JP2004315611A - 流動点降下剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料油や潤滑油などの低温下での流動点を降下させる流動点降下剤を提供する。
【解決手段】下記一般式(1)で示されるビニル単量体(a)を必須構成単量体としてなるビニル重合体(A)からなる炭化水素油用流動点降下剤である。
【化3】
Figure 2004315611

式中、Qは炭素数2〜12のラジカル重合性アルケニル基または(メタ)アクリロイルオキシ基、Rは炭素数1〜6のアルキレン基、R〜Rは炭素数1〜12のアルキル基でありR〜Rは同一でも異なっていてもよく、nは1〜200の整数である。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は炭化水素油用の流動点降下剤、詳しくは燃料油及び潤滑油用の流動点降下剤およびそれを含む炭化水素油組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
炭化水素油系燃料油や潤滑油などは、冬期あるいは寒冷地において低温にさらされると流動性が低下することがあり問題になっている。例えば、石油中間留分からなる燃料油(例えばディーゼル燃料油およびA重油など)では、その中に含まれるワックスが析出し、配管系のフィルターを目詰まりさせたり、配管系内で固化したりする。また潤滑油でもワックス帰因の流動性悪化により、エンジンなどのオイルポンプの空運転やエアの吸い込み、駆動系油圧装置の作動不良などのトラブルが生じることがある。これらの問題を解決する手段として、いくつかの提案がなされている。燃料油に関しては、例えばエチレン−飽和カルボン酸のビニルエステル共重合体を燃料油に添加する方法(特許文献−1〜3参照)が提案されており、潤滑油に関してはポリメタクリレートを添加する方法(特許文献−4参照)が提案されている。
【0003】
【特許文献−1】特公昭39−200692号公報、
【特許文献−2】特公昭48−23165号公報、
【特許文献−3】特開昭59−136391号公報、
【特許文献−4】特開昭54−70305号公報。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来から提案されている添加剤の流動点降下効果は未だ不十分であり、さらに流動点降下効果に優れる添加剤が求められている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討した結果、従来よりも流動点降下効果が改善された流動点降下剤を見いだし、本発明に到達した。
すなわち本発明は、下記一般式(1)で示されるビニル単量体(a)を必須構成単量体としてなるビニル重合体(A)からなる炭化水素油用流動点降下剤、該流動点降下剤を含む流動点降下剤組成物および炭化水素油組成物である。
【0006】
【化2】
Figure 2004315611
【0007】
式中、Qは炭素数2〜12のラジカル重合性アルケニル基または(メタ)アクリロイルオキシ基、Rは炭素数1〜6のアルキレン基、R〜Rは炭素数1〜12のアルキル基でありR〜Rは同一でも異なっていてもよく、nは1〜200の整数である。
【0008】
【発明の実施の形態】
一般式(1)において、Qはラジカル重合性アルケニル基、もしくは(メタ)アクリロイルオキシ基であり、本発明におけるラジカル重合性アルケニル基とは、公知のラジカル重合(単独重合もしくは共重合)反応条件においてビニル単量体(a)が重合するようなアルケニル基であり、好ましくは炭素数2〜12のアルケニル基であり、具体的にはビニル基、アリル基、メタリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、オクテニル基およびウンデセニル基などが挙げられ、さらに好ましくはビニル基およびアリル基である。
Qのうち、好ましいのは(メタ)アクリロイルオキシ基である。
【0009】
一般式(1)において、Rは炭素数1〜6のアルキレン基、例えばメチレン基、エチレン基、1,2−プロピレン基、1,3−プロピレン基、1,2−ブチレン基、1,3−ブチレン基、1,4−ブチレン基、1,2−へキシレン基および1,6−へキシレン基などが挙げられ、好ましくはエチレン基、1,2−プロピレン基および1,2−ブチレン基である。
また、R〜Rは炭素数1〜12の直鎖または分岐のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、n−へキシル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基、ノニル基、デシル基およびドデシル基が挙げられ、好ましいのはメチル基およびエチル基であり、更に好ましいのはメチル基である。
〜Rは同一でも異なっていてもよく、同一であるのが好ましい。最も好ましいのはR〜Rのいずれもがメチル基の場合である。
nは1〜200の整数、好ましくは10〜100の整数である。またnの平均値は、好ましくは5〜100、さらに好ましくは10〜90、特に好ましくは30〜80である。
【0010】
