JP2004314700A - ボーディングブリッジ自動走行装置および自動走行方法 - Google Patents
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Abstract
【目的】任意のトンネル長さを半径とした旋回走行性能を有するボーディングブリッジの自動走行装置を提供する。
【構成】ボーディングブリッジ自動走行装置は、ボーディングブリッジの原点位置を確認する原点確認手段と、ボーディングブリッジの長さを制御するボーディングブリッジ長さ制御手段と、ステアリングを制御するステアリング制御手段(左右車輪制御手段)とを備え、自動によりボーディングブリッジを原点確認位置から所定角度回転させ、その後、所定長さまで伸長できるようにした。
【選択図】 図9
【構成】ボーディングブリッジ自動走行装置は、ボーディングブリッジの原点位置を確認する原点確認手段と、ボーディングブリッジの長さを制御するボーディングブリッジ長さ制御手段と、ステアリングを制御するステアリング制御手段(左右車輪制御手段)とを備え、自動によりボーディングブリッジを原点確認位置から所定角度回転させ、その後、所定長さまで伸長できるようにした。
【選択図】 図9
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボーディングブリッジに関し、特に、任意のトンネル長さを半径とした旋回走行性能を有するボーディングブリッジ自動走行装置および自動走行方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、航空機の乗降装置として、ボーディングブリッジ(搭乗橋)がよく用いられている。ボーディングブリッジは空港のターミナルビルと航空機とを連絡するトンネル状の歩行通路であり、ターミナルビルと航空機との間での直接の乗り降りを可能にするものである。
【0003】
このボーディングブリッジは、一般に図20、図21に示すようにターミナルビルの乗降口に接続された正逆回転自在なロタンダ101と、ロタンダ101に固定された伸縮自在なトンネル部102と、トンネル部102の先端に設けられた正逆回転自在なキャブ103とを備えている。トンネル部102のやや先端側には、駆動輪104及び昇降機構(不図示)を有する支持脚としてドライブコラム105が設けられている。ドライブコラム105に設けた駆動輪104は左右走行輪がそれぞれ個々のモータ、減速機により駆動される構成となっており、これら駆動輪104及び昇降機構は、キャブ103の内部に乗り込んだ操作員によって操作される。そのため、キャブ103の内部には、上記駆動輪104及び昇降機構を操作するための操作パネル(不図示)が設置されている。
【0004】
乗客の乗り降りの際には、キャブ103を航空機106のドア107付近に移動させるようにロタンダ101の回転、トンネル部102の伸縮及び昇降、並びにキャブ103の回転を行い、ボーディングブリッジを所定の待機位置から装着位置にまで移動させ、キャブ103を航空機106のドア107に装着する。これにより、航空機とターミナルビルとの間の直接の移動が可能となる。一方、乗り降りが終了した後は、キャブ103を航空機106のドア107から取り外し、ロタンダの回転、トンネル部の伸縮及び昇降、並びにキャブの回転を実行して、ボーディングブリッジを装着位置から待機位置にまで移動させる。
【0005】
ところで従来、ボーディングブリッジの待機位置と装着位置との間の移動は、キャブ103に乗り込んだ操作員が装着位置または待機位置を目視で把握しながら、操作パネルに設けた操作レバーを手動で操作することにより行われていた。例えば装着時には、操作員が航空機のドアの位置を目視で確認しながら、キャブを当該ドアの近傍に移動させるように駆動輪及び昇降機構を操作していた。
この操作における走行モードを以下に説明する。
走行モードとしては、前、後進は左右車輪のそれぞれの駆動モータ回転数を同一とし、正逆運転を行う。
方向変換(ステアリング)は片方の駆動モータを所定の割合で減速し、2輪の回転数に差をつけることにより方向変換をおこなう。
その場回転(スエ切り)は、一輪を正回転、他輪を逆回転をさせることにより行う。
【0006】
ウォーキング旋回(最大ステアリング切り角度にて旋回走行している状態)は作業者が操作パネルに設けた操作レバーを操作しておこなう。この時、ステアリングの切れ角には限度があり、左右それぞれにリミットスイッチが取りつけられている。ステアリング限界付近での旋回は当りリミットに当たると自動的に減速走行側のタイヤが正常速度になり、リミットが外れるまで直線走行し、当りリミットが解除されるとまた旋回動作に入る。これらの繰り返しにより旋回が続行させる。この旋回ではボーディングブリッジ全体の動きとしてはユラユラとし、あまりスムーズな連続運転にはならない。
【0007】
その理由として、操作レバーでステアリング操作した場合、ステアリング操作位置で操作レバーを停止した状態ではタイヤの左右回転数の差によりステアリングがどんどん切り込まれていくため、操作レバーを戻す必要があるが、操作レバーを戻すタイミングが早すぎると早く直進走行になりトンネルは伸び、遅すぎるとどんどん旋回し、トンネルは縮む。
従って、従来は斜め方向に進行する場合には、走行に従って進行方向を微妙に修正する操作が必要であり、操作に熟練を要していた。このためボーディングブリッジを航空機に装着する時、機体付近でステアリング操作する時は、極めて高度な熟練技術が必要となる。また操作に手間取りボーディングブリッジ装着の時間が長くなると乗客が降機できないため、乗客はイライラしサービスの低下にもつながる。
【0008】
このような事情から、最近ではボーディングブリッジを機体に接続する際には、こうした高度な操作を避けるために、まず駆動輪が目標の方向に向くまで操作レバーを右または左に倒しタイヤをスエ切り状態にし、ボーディングブリッジを右方向あるいは左方向に旋回させ、その後に操作レバーを戻し、再度スエ切りを行い、その後操作レバーを前方に倒してボーディングブリッジを前進走行させるといった2段階の操作を行う必要があった。具体的にはボーディングブリッジを一定の角度まで旋回させ、その後機体に向けてボーディングブリッジを伸ばしてゆき機体に装着する作業を行っている。
【0009】
しかしながらこのような作業にあたっても、従来のボーディングブリッジでは次のような不都合が生じる。
即ち、現在のボーディングブリッジではトンネル長さを一定にして旋回動作する時には、車輪をボーディングブリッジの軸に対して直角に向け、内輪と外輪との間の回転数の差により旋回を行う。このとき内輪と外輪の差が一定にならず、車輪が旋回円周状を蛇行しながら走行することになり、安定した旋回ができない。このように、従来のボーディングブリッジのステアリング操作では作業員による操作レバーの微妙な操作が必要となり、高度且つ面倒な操作が必要であったので、ボーディングブリッジの装着時間及び離脱時間には、操作員によってばらつきが生じ作業上での改善点となっていた。
【0010】
このようなことから、本発明者らは、ボーディングブリッジの一定長さでの旋回をボーディングブリッジの基本長さに基づいて自動的に制御することにより、ボーディングブリッジの操作性を向上しボーディングブリッジの航空機への装着及び離脱を容易化できるボーディングブリッジを提案した(特許文献1)。
【0011】
【特許文献1】特願2002−245134
【0012】
提案されたボーディングブリッジでは、一定トンネル長さでの旋回運動は、トンネル長さを常に検知しておき、その長さに基づいて、左右走行輪のインバータの周波数変化(2輪のインバータ周波数の差)によりモータ回転数に差をつけて常に一定の半径(トンネル長さ)での旋回を可能とする。また始動抵抗や、タイヤ空気圧、路面状況等により左右のモータ負荷に変化が生じる場合もあるので、旋回中も常にトンネル長さを検知器(センサー)で検知し、長さ信号を中央演算装置にフィードバックさせ、トンネル長さに変化が出た時はインバータ周波数を変化させ、常に安定して一定のトンネル長さによる旋回を可能とするものである。
【0013】
