JP2004315307A - グリーンシート、シート状セラミック、シート状セラミックの製造方法およびアクチュエータ - Google Patents
グリーンシート、シート状セラミック、シート状セラミックの製造方法およびアクチュエータ Download PDFInfo
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Abstract
【課題】材料の廃棄割合が少なく、厚みが均一で且つ欠陥の少ないシート状セラミックおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】水溶性バインダーと、セラミック粉末と、水とを含み、体積固形分比率が2%以上5%未満であるセラミックスラリー組成物を支持体上に流延してシート状に成形し、セラミックスラリーの乾燥、脱脂および焼成を行なってシート状セラミックを製造する。セラミック粉末としてチタン酸ジルコン酸鉛を主成分とするセラミック誘電体粉末を用い、乾燥後のセラミックスラリー組成物、すなわちグリーンシートの厚さを200μm以上380μm以下とする。焼成後に得られるシート状セラミックの厚さは140μm以上270μm以下とする。
【選択図】図2
【解決手段】水溶性バインダーと、セラミック粉末と、水とを含み、体積固形分比率が2%以上5%未満であるセラミックスラリー組成物を支持体上に流延してシート状に成形し、セラミックスラリーの乾燥、脱脂および焼成を行なってシート状セラミックを製造する。セラミック粉末としてチタン酸ジルコン酸鉛を主成分とするセラミック誘電体粉末を用い、乾燥後のセラミックスラリー組成物、すなわちグリーンシートの厚さを200μm以上380μm以下とする。焼成後に得られるシート状セラミックの厚さは140μm以上270μm以下とする。
【選択図】図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、グリーンシート、シート状セラミック、シート状セラミックの製造方法およびアクチュエータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、磁気ヘッドなどに精密な制御を行うことが可能な圧電屈曲型のアクチュエータが用いられている。圧電屈曲型のアクチュエータは、電圧を印加すると伸縮する圧電素子をカーボンシートなどの電極両面に貼り付けたバイモルフ構造を有している。圧電素子の材料としてはセラミック誘電体が用いられるが、アクチュエータに用いるためのセラミック誘電体を作成するには、セラミック誘電体の粉末を混合・仮焼成(反応)・粉砕・造粒・成形・焼結して、バルク材を形成した後に機械加工であるスライス加工や研磨加工を施して任意の厚さおよび形状を形成している。
【0003】
バルク体の焼結後にセラミック誘電体を機械加工しているために、アクチュエータに用いるために必要な形状のセラミック誘電体を得るまでに、研磨工程やスライス工程において多量の加工ロスが発生し、不要箇所として廃棄される割合が高く、製造コストを低減することが困難であった。また、セラミック誘電体としてチタン酸ジルコン酸鉛系(以下、PZTと呼称する)を用いる場合には、鉛化合物の廃棄を伴うために、廃棄物の取り扱いを慎重に行う必要があった。
【0004】
シート状セラミックを形成する方法としては、セラミック粉末を成形して焼成後に機械的加工を行なう方法のほかに、セラミックスラリーをコーティングロール上に塗布してグリーンシートを形成する方法がある。このようなグリーンシートの形成方法に関しては、環境保護の面からも有機溶剤を使用していない水系スラリーの必要性が高まり、バインダーとして水溶性のポリビニルブチラール、酢酸ポリビニル、ポリビニルアルコール、アクリル酸エステルやアクリル酸エステルのエマルジョンなどが容易に入手できるようになった。
【0005】
従来の有機溶剤系バインダーを用いたセラミックスラリーでは、リバースロールコーター法が幅広く使用されてきた。しかし、水溶性バインダーを用いたセラミックスラリーは表面張力が大きく発泡しやすいため、リバースロールコーター法で塗布した場合には、コーティングロール表面に塗布されたセラミックスラリーがキャリアフィルムに転写されるときに気泡を巻き込み、出来上がったグリーンシートにピンホールと呼ばれる細かい穴が発生し、使用に耐えないものになってしまう。
【0006】
そこで有機溶剤系のスラリーと同様に、セラミック材料などと混合してセラミックスラリー組成物を得て、これをドクターブレード法によりコーティングロール上に塗布してグリーンシートを形成する方法が用いられるようになってきた。ドクターブレード法を用いてグリーンシートを形成するためのセラミックスラリー組成物の体積固形分比率は、5%〜20%と報告されている例がある(例えば特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】特開平8−310870号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ドクターブレード法では、ブレード隙間を通過したセラミックスラリーがキャリアフィルム上に流延されるため、表面張力による発泡という問題は起こりにくい。しかし、ブレード隙間によってグリーンシートの厚みが決まるため、薄いグリーンシートを得ようとした場合には隙間を極端に狭くしなければならない。逆に、厚いグリーンシートを得ようとした場合には、セラミックスラリーの投入量(ブレード隙間にかかる自重の重さ)により、厚みが変わってしまう。従って薄物のグリーンシートの場合、ブレードの加工精度、隙間の設定精度の面から、厚物のグリーンシートの場合は投入量の面から、厚みの均一なグリーンシートを得ることは困難であり、希望の厚みのグリーンシートを作製しようとしても厚みばらつきが発生していた。
【0009】
グリーンシートを焼成したシート状セラミックをアクチュエータの圧電素子として用いる際には、電圧印加時の収縮を精密に制御する必要があるために、グリーンシートの厚さは均一でなくてはならない。また、アクチュエータとして用いるシート状セラミックの厚さは、コンデンサ等に用いられるものよりも厚い必要があり、数十μm乃至数百μmの厚みでグリーンシートを成形する必要がある。しかし、前述したようにドクターブレード法では厚いグリーンシートを得る場合には、セラミックスラリーの投入量によって厚さが不均一になるという問題があった。そこで本発明は、材料の廃棄割合が少なく、厚みが均一で且つ欠陥の少ないシート状セラミックおよびその製造方法を提供することを課題とする。また、厚みが均一で欠陥の少ないシート状セラミックを用いたアクチュエータを提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本願発明のグリーンシートは、水溶性バインダーと、セラミック粉末と、水とを含み、体積固形分比率が2%以上5%未満であるセラミックスラリー組成物を支持体上に流延してシート状に成形し、乾燥を行なって得られることを特徴とする。
【0011】
体積固形分比率が2%以上5%未満のセラミックスラリーをドクターブレード法でコーティングロール上に塗布することで、容易に厚みが均一で、欠陥のないグリーンシートを得ることができる。
【0012】