本発明における(a)の具体例としては、(メタ)アクリロイルオキシアルキルポリジメチルシロキサン[(メタ)アクリロイルオキシエチルポリジメチルシロキサン、(メタ)アクリロイルオキシプロピルポリジメチルシロキサンなど]、アルケニルポリジメチルシロキサン[アリルポリジメチルシロキサン、ブテニルポリジメチルシロキサンなど]などが挙げられる。
(a)のうち、好ましいものは(メタ)アクリロイルオキシアルキルポリジメチルシロキサンであり、さらに好ましいものは(メタ)アクリロイルオキシプロピルポリジメチルシロキサンおよび(メタ)アクリロイルオキシエチルポリジメチルシロキサンである。
【0011】
(a)の市販品としては、「サイラプレン FM−0721」(以下、FM−0721と略記)(チッソ株式会社製:一般式(1)において、Qがメタクリロイルオキシ基、Rがプロピレン基、R〜Rがメチル基、nの平均が64のもの)が挙げられる。
【0012】
本発明において(A)には、(a)の単独重合体、および(a)と他のビニル単量体(b)の共重合体が含まれる。炭化水素油への溶解性の観点から好ましくは共重合体であり、共重合体を構成する(b)としては例えば下記のものが挙げられる。なお、(b)は1種でも2種以上の併用でもよい。
【0013】
(b1);(メタ)アクリル酸エステル
(メタ)アクリル酸アルキルエステル(b1−1)、(メタ)アクリル酸アルケニルエステル(b1−2)、(ポリ)アルキレングリコールまたはそのモノアルキルエーテルのモノ(メタ)アクリル酸エステル(b1−3)、(メタ)アクリル酸シクロアルキルもしくはシクロアルキルアルキルエステル(b1−4)などが挙げられる。
【0014】
(b1−1)を構成するアルキル基としては炭素数1〜30の直鎖、または分岐のアルキル基が挙げられ、好ましくは炭素数8〜24のアルキル基である。(b1−1)の具体例としては、メタクリル酸メチル(以下、MMAと略記)、アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、メタクリル酸ドデシル(以下、MA−12と略記)、アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、メタクリル酸テトラデシル(以下、MA−14と略記)、アクリル酸テトラデシル、メタクリル酸ヘキサデシル(以下、MA−16と略記)、アクリル酸ヘキサデシル、メタクリル酸オクタデシル(以下、MA−18と略記)、アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸エイコシル、(メタ)アクリル酸2−デシルテトラデシルおよび(メタ)アクリル酸テトラコシルなどが挙げられる。
【0015】
(b1−2)を構成するアルケニル基としては、炭素数2〜30の直鎖または分岐のアルケニル基が含まれる。(b1−2)の具体例としては、(メタ)アクリル酸ブテニルエステル、(メタ)アクリル酸オクテニルエステル、(メタ)アクリル酸デセニルエステル、(メタ)アクリル酸ドデセニルエステル、(メタ)アクリル酸オレイルエステルなどが挙げられる。
【0016】
(b1−3)を構成する(ポリ)アルキレングリコールもしくはそのモノアルキルエーテルを構成するアルキレン基としては、炭素数が2〜20のアルキレン基、例えばエチレン基、プロピレン基、ブチレン基、2−ブチレン基、イソブチレン基、1,1−ジフェニルエチレン基およびシクロヘキシレン基などが挙げられる。好ましくは、炭素数2〜6のアルキレン基である。またモノアルキルエーテルを構成するアルキル基としては炭素数が1〜20の直鎖または分岐アルキル基が挙げられ、好ましくは炭素数1〜18のアルキル基であり、前述のアルキル基が挙げられる。(ポリ)アルキレングリコールにおけるアルキレングリコールの単位の数は好ましくは1〜50、さらに好ましくは1〜20である。(b1−3)の具体例としては、ポリエチレングリコール(エチレングリコールの単位数9)モノメタクリレート、ポリエチレングリコール(エチレングリコールの単位数18)モノメタクリレート、ポリプロピレングリコール(プロピレングリコールの単位数3)モノメタクリレート、ポリエチレングリコール(エチレングリコールの単位数6)モノメチルエーテルモノメタクリレート、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテルモノメタクリレート、ポリプロピレングリコール(プロピレングリコールの単位数3)モノブチルエーテルモノメタクリレートなどが挙げられる。
【0017】
(b1−4)の具体例としては、メタクリル酸シクロヘキシル(以下、MA−CHと略記)、アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸デカヒドロナフチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルエチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸シクロヘプチルエチルなどが挙げられる。
【0018】
(b2);(メタ)アクリル酸以外の不飽和カルボン酸のエステル
