JP2004316010A - 殺菌シート - Google Patents
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Abstract
【課題】可視光線下においても十分な抗菌効果を発揮し得る殺菌シートを提供する。
【解決手段】セルロースを含むシート状物にフラーレン類が担持されていることを特徴とする殺菌シート。
【選択図】 なし
【解決手段】セルロースを含むシート状物にフラーレン類が担持されていることを特徴とする殺菌シート。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、殺菌シートに関するものである。詳しくは、フラーレン類を活性成分とする殺菌シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、病院などにおいては、多数の抗生物質に対して耐性を有する細菌、特にメシチリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)による院内感染が問題となっている。このような細菌の感染を防止するには、薬用石鹸やエタノール等を用いた手洗いや紫外線殺菌等により身の回りを清潔に保つのが手軽であり、また効果的でもある。しかしながら、手洗いでは不十分な場合があり、紫外線殺菌では人体へ悪影響を及ぼすおそれがある。
【0003】
ところで、光触媒を用いて細菌、ウイルス等の微生物や悪臭物質等の有害物質を除去する方法が開発されている。例えば、ルチル型酸化チタン微粒子を含有する酸化チタン触媒の存在下に有害物質に光照射する有害物質の除去方法;不織布にチタニアゾルから析出させた酸化チタンを担持させた光反応性有害物除去材;酸化亜鉛、酸化タングステン又は酸化セリウム等の金属酸化物粒子である光触媒、微生物セルロース及び支持体形成成分からなる光触媒シートなどが知られている(特許文献1〜3参照)。しかしながら、これらで用いられている光触媒は、蛍光灯等の紫外線領域の光線を含む光源の下では有効だが、可視光線のみの光源の下では十分な効果が得られないという問題がある。
フラーレンは紫外線領域の光線を含まない可視光線下でも、光触媒として十分な効果を発揮し得るものであり、これを合成繊維からなるフィルターに含浸させた空気清浄化フィルターが提案されている(特許文献4参照)。しかしながら、このフィルターは、フラーレンから発生する活性酸素(一重項酸素)による合成繊維の分解、劣化が著しいため、実用上問題がある。また、フラーレンを含む殺菌シート、特にMRSAに有効な殺菌シートについてはこれまで報告がない。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−819号公報
【特許文献2】
特開平8−117556号公報
【特許文献3】
特開平10−265586号公報
【特許文献4】
特開平8−164309号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、紫外線領域の光線を含まない可視光線下においても十分な抗菌効果を発揮し得る殺菌シートを提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、セルロースを含むシート状物にフラーレン類を担持させた殺菌シートが優れた効果を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、セルロースを含むシート状物にフラーレン類が担持されていることを特徴とする殺菌シート、及びその製造方法である。なお、本明細書において、フラーレン類とはフラーレン及びフラーレン誘導体を意味する。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に本発明に係る殺菌シートについて詳細に説明する。
シート状物に含まれるセルロースは、工業的に入手可能なものであれば任意であるが、通常は植物繊維を精製したものや微生物セルロースを用いる。精製した植物繊維に機械的な剪断力を加えてフィブリル化させた微小繊維状セルロース又は解繊処理を施した微生物セルロースが、シート化したときの表面積が大きいので好ましい。
【0008】
フラーレンとしては、C60、C70、C76、C82、C84及び更に高次なフラーレン、及びこれらの混合物が挙げられる。これらのうち、C60、C70又はC60とC70との混合物が好ましい。
フラーレン誘導体としては、CpMq(式中、pは60又は70の数を表し、Mは−OH、−COOH、−SO3H、−OSO3H又は−O−PO(OH)2を表し、qは1〜20の数を表す。)及びC60+r[(COOR)2]r(式中、Rは水素原子又はアルキル基を表し、rは1〜12の数を表す。)が挙げられる。これらのうち、C70(OH)q、C60(OSO3H)q、C70(OSO3H)q及びC60+r[(COOR)2]r(式中、q、R及びrは前記と同義である。)が好ましい。なお、フラーレン誘導体は、これらの混合物であってもよい。