セラミック粉末を、チタン酸ジルコン酸鉛を主成分とするセラミック誘電体粉末とすることで圧電素子としてアクチュエータに用いるのに適したグリーンシートとなる。また、グリーンシートの厚さを200μm以上380μm以下とすることで、アクチュエータの圧電素子として用いる際に機械加工によって廃棄されるセラミックの量を低減し、製造コストの削減と廃棄物回収に関わる手間の減少を図ることが可能となる。
【0013】
また、上記課題を解決するために本願発明のシート状セラミックは、水溶性バインダーと、セラミック粉末と、水とを含み、体積固形分比率が2%以上5%未満であるセラミックスラリー組成物を支持体上に流延してシート状に成形し、乾燥、脱脂および焼成を行なって得られることを特徴とする。
【0014】
また、シート状セラミックの厚さを140μm以上270μm以下とすることで、アクチュエータの圧電素子として用いる際に機械加工によって廃棄されるセラミックの量を低減し、製造コストの削減と廃棄物回収に関わる手間の減少を図ることが可能となる。
【0015】
また、上記課題を解決するために本願発明のシート状セラミックの製造方法は、水溶性バインダーと、セラミック粉末と、水とを含み、体積固形分比率が2%以上5%未満であるセラミックスラリー組成物を支持体上に流延してシート状に成形し、前記セラミックスラリーの乾燥、脱脂および焼成を行なうことを特徴とする。
【0016】
体積固形分比率が2%以上5%未満のセラミックスラリーをドクターブレード法でコーティングロール上に塗布し、乾燥した後に脱脂、焼成することで、容易に厚みが均一で、欠陥のないシート状セラミックを得ることができる。また、乾燥後のセラミックスラリー組成物をグリーンシートと呼ぶが、グリーンシートの厚さを200μm以上380μm以下とすることで、焼成後に得られるシート状セラミックの厚さをアクチュエータの圧電素子に適した厚さにすることができ、機械加工によって廃棄されるセラミックの量を低減し、製造コストの削減と廃棄物回収に関わる手間の減少を図ることが可能となる。
【0017】
また、上記課題を解決するために本願発明のアクチュエータは、中間電極を圧電板で挟持したバイモルフ構造を有するアクチュエータであって、前記圧電板として、水溶性バインダーと、セラミック粉末と、水とを含み、体積固形分比率が2%以上5%未満であるセラミックスラリー組成物を支持体上に流延してシート状に成形し、乾燥、脱脂および焼成を行なって得られるシート状セラミックを用いることを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明を適用したシート状セラミックおよびその製造方法、シート状セラミックを用いたアクチュエータについて、図面を参照しながら詳細に説明する。なお本願発明は、以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0019】
図1に本発明のシート状セラミックを形成して、それを用いたアクチュエータを製造する工程を示したフロー図を示す。まず始めに、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)を主成分とするセラミック誘電体粉末の秤量を行い(工程S1)、湿式の一次混合(工程S2)を行って乾燥をした後に粗粉砕(工程S3)をし、仮焼き(工程S4)の後に湿式の二次混合(工程S5)を行う。再び乾燥をした後に粗粉砕(工程S6)をし、粉末の秤量(工程S7)を行って水溶性アクリル樹脂をバインダーとして混合(工程S8)する。バインダーを混合した後に高速攪拌(工程S9)を行い、減圧条件下で脱泡処理(工程S10)を施してセラミックスラリーを得る。次に、後述するドクターブレード法を用いてコーティングロール上にセラミックスラリーを塗布しシート成形(工程S11)を行い、例えば温度100℃にて乾燥(工程S12)を行ないグリーンシートを得る。
【0020】
次に、所定のサイズにグリーンシートを切断してコーティングロールを剥がし(工程S13)、例えば温度400℃で脱脂処理を施してバインダーを除去し(工程S14)、焼成を行ってシート状セラミックを得る(工程S15)。次に、得られた二枚のシート状セラミックに電極を形成し(工程S16)、電極およびシート状セラミックを所望の形状に外形を加工して、中間電極を圧電素子で挟持したバイモルフ構造を形成する(工程S17)。最後に、得られたバイモルフ構造をアクチュエータの一部としてアクチュエータの組立てを行う(工程S18)。
【0021】
本実施例においてはセラミック粉末としてチタン酸ジルコン酸鉛系(PZT)を主成分とするセラミック誘電体粉末を用いた例を示したが、圧電素子として利用することが可能な材質であれば他の材質でもよい。また、バインダーとして水溶系アクリル樹脂を用いた例を示したが、有機溶剤系のバインダーではなく水溶性バインダーであれば、ポリビニルアセタール、ポリビニルアルコール、アクリル酸エステル、酢酸ビニルなどの他の材質を用いてもよい。
【0022】
上述したアクチュエータの製造工程のうち、ドクターブレード法を用いたシート成形工程および乾燥工程について図2を用いて説明する。図2(a)はドクターブレード法によるシート成形装置の概略を示す断面図であり、図2(b)は外観斜視図である。
【0023】
ドクターブレード法では、容器部1とドクターブレード2との隙間であるブレード隙間3の間隔を調整し、コーティングロール4を引出しローラ5で移動させながらセラミックスラリー6をコーティングロール4上に塗布するものである。コーティングロール4上に塗布されたセラミックスラリー6は、支持板8を移動しながら乾燥されてグリーンシート7が成形される。
【0024】
容器部1はセラミックスラリー6を貯留する空間であり、底面側が狭くなるようにテーパーを有している。また、容器部1の底面をコーティングロール4が通過可能になっている。容器部1の幅はコーティングロール4の幅と同等かやや狭くなっている。
【0025】
ドクターブレード2は、容器部1に貯留されたセラミックスラリー6がコーティングロール4上に流延される厚さを調整する板状の部材であり、容器部1の底面と一定の間隔であるブレード隙間3を開けて配置される。ドクターブレード2はセラミックスラリー6を堰き止めるとともに、容器部1の底面を通過していくコーティングロール4上に一定量のセラミックスラリー6を流延させる機能を担っている。図ではドクターブレード2を2枚垂直に設けた例を示しているが、ドクターブレード2の枚数は適宜選択可能である。
【0026】
ブレード隙間3は、容器部1とドクターブレード2の間に開いた隙間であり、コーティングロール4が容器部1の底面を通過する際に、セラミックスラリー6がブレード隙間3から漏出することでコーティングロール4上にセラミックスラリー6が塗布される。
【0027】
コーティングロール4は樹脂で形成されたシートであり、引出しローラ5の回転に伴って容器部1の後方(図中左)から引き出されて、容器部1の底面およびブレード隙間3を通過し支持板8上を移動することによって、コーティングロール4上にセラミックスラリー6の塗布が行われる。引出しローラ5は、互いに逆回転する2本のローラによってコーティングロール4を挟み込み、コーティングロール4を引き出して移動させる部材である。
【0028】