このボーディングブリッジでは、任意のトンネル長さを半径とした、旋回走行機能を従来の走行モードに加えることにより、熟練オペレータのみでなく初心者オペレータでも安易にボーディングブリッジを機体に装着することができる。また旋回時にトンネルの長さが変化することなく、旋回できるため、狭い空港のスポットでの操作が容易となりボーディングブリッジを航空機に接続する装着時間を短縮できる。さらに乗客の降機時間短縮が図れ、サービスの向上につながるとともに航空機のステイタイムの短縮を図ることができる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のボーディングブリッジにおいても、ボーディングブリッジを機体に接続する際には、操作者が、まず駆動輪が目標の方向に向くまで操作レバーを右または左に倒しタイヤをスエ切り状態にし、ボーディングブリッジを右方向あるいは左方向に旋回させ、その後に操作レバーを戻し、再度スエ切りを行い、その後操作レバーを前方に倒してボーディングブリッジを前進走行させるといった2段階の操作を行っている。このため、ボーディングブリッジの作動にはある程度の技能をもった操作者が必要となり、運転コストが高くなる等の問題がある。
また、上記問題点を解決するためにボーディングブリッジの自動走行装置も提案されているが、従来の自動走行装置は、オペレータが実際に操作したコースを記憶させておき、その情報に基づいて自動走行していたため、オペレータにより走行方法が異なり、複雑な動きとなっていた。
【0015】
このような背景から、本発明者らは、すでに提案した特願2002−245134に記載のボーディングブリッジをさらに改良し、自動によってボーディングブリッジの走行を可能にしたボーディングブリッジの自動走行装置および自動走行方法を提供することにより、上記問題点を解決することを目的とする。
本発明によれば、ボーディングブリッジの走行を自動運転とできるため、ボーディングブリッジを航空機に接続する装着時間を短縮でき、さらに乗客の降機時間短縮が図れ、サービスの向上につながるとともに航空機のステイタイムの短縮を図ることができる。
【0016】
【課題を解決するための手段】
このため本発明が採用した技術解決手段は、
ターミナルビルの乗降口に接続されたロタンダと、一端が上記ロタンダに固定された伸縮自在なトンネル部と、上記トンネル部の他端に正逆回転自在に設けられ、航空機の乗降部に着脱されるキャブと、上記トンネル部前方に設けられた昇降可能なドライブコラムの下部に走行及び鉛直軸回りの正逆回転が自在な駆動輪とを備えたボーディングブリッジの自動走行装置であって、前記走行装置は、ボーディングブリッジの原点位置を確認する原点確認手段と、ボーディングブリッジの長さを制御するボーディングブリッジ長さ制御手段と、ステアリングを制御するステアリング制御手段(左右車輪制御手段)とを備え、自動によりボーディングブリッジを原点確認位置から所定角度回転させ、その後、所定長さまで伸長できるようにしたことを特徴とするボーディングブリッジ自動走行装置である。
また、前記原点確認手段は、使用機種を選定すると、使用機種にあわせてトンネル高さ、キャブ角度を設定できる機能を備えていることを特徴とするボーディングブリッジ自動走行装置である。
また、ターミナルビルの乗降口に接続されたロタンダと、一端が上記ロタンダに固定された伸縮自在なトンネル部と、上記トンネル部の他端に正逆回転自在に設けられ、航空機の乗降部に着脱されるキャブと、上記トンネル部前方に設けられた昇降可能なドライブコラムの下部に走行及び鉛直軸回りの正逆回転が自在な駆動輪とを備えたボーディングブリッジの自動走行方法であって、駆動輪のステアリング角度をボーディングブリッジの中心軸線に対して90度となるようにタイヤを駆動し、トンネル長さに合わせて内外各タイヤの回転数を制御しながら、ボーディングブリッジを使用機種にあわせて所定角度旋回し、ついで車輪がボーディングブリッジの軸線方向と平行になるように車輪の向きを変え、トンネルを前進させ、トンネル長さが使用機種に合った位置になると車輪が停止されトンネルの前進作動を停止するようにしたボーディングブリッジ自動走行方法である。
また、ターミナルビルの乗降口に接続されたロタンダと、一端が上記ロタンダに固定された伸縮自在なトンネル部と、上記トンネル部の他端に正逆回転自在に設けられ、航空機の乗降部に着脱されるキャブと、上記トンネル部前方に設けられた昇降可能なドライブコラムの下部に走行及び鉛直軸回りの正逆回転が自在な駆動輪とを備えたボーディングブリッジの自動走行方法であって、使用機種を選定すると、使用機種にあったトンネル高さ、キャブ角度が設定され、その後、駆動輪のステアリング角度をボーディングブリッジの中心軸線に対して90度となるようにタイヤを駆動し、トンネル長さに合わせて内外各タイヤの回転数を制御しながら、ボーディングブリッジを所定角度旋回し、ついで車輪がボーディングブリッジの軸線方向と平行になるように車輪の向きを変え、トンネルを前進させ、トンネル長さが使用機種に合った位置になると車輪が停止されトンネルの前進作動を停止するようにしたボーディングブリッジ自動走行方法である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明すると、図1はボーディングブリッジに取り付けた本発明に係るドライブコラムの正面図、図2は同ドライブコラムの側面図、図3は車輪部の拡大正面図、図4は操作パネルの説明図、図5はボーディングブリッジの旋回状況を説明する図である。
【0018】
先ず、本発明の基本となるボーディングブリッジの基本構成を説明する。
図1〜図3において、1はボーディングブリッジのトンネル部であり、ボーディングブリッジの前方側トンネル1の左右には伸縮自在のコラム2が取り付けられており、これらコラム2の下方には横部材3が取りつけられている。横部材3の中央には支持台4が形成され、この支持台4に旋回自在に旋回台5が設けられている。旋回台には下方に取り付けた車軸6と、車軸6の端部に設けた左右車輪7とが取り付けられ、左右車輪はそれぞれ、駆動モータと減速機8を介して独立に回転駆動できる構成となっている。また、旋回台5には車輪の回転角度を検知する位置検出器(不図示)、車輪の回転角を規制するストッパ9等が備えられている。
【0019】
また操作パネル10は図4に示すようにモニター画面11、操作レバー12、車輪の向きを表示する表示盤13、各種操作ボタン14、表示手段15の他に左右の一定旋回動作を指示する指示ボタン16等が配置されている。そして、指示ボタンの内、右ボタンを押すと一定トンネル長さでの右旋回、左ボタンを押すと一定トンネル長さでの左旋回を行うことができるようになっている。さらに、操作パネル10には今回新たに開発された自動走行モードを選択できる自動走行ボタン50を装備する。
なおこの台車構造、及び操作パネルの基本構成は従来のボーディングブリッジと同様の構成であることからこれ以上の詳細な説明は省略する。
【0020】
ところで、本発明で使用するボーディングブリッジでは、一定長さのボーディングブリッジを旋回させる際の左右車輪の駆動モータの制御を行っている。この駆動モータの制御について詳述する。
図5においてボーディングブリッジの内側車輪の旋回半径をL、両輪の距離をR、旋回内側車輪の速度をVin、旋回外側車輪の速度をVout 、旋回角をθ、左右車輪の直径をD、減速比をkとしたとき、両輪の速度差は以下により求める。
▲1▼θ度間の内側円弧距離(Linθ)、外側円弧距離(Lout θ)は、
Linθ=2×π×L×θ/360
Lout θ=2×π×(L+R)×θ/360
▲2▼旋回内側車輪の速度をVin(m/sec)、旋回外側車輪の速度をVout (m/sec)、円弧上θ度間走行時間をt(sec)としたとき、
Vin=Linθ/t (m/sec)
Vout =Lout θ/t (m/sec)
▲3▼旋回内側車輪の速度Vin(m/sec)に対する旋回外側車輪の速度Vout (m/se c)の関係
Vout /Vin=Lout θ/Linθ=(L+R)/L
このことから、
Vout ={(L+R)/L}×Vin
▲4▼速度( Vm/sec)と駆動モータ回転数(Nm rpm)の関係
V×60sec =2×π×D×(Nm /K )
このことから、
Nm =(V×60×K )/2πD
【0021】
以上のことからボーディングブリッジの長さ(以下ブリッジ長という)の補正動作は以下による。
ブリッジ長補正動作は旋回運転中のみ行う。
補正動作は、旋回開始直前のブリッジ長(一定値)を目標値として設定し、旋回中、常時計測するブリッジ長さとの比較を行い、その差を無くすようにホイルキャリッジの両輪速度差を以下の様に制御する。
ブリッジ長Lm (m)時の円弧上を走行する速度指令値
内輪速度指令 Vin Vin m/min
外輪速度指令 Vout Vout ={(L+R)/L}×Vin
ブリッジ長Lm (m)が増加した場合の補正走行速度指令は
内輪速度指令 Vin Vin m/min
外輪速度指令 Vout Vout ={(L+R)/L}×Vin×(1+α/100)
