JP2004314445A - 熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法、熱可塑性樹脂組成物成形体の製造方法および熱可塑性樹脂組成物成形体 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法、熱可塑性樹脂組成物成形体の製造方法および熱可塑性樹脂組成物成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】熱可塑性樹脂組成物廃材から、熱可塑性樹脂組成物廃材を主原料とするマテリアルリサイクルにより、多様な用途に応じた特性を有する熱可塑性樹脂組成物成形体を得ることができ、サーマルリサイクルされる熱可塑性樹脂組成物廃材を低減することができる、効率的な熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法を提供する。
【解決手段】熱可塑性樹脂組成物廃材を熱可塑性樹脂組成物廃材中の主成分である熱可塑性樹脂組成物の系統別に選択的に分離回収するステップと、選択的に分離回収した熱可塑性樹脂組成物廃材および/または未使用の熱可塑性樹脂組成物の複数種類を混合して特定の組成の混合物を得るステップと、混合物を加熱溶融するステップと、混合および加熱溶融された熱可塑性樹脂組成物廃材を成形して熱可塑性樹脂組成物成形体を得るステップと、を備える熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法に関する。より詳しくは、本発明は、熱可塑性樹脂組成物廃材の複数種類を混合して熱可塑性樹脂組成物成形体を得る、熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法に関する。
【0002】
また、本発明は、上記の再資源化方法による熱可塑性樹脂成形体の製造方法にも関する。さらに、本発明は、上記の再資源化方法により得られる熱可塑性樹脂組成物成形体にも関する。
【0003】
【従来の技術】
近年、わが国では所得水準の向上に伴い、エアコンディショナ(本明細書において、エアコンとも記載する)、テレビジョン受信機(本明細書において、テレビとも記載する)、冷蔵庫、洗濯機などの家電製品、パ−ソナルコンピュ−タ、ワ−ドプロセッサなどの情報機器、プリンタ、ファックスなどの事務用機器、その他の各種の家具、文具、玩具などが、一般家庭に高い普及率で備えられるようになっており、家庭生活における利便性は飛躍的に向上しつつある。
【0004】
一方、その結果、これらの家電製品をはじめとする製品の廃棄量も年々増加する傾向にある。ここで、従来は、これらの家電製品をはじめとする製品の廃材の再資源化は、鉄くずの回収ル−トを通して行なわれる場合が多かった。
【0005】
しかし、近年では、家電製品をはじめとする各種製品の部材の構成材料が変化し、鉄をはじめとする金属からなる部材が減少して熱可塑性樹脂組成物からなる部材の割合が増加する傾向にある。熱可塑性樹脂組成物は、鉄をはじめとする金属よりもデザインの自由度が大きく、構成成分の調製や添加剤の使用などにより金属では実現の難しい種々の特性を付与することができ、軽量であり耐久性が高いことなどの多くの利点を有するためである。
【0006】
そして、近年の家電製品をはじめとする各種製品の廃材は、各種構成部材の材質構成が複雑化しており、鉄や銅をはじめとする有価金属からなる部材の割合が少なく、有価性が低く、かつ従来の処理方法では多大の手間と経費がかかる熱可塑性樹脂組成物からなる部材の割合が多くなっており、従来の鉄くずの回収ル−トではこのような廃材を再資源化しても採算が取れないため、対応が難しい状況になりつつある。
【0007】
そして、これらの熱可塑性樹脂組成物からなる部材は、原油などの埋蔵化石燃料を基礎原料として合成されるものが多く、資源の有効活用の観点から、これらの熱可塑性樹脂組成物からなる部材を備えた製品の再資源化の推進が近年強く要求されてきている。
【0008】
また、原油などの埋蔵化石燃料の燃焼による二酸化炭素および硫黄酸化物の放出による地球温暖化、酸性雨といった環境破壊や、塩素化合物を含む熱可塑性樹脂組成物の焼却処理によるダイオキシンの生成、飛散といった環境汚染、さらには嵩の大きい熱可塑性樹脂組成物を含む廃材の増大によるゴミ埋立処理場の不足といった問題を抑制するという観点からも、これらの熱可塑性樹脂組成物からなる部材を備えた製品の廃材の再資源化が重要かつ緊急の課題となりつつある。
【0009】
なお、本明細書においては、熱可塑性樹脂組成物からなる部材を、プラスチック部材とも記載する。また、本明細書においては、プラスチック部材を備えた製品を、プラスチック製品とも記載する。さらに、本明細書においては、プラスチック製品の廃材を、プラスチック廃材とも記載する。
【0010】
ここで、上記の状況を受けて、2001年4月に家電リサイクル法が施行された。ここで、家電リサイクル法においては、2003年4月現在においては、エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機の家電4品目のリサイクルが義務付けられ、また、それぞれの製品の再商品化率については、エアコン60%以上、テレビ55%以上、冷蔵庫50%以上、洗濯機50%以上の法定基準値が定められている。
【0011】
そして、上記の家電リサイクル法の施行を受けて、プラスチック廃材の回収は進みつつあるが、このようにして回収されたプラスチック廃材の再資源化方法としては、プラスチック廃材を燃料として使用するという、いわゆるサーマルリサイクルに関する方法が従来から多く活用されている。しかし、このような方法によれば、プラスチック廃材のサーマルリサイクルによる再資源化は可能であるが、燃焼による炭酸ガスの発生などの問題があるため、社会的要請に充分に沿った方法であるとはいえない。
【0012】
そこで、こうして回収されたプラスチック廃材から、たとえば手解体などの方法により、熱可塑性樹脂組成物の系統ごとにプラスチック部材を分離して、それらのプラスチック部材を再度、製品の部材またはその原料に加工して使用するプラスチック廃材の再資源化方法が提案されている。このような再資源化方法は、上記のサーマルリサイクルと対比して、マテリアルリサイクルと記載される。
【0013】
そして、上記のようにして熱可塑性樹脂組成物の系統ごとに分離されたプラスチック部材の中でも、熱可塑性樹脂組成物からなる部材(本明細書において、熱可塑性樹脂組成物廃材とも記載する)は、加熱溶融して再度成形することにより比較的容易にマテリアルリサイクルすることが可能である。
【0014】
そのため、現在、プラスチック廃材のマテリアルリサイクルの比率を高めるために、熱可塑性樹脂組成物廃材のマテリアルリサイクルによる再資源化方法の研究開発が、各方面で多大な努力を払って行なわれている。
【0015】
しかしながら、熱可塑性樹脂組成物廃材、特に家電製品や事務用機器などに使用されている熱可塑性樹脂組成物廃材は、厳しい環境で長期間使用されることが多いため、廃材となった時点ですでに特性が低下しており、変色または退色などの外観上の特性の低下だけでなく、強度、柔軟性などの物性も低下した耐久性に乏しい材料になっていることが多い。
【0016】
そのため、熱可塑性樹脂組成物廃材は、要求特性の高いプラスチック部材に用いられる熱可塑性樹脂組成物のバージン材料の代替用途ではなく、要求特性の低いプラスチック部材の原料として用いられることが多い。
【0017】
また、ポリスチレン(PS)あるいはアクリロニトリル−スチレン(AS)など、優れた透明性を特徴とする熱可塑性樹脂組成物は、使用済み製品から分離回収すると、長期間の使用により汚染されているため、透明性に優れた熱可塑性樹脂組成物成形体を得られず、マテリアルリサイクルがなされていなかった。
【0018】
そして、現在のところ、熱可塑性樹脂組成物廃材のマテリアルリサイクルとしては、このようなカスケ−ドリサイクルが主流となっている。そのため、熱可塑性樹脂組成物廃材から再生される熱可塑性樹脂組成物成形体の用途が限られてしまい、サーマルリサイクルされている熱可塑性組成物廃材が大量にあるということが問題となっている。
【0019】
ここで、本明細書において、バージン材料とは、未使用の樹脂組成物のことを意味するものとする。また、本明細書において、特性の低下したプラスチック廃材を、要求特性の高いプラスチック部材に用いられる熱可塑性樹脂組成物のバージン材料の代替用途ではなく、要求特性の低いプラスチック部材の原料として用いることを、カスケ−ドリサイクルと記載するものとする。
【0020】
このような問題を克服するため、上記の熱可塑性樹脂組成物廃材からのマテリアルリサイクルにより得られる熱可塑性樹脂組成物成形体の特性を向上させ、要求特性の高いプラスチック部材としても使用可能な水準に到達させるべく、多くの研究開発努力がなされている。
【0021】
たとえば、熱可塑性樹脂組成物廃材(マテリアルリサイクル材料)にバージン材料を混合することによって特性を保持する方法が、数多く提案されている(たとえば、特許文献1参照。)。
【0022】
しかしながら、このようなマテリアルリサイクル方法においては、バージン材料の混合に伴い物性は向上するものの、物性が低下した熱可塑性樹脂組成物廃材を混合する限り、バージン材料と同等の物性には回復するのは不可能である。また、バージン材料の物性に近似させるためには、熱可塑性樹脂組成物廃材よりも多量のバージン材料を混合する必要がある場合が多く、資源循環型社会に対応しているとは言い難いものである。また、物性が低下していない熱可塑性樹脂組成物廃材であっても、長期間の使用により寿命は大きく低下しており、再利用した際、長期信頼性に問題がある。