(メタ)アクリル酸以外の不飽和モノカルボン酸[クロトン酸など]の炭素数1〜30のアルキル、シクロアルキルもしくはアラルキルエステル、ならびに不飽和ジカルボン酸[マレイン酸、フマール酸、イタコン酸など]の炭素数1〜24のアルキルジエステル[マレイン酸ジメチル、フマル酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジオクチルなど]が挙げられる。
【0019】
(b3);脂肪族ビニル系炭化水素
例えば、炭素数2〜30のアルケン[エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ペンテン、1−ヘプテン、4−メチルペンテン−1,1−ヘキセン、ジイソブチレン、1−オクテン、1−ドデセン、1−オクタデセンおよびその他のα−オレフィンなど]、炭素数4〜18のアルカジエン[好ましくは炭素数4〜5のブタジエン、イソプレン、その他1,4−ペンタジエン、1,6−ヘキサジエンおよび1,7−オクタジエンなど]などが挙げられる。
【0020】
(b4);アルキルアルケニルエーテル
炭素数1〜30の直鎖または分岐アルキル基を有するアルキルビニルエーテル、アルキル(メタ)アリルエーテル、アルキルプロペニルエーテルおよびアルキルイソプロペニルエーテルなどが挙げられ、好ましくは炭素数1〜24のアルキル基である。具体的には、アルキルビニルエーテルとしては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテルなど、アルキル(メタ)アリルエーテルとしては、メチルアリルエーテル、エチルアリルエーテル、n−ブチルアリルエーテルなどが挙げられる。
これらのうちで好ましいものは、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、メチルアリルエーテルおよびエチルアリルエーテルである。
【0021】
(b5);脂肪酸ビニルエステル
脂肪酸としては、炭素数1〜30の直鎖状、分岐状もしくは脂環基を有する脂肪酸が挙げられ、飽和または不飽和のいずれであってもよい。また、直鎖状と分岐状など2種以上の併用であってもよい。好ましくは炭素数1〜24、さらに好ましくは1〜18のアルキル基を有する脂肪酸である。具体的には、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ヘキサン酸ビニル、ヘプタン酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニル、n−オクタン酸ビニル、オレイン酸ビニル、リノール酸ビニル、リノレン酸ビニル、シクロヘキサン酸ビニル、シクロオクタン酸ビニルおよびデカヒドロナフチル酸ビニルが挙げられる。
【0022】
(b6);ビニルケトン類
炭素数1〜8のアルキルもしくはアリールのビニルケトン[メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、フェニルビニルケトンなど]が挙げられる。
【0023】
(b7);脂環基(炭素数5〜24)含有炭化水素系ビニルモノマー
例えば、シクロヘキセン、(ジ)シクロペンタジエン、ビニルシクロヘキセン、エチリデンビシクロヘプテン、ピネン、リモネンおよびインデンなどが挙げられる。
【0024】
(b8);芳香族ビニル系炭化水素
例えば、スチレン、その他置換スチレン(置換基の炭素数1〜18)[アルキル置換スチレン(好ましくはα−メチルスチレン、ビニルトルエン、その他2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレンなど)、シクロアルキル置換スチレン(シクロヘキシルスチレンなど)、アリール置換スチレン(フェニルスチレンなど)、アラルキル置換スチレン(ベンジルスチレンなど)、アシル基置換スチレン(アセトキシスチレンなど)、フェノキシ基置換スチレン(フェノキシスチレンなど)など]、ジビニル置換芳香族炭化水素[好ましくはジビニルベンゼン、その他ジビニルトルエンおよびジビニルキシレンなど]、ビニルナフタレンなどが挙げられる。
【0025】
(b9);窒素原子含有単量体
(b9−1);1〜3級アミノ基含有ビニルモノマー
例えば、アミノアルキル(炭素数1〜8)(メタ)アクリレートもしくは(メタ)アクリルアミド[アミノエチル(メタ)アクリレート、アミノプロピル(メタ)アクリレート、N−アミノエチル(メタ)アクリルアミドなど]およびこれらのモノおよびジアルキル(炭素数1〜6)置換体[ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチルメタクリレートなど]、複素環窒素含有ビニルモノマー[モルホリノエチル(メタ)アクリレート、4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン、ビニルイミダゾール、N−ビニルピロール、N−ビニルチオピロリドン、アミノカルバゾール、アミノチアゾール、アミノインドール、アミノピロール、アミノイミダゾール、アミノメルカプトチアゾールおよびこれらの塩など]、モノおよびジ(メタ)アリルアミンなどが挙げられる。
【0026】
(b9−2);4級アンモニウムカチオン基含有ビニルモノマー