ブリッジ長Lm (m)が減少した場合の補正走行速度指令は
内輪速度指令 Vin Vin m/min
外輪速度指令 Vout Vout ={(L+R)/L}×Vin×(1−α/100)
このように円弧上を走行する速度指令値に対する割合αで外輪速度を増加、減少させ補正動作を行う。補正割合αは偏差が大きい場合増やし、少ないと減少させたりする案、および補正割合αは一定とする案を採用することができる。こうしてボーディングブリッジを一定半径で旋回させることができる。
【0022】
つづいて、ボーディングブリッジを一定半径で旋回させる時の駆動モータの制御構成を説明する。図6は駆動モータの制御ブロック図であり、図7、図8は同制御フローチャートである。
本ボーディングブリッジの制御手段は、車輪位置センサ21、ボーディングブリッジ長さセンサ22、ボーディングブリッジサイズの記憶23、ホイルキャリッジ角度指令24、直線走行指示25、右旋回運転指示26、左回転運転指示27、速度指令28などからなる入力情報を入力する入力手段、前記入力情報からに基づき所定の演算を実行し出力するコントローラ30、およびコントローラからの指令を駆動モータのインバータに出力する出力手段31とから構成されている。
【0023】
コントローラ30は前述した式に従い、直線、旋回運動毎に両輪の回転数を演算し出力する機能と、ホイールキャリッジの回転位置あるいは設定位置に位置決めする機能と、ボーディングブリッジの長さを制御する機能を備えている。
つづいて、上記制御手段で実行する作業を図7、図8の制御フローを参照して説明するが、制御フローは紙面の都合上、図7、図8に分けて記載されている。
図7において、操作パネル上の一定旋回の指示ボタン16が操作されると、ステップ1でプログラムがスタートし、ステップ2で運転開始か否かを判断し、運転開始の時はステップ3に進み旋回モード選択がされているか否かを判断し、旋回モードの時はステップ4で車輪が旋回方向に向いているか否かを判断し、車輪が旋回方向に向いていない時にはステップ5で車輪旋回用速度指令を選択し、ステップ6で右車輪正転指令をオン、左車輪逆転指令をオンにし、ステップ7でホイルキャリッジ方向転換を開始する。ついで、ステップ8でホイルキャリッジがブリッジの中心軸に対して90°回転したか否かを判定し、90°回転したと判断した時にステップ9で両車輪を停止する。これらステップ4〜ステップ9までの判断により車輪が旋回方向に向いていない状態から車輪が90°旋回した状態への旋回モードに設定できる。
【0024】
旋回モードになるとステップ10でボーディングブリッジ長L0 を指令値として記憶し、ステップ11で前述した理論に基づいて旋回用両輪速度差Z(Z=(L0 +D)/L0 )を演算し、ステップ12で旋回用速度指令を選択して指令値V1 を出力し、ステップ13で右旋回か否かを判断し、右旋回の時にはステップ14で、また左旋回の時はステップ17で所定の演算を行いステップ15あるいはステップ18で車輪の正転指令あるいは逆転指令を出してステップ19で旋回運転を開始する。
【0025】
運転中、ステップ20で現在のブリッジ長Lの長さを監視し、ブリッジ長Lが異状外れと判断されるとステップ22で異状信号を出力しステップ23で旋回を停止する。またブリッジ長が許容値以内の時はステップ13に戻り、ステップ13以下の旋回動作を実行する。またステップ13でブリッジ長が許容値以内にはいっていない時にはステップ24に進みブリッジ長Lと記憶したブリッジ長L0 とを比較しその結果にしたがってステップ25またはステップ27で所定の演算を実行し、駆動モータの回転を制御する。こうして、常にブリッジ長がL0 の状態で旋回することができる。
【0026】
なおステップ3で旋回モードを選択していないときには直線モードを選択しているか否かを判定し、直行モードの時にはステップ29で車輪は直行方向を向いているか否かを判定し直行方向にむいていない時にはステップ30〜ステップ34で車輪を直行方向に向け車輪の回転を停止する。このステップ29〜34の判断により車輪を直行方向に設定することができる。
またステップ29で車輪が直行方向に向いている時には直行速度V1 を選択しステップ36〜ステップ37でボーディングブリッジの前進運転あるいは後進運転を行う。
以上の操作により、上記ボーディングブリッジでは、ボーディングブリッジを一定の長さのまま所定の角度旋回させることができ、その後機体に向けてボーディングブリッジを伸ばしてゆき機体に装着するだけで簡単にボーディングブリッジと航空機との接続作業を行うことができる。
【0027】
次に上記の構成からなるボーディングブリッジの自動走行装置の説明をする。
自動走行では、上述した「ボーディングブリッジを一定の長さのまま所定の角度旋回させる機能」を利用しながら、先ずボーディングブリッジを所定角度旋回し、その後、機体にむけて所定長さになるまで自動的にボーディングブリッジを伸長(前進)させる作動を行う。この場合、機体の種類によりボーディングブリッジと機体との位置関係が変化するため、先ず駐機している機体の種類を選択した後、自動走行を開始することになる。この自動走行運転は、ボーディングブリッジが機体に対して所定の位置になるまで(キャブと機体との位置が約1m程度に接近する位置まで)行われ、その後機体とボーディングブリッジのキャブとの接続は作業者が手動で行うことになる。
【0028】
自動走行装置は基本的にはコンピュ−タで構成され、所定のソフトウエアによって作動されることになる。なおこの自動装置装置は前述のコントローラ内に組み込むことも可能である。
自動走行装置の基本構成を説明すると、図9は制御ブロック構成図であり、図10〜図12は自動走行の作動説明図(フローチャート)、図13〜図19はボーディングブリッジの走行状況の説明図である。なお制御フローは紙面の都合上図10〜図12に分けて記載されている。
【0029】
図9において、自動走行装置は、ボーディングブリッジの原点位置を確認する原点確認手段、ボーディングブリッジの長さを制御するボーディングブリッジ長さ制御手段と、ステアリングを制御するステアリング制御手段(左右車輪制御手段)を備えており、これらは制御を実行するために必要となる情報を検出する各種センサ(例えば位置検出センサ、車輪回転センサ、ステアリング角度検出センサ等)からの情報により後述するフローチャートに従って制御される。
原点確認手段は、航空機の種類を選択すると、まずその航空機に合わせてボーディングブリッジの高さ、キャブの角度を設定する等してボーディングブリッジを初期待機位置に設定する。なおボーディングブリッジの高さ、キャブの角度は、本例ではボーディングブリッジを走行させる前に行っているが、これらは、ボーディングブリッジが航空機に接近した状態となった後に、キャブの角度、コラム高さを調整することもできる。
ボーディングブリッジ長さ制御手段は、航空機の種類に合わせて、ボーディングブリッジの伸長量を制御する。
ステアリング制御手段(左右車輪制御手段)は、ステアリング角、走行速度、など左右車輪の駆動を制御するものであり、前述した駆動モータの制御構成を利用する。
【0030】
次の自動走行装置の作動をフローチャートおよび作動説明図を参照して説明する。
自動走行のプログラムが開始されると、先ず、作業者が操作パネルから使用機種を選択し(ステップ2)、使用機種が決定すると、オートプリセットがスタートされる(ステップ4)。
オートプリセットがスタートすると使用機種に合わせて、トンネル高さとキャブの角度が調整され、使用機種にあったトンネル高さ、キャブ角度が設定される(ステップ5、ステップ6)(原点位置確認)。
オートプリセット状態になると使用機種が操作パネル上に表示され(ステップ7)、作業者に自動走行が開始されることを認識させ、次いで自動走行が開始される(ステップ8)。
自動走行がスタートすると、ステアリング角度およびトンネル高さが検出され(ステップ9)、ステアリング角度をボーディングブリッジの中心軸線に対して90度となるようにタイヤを駆動する(ステップ11)。ステアリング角度が90度位置を検出すると(ステップ12)、その位置でタイヤの駆動を停止する(ステップ13)。
【0031】
次にトンネル長さを検出し(ステップ14)、内外各タイヤの回転数を演算し(ステップ15)、内外各タイヤの回転数が決定すると、タイヤを駆動し、旋回走行が開始される(ステップ17)。トンネル旋回中は、トンネルの長さを常時監視し、トンネル長さに変動が合った場合にはタイヤの回転数を制御する。
そして、旋回角度が使用機種別停止位置になると、その位置で旋回作動が停止する(ステップ22)。
【0032】
