JP2004316167A - 路面用排水溝の構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】路面内部に埋設される箱状の集水箱部11と、前記集水箱部上部に一体に設けられた樋部20と、前記樋部上部に設けられた蓋部30よりなり、前記集水箱部は、前記樋部が形成された上部の一側が多数の透水孔13が設けられた路面材被覆部12として構成されており、前記樋部は前記集水部と下部で連通しかつ上部が路面表面に現出するように形成されているとともに、前記路面材被覆部側に面する樋壁部21には多数の透水孔22が設けられている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、道路や駐車場等に設置される路面用排水溝の構造に関し、特には透水性アスファルト等からなる路面に埋設される金属製の路面用排水溝の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、道路等の路面表面の水はけ性をよくするために、透水性のあるアスファルト等で形成した透水性舗装が多用されている。このような透水性舗装にあっては、路面の雨水等は路面上面を流れるとともに舗装部内に浸透して、路面用排水溝に集水されて排水される。
【0003】
従来のこの種路面用排水溝の構造としては、コンクリート製の排水溝本体を路面に敷設して、路面表面から雨水等を集水すると同時に、透水性舗装部内に浸透した水を導入することができる構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この排水溝構造は、コンクリート製の排水溝本体を透水性舗装部の端部の縁石ブロックの内側に沿って配置し、開口側の上面が舗装部の路面高さとなるよう埋設したものである。また、排水溝本体には、透水性舗装路の端部が敷設される受容段部を有し、該受容段部に集水可能なスリットを設けて、透水性舗装部内に滲み込む雨水等を集水するように構成されている。
【0004】
ところで、この種排水溝構造にあっては、その通水路に落ち葉や土砂、ゴミ等が入り込み堆積することが避けられず、長期間の使用に伴い排水性が悪くなる嫌いがある。しかしながら、従来多用されているコンクリート製品よりなる排水構造にあっては、通水路を点検清掃のために解放することが不可能か又は困難であるために、清掃に際しては、所定の場所からホース等で水を流し込みその勢いで通水路の土砂等を強制的に押し流すようにするしかない。しかしながら、ホース等の水の勢いで通水路中の土砂等を完全に除去することは難しく、効率的に限界がある。また、その清掃作業も煩雑である。加えて、通水路の下面がコンクリートによって形成されているので、土砂等が溜まりやすい一方において、該コンクリート部の損傷が懸念される。さらに、路面内に埋設された排水溝部材は取り外しが容易ではなく、排水機能が極端に低下したり、あるいは排水溝部材が破損した場合などには、舗装部を取り壊して作業を行わねばならない。
【0005】
殊に排水溝構造には、「ます」と呼ばれる集水部分があり、この部分では通水路を流された土砂等が集中し堆積しやすい構造となっており、上に述べた問題が顕著となる。
【0006】
一方において、従来の排水溝構造は、上のようにコンクリート製品が主流となっているのであるが、この種コンクリート製品にあっては、重量が嵩み、運搬や現場での施工作業が煩雑となる一方において、修理や交換などに際しても大がかりな土木工事を必要とし、工期やコスト等の面において問題があった。
【0007】
【特許文献1】
特許第2849347号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
この発明はこのような点に鑑みなされたもので、従来のコンクリート製品に比し軽量で作業性がよく、集水機能や耐久性に優れ、またその点検清掃も簡単容易に効率よくしかも完全に行うことができる、新規な路面用排水溝の構造を提供するものである。
【0009】
