JP4227600B2 - 排水型舗装道路用の舗装路面工法、およびそれによる排水型舗装道路 - Google Patents

排水型舗装道路用の舗装路面工法、およびそれによる排水型舗装道路 Download PDF

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Description

この発明は、舗装道路の冬期間における凍結防止技術に関連するあらゆる分野をその技術分野とするものであって、舗装道路を建設する分野は勿論のこと、その建設に必要とする設備、機械、器具類を提供、販売する分野から、それら資材や機械装置、部品類に必要となる素材、例えば、木材、石材、各種繊維類、プラスチック、各種金属材料等を提供する分野、それらに組み込まれる電子部品やそれらを集積した制御関連機器の分野、各種計測器の分野、当該設備、器具を動かす動力機械の分野、そのエネルギーとなる電力やエネルギー源である電気、オイルの分野といった一般的に産業機械と総称されている分野、更には、それら設備、器具類を試験、研究したり、それらの展示、販売、輸出入に係わる分野、将又、それらの使用の結果やそれを造るための設備、器具類の運転に伴って発生するゴミ屑の回収、運搬等に係わる分野、それらゴミ屑を効率的に再利用するリサイクル分野、その他現時点で想定できない新たな分野までと、関連しない技術分野はない程である。
(着目点)
我が国における国・県道等の主要な幹線道路では、冬季間の積雪を24時間体制で除雪するよう道路交通網の維持、管理がなされており、このような場面での除雪作業は、一般的に車両通行区画内に積もった雪を、除雪トラックやグレーダー、ロータリー車等を動員し、道路脇に排除して自動車の通行を可能にするものである。
しかし、このようにしてできた道路脇の雪堤は、昼間の気温の上昇に伴って次第に融け出し、車両通行区画内に染み出して舗装路面上に薄い水の膜を形成することとなり、日中における気温の急激な低下や、夕方から早朝に掛けての低温によって凍結し、ドライバーにとって乾いた道路と殆ど見分けが付かない、所謂ブラックアイスバーンを形成してしまい、スリップ事故の原因となってしまうことが懸念されることから、そのような事態を回避するために凍結防止剤の散布が欠かせず、この除雪作業の回数とそのための経済的な負担とを増大させる要因の一つとなっていた。
(従来の技術)
こうした弊害を解消しようとして既に様々な凍結防止技術が開発済みであり、例えば、カーブ外側の路面バンク角における高所側となる車両通行区画と路側帯との間付近に沿う舗装路面上に、車両通行方向に深さ6・、幅9・程度の溝を60・程度の間隔で複数平行に加工する所謂グルービング工法を施し、車両通行区画内の路面上に雪融け水が流入するのを阻止すると共に、車の横滑りを防止することが行われている外、特開平11-280016号公報に開示された「凍結抑制機能を有する舗装道路の施工方法」発明のように、舗装路面に車両通行方向に車両寸法のトレッドに幅を合わせた一対のレール状の溝を刻設し、これらの溝に弾性舗装材を流し込むことにより、車両通行の際の荷重によって弾性舗装材上の圧雪や氷を破壊して路面の凍結を防止する技術や、特開平8-53808号公報の「透水性歩道ブロック」発明のように、道路の一側部に複数個が連設、施工され歩道路面の一部を形成する矩形ブロック体の表面に、複数の通水孔を形成し、その内部に通水孔に連通する集水溝を設けたものとし、歩道路面上の排水を速やかに行うと共に、その凍結を阻止する技術等に代表されるとおりである。
しかし、舗装路面上にグルービング工法を施しただけでは、路面上に大量の雪融け水が流出するような場合にあまり大きな効果を期待できず、また、車両通行区画内の路面上であって車両トレッド幅を隔てた一対のレール状溝中に弾性舗装材を充填した舗装道路では、レール状に敷設された弾性舗装材の範囲を逸脱してしまうと通常の舗装路面上を走行することとなり、安全性を確実なものにするという技術にはなっていないという欠点があり、後者の透水性歩道ブロックは、専ら歩道路面上の排水性を高めるものであって路肩付近の雪堤から流出する雪融け水の水量を低減させることはできても、完全に解消できるものとはならないものであった。