ボーディングブリッジ旋回作動が停止すると、今度は車輪がボーディングブリッジの軸線方向と平行になるように車輪の向きを変え、車輪の向きがボーディングブリッジの軸線と平行になるとその位置でステアリング作動を停止する(ステップ26)。
【0033】
ついで、トンネル長さを検出し、トンネルが前進するように車輪を駆動する(ステップ28)。
車輪の駆動中では、常時ステアリング角度がゼロとなるように車輪の向きが制御され(ステップ30〜ステップS33)、直進走行を行う。そしてトンネル長さが使用機種に合った位置になると車輪が停止されトンネルの前進作動が停止される(ステップ34)。
その後、キャブと機体との接続作業は作業者が手動で行うことになる。
【0034】
上記フローチャートの流れを更に図13〜図19を参照して説明する。
図13は、航空機が進入してくる様子を示している。この時作業者は航空機の使用機種を確認する(たとえばボーイング社のボーイング747等)。
そして、使用機種が決定されると作業者はオートプリセットボタンを押す。
オートプリセットボタンが押されると図14に示す如く、キャブの角度、トンネル高さが使用機種に合わせて自動的に設定される。
図15、図16において、駆動輪の向きをボーディングブリッジの軸線に対して90度回転させた位置とする。
図17、図18でボーディングブリッジの旋回動作を行い、所定角度旋回した後駆動輪をボーディングブリッジの軸線に平行となる向きに戻す。
図19ではボーディングブリッジを直進させ、キャブの位置が航空機のドア部から約1mに接近した状態でボーディングブリッジの自動走行を停止する。この時車輪の向きがトンネル軸心に対し、左右に配置され、トンネルの揺れが最も少ない状態になる。
その後航空機とキャブの接続は作業者により手動で行う。
なお、キャブの向き、ボーディングブリッジの高さの調整は図19の状態に成ってから行うことも可能である。
【0035】
こうして、本発明に係る自動走行装置では、ボーディングブリッジを機体に接続する際には、操作者が使用機種を選択し自動走行ボタンをセットするだけで、ボーディングブリッジは自動的に使用機種に対して所定の位置となるように走行し使用機種に合わせた位置決めが行われる。この結果、ボーディングブリッジの操作が極めて簡単になり、ボーディングブリッジを航空機に接続する装着時間を短縮でき、さらに乗客の降機時間短縮が図れ、サービスの向上につながるとともに航空機のステイタイムの短縮を図ることができる。
また、ボーディングブリッジを使用位置から格納位置にもどすには、上記のフローチャートの逆(即ちボーディングブリッジを伸長位置から短縮位置にまで戻し、その後旋回作動をして格納位置まで移動する。後進時にPBBはトンネル軸心に沿って、航空機より最大離隔位置まで後進するので、機体との接触や、左右の障害物に接触することがなく、安全に運用できる)によって自動で行うか、あるいは作業者が手動により格納する。
【0036】
以上のように、本実施形態によれば、作業者が使用機種を選択し、操作パネル上に配置した自動走行ボタンを操作するだけで、コントローラからの指示によりボーディングブリッジが使用機種に合わせて旋回し、所定の旋回角度になると、ボーディングブリッジが伸長し、ボーディングブリッジを所定の位置に正確に位置決めできる。従って、経験の浅い操作員であっても、待機位置から装着位置への移動及び装着位置から待機位置への移動を迅速かつ容易に行うことができる。また、操作ボタンの簡単な操作のみで駆動輪が旋回モードの中で自動的に制御されるため操作員の操作の負担は著しく軽減する。さらに本実施形態によれば、機種の選択とキャブのドアへの取り付け及び取り外しのみであるので、装着時間及び離脱時間を短縮することができる。また、操作員による操作時間のばらつきはなくなる。
【0037】
なお、制御フローのうち、各ステップの順序は一定旋回動作、伸長動作に問題がなければ適宜入れ換えることでき、また操作パネル上の指示部材の配置等は設計時に適宜選択して設定することができる。さらに必要に応じて車輪の空気圧、路面状況等により左右のモータ負荷に変化が生じる場合もあるので、旋回中も常にトンネル長さを検知器で検知し、長さ信号を中央演算装置にフィードバックさせ、トンネル長さに変化が出た時はインバータ周波数を変化させ、常に安定して一定のトンネル長さによる旋回を可能とすることもできる。またボーディングブリッジの長さを基本とした左右車輪の速度差の演算方法は、必ずしも上記説明した演算方法に限定されることはなく、例えば、基本となるボーディングブリッジのブリッジ長さに対してのボーディングブリッジの伸長、短縮に対して予め定めてある所定の割合で左右車輪の回転数を制御する等、他の方法を採用することができる。さらに、ボーディングブリッジの長さは常時検知するのでなく、ある一定時間間隔毎に検知することも可能である。また、本発明はその精神又は主要な特徴から逸脱することなく他の色々な形で実施することができ、また、前述の実施例はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。
【0038】
【発明の効果】
以上本発明によれば、自動的に使用機種にあわせてボーディングブリッジを位置決めできるため、熟練オペレータのみでなく初心者オペレータでも安易にボーディングブリッジを機体の装着することができる。また旋回時にトンネルの長さが変化することなく、旋回できるため、狭いスポットでの操作が容易で、また旋回位置が航空機より距離が取れるため安全性が高くなりボーディングブリッジを航空機に接続する装着時間を短縮できる。さらに乗客の降機時間短縮が図れ、サービスの向上につながるとともに航空機のステイタイムの短縮を図ることができる、等々の極めて優れた作用効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】ボーディングブリッジに取り付けた本発明に係るドライブコラムの正面図である。
【図2】同ドライブコラムの側面図である。
【図3】車輪部の拡大正面図である。
【図4】操作パネルの説明図である。
【図5】ボーディングブリッジの旋回状況を説明する図である。
【図6】駆動モータの制御ブロック図である。
【図7】駆動モータの制御フローチャートである。
【図8】駆動モータの制御フローチャートである。
【図9】自動走行装置のブロック図である。
【図10】自動走行のフローチャートである。
【図11】自動走行のフローチャートである。
【図12】自動走行のフローチャートである。
【図13】ボーディングブリッジに向かって航空機が進入してきた状態を示す平面図である。
【図14】キャブとコラムの高さを調整している様子を示す平面図である。
【図15】駆動輪を旋回させている状態の平面図である。
【図16】駆動輪を90度旋回させた状態の平面図である。
【図17】ボーディングブリッジを旋回させている状態の平面図である。
【図18】ボーディングブリッジの旋回を停止した状態の平面図である。
【図19】ボーディングブリッジを直進させている状態の平面図である。
【図20】従来のボーディングブリッジの平面図である。
【図21】従来のボーディングブリッジの側面図である。
【符号の説明】
1 トンネル部
2 コラム
3 横部材
4 支持台
5 旋回台
6 車軸
7 左右車輪
8 駆動モータおよび減速機
9 ストッパ
10 操作パネル
11 モニター画面
12 操作レバー
13 表示盤
14 各種操作ボタン
15 表示手段
16 指示ボタン
50 自動走行ボタン
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボーディングブリッジに関し、特に、任意のトンネル長さを半径とした旋回走行性能を有するボーディングブリッジ自動走行装置および自動走行方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、航空機の乗降装置として、ボーディングブリッジ(搭乗橋)がよく用いられている。ボーディングブリッジは空港のターミナルビルと航空機とを連絡するトンネル状の歩行通路であり、ターミナルビルと航空機との間での直接の乗り降りを可能にするものである。
【0003】
このボーディングブリッジは、一般に図20、図21に示すようにターミナルビルの乗降口に接続された正逆回転自在なロタンダ101と、ロタンダ101に固定された伸縮自在なトンネル部102と、トンネル部102の先端に設けられた正逆回転自在なキャブ103とを備えている。トンネル部102のやや先端側には、駆動輪104及び昇降機構(不図示)を有する支持脚としてドライブコラム105が設けられている。ドライブコラム105に設けた駆動輪104は左右走行輪がそれぞれ個々のモータ、減速機により駆動される構成となっており、これら駆動輪104及び昇降機構は、キャブ103の内部に乗り込んだ操作員によって操作される。そのため、キャブ103の内部には、上記駆動輪104及び昇降機構を操作するための操作パネル(不図示)が設置されている。