容器部1にセラミックスラリー6を投入すると、セラミックスラリー6の自重によって、ブレード隙間3からセラミックスラリー6が流れ出す。同時に引出しローラ5を回転させてコーティングロール4を一定速度で引き出し、コーティングロール4上にセラミックスラリー6を塗布する。コーティングロール4上に塗布されたセラミックスラリー6は支持板8上を移動する過程で乾燥され、セラミックスラリー6中の水分が蒸発することでグリーンシート7が形成される。
【0029】
セラミックスラリー6は、PZTを主成分とするセラミック誘電体粉末100重量部に対して、消泡剤0.1重量部、バインダーとして水溶性アクリル樹脂(固形分20%の水溶液)、並びに水を加えて、高速遊星型攪拌装置にて1000rpmにて5分間混合して得られる。このとき、加える水の量を調整してセラミックスラリー6の体積固形分比率を調整する。
【0030】
このようにして得られたセラミックスラリー200gを図2に示したドクターブレード法による塗布装置の容器部1に入れ、ブレード隙間3を500μm、コーティングロール4の送り速度を50cm/分の条件でコーティングロール4上にセラミックスラリー6の塗布して乾燥を行ないグリーンシート7を作成した。作製したグリーンシート7を乾燥した後に、シート厚みばらつきを測定し、グリーンシート7の状態を観察した。また、グリーンシート7を切断してコーティングロール4を剥離した後に焼成を行い、シート状セラミックを形成して表面状態の観察を行った。上述したセラミックスラリー6の投入量、ブレード隙間3の間隔およびコーティングロール4の送り速度は一例であり、適宜変更可能である。例えば、薄物のグリーンシートを作成したい場合、今回の送り速度の条件50cm/分を70cm/分にすることで厚さを約2割薄くできることがわかっている。
【0031】
厚みのばらつき測定に際しては、図3に示すように、グリーンシート7の幅20cmの両端(端部から2cm内側)と中央部の3箇所について、シート成形を開始した側から10cmの位置と、シート成形を終了した側から10cmの位置とを各々の測定箇所として測定した。そして、開始側と終了側の各々3箇所の厚さの平均値を求め、開始側と終了側の平均厚みの差を厚みばらつきとした。
【0032】
本実施例では、体積固形分比率が、0.5%、1.0%、1.5%、2.0%、2.5%、3.0%、3.5%、4.0%、4.5%、5.0%、5.5%、6.0%、6.5%、7.0%、7.5%、8.0%、のセラミックスラリー6をそれぞれ作成した。ここで、セラミックスラリー6の体積固形分比率が、2.0%、2.5%、3.0%、3.5%、4.0%、4.5%のものをそれぞれ実施例1から実施例6とした。また、セラミックスラリー6の体積固形分比率が、0.5%、1.0%、1.5%、5.0%、5.5%、6.0%、6.5%、7.0%、7.5%、8.0%のものをそれぞれ比較例1から比較例10とした。
【0033】
実施例1から実施例6および比較例1から比較例10の開始側厚みと終了側厚み、グリーンシート7の状態、および焼成後の状態を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
表1に示した結果から明らかなように、本発明品である体積固形分比率を2%以上、5%未満としたセラミックスラリー6を用いる実施例1から実施例6では、厚みばらつきが小さく欠陥の少ないシート状セラミックを形成できることが分かる。
【0036】
これに対し、体積固形分比率が2.0%未満となるようにセラミック粉末を混合した比較例1から比較例3の場合には、高速遊星型攪拌混合機での混合工程を経たときにセラミック粉末がスラリー化せずに粘土状態になってしまい、ドクターブレード2とコーティングロール4との隙間をセラミックが均一に流れないためにコーティングロール4上への塗布を行えなかった。
【0037】
また、体積固形分比率を5.0%以上にしたセラミックスラリー6を用いる比較例4から比較例10の場合には、コーティングロール4上へのセラミックスラリー6の塗布は可能であるが、脱脂および焼成をした後のシート状セラミック表面に多数の穴が発生し、外観不良や電極形成時での不良が発生してしまう。シート状セラミック表面に穴が発生すると、シート状セラミックをアクチュエータに用いる際にひび割れが発生する要因になるため好ましくない。また特に、体積固形分比率が6.0%以上の比較例6から比較例10では、セラミックスラリー6を乾燥した後のグリーンシート7に反りが発生してしまい、アクチュエータに用いるには適さない。
【0038】
次に、体積固形分比率が2.0%未満となるようにセラミック粉末を混合した比較例1から比較例3の場合にもセラミック粉末をスラリー化するために、水を追加して高速攪拌を行った例を示す。
【0039】
体積固形分比率が、0.5%、1.0%、1.5%、2.0%、2.5%、3.0%、3.5%、4.0%、4.5%、5.0%、5.5%、6.0%、6.5%、7.0%、7.5%、8.0%、のセラミックスラリー6をそれぞれ作成し、そのセラミックスラリー6に水分量を10重量部追加してバインダーを希釈したセラミックスラリー6を作成した。ここで、水分を追加する前のセラミックスラリー6の体積固形分比率が、2.0%、2.5%、3.0%、3.5%、4.0%、4.5%のものをそれぞれ実施例11から実施例16とした。また、水分を追加する前のセラミックスラリー6の体積固形分比率が、0.5%、1.0%、1.5%、5.0%、5.5%、6.0%、6.5%、7.0%、7.5%、8.0%のものをそれぞれ比較例11から比較例20とした。
【0040】
実施例11から実施例16および比較例11から比較例20の開始側厚みと終了側厚み、グリーンシート7の状態、および焼成後の状態を表2に示す。
【0041】
【表2】
【0042】
表2に示した結果から明らかなように、本発明品である体積固形分比率を2%以上、5%未満としてさらに水を10重量部追加したセラミックスラリー6を用いる実施例11から実施例16では、厚みばらつきが小さく欠陥の少ないシート状セラミックを形成できることが分かる。
【0043】
これに対し、体積固形分比率が2.0%未満となるようにセラミック粉末を混合した比較例11から比較例13の場合にも、水を10wt%追加することで高速遊星型攪拌混合機での混合工程によりセラミック粉末をスラリー化することが可能となる。しかし、セラミックスラリー6の乾燥をしたグリーンシート7の段階では撓み性が無く、取り扱い時に裂けたり折れたりなどの破損を引き起こしやすく、後工程でのハンドリングが困難でありアクチュエータの製造に耐え得ない状態であった。
【0044】
また、体積固形分比率を5.0%以上にしたセラミックスラリー6に水を10wt%追加した比較例14から比較例20の場合には、シート成形の開始側と終了側での厚み差が大きくなり、後工程において厚み測定や研磨工程が必要になり、製造コストが増加してしまうと言う問題が発生する。また水分量が多いために乾燥工程に長い時間が必要であり、乾燥設備の容量や設備の長さ等の不都合が発生する。さらに、脱脂および焼成をした後のシート状セラミック表面に多数の穴が発生し、外観不良や電極形成時での不良が発生してしまう。シート状セラミック表面に穴が発生すると、シート状セラミックをアクチュエータに用いる際にひび割れが発生する要因になるため好ましくない。
【0045】