すなわち、この請求項1の発明は、土中内部に埋設される箱状の金属製集水箱部と、前記集水箱部上部に一体に設けられた金属製樋部と、前記樋部上部に設けられた金属製蓋部よりなり、前記集水箱部は、前記樋部が形成された上部の一側が多数の透水孔が設けられた路面材被覆部として構成されており、前記樋部は前記集水部と下部で連通しかつ上部が路面表面に現出するように形成されているとともに、前記路面材被覆部側に面する樋壁部には多数の透水孔が設けられていることを特徴とする路面用排水溝の構造に係る。
【0010】
また、請求項2の発明は、前記蓋部材が、該蓋部材への嵌着部と前記樋部の樋壁部の内側に圧接するバネ片を有するバネクリップを介して前記樋部に嵌着されている請求項1に記載の路面用排水溝の構造に係る。
【0011】
さらに、請求項3の発明は、前記樋部が、他の排水溝部材と連結されている請求項1又は2に記載の路面用排水溝の構造に係る。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下添付の図面に従ってこの発明を詳細に説明する。
図1はこの発明の一実施例に係る路面用排水溝の構造を示す断面図、図2は路面排水溝の構造を示す斜視図、図3は蓋部の一実施例を示す斜視図、図4はバネクリップの斜視図、図5は路面排水溝の構造に他の排水溝部材が連接された状態を示す斜視図である。
【0013】
図1及び図2に示したように、この発明の路面排水溝の構造10は、透水性舗装部Rの側端に設けられるもので、金属製集水箱部11と、金属製樋部20と、金属製蓋部30の各部からなる。図において、符号18,19は連結及び強度向上のためのフランジ、R1は透水層、R2は基層、Mは土層、Bは縁石ブロックを表す。
【0014】
集水箱部11は鋼板等の金属板を箱状に形成してなるもので、土中内部に埋設される、いわゆる「ます」にあたる部位で、樋部20や、後記する各透水孔から雨水等を集水し、配水管(図示せず)へ排水する。集水箱部11には樋部20が形成された上部の一側が多数の透水孔13が設けられた路面材被覆部12として構成されている。この路面材被覆部12は、図1からも解るように、透水性の舗装路面材R1,R2で被覆される。なお、図からも解るように適宜位置に配水管への連結部17を有する。
【0015】
樋部20は前記集水箱部11と同一の金属板によって形成され、当該排水溝の構造において、路面の雨水等を導入する部位で、前記集水箱部11上部に一体に設けられ、その下部で集水箱部11と連通し、かつ上部が路面表面に現出するように構成されている。前記路面材被覆部12側に面する樋壁部21には多数の透水孔22が設けられている。この実施例では、樋壁部21の一方が縁石ブロックBに隣接している該壁面部21aには透水孔が設けられていないが、両側の壁面部21,21aに設けてもよい。
【0016】
金属製蓋部30は、該排水溝構造内に、落ち葉やゴミなどが進入しないようにするもので、前記樋部20上部に設けられたもので、ここでは取り外し可能な蓋部が例示される。すなわち蓋部30は、前記樋部20の載置部25に当接する側板部31と格子状の蓋面部35を有する。蓋面部35は、この例においては、溝方向に並設された主部材36と該主部材36に直交する補強部材37とからなる格子状に構成しているが、他の構造を採用してもよい。なお、実施例の主部材36は断面I字状のもので、補強部材37はねじり鋼と呼ばれるものが使用されている。また、前記側板部31には前記樋部20の樋壁部21に形成された透水孔22に対応する位置に透水部32が形成されているのが好ましい。
【0017】
この排水溝構造10においては、請求項2にも規定したように、前記蓋部30がバネクリップ40を介して前記樋部20内に嵌着されている。バネクリップ40は、図3及び図4からよく理解されるように、該蓋部材30の側板部31への嵌着部41と樋部20の樋壁部21の内側に圧接するバネ片42を有する。このバネクリップ40は、蓋部材30と透水孔22が形成された樋部20の樋壁部21との間に通水のための一定の間隙を形成しつつ、かつ両者を弾性的に圧嵌してがたつきなく保持することができる。
【0018】