【0004】
乗客の乗り降りの際には、キャブ103を航空機106のドア107付近に移動させるようにロタンダ101の回転、トンネル部102の伸縮及び昇降、並びにキャブ103の回転を行い、ボーディングブリッジを所定の待機位置から装着位置にまで移動させ、キャブ103を航空機106のドア107に装着する。これにより、航空機とターミナルビルとの間の直接の移動が可能となる。一方、乗り降りが終了した後は、キャブ103を航空機106のドア107から取り外し、ロタンダの回転、トンネル部の伸縮及び昇降、並びにキャブの回転を実行して、ボーディングブリッジを装着位置から待機位置にまで移動させる。
【0005】
ところで従来、ボーディングブリッジの待機位置と装着位置との間の移動は、キャブ103に乗り込んだ操作員が装着位置または待機位置を目視で把握しながら、操作パネルに設けた操作レバーを手動で操作することにより行われていた。例えば装着時には、操作員が航空機のドアの位置を目視で確認しながら、キャブを当該ドアの近傍に移動させるように駆動輪及び昇降機構を操作していた。
この操作における走行モードを以下に説明する。
走行モードとしては、前、後進は左右車輪のそれぞれの駆動モータ回転数を同一とし、正逆運転を行う。
方向変換(ステアリング)は片方の駆動モータを所定の割合で減速し、2輪の回転数に差をつけることにより方向変換をおこなう。
その場回転(スエ切り)は、一輪を正回転、他輪を逆回転をさせることにより行う。
【0006】
ウォーキング旋回(最大ステアリング切り角度にて旋回走行している状態)は作業者が操作パネルに設けた操作レバーを操作しておこなう。この時、ステアリングの切れ角には限度があり、左右それぞれにリミットスイッチが取りつけられている。ステアリング限界付近での旋回は当りリミットに当たると自動的に減速走行側のタイヤが正常速度になり、リミットが外れるまで直線走行し、当りリミットが解除されるとまた旋回動作に入る。これらの繰り返しにより旋回が続行させる。この旋回ではボーディングブリッジ全体の動きとしてはユラユラとし、あまりスムーズな連続運転にはならない。
【0007】
その理由として、操作レバーでステアリング操作した場合、ステアリング操作位置で操作レバーを停止した状態ではタイヤの左右回転数の差によりステアリングがどんどん切り込まれていくため、操作レバーを戻す必要があるが、操作レバーを戻すタイミングが早すぎると早く直進走行になりトンネルは伸び、遅すぎるとどんどん旋回し、トンネルは縮む。
従って、従来は斜め方向に進行する場合には、走行に従って進行方向を微妙に修正する操作が必要であり、操作に熟練を要していた。このためボーディングブリッジを航空機に装着する時、機体付近でステアリング操作する時は、極めて高度な熟練技術が必要となる。また操作に手間取りボーディングブリッジ装着の時間が長くなると乗客が降機できないため、乗客はイライラしサービスの低下にもつながる。
【0008】
このような事情から、最近ではボーディングブリッジを機体に接続する際には、こうした高度な操作を避けるために、まず駆動輪が目標の方向に向くまで操作レバーを右または左に倒しタイヤをスエ切り状態にし、ボーディングブリッジを右方向あるいは左方向に旋回させ、その後に操作レバーを戻し、再度スエ切りを行い、その後操作レバーを前方に倒してボーディングブリッジを前進走行させるといった2段階の操作を行う必要があった。具体的にはボーディングブリッジを一定の角度まで旋回させ、その後機体に向けてボーディングブリッジを伸ばしてゆき機体に装着する作業を行っている。
【0009】
しかしながらこのような作業にあたっても、従来のボーディングブリッジでは次のような不都合が生じる。
即ち、現在のボーディングブリッジではトンネル長さを一定にして旋回動作する時には、車輪をボーディングブリッジの軸に対して直角に向け、内輪と外輪との間の回転数の差により旋回を行う。このとき内輪と外輪の差が一定にならず、車輪が旋回円周状を蛇行しながら走行することになり、安定した旋回ができない。このように、従来のボーディングブリッジのステアリング操作では作業員による操作レバーの微妙な操作が必要となり、高度且つ面倒な操作が必要であったので、ボーディングブリッジの装着時間及び離脱時間には、操作員によってばらつきが生じ作業上での改善点となっていた。
【0010】
このようなことから、本発明者らは、ボーディングブリッジの一定長さでの旋回をボーディングブリッジの基本長さに基づいて自動的に制御することにより、ボーディングブリッジの操作性を向上しボーディングブリッジの航空機への装着及び離脱を容易化できるボーディングブリッジを提案した(特許文献1)。
【0011】
【特許文献1】特願2002−245134
【0012】
提案されたボーディングブリッジでは、一定トンネル長さでの旋回運動は、トンネル長さを常に検知しておき、その長さに基づいて、左右走行輪のインバータの周波数変化(2輪のインバータ周波数の差)によりモータ回転数に差をつけて常に一定の半径(トンネル長さ)での旋回を可能とする。また始動抵抗や、タイヤ空気圧、路面状況等により左右のモータ負荷に変化が生じる場合もあるので、旋回中も常にトンネル長さを検知器(センサー)で検知し、長さ信号を中央演算装置にフィードバックさせ、トンネル長さに変化が出た時はインバータ周波数を変化させ、常に安定して一定のトンネル長さによる旋回を可能とするものである。
【0013】
このボーディングブリッジでは、任意のトンネル長さを半径とした、旋回走行機能を従来の走行モードに加えることにより、熟練オペレータのみでなく初心者オペレータでも安易にボーディングブリッジを機体に装着することができる。また旋回時にトンネルの長さが変化することなく、旋回できるため、狭い空港のスポットでの操作が容易となりボーディングブリッジを航空機に接続する装着時間を短縮できる。さらに乗客の降機時間短縮が図れ、サービスの向上につながるとともに航空機のステイタイムの短縮を図ることができる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のボーディングブリッジにおいても、ボーディングブリッジを機体に接続する際には、操作者が、まず駆動輪が目標の方向に向くまで操作レバーを右または左に倒しタイヤをスエ切り状態にし、ボーディングブリッジを右方向あるいは左方向に旋回させ、その後に操作レバーを戻し、再度スエ切りを行い、その後操作レバーを前方に倒してボーディングブリッジを前進走行させるといった2段階の操作を行っている。このため、ボーディングブリッジの作動にはある程度の技能をもった操作者が必要となり、運転コストが高くなる等の問題がある。
また、上記問題点を解決するためにボーディングブリッジの自動走行装置も提案されているが、従来の自動走行装置は、オペレータが実際に操作したコースを記憶させておき、その情報に基づいて自動走行していたため、オペレータにより走行方法が異なり、複雑な動きとなっていた。
【0015】
このような背景から、本発明者らは、すでに提案した特願2002−245134に記載のボーディングブリッジをさらに改良し、自動によってボーディングブリッジの走行を可能にしたボーディングブリッジの自動走行装置および自動走行方法を提供することにより、上記問題点を解決することを目的とする。
本発明によれば、ボーディングブリッジの走行を自動運転とできるため、ボーディングブリッジを航空機に接続する装着時間を短縮でき、さらに乗客の降機時間短縮が図れ、サービスの向上につながるとともに航空機のステイタイムの短縮を図ることができる。
【0016】
【課題を解決するための手段】
このため本発明が採用した技術解決手段は、
ターミナルビルの乗降口に接続されたロタンダと、一端が上記ロタンダに固定された伸縮自在なトンネル部と、上記トンネル部の他端に正逆回転自在に設けられ、航空機の乗降部に着脱されるキャブと、上記トンネル部前方に設けられた昇降可能なドライブコラムの下部に走行及び鉛直軸回りの正逆回転が自在な駆動輪とを備えたボーディングブリッジの自動走行装置であって、前記走行装置は、ボーディングブリッジの原点位置を確認する原点確認手段と、ボーディングブリッジの長さを制御するボーディングブリッジ長さ制御手段と、ステアリングを制御するステアリング制御手段(左右車輪制御手段)とを備え、自動によりボーディングブリッジを原点確認位置から所定角度回転させ、その後、所定長さまで伸長できるようにしたことを特徴とするボーディングブリッジ自動走行装置である。