【0023】
一方で、使用済み製品の構成部品と劣化度に基づいてリサイクルの方策を決定し、繰返し再資源化するリサイクルシステムについての技術も開示されている(たとえば、特許文献2参照。)。
【0024】
しかしながら、このリサイクルシステムにおいては、方策を決定する判断基準である劣化度は、バージン材料との比較によって判定可能な物性に基づくものであり、回収された廃材の初期の特性が既知の場合のみに有効となる。しかし、実際に回収される廃材は膨大な数量であり、これらのひとつひとつの初期特性を把握し、さらには廃材の特性とその初期特性を逐一比較するには、膨大な時間と処理能力が必要であり、現実的にはこのようなリサイクルシステムの実現には困難が伴い、またコスト的に不利であるという問題がある。
【0025】
また、廃材となる製品の内部で使用される部品は、外観に使用される部品に比べて、光などの影響を受けにくいため、見かけ上の劣化度が低く、物性値の有意な差として劣化の進み具合が顕われない場合もある。したがって、このようなリサイクルシステムにおいては、廃材の材料組成の識別は可能であっても、劣化度でもって材料の振り分けを行うことは困難であるという問題もある。
【0026】
【特許文献1】
特開2000−159900号公報
【0027】
【特許文献2】
特開平7−24437号公報
【0028】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、市場から回収された熱可塑性樹脂組成物廃材から、熱可塑性樹脂組成物廃材を主原料とするマテリアルリサイクルにより、再利用が可能であり、用途が広く、プラスチック部材またはその原料としても使用可能な特性を有する、熱可塑性樹脂組成物成形体を得ることのできる、効率的かつ低コストな熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法の開発が強く望まれているにも関わらず、そのような再資源化方法は未だ公知となっていないのが現状である。
【0029】
また、一般的に、ポリスチレン(PS)あるいはアクリロニトリル−スチレン(AS)は、優れた透明性を利用した用途に適用される。しかしながら、使用済み製品から分離回収したこれらの熱可塑性樹脂組成物廃材は、長期間の使用により汚染されているため、従来公知の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法によっては、透明性に優れた熱可塑性樹脂組成物成形体を得られず、マテリアルリサイクルがなされていなかった。
【0030】
上記の現状に基づき、本発明の課題は、熱可塑性樹脂組成物廃材から、熱可塑性樹脂組成物廃材を主原料とするマテリアルリサイクルにより、多様な用途に応じた特性を有する熱可塑性樹脂組成物成形体を得ることができ、サーマルリサイクルされる熱可塑性樹脂組成物廃材を低減することができる、効率的な熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法を提供することである。
【0031】
また、本発明の課題は、より詳しくは、ポリスチレン(PS)あるいはアクリロニトリル−スチレン(AS)からなる熱可塑性樹脂組成物廃材から、熱可塑性樹脂組成物廃材を主原料とするマテリアルリサイクルにより、多様な用途に応じた特性を有する熱可塑性樹脂組成物成形体を得ることができ、サーマルリサイクルされる熱可塑性樹脂組成物廃材を低減することができる、効率的な熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法を提供することである。
【0032】
また、本発明の別の課題は、熱可塑性樹脂組成物廃材から、熱可塑性樹脂組成物廃材を主原料とするマテリアルリサイクルにより、多様な用途に応じた特性を有する熱可塑性樹脂組成物成形体の製造方法を提供することである。
【0033】
さらに、本発明の他のもう1つの課題は、熱可塑性樹脂組成物廃材を主原料とするマテリアルリサイクルにより得られる、多様な用途に応じた特性を有する熱可塑性樹脂組成物成形体を提供することである。
【0034】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の課題を解決するには、選択して分離回収した熱可塑性樹脂組成物廃材の複数種類を混合し、熱可塑性樹脂組成物成形体を得ればよいとの着想を得、そのような熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法を開発すべく、多くの種類の熱可塑性樹脂組成物廃材から得られる原料ペレット状の熱可塑性樹脂組成物成形体を調製し、物性についての実験を行ない、鋭意検討を重ねた。
【0035】
そして、検討の末に、本発明者は、選択して分離回収した熱可塑性樹脂組成物廃材の中からポリスチレン系熱可塑性樹脂組成物に着目し、ポリスチレン(PS)とスチレン−ブタジエン(BS)が主成分となるように混合して加熱溶融し、熱可塑性樹脂組成物成形体を得ればよいことを見出した。
【0036】
また、本発明者は、選択して分離回収した熱可塑性樹脂組成物廃材を、アクリロニトリル−スチレン(AS)とアクリロニトリル−スチレン−ブタジエン(ABS)が主成分となるように混合して加熱溶融し、熱可塑性樹脂組成物成形体を得てもよいことを見出し、本発明を完成した。
【0037】
すなわち、本発明の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法は、この熱可塑性樹脂組成物廃材をこの熱可塑性樹脂組成物廃材中の主成分である熱可塑性樹脂組成物の系統別に選択的に分離回収するステップと、選択的に分離回収した熱可塑性樹脂組成物廃材またはその加熱溶融物、および/または、未使用の熱可塑性樹脂組成物またはその加熱溶融物、の複数種類を混合して特定の組成の混合物を得るステップと、この熱可塑性樹脂組成物廃材またはこの混合物を加熱溶融するステップと、混合および加熱溶融されたこの熱可塑性樹脂組成物廃材を成形して熱可塑性樹脂組成物成形体を得るステップと、を備える熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法である。
【0038】
ここで、この特定の組成の混合物を得るステップは、ポリスチレン系熱可塑性樹脂組成物を主成分とする混合物を得るステップを含むことが好ましい。
【0039】
また、この特定の組成の混合物を得るステップは、ポリスチレンおよび/またはスチレン−ブタジエンを主成分とする混合物を得るステップを含むことが望ましい。
【0040】
ここで、この選択的に分離回収するステップは、冷蔵庫からスチレン−ブタジエンを主成分とする熱可塑性樹脂組成物を選択的に分離回収するステップを含むことが好ましい。
【0041】
そして、この特定の組成の混合物を得るステップは、この選択的に分離回収した熱可塑性樹脂組成物廃材またはその加熱溶融物、および、未使用のスチレン−ブタジエンまたはその加熱溶融物、を主成分とする組成の混合物を得るステップを含むことが望ましい。
【0042】
また、この特定の組成の混合物を得るステップは、アクリロニトリル−スチレンおよび/またはアクリロニトリル−スチレン−ブタジエンを主成分とする混合物を得るステップを含んでいてもよい。
【0043】
ここで、この選択的に分離回収するステップは、冷蔵庫からアクリロニトリル−スチレン−ブタジエンを主成分とする熱可塑性樹脂組成物を選択的に分離回収するステップを含んでいてもよい。
【0044】
さらに、この特定の組成の混合物を得るステップは、この選択的に分離回収した熱可塑性樹脂組成物廃材またはその加熱溶融物、および、未使用のアクリロニトリル−スチレン−ブタジエンまたはその加熱溶融物、を主成分とする混合物を得るステップを含んでもよい。
【0045】
そして、本発明の熱可塑性樹脂組成物成形体の製造方法は、上記の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法により熱可塑性樹脂組成物成形体を得る、熱可塑性樹脂組成物成形体の製造方法である。
【0046】
ここで、この熱可塑性樹脂組成物成形体は、ペレット状の形状を有する熱可塑性樹脂組成物成形体であることが好ましい。
【0047】
そして、本発明の熱可塑性樹脂組成物成形体は、上記の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法により得られる、熱可塑性樹脂組成物成形体である。
【0048】
ここで、この熱可塑性樹脂組成物成形体は、ペレット状の形状を有する熱可塑性樹脂組成物成形体であることが好ましい。
【0049】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態を示して本発明をより詳細に説明する。
【0050】
<熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法の概要>
本発明の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法は、この熱可塑性樹脂組成物廃材をこの熱可塑性樹脂組成物廃材中の主成分である熱可塑性樹脂組成物の系統別に選択的に分離回収するステップと、選択的に分離回収した熱可塑性樹脂組成物廃材またはその加熱溶融物、および/または、未使用の熱可塑性樹脂組成物またはその加熱溶融物、の複数種類を混合して特定の組成の混合物を得るステップと、この熱可塑性樹脂組成物廃材またはこの混合物を加熱溶融するステップと、混合および加熱溶融されたこの熱可塑性樹脂組成物廃材を成形して熱可塑性樹脂組成物成形体を得るステップと、を備える熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法である。