(1)特開平11-280016号公報 (2)特開平8-53808号公報
(問題意識)
この発明は、以上のように、従前までに開発された舗装道路の凍結防止技術では、何れも除雪によって路肩にできた雪堤から生じる雪解け水が、車両通行区画内に流入して凍結してしまうのを確実に阻止できるものとはなっておらず、大雪の後等に排水処理能力を超えた場合等には水の浸入を許してしまう虞があり、このような場合に、より確実に路面凍結を防止するためには、依然として凍結防止剤の散布が不可欠であり、こうした凍結防止に要する経済的、労力的負担を削減するには、車両通行区画内に融雪水が流入するのを確実に防止するのが望ましく、これを実現できる新たな舗装道路工法の早期の開発が強く求められているというのが実情であった。
(発明の目的)
そこで、この発明は、除雪作業によって路肩に排除、山積みされた雪堤から染み出す融雪水が、車両通行区画内に流入するのを確実に阻止するようにし、夜間等にそれら路面が凍結してしまわないようにする新たな舗装路面の改良技術を提供することはできないものかとの判断から、逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な排水型舗装道路用の舗装路面工法およびそれによる排水型舗装道路を実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
(発明の構成)
図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この発明の基礎をなす排水型舗装道路用の舗装路面工法は、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、 車両用舗装道路における車両通行区画と路側帯とを区分する路面標示用の区画線を含む車両通行区画の外側範囲か、同区画線よりも外側となる適所の所定範囲かの何れか一方に、十分な深さと幅とを有する側溝状の埋設用溝を当該車両通行区画線に沿わせるように掘削し、その埋設用溝中の縦横略中央付近に沿って排水パイプを貫通するよう位置決め、配管すると共に、少なくとも低位置側となる一端を適宜排水経路に接続もしくは開放したものとしてから、同埋設用溝中に生コンクリートを充填、養成して当該排水パイプを埋設、固定した後、直上の路面標示用の区画線付近から地中の同排水パイプ中に達するよう切り込み、比較的狭幅の排水用縦溝を所定範囲に渡って形成するようにした排水型舗装道路用の舗装路面工法。である。
これを換言すると、車両用舗装道路で、車両の進行方向に対して直行する方向に傾斜している高所側における車両通行区画と路側帯とを区分する路面標示用の区画線を含む車両通行区画の外側範囲か、同区画線よりも外側となる適所の所定範囲かの何れか一方に、十分な深さと幅とを有する側溝状の埋設用溝を当該車両通行区画線に沿わせるように掘削し、その埋設用溝中の縦横略中央付近に沿って排水パイプを貫通するよう位置決め、配管すると共に、少なくとも低位置側となる一端を適宜排水経路に接続もしくは開放したものとしてから、同埋設用溝中に生コンクリートを充填、養成して当該排水パイプを埋設、固定して埋め戻し、元の路面と同等に修復した後、直上の路面標示用の区画線付近から、前記で埋設済みとした同排水パイプ中に達するよう舗装カッターで切り込み、比較的狭幅の排水用縦溝を所定範囲に渡って形成するようにした排水型舗装道路用の舗装路面工法となる。
さらに別の表現で表すと、車両用舗装道路で、車両の進行方向に対して直行する方向に傾斜している高所側における車両通行区画と路側帯とを区分する路面標示用の区画線を含む車両通行区画の外側範囲か、同区画線よりも外側となる適所の所定範囲かの何れか一方に、十分な深さと幅とを有する側溝状の埋設用溝を当該車両通行区画線に沿わせるように掘削し、その埋設用溝中の縦横略中央付近に沿って排水パイプを貫通するよう位置決め、配管すると共に、少なくとも低位置側となる一端を適宜排水経路に接続もしくは開放したものとしてから、同埋設用溝中に生コンクリートを充填、養成して当該排水パイプを埋設、固定して埋め戻し、元の路面と同等に修復した後、直上の路面標示用の区画線付近に舗装カッターで切り込み、比較的浅い異物排除用凹欠溝を刻設した上、該凹欠溝の略中央に沿わせ、前記で埋設済みとした同排水パイプ中に達するよう比較的狭幅の排水用縦溝を所定範囲に渡って形成するようにした排水型舗装道路用の舗装路面工法ということもできる。