【0009】
また、フラーレン類は単独で担持されていてもよく、所望ならばPt、Au、Ag、Cu、Pd、Ni、Rh、Nb、Sn、Cr及びRu等の金属微粒子や、酸化ルテニウム、酸化ニッケル、酸化マンガン及び酸化鉄等の金属酸化物の微粒子と一緒に担持させてもよい。
本発明に係る殺菌シートは、フラーレン類を担持したセルロースをシート化する方法、又はセルロースを用いてシート状物を作製した後、これにフラーレン類を担持させる方法等により製造することができる。シート状物はセルロースのみで作製してもよいが、その機械的強度を大きくしたり、セルロースの消費量を節減するため、合成高分子化合物からなる合成繊維、スチールウール又はステンレスウール等の金属繊維、炭素繊維、セラミック繊維又は各種ガラス繊維等の非セルロース繊維を併用してもよい。これらのうち、合成繊維を用いるのが好ましい。
【0010】
合成繊維としては、ポリエチレン又はポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂、ナイロン等のポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルエーテル樹脂、ポリビニルケトン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ジエン系樹脂、及びポリウレタン系樹脂等の各種の合成高分子化合物からなるものが挙げられる。これらの合成高分子化合物を用いて製造される繊維、すなわち合成繊維の断面形状は任意であり、最も一般的な円形や楕円形以外に、三角形、星形、T型、Y型、又は葉状等のいわゆる異型断面形状であってもよい。また、繊維表面に空隙を有する構造、枝別れした構造、及び芯鞘構造を有するものも使用することができる。これらのうち、殺菌シートとした際の繊維間結合強度、柔軟性(腰)、及び加工性等を適度に制御できるので、芯部分と鞘部分の軟化点がそれぞれ異なる芯鞘構造を有する合成繊維が好ましい。芯鞘構造を有する合成繊維としては、芯部分がポリエステル、鞘部分がポリエステル共重合体からなる繊維;芯部分がポリエステル、鞘部分がポリオレフィンからなる繊維等が挙げられる。
【0011】
セルロース又はセルロースと非セルロース繊維とからシート状物を製造するには、湿式抄造によるのが好ましいが、乾式抄造によることもできる。湿式抄造による場合には、原料のセルロース又はセルロースと非セルロース繊維とを水に分散させてスラリーとし、必要に応じて叩解等の処理を施した後、円網抄紙機や長網抄紙機など常用の抄紙機で抄造すればよい。抄造に際してはスラリー中に種々の凝集剤を添加してもよい。凝集剤としては、アラム等の無機化合物や有機高分子など常用のものを用いることができるが、有機高分子、特にカチオン化ポリアクリルアミド、カチオン化澱粉、カチオン化グアーガム等のカチオン性高分子化合物を用いるのが好ましい。また、スラリー中に水酸化アルミニウム等の難燃性無機化合物を添加しておくことにより、シート状物に難燃性を付与することができる。なお、シート状物に難燃性を付与するには、シート状物を抄造した後、これに種々の難燃性無機化合物を水に溶解ないしは分散させた溶液を、通常の方法で塗布してもよい。
【0012】
シート状物はセルロース又はセルロースと非セルロース繊維とで直接形成する以外に、セルロース以外のもので形成されたシート状の支持体、好ましくは合成繊維等の非セルロース繊維で形成したシート状の支持体上にセルロースを含む層を形成したものであってもよい。このシート状の支持体は、上述のシート状物の製造と同様に湿式抄造により製造するのが好ましい。このシート状の支持体上にセルロースを含むスラリーを適宜の方法で塗布することにより、支持体上にセルロースを含む層を形成することができる。塗布方法としては、支持体にセルロースを含むスラリーを噴霧する方法、支持体にセルロースを含むスラリーをロールコーターやダイコーターを用いて塗布する方法、更にはセルロースを含むスラリー中に支持体を浸漬する方法などが挙げられる。また、所望ならばセルロースを含む層を形成するに先立ち、支持体にグロー放電処理、火焔処理、プラズマ処理、電子線照射処理、紫外線照射処理又はオゾン処理等により、支持体表面を処理した後にセルロースを含む層を形成してもよい。これらの表面処理は、2種以上を組み合わせて用いてもよく、シート状の支持体の一方の面と他方の面で異なる処理を施してもよい。セルロース層が十分に形成されないと、活性酸素によるシート中の非セルロース繊維の劣化を防止することができないので、通常はシート状の支持体1m2につき1g以上となるようにセルロース層を形成させる。
【0013】