【0051】
<家電4品目の廃棄物に含まれるプラスチック部材>
本発明の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法においては、熱可塑性樹脂組成物からなる部材を備えた製品は、エアコン、テレビ、冷蔵庫および洗濯機よりなる群から選ばれる製品であることが推奨される。
【0052】
ここで、使用済み製品として廃棄されたエアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機(本明細書において、家電4品目とも呼称する)から回収された熱可塑性樹脂系破砕物の熱可塑性樹脂組成物の系統別の構成比および比重の範囲の代表的な一例について、表1および表2を用いて説明する。
【0053】
表1には、家電4品目に使用するプラスチック部材に用いられる熱可塑性樹脂組成物の系統別の構成比の代表的な一例を示す。また、表2には、主要な系統別の熱可塑性樹脂組成物の比重の範囲の代表的な一例を示す。
【0054】
【表1】
Figure 2004314445
【0055】
【表2】
Figure 2004314445
【0056】
これらの表から明らかなように、家電4品目のプラスチック部材において、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂組成物およびポリスチレン系熱可塑性樹脂組成物の占める割合は、一般的に60質量%を超えることがわかる。
【0057】
よって、家電4品目のプラスチック部材うち、少なくともポリオレフィン系熱可塑性樹脂組成物およびポリスチレン系熱可塑性樹脂組成物からなるプラスチック部材をマテリアルリサイクルすることができれば、家電4品目のプラスチック部材の再資源化率は60%を超えるといえる。
【0058】
また、これらの表から明らかなように、家電4品目に多量に使用されているポリオレフィン系熱可塑性樹脂組成物の比重の範囲は、一般的に0.85〜1.00の範囲に含まれることがわかる。また、ポリスチレン系熱可塑性樹脂組成物の比重の範囲は、一般的に1.00〜1.08の範囲に含まれることがわかる。そして、その他の系統の熱可塑性樹脂組成物からなる部材の大部分は、その比重が、一般的に1.08〜2.00の範囲に含まれることがわかる。
【0059】
ここで、本明細書において、熱可塑性樹脂組成物と呼称する際には、狭義の熱可塑性樹脂組成物のみを示すのではなく、熱可塑性エラストマ−組成物や高分子組成物なども含む広い意味での熱可塑性樹脂組成物を示すものとする。
【0060】
そして、上記より、一般的には、比重が1.01〜1.08の範囲にある分離液を用いることにより、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂組成物およびポリスチレン系熱可塑性樹脂組成物からなる部材と、その他の系統の熱可塑性樹脂組成物からなる部材の大部分とを分離することが可能であることがわかる。
【0061】
また、上記より、一般的には、比重が0.92〜1.00の範囲にある分離液を用いることにより、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂組成物からなる部材と、ポリスチレン系熱可塑性樹脂組成物からなる部材とを分離することが可能であることがわかる。
【0062】
<廃棄物の再資源化方法の手順>
ここで、本発明の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法について、図1および図2に示すような、ポリスチレン系熱可塑性樹脂組成物のマテリアルリサイクルする場合の具体例を用いて、さらに詳細に説明する。
【0063】
この具体例においては、まず、図1に示すように、家庭などから廃棄された使用済みの家電4品目を回収する(ステップ101)。そして、該家電4品目の廃棄物を解体して、コンプレッサ−、熱交換器などの大型の金属部品などを部品ごとに回収する(ステップ102)。
【0064】
次に、大型金属部品などが回収された家電4品目の廃棄物の残りの部材は、大型破砕機で60mm程度に粗破砕する(ステップ103)。
【0065】
続いて、該家電4品目の廃棄物の破砕物を、金属選別機で金属系破砕物とプラスチック系破砕物に選別し(ステップ104)、鉄、銅、アルミニウムなどの金属を回収した後、プラスチック系破砕物から、風力選別機を用いてポリウレタン断熱材や発泡ポリスチレンを除去する(ステップ105)。
【0066】
そして、比重1.08の比重液、たとえば塩化ナトリウム水溶液を用いてプラスチック系破砕物を比重分離し(ステップ106)、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂組成物とポリスチレン系熱可塑性樹脂組成物をその他の系統の熱可塑性樹脂組成物から分離し、さらに、ステップ106で分離したポリオレフィン系熱可塑性樹脂組成物とポリスチレン系熱可塑性樹脂組成物の混合破砕物は、比重1.00の比重液、たとえば水を用いてポリオレフィン系熱可塑性樹脂組成物とポリスチレン系熱可塑性樹脂組成物に分離する(ステップ107)。
【0067】
さらに、ステップ107で分離したポリスチレン系熱可塑性樹脂組成物は、ポリスチレン(PS)、スチレン−ブタジエン(SB)、アクリロニトリル−スチレン(AS)、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン(ABS)に分離する(ステップ108)。
【0068】
次に、図2に示すように、図1において分離したポリスチレン系熱可塑性樹脂組成物の破砕物を、それぞれ10mm程度に微破砕したのち(ステップ201)、洗浄し付着している異物を除去する(ステップ202)。さらに、洗浄した各熱可塑性樹脂組成物の破砕物を均一に混合する(ステップ203)し、加熱溶融した後に成形して(ステップ204)、ペレット状の成形用樹脂原料とする(ステップ205)。そして、このペレット状の樹脂原料を射出成形機に投入し成形体を作製する(ステップ206)。
【0069】
本発明の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法は、図1および図2に示した各ステップのすべてを備える必要はないが、プラスチック廃棄物を回収するステップと、該プラスチック廃棄物を破砕するステップと、該プラスチック系破砕物から金属系破砕物と低嵩比重破砕物とを分離するステップと、該分離されたプラスチック廃棄物から熱可塑性樹脂組成物を主体とするプラスチック系破砕物を分離するステップと、該プラスチック系破砕物を均一に混合するステップと、該プラスチック系破砕物の混合物を加熱溶融した後に成形するステップとを少なくとも備えていることが好ましい。
【0070】
また、本発明の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法には、図1および図2に示されていないステップが必要により付加、あるいは削除されていてもかまわない。
【0071】
そして、本発明の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法は、図1の手解体ステップ(ステップ102)において選択的に分離回収された熱可塑性樹脂組成物廃材と、ステップ108で分離した熱可塑性樹脂組成物廃材とを混合し、加熱溶融して熱可塑性樹脂組成物成形体を得る方法であってもかまわない。
【0072】
また、本発明の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法は、図1の手解体ステップ(ステップ102)において選択的に分離回収された複数種類の熱可塑性樹脂組成物廃材を混合し、加熱溶融して熱可塑性樹脂組成物成形体を得る方法であってもかまわない。
【0073】
<廃棄物の手解体ステップ>
本発明の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法は、同一系統の熱可塑性樹脂組成物からなる部材の比重は一定の範囲内にあることを利用して、熱可塑性樹脂組成物からなる部材を備えた製品の廃棄物を選択的に回収するステップを含むことが好ましい。
【0074】
ここで、本発明の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法においては、選択的に回収される製品において、熱可塑性樹脂組成物からなる部材は、ポリスチレン系熱可塑性樹脂組成物からなる部材およびその他の系統の熱可塑性樹脂組成物からなる部材であることが好ましい。
【0075】
ここで、本発明の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法においては、廃棄された製品を構成する熱可塑性樹脂組成物の部材に記載および/または添付された標章を認識することにより、同一系統の熱可塑性樹脂組成物からなる部材を選択的に回収することが望ましい。
【0076】
たとえば、ポリスチレン系熱可塑性樹脂組成物廃材として冷蔵庫の棚板材を回収し、ポリスチレン(PS)とアクリロニトリル−スチレン(AS)に分離すると、部材として回収した熱可塑性樹脂組成物廃材は、図1のステップ108で分離回収した熱可塑性樹脂組成物廃材よりも、異なった組成の熱可塑性樹脂組成物廃材の混入が少なくなる。よって、加熱溶融によって得られた熱可塑性樹脂組成物成形体の特性が安定し、マテリアルリサイクルしたポリスチレン系熱可塑性樹脂組成物からなる部材またはその原料の特性は大幅に向上でき、より一層の用途の拡大が可能となる。