(関連する発明1)
これら上記した排水型舗装道路用の舗装路面工法に関連し、この発明には、その排水型舗装道路用の舗装路面工法よる排水型舗装道路も包含している。
即ち、車両用舗装道路における車両通行区画と路側帯とを区分する路面標示用の区画線に沿う所定深さ位置に埋設され、適宜排水経路に接続もしくは開放された排水パイプに対し、直上の路面標示用の区画線付近から地中の当該排水パイプ中に達するよう比較的狭幅の排水用縦溝を切り込み形成してなるものとした、前記この発明の舗装路面の凍結抑止方法による排水型舗装道路である。
より具体的には、車両用舗装道路で、車両の進行方向に対して直行する方向に傾斜している高所側における車両通行区画と路側帯とを区分する路面標示用の区画線に沿う所定幅および所定深さ範囲に形成したコンクリート層中に一体的に埋設され、適宜排水経路に接続もしくは開放された排水パイプに対し、直上の路面標示用の区画線付近からコンクリート層を貫いて当該排水パイプ中に達するよう比較的狭幅の排水用縦溝を切り込み形成してなるものとした排水型舗装道路ということができる。
そして、さらに具体的なものとして示すと、車両用舗装道路で、車両の進行方向に対して直行する方向に傾斜している高所側における車両通行区画と路側帯とを区分する路面標示用の区画線に沿う所定幅および所定深さ範囲に形成したコンクリート層中に一体的に埋設され、適宜排水経路に接続もしくは開放された排水パイプに対し、直上の路面標示用の区画線付近からコンクリート層を貫き、当該排水パイプ中に達するよう比較的狭幅の排水用縦溝を切り込み形成すると共に、該排水用縦溝の上端に沿って同排水用縦溝よりも僅かに幅広く、比較的浅い異物排除用凹欠溝を刻設してなるものとした排水型舗装道路であるといえる。
以上のとおり、この発明の排水型舗装道路用の舗装路面工法によれば、気温の上昇に伴い、除雪作業によって路側帯側に山積みされる雪堤から染み出した雪融け水が、車両通行区画の区画線付近に達すると強制的に排水用縦溝に流入、処理されるようにし、車両通行区画内に入り込むことができず、直下に埋設された排水パイプ中に落下して適宜排水経路を経てそのまま排水されてしまうようにしてあることから、雪堤からの融雪水に拘わらず車両通行区画内の舗装路面を乾燥した状態に保つことができ、したがって、夜間から早朝に掛けての気温低下による凍結現象を無くし、従前までのような凍結防止剤の散布によらなくてもスリップによる事故の発生を確実に防止することができるという顕著な特徴を発揮し、重ねて、日中には、後続して追随する車両が、前の車両の水撥ねによるフロントグラスの汚れに気を取られて起こす事故防止や、車両の汚れを気にして神経を使った走行も避けることが可能にするなどといった数々の秀れた特徴が得られる。
また、この発明の排水型舗装道路によれば、舗装道路の車両通行区画と路側帯とを区分する路面標示用の区画線付近に沿って排水用縦溝を形成し、舗装路面の路肩側と車両通行区画とを狭幅ながら完全に分離してしまうものとしたことから、路側帯付近に積み上げられた雪堤から染み出し、車両通行区画側へ広がって行こうとする雪融け水の全てを、地中に埋設された排水パイプ中に強制的に導き、舗装道路の外側となる適所に排水できるようにするため、車両通行区画内路面におけるブラックアイスバーンの発生を確実に阻止して、舗装道路における冬期間の安全性を格段に高めることができるという顕著な効果を奏することになる。
