JP4227600B2 - 排水型舗装道路用の舗装路面工法、およびそれによる排水型舗装道路 - Google Patents
排水型舗装道路用の舗装路面工法、およびそれによる排水型舗装道路 Download PDFInfo
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Description
我が国における国・県道等の主要な幹線道路では、冬季間の積雪を24時間体制で除雪するよう道路交通網の維持、管理がなされており、このような場面での除雪作業は、一般的に車両通行区画内に積もった雪を、除雪トラックやグレーダー、ロータリー車等を動員し、道路脇に排除して自動車の通行を可能にするものである。
しかし、このようにしてできた道路脇の雪堤は、昼間の気温の上昇に伴って次第に融け出し、車両通行区画内に染み出して舗装路面上に薄い水の膜を形成することとなり、日中における気温の急激な低下や、夕方から早朝に掛けての低温によって凍結し、ドライバーにとって乾いた道路と殆ど見分けが付かない、所謂ブラックアイスバーンを形成してしまい、スリップ事故の原因となってしまうことが懸念されることから、そのような事態を回避するために凍結防止剤の散布が欠かせず、この除雪作業の回数とそのための経済的な負担とを増大させる要因の一つとなっていた。
こうした弊害を解消しようとして既に様々な凍結防止技術が開発済みであり、例えば、カーブ外側の路面バンク角における高所側となる車両通行区画と路側帯との間付近に沿う舗装路面上に、車両通行方向に深さ6・、幅9・程度の溝を60・程度の間隔で複数平行に加工する所謂グルービング工法を施し、車両通行区画内の路面上に雪融け水が流入するのを阻止すると共に、車の横滑りを防止することが行われている外、特開平11-280016号公報に開示された「凍結抑制機能を有する舗装道路の施工方法」発明のように、舗装路面に車両通行方向に車両寸法のトレッドに幅を合わせた一対のレール状の溝を刻設し、これらの溝に弾性舗装材を流し込むことにより、車両通行の際の荷重によって弾性舗装材上の圧雪や氷を破壊して路面の凍結を防止する技術や、特開平8-53808号公報の「透水性歩道ブロック」発明のように、道路の一側部に複数個が連設、施工され歩道路面の一部を形成する矩形ブロック体の表面に、複数の通水孔を形成し、その内部に通水孔に連通する集水溝を設けたものとし、歩道路面上の排水を速やかに行うと共に、その凍結を阻止する技術等に代表されるとおりである。
この発明は、以上のように、従前までに開発された舗装道路の凍結防止技術では、何れも除雪によって路肩にできた雪堤から生じる雪解け水が、車両通行区画内に流入して凍結してしまうのを確実に阻止できるものとはなっておらず、大雪の後等に排水処理能力を超えた場合等には水の浸入を許してしまう虞があり、このような場合に、より確実に路面凍結を防止するためには、依然として凍結防止剤の散布が不可欠であり、こうした凍結防止に要する経済的、労力的負担を削減するには、車両通行区画内に融雪水が流入するのを確実に防止するのが望ましく、これを実現できる新たな舗装道路工法の早期の開発が強く求められているというのが実情であった。
そこで、この発明は、除雪作業によって路肩に排除、山積みされた雪堤から染み出す融雪水が、車両通行区画内に流入するのを確実に阻止するようにし、夜間等にそれら路面が凍結してしまわないようにする新たな舗装路面の改良技術を提供することはできないものかとの判断から、逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な排水型舗装道路用の舗装路面工法、およびそれによる排水型舗装道路を実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この発明の基礎をなす排水型舗装道路用の舗装路面工法は、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、 