上述の方法により作製したシート状物にフラーレン類を含有させるには、このシート状物にフラーレン類を通常の溶媒に溶解ないしは分散させた溶液を塗布すればよい。なかでもシート状物にフラーレン類を含む溶液を噴霧してフラーレン類を担持させる方法が簡便で生産性が高く、しかもフラーレン類が光照射を受けやすいシート表面に担持されるので好ましい。なお、シート状物の構成成分がフラーレン類を含む溶液の溶媒によって劣化しない組み合わせを選択すべきなのはいうまでもない。
【0014】
フラーレン類は、通常はシート1m2に10mg以上、好ましくは100mg以上担持させる。10mg未満では、フラーレン類の担持量が少ないため、十分な殺菌効果を発揮することができない。一般にフラーレン類の担持量が多いほど殺菌効果は向上するが、担持量がある程度以上多くなると殺菌効果は飽和してくるので、1m2に5gを超えて担持させるのは無意味である。フラーレン類は高価なので、費用と効果とを勘案すると、担持量は一般的には1m2につき1g以下とするのが好ましい。
【0015】
セルロースは、微細なリボン状繊維が比較的粗な網目構造を形成しており、フラーレン類の付着性に優れている。また、解繊処理を施したセルロースは、この微細構造が著しく均質な状態となる。したがって、このようなセルロースにフラーレン類を保持させると、フラーレン類がシート状物中に均質に分散することによって、優れた殺菌効果が得られる。
【0016】
【実施例】
以下に実施例により、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これらの実施例に限定されるものではない。
なお、微生物セルロースは、特許文献3記載の方法に準じて調製した。
(製造例1)
C60及びC70(共にフロンティアカーボン社製)の重量比7:3の混合フラーレンをトルエンに溶解し、1重量%のフラーレン溶液を調製した。
(製造例2)
フラーレンC60のマロン酸ジエチル誘導体であるC63[(COOC2H5)2]3を、Iris Lampath、Anderas Hirschら(J. Chem. Soc., Chem. Commun., 1994,1727)の方法により合成し、このものをエタノール−水(1:1)混合溶液に溶解し、5重量%フラーレン溶液を調製した。
(製造例3)
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合繊維(VF、三菱レイヨン社製;繊度3デニール、繊維長6mm)75重量部、及び熱溶融性ポリエステル繊維(メルティ4080、ユニチカ社製;繊度2デニール、繊維長5mm)25重量部を水中で混合して水性スラリーとし、円網抄紙機を用いて坪量50g/m2のシート状物を調製した。
【0017】
(実施例1)
植物繊維由来の微小繊維状セルロース(セリッシュ、ダイセル化学工業株式会社製)2重量部及びサポナイト構造を有する合成無機高分子(スメクトンSA、クニミネ工業製;BET法による粉体の比表面積160m2/g)1重量部を、固形分が5重量%となるように水に分散させ水性懸濁液とした。この水性懸濁液を製造例3のシート状物に含浸させた後、筒型ドライヤーで乾燥して固形分が10g/m2付着したシートを作製した。このシートに製造例1のフラーレン溶液をフラーレンの担持量が約1g/m2となるように噴霧して、殺菌シートを作製した。
【0018】
(実施例2)
実施例1において、微小繊維状セルロースに代えて微生物セルロースを用い、水性懸濁液中の固形分が10g/m2付着するようにした以外は、実施例1と同様にして、殺菌シートを作製した。
【0019】
(実施例3)
実施例2において、製造例1のフラーレン溶液に代えて、製造例2のフラーレン溶液を用い、C63[(COOC2H5)2]3の担持量が約1g/m2となるようにした以外は、実施例2と同様にして、殺菌シートを作製した。
(実施例4)
微生物セルロース1重量部、未叩解のLBKP(広葉樹漂白パルプ)99重量部及びカチオン化ポリアクリルアミド(パーコール57、アライドコロイド社製)0.25重量部を、固形分が10重量%となるように水に分散させて水性懸濁液とした。得られた水性懸濁液を標準角型手抄きシートマシン(熊谷理機工業社製)を用いて坪量60g/m2のシートを抄造し、筒型ドライヤーで乾燥した。このシートにC63[(COOC2H5)2]3の1重量%エタノール水溶液をC63[(COOC2H5)2]3の担持量が1g/m2となるように含浸させて、殺菌シートを作製した。
【0020】
(実施例5)
実施例1において、製造例1のフラーレン溶液の噴霧に代えて、C63[(COOC2H5)2]3の担持量が5g/m2となるように製造例2のフラーレン溶液を含浸させた以外は、実施例1と同様にして、殺菌シートを作製した。
(実施例6)
実施例5において、C63[(COOC2H5)2]3の担持量が2g/m2となるように製造例2のフラーレン溶液を含浸させた以外は、実施例5と同様にして、殺菌シートを作製した。