さらに、この排水溝構造10は、路面に沿って設けられるものであるから、請求項3に規定したように、前記樋部20が、他の排水溝部材50と長手方向に連接される場合がある。この実施例においては、図5に示すように、底面に通水部52を有する樋部51と、前記実施例の蓋部30と同様の蓋部55からなる排水溝部材50が、前述の排水溝構造10の樋部20の一側(もしくは両側)に連設される。この場合には、例えば前記樋部20の長手方向の一方の端面部下側に連設用フランジ部29などを設けることが好ましい。連設用フランジ部29は金属板からなり、前記樋壁部21に設けられて他の排水溝部材50の壁部53をガイドして連設することによって、ずれやがたつきなく連続した通水路を確保することができる。
【0019】
【発明の効果】
以上図示し説明したように、この発明の路面用排水溝の構造によれば、金属製集水箱部と、金属製樋部と、金属製蓋部よりなり、前記集水箱部は、前記樋部が形成された上部の一側が多数の透水孔が設けられた路面材被覆部として構成されており、前記樋部は前記集水部と下部で連通しかつ上部が路面表面に現出するように形成されているとともに、前記路面材被覆部側に面する樋壁部には多数の透水孔が設けられているものであるため、路面表面及び内部の水を効果的かつ効率よく集水箱部に集水することができ、集水機能に優れる。また、この構造にあっては、金属板を加工した金属製であるために、透水孔の形成を含め加工が容易であるばかりでなく、耐久性に優れ、従来のコンクリート製品に比して軽量で、現場での作業性も大幅に簡略化でき、工期も短縮することができる。
【0020】
また、実施例に述べたように、蓋部が脱着可能に構成されたものにあっては、さらに、前記集水箱部の清掃時には該蓋部を取り外してブラシ等の清掃具を使用してゴミや土砂の除去を行うことができ、その点検清掃が簡単容易に効率よくしかも完全に行うことができる。さらに、万一、当該排水溝の上面を構成する蓋部が変形、破損した場合にも、簡単に交換することができる。
【0021】
さらに、請求項2の発明によれば、前記蓋部がバネクリップを介して前記樋部に嵌着されているため、蓋部と樋部の樋壁部との間に通水のための一定の間隙を形成しつつ、かつ両者を弾性的に圧嵌してがたつきなく保持することができる。
【0022】
さらにまた請求項3の発明によれば、前記樋部が、他の排水溝部材と連結されているものであるため、隣接する他の排水溝に重ねて敷設することによって、当該排水溝構造に一体感ができ、ずれ等の防止にもなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係る路面用排水溝の構造を示す断面図である。
【図2】路面排水溝の構造を示す斜視図である。
【図3】蓋部の一実施例を示す斜視図である。
【図4】バネクリップの斜視図である。
【図5】路面排水溝の構造に他の排水溝部材が連接された状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 路面排水溝の構造
11 集水箱部
12 路面材被覆部
13 透水孔
20 樋部
21 樋壁部
22 透水孔
29 連設用フランジ
30 蓋部
35 蓋面部
40 バネクリップ
50 他の排水溝部材
Claims (3)
- 土中内部に埋設される箱状の金属製集水箱部と、前記集水箱部上部に一体に設けられた金属製樋部と、前記樋部上部に設けられた金属製蓋部よりなり、
前記集水箱部は、前記樋部が形成された上部の一側が多数の透水孔が設けられた路面材被覆部として構成されており、
前記樋部は前記集水部と下部で連通しかつ上部が路面表面に現出するように形成されているとともに、前記路面材被覆部側に面する樋壁部には多数の透水孔が設けられている
ことを特徴とする路面用排水溝の構造。 - 前記蓋部材が、該蓋部材への嵌着部と前記樋部の樋壁部の内側に圧接するバネ片を有するバネクリップを介して前記樋部に嵌着されている請求項1に記載の路面用排水溝の構造。
- 前記樋部が、他の排水溝部材と連結されている請求項1又は2に記載の路面用排水溝の構造。
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- 2003-04-14 JP JP2003109298A patent/JP3930825B2/ja not_active Expired - Lifetime
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