同等の一定高さ(H)だけハ字型に起立する対称な一対の傾斜壁プレート(21a)(21b)と、
    その両傾斜壁プレート(21a)(21b)の上端部から互いに離反する斜め上方へ連続一体に曲げ出されて、排水性舗装(7)の支持床として機能し得る天井プレート(22a)(22b)とから形作り、
    両傾斜壁プレート(21a)(21b)内の中途高さ位置へ伸縮可能な弾性材の防水シール(32)を介挿一体化すると共に、
    同じく両傾斜壁プレート(21a)(21b)の中途高さ位置からアンカー筋(23a)(23b)と鋼板製補強リブ(27a)(27b)との複数づつを、その何れも互いに離反する方向へ且つ一定な間隔ピッチを保つ交互の分布状態として、各々一体的に張り出したことを特徴とする請求項1記載の橋梁の排水性舗装覆工型伸縮設備。
  5. アングル型鋼板や曲げ加工鋼板からの対称なほぼハ字型として向かい合う相互間に予じめ伸縮可能な防水シール(32)が介挿一体化されている伸縮継手(J)を、コンクリート床版(2)の遊間(S1)と対応位置する付近に刳り取った埋込み凹所(34)へ、その遊間(S1)を挟む対向状態に挿入セットして、
    その伸縮継手(J)の上端部とほぼ面一な一定厚み(T1)だけ後打ちコンクリート(6)を打設することにより、上記伸縮継手(J)をその埋込み凹所(34)へ埋設一体化した後、
    上記伸縮継手(J)の向かい合う相互間へ上方から排水性舗装(7)の封止床となるバックアップ材(B)を載置セットした状態のもとで、その伸縮継手(J)と上記後打ちコンクリート(6)へ上方から一定厚み(T3)の排水性舗装(7)を1層だけ覆工し、
    引き続き、その排水性舗装(7)における上記コンクリート床版(2)の遊間(S1)と対応位置する部分に伸縮用目地(10)を切り抜き加工して、その目地(10)から上記バックアップ材(B)を取り出し除去した後、
    上記伸縮継手(J)の向かい合う相互間へやはり上方からグラウト材(11)の封止床となる伸縮可能なクッションパッド(33)を、その防水シール(32)との積層状態に詰め込み一体化し、
    その後、上記排水性舗装(7)の通行車両により踏圧される一定幅(W1)の踏圧部分帯域(Z)に限って、その目地(10)の開口内部からと路面の上方から、グラウト材(11)を排水性舗装(7)のポーラスな組織体内へ浸透状態に充填することにより、上記目地(10)の周辺を高強度に固形化し、
    最後に、その目地(10)の開口内部へ伸縮可能な透水パッキング(19)を詰め込み一体化することを特徴とする橋梁における排水性舗装覆工型伸縮設備の施工法。
  6. コンクリート床版(2)の遊間(S1)に追従する伸縮用目地(10)の開口幅(O)を、その夏期や暖熱地における高温条件下での狭い開口幅(O1)から排水性舗装(7)の切り抜き加工によって、夏期や積雪寒冷地における低温条件下での広い開口幅(O2)へ仕様変更することを特徴とする請求項5記載の橋梁における排水性舗装覆工型伸縮設備の施工法。
  7. 排水性舗装(7)のポーラスな組織体内へ浸透状態に充填するグラウト材(11)として、セメントと水との混合物へシリカサンドやエメリー、珪石などの各種硬質骨材を加えて調製した常温型の泥状物質か、
    又は水性アクリルエマルジョンにガラスビーズやゴムチップ、鉄粉などの各種硬質骨材を混合して加熱調製した高温型の液状物質を採用することを特徴とする請求項5記載の橋梁における排水性舗装覆工型伸縮設備の施工法。
  8. コンクリート床版(2)の遊間(S1)に追従する伸縮用目地(10)の開口幅(O)が最も広い開口幅(O2)として切り抜き加工された場合でも、その目地(10)の周辺を依然高強度な固形状態に維持し得る程度として、上記目地(10)の最も広い開口幅(O2)に適当な余裕代を加えた一定長さ(L2)分に限っては、排水性舗装(7)における一定な厚み(T3)の全体分にグラウト材(11)を充填することを特徴とする請求項5記載の橋梁における排水性舗装覆工型伸縮設備の施工法。
  9. グラウト材(11)を排水性舗装(7)へ短かくとも後打ちコンクリート(6)の一定長さ(L1)とほぼ同等の長さ分だけ充填し、且つその排水性舗装(7)の路面から伸縮用目地(10)を横断中心線とするほぼ対称な菱型や、その他の両端が先細りとなる平面輪郭形状として表出させること特徴とする請求項5記載の橋梁における排水性舗装覆工型伸縮設備の施工法。
  10. 排水性舗装(7)における一定幅(W1)の踏圧部分帯域(Z)に限っては、その伸縮用目地(10)の開口内部へほぼΩ型のゴムやその他の伸縮可能な弾性材から成る防水パッキング(39)を詰め込み一体化し、
    その防水パッキング(39)をグラウト材(11)の封止床並びに流動分配板(38)として、これによりグラウト材(11)を排水性舗装(7)のポーラスな組織体内へ横向き分配状態に浸透させた後、上記防水パッキング(39)をそのままでの詰め込み状態に放置することを特徴とする請求項5記載の橋梁における排水性舗装覆工型伸縮設備の施工法。
  11. 排水性舗装(7)のバックアップ材(B)として、鉄筋や鋼管などの堰止め直杆(35a)とフラットバーの振れ止め片(36)とから溶接一体化された倒立振り子型か、
    又は鋼板の堰止め台(35b)と同じくフラットバーの振れ止め片(36)とから溶接一体化されたT字型を採用し、
    そのバックアップ材(B)の上記堰止め直杆(35a)又は堰止め台(35b)を伸縮継手(J)の向かい合う相互間へ、上方から安定良く係止させることを特徴とする請求項5記載の橋梁における排水性舗装覆工型伸縮設備の施工法。
  12. 伸縮継手(J)の向かい合う相互間へ詰め込み一体化するクッションパッド(33)並びに伸縮用目地(10)の開口内部へ詰め込み一体化する透水パッキング(19)として、その何れもスポンジを採用することを特徴とする請求項5記載の橋梁における排水性舗装覆工型伸縮設備の施工法。
  13. 排水性舗装(7)における一定幅(W1)の踏圧部分帯域(Z)と、その通行車両により踏圧されない残余の非踏圧部分帯域(X)とを仕切るため、その伸縮用目地(10)の開口内部へ伸縮可能な弾性材の防水仕切り板(37)を圧入一体化した後、
    上記踏圧部分帯域(Z)に限ってその目地(10)の開口内部へグラウト材(11)を流し込むことにより、そのグラウト材(11)を上記目地(10)の内壁面から排水性舗装(7)のポーラスな組織体内へ浸透状態に充填することを特徴とする請求項5記載の橋梁における排水性舗装覆工型伸縮設備の施工法。
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