例えば、ジアルキル(炭素数1〜4)アミノアルキル(炭素数2〜8)(メタ)アクリレートもしくは(メタ)アクリルアミドの4級化物[ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミドなどの4級化物]、およびジアリルアミンなどの4級化物が挙げられ、4級化剤としてメチルクロライド、ジメチル硫酸、ベンジルクロライド、ジメチルカーボネートなどの炭素数1〜12のアルキルもしくはアラルキル基を有する化合物を用いて4級化したものが例示される。
【0027】
(b9−3);アミド基含有ビニル単量体
非置換もしくはモノアルキル(炭素数1〜4)置換(メタ)アクリルアミド、[(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−i−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−およびi−ブチル(メタ)アクリルアミドなど]、ジアルキル(炭素数1〜4)置換(メタ)アクリルアミド[N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジn−ブチル(メタ)アクリルアミド]、N−ビニルカルボン酸アミド[N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−n−およびi−プロピオニルアミド、N−ビニルヒドロキシアセトアミド]などが挙げられる。
【0028】
(b9−4);ニトリル基含有単量体
例えば、(メタ)アクリロニトリルおよびシアノスチレンなどが挙げられる。
【0029】
(b9−5);ニトロ基含有単量体
例えば、4−ニトロスチレンなどが挙げられる。
【0030】
(b10);ヒドロキシル基含有ビニル単量体
例えば、芳香族ビニル単量体[p−ヒドロキシスチレンなど]、ビニルアルコール(酢酸ビニル単位の加水分解により形成される)、炭素数3〜12のアルケノール[(メタ)アリルアルコール、クロチルアルコール、イソクロチルアルコール、1−オクテノール、1−ウンデセノールなど]、炭素数4〜12のアルケンジオール[1−ブテン−3−オール、2−ブテン−1−オール、2−ブテン−1,4−ジオールなど]、ヒドロキシアルキル(炭素数1〜6)アルケニル(炭素数3〜10)エーテル[2−ヒドロキシエチルプロペニルエーテルなど]などが挙げられる。
【0031】
(b11);ハロゲン含有ビニル単量体
塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、塩化(メタ)アリル、ハロゲン化スチレン(モノおよびジクロルスチレン、テトラフルオロスチレンおよび塩化アリルなど)などが挙げられる。
【0032】
(b12);アニオン性単量体
(b12−1);カルボキシル基含有ビニル単量体
モノカルボン酸基含有ビニル単量体、例えば、不飽和モノカルボン酸[(メタ)アクリル酸、α−メチル(メタ)アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸など]、不飽和ジカルボン酸のモノアルキル(炭素数1〜8)エステル[マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステルなど]など;ジカルボン酸基含有ビニル単量体、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸およびアコニット酸などが挙げられる。
【0033】
(b12−2);スルホン酸基含有ビニル単量体
炭素数2〜6のアルケンスルホン酸[ビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸など]、炭素数6〜12の芳香族ビニル基含有スルホン酸[α−メチルスチレンスルホン酸など]、スルホン酸基含有(メタ)アクリルエステル系単量体[スルホプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエタンスルホン酸など]、スルホン酸基含有(メタ)アクリルアミド系単量体[2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸など]、スルホン酸基と水酸基を含有するビニル単量体[3−(メタ)アクリルアミド−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、3−アリロキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸など]、アルキル(炭素数3〜18)アリルスルホコハク酸エステル[ドデシルアリルスルホコハク酸エステルなど]などが挙げられる。
【0034】
(b12−3);硫酸エステル基含有ビニル単量体
例えば、ポリ(n=2〜30)オキシアルキレン(エチレン、プロピレン、ブチレン:単独、ランダム、ブロックでもよい)モノ(メタ)アクリレートの硫酸エステル、ポリ(n=2〜30)オキシアルキレン(エチレン、プロピレン、ブチレン:単独、ランダム、ブロックでもよい)ビスフェノールAモノ(メタ)アクリレートの硫酸エステルなどが挙げられる。
【0035】
(b12−4);燐酸基含有ビニル単量体
例えば、(メタ)アクリロイルオキシアルキル(炭素数2〜6)燐酸モノエステル[(メタ)アクリロイルオキシエチルホスフェートなど]、(メタ)アクリロイルオキシアルカン(炭素数2〜4)ホスホン酸[2−アクリロイルオキシエタンホスホン酸など]などが挙げられる。