また、前記原点確認手段は、使用機種を選定すると、使用機種にあわせてトンネル高さ、キャブ角度を設定できる機能を備えていることを特徴とするボーディングブリッジ自動走行装置である。
また、ターミナルビルの乗降口に接続されたロタンダと、一端が上記ロタンダに固定された伸縮自在なトンネル部と、上記トンネル部の他端に正逆回転自在に設けられ、航空機の乗降部に着脱されるキャブと、上記トンネル部前方に設けられた昇降可能なドライブコラムの下部に走行及び鉛直軸回りの正逆回転が自在な駆動輪とを備えたボーディングブリッジの自動走行方法であって、駆動輪のステアリング角度をボーディングブリッジの中心軸線に対して90度となるようにタイヤを駆動し、トンネル長さに合わせて内外各タイヤの回転数を制御しながら、ボーディングブリッジを使用機種にあわせて所定角度旋回し、ついで車輪がボーディングブリッジの軸線方向と平行になるように車輪の向きを変え、トンネルを前進させ、トンネル長さが使用機種に合った位置になると車輪が停止されトンネルの前進作動を停止するようにしたボーディングブリッジ自動走行方法である。
また、ターミナルビルの乗降口に接続されたロタンダと、一端が上記ロタンダに固定された伸縮自在なトンネル部と、上記トンネル部の他端に正逆回転自在に設けられ、航空機の乗降部に着脱されるキャブと、上記トンネル部前方に設けられた昇降可能なドライブコラムの下部に走行及び鉛直軸回りの正逆回転が自在な駆動輪とを備えたボーディングブリッジの自動走行方法であって、使用機種を選定すると、使用機種にあったトンネル高さ、キャブ角度が設定され、その後、駆動輪のステアリング角度をボーディングブリッジの中心軸線に対して90度となるようにタイヤを駆動し、トンネル長さに合わせて内外各タイヤの回転数を制御しながら、ボーディングブリッジを所定角度旋回し、ついで車輪がボーディングブリッジの軸線方向と平行になるように車輪の向きを変え、トンネルを前進させ、トンネル長さが使用機種に合った位置になると車輪が停止されトンネルの前進作動を停止するようにしたボーディングブリッジ自動走行方法である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明すると、図1はボーディングブリッジに取り付けた本発明に係るドライブコラムの正面図、図2は同ドライブコラムの側面図、図3は車輪部の拡大正面図、図4は操作パネルの説明図、図5はボーディングブリッジの旋回状況を説明する図である。
【0018】
先ず、本発明の基本となるボーディングブリッジの基本構成を説明する。
図1〜図3において、1はボーディングブリッジのトンネル部であり、ボーディングブリッジの前方側トンネル1の左右には伸縮自在のコラム2が取り付けられており、これらコラム2の下方には横部材3が取りつけられている。横部材3の中央には支持台4が形成され、この支持台4に旋回自在に旋回台5が設けられている。旋回台には下方に取り付けた車軸6と、車軸6の端部に設けた左右車輪7とが取り付けられ、左右車輪はそれぞれ、駆動モータと減速機8を介して独立に回転駆動できる構成となっている。また、旋回台5には車輪の回転角度を検知する位置検出器(不図示)、車輪の回転角を規制するストッパ9等が備えられている。
【0019】
また操作パネル10は図4に示すようにモニター画面11、操作レバー12、車輪の向きを表示する表示盤13、各種操作ボタン14、表示手段15の他に左右の一定旋回動作を指示する指示ボタン16等が配置されている。そして、指示ボタンの内、右ボタンを押すと一定トンネル長さでの右旋回、左ボタンを押すと一定トンネル長さでの左旋回を行うことができるようになっている。さらに、操作パネル10には今回新たに開発された自動走行モードを選択できる自動走行ボタン50を装備する。
なおこの台車構造、及び操作パネルの基本構成は従来のボーディングブリッジと同様の構成であることからこれ以上の詳細な説明は省略する。
【0020】
ところで、本発明で使用するボーディングブリッジでは、一定長さのボーディングブリッジを旋回させる際の左右車輪の駆動モータの制御を行っている。この駆動モータの制御について詳述する。
図5においてボーディングブリッジの内側車輪の旋回半径をL、両輪の距離をR、旋回内側車輪の速度をVin、旋回外側車輪の速度をVout 、旋回角をθ、左右車輪の直径をD、減速比をkとしたとき、両輪の速度差は以下により求める。
▲1▼θ度間の内側円弧距離(Linθ)、外側円弧距離(Lout θ)は、
Linθ=2×π×L×θ/360
Lout θ=2×π×(L+R)×θ/360
▲2▼旋回内側車輪の速度をVin(m/sec)、旋回外側車輪の速度をVout (m/sec)、円弧上θ度間走行時間をt(sec)としたとき、
Vin=Linθ/t (m/sec)
Vout =Lout θ/t (m/sec)
▲3▼旋回内側車輪の速度Vin(m/sec)に対する旋回外側車輪の速度Vout (m/se c)の関係
Vout /Vin=Lout θ/Linθ=(L+R)/L
このことから、
Vout ={(L+R)/L}×Vin
▲4▼速度( Vm/sec)と駆動モータ回転数(Nm rpm)の関係
V×60sec =2×π×D×(Nm /K )
このことから、
Nm =(V×60×K )/2πD
【0021】
以上のことからボーディングブリッジの長さ(以下ブリッジ長という)の補正動作は以下による。
ブリッジ長補正動作は旋回運転中のみ行う。
補正動作は、旋回開始直前のブリッジ長(一定値)を目標値として設定し、旋回中、常時計測するブリッジ長さとの比較を行い、その差を無くすようにホイルキャリッジの両輪速度差を以下の様に制御する。
ブリッジ長Lm (m)時の円弧上を走行する速度指令値
内輪速度指令 Vin Vin m/min
外輪速度指令 Vout Vout ={(L+R)/L}×Vin
ブリッジ長Lm (m)が増加した場合の補正走行速度指令は
内輪速度指令 Vin Vin m/min
外輪速度指令 Vout Vout ={(L+R)/L}×Vin×(1+α/100)
ブリッジ長Lm (m)が減少した場合の補正走行速度指令は
内輪速度指令 Vin Vin m/min
外輪速度指令 Vout Vout ={(L+R)/L}×Vin×(1−α/100)
このように円弧上を走行する速度指令値に対する割合αで外輪速度を増加、減少させ補正動作を行う。補正割合αは偏差が大きい場合増やし、少ないと減少させたりする案、および補正割合αは一定とする案を採用することができる。こうしてボーディングブリッジを一定半径で旋回させることができる。
【0022】
つづいて、ボーディングブリッジを一定半径で旋回させる時の駆動モータの制御構成を説明する。図6は駆動モータの制御ブロック図であり、図7、図8は同制御フローチャートである。
本ボーディングブリッジの制御手段は、車輪位置センサ21、ボーディングブリッジ長さセンサ22、ボーディングブリッジサイズの記憶23、ホイルキャリッジ角度指令24、直線走行指示25、右旋回運転指示26、左回転運転指示27、速度指令28などからなる入力情報を入力する入力手段、前記入力情報からに基づき所定の演算を実行し出力するコントローラ30、およびコントローラからの指令を駆動モータのインバータに出力する出力手段31とから構成されている。
【0023】
コントローラ30は前述した式に従い、直線、旋回運動毎に両輪の回転数を演算し出力する機能と、ホイールキャリッジの回転位置あるいは設定位置に位置決めする機能と、ボーディングブリッジの長さを制御する機能を備えている。
つづいて、上記制御手段で実行する作業を図7、図8の制御フローを参照して説明するが、制御フローは紙面の都合上、図7、図8に分けて記載されている。
図7において、操作パネル上の一定旋回の指示ボタン16が操作されると、ステップ1でプログラムがスタートし、ステップ2で運転開始か否かを判断し、運転開始の時はステップ3に進み旋回モード選択がされているか否かを判断し、旋回モードの時はステップ4で車輪が旋回方向に向いているか否かを判断し、車輪が旋回方向に向いていない時にはステップ5で車輪旋回用速度指令を選択し、ステップ6で右車輪正転指令をオン、左車輪逆転指令をオンにし、ステップ7でホイルキャリッジ方向転換を開始する。ついで、ステップ8でホイルキャリッジがブリッジの中心軸に対して90°回転したか否かを判定し、90°回転したと判断した時にステップ9で両車輪を停止する。これらステップ4〜ステップ9までの判断により車輪が旋回方向に向いていない状態から車輪が90°旋回した状態への旋回モードに設定できる。