【0077】
ここで、廃棄された製品を構成する熱可塑性樹脂組成物の部材に記載および/または添付された標章の認識方法は、肉眼によるものであっても、自動認識装置によるものであってもよい。
【0078】
また、廃棄された製品を構成する熱可塑性樹脂組成物の部材に記載および/または添付された標章としては、特に限定するものではないが、肉眼または自動認識装置により容易に認識して自他の識別機能を発揮するものであればよく、たとえば、特定の図形、特定の数値、特定の記号、特定の文字、特定の模様、特定の色彩、特定のバーコード、またはそれらの組合せなどが挙げられる。
【0079】
さらに、この標章は、平面状のものであっても立体状のものであってもよく、廃棄された製品に直接記載されてもよく、シール状の用紙に記載して廃棄された製品に添付してもよい。あるいは、たとえば紫外線などの照射により発色するような特殊なインキで記載されたものであってもよい。
【0080】
そして、この標章の製品への記載および/または添付の時期は、該商品の製造段階、出荷段階、販売段階、廃棄段階、回収段階などのいずれの段階であってもよいが、特に製造段階または出荷段階において記載および/または添付されることが好ましい。
【0081】
さらに、この標章を肉眼または自動認識装置により認識することにより、容易に製品を構成する熱可塑性樹脂組成物の組成が読取れることが好ましい。
【0082】
<廃棄物の破砕ステップ>
本発明の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法は、廃棄物を破砕するステップを含むことが好ましい。
【0083】
ここで、プラスチック部材を含む廃棄物は、特に限定するものではないが、たとえば破砕機または細断機などにより破砕されることが好ましい。
【0084】
そして、破砕された熱可塑性樹脂組成物廃材の粒径は10mm以上であることが好ましく、特に40mm以上であることがより好ましい。また、この粒径は80mm以下であることが好ましく、特に60mm以下であることが好ましい。
【0085】
この粒径が10mm未満あるいは80mmを超える場合には次ステップでの金属の選別精度が低下するという傾向があり、さらに、この粒径が10mm未満の場合には、破砕に長時間を要するためプラスチックが溶融あるいは熱酸化劣化をおこすという傾向があり、この粒径が80mmを超えると、嵩比重が小さくなり以後のステップでの作業性に悪影響を及ぼすという傾向がある。
【0086】
なお、コンプレッサ−、熱交換器をはじめとする大型の金属部材などの破砕が困難な部材は、あらかじめ分解してプラスチック部材を含む廃棄物から取り外しておいてもよい。
【0087】
<金属系破砕物の選別ステップ>
本発明の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法は、破砕された廃棄物を金属系破砕物とプラスチック系破砕物と低嵩比重破砕物とに選別するステップを含むことが好ましい。
【0088】
ここで、低嵩比重破砕物は、特に限定するものではないが、たとえば風力を用いて選別することが好ましい。なお、低嵩比重破砕物とは、嵩比重が0.3以下の破砕物を意味するものとする。低嵩比重破砕物の具体例としては、特に限定するものではないが、ポリウレタン系断熱材の破砕物や、発泡スチロ−ル系の破砕物などが挙げられる。
【0089】
そして、金属系破砕物のうち鉄系金属は、特に限定するものではないが、たとえば磁力を用いて選別することが好ましい。さらに、金属系破砕物のうちアルミニウム系金属や銅系金属は、特に限定するものではないが、たとえば渦電流を用いて選別することが好ましい。
【0090】
さらに、破砕された廃棄物を金属系破砕物とプラスチック系破砕物と低嵩比重破砕物に選別する際に、風力による選別、磁力による選別、渦電流による選別を行う場合には、その順序は特に限定するものではないが、選別の効率の観点からは、まず磁力により鉄系金属を分離し、次いで渦電流によりアルミニウム系金属や銅系金属を選別し、続いて風力により低嵩比重破砕物を選別し、残った混合プラスチック系の破砕物を、下記の熱可塑性樹脂組成物の比重差による分離ステップに移すことが好ましい。
【0091】
<熱可塑性樹脂組成物の比重差による分離ステップ>
本発明の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法は、プラスチック系破砕物を比重の異なる複数の分離液を用いて熱可塑性樹脂組成物の系統別に分離するステップを含むことが好ましい。
【0092】
ここで、互いに比重の異なる2種類のX分離液と、Y分離液とを用いて、プラスチック系破砕物を熱可塑性樹脂組成物の系統別に分離することが好ましい。
【0093】
また、X分離液の比重は1.00以上であることが好ましく、特に1.01以上であることがより好ましい。また、この比重は1.10以下であることが好ましく、特に1.08以下であることがより好ましい。この比重が1.00未満の場合には、ポリオレフィン系プラスチックが混入するという傾向があり、この比重が1.10を超えると、ポリアミド系、ポリカーボネート系、ゴムなどが混入するという傾向がある。
【0094】
さらに、Y分離液の比重は0.92以上であることが好ましく、特に0.95以上であることがより好ましい。また、この比重は1.01以下であることが好ましく、特に1.00以下であることがより好ましい。この比重が0.92未満の場合には、ポリオレフィン系プラスチックの一部が沈降し回収率が低下するという傾向があり、この比重が1.01を超えると、ポリスチレン系プラスチックの一部が混入するという傾向がある。
【0095】
熱可塑性樹脂組成物の比重差による分離ステップは、特に必要するものではないが、下記のポリスチレン系樹脂組成物の分離ステップの作業(ステップ108)を簡易にするために、X分離液を用いてポリオレフィン系熱可塑性樹脂組成物からなる部材およびポリスチレン系熱可塑性樹脂組成物からなる部材と、その他の系統の熱可塑性樹脂組成物からなる部材とを分離した後、Y分離液を用いてポリオレフィン系熱可塑性樹脂組成物からなる部材と、ポリスチレン系熱可塑性樹脂組成物からなる部材とを分離することが好ましい。
【0096】
このステップを行うことによって、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂組成物のマテリアルリサイクルが可能となるほか、次ステップの熱可塑性樹脂組成物廃材の量を大幅に低減できるため、分離作業が容易となる。
【0097】
<ポリスチレン系樹脂組成物の分離ステップ>
本発明の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法は、ポリスチレン系熱可塑性樹脂組成物を分離するステップを含むことが好ましい。
【0098】
比重差による分離ステップで分離回収されたポリスチレン系熱可塑性樹脂組成物は、ポリスチレン(PS)、スチレン−ブタジエン(SB)、アクリロニトリル−スチレン(AS)、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン(ABS)、およびそれ以外に分離される。
【0099】
ここで、ポリスチレン系熱可塑性樹脂組成物の分離は、主に目視によってなされるが、燃焼性、溶剤による溶解性、さらには樹脂組成の分析装置(赤外分光光度計、ガスクロマトグラフ質量分析装置など)などの方法を併用することが好ましい。
【0100】
また、目視によるポリスチレン系熱可塑性樹脂組成物の分離について説明すると、ポリスチレン(PS)およびアクリロニトリル−スチレン(AS)は、透明性が高いことから、その他のポリスチレン系熱可塑性樹脂組成物とは容易に識別できる。そして、ポリスチレン(PS)とアクリロニトリル−スチレン(AS)の分離は、目視、打音のほか、燃焼性、溶剤による溶解性、さらには樹脂組成の分析装置などによりなされる。
【0101】
そして、廃棄物の手解体ステップの項で述べたように、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリル−スチレン(AS)で構成される冷蔵庫の棚板などは、手解体で分離回収し、該部材の材質表示に基いてポリスチレン(PS)とアクリロニトリル−スチレン(AS)を分離するのが好ましく、より効果的である。
【0102】
次に、スチレン−ブタジエン(SB)とアクリロニトリル−スチレン−ブタジエン(ABS)の目視による分離について説明する。ポリスチレン(PS)およびアクリロニトリル−スチレン(AS)を分離したポリスチレン系熱可塑性樹脂組成物は、主にスチレン−ブタジエン(SB)とアクリロニトリル−スチレン−ブタジエン(ABS)で構成される。
【0103】
そして、スチレン−ブタジエン(SB)とアクリロニトリル−スチレン−ブタジエン(ABS)の分離は、目視、打音のほか、燃焼性、溶剤による溶解性、さらには樹脂組成の分析装置などによりなされる。
【0104】
ここで、冷蔵庫の内箱材等に使用されている真空成形により付形されたスチレン−ブタジエン(SB)あるいはアクリロニトリル−スチレン−ブタジエン(ABS)の肉厚は1.0mm程度であり、射出成形で付形されたその他の部材からなるプラスチック破砕物の肉厚(2.0mm)程度よりも薄いため容易に識別可能である。
【0105】