さらに、この発明に包含される舗装路面工法によれば、既存の舗装道路か、新設の道路施設かに関わらず、路側帯付近に沿う所定幅範囲を所定深さに掘削して形成した埋設用溝内に排水パイプを配管し、生コンクリートを充填、養成するという比較的簡便な工事によって設置することが可能であり、しかも道路の拡幅工事や長期間に渡る通行止め等を必要とせず、安全で工事期間中に周辺交通に及ぼす影響も極力抑えることができる上、排水用縦溝の加工も養成、硬化したコンクリートに舗装カッター等の道路工事用機械を使用して迅速に行うことが可能であり、グレーティングのような蓋型金具類を使用しなくても実現でき、経済的になると共に安全な構造のものとして施工、実現することができるという効果を発揮し得ることとなる。
上記したとおりの構成からなるこの発明の実施に際し、その最良もしくは望ましい形態について説明を加えることにする。
先ず、排水パイプは、路肩の積雪あるいは雪堤から染み出し、舗装路面上に広がろうとする雪融け水を排水用縦溝を通じて受け止め、適宜排水経路を経て舗装路面上以外の適所に排水可能とするという機能を果たすものであり、流下して来る雪融け水を溢れさせることなく収容、排水可能とする程度に十分な容量(内径寸法)を有するものとしなければならず、合成樹脂製パイプを用いるのが最も好都合ではあるが、防錆処理等が十分に施された金属製パイプ、あるいは道路の曲率に合わせて接続可能としたコンクリート製パイプ等とすることも勿論可能である。
排水用縦溝は、路側帯付近の積雪や雪堤等から車両通行区画に向けて染み出す雪融け水を、所定深さに埋設されている排水パイプ中に誘導、流下させるものであって、車両通行区画と路側帯とを区分する区画線付近の舗装路面を、路側帯側の一面と、これとは分断された車両通行区画側の別の一面とに分離し、両者の舗装路面間での水の流れを完全に切り離してしまうという機能を果たすものであり、当該縦溝を挟んで対峙する両舗装路面間に所定狭幅と、所定深さに設定されたものとし、その下端が排水パイプに繋がっているものにすると共に、車両や自転車の走行および歩行者の交通に障害とならず、十分な安全を確保できる程度に狭い幅寸法に設定しなければならず、区画線に沿う鉛直状に切り込まれたものとするか、あるいは、下端側を路側帯側に向けて僅かに傾斜させたものとすることもでき、舗装路面のアスファルトおよびコンクリート層を貫く鉛直平板状あるいは平面形状を、舗装道路区画線に沿って湾曲させた鉛直板状にしたものとすることが可能であり、車両通行区画外側縁と区画線との間か、区画線幅内か、あるいは区画線外側縁から路側帯を含む範囲かの何れかに開口するよう形成することができ、これらの範囲を跨いで切り込み形成したものとすることも可能である。
異物排除用凹欠溝は、排水用細溝の上端開口から流入しようとする雪融け水に混じった小石や塵埃等の異物を堰き止め状とし、それらが排水用縦溝中および排水パイプ中に落下、流入してしまうのを防止するためのもので、グレーティングなど施蓋金具を使用しても差し支えはないが、それら金具が外れて不測の事態を惹起する危険性を考慮すれば、この異物排除用凹欠溝によるものとするのが望ましく、車両のタイヤが排水用縦溝上を走行したときに、排水縦溝中に小石等を食い込ませてしまうことを防止するという機能を果たすものであり、排水用縦溝の幅寸法よりも僅かに大きな左右幅のものに設定し、異物の堰き止め機能を高めるため、排水用縦溝から路側帯側となる凹欠幅寸法を車両通行区画側よりも幾分大きく設定したものとすることができる。
コンクリート層は、排水パイプを地中の所定深さ位置に確実に固定、支持する構造物となり、しかも工事用機械を用いて排水用縦溝を切り込み加工可能とし、排水用縦溝を形成した後には、その溝形状を維持可能とするものとなるという機能を果たし、車両通行区画と路側帯とを区分する区画線に沿う所定幅および所定深さ範囲に掘削された埋設用溝内に生コンクリートを充填、養成して形成し、前記区画線に沿う内部適所に排水パイプを配管したものとしなければならず、コンクリート肉厚中に適宜補強用の鉄筋を配したものとすべきであり、コンクリート層上面を舗装路面に露出させたものとすることが出来る外、コンクリート層の上面に車両通行区画の路面に連続するアスファルト層を形成したものとすることができる。