【0024】
旋回モードになるとステップ10でボーディングブリッジ長L0 を指令値として記憶し、ステップ11で前述した理論に基づいて旋回用両輪速度差Z(Z=(L0 +D)/L0 )を演算し、ステップ12で旋回用速度指令を選択して指令値V1 を出力し、ステップ13で右旋回か否かを判断し、右旋回の時にはステップ14で、また左旋回の時はステップ17で所定の演算を行いステップ15あるいはステップ18で車輪の正転指令あるいは逆転指令を出してステップ19で旋回運転を開始する。
【0025】
運転中、ステップ20で現在のブリッジ長Lの長さを監視し、ブリッジ長Lが異状外れと判断されるとステップ22で異状信号を出力しステップ23で旋回を停止する。またブリッジ長が許容値以内の時はステップ13に戻り、ステップ13以下の旋回動作を実行する。またステップ13でブリッジ長が許容値以内にはいっていない時にはステップ24に進みブリッジ長Lと記憶したブリッジ長L0 とを比較しその結果にしたがってステップ25またはステップ27で所定の演算を実行し、駆動モータの回転を制御する。こうして、常にブリッジ長がL0 の状態で旋回することができる。
【0026】
なおステップ3で旋回モードを選択していないときには直線モードを選択しているか否かを判定し、直行モードの時にはステップ29で車輪は直行方向を向いているか否かを判定し直行方向にむいていない時にはステップ30〜ステップ34で車輪を直行方向に向け車輪の回転を停止する。このステップ29〜34の判断により車輪を直行方向に設定することができる。
またステップ29で車輪が直行方向に向いている時には直行速度V1 を選択しステップ36〜ステップ37でボーディングブリッジの前進運転あるいは後進運転を行う。
以上の操作により、上記ボーディングブリッジでは、ボーディングブリッジを一定の長さのまま所定の角度旋回させることができ、その後機体に向けてボーディングブリッジを伸ばしてゆき機体に装着するだけで簡単にボーディングブリッジと航空機との接続作業を行うことができる。
【0027】
次に上記の構成からなるボーディングブリッジの自動走行装置の説明をする。
自動走行では、上述した「ボーディングブリッジを一定の長さのまま所定の角度旋回させる機能」を利用しながら、先ずボーディングブリッジを所定角度旋回し、その後、機体にむけて所定長さになるまで自動的にボーディングブリッジを伸長(前進)させる作動を行う。この場合、機体の種類によりボーディングブリッジと機体との位置関係が変化するため、先ず駐機している機体の種類を選択した後、自動走行を開始することになる。この自動走行運転は、ボーディングブリッジが機体に対して所定の位置になるまで(キャブと機体との位置が約1m程度に接近する位置まで)行われ、その後機体とボーディングブリッジのキャブとの接続は作業者が手動で行うことになる。
【0028】
自動走行装置は基本的にはコンピュ−タで構成され、所定のソフトウエアによって作動されることになる。なおこの自動装置装置は前述のコントローラ内に組み込むことも可能である。
自動走行装置の基本構成を説明すると、図9は制御ブロック構成図であり、図10〜図12は自動走行の作動説明図(フローチャート)、図13〜図19はボーディングブリッジの走行状況の説明図である。なお制御フローは紙面の都合上図10〜図12に分けて記載されている。
【0029】
図9において、自動走行装置は、ボーディングブリッジの原点位置を確認する原点確認手段、ボーディングブリッジの長さを制御するボーディングブリッジ長さ制御手段と、ステアリングを制御するステアリング制御手段(左右車輪制御手段)を備えており、これらは制御を実行するために必要となる情報を検出する各種センサ(例えば位置検出センサ、車輪回転センサ、ステアリング角度検出センサ等)からの情報により後述するフローチャートに従って制御される。
原点確認手段は、航空機の種類を選択すると、まずその航空機に合わせてボーディングブリッジの高さ、キャブの角度を設定する等してボーディングブリッジを初期待機位置に設定する。なおボーディングブリッジの高さ、キャブの角度は、本例ではボーディングブリッジを走行させる前に行っているが、これらは、ボーディングブリッジが航空機に接近した状態となった後に、キャブの角度、コラム高さを調整することもできる。
ボーディングブリッジ長さ制御手段は、航空機の種類に合わせて、ボーディングブリッジの伸長量を制御する。
ステアリング制御手段(左右車輪制御手段)は、ステアリング角、走行速度、など左右車輪の駆動を制御するものであり、前述した駆動モータの制御構成を利用する。
【0030】
次の自動走行装置の作動をフローチャートおよび作動説明図を参照して説明する。
自動走行のプログラムが開始されると、先ず、作業者が操作パネルから使用機種を選択し(ステップ2)、使用機種が決定すると、オートプリセットがスタートされる(ステップ4)。
オートプリセットがスタートすると使用機種に合わせて、トンネル高さとキャブの角度が調整され、使用機種にあったトンネル高さ、キャブ角度が設定される(ステップ5、ステップ6)(原点位置確認)。
オートプリセット状態になると使用機種が操作パネル上に表示され(ステップ7)、作業者に自動走行が開始されることを認識させ、次いで自動走行が開始される(ステップ8)。
自動走行がスタートすると、ステアリング角度およびトンネル高さが検出され(ステップ9)、ステアリング角度をボーディングブリッジの中心軸線に対して90度となるようにタイヤを駆動する(ステップ11)。ステアリング角度が90度位置を検出すると(ステップ12)、その位置でタイヤの駆動を停止する(ステップ13)。
【0031】
次にトンネル長さを検出し(ステップ14)、内外各タイヤの回転数を演算し(ステップ15)、内外各タイヤの回転数が決定すると、タイヤを駆動し、旋回走行が開始される(ステップ17)。トンネル旋回中は、トンネルの長さを常時監視し、トンネル長さに変動が合った場合にはタイヤの回転数を制御する。
そして、旋回角度が使用機種別停止位置になると、その位置で旋回作動が停止する(ステップ22)。
【0032】
ボーディングブリッジ旋回作動が停止すると、今度は車輪がボーディングブリッジの軸線方向と平行になるように車輪の向きを変え、車輪の向きがボーディングブリッジの軸線と平行になるとその位置でステアリング作動を停止する(ステップ26)。
【0033】
ついで、トンネル長さを検出し、トンネルが前進するように車輪を駆動する(ステップ28)。
車輪の駆動中では、常時ステアリング角度がゼロとなるように車輪の向きが制御され(ステップ30〜ステップS33)、直進走行を行う。そしてトンネル長さが使用機種に合った位置になると車輪が停止されトンネルの前進作動が停止される(ステップ34)。
その後、キャブと機体との接続作業は作業者が手動で行うことになる。
【0034】
上記フローチャートの流れを更に図13〜図19を参照して説明する。
図13は、航空機が進入してくる様子を示している。この時作業者は航空機の使用機種を確認する(たとえばボーイング社のボーイング747等)。
そして、使用機種が決定されると作業者はオートプリセットボタンを押す。
オートプリセットボタンが押されると図14に示す如く、キャブの角度、トンネル高さが使用機種に合わせて自動的に設定される。
図15、図16において、駆動輪の向きをボーディングブリッジの軸線に対して90度回転させた位置とする。
図17、図18でボーディングブリッジの旋回動作を行い、所定角度旋回した後駆動輪をボーディングブリッジの軸線に平行となる向きに戻す。
図19ではボーディングブリッジを直進させ、キャブの位置が航空機のドア部から約1mに接近した状態でボーディングブリッジの自動走行を停止する。この時車輪の向きがトンネル軸心に対し、左右に配置され、トンネルの揺れが最も少ない状態になる。
その後航空機とキャブの接続は作業者により手動で行う。
なお、キャブの向き、ボーディングブリッジの高さの調整は図19の状態に成ってから行うことも可能である。
【0035】
こうして、本発明に係る自動走行装置では、ボーディングブリッジを機体に接続する際には、操作者が使用機種を選択し自動走行ボタンをセットするだけで、ボーディングブリッジは自動的に使用機種に対して所定の位置となるように走行し使用機種に合わせた位置決めが行われる。この結果、ボーディングブリッジの操作が極めて簡単になり、ボーディングブリッジを航空機に接続する装着時間を短縮でき、さらに乗客の降機時間短縮が図れ、サービスの向上につながるとともに航空機のステイタイムの短縮を図ることができる。