【0036】
(b)のうち、好ましくは(b1)、(b2)、(b7)、(b8)、(b9)およびそれらの2種以上の併用であり、さらに好ましくは(b1)、(b2)およびそれらの2種以上の併用であり、特に好ましくは(b1−1)およびそれらの2種以上の併用である。
【0037】
(b1−1)のうちの2種以上の併用の場合の好ましい組み合わせは、炭素数8〜24、さらに好ましくは炭素数12〜24の直鎖もしくは分岐のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルの2種以上の組み合わせである。
【0038】
(A)が(b)の単位を含む場合の(A)の重量に基づく(a)の単位の割合は、好ましくは0.01〜30重量%(以下において特に限定しない限り%は重量%を表す)、さらに好ましくは0.1〜20%、特に好ましくは0.5〜15%である。(a)の単位が0.01%以上であれば流動点降下能に優れている点で好ましく、30%以下であれば炭化水素油への溶解性に優れている点で好ましい。
【0039】
(A)の重量平均分子量(以下、Mwと略記する)は、好ましくは3,000〜1,000,000、さらに好ましくは5,000〜500,000、特に好ましくは7,000〜300,000である。ここでMwはゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレン換算分子量として測定されたものである。
【0040】
(A)の結晶化温度は、好ましくはー70℃〜50℃、さらに好ましくはー60℃〜40℃、特に好ましくはー50℃〜30℃である。結晶化温度が−70℃以上および50℃以下では、流動点降下能に優れている点で好ましい。
【0041】
本発明における結晶化温度は、PERKIN−ELMER社製 示差走査熱量計(登録商標「UNIX」;機種DSC7)を使用し、試料5mgを140℃から−80℃まで10℃/分の等温速度で冷却したときに観測される結晶化による吸熱ピーク温度をもって結晶化温度(以下Tcと略記する)とした。
【0042】
(A)の具体例としては、例えば、FM−0721(0.5〜3%)/MA−12(20%)/MA−18(77〜79.5%)共重合体、FM−0721(3%)/MA−12(52%)/MA−14(25%)/MA−16(20%)共重合体、FM−0721(3%)/MMA(10%)/MA−12(36%)/MA−14(25%)/MA−16(26%)共重合体、並びにFM−0721(3%)/MA−CH(15%)/MA−12(29%)/MA−14(25%)/MA−16(28%)共重合体などが挙げられる。
【0043】
(A)を製造する方法は、従来から知られているラジカル重合方法でよく、例えば溶液重合法、乳化重合法、懸濁重合法、逆相懸濁重合法、薄膜重合法、噴霧重合法等が挙げられる。これらのうち、好ましくは溶液重合法であり、通常、溶剤中で、開始剤存在下で(a)、必要によりさらに(b)をラジカル重合することにより製造できる。溶剤としては、例えば高沸点溶剤として溶剤精製油、イソパラフィンを含有するおよび/または水素化分解による高粘度指数油、炭化水素系合成油(ポリα−オレフィン系合成潤滑油など)、エステル系合成油、ナフテン油等が挙げられる。有機溶剤としては、例えば炭化水素系溶剤(ペンタン、ヘキサン等)、芳香族系溶剤(トルエン、キシレン等)、アルコール系溶媒(イソプロピルアルコール、オクタノール、ブタノール等)、ケトン系溶媒(メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン等)、アミド系溶媒(N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等)、スルホキシド系溶媒(ジメチルスルホキシド等)、およびこれらの2種以上の併用が挙げられる。
開始剤としては、アゾ系開始剤、過酸化物系開始剤、レドックス系開始剤、有機ハロゲン化合物開始剤からなる群より選ばれる開始剤である。
アゾ系開始剤としては、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、アゾビスシアノ吉草酸およびその塩(例えば塩酸塩など)、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)ハイドロクロライド、2,2′−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミドなどが挙げられる。
過酸化物系開始剤としては無機過酸化物[例えば、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウムなど]、有機過酸化物[例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、コハク酸パーオキサイド、ジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシネオヘプタノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、ジブチルパーオキシトリメチルアジペート、ラウリルパーオキシドなど]が挙げられる。