さらに、真空成形により付形されたスチレン−ブタジエン(SB)あるいはアクリロニトリル−スチレン−ブタジエン(ABS)は、一般のスチレン−ブタジエン(SB)あるいはアクリロニトリル−スチレン−ブタジエン(ABS)よりも剛性、粘性とも優れているため、脆性材料であるポリスチレン(PS)あるいはアクリロニトリル−スチレン(AS)と混合することが好ましい。
【0106】
<熱可塑性樹脂組成物の成形ステップ>
本発明の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法は、系統別に分離された熱可塑性樹脂組成物を特定の形状に成形するステップを含むことが好ましい。
【0107】
熱可塑性樹脂組成物の成形ステップにおいては、系統別に分離された熱可塑性樹脂組成物の中でも、熱可塑性樹脂組成物を溶融した後、特定の形状に成形することにより、マテリアルリサイクルを行うことが好ましい。この場合、マテリアルリサイクルされない系統の熱可塑性樹脂組成物は、油化あるいは固化された上で、燃料としてサーマルリサイクルに用いられることが望ましい。
【0108】
さらに、系統別に分離された熱可塑性樹脂組成物のうち熱可塑性樹脂組成物と、同系統の未使用の熱可塑性樹脂組成物とを混合して溶融した後、特定の形状に成形することが好ましい。この際、加えられる未使用の熱可塑性樹脂組成物の量は、マテリアルリサイクルの用途などにより適宜調製することが望ましい。
【0109】
本発明の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法においては、マテリアルリサイクルされる熱可塑性樹脂組成物は、特に限定されるものではなく、熱可塑性樹脂組成物の比重差による分離ステップで用いられる分離液の比重を適宜選択することで、従来公知のいずれの熱可塑性樹脂組成物もマテリアルリサイクルすることが可能である。
【0110】
マテリアルリサイクルされる熱可塑性樹脂組成物の具体例としては、ポリオレフィン系、ポリスチレン系、ポリカーボネート系、ポリメチルメタクリレート系などの熱可塑性樹脂組成物が挙げられる。これらの中でも、ポリエチレン系やポリプロピレン系などのポリオレフィン系熱可塑性樹脂組成物、およびポリスチレン系、ABS系などのポリスチレン系熱可塑性樹脂組成物は、下記の表3に示されるように、他の熱可塑性樹脂組成物に比べて加工性、経済性などの点で優れているので、本発明の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法において好適にマテリアルリサイクルすることが可能である。
【0111】
【表3】
Figure 2004314445
【0112】
ここで、表3における主要な熱可塑性樹脂組成物の特性は、下記の基準に従って評価されたものである。
○:優れている
△:どちらともいえない
×:劣る
なお、熱可塑性樹脂組成物の成形ステップにおいては、熱可塑性樹脂組成物を加熱して溶融することにより、マテリアルリサイクルすることが望ましい。
【0113】
それゆえ、該熱可塑性樹脂組成物の融点をT℃とすると、この時の加熱温度はT℃以上であることが好ましく、特に(T+10)℃以上であることがより好ましい。また、この時の加熱温度は(T+120)℃以下であることが好ましく、特に(T+80)℃以下であることがより好ましい。この時の加熱温度がT℃未満の場合には、該熱可塑性樹脂組成物が充分に溶融しないために成形し難いという傾向があり、この時の加熱温度が(T+120)℃を超えると、該熱可塑性樹脂組成物が熱劣化するという傾向がある。
【0114】
<廃棄物の再資源化方法の手順(その2)>
ここで、本発明の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法について、図1および図2に示すような、ポリオレフィン系およびポリスチレン系熱可塑性樹脂組成物のマテリアルリサイクルする場合の具体例を用いて、さらに詳細に説明する。
【0115】
この具体例では、まず、図1に示すように、家庭などから廃棄された使用済みの家電4品目を回収する(ステップ101)。そして、該家電4品目の廃棄物を解体して、コンプレッサ−、熱交換器などの大型の金属部品などを部品ごとに回収する(ステップ102)。
【0116】
次に、大型金属部品などが回収された家電4品目の廃棄物の残りの部材は、大型破砕機で60mm程度に粗破砕する(ステップ103)。
【0117】
続いて、該家電4品目の廃棄物の破砕物を、金属選別機で金属系破砕物とプラスチック系破砕物に選別し(ステップ104)、鉄、銅、アルミニウムなどの金属を回収した後、プラスチック系破砕物から、風力選別機を用いてポリウレタン断熱材や発泡ポリスチレンを除去する(ステップ105)。
【0118】
そして、比重1.08の比重液、たとえば塩化ナトリウム水溶液を用いてプラスチック系破砕物を比重分離し(ステップ106)、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂組成物とポリスチレン系熱可塑性樹脂組成物をその他の系統の熱可塑性樹脂組成物から分離し、さらに、ステップ106で分離したポリオレフィン系熱可塑性樹脂組成物とポリスチレン系熱可塑性樹脂組成物の混合破砕物は、比重1.00の比重液、たとえば水を用いてポリオレフィン系熱可塑性樹脂組成物とポリスチレン系熱可塑性樹脂組成物に分離する(ステップ107)。
【0119】
そして、ポリスチレン系熱可塑性樹脂組成物を目視、燃焼性、溶剤による溶解性、さらには樹脂組成の分析装置(赤外分光光度計、ガスクロマトグラフ質量分析装置など)などの方法を併用して、ポリスチレン(PS)、スチレン−ブタジエン(SB)、アクリロニトリル−スチレン(AS)、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン(ABS)、およびそれ以外に分離する(ステップ108)。
【0120】
次に、図2に示すように、図1において分離したポリスチレン(PS)とスチレン−ブタジエン(SB)、およびアクリロニトリル−スチレン(AS)とアクリロニトリル−スチレン−ブタジエン(ABS)の破砕物を混合し、それぞれ10mm程度に微破砕したのち(ステップ201)、洗浄し付着している異物を除去する(ステップ202)。
【0121】
さらに、洗浄した各熱可塑性樹脂組成物の破砕物を均質に混合する(ステップ203)し、加熱成形して(ステップ204)、ペレット状の成形用樹脂原料とする(ステップ205)。そして、このペレット状の樹脂原料を射出成形機に投入し成形体を作製する(ステップ206)。
【0122】
ここで、ポリスチレン(PS)とスチレン−ブタジエン(SB)、およびアクリロニトリル−スチレン(AS)とアクリロニトリル−スチレン−ブタジエン(ABS)の破砕物の混合は、微破砕(ステップ201)後、あるいは洗浄(ステップ202)後であってもかまわない。
【0123】
さらに、図1において分離したポリオレフィン系プラスチックについても、同様に、図2のステップ201〜206を行い成形体を作製する。
【0124】
本発明の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法は、図1および図2に示した各ステップのすべてを備える必要はなく、プラスチック廃棄物を回収するステップと、該プラスチック廃棄物を破砕するステップと、該プラスチック系破砕物から金属系破砕物と低嵩比重破砕物とを分離するステップと、該分離されたプラスチック廃棄物から熱可塑性樹脂組成物を主体とするプラスチック系破砕物を分離するステップと、該熱可塑性樹脂組成物をマテリアルリサイクルするステップとを少なくとも備えていることが好ましい。
【0125】
また、本発明の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法には、図1および図2に示されていないステップが必要により付加されていてもかまわない。
【0126】
<廃棄物の再資源化システム>
本発明の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法を実施するには、下記の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化システムを用いることが好ましい。
【0127】
本発明に用いる熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化システムは、上記の本発明の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法に用いる廃棄物の再資源化システムであって、廃棄物を破砕する機構と、破砕された廃棄物を金属系破砕物とプラスチック系破砕物と低嵩比重破砕物とに選別する機構と、プラスチック系破砕物を比重の異なる複数の分離液を用いて熱可塑性樹脂組成物の系統別に分離する機構と、系統別に分離された熱可塑性樹脂組成物を混合する機構と、混合された熱可塑性樹脂組成物を特定の形状に成形する機構とを含むことを特徴とする。
【0128】
ここで、廃棄物を破砕する機構は、特に限定されず、一般に金属や熱可塑性樹脂組成物からなる部材を破砕する際に用いられる装置を好適に使用可能である。B機構に使用する破砕装置の具体例としては、衝撃式破砕装置やせん断式破砕装置などが挙げられる。
【0129】
また、破砕された廃棄物を金属系破砕物とプラスチック系破砕物と低嵩比重破砕物とに選別する機構は、特に限定されず、一般に金属系破砕物や低嵩密度破砕物を選別する際に用いられる装置を好適に使用可能である。
【0130】
さらに、破砕された廃棄物を金属系破砕物とプラスチック系破砕物と低嵩比重破砕物とに選別する機構に使用する金属系破砕物の選別装置の具体例としては、鉄の選別に適した磁力を用いた選別装置、アルミニウムや銅の選別に適した渦電流を用いた選別装置、粒度を均一にしてふるいにかけるトロンメル装置などが挙げられる。