また、ボーディングブリッジを使用位置から格納位置にもどすには、上記のフローチャートの逆(即ちボーディングブリッジを伸長位置から短縮位置にまで戻し、その後旋回作動をして格納位置まで移動する。後進時にPBBはトンネル軸心に沿って、航空機より最大離隔位置まで後進するので、機体との接触や、左右の障害物に接触することがなく、安全に運用できる)によって自動で行うか、あるいは作業者が手動により格納する。
【0036】
以上のように、本実施形態によれば、作業者が使用機種を選択し、操作パネル上に配置した自動走行ボタンを操作するだけで、コントローラからの指示によりボーディングブリッジが使用機種に合わせて旋回し、所定の旋回角度になると、ボーディングブリッジが伸長し、ボーディングブリッジを所定の位置に正確に位置決めできる。従って、経験の浅い操作員であっても、待機位置から装着位置への移動及び装着位置から待機位置への移動を迅速かつ容易に行うことができる。また、操作ボタンの簡単な操作のみで駆動輪が旋回モードの中で自動的に制御されるため操作員の操作の負担は著しく軽減する。さらに本実施形態によれば、機種の選択とキャブのドアへの取り付け及び取り外しのみであるので、装着時間及び離脱時間を短縮することができる。また、操作員による操作時間のばらつきはなくなる。
【0037】
なお、制御フローのうち、各ステップの順序は一定旋回動作、伸長動作に問題がなければ適宜入れ換えることでき、また操作パネル上の指示部材の配置等は設計時に適宜選択して設定することができる。さらに必要に応じて車輪の空気圧、路面状況等により左右のモータ負荷に変化が生じる場合もあるので、旋回中も常にトンネル長さを検知器で検知し、長さ信号を中央演算装置にフィードバックさせ、トンネル長さに変化が出た時はインバータ周波数を変化させ、常に安定して一定のトンネル長さによる旋回を可能とすることもできる。またボーディングブリッジの長さを基本とした左右車輪の速度差の演算方法は、必ずしも上記説明した演算方法に限定されることはなく、例えば、基本となるボーディングブリッジのブリッジ長さに対してのボーディングブリッジの伸長、短縮に対して予め定めてある所定の割合で左右車輪の回転数を制御する等、他の方法を採用することができる。さらに、ボーディングブリッジの長さは常時検知するのでなく、ある一定時間間隔毎に検知することも可能である。また、本発明はその精神又は主要な特徴から逸脱することなく他の色々な形で実施することができ、また、前述の実施例はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。
【0038】
【発明の効果】
以上本発明によれば、自動的に使用機種にあわせてボーディングブリッジを位置決めできるため、熟練オペレータのみでなく初心者オペレータでも安易にボーディングブリッジを機体の装着することができる。また旋回時にトンネルの長さが変化することなく、旋回できるため、狭いスポットでの操作が容易で、また旋回位置が航空機より距離が取れるため安全性が高くなりボーディングブリッジを航空機に接続する装着時間を短縮できる。さらに乗客の降機時間短縮が図れ、サービスの向上につながるとともに航空機のステイタイムの短縮を図ることができる、等々の極めて優れた作用効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】ボーディングブリッジに取り付けた本発明に係るドライブコラムの正面図である。
【図2】同ドライブコラムの側面図である。
【図3】車輪部の拡大正面図である。
【図4】操作パネルの説明図である。
【図5】ボーディングブリッジの旋回状況を説明する図である。
【図6】駆動モータの制御ブロック図である。
【図7】駆動モータの制御フローチャートである。
【図8】駆動モータの制御フローチャートである。
【図9】自動走行装置のブロック図である。
【図10】自動走行のフローチャートである。
【図11】自動走行のフローチャートである。
【図12】自動走行のフローチャートである。
【図13】ボーディングブリッジに向かって航空機が進入してきた状態を示す平面図である。
【図14】キャブとコラムの高さを調整している様子を示す平面図である。
【図15】駆動輪を旋回させている状態の平面図である。
【図16】駆動輪を90度旋回させた状態の平面図である。
【図17】ボーディングブリッジを旋回させている状態の平面図である。
【図18】ボーディングブリッジの旋回を停止した状態の平面図である。
【図19】ボーディングブリッジを直進させている状態の平面図である。
【図20】従来のボーディングブリッジの平面図である。
【図21】従来のボーディングブリッジの側面図である。
【符号の説明】
1 トンネル部
2 コラム
3 横部材
4 支持台
5 旋回台
6 車軸
7 左右車輪
8 駆動モータおよび減速機
9 ストッパ
10 操作パネル
11 モニター画面
12 操作レバー
13 表示盤
14 各種操作ボタン
15 表示手段
16 指示ボタン
50 自動走行ボタン
Claims (4)
- ターミナルビルの乗降口に接続されたロタンダと、一端が上記ロタンダに固定された伸縮自在なトンネル部と、上記トンネル部の他端に正逆回転自在に設けられ、航空機の乗降部に着脱されるキャブと、上記トンネル部前方に設けられた昇降可能なドライブコラムの下部に走行及び鉛直軸回りの正逆回転が自在な駆動輪とを備えたボーディングブリッジの自動走行装置であって、前記走行装置は、ボーディングブリッジの原点位置を確認する原点確認手段と、ボーディングブリッジの長さを制御するボーディングブリッジ長さ制御手段と、ステアリングを制御するステアリング制御手段(左右車輪制御手段)とを備え、自動によりボーディングブリッジを原点確認位置から所定角度回転させ、その後、所定長さまで伸長できるようにしたことを特徴とするボーディングブリッジ自動走行装置。
- 前記原点確認手段は、使用機種を選定すると、使用機種にあわせてトンネル高さ、キャブ角度を設定できる機能を備えていることを特徴とする請求項1に記載のボーディングブリッジ自走走行装置。
- ターミナルビルの乗降口に接続されたロタンダと、一端が上記ロタンダに固定された伸縮自在なトンネル部と、上記トンネル部の他端に正逆回転自在に設けられ、航空機の乗降部に着脱されるキャブと、上記トンネル部前方に設けられた昇降可能なドライブコラムの下部に走行及び鉛直軸回りの正逆回転が自在な駆動輪とを備えたボーディングブリッジの自動走行方法であって、駆動輪のステアリング角度をボーディングブリッジの中心軸線に対して90度となるようにタイヤを駆動し、トンネル長さに合わせて内外各タイヤの回転数を制御しながら、ボーディングブリッジを使用機種にあわせて所定角度旋回し、ついで車輪がボーディングブリッジの軸線方向と平行になるように車輪の向きを変え、トンネルを前進させ、トンネル長さが使用機種に合った位置になると車輪が停止されトンネルの前進作動を停止するようにしたボーディングブリッジ自動走行方法。
- ターミナルビルの乗降口に接続されたロタンダと、一端が上記ロタンダに固定された伸縮自在なトンネル部と、上記トンネル部の他端に正逆回転自在に設けられ、航空機の乗降部に着脱されるキャブと、上記トンネル部前方に設けられた昇降可能なドライブコラムの下部に走行及び鉛直軸回りの正逆回転が自在な駆動輪とを備えたボーディングブリッジの自動走行方法であって、使用機種を選定すると、使用機種にあったトンネル高さ、キャブ角度が設定され、その後、駆動輪のステアリング角度をボーディングブリッジの中心軸線に対して90度となるようにタイヤを駆動し、トンネル長さに合わせて内外各タイヤの回転数を制御しながら、ボーディングブリッジを所定角度旋回し、ついで車輪がボーディングブリッジの軸線方向と平行になるように車輪の向きを変え、トンネルを前進させ、トンネル長さが使用機種に合った位置になると車輪が停止されトンネルの前進作動を停止するようにしたボーディングブリッジ自動走行方法。
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JP6770665B1 (ja) * | 2019-10-30 | 2020-10-14 | 新明和工業株式会社 | 旅客搭乗橋 |
JP2021070470A (ja) * | 2020-09-25 | 2021-05-06 | 新明和工業株式会社 | 旅客搭乗橋 |
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2003
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