レドックス系開始剤としては、アルカリ金属の亜硫酸塩もしくは重亜硫酸塩(例えば、亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸アンモニウムなど)、塩化第一鉄、硫酸第一鉄、アスコルビン酸などの還元剤とアルカリ金属の過硫酸塩、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、有機過酸化物など酸化剤との組合せよりなるものなどが挙げられる。
また、重合には連鎖移動剤を添加してもよく、例えばメルカプタン類(n−ラウリルメルカプタン、メルカプトエタノール、メルカプトプロパノールなど)、チオカルボン酸類(チオグリコール酸、チオリンゴ酸など)、2級アルコール類(イソプロパノ−ルなど)、アミン類(ジブチルアミンなど)、次亜燐酸塩類(次亜燐酸ナトリウなど)などが挙げられる。
【0044】
重合制御の方法は、断熱重合法、温度制御重合法が挙げられる。反応温度としては、好ましくは30〜140℃、さらに好ましくは50〜130℃、特に好ましくは70〜120℃である。また、熱による重合開始の方法の他に、放射線、電子線、紫外線などを照射して重合を開始させる方法を採ることもできる。好ましいものは温度制御した溶液重合法である。
さらに、共重合としては、ランダム付加重合または交互共重合のいずれでもよく、またグラフト共重合またはブロック共重合のいずれでもよい。
【0045】
本発明における流動点降下剤組成物は、本発明の流動点降下剤、ならびに希釈剤および/または他のビニル単量体(b)から選ばれる1種以上のビニル単量体の単位から構成されるビニル重合体(B)を含有する。
【0046】
希釈剤で溶解・希釈することにより炭化水素油への溶解が容易になる点で好ましい。希釈剤としては、後述の炭化水素油と同様のもの、および前述の(A)の製造法において挙げた溶剤と同様のものが使用でき、(A)の重合工程で使用した溶剤を除去せずにそのまま残しておいてもよい。希釈剤としては、好ましくは溶剤精製油、イソパラフィンを含有するおよび/または水素化分解による粘度指数100〜160の高粘度指数油、炭化水素系合成油(ポリα−オレフィン系合成潤滑油など)、エステル系合成油、ナフテン油である。
(A)からなる流動点降下剤が希釈剤に溶解しにくい場合は、加熱(好ましくは40〜150℃)して溶解することが好ましい。
希釈剤を使用する場合の流動点降下剤組成物中の(A)の濃度は好ましくは1%以上、さらに好ましくは10〜90%、特に好ましくは30〜80%である。
【0047】
流動点降下剤組成物中の(B)としては、前述の(a)を構成単量体として含まず、前述の(b)から選ばれる1種以上の単量体から構成される重合体(B)が例示される。(B)を添加することは、流動点を降下させる観点で好ましい。(B)を構成する単量体としては、前述の(b)のうち、好ましくは(b1)、(b2)、(b3)、(b5)、(b7)、(b8)、(b9)およびそれら2種以上の併用であり、さらに好ましくは(b1−1)、(b1−2)、(b2)およびそれら2種以上の併用であり、特に好ましくは(b1−1)およびそれら2種以上の併用である。
(b1−1)のうちの2種以上の併用の場合の好ましい組み合わせは、以下の▲1▼または▲2▼である。
▲1▼;炭素数8〜24、さらに好ましくは炭素数12〜24の直鎖もしくは分岐のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルの1種以上(b1−1−1)、および炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルの1種以上(b1−1−2)[(b1−1−2)のうち特に好ましくは(メタ)アクリル酸メチル]との組み合わせであり、比率(b1−1−1)/(b1−1−2)は、好ましくは50/50〜98/2重量比、さらに好ましくは60/40〜90/10重量比である。
▲2▼;炭素数8〜24、さらに好ましくは炭素数12〜24の直鎖もしくは分岐のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルの2種以上の組み合わせ。
(B)のMwは通常5,000〜1,000,000、好ましくは20,000〜400,000であり、(b1−1)からなる(B)の好ましいMwも同様である。
(B)の具体例としては、例えば、MA−12(30〜80%)/MA−18(20〜70%)からなる共重合体、およびMMA(0〜30%)/MA−12(10〜40%)/MA−14(10〜40%)/MA−16(0〜20%)共重合体などが挙げられる。
【0048】
(B)を使用する場合の(B)/(A)の重量比は、通常0〜0.5/1、好ましくは0.1〜0.3/1である。
【0049】
本発明の炭化水素油組成物は、炭化水素油系燃料油または炭化水素油系潤滑油、並びに流動点降下剤または流動点降下剤組成物からなるものであるが、(B)は、流動点降下剤組成物の中に予め配合されていてもよいが、(A)と(B)をそれぞれを別にして炭化水素油に添加してもよい。その場合の添加の順序は特に限定されない。
【0050】