埋設用溝は、排水パイプを所定深さの地中に配管し、固定および支持すると共に、排水用縦溝の切り込み加工対象となるコンクリート層を実現可能とする空間を形成する機能を果たすものであって、車両通行区画と路側帯とを区分する区画線に沿って掘削された側溝状に形成されたものとしなければならず、排水パイプを配管した上、生コンクリートを充填、養成することによって埋め戻すべきであり、完成状態においては、車両通行区画と路側帯とを比較的平坦な舗装面とするよう仕上げたものとするのが望ましい。
排水経路は、排水パイプに流入した雪融け水や雨水等を、少なくとも車両通行区画以外となる適正な箇所に排水可能とする機能を果たすものであり、排水パイプの少なくとも一端または両端、あるいは中途適所もしくは中途複数箇所を接続可能な排水路とするのが望ましく、例えば路側帯に埋設された排水路とすることができる外、特に排水路への接続を行わずに、路肩外側の法面に排水パイプの端部を露出、開放させて法面伝いに排水してしまう構造とすることもできる。
以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構造について詳述することとする。
図1の排水型舗装道路における要部断面図、図2の一部に変更を加えた排水型舗装道路における要部断面図、および図3の排水パイプの排水経路への接続例を示す断面図に示す事例は、車両用舗装道路1における車両通行区画11と路側帯12とを区分する路面標示用の区画線13に沿う所定深さ位置に埋設、配管されて適宜排水経路14に接続もしくは開放された排水パイプ3に対し、直上の路面標示用の区画線13付近から地中の当該排水パイプ3中に達するよう比較的狭幅の排水用縦溝4を切り込み形成したものとしてなるこの発明の舗装路面の凍結抑止方法用の排水型舗装道路における代表的な一実施例を示すものであり、以下では、この発明に包含される舗装路面工法による施工手順に従い、排水型舗装道路の構造について具体的に示して行くこととする。
図4の排水型舗装道路を施工するのが望ましいカーブ道路の斜視図中に斜線で示すように、車両用舗装道路1のカーブ外側(高所側)となる路側帯12に除雪作業によってできた雪堤Sから、カーブ内側(低所側)に向けて雪融け水Wが染み出すように流下してしまうような場所は、車両が制動や操舵しながら通過するため凍結したときに最も危険性が高まる区間といえ、優先的にこの発明による舗装路面の凍結抑止方法を採用すべきであるといえる。
同図4中に示すように、既存の車両用舗装道路1における車両通行区画11内に雪融け水が流入する区間の、カーブ外側(路面バンク角高所側)の車両通行区画11とその路側帯12とを区分する区画線13を含み、車両通行区画11の外側となる路側帯12側に、図1中に示すように、幅300ないし500・、深さ300ないし500・の側溝状の埋設用溝21を掘削し、該埋設用側溝21内には図示していないが適宜配筋を施し、中央付近に沿う深さ100ないし150・前後の位置に内径100ないし150・の塩化ビニル製もしくは防錆処理の施された鋼管製の排水パイプ3を配管する。
当該排水パイプ3は、その両端を同図1中に破線で示すように、近接する排水経路としての路側帯12下に埋設された排水側溝14に接続すると共に、必要に応じて中途適所の一箇所もしくは複数箇所を適宜分岐させ、近接する側溝14に接続したものとすることが可能であり、また、図3の排水経路に開放した排水パイプの断面図中に示すように、排水パイプ3の一端または両端、あるいは中途適所から分岐させた配管路を、車両用舗装道路1の外側に形成された法面15等に開口させたものとすることができる。
配管を終えた排水パイプ3の外側となる埋設用溝21中に、生コンクリートを周囲アスファルト路面と面一状とするまで充填して前記鉄筋諸共、排水パイプ3を埋め戻し、養成した後に車両通行区画11の外側縁に沿う当該コンクリート層2上面縁に沿って区画線13の線引き作業を行った上、図示しない舗装カッターを用いて、コンクリート層2上面から排水パイプ3中に達する、幅10・の垂直状の排水用縦溝4を区画線13に平行するように切り込み、該舗装カッターの図示しない切り刃根本側に形成した異形カッター部分で、排水用縦溝4の上端開口縁に沿う左右両側に幅10・、深さ10・の左右合計幅30・となる異物排除用凹欠溝41を同時切削して行く。