【0131】
また、破砕された廃棄物を金属系破砕物とプラスチック系破砕物と低嵩比重破砕物とに選別する機構に使用する低嵩密度破砕物の選別装置の具体例としては、風力を用いた選別装置、振動ふるいを用いた装置などが挙げられる。
【0132】
ここで、プラスチック系破砕物を比重の異なる複数の分離液を用いて熱可塑性樹脂組成物の系統別に分離する機構は、2つの異なる比重の分離液を満たした混合撹拌槽を有する比重分離装置を備えた機構であることが好ましい。ここで、2つの異なる比重の分離液を、X分離液およびY分離液と呼称することとする。
【0133】
この場合、X分離液の比重は1.00以上であることが好ましく、特に1.01以上であることがより好ましい。また、X分離液の比重は1.10以下であることが好ましく、特に1.08以下であることがより好ましい。X分離液の比重が1.00未満の場合には、ポリオレフィン系プラスチックが混入するという傾向があり、X分離液の比重が1.10を超えると、ポリアミド系、ポリカーボネート系、ゴムなどが混入するという傾向がある。
【0134】
また、この場合、Y分離液の比重は0.92以上であることが好ましく、特に0.95以上であることがより好ましい。また、Y分離液の比重は1.01以下であることが好ましく、特に1.00以下であることがより好ましい。Y分離液の比重が0.92未満の場合には、ポリオレフィン系プラスチックの一部が沈降し回収率が低下するという傾向があり、Y分離液の比重が1.01を超えると、ポリスチレン系プラスチックの一部が混入するという傾向がある。
【0135】
なお、分離液の組成は、特に限定するものではないが、たとえばNaClなどの塩類を水に溶解させて比重を調製した溶液を好適に用いることができる。
【0136】
また、プラスチック系破砕物を比重の異なる複数の分離液を用いて熱可塑性樹脂組成物の系統別に分離する機構において、比重分離装置は、プラスチック系破砕物を供給する手段と、分離液を供給する手段と、分離液を満たした混合撹拌槽と、分離液の液面に浮遊するプラスチック系破砕物を回収する手段と、混合撹拌槽の槽底に沈殿するプラスチック系破砕物を回収する手段とを有することが好ましい。
【0137】
しかし、これらの手段を全て備える必要はなく、少なくともプラスチック系破砕物と分離液が投入されて混合攪拌される槽を備えていればよい。
【0138】
さらに、プラスチック系破砕物を分離した後の回収手段は、手作業で浮遊物をすくい出したり、オーバーフロー方式で溢出させる方法であってもよい。また、沈殿物を吸引装置で分離液とともに吸上げたり、あるいはスクリュー型搬送装置で移送したり、分離液を別の槽に回収したのちに浮遊物を回収する方法を用いてもよい。なお、浮遊物や沈殿物を回収した際に流出した分離液は、ポンプで汲上げて再び混合撹拌槽内に供給し、繰返して使用してもよい。
【0139】
ここで、ポリスチレン系熱可塑性樹脂組成物を系統別に分離する機構は、特に限定するものではないが、主に目視によってなされるが、燃焼性、溶剤による溶解性、さらには樹脂組成の分析装置(赤外分光光度計、ガスクロマトグラフ質量分析装置など)などの方法を併用することが好ましい。
【0140】
また、系統別に分離された熱可塑性樹脂組成物を特定の形状に成形する機構は、押出成形装置を備えた機構であることが好ましい。
【0141】
ここで用いる押出成形機としては、特に限定するものではないが、たとえば単軸押出成形機、二軸押出成形機あるいは多軸式押出成形機などが挙げられる。
【0142】
ここで、熱可塑性樹脂組成物をペレット状に成形してマテリアルリサイクルする場合には、押出成形した後に、シートカット、ストランドカット、ホットエアカット、アンダーウォーターカットなどのいずれの方法により造粒してもよい。これらの造粒方法の中でも、後に射出成形により特定の形状に成形する場合には、樹脂原料の供給が円滑におこなえ、大量処理にも対応できるアンダーウォーターカットが特に好ましい。
【0143】
<熱可塑性樹脂組成物原料>
上記の本発明の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法は、本発明の熱可塑性樹脂組成物成形体の製造方法としても使用可能である。
【0144】
そして、上記の本発明の熱可塑性樹脂組成物成形体の製造方法により製造された本発明の熱可塑性樹脂組成物成形体は、熱可塑性樹脂組成物原料であってもよい。この場合、この熱可塑性樹脂組成物原料は、ペレット状であることが好ましい。このとき、このペレットの粒径は1mm以上であることが好ましく、特に2mm以上であることがより好ましい。また、このペレットの粒径は8mm以下であることが好ましく、特に5mm以下であることがより好ましい。
【0145】
このペレットの粒径が1mm未満の場合には、浮遊するため作業性が低下するという傾向があり、このペレットの粒径が8mmを超えると、成形機のシリンダ−内で充分に溶融しないため均一混練されないという傾向がある。
【0146】
なお、本発明の熱可塑性樹脂組成物原料の形状としては、ペレット状に特に限定されるものではなく、たとえばシ−ト状、フィルム状、パイプ状などいずれの形態であってもよく、押出成形機の種類、使用の態様あるいは求められる特性などから適宜決定すればよい。
【0147】
さらに、本発明の熱可塑性樹脂組成物原料には、熱安定剤や光安定剤、帯電防止剤、滑剤、フィラ−、銅害防止剤、抗菌剤、着色剤などの添加剤を、必要により、本発明の効果を害しない範囲の量で添加してもよい。
【0148】
<熱可塑性樹脂組成物からなる部材>
上記の本発明の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法は、本発明の熱可塑性樹脂組成物成形体の製造方法としても使用可能である。そして、上記の本発明の熱可塑性樹脂組成物成形体の製造方法により製造された本発明の熱可塑性樹脂組成物成形体は、熱可塑性樹脂組成物からなる部材であってもよい。この場合、この熱可塑性樹脂組成物からなる部材は、エアコン、テレビ、冷蔵庫および洗濯機よりなる群から選ばれる製品に用いられることが好ましい。
【0149】
また、この熱可塑性樹脂組成物からなる部材は、上記の熱可塑性樹脂組成物原料から、射出成形などの方法を用いて成形することができる。このとき用いる射出成形機としては、特に限定するものではないが、たとえばスクリューインライン式射出成形機、プランジャ式射出成形機などが挙げられる。
【0150】
また、この熱可塑性樹脂組成物からなる部材の成形のステップをより簡略化するために、ペレット状などの形状を有する熱可塑性樹脂組成物原料を作製することなく、破砕した熱可塑性樹脂組成物を射出成形機にそのまま投入し、熱可塑性樹脂組成物からなる部材を直接作製してもかまわない。
【0151】
さらに、この熱可塑性樹脂組成物からなる部材は、熱安定剤や光安定剤、帯電防止剤、滑剤、フィラ−、銅害防止剤、抗菌剤、着色剤などの添加剤を、必要により、本発明の効果を害しない範囲の量で添加したうえで成形して作製してもよい。これらの添加剤を添加するステップとしては、押出成形機または射出成形機への上記の熱可塑性樹脂組成物原料または破砕した熱可塑性樹脂組成物の投入時が好ましい。
【0152】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0153】
<実験材料の調製>
まず、下記の実施例において用いる実験材料を調製した。具体的には、使用済みの冷蔵庫、洗濯機、エアコン、テレビを用いて、手解体によりコンプレッサ−、熱交換器などの大型の金属部品などを部品ごとに回収したのち、通常の破砕機を用いて破砕して得られた破砕物から、通常の磁力を用いた選別機により金属系破砕物を選別し、さらに通常の風力を用いた選別機により低嵩比重破砕物を選別した、残りのプラスチック系破砕物をポリスチレン系熱可塑性樹脂組成物、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂組成物、およびその他のプラスチックに分離し、さらに、ポリスチレン系熱可塑性樹脂組成物は、ポリスチレン(PS)、スチレン−ブタジエン(SB)、アクリロニトリル−スチレン(AS)、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン(ABS)に分離し、先に分離したポリオレフィン系熱可塑性樹脂組成物とともに、実験材料として調製した。
【0154】
<測定方法>
なお、以下の実施例で用いられた物性の測定は以下に示す方法で行った。
【0155】
(i)引張降伏強さおよび引張破断伸び
JIS K7113に準じて測定した。
【0156】
(ii)曲げ強さおよび曲げ弾性率
JIS K7203に準じて測定した。
【0157】
(iii)アイゾット衝撃値
JIS K7110に準じて測定した。
【0158】
(iv)メルトフローレート(MFR)
JIS K7210に準じて測定した。
【0159】
<実施例1>
図1の手順に従って、比重1.08および比重1.00の分離液を用いて、実験材料(I)に含まれるポリオレフィン系熱可塑性樹脂組成物とポリスチレン系熱可塑性樹脂組成物を比重の差を利用して分離した。
【0160】
比重分離方法としては、実験材料(I)を比重1.08の塩化ナトリウム水溶液で満たされた混合撹拌槽内に投入し、攪拌したのち、浮遊したもの(ポリオレフィン系およびポリスチレン系熱可塑性樹脂組成物)をオーバーフロー方式で回収し、沈殿したもの(その他の系統の熱可塑性樹脂組成物、ゴム、金属など)は塩化ナトリウム水溶液とともに吸引回収するという方法を用いた。