本発明の炭化水素油組成物には炭化水素系燃料油組成物および炭化水素系潤滑油組成物が含まれる。
本発明の炭化水素油系燃料油組成物に用いることのできる炭化水素油系燃料油としては、例えばJIS1号経由、JIS2号経由、JIS3号軽油、JIS特3号軽油、JISA重油などの原油を原料とする燃料油が挙げられ、硫黄含量が0.05重量%以下の低硫黄燃料油に対しても有効である。低硫黄燃料油の具体例としては、低硫黄原油(たとえば、ミナス原油等南方系の原油)の通常の蒸留で得られるJIS1号軽油、JIS2号軽油、JIS3号軽油、JIS特3号軽油;通常の原油から水素化脱硫処理工程を経て製造される脱硫軽油;この脱硫軽油と直留軽油(水素化脱硫工程前の軽油)をブレンドして得られる軽油留分から製造されるJIS1号軽油、JIS2号軽油、JIS3号軽油、JIS特3号軽油が挙げられる。
なお、本発明において炭化水素油系燃料油には、上記炭化水素油とその他の燃料油との混合物も含まれる。その他の燃料油としては、植物油、動物油および合成エステル油などが挙げられる。混合物の場合の混合物中のその他の燃料油の割合は通常60%以下、好ましくは40%以下である。
【0051】
本発明の炭化水素油系潤滑油組成物に用いることのできる炭化水素油系潤滑油としては、炭素数が少なくとも18〜27のワックスを含有する潤滑油が挙げられ、具体的には、溶剤精製油、イソパラフィンを含有するおよび/または水素化分解による粘度指数100〜160の高粘度指数油、炭化水素系合成潤滑油(ポリα−オレフィン系合成潤滑油など)、ナフテン油並びにこれら2種以上の混合油などが挙げられる。なお、本発明において炭化水素油系潤滑油には、上記炭化水素油とエステル系合成潤滑油との混合物も含まれる。混合物の場合の混合物中のエステル系合成潤滑油の割合は通常60%以下、好ましくは40%以下である。
【0052】
本発明の炭化水素油組成物中の(A)の含有量は、好ましくは炭化水素油組成物の重量に基づいて0.001〜30%、さらに好ましくは0.005〜10%、特に好ましくは0.01〜2%である。
【0053】
本発明の炭化水素油組成物はさらにその他の添加剤を含んでもよい。例えば清浄剤[スルフォネート系、サリシレート系、フェネート系、ナフテネート系などのCaやMg塩およい炭酸カルシウム]、分散剤[コハク酸イミド系(例えばビスタイプ、モノタイプ、ボレートタイプ、マンニッヒ縮合物系など)]、抗酸化剤[ジンクジチオフォスフェート、アミン系(ジフェニルアミンなど)、ヒンダードフェノール系、チオリン酸亜鉛およびトリアルキルフェノールなど)、従来から公知の摩擦調整剤[長鎖脂肪酸(例えばオレイン酸)、長鎖脂肪酸エステル(例えばオレイン酸エステル)、長鎖アミン系(例えばオレイルアミン)、長鎖アミド(例えばオレアミド)]、耐摩耗剤[例えばモリブデンジチオフォスフェート、モリブデンジチオカーバメイトおよびジンクジアルキルジチオフォスフェート]、極圧剤[例えば硫黄リン系、硫黄系、リン系およびクロル系]、消泡剤[例えばシリコーン油、金属石けん、脂肪酸エステルおよびリン酸エステル]、抗乳化剤[例えば4級アンモニウム塩、硫酸化油およびリン酸エステル]および腐食防止剤[ベンゾトリアゾールおよび1,3,4−チオジアゾリル−2,5−ビスジアルキルジチオカルバメート]、粘度指数向上剤[ポリアルキル(メタ)アクリレート系共重合体、ポリイソブチレン系、ポリアルキルスチレン系、エチレン−プロピレン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体の水添物]などが含まれる。
これらの添加量は、炭化水素油組成物の重量に基づいて清浄剤は通常0〜20%、好ましくは0.1〜10%、分散剤は通常0〜20%、好ましくは0.2〜10%、抗酸化剤は通常0〜5%、好ましくは0.1〜3%、公知の摩擦調整剤は通常0〜5%、好ましくは0.1〜1%、耐摩耗剤は通常0〜5%、好ましくは0.1〜3%、極圧剤は通常0〜20%、好ましくは0.1〜10%、消泡剤は通常2〜1,000ppm、好ましくは10〜700ppm、抗乳化剤は通常0〜3%、好ましくは0〜1%、および腐食防止剤は通常0〜3%、好ましくは0〜2%である。粘度指数向上剤は通常0〜20%、好ましくは0.1〜10%である。
【0054】
他の添加剤を含む場合、炭化水素油組成物中のその他の添加剤の合計量は、通常0〜40%、好ましくは0.1〜20%である。
【0055】
本発明の流動点降下剤を潤滑油に添加した場合は、流動点降下効果だけでなく、摩擦調整効果、摩耗防止効果、分散効果、酸化防止効果および粘度指数向上効果などを発揮することもできる。従って、対象となる潤滑油は、エンジン油(ガソリン用、ディーゼル用など)、変速機油[ギア油(工業用、自動車用)、自動変速機油(オートマチックトランスミッション油、トロイダルCVT油、ベルトCVT油)]、パワーステアリング油、ショックアブソーバー油、トラクション油、グリースなどに幅広く好適に用いることができ、低温流動性に優れる。
【0056】
【実施例】
以下に、実施例において本発明を説明するがこれに限定するものではない。なお、実施例および比較例中の部は重量部を表す。
【0057】
(GPCによるMwの測定法)
装置 : 東洋曹達製 HLC−802A
カラム : TSK gel GMH6 2本