【0021】
(実施例7)
実施例5において、C63[(COOC2H5)2]3の担持量が1g/m2となるように製造例2のフラーレン溶液を含浸させた以外は、実施例5と同様にして、殺菌シートを作製した。
(実施例8)
実施例5において、C63[(COOC2H5)2]3の担持量が0.5g/m2となるように製造例2のフラーレン溶液を含浸させた以外は、実施例5と同様にして、殺菌シートを作製した。
【0022】
(実施例9)
実施例5において、C63[(COOC2H5)2]3の担持量が0.1g/m2となるように製造例2のフラーレン溶液を含浸させた以外は、実施例5と同様にして、殺菌シートを作製した。
(実施例10)
実施例5において、C63[(COOC2H5)2]3の担持量が0.05g/m2となるように製造例2のフラーレン溶液を含浸させた以外は、実施例5と同様にして、殺菌シートを作製した。
【0023】
(実施例11)
実施例5において、C63[(COOC2H5)2]3の担持量が0.01g/m2となるように製造例2のフラーレン溶液を含浸させた以外は、実施例5と同様にして、殺菌シートを作製した。
(実施例12)
実施例5において、C63[(COOC2H5)2]3の担持量が6g/m2となるように製造例2のフラーレン溶液を含浸させた以外は、実施例5と同様にして、殺菌シートを作製した。
(実施例13)
実施例5において、C63[(COOC2H5)2]3の担持量が8g/m2となるように製造例2のフラーレン溶液を含浸させた以外は、実施例5と同様にして、殺菌シートを作製した。
【0024】
(比較例1)
細いポリエステル繊維(ビバン100/36BRE、カネボウ社製)を固形分が10重量%となるように水に懸濁させた。この懸濁液を製造例3のシート状物に含浸させた後、筒型ドライヤーで乾燥してポリエステル繊維が10g/m2付着したシートを作製した。このシートに製造例1のフラーレン溶液をフラーレンの担持量が約1g/m2となるように噴霧して殺菌シートを作製した。
【0025】
(比較例2)
スメクトンSA、酸化チタン(日本アエロジル社製、P25S6)及び微生物セルロースを重量比1:5:2となるように水中で分散させて水性分散液とした。この水性分散液にポリプロピレン繊維からなるフィルターシートを含浸させて固形分を10g/m2付着させた後、筒型ドライヤーで乾燥して殺菌フィルターシートを作製した。
【0026】
上記の実施例及び比較例で得られた殺菌シートにつき、以下の3方法で殺菌性試験を行った。
試験法1:シャーレ−に大腸菌又はMRSAを含む液(約5×105個/mL)を20mL入れ、5.5×5.5cmの試験シート片をその液中に沈めた。酸素ガスを流通させながら、温度37℃で保温し、照度を500ルクスに調節した蛍光灯(白色光)を24時間照射した後、生菌数を標準寒天培地を用いたプレート法で測定した。
【0027】
試験法2:試験法1の照度を4000ルクスに調節した以外は、試験法1と同様にして殺菌性試験を行った。
試験法3:試験法1の照度を4000ルクスに調節し、かつ500nm以下の波長の光を遮断するフィルターを設置した以外は、試験法1と同様にして殺菌性試験を行った。
【0028】
結果を表1に示す。なお、表中の数値は24時間後の生菌数を表す。
【0029】
【表1】
【0030】
表1から明らかなように、フラーレン類を含む殺菌シートは、いずれも可視光線照射下においても、顕著な殺菌効果を示した。また、微生物セルロースではなく、ポリエステル繊維を用いた比較例1の殺菌シートは、フラーレン類から発生した活性酸素により、繊維が酸化され繊維の一部が分解していた。
[難燃性]
合成無機高分子を用いた実施例1及び2の殺菌シートについて、JIS−L−1091のA−1法に従って難燃性試験を実施した。その結果、いずれの殺菌シートも着炎3秒後、残炎時間が3秒以下等の項目を満たし、類焼の恐れがある可燃物が近接しない場合等、高い難燃性を特に必要とする場合に要求されるレベルの区分3を満たすものであった。
【0031】
【発明の効果】
本発明に係る殺菌シートは、紫外線領域を含まない可視光線の下でも優れた抗菌性を示し、フラーレン類から発生する活性酸素による繊維の劣化がみられない。更に、難燃性物質を含むシート状物を用いることにより、難燃性に優れた殺菌シートとすることができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、殺菌シートに関するものである。詳しくは、フラーレン類を活性成分とする殺菌シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、病院などにおいては、多数の抗生物質に対して耐性を有する細菌、特にメシチリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)による院内感染が問題となっている。このような細菌の感染を防止するには、薬用石鹸やエタノール等を用いた手洗いや紫外線殺菌等により身の回りを清潔に保つのが手軽であり、また効果的でもある。しかしながら、手洗いでは不十分な場合があり、紫外線殺菌では人体へ悪影響を及ぼすおそれがある。