車両用舗装道路における車両通行区画と路側帯とを区分する路面標示用の区画線を含む車両通行区画の外側範囲か、同区画線よりも外側となる適所の所定範囲かの何れか一方に、十分な深さと幅とを有する側溝状の埋設用溝を当該車両通行区画線に沿わせるように掘削し、その埋設用溝中の縦横略中央付近に沿って排水パイプを貫通するよう位置決め、配管すると共に、少なくとも低位置側となる一端を適宜排水経路に接続もしくは開放したものとしてから、同埋設用溝中に生コンクリートを充填、養成して当該排水パイプを埋設、固定した後、直上の路面標示用の区画線付近から地中の同排水パイプ中に達するよう切り込み、比較的狭幅の排水用縦溝を所定範囲に渡って形成するようにした排水型舗装道路用の舗装路面工法。である。
これら上記した排水型舗装道路用の舗装路面工法に関連し、この発明には、その排水型舗装道路用の舗装路面工法よる排水型舗装道路も包含している。
即ち、車両用舗装道路における車両通行区画と路側帯とを区分する路面標示用の区画線に沿う所定深さ位置に埋設され、適宜排水経路に接続もしくは開放された排水パイプに対し、直上の路面標示用の区画線付近から地中の当該排水パイプ中に達するよう比較的狭幅の排水用縦溝を切り込み形成してなるものとした、前記この発明の舗装路面の凍結抑止方法による排水型舗装道路である。
先ず、排水パイプは、路肩の積雪あるいは雪堤から染み出し、舗装路面上に広がろうとする雪融け水を排水用縦溝を通じて受け止め、適宜排水経路を経て舗装路面上以外の適所に排水可能とするという機能を果たすものであり、流下して来る雪融け水を溢れさせることなく収容、排水可能とする程度に十分な容量(内径寸法)を有するものとしなければならず、合成樹脂製パイプを用いるのが最も好都合ではあるが、防錆処理等が十分に施された金属製パイプ、あるいは道路の曲率に合わせて接続可能としたコンクリート製パイプ等とすることも勿論可能である。
以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構造について詳述することとする。
以上のとおりの構成からなる実施例の排水型舗装道路およびそれを施工する舗装路面工法の作用と共に、当該凍結抑止方法を示して行くこととする。
図1または図2中に示したように、車両用舗装道路1のカーブ外側となる路側帯12に区画線13に沿うよう当該排水パイプ3を埋設し、路面から排水パイプ3に達する略垂直な排水用縦溝4を切り込み形成したものとすると、除雪作業によって路側帯12側に形成された雪堤Sから溶け出し、路面バンク角に誘導されて同図1中に白抜き矢印で示すように、車両通行区画11側に流れ下ろうとする雪融け水Wは、区画線13に達する直前で悉く排水用縦溝4に阻まれ、排水パイプ3中に落下、集流されて速やかに排水側溝14に排水され、区画線13付近を境に車両通行区画11内の舗装路面は乾燥状態を維持する。
そして、排水パイプ3に流入した雪融け水Wは、当該排水パイプ3の一端または両端、および必要に応じて設けられた分岐配管が、図1および図2中に示す排水側溝14や、図3中に示す法面15等に至る排水経路に接続あるいは開放されており、滞りや溢れによる逆流等を生じること無く比較的円滑且つ速やかに排水されることとなる。
以上のような構成からなる実施例の排水型舗装道路、ならびに舗装路面工法およびそれによる舗装路面の凍結抑止方法は、前記この発明の効果の項で記載の特徴に加え、図1中に示したとおり、排水用縦溝4の上端開口縁に異物排除用凹欠溝41を形成してあることから、危険性が伴うグレーチィング等の金物によらないでも排水用縦溝4に小石や塵埃等の異物が入り込んでしまい、次第に排水性能を低下させてしまう現象を防止することができるという利点がある。