表1および表2から、体積固形分比率を2%以上、5%未満としたセラミックスラリー6をドクターブレード法によってコーティングロール4上に塗布し、乾燥させた後、脱脂、焼成して得られるシート状セラミックは、表面に穴が形成されることを防止でき、厚さも均一化できることが分かる。また、乾燥後のセラミックスラリー、すなわちグリーンシート7の厚さを200μm以上380μm以下とすることで、さらに良好なシート状セラミックが得られる。すなわち、グリーンシートの厚さが200μm未満であると、焼成後のシート状セラミックの反りが大きくなり、また、グリーンシートの厚さが380μmを超えると、焼成後のシート状セラミックを圧電素子として用いた場合の変位量が小さくなり、どちらも実用上好ましくない。さらに好ましいグリーンシートの厚さ範囲は、240μm以上380μm以下とする範囲である。グリーンシートの厚さが240μm以上であると、焼成後のシート状セラミックの反りがほぼ0になるので、実用上全く問題なくなる。
【0046】
グリーンシートは、脱脂および焼成の工程を経ることで厚さが三割程度収縮するため、グリーンシートの厚さが200μm以上380μm以下の場合、最終的に得られるシート状セラミックの厚さは140μm以上270μm以下となる。この厚さ範囲のシート状セラミックは、大幅な厚さ調整を行わずにアクチュエータのバイモルフ構造として用いることが可能であり、PZTの廃棄割合を大幅に減少させることができる。また、グリーンシートの厚さが240μm以上380μm以下の場合、最終的に得られるシート状セラミックの厚さは170μm以上270μm以下となる。この厚さ範囲のシート状セラミックは反りがほぼ0になるので実用上全く問題なくなる。
【0047】
図4は、本発明のシート状セラミックを用いた圧電屈曲型のアクチュエータの一例を示す概略斜視図である。このアクチュエータ30は、台形状のバイモルフ31と、このバイモルフ31の末端に取り付けられるホルダ34に一体成形された片持ち梁の構造の板バネ345とが平行に配置され、これらの先端に傾斜抑制手段であるヘッドベース316を介して磁気ヘッド33が取り付けられた構成となっている。
【0048】
バイモルフ31は、2枚の圧電板311、312が中間電極313を挟んで貼り合わされ、その貼り合わされた両表面に表面電極314、315が形成された構造となっている。バイモルフ31及び板バネ345の先端には、バイモルフ31及び板バネ345が湾曲したときに磁気ヘッド33の傾斜を抑制するヘッドベース316の後端側の薄肉の傾斜抑制部316aが取り付けられている。
【0049】
そして、ヘッドベース316の先端側の装着部316bには、磁気ヘッド33が装着されている。また、バイモルフ31の末端は、ホルダ34を構成するベースホルダ341と押さえホルダ343に挟み込まれている。
【0050】
ここで、圧電板311、312の材料としては、本発明のシート状セラミック製造方法により得られたセラミックス材料が用いられる。中間電極313の材料としては、軽量で膨張係数の小さな、例えばチタン合金やステンレス等の金属材料が用いられる。表面電極314、315の材料としては、圧電板311、312の線膨張係数と一致し若しくは近いもので、導電性及び耐酸化性が良好であって、半田付けが容易なものが好ましく、例えばニッケル、銀、鉛、モリブデン、錫等の金属材料又はこれらの合金材料が用いられる。
【0051】
表面電極314、315を形成する方法としては、圧電板311、312の表面に上記材料のペーストをスクリーン印刷法等により塗布して乾燥し又は焼き付けて形成したり、あるいは金属溶射、真空蒸着、スパッタリング、無電解メッキ等により形成する方法がある。ホルダ34の材料としては、アルミニウムや真鍮等の導電性の材料が用いられる。
【0052】
表面電極314、315および中間電極313に印加する電位を変化させることで、圧電板311、312に加わる電圧が変化し、PZTの圧電効果によってそれぞれが伸縮を行って、バイモルフ31が変形してアクチュエータが機能する。
【0053】
体積固形分比率を2%以上、5%未満としたセラミックスラリーをドクターブレード法によってコーティングロール上に塗布し、乾燥後のセラミックスラリー、すなわちグリーンシートの厚さを200μm以上380μm以下とすることで、最終的に得られるシート状セラミックの厚さは140μm以上270μm以下となる。この厚さ範囲のシート状セラミックは、大幅な厚さ調整を行わずにアクチュエータのバイモルフ構造として用いることが可能であり、PZTの廃棄割合を大幅に減少させることができる。また、焼成後に得られるシート状セラミックの表面に穴が形成されることを防止でき、厚さも均一化できるため、アクチュエータのバイモルフ構造に用いるのに適している。更に好ましくは、グリーンシートの厚さが240μm以上380μm以下であり、最終的に得られるシート状セラミックの厚さは170μm以上270μm以下となる。この厚さ範囲のシート状セラミックは反りがほぼ0になるので実用上全く問題なくなる。
【0054】
【発明の効果】
以上、本発明によると、セラミックスラリー組成中のセラミック粉末の体積固形分比率を2%以上、5%未満とすることで、ドクターブレード法によってセラミックスラリーを流延して塗布する際のブレード隙間を広くすることができ、厚みが均一で、欠陥のないシート状セラミックを容易に得ることが可能となる。このシート状セラミックを圧電素子として用いることで、精密な駆動を行うアクチュエーターを容易に製造することが可能となる。
【0055】
また、乾燥後のセラミックスラリー、すなわちグリーンシートの厚さを200μm以上380μm以下とすることで、焼成後に得られるシート状セラミックの表面に穴が形成されることを防止でき、厚さを均一化することができる。
【0056】
また、シート状セラミックの厚さが140μm以上270μm以下として焼き上がるため、従来のバルク材を成形した後に機械加工により切り出す方法と比較すると、鉛含有物の廃棄量を大幅に削減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシート状セラミックを製造する工程と、得られるシート状セラミックを用いてアクチュエータを製造する工程とを説明するフロー図である。
【図2】ドクターブレード法を用いてセラミックスラリーをコーティングロール上に塗布し、グリーンシートを成形する工程を説明する模式図であり、図2(a)は断面図、図2(b)は斜視図である。
【図3】乾燥後のグリーンシートの厚さ測定位置を示す平面図である。
【図4】本発明のシート状セラミックを用いて製造したアクチュエータの一例を示す外観斜視図である。
【符号の説明】
1 容器部
2 ドクターブレード
3 ブレード隙間
4 コーティングロール
5 引出しローラ
6 セラミックスラリー
7 グリーンシート
8 支持板
30 アクチュエータ
31 バイモルフ
33 磁気ヘッド
34 ホルダ
311 圧電板
313 中間電極
314 表面電極
316 ヘッドベース
316a 傾斜抑制部
316b 装着部
341 ベースホルダ
343 ホルダ
345 板バネ
【発明の属する技術分野】
本発明は、グリーンシート、シート状セラミック、シート状セラミックの製造方法およびアクチュエータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、磁気ヘッドなどに精密な制御を行うことが可能な圧電屈曲型のアクチュエータが用いられている。圧電屈曲型のアクチュエータは、電圧を印加すると伸縮する圧電素子をカーボンシートなどの電極両面に貼り付けたバイモルフ構造を有している。圧電素子の材料としてはセラミック誘電体が用いられるが、アクチュエータに用いるためのセラミック誘電体を作成するには、セラミック誘電体の粉末を混合・仮焼成(反応)・粉砕・造粒・成形・焼結して、バルク材を形成した後に機械加工であるスライス加工や研磨加工を施して任意の厚さおよび形状を形成している。