【0003】
ところで、光触媒を用いて細菌、ウイルス等の微生物や悪臭物質等の有害物質を除去する方法が開発されている。例えば、ルチル型酸化チタン微粒子を含有する酸化チタン触媒の存在下に有害物質に光照射する有害物質の除去方法;不織布にチタニアゾルから析出させた酸化チタンを担持させた光反応性有害物除去材;酸化亜鉛、酸化タングステン又は酸化セリウム等の金属酸化物粒子である光触媒、微生物セルロース及び支持体形成成分からなる光触媒シートなどが知られている(特許文献1〜3参照)。しかしながら、これらで用いられている光触媒は、蛍光灯等の紫外線領域の光線を含む光源の下では有効だが、可視光線のみの光源の下では十分な効果が得られないという問題がある。
フラーレンは紫外線領域の光線を含まない可視光線下でも、光触媒として十分な効果を発揮し得るものであり、これを合成繊維からなるフィルターに含浸させた空気清浄化フィルターが提案されている(特許文献4参照)。しかしながら、このフィルターは、フラーレンから発生する活性酸素(一重項酸素)による合成繊維の分解、劣化が著しいため、実用上問題がある。また、フラーレンを含む殺菌シート、特にMRSAに有効な殺菌シートについてはこれまで報告がない。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−819号公報
【特許文献2】
特開平8−117556号公報
【特許文献3】
特開平10−265586号公報
【特許文献4】
特開平8−164309号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、紫外線領域の光線を含まない可視光線下においても十分な抗菌効果を発揮し得る殺菌シートを提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、セルロースを含むシート状物にフラーレン類を担持させた殺菌シートが優れた効果を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、セルロースを含むシート状物にフラーレン類が担持されていることを特徴とする殺菌シート、及びその製造方法である。なお、本明細書において、フラーレン類とはフラーレン及びフラーレン誘導体を意味する。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に本発明に係る殺菌シートについて詳細に説明する。
シート状物に含まれるセルロースは、工業的に入手可能なものであれば任意であるが、通常は植物繊維を精製したものや微生物セルロースを用いる。精製した植物繊維に機械的な剪断力を加えてフィブリル化させた微小繊維状セルロース又は解繊処理を施した微生物セルロースが、シート化したときの表面積が大きいので好ましい。
【0008】
フラーレンとしては、C60、C70、C76、C82、C84及び更に高次なフラーレン、及びこれらの混合物が挙げられる。これらのうち、C60、C70又はC60とC70との混合物が好ましい。
フラーレン誘導体としては、CpMq(式中、pは60又は70の数を表し、Mは−OH、−COOH、−SO3H、−OSO3H又は−O−PO(OH)2を表し、qは1〜20の数を表す。)及びC60+r[(COOR)2]r(式中、Rは水素原子又はアルキル基を表し、rは1〜12の数を表す。)が挙げられる。これらのうち、C70(OH)q、C60(OSO3H)q、C70(OSO3H)q及びC60+r[(COOR)2]r(式中、q、R及びrは前記と同義である。)が好ましい。なお、フラーレン誘導体は、これらの混合物であってもよい。
【0009】
また、フラーレン類は単独で担持されていてもよく、所望ならばPt、Au、Ag、Cu、Pd、Ni、Rh、Nb、Sn、Cr及びRu等の金属微粒子や、酸化ルテニウム、酸化ニッケル、酸化マンガン及び酸化鉄等の金属酸化物の微粒子と一緒に担持させてもよい。
本発明に係る殺菌シートは、フラーレン類を担持したセルロースをシート化する方法、又はセルロースを用いてシート状物を作製した後、これにフラーレン類を担持させる方法等により製造することができる。シート状物はセルロースのみで作製してもよいが、その機械的強度を大きくしたり、セルロースの消費量を節減するため、合成高分子化合物からなる合成繊維、スチールウール又はステンレスウール等の金属繊維、炭素繊維、セラミック繊維又は各種ガラス繊維等の非セルロース繊維を併用してもよい。これらのうち、合成繊維を用いるのが好ましい。
【0010】