【0161】
ここで、オーバーフロー方式で流出した塩化ナトリウム水溶液、および吸引回収時に同時回収された塩化ナトリウム水溶液は、ポンプを用いて混合撹拌槽内に注入して再利用した。
【0162】
次に、浮遊したものとして回収されたポリオレフィン系およびポリスチレン系熱可塑性樹脂組成物を、比重1.00の水で満たされた混合撹拌槽内に投入し、攪拌したのち、浮遊したもの(ポリオレフィン系熱可塑性樹脂組成物)と沈殿したもの(ポリスチレン系熱可塑性樹脂組成物)を回収した。
【0163】
そして、ポリスチレン系熱可塑性樹脂組成物は、目視、燃焼性、溶剤による溶解性、さらには樹脂組成の分析装置(赤外分光光度計、ガスクロマトグラフ質量分析装置など)などの方法を併用し、ポリスチレン(PS)、スチレン−ブタジエン(SB)、アクリロニトリル−スチレン(AS)、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン(ABS)に分離した。
【0164】
次に、図2の手順にしたがって、上記で得られたポリスチレン(PS)、スチレン−ブタジエン(SB)、アクリロニトリル−スチレン(AS)、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン(ABS)をそれぞれ微破砕した後、洗浄し、さらに均一混合し、組成ごとのポリスチレン系熱可塑性樹脂組成物微破砕品を調製した。
【0165】
そして、これらの熱可塑性樹脂組成物微破砕品を単独、あるいは必要に応じて混合し、スクリュー系45mmの二軸溶融混練押出機を用いて230℃で溶融混練し、ペレット状の熱可塑性樹脂組成物原料を作製した。
【0166】
続いて、これらの熱可塑性樹脂組成物原料をそれぞれ10トン射出成形機のホッパーに投入し、成形温度230℃、金型温度40℃の射出成形条件でASTM準拠の物性測定用の試験片を作製し、それぞれの物性を測定した。
【0167】
併せて、同一系統の熱可塑性樹脂組成物のバージン材料についても物性測定用試験片を作製し、それぞれの物性を測定した。これらの測定結果を表4に示す。
【0168】
【表4】
Figure 2004314445
【0169】
なお、表4に記載された略号のうち、「R−PS」は分離回収し調製したポリスチレン組成物、「R−SB」は分離回収し調製したスチレン−ブタジエン組成物、「R−AS」は分離回収し調製したアクリロニトリル−スチレン組成物、「R−ABS」は分離回収し調製したアクリロニトリル−スチレン−ブタジエン、「V−SB」は未使用のスチレン−ブタジエン組成物、「V−ABS」は未使用のアクリロニトリル−スチレン−ブタジエンを示すものとする。
【0170】
ここで、表4から理解されるように、本実施例で分離回収し調製したスチレン−ブタジエン(SB)、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン(ABS)の物性は、未使用のスチレン−ブタジエン(SB)、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン(ABS)とはかなり相違するものであった。
【0171】
また、本実施例で分離回収し調製したポリスチレン(PS)、アクリロニトリル−スチレン(AS)は、長期の使用によりよごれが付着しているため、該プラスチック組成物の本来の特徴である透明性がかなり劣るものであった。
【0172】
したがって、本実施例で分離回収し調製したポリスチレン(PS)、スチレン−ブタジエン(SB)、アクリロニトリル−スチレン(AS)、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン(ABS)は、中品位、ないしは低品位への再利用となり、用途は限定されていた。
【0173】
そこで、本実施例で分離回収し調製したポリスチレン(PS)、およびアクリロニトリル−スチレン(AS)の用途展開を図るため、スチレン−ブタジエン(SB)、およびアクリロニトリル−スチレン−ブタジエン(ABS)を混合し、物性を測定した。
【0174】
実験材料の調製は、本実施例で分離回収し調製した、ポリスチレン(PS)とスチレン−ブタジエン(SB)を混合し、スクリュー系45mmの二軸溶融混練押出機を用いて230℃で溶融混練し、ペレット状の熱可塑性樹脂組成物原料を作製し、続いて、これらの熱可塑性樹脂組成物原料をそれぞれ10トン射出成形機のホッパーに投入し、成形温度230℃、金型温度40℃の射出成形条件でASTM準拠の物性測定用の試験片を作製し、物性を測定した。
【0175】
併せて、本実施例で分離回収したポリスチレン(PS)とスチレン−ブタジエン(SB)に未使用のスチレン−ブタジエン(SB)、本実施例で分離回収し調製したアクリロニトリル−スチレン(AS)とアクリロニトリル−スチレン−ブタジエン(ABS)、本実施例で分離回収し調製したアクリロニトリル−スチレン(AS)とアクリロニトリル−スチレン−ブタジエン(ABS)に未使用のアクリロニトリル−スチレン−ブタジエン(ABS)についても同様に物性測定用試験片を作製し、それぞれの物性を測定した。
【0176】
これらの測定結果を表5に示す。
【0177】
【表5】
Figure 2004314445
【0178】
なお、表5に記載された略号のうち、「R−PS/R−SB」は分離回収し調製したポリスチレン組成物20%とスチレン−ブタジエン組成物80%を混合したもの、「R−PS/R−SB/V−SB」は分離回収し調製したポリスチレン組成物20%、スチレン−ブタジエン組成物20%に、未使用のスチレン−ブタジエン組成物60%を混合したもの、「R−AS/R−ABS」は分離回収し調製したアクリロニトリル−スチレン組成物20%とアクリロニトリル−スチレン−ブタジエン組成物80%を混合したもの、「R−AS/R−ABS/V−ABS」は分離回収し調製したアクリロニトリル−スチレン組成物20%、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン20%に、未使用のアクリロニトリル−スチレン−ブタジエン組成物60%を混合したものを示すものとする。
【0179】
ここで、表5から理解されるように、本実施例で分離回収し調製したポリスチレン系熱可塑性樹脂組成物の混合物、およびその混合物に同系統の未使用の熱可塑性樹脂組成物を配合し、成形した物性測定用試験片の引張強度、伸び、曲げ強度、曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度、メルトフローレートの各物性測定値は、バージン材料とはやや異なるが、中品位の再生品が得られ、再利用の用途拡大が可能となったといえる。
【0180】
<実施例2>
実施例1において得られたポリスチレン系熱可塑性樹脂組成物を、さらに高品位にするべく、また、バージン材料の配合量を低減すべく、実施例2において下記の実験を行った。
【0181】
本実施例では、分離回収し調製したポリスチレン(PS)、およびアクリロニトリル−スチレン(AS)の用途展開を図るため、冷蔵庫の内箱材などに使用されている真空成形で付形されたスチレン−ブタジエン(SB)あるいはアクリロニトリル−スチレン−ブタジエン(ABS)を分離回収し、ポリスチレン(PS)あるいはアクリロニトリル−スチレン(AS)に混合して物性を測定した。
【0182】
実験材料の調製は、本実施例で分離回収し調製した、ポリスチレン(PS)とスチレン−ブタジエン(SB)真空成形回収品を混合し、スクリュー系45mmの二軸溶融混練押出機を用いて230℃で溶融混練し、ペレット状の熱可塑性樹脂組成物原料を作製し、続いて、これらの熱可塑性樹脂組成物原料をそれぞれ10トン射出成形機のホッパーに投入し、成形温度230℃、金型温度40℃の射出成形条件でASTM準拠の物性測定用の試験片を作製し、物性を測定した。
【0183】
併せて、本実施例で分離回収したポリスチレン(PS)とスチレン−ブタジエン(SB)真空成形回収品に未使用のスチレン−ブタジエン(SB)、本実施例で分離回収し調製したアクリロニトリル−スチレン(AS)とアクリロニトリル−スチレン−ブタジエン(ABS)真空成形回収品、本実施例で分離回収し調製したアクリロニトリル−スチレン(AS)とアクリロニトリル−スチレン−ブタジエン(ABS)真空成形回収品に未使用のアクリロニトリル−スチレン−ブタジエン(ABS)についても同様に物性測定用試験片を作製し、それぞれの物性を測定した。
【0184】
これらの測定結果を表6に示す。
【0185】
【表6】
Figure 2004314445
【0186】
なお、表6に記載された略号のうち、「R−PS/R−v−SB」は分離回収し調製したポリスチレン組成物30%とスチレン−ブタジエン組成物真空成形回収品70%を混合したもの、「R−PS/R−v−SB/V−SB」は分離回収し調製したポリスチレン組成物30%、スチレン−ブタジエン組成物真空成形回収品40%に、未使用のスチレン−ブタジエン組成物30%を混合したもの、「R−AS/R−v−ABS」は分離回収し調製したアクリロニトリル−スチレン組成物30%とアクリロニトリル−スチレン−ブタジエン組成物真空成形回収品70%を混合したもの、「R−AS/R−v−ABS/V−ABS」は分離回収し調製したアクリロニトリル−スチレン組成物30%、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン40%真空成形回収品に、未使用のアクリロニトリル−スチレン−ブタジエン組成物30%を混合したものを示すものとする。
【0187】