【0003】
バルク体の焼結後にセラミック誘電体を機械加工しているために、アクチュエータに用いるために必要な形状のセラミック誘電体を得るまでに、研磨工程やスライス工程において多量の加工ロスが発生し、不要箇所として廃棄される割合が高く、製造コストを低減することが困難であった。また、セラミック誘電体としてチタン酸ジルコン酸鉛系(以下、PZTと呼称する)を用いる場合には、鉛化合物の廃棄を伴うために、廃棄物の取り扱いを慎重に行う必要があった。
【0004】
シート状セラミックを形成する方法としては、セラミック粉末を成形して焼成後に機械的加工を行なう方法のほかに、セラミックスラリーをコーティングロール上に塗布してグリーンシートを形成する方法がある。このようなグリーンシートの形成方法に関しては、環境保護の面からも有機溶剤を使用していない水系スラリーの必要性が高まり、バインダーとして水溶性のポリビニルブチラール、酢酸ポリビニル、ポリビニルアルコール、アクリル酸エステルやアクリル酸エステルのエマルジョンなどが容易に入手できるようになった。
【0005】
従来の有機溶剤系バインダーを用いたセラミックスラリーでは、リバースロールコーター法が幅広く使用されてきた。しかし、水溶性バインダーを用いたセラミックスラリーは表面張力が大きく発泡しやすいため、リバースロールコーター法で塗布した場合には、コーティングロール表面に塗布されたセラミックスラリーがキャリアフィルムに転写されるときに気泡を巻き込み、出来上がったグリーンシートにピンホールと呼ばれる細かい穴が発生し、使用に耐えないものになってしまう。
【0006】
そこで有機溶剤系のスラリーと同様に、セラミック材料などと混合してセラミックスラリー組成物を得て、これをドクターブレード法によりコーティングロール上に塗布してグリーンシートを形成する方法が用いられるようになってきた。ドクターブレード法を用いてグリーンシートを形成するためのセラミックスラリー組成物の体積固形分比率は、5%〜20%と報告されている例がある(例えば特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】特開平8−310870号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ドクターブレード法では、ブレード隙間を通過したセラミックスラリーがキャリアフィルム上に流延されるため、表面張力による発泡という問題は起こりにくい。しかし、ブレード隙間によってグリーンシートの厚みが決まるため、薄いグリーンシートを得ようとした場合には隙間を極端に狭くしなければならない。逆に、厚いグリーンシートを得ようとした場合には、セラミックスラリーの投入量(ブレード隙間にかかる自重の重さ)により、厚みが変わってしまう。従って薄物のグリーンシートの場合、ブレードの加工精度、隙間の設定精度の面から、厚物のグリーンシートの場合は投入量の面から、厚みの均一なグリーンシートを得ることは困難であり、希望の厚みのグリーンシートを作製しようとしても厚みばらつきが発生していた。
【0009】
グリーンシートを焼成したシート状セラミックをアクチュエータの圧電素子として用いる際には、電圧印加時の収縮を精密に制御する必要があるために、グリーンシートの厚さは均一でなくてはならない。また、アクチュエータとして用いるシート状セラミックの厚さは、コンデンサ等に用いられるものよりも厚い必要があり、数十μm乃至数百μmの厚みでグリーンシートを成形する必要がある。しかし、前述したようにドクターブレード法では厚いグリーンシートを得る場合には、セラミックスラリーの投入量によって厚さが不均一になるという問題があった。そこで本発明は、材料の廃棄割合が少なく、厚みが均一で且つ欠陥の少ないシート状セラミックおよびその製造方法を提供することを課題とする。また、厚みが均一で欠陥の少ないシート状セラミックを用いたアクチュエータを提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本願発明のグリーンシートは、水溶性バインダーと、セラミック粉末と、水とを含み、体積固形分比率が2%以上5%未満であるセラミックスラリー組成物を支持体上に流延してシート状に成形し、乾燥を行なって得られることを特徴とする。
【0011】
体積固形分比率が2%以上5%未満のセラミックスラリーをドクターブレード法でコーティングロール上に塗布することで、容易に厚みが均一で、欠陥のないグリーンシートを得ることができる。
【0012】
セラミック粉末を、チタン酸ジルコン酸鉛を主成分とするセラミック誘電体粉末とすることで圧電素子としてアクチュエータに用いるのに適したグリーンシートとなる。また、グリーンシートの厚さを200μm以上380μm以下とすることで、アクチュエータの圧電素子として用いる際に機械加工によって廃棄されるセラミックの量を低減し、製造コストの削減と廃棄物回収に関わる手間の減少を図ることが可能となる。
【0013】
また、上記課題を解決するために本願発明のシート状セラミックは、水溶性バインダーと、セラミック粉末と、水とを含み、体積固形分比率が2%以上5%未満であるセラミックスラリー組成物を支持体上に流延してシート状に成形し、乾燥、脱脂および焼成を行なって得られることを特徴とする。
【0014】
また、シート状セラミックの厚さを140μm以上270μm以下とすることで、アクチュエータの圧電素子として用いる際に機械加工によって廃棄されるセラミックの量を低減し、製造コストの削減と廃棄物回収に関わる手間の減少を図ることが可能となる。
【0015】
また、上記課題を解決するために本願発明のシート状セラミックの製造方法は、水溶性バインダーと、セラミック粉末と、水とを含み、体積固形分比率が2%以上5%未満であるセラミックスラリー組成物を支持体上に流延してシート状に成形し、前記セラミックスラリーの乾燥、脱脂および焼成を行なうことを特徴とする。
【0016】
体積固形分比率が2%以上5%未満のセラミックスラリーをドクターブレード法でコーティングロール上に塗布し、乾燥した後に脱脂、焼成することで、容易に厚みが均一で、欠陥のないシート状セラミックを得ることができる。また、乾燥後のセラミックスラリー組成物をグリーンシートと呼ぶが、グリーンシートの厚さを200μm以上380μm以下とすることで、焼成後に得られるシート状セラミックの厚さをアクチュエータの圧電素子に適した厚さにすることができ、機械加工によって廃棄されるセラミックの量を低減し、製造コストの削減と廃棄物回収に関わる手間の減少を図ることが可能となる。
【0017】