合成繊維としては、ポリエチレン又はポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂、ナイロン等のポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルエーテル樹脂、ポリビニルケトン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ジエン系樹脂、及びポリウレタン系樹脂等の各種の合成高分子化合物からなるものが挙げられる。これらの合成高分子化合物を用いて製造される繊維、すなわち合成繊維の断面形状は任意であり、最も一般的な円形や楕円形以外に、三角形、星形、T型、Y型、又は葉状等のいわゆる異型断面形状であってもよい。また、繊維表面に空隙を有する構造、枝別れした構造、及び芯鞘構造を有するものも使用することができる。これらのうち、殺菌シートとした際の繊維間結合強度、柔軟性(腰)、及び加工性等を適度に制御できるので、芯部分と鞘部分の軟化点がそれぞれ異なる芯鞘構造を有する合成繊維が好ましい。芯鞘構造を有する合成繊維としては、芯部分がポリエステル、鞘部分がポリエステル共重合体からなる繊維;芯部分がポリエステル、鞘部分がポリオレフィンからなる繊維等が挙げられる。
【0011】
セルロース又はセルロースと非セルロース繊維とからシート状物を製造するには、湿式抄造によるのが好ましいが、乾式抄造によることもできる。湿式抄造による場合には、原料のセルロース又はセルロースと非セルロース繊維とを水に分散させてスラリーとし、必要に応じて叩解等の処理を施した後、円網抄紙機や長網抄紙機など常用の抄紙機で抄造すればよい。抄造に際してはスラリー中に種々の凝集剤を添加してもよい。凝集剤としては、アラム等の無機化合物や有機高分子など常用のものを用いることができるが、有機高分子、特にカチオン化ポリアクリルアミド、カチオン化澱粉、カチオン化グアーガム等のカチオン性高分子化合物を用いるのが好ましい。また、スラリー中に水酸化アルミニウム等の難燃性無機化合物を添加しておくことにより、シート状物に難燃性を付与することができる。なお、シート状物に難燃性を付与するには、シート状物を抄造した後、これに種々の難燃性無機化合物を水に溶解ないしは分散させた溶液を、通常の方法で塗布してもよい。
【0012】
シート状物はセルロース又はセルロースと非セルロース繊維とで直接形成する以外に、セルロース以外のもので形成されたシート状の支持体、好ましくは合成繊維等の非セルロース繊維で形成したシート状の支持体上にセルロースを含む層を形成したものであってもよい。このシート状の支持体は、上述のシート状物の製造と同様に湿式抄造により製造するのが好ましい。このシート状の支持体上にセルロースを含むスラリーを適宜の方法で塗布することにより、支持体上にセルロースを含む層を形成することができる。塗布方法としては、支持体にセルロースを含むスラリーを噴霧する方法、支持体にセルロースを含むスラリーをロールコーターやダイコーターを用いて塗布する方法、更にはセルロースを含むスラリー中に支持体を浸漬する方法などが挙げられる。また、所望ならばセルロースを含む層を形成するに先立ち、支持体にグロー放電処理、火焔処理、プラズマ処理、電子線照射処理、紫外線照射処理又はオゾン処理等により、支持体表面を処理した後にセルロースを含む層を形成してもよい。これらの表面処理は、2種以上を組み合わせて用いてもよく、シート状の支持体の一方の面と他方の面で異なる処理を施してもよい。セルロース層が十分に形成されないと、活性酸素によるシート中の非セルロース繊維の劣化を防止することができないので、通常はシート状の支持体1m2につき1g以上となるようにセルロース層を形成させる。
【0013】
上述の方法により作製したシート状物にフラーレン類を含有させるには、このシート状物にフラーレン類を通常の溶媒に溶解ないしは分散させた溶液を塗布すればよい。なかでもシート状物にフラーレン類を含む溶液を噴霧してフラーレン類を担持させる方法が簡便で生産性が高く、しかもフラーレン類が光照射を受けやすいシート表面に担持されるので好ましい。なお、シート状物の構成成分がフラーレン類を含む溶液の溶媒によって劣化しない組み合わせを選択すべきなのはいうまでもない。
【0014】
フラーレン類は、通常はシート1m2に10mg以上、好ましくは100mg以上担持させる。10mg未満では、フラーレン類の担持量が少ないため、十分な殺菌効果を発揮することができない。一般にフラーレン類の担持量が多いほど殺菌効果は向上するが、担持量がある程度以上多くなると殺菌効果は飽和してくるので、1m2に5gを超えて担持させるのは無意味である。フラーレン類は高価なので、費用と効果とを勘案すると、担持量は一般的には1m2につき1g以下とするのが好ましい。
【0015】