ここで、表6から理解されるように、本実施例で分離回収し調製したポリスチレン系熱可塑性樹脂組成物の混合物、およびその混合物に同系統の未使用の熱可塑性樹脂組成物を配合し、成形した物性測定用試験片の引張強度、伸び、曲げ強度、曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度、メルトフローレートの各物性測定値は、バージン材料に近似、あるいはそれ以上の物性を有する高品位な再生品が得られ、再利用の用途が大幅に拡大可能となったといえる。
【0188】
上記の実施例1および実施例2の結果より、家電4品目に使用する熱可塑性樹脂組成物廃材を選択的に分離回収し、複数種類を混合して熱可塑性樹脂組成物成形体を得ることで再資源化が可能となり、再生品の用途を拡大できる。
【0189】
たとえば、従来はポリスチレン(PS)やアクリロニトリル−スチレン(AN)の熱可塑性樹脂組成物廃材は、長期間の使用による汚染により、本来の特徴である優れた透明性が阻害されるため、マテリアルリサイクルが困難であったが、選択的に分離回収されたスチレン−ブタジエン(SB)やアクリロニトリル−スチレン−ブタジエン(ABS)と混合することで、中品位から低品位の再生品が得られ、ハンガーや植木鉢などの日用品雑貨への利用が可能となる。
【0190】
さらに、本発明の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法によれば、上記の系統を含む熱可塑性樹脂組成物廃材の混合物に、冷蔵庫部材から回収した真空成形のスチレン−ブタジエン(SB)やアクリロニトリル−スチレン−ブタジエン(ABS)をさらに混合することで、高品位の再生品が得られるため、たとえば洗濯機の後蓋や冷蔵庫のしきり板など、耐久消費材への使用が可能となる。
【0191】
また、ポリスチレン廃材は、ポリスチレン本来の特性である透明性が汚れなどの付着によって大きく低下するため、焼却処理、埋立処理されているのが現状であるが、上記の実施例の結果より、ポリスチレン廃材に廃冷蔵庫から回収したスチレンーブタジエン真空成形品を混合することで、バージン材料にはやや劣るものの、カスケード的な用途には十分対応可能なリサイクル材料が得られることが判明した。このようなリサイクル方法を採ることによって、リサイクル率の向上はもとより、リサイクルコストの低減に大きく貢献することができる。
【0192】
さらに、アクリロニトリル−スチレン廃材についても、本来の特性である透明性が汚れなどの付着によって大きく低下するため、焼却処理、埋立処理されているのが現状であるが、上記の実施例の結果より、廃冷蔵庫から回収したアクリロニトリル−スチレン−ブタジエン真空成形品を混合することで、バージン材料にはやや劣るものの、カスケード的な用途には十分対応可能なリサイクル材料が得られることが判明した。このようなリサイクル方法を採ることによっても、リサイクル率の向上はもとより、リサイクルコストの低減に大きく貢献することができる。
【0193】
また、本発明の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法は、該家電4品目の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法に限定されるものではなく、熱可塑性樹脂組成物からなる部材を備えた製品であれば、どのような製品にも好適に使用可能である。
【0194】
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0195】
【発明の効果】
上記の結果より、本発明の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法は、熱可塑性樹脂組成物廃材から、熱可塑性樹脂組成物廃材を主原料とするマテリアルリサイクルにより、多様な用途に応じた特性を有する熱可塑性樹脂組成物成形体を得ることができ、サーマルリサイクルされる熱可塑性樹脂組成物廃材を低減することができる、効率的な熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法である。
【0196】
また、本発明の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法は、ポリスチレン(PS)あるいはアクリロニトリル−スチレン(AS)からなる熱可塑性樹脂組成物廃材を用いた場合には、熱可塑性樹脂組成物廃材を主原料とするマテリアルリサイクルにより、さらに多様な用途に応じた特性を有する熱可塑性樹脂組成物成形体を得ることができ、より一層サーマルリサイクルされる熱可塑性樹脂組成物廃材を低減することができる、効率的な熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法である。
【0197】
さらに、本発明の熱可塑性樹脂組成物成形体の製造方法は、熱可塑性樹脂組成物廃材から、熱可塑性樹脂組成物廃材を主原料とするマテリアルリサイクルにより、多様な用途に応じた特性を有する熱可塑性樹脂組成物成形体の製造方法である。
【0198】
そして、本発明の熱可塑性樹脂組成物成形体は、熱可塑性樹脂組成物廃材を主原料とするマテリアルリサイクルにより得られる、多様な用途に応じた特性を有する熱可塑性樹脂組成物成形体を提供することである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法の前半部のステップの一例を示すフロー図である。
【図2】本発明の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法の後半部のステップの一例を示すフロー図である。

Claims (12)

  1. 熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法であって、前記熱可塑性樹脂組成物廃材を前記熱可塑性樹脂組成物廃材中の主成分である熱可塑性樹脂組成物の系統別に選択的に分離回収するステップと、選択的に分離回収した熱可塑性樹脂組成物廃材またはその加熱溶融物、および/または、未使用の熱可塑性樹脂組成物またはその加熱溶融物、の複数種類を混合して特定の組成の混合物を得るステップと、前記熱可塑性樹脂組成物廃材または前記混合物を加熱溶融するステップと、混合および加熱溶融された前記熱可塑性樹脂組成物廃材を成形して熱可塑性樹脂組成物成形体を得るステップと、を備える熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法。
  2. 前記特定の組成の混合物を得るステップは、ポリスチレン系熱可塑性樹脂組成物を主成分とする混合物を得るステップを含む、請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法。
  3. 前記特定の組成の混合物を得るステップは、ポリスチレンおよび/またはスチレン−ブタジエンを主成分とする混合物を得るステップを含む、請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法。
  4. 前記選択的に分離回収するステップは、冷蔵庫からスチレン−ブタジエンを主成分とする熱可塑性樹脂組成物を選択的に分離回収するステップを含む、請求項3に記載の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法。
  5. 前記特定の組成の混合物を得るステップは、前記選択的に分離回収した熱可塑性樹脂組成物廃材またはその加熱溶融物、および、未使用のスチレン−ブタジエンまたはその加熱溶融物、を主成分とする組成の混合物を得るステップを含む、請求項1〜4のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法。
  6. 前記特定の組成の混合物を得るステップは、アクリロニトリル−スチレンおよび/またはアクリロニトリル−スチレン−ブタジエンを主成分とする混合物を得るステップを含む、請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法。
  7. 前記選択的に分離回収するステップは、冷蔵庫からアクリロニトリル−スチレン−ブタジエンを主成分とする熱可塑性樹脂組成物を選択的に分離回収するステップを含む、請求項6に記載の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法。
  8. 前記特定の組成の混合物を得るステップは、前記選択的に分離回収した熱可塑性樹脂組成物廃材またはその加熱溶融物、および、未使用のアクリロニトリル−スチレン−ブタジエンまたはその加熱溶融物、を主成分とする混合物を得るステップを含む、請求項1、2、6、7のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法により熱可塑性樹脂組成物成形体を得る、熱可塑性樹脂組成物成形体の製造方法。
  10. 前記熱可塑性樹脂組成物成形体は、ペレット状の形状を有する熱可塑性樹脂組成物成形体である、請求項9に記載の熱可塑性樹脂組成物成形体の製造方法。
  11. 請求項1〜8のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物廃材の再資源化方法により得られる、熱可塑性樹脂組成物成形体。
  12. 前記熱可塑性樹脂組成物成形体は、ペレット状の形状を有する熱可塑性樹脂組成物成形体である、請求項11に記載の熱可塑性樹脂組成物成形体。
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