排水用縦溝4は、図2中に示すように異物排除用凹欠溝41を形成しないものとすることも可能であり、また、コンクリート層2上面にも周囲のアスファルト路面を延長して埋設、隠蔽状としてしまい、排水用縦溝4やその外側の異物排除用凹欠溝41のみがアスファルト路面に露出したものとするよう設置することもできるが、夏季の高温によって軟化したアスファルトが車両の通行荷重を受けて変形し、排水用縦溝4を塞ぐことがないよう、排水用縦溝4やその外側の異物排除用凹欠溝41の開口縁(コンクリート層2の一部)のみを路面から僅かに突出させるよう形成する等の改良を施すのが好ましい。
(実施例の作用)
以上のとおりの構成からなる実施例の排水型舗装道路およびそれを施工する舗装路面工法の作用と共に、当該凍結抑止方法を示して行くこととする。
図1または図2中に示したように、車両用舗装道路1のカーブ外側となる路側帯12に区画線13に沿うよう当該排水パイプ3を埋設し、路面から排水パイプ3に達する略垂直な排水用縦溝4を切り込み形成したものとすると、除雪作業によって路側帯12側に形成された雪堤Sから溶け出し、路面バンク角に誘導されて同図1中に白抜き矢印で示すように、車両通行区画11側に流れ下ろうとする雪融け水Wは、区画線13に達する直前で悉く排水用縦溝4に阻まれ、排水パイプ3中に落下、集流されて速やかに排水側溝14に排水され、区画線13付近を境に車両通行区画11内の舗装路面は乾燥状態を維持する。
図1中の異物排除用凹欠溝41は、雪留め水Wの流れによって路肩の小石や塵埃等が流されてきたとき、排水用縦溝4の開口部周囲の凹欠形状部分に、これらの異物を落下させて流水から分離し、排水用縦溝4中に異物が浸入してしまうのを阻止する。
そして、排水パイプ3に流入した雪融け水Wは、当該排水パイプ3の一端または両端、および必要に応じて設けられた分岐配管が、図1および図2中に示す排水側溝14や、図3中に示す法面15等に至る排水経路に接続あるいは開放されており、滞りや溢れによる逆流等を生じること無く比較的円滑且つ速やかに排水されることとなる。
(実施例の効果)
以上のような構成からなる実施例の排水型舗装道路、ならびに舗装路面工法およびそれによる舗装路面の凍結抑止方法は、前記この発明の効果の項で記載の特徴に加え、図1中に示したとおり、排水用縦溝4の上端開口縁に異物排除用凹欠溝41を形成してあることから、危険性が伴うグレーチィング等の金物によらないでも排水用縦溝4に小石や塵埃等の異物が入り込んでしまい、次第に排水性能を低下させてしまう現象を防止することができるという利点がある。
排水パイプ3は、内径を100ないし150・という比較的大きな配管パイプを使用したことにより、十分な排水許容量を確保すると共に、その一端または両端、および中途適所の一箇所あるいは複数適所を、必要に応じて分岐させるものとして図1または図2中に示したように、路側帯12側に埋設された排水側溝14に接続し、あるいは図3中に示したように、車両用舗装道路1の路肩法面15に開口させるよう配管したことにより、排水パイプ3中に一旦誘導した融雪水Wを、速やかに排水して車両通行区画11に逆流してしまうのを確実に防止できるようにし、より信頼性の高い凍結防止策になるという効果が得られる。
また、コンクリート層2は、車両通行区画11の外側縁に沿って幅300ないし500・、深さ300ないし500・に設定し、内部に排水パイプ3と図示しない鉄筋とを一体化したものとなっているので、車両通行区画11を外側から補強する補強構造物としても十分な肉厚と強度とを有するものであり、特に重量物を搭載した大型車両等が多く通行するような幹線道路の路肩を補強する機能も発揮するものとなり、また、冬季以外にも車両通行区画11内に流れ込もうとする雨水を効率的に排水し、高速道路等では大きな事故に繋がるおそれが非常に高いとされるハイドロプレーニング現象を防止することにもなるという大きな利点もある。
(結 び)