セルロースは、微細なリボン状繊維が比較的粗な網目構造を形成しており、フラーレン類の付着性に優れている。また、解繊処理を施したセルロースは、この微細構造が著しく均質な状態となる。したがって、このようなセルロースにフラーレン類を保持させると、フラーレン類がシート状物中に均質に分散することによって、優れた殺菌効果が得られる。
【0016】
【実施例】
以下に実施例により、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これらの実施例に限定されるものではない。
なお、微生物セルロースは、特許文献3記載の方法に準じて調製した。
(製造例1)
C60及びC70(共にフロンティアカーボン社製)の重量比7:3の混合フラーレンをトルエンに溶解し、1重量%のフラーレン溶液を調製した。
(製造例2)
フラーレンC60のマロン酸ジエチル誘導体であるC63[(COOC2H5)2]3を、Iris Lampath、Anderas Hirschら(J. Chem. Soc., Chem. Commun., 1994,1727)の方法により合成し、このものをエタノール−水(1:1)混合溶液に溶解し、5重量%フラーレン溶液を調製した。
(製造例3)
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合繊維(VF、三菱レイヨン社製;繊度3デニール、繊維長6mm)75重量部、及び熱溶融性ポリエステル繊維(メルティ4080、ユニチカ社製;繊度2デニール、繊維長5mm)25重量部を水中で混合して水性スラリーとし、円網抄紙機を用いて坪量50g/m2のシート状物を調製した。
【0017】
(実施例1)
植物繊維由来の微小繊維状セルロース(セリッシュ、ダイセル化学工業株式会社製)2重量部及びサポナイト構造を有する合成無機高分子(スメクトンSA、クニミネ工業製;BET法による粉体の比表面積160m2/g)1重量部を、固形分が5重量%となるように水に分散させ水性懸濁液とした。この水性懸濁液を製造例3のシート状物に含浸させた後、筒型ドライヤーで乾燥して固形分が10g/m2付着したシートを作製した。このシートに製造例1のフラーレン溶液をフラーレンの担持量が約1g/m2となるように噴霧して、殺菌シートを作製した。
【0018】
(実施例2)
実施例1において、微小繊維状セルロースに代えて微生物セルロースを用い、水性懸濁液中の固形分が10g/m2付着するようにした以外は、実施例1と同様にして、殺菌シートを作製した。
【0019】
(実施例3)
実施例2において、製造例1のフラーレン溶液に代えて、製造例2のフラーレン溶液を用い、C63[(COOC2H5)2]3の担持量が約1g/m2となるようにした以外は、実施例2と同様にして、殺菌シートを作製した。
(実施例4)
微生物セルロース1重量部、未叩解のLBKP(広葉樹漂白パルプ)99重量部及びカチオン化ポリアクリルアミド(パーコール57、アライドコロイド社製)0.25重量部を、固形分が10重量%となるように水に分散させて水性懸濁液とした。得られた水性懸濁液を標準角型手抄きシートマシン(熊谷理機工業社製)を用いて坪量60g/m2のシートを抄造し、筒型ドライヤーで乾燥した。このシートにC63[(COOC2H5)2]3の1重量%エタノール水溶液をC63[(COOC2H5)2]3の担持量が1g/m2となるように含浸させて、殺菌シートを作製した。
【0020】
(実施例5)
実施例1において、製造例1のフラーレン溶液の噴霧に代えて、C63[(COOC2H5)2]3の担持量が5g/m2となるように製造例2のフラーレン溶液を含浸させた以外は、実施例1と同様にして、殺菌シートを作製した。
(実施例6)
実施例5において、C63[(COOC2H5)2]3の担持量が2g/m2となるように製造例2のフラーレン溶液を含浸させた以外は、実施例5と同様にして、殺菌シートを作製した。
【0021】
(実施例7)
実施例5において、C63[(COOC2H5)2]3の担持量が1g/m2となるように製造例2のフラーレン溶液を含浸させた以外は、実施例5と同様にして、殺菌シートを作製した。
(実施例8)
実施例5において、C63[(COOC2H5)2]3の担持量が0.5g/m2となるように製造例2のフラーレン溶液を含浸させた以外は、実施例5と同様にして、殺菌シートを作製した。
【0022】
(実施例9)
実施例5において、C63[(COOC2H5)2]3の担持量が0.1g/m2となるように製造例2のフラーレン溶液を含浸させた以外は、実施例5と同様にして、殺菌シートを作製した。
(実施例10)
実施例5において、C63[(COOC2H5)2]3の担持量が0.05g/m2となるように製造例2のフラーレン溶液を含浸させた以外は、実施例5と同様にして、殺菌シートを作製した。
【0023】
(実施例11)
実施例5において、C63[(COOC2H5)2]3の担持量が0.01g/m2となるように製造例2のフラーレン溶液を含浸させた以外は、実施例5と同様にして、殺菌シートを作製した。