叙述の如く、この発明の基礎をなす排水型舗装道路用の舗装路面工法、およびそれによる排水型舗装道路は、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、しかも既存の舗装道路か、新設の道路であるかの違いに関わらず、その実施も容易で、従前からのロードヒーティングシステムの採用や、冬期間中に渡り繰り返し散布される凍結防止剤の等に比較して遙かに経済的に路面の凍結を防止することができる上、除雪作業の負担を大幅に削減して国・都道府県道、市町村道および高速自動車国道等を含む車両用舗装道路を管理する各自治体や道路公団関係者等や、凍結を防止して安全性に秀れた道路管理を切望する全てのドライバーからも高い評価がなされ、その確実な効能から広範に利用、普及していくものになると予想される。
11 同 車両通行区画
12 同 路側帯
13 同 路面標示用の区画線
14 同 排水側溝(排水経路)
15 同 法面
2 コンクリート層
21 同 埋設用溝
3 排水パイプ
4 排水用縦溝
41 同 異物排除用凹欠溝
S 雪堤
W 雪融け水
Claims (3)
- 車両用舗装道路における車両通行区画と路側帯とを区分する路面標示用の区画線を含む車両通行区画の外側範囲か、同区画線よりも外側となる適所の所定範囲かの何れか一方に、十分な深さと幅とを有する側溝状の埋設用溝を当該車両通行区画線に沿わせるように掘削し、その埋設用溝中の縦横略中央付近に沿って排水パイプを貫通するよう位置決め、配管すると共に、少なくとも低位置側となる一端を適宜排水経路に接続もしくは開放したものとしてから、同埋設用溝中に生コンクリートを充填、養成して当該排水パイプを埋設、固定した後、直上の路面標示用の区画線付近から地中の同排水パイプ中に達するよう切り込み、比較的狭幅の排水用縦溝を所定範囲に渡って形成するようにしたことを特徴とする排水型舗装道路用の舗装路面工法。
- 車両用舗装道路で、車両の進行方向に対して直行する方向に傾斜している高所側における車両通行区画と路側帯とを区分する路面標示用の区画線を含む車両通行区画の外側範囲か、同区画線よりも外側となる適所の所定範囲かの何れか一方に、十分な深さと幅とを有する側溝状の埋設用溝を当該車両通行区画線に沿わせるように掘削し、その埋設用溝中の縦横略中央付近に沿って排水パイプを貫通するよう位置決め、配管すると共に、少なくとも低位置側となる一端を適宜排水経路に接続もしくは開放したものとしてから、同埋設用溝中に生コンクリートを充填、養成して当該排水パイプを埋設、固定して埋め戻し、元の路面と同等に修復した後、直上の路面標示用の区画線付近から、前記で埋設済みとした同排水パイプ中に達するよう舗装カッターで切り込み、比較的狭幅の排水用縦溝を所定範囲に渡って形成するようにしたことを特徴とする排水型舗装道路用の舗装路面工法。
- 車両用舗装道路で、車両の進行方向に対して直行する方向に傾斜している高所側における車両通行区画と路側帯とを区分する路面標示用の区画線を含む車両通行区画の外側範囲か、同区画線よりも外側となる適所の所定範囲かの何れか一方に、十分な深さと幅とを有する側溝状の埋設用溝を当該車両通行区画線に沿わせるように掘削し、その埋設用溝中の縦横略中央付近に沿って排水パイプを貫通するよう位置決め、配管すると共に、少なくとも低位置側となる一端を適宜排水経路に接続もしくは開放したものとしてから、同埋設用溝中に生コンクリートを充填、養成して当該排水パイプを埋設、固定して埋め戻し、元の路面と同等に修復した後、直上の路面標示用の区画線付近に舗装カッターで切り込み、比較的浅い異物排除用凹欠溝を刻設した上、該凹欠溝の略中央に沿わせ、前記で埋設済みとした同排水パイプ中に達するよう比較的狭幅の排水用縦溝を所定範囲に渡って形成するようにしたことを特徴とする排水型舗装道路用の舗装路面工法。
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CN103643611A (zh) * | 2013-11-25 | 2014-03-19 | 湖州市妙西镇资产经营有限公司 | 一种公路沿石结构 |
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