また、上記課題を解決するために本願発明のアクチュエータは、中間電極を圧電板で挟持したバイモルフ構造を有するアクチュエータであって、前記圧電板として、水溶性バインダーと、セラミック粉末と、水とを含み、体積固形分比率が2%以上5%未満であるセラミックスラリー組成物を支持体上に流延してシート状に成形し、乾燥、脱脂および焼成を行なって得られるシート状セラミックを用いることを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明を適用したシート状セラミックおよびその製造方法、シート状セラミックを用いたアクチュエータについて、図面を参照しながら詳細に説明する。なお本願発明は、以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0019】
図1に本発明のシート状セラミックを形成して、それを用いたアクチュエータを製造する工程を示したフロー図を示す。まず始めに、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)を主成分とするセラミック誘電体粉末の秤量を行い(工程S1)、湿式の一次混合(工程S2)を行って乾燥をした後に粗粉砕(工程S3)をし、仮焼き(工程S4)の後に湿式の二次混合(工程S5)を行う。再び乾燥をした後に粗粉砕(工程S6)をし、粉末の秤量(工程S7)を行って水溶性アクリル樹脂をバインダーとして混合(工程S8)する。バインダーを混合した後に高速攪拌(工程S9)を行い、減圧条件下で脱泡処理(工程S10)を施してセラミックスラリーを得る。次に、後述するドクターブレード法を用いてコーティングロール上にセラミックスラリーを塗布しシート成形(工程S11)を行い、例えば温度100℃にて乾燥(工程S12)を行ないグリーンシートを得る。
【0020】
次に、所定のサイズにグリーンシートを切断してコーティングロールを剥がし(工程S13)、例えば温度400℃で脱脂処理を施してバインダーを除去し(工程S14)、焼成を行ってシート状セラミックを得る(工程S15)。次に、得られた二枚のシート状セラミックに電極を形成し(工程S16)、電極およびシート状セラミックを所望の形状に外形を加工して、中間電極を圧電素子で挟持したバイモルフ構造を形成する(工程S17)。最後に、得られたバイモルフ構造をアクチュエータの一部としてアクチュエータの組立てを行う(工程S18)。
【0021】
本実施例においてはセラミック粉末としてチタン酸ジルコン酸鉛系(PZT)を主成分とするセラミック誘電体粉末を用いた例を示したが、圧電素子として利用することが可能な材質であれば他の材質でもよい。また、バインダーとして水溶系アクリル樹脂を用いた例を示したが、有機溶剤系のバインダーではなく水溶性バインダーであれば、ポリビニルアセタール、ポリビニルアルコール、アクリル酸エステル、酢酸ビニルなどの他の材質を用いてもよい。
【0022】
上述したアクチュエータの製造工程のうち、ドクターブレード法を用いたシート成形工程および乾燥工程について図2を用いて説明する。図2(a)はドクターブレード法によるシート成形装置の概略を示す断面図であり、図2(b)は外観斜視図である。
【0023】
ドクターブレード法では、容器部1とドクターブレード2との隙間であるブレード隙間3の間隔を調整し、コーティングロール4を引出しローラ5で移動させながらセラミックスラリー6をコーティングロール4上に塗布するものである。コーティングロール4上に塗布されたセラミックスラリー6は、支持板8を移動しながら乾燥されてグリーンシート7が成形される。
【0024】
容器部1はセラミックスラリー6を貯留する空間であり、底面側が狭くなるようにテーパーを有している。また、容器部1の底面をコーティングロール4が通過可能になっている。容器部1の幅はコーティングロール4の幅と同等かやや狭くなっている。
【0025】
ドクターブレード2は、容器部1に貯留されたセラミックスラリー6がコーティングロール4上に流延される厚さを調整する板状の部材であり、容器部1の底面と一定の間隔であるブレード隙間3を開けて配置される。ドクターブレード2はセラミックスラリー6を堰き止めるとともに、容器部1の底面を通過していくコーティングロール4上に一定量のセラミックスラリー6を流延させる機能を担っている。図ではドクターブレード2を2枚垂直に設けた例を示しているが、ドクターブレード2の枚数は適宜選択可能である。
【0026】
ブレード隙間3は、容器部1とドクターブレード2の間に開いた隙間であり、コーティングロール4が容器部1の底面を通過する際に、セラミックスラリー6がブレード隙間3から漏出することでコーティングロール4上にセラミックスラリー6が塗布される。
【0027】
コーティングロール4は樹脂で形成されたシートであり、引出しローラ5の回転に伴って容器部1の後方(図中左)から引き出されて、容器部1の底面およびブレード隙間3を通過し支持板8上を移動することによって、コーティングロール4上にセラミックスラリー6の塗布が行われる。引出しローラ5は、互いに逆回転する2本のローラによってコーティングロール4を挟み込み、コーティングロール4を引き出して移動させる部材である。
【0028】
容器部1にセラミックスラリー6を投入すると、セラミックスラリー6の自重によって、ブレード隙間3からセラミックスラリー6が流れ出す。同時に引出しローラ5を回転させてコーティングロール4を一定速度で引き出し、コーティングロール4上にセラミックスラリー6を塗布する。コーティングロール4上に塗布されたセラミックスラリー6は支持板8上を移動する過程で乾燥され、セラミックスラリー6中の水分が蒸発することでグリーンシート7が形成される。
【0029】
セラミックスラリー6は、PZTを主成分とするセラミック誘電体粉末100重量部に対して、消泡剤0.1重量部、バインダーとして水溶性アクリル樹脂(固形分20%の水溶液)、並びに水を加えて、高速遊星型攪拌装置にて1000rpmにて5分間混合して得られる。このとき、加える水の量を調整してセラミックスラリー6の体積固形分比率を調整する。
【0030】
このようにして得られたセラミックスラリー200gを図2に示したドクターブレード法による塗布装置の容器部1に入れ、ブレード隙間3を500μm、コーティングロール4の送り速度を50cm/分の条件でコーティングロール4上にセラミックスラリー6の塗布して乾燥を行ないグリーンシート7を作成した。作製したグリーンシート7を乾燥した後に、シート厚みばらつきを測定し、グリーンシート7の状態を観察した。また、グリーンシート7を切断してコーティングロール4を剥離した後に焼成を行い、シート状セラミックを形成して表面状態の観察を行った。上述したセラミックスラリー6の投入量、ブレード隙間3の間隔およびコーティングロール4の送り速度は一例であり、適宜変更可能である。例えば、薄物のグリーンシートを作成したい場合、今回の送り速度の条件50cm/分を70cm/分にすることで厚さを約2割薄くできることがわかっている。
【0031】
厚みのばらつき測定に際しては、図3に示すように、グリーンシート7の幅20cmの両端(端部から2cm内側)と中央部の3箇所について、シート成形を開始した側から10cmの位置と、シート成形を終了した側から10cmの位置とを各々の測定箇所として測定した。そして、開始側と終了側の各々3箇所の厚さの平均値を求め、開始側と終了側の平均厚みの差を厚みばらつきとした。
【0032】
本実施例では、体積固形分比率が、0.5%、1.0%、1.5%、2.0%、2.5%、3.0%、3.5%、4.0%、4.5%、5.0%、5.5%、6.0%、6.5%、7.0%、7.5%、8.0%、のセラミックスラリー6をそれぞれ作成した。ここで、セラミックスラリー6の体積固形分比率が、2.0%、2.5%、3.0%、3.5%、4.0%、4.5%のものをそれぞれ実施例1から実施例6とした。また、セラミックスラリー6の体積固形分比率が、0.5%、1.0%、1.5%、5.0%、5.5%、6.0%、6.5%、7.0%、7.5%、8.0%のものをそれぞれ比較例1から比較例10とした。