(実施例12)
実施例5において、C63[(COOC2H5)2]3の担持量が6g/m2となるように製造例2のフラーレン溶液を含浸させた以外は、実施例5と同様にして、殺菌シートを作製した。
(実施例13)
実施例5において、C63[(COOC2H5)2]3の担持量が8g/m2となるように製造例2のフラーレン溶液を含浸させた以外は、実施例5と同様にして、殺菌シートを作製した。
【0024】
(比較例1)
細いポリエステル繊維(ビバン100/36BRE、カネボウ社製)を固形分が10重量%となるように水に懸濁させた。この懸濁液を製造例3のシート状物に含浸させた後、筒型ドライヤーで乾燥してポリエステル繊維が10g/m2付着したシートを作製した。このシートに製造例1のフラーレン溶液をフラーレンの担持量が約1g/m2となるように噴霧して殺菌シートを作製した。
【0025】
(比較例2)
スメクトンSA、酸化チタン(日本アエロジル社製、P25S6)及び微生物セルロースを重量比1:5:2となるように水中で分散させて水性分散液とした。この水性分散液にポリプロピレン繊維からなるフィルターシートを含浸させて固形分を10g/m2付着させた後、筒型ドライヤーで乾燥して殺菌フィルターシートを作製した。
【0026】
上記の実施例及び比較例で得られた殺菌シートにつき、以下の3方法で殺菌性試験を行った。
試験法1:シャーレ−に大腸菌又はMRSAを含む液(約5×105個/mL)を20mL入れ、5.5×5.5cmの試験シート片をその液中に沈めた。酸素ガスを流通させながら、温度37℃で保温し、照度を500ルクスに調節した蛍光灯(白色光)を24時間照射した後、生菌数を標準寒天培地を用いたプレート法で測定した。
【0027】
試験法2:試験法1の照度を4000ルクスに調節した以外は、試験法1と同様にして殺菌性試験を行った。
試験法3:試験法1の照度を4000ルクスに調節し、かつ500nm以下の波長の光を遮断するフィルターを設置した以外は、試験法1と同様にして殺菌性試験を行った。
【0028】
結果を表1に示す。なお、表中の数値は24時間後の生菌数を表す。
【0029】
【表1】
【0030】
表1から明らかなように、フラーレン類を含む殺菌シートは、いずれも可視光線照射下においても、顕著な殺菌効果を示した。また、微生物セルロースではなく、ポリエステル繊維を用いた比較例1の殺菌シートは、フラーレン類から発生した活性酸素により、繊維が酸化され繊維の一部が分解していた。
[難燃性]
合成無機高分子を用いた実施例1及び2の殺菌シートについて、JIS−L−1091のA−1法に従って難燃性試験を実施した。その結果、いずれの殺菌シートも着炎3秒後、残炎時間が3秒以下等の項目を満たし、類焼の恐れがある可燃物が近接しない場合等、高い難燃性を特に必要とする場合に要求されるレベルの区分3を満たすものであった。
【0031】
【発明の効果】
本発明に係る殺菌シートは、紫外線領域を含まない可視光線の下でも優れた抗菌性を示し、フラーレン類から発生する活性酸素による繊維の劣化がみられない。更に、難燃性物質を含むシート状物を用いることにより、難燃性に優れた殺菌シートとすることができる。
Claims (7)
- セルロースを含むシート状物にフラーレン類が担持されていることを特徴とする殺菌シート。
- シート状物が、セルロース及び非セルロース繊維からなるものであることを特徴とする請求項1記載の殺菌シート。
- シート状物が、非セルロース繊維からなるシート状の支持体上にセルロースを含む層が形成されているものであることを特徴とする請求項1記載の殺菌シート。
- 非セルロース繊維が、合成繊維であることを特徴とする請求項2又は3記載の殺菌シート。
- フラーレン類が、Cn(式中、nは60、70、76、82又は84の数を表し、CpMq(式中、pは60又は70の数を表し、Mは−OH、−COOH、−SO3H、−OSO3H又は−O−PO(OH)2を表し、qは1〜20の数を表す。)及びC60+r[(COOR)2]r(式中、Rは水素原子又はアルキル基を表し、rは1〜12の数を表す。)からなる群より選ばれたものであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の殺菌シート。
- フラーレン類の担持量が、10mg/m2〜5g/m2であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の殺菌シート。
- シート状物にフラーレン類を含む液を接触させることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の殺菌シートの製造方法。
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