叙述の如く、この発明の基礎をなす排水型舗装道路用の舗装路面工法およびそれによる排水型舗装道路は、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、しかも既存の舗装道路か、新設の道路であるかの違いに関わらず、その実施も容易で、従前からのロードヒーティングシステムの採用や、冬期間中に渡り繰り返し散布される凍結防止剤の等に比較して遙かに経済的に路面の凍結を防止することができる上、除雪作業の負担を大幅に削減して国・都道府県道、市町村道および高速自動車国道等を含む車両用舗装道路を管理する各自治体や道路公団関係者等や、凍結を防止して安全性に秀れた道路管理を切望する全てのドライバーからも高い評価がなされ、その確実な効能から広範に利用、普及していくものになると予想される。
図面は、この発明の排水型舗装道路用の舗装路面工法およびそれによる排水型舗装道路の技術的思想を具現化した代表的な幾つかの実施例を示すものである。
排水型舗装道路の要部を車両の通行方向に直行する方向に切断して示した断面図である。 一部に変更を加えた排水型舗装道路を示す断面図である。 排水経路を路肩法面に開放した排水型舗装道路の要部を示す断面図である。 カーブ付近で雪解け水が路面上に染み出す従来型の舗装道路を示す斜視図である。
符号の説明
1 車両用舗装道路
11 同 車両通行区画
12 同 路側帯
13 同 路面標示用の区画線
14 同 排水側溝(排水経路)
15 同 法面
2 コンクリート層
21 同 埋設用溝
3 排水パイプ
4 排水用縦溝
41 同 異物排除用凹欠溝
S 雪堤
W 雪融け水

Claims (3)

  1. 車両用舗装道路における車両通行区画と路側帯とを区分する路面標示用の区画線を含む車両通行区画の外側範囲か、同区画線よりも外側となる適所の所定範囲かの何れか一方に、十分な深さと幅とを有する側溝状の埋設用溝を当該車両通行区画線に沿わせるように掘削し、その埋設用溝中の縦横略中央付近に沿って排水パイプを貫通するよう位置決め、配管すると共に、少なくとも低位置側となる一端を適宜排水経路に接続もしくは開放したものとしてから、同埋設用溝中に生コンクリートを充填、養成して当該排水パイプを埋設、固定した後、直上の路面標示用の区画線付近から地中の同排水パイプ中に達するよう切り込み、比較的狭幅の排水用縦溝を所定範囲に渡って形成するようにしたことを特徴とする排水型舗装道路用の舗装路面工法。
  2. 車両用舗装道路で、車両の進行方向に対して直行する方向に傾斜している高所側における車両通行区画と路側帯とを区分する路面標示用の区画線を含む車両通行区画の外側範囲か、同区画線よりも外側となる適所の所定範囲かの何れか一方に、十分な深さと幅とを有する側溝状の埋設用溝を当該車両通行区画線に沿わせるように掘削し、その埋設用溝中の縦横略中央付近に沿って排水パイプを貫通するよう位置決め、配管すると共に、少なくとも低位置側となる一端を適宜排水経路に接続もしくは開放したものとしてから、同埋設用溝中に生コンクリートを充填、養成して当該排水パイプを埋設、固定して埋め戻し、元の路面と同等に修復した後、直上の路面標示用の区画線付近から、前記で埋設済みとした同排水パイプ中に達するよう舗装カッターで切り込み、比較的狭幅の排水用縦溝を所定範囲に渡って形成するようにしたことを特徴とする排水型舗装道路用の舗装路面工法。
  3. 車両用舗装道路で、車両の進行方向に対して直行する方向に傾斜している高所側における車両通行区画と路側帯とを区分する路面標示用の区画線を含む車両通行区画の外側範囲か、同区画線よりも外側となる適所の所定範囲かの何れか一方に、十分な深さと幅とを有する側溝状の埋設用溝を当該車両通行区画線に沿わせるように掘削し、その埋設用溝中の縦横略中央付近に沿って排水パイプを貫通するよう位置決め、配管すると共に、少なくとも低位置側となる一端を適宜排水経路に接続もしくは開放したものとしてから、同埋設用溝中に生コンクリートを充填、養成して当該排水パイプを埋設、固定して埋め戻し、元の路面と同等に修復した後、直上の路面標示用の区画線付近に舗装カッターで切り込み、比較的浅い異物排除用凹欠溝を刻設した上、該凹欠溝の略中央に沿わせ、前記で埋設済みとした同排水パイプ中に達するよう比較的狭幅の排水用縦溝を所定範囲に渡って形成するようにしたことを特徴とする排水型舗装道路用の舗装路面工法。
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