【0033】
実施例1から実施例6および比較例1から比較例10の開始側厚みと終了側厚み、グリーンシート7の状態、および焼成後の状態を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
表1に示した結果から明らかなように、本発明品である体積固形分比率を2%以上、5%未満としたセラミックスラリー6を用いる実施例1から実施例6では、厚みばらつきが小さく欠陥の少ないシート状セラミックを形成できることが分かる。
【0036】
これに対し、体積固形分比率が2.0%未満となるようにセラミック粉末を混合した比較例1から比較例3の場合には、高速遊星型攪拌混合機での混合工程を経たときにセラミック粉末がスラリー化せずに粘土状態になってしまい、ドクターブレード2とコーティングロール4との隙間をセラミックが均一に流れないためにコーティングロール4上への塗布を行えなかった。
【0037】
また、体積固形分比率を5.0%以上にしたセラミックスラリー6を用いる比較例4から比較例10の場合には、コーティングロール4上へのセラミックスラリー6の塗布は可能であるが、脱脂および焼成をした後のシート状セラミック表面に多数の穴が発生し、外観不良や電極形成時での不良が発生してしまう。シート状セラミック表面に穴が発生すると、シート状セラミックをアクチュエータに用いる際にひび割れが発生する要因になるため好ましくない。また特に、体積固形分比率が6.0%以上の比較例6から比較例10では、セラミックスラリー6を乾燥した後のグリーンシート7に反りが発生してしまい、アクチュエータに用いるには適さない。
【0038】
次に、体積固形分比率が2.0%未満となるようにセラミック粉末を混合した比較例1から比較例3の場合にもセラミック粉末をスラリー化するために、水を追加して高速攪拌を行った例を示す。
【0039】
体積固形分比率が、0.5%、1.0%、1.5%、2.0%、2.5%、3.0%、3.5%、4.0%、4.5%、5.0%、5.5%、6.0%、6.5%、7.0%、7.5%、8.0%、のセラミックスラリー6をそれぞれ作成し、そのセラミックスラリー6に水分量を10重量部追加してバインダーを希釈したセラミックスラリー6を作成した。ここで、水分を追加する前のセラミックスラリー6の体積固形分比率が、2.0%、2.5%、3.0%、3.5%、4.0%、4.5%のものをそれぞれ実施例11から実施例16とした。また、水分を追加する前のセラミックスラリー6の体積固形分比率が、0.5%、1.0%、1.5%、5.0%、5.5%、6.0%、6.5%、7.0%、7.5%、8.0%のものをそれぞれ比較例11から比較例20とした。
【0040】
実施例11から実施例16および比較例11から比較例20の開始側厚みと終了側厚み、グリーンシート7の状態、および焼成後の状態を表2に示す。
【0041】
【表2】
【0042】
表2に示した結果から明らかなように、本発明品である体積固形分比率を2%以上、5%未満としてさらに水を10重量部追加したセラミックスラリー6を用いる実施例11から実施例16では、厚みばらつきが小さく欠陥の少ないシート状セラミックを形成できることが分かる。
【0043】
これに対し、体積固形分比率が2.0%未満となるようにセラミック粉末を混合した比較例11から比較例13の場合にも、水を10wt%追加することで高速遊星型攪拌混合機での混合工程によりセラミック粉末をスラリー化することが可能となる。しかし、セラミックスラリー6の乾燥をしたグリーンシート7の段階では撓み性が無く、取り扱い時に裂けたり折れたりなどの破損を引き起こしやすく、後工程でのハンドリングが困難でありアクチュエータの製造に耐え得ない状態であった。
【0044】
また、体積固形分比率を5.0%以上にしたセラミックスラリー6に水を10wt%追加した比較例14から比較例20の場合には、シート成形の開始側と終了側での厚み差が大きくなり、後工程において厚み測定や研磨工程が必要になり、製造コストが増加してしまうと言う問題が発生する。また水分量が多いために乾燥工程に長い時間が必要であり、乾燥設備の容量や設備の長さ等の不都合が発生する。さらに、脱脂および焼成をした後のシート状セラミック表面に多数の穴が発生し、外観不良や電極形成時での不良が発生してしまう。シート状セラミック表面に穴が発生すると、シート状セラミックをアクチュエータに用いる際にひび割れが発生する要因になるため好ましくない。
【0045】
表1および表2から、体積固形分比率を2%以上、5%未満としたセラミックスラリー6をドクターブレード法によってコーティングロール4上に塗布し、乾燥させた後、脱脂、焼成して得られるシート状セラミックは、表面に穴が形成されることを防止でき、厚さも均一化できることが分かる。また、乾燥後のセラミックスラリー、すなわちグリーンシート7の厚さを200μm以上380μm以下とすることで、さらに良好なシート状セラミックが得られる。すなわち、グリーンシートの厚さが200μm未満であると、焼成後のシート状セラミックの反りが大きくなり、また、グリーンシートの厚さが380μmを超えると、焼成後のシート状セラミックを圧電素子として用いた場合の変位量が小さくなり、どちらも実用上好ましくない。さらに好ましいグリーンシートの厚さ範囲は、240μm以上380μm以下とする範囲である。グリーンシートの厚さが240μm以上であると、焼成後のシート状セラミックの反りがほぼ0になるので、実用上全く問題なくなる。
【0046】
グリーンシートは、脱脂および焼成の工程を経ることで厚さが三割程度収縮するため、グリーンシートの厚さが200μm以上380μm以下の場合、最終的に得られるシート状セラミックの厚さは140μm以上270μm以下となる。この厚さ範囲のシート状セラミックは、大幅な厚さ調整を行わずにアクチュエータのバイモルフ構造として用いることが可能であり、PZTの廃棄割合を大幅に減少させることができる。また、グリーンシートの厚さが240μm以上380μm以下の場合、最終的に得られるシート状セラミックの厚さは170μm以上270μm以下となる。この厚さ範囲のシート状セラミックは反りがほぼ0になるので実用上全く問題なくなる。
【0047】
図4は、本発明のシート状セラミックを用いた圧電屈曲型のアクチュエータの一例を示す概略斜視図である。このアクチュエータ30は、台形状のバイモルフ31と、このバイモルフ31の末端に取り付けられるホルダ34に一体成形された片持ち梁の構造の板バネ345とが平行に配置され、これらの先端に傾斜抑制手段であるヘッドベース316を介して磁気ヘッド33が取り付けられた構成となっている。
【0048】
バイモルフ31は、2枚の圧電板311、312が中間電極313を挟んで貼り合わされ、その貼り合わされた両表面に表面電極314、315が形成された構造となっている。バイモルフ31及び板バネ345の先端には、バイモルフ31及び板バネ345が湾曲したときに磁気ヘッド33の傾斜を抑制するヘッドベース316の後端側の薄肉の傾斜抑制部316aが取り付けられている。
【0049】