測定温度 : 40℃
試料溶液 : 0.5質量%のテトラヒドロフラン溶液
溶液注入量 : 200μl
検出装置 : 屈折率検出器
標準 : ポリスチレン
【0058】
(流動点の測定法)
JIS K−2269の方法で測定した。
【0059】
実施例1〜3、比較例1〜2
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計、滴下ロートおよび窒素吹き込み管を備えた反応容器に、重合溶剤としてトルエン2,500部を仕込み、反応容器の気相部の窒素置換を行った後に密閉下75〜90℃に昇温し、滴下ロートから表1に記載の組成の単量体、連鎖移動剤n−ラウリルメルカプタン20部、開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)50部からなる単量体−開始剤溶液を等速度で3時間かけて滴下し、さらに1時間同温度で熟成した。得られたポリマー溶液を100℃に加熱し、トルエンを減圧下に除去して、表1に記載のMwとTcを有する共重合体(A−1)〜(A−3)からなる本発明の流動点降下剤並びに共重合体(B−1)および(B−2)からなる比較例の流動点降下剤をそれぞれ10,000部得た。
【0060】
【表1】
Figure 2004315611
【0061】
実施例4〜6、比較例3、4
各々の流動点降下剤5,200部に、炭化水素油(水素化改質油:100℃の動粘度は2.3mm/s、粘度指数83)2,500部を加えて120℃で均一に溶解して希釈し、本発明および比較例の流動点降下剤組成物を得た。これらの各々の流動点降下剤組成物3部と、高粘度指数油[「YUBASE6」(SKCorp.製)、Tc−19℃、PP−15℃]997部を混合することにより本発明の炭化水素油系潤滑油組成物(V1)〜(V3)および比較例の炭化水素油系潤滑油組成物(V4)および(V5)を得た。
これらの炭化水素油系潤滑油組成物の流動点の測定結果を表2に示す。
【0062】
【表2】
Figure 2004315611
【0063】
実施例7〜9、比較例5,6
各々の流動点降下剤4,800部に、芳香族混合溶剤5,200部を加えて40℃で均一に溶解して希釈し、本発明および比較例の流動点降下剤組成物を得た。これらの各々の流動点降下剤組成物1部と、燃料油[2号軽油」、PP:−12.5℃]999部を混合することにより本発明の炭化水素油系燃料油組成物(V6)〜(V8)および比較例の炭化水素油系燃料油組成物(V9)および(V10)を得た。
これらの炭化水素油系燃料油組成物の流動点の測定結果を表3に示す。
【0064】
【表3】
Figure 2004315611
【0065】
【発明の効果】
本発明の流動点降下剤は、従来の流動点降下剤に比べ改善された流動点降下能を示す。そのため、これを添加した燃料油は、寒冷地などで低温にさらされても、配管系のフィルターを目詰まりさせることも少なく、配管系内で固化することもない。また潤滑油に添加すると、エンジンなどの燃焼装置や駆動系装置の低温でのトラブルが少なくなり、始動性の向上および省燃費化に効果的である。また、該流動点降下剤は粘度指数向上効果、摩耗防止効果、分散効果および酸化防止効果も発揮できる。

Claims (11)

  1. 下記一般式(1)で示されるビニル単量体(a)を必須構成単量体としてなるビニル重合体(A)からなる炭化水素油用流動点降下剤。
    Figure 2004315611
    [式中、Qは炭素数2〜12のラジカル重合性アルケニル基または(メタ)アクリロイルオキシ基、Rは炭素数1〜6のアルキレン基、R〜Rは炭素数1〜12のアルキル基でありR〜Rは同一でも異なっていてもよく、nは1〜200の整数である。]
  2. (A)がさらに他のビニル単量体(b)を構成単量体としてなるビニル重合体である請求項1記載の流動点降下剤。
  3. (b)が、(メタ)アクリル酸エステル(b1)である請求項2記載の流動点降下剤。
  4. (A)が、ビニル単量体(a)からなる単位を(A)の重量に基づいて0.01〜30重量%含有するビニル重合体である請求項1〜3のいずれか記載の流動点降下剤。
  5. (A)の重量平均分子量が3,000〜1,000,000である請求項1〜4のいずれか記載の流動点降下剤。
  6. (A)の示差走査熱量計による結晶化温度が−70℃〜10℃である請求項1〜5のいずれか記載の流動点降下剤。
  7. 請求項1〜6のいずれか記載の流動点降下剤、並びに希釈剤および/または他のビニル単量体(b)から選ばれる1種以上のビニル単量体の単位から構成されるビニル重合体(B)を含有する流動点降下剤組成物。
  8. 炭化水素油系燃料油または炭化水素油系潤滑油と請求項1〜6のいずれか記載の流動点降下剤を含有する炭化水素油組成物。
  9. 炭化水素油組成物の重量に基づいて(A)を0.001〜30重量%含有する請求項8記載の炭化水素油組成物。
  10. 燃料油がワックス含有炭化水素油系燃料油である請求項8または9記載の炭化水素油組成物。
  11. 潤滑油がワックス含有炭化水素油系潤滑油である請求項8または9記載の炭化水素油組成物。
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