そして、ヘッドベース316の先端側の装着部316bには、磁気ヘッド33が装着されている。また、バイモルフ31の末端は、ホルダ34を構成するベースホルダ341と押さえホルダ343に挟み込まれている。
【0050】
ここで、圧電板311、312の材料としては、本発明のシート状セラミック製造方法により得られたセラミックス材料が用いられる。中間電極313の材料としては、軽量で膨張係数の小さな、例えばチタン合金やステンレス等の金属材料が用いられる。表面電極314、315の材料としては、圧電板311、312の線膨張係数と一致し若しくは近いもので、導電性及び耐酸化性が良好であって、半田付けが容易なものが好ましく、例えばニッケル、銀、鉛、モリブデン、錫等の金属材料又はこれらの合金材料が用いられる。
【0051】
表面電極314、315を形成する方法としては、圧電板311、312の表面に上記材料のペーストをスクリーン印刷法等により塗布して乾燥し又は焼き付けて形成したり、あるいは金属溶射、真空蒸着、スパッタリング、無電解メッキ等により形成する方法がある。ホルダ34の材料としては、アルミニウムや真鍮等の導電性の材料が用いられる。
【0052】
表面電極314、315および中間電極313に印加する電位を変化させることで、圧電板311、312に加わる電圧が変化し、PZTの圧電効果によってそれぞれが伸縮を行って、バイモルフ31が変形してアクチュエータが機能する。
【0053】
体積固形分比率を2%以上、5%未満としたセラミックスラリーをドクターブレード法によってコーティングロール上に塗布し、乾燥後のセラミックスラリー、すなわちグリーンシートの厚さを200μm以上380μm以下とすることで、最終的に得られるシート状セラミックの厚さは140μm以上270μm以下となる。この厚さ範囲のシート状セラミックは、大幅な厚さ調整を行わずにアクチュエータのバイモルフ構造として用いることが可能であり、PZTの廃棄割合を大幅に減少させることができる。また、焼成後に得られるシート状セラミックの表面に穴が形成されることを防止でき、厚さも均一化できるため、アクチュエータのバイモルフ構造に用いるのに適している。更に好ましくは、グリーンシートの厚さが240μm以上380μm以下であり、最終的に得られるシート状セラミックの厚さは170μm以上270μm以下となる。この厚さ範囲のシート状セラミックは反りがほぼ0になるので実用上全く問題なくなる。
【0054】
【発明の効果】
以上、本発明によると、セラミックスラリー組成中のセラミック粉末の体積固形分比率を2%以上、5%未満とすることで、ドクターブレード法によってセラミックスラリーを流延して塗布する際のブレード隙間を広くすることができ、厚みが均一で、欠陥のないシート状セラミックを容易に得ることが可能となる。このシート状セラミックを圧電素子として用いることで、精密な駆動を行うアクチュエーターを容易に製造することが可能となる。
【0055】
また、乾燥後のセラミックスラリー、すなわちグリーンシートの厚さを200μm以上380μm以下とすることで、焼成後に得られるシート状セラミックの表面に穴が形成されることを防止でき、厚さを均一化することができる。
【0056】
また、シート状セラミックの厚さが140μm以上270μm以下として焼き上がるため、従来のバルク材を成形した後に機械加工により切り出す方法と比較すると、鉛含有物の廃棄量を大幅に削減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシート状セラミックを製造する工程と、得られるシート状セラミックを用いてアクチュエータを製造する工程とを説明するフロー図である。
【図2】ドクターブレード法を用いてセラミックスラリーをコーティングロール上に塗布し、グリーンシートを成形する工程を説明する模式図であり、図2(a)は断面図、図2(b)は斜視図である。
【図3】乾燥後のグリーンシートの厚さ測定位置を示す平面図である。
【図4】本発明のシート状セラミックを用いて製造したアクチュエータの一例を示す外観斜視図である。
【符号の説明】
1 容器部
2 ドクターブレード
3 ブレード隙間
4 コーティングロール
5 引出しローラ
6 セラミックスラリー
7 グリーンシート
8 支持板
30 アクチュエータ
31 バイモルフ
33 磁気ヘッド
34 ホルダ
311 圧電板
313 中間電極
314 表面電極
316 ヘッドベース
316a 傾斜抑制部
316b 装着部
341 ベースホルダ
343 ホルダ
345 板バネ
Claims (12)
- 水溶性バインダーと、セラミック粉末と、水とを含み、体積固形分比率が2%以上5%未満であるセラミックスラリー組成物を支持体上に流延してシート状に成形し、乾燥を行なって得られることを特徴とするグリーンシート。
- 前記セラミック粉末は、チタン酸ジルコン酸鉛を主成分とするセラミック誘電体粉末であることを特徴とする請求項1記載のグリーンシート。
- 厚さが200μm以上380μm以下であることを特徴とする請求項1記載のグリーンシート。
- 水溶性バインダーと、セラミック粉末と、水とを含み、体積固形分比率が2%以上5%未満であるセラミックスラリー組成物を支持体上に流延してシート状に成形し、乾燥、脱脂および焼成を行なって得られることを特徴とするシート状セラミック。
- 前記セラミック粉末は、チタン酸ジルコン酸鉛を主成分とするセラミック誘電体粉末であることを特徴とする請求項4記載のシート状セラミック。
- 厚さが140μm以上270μm以下であることを特徴とする請求項4記載のシート状セラミック。
- 水溶性バインダーと、セラミック粉末と、水とを含み、体積固形分比率が2%以上5%未満であるセラミックスラリー組成物を支持体上に流延してシート状に成形し、
前記セラミックスラリーの乾燥、脱脂および焼成を行なうことを特徴とするシート状セラミックの製造方法。 - 前記セラミック粉末は、チタン酸ジルコン酸鉛を主成分とするセラミック誘電体粉末であることを特徴とする請求項7記載のシート状セラミックの製造方法。
- 乾燥後の前記セラミックスラリー組成物の厚さを200μm以上380μm以下とすることを特徴とする請求項7記載のシート状セラミックの製造方法。
- 中間電極を圧電板で挟持したバイモルフ構造を有するアクチュエータであって、
前記圧電板として、水溶性バインダーと、セラミック粉末と、水とを含み、体積固形分比率が2%以上5%未満であるセラミックスラリー組成物を支持体上に流延してシート状に成形し、乾燥、脱脂および焼成を行なって得られるシート状セラミックを用いることを特徴とするアクチュエータ。 - 前記セラミック粉末は、チタン酸ジルコン酸鉛を主成分とするセラミック誘電体粉末であることを特徴とする請求項10記載のアクチュエータ。
- 前記シート状セラミックの厚さが140μm以上270μm以下であることを特徴とする請求項10記載のアクチュエータ。
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JP2003112986A JP2004315307A (ja) | 2003-04-17 | 2003-04-17 | グリーンシート、シート状セラミック、シート状セラミックの製造方法およびアクチュエータ |
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