JP4657011B2 - 混合物の投入装置および混合物の分離回収方法、ならびにそれを用いたプラスチック原料またはプラスチック成形体の製造方法 - Google Patents

混合物の投入装置および混合物の分離回収方法、ならびにそれを用いたプラスチック原料またはプラスチック成形体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、混合物の投入装置およびそれを用いた混合物の分離回収方法に関する。また、本発明は、上記混合物の分離回収装置を用いた、プラスチック原料またはプラスチック成形体の製造方法、および得られたプラスチック原料またはプラスチック成形体にも関する。
近年、わが国では所得水準の向上に伴い、エアコンディショナ(本明細書においては、「エアコン」と呼称する。)、テレビジョン受信機(本明細書においては、「テレビ」と呼称する。)、冷蔵庫、洗濯機などの家電製品、パーソナルコンピュータ、ワードプロセッサなどの情報機器、プリンタ、ファックスなどの事務用機器、その他の各種の家具、文具、玩具などが、一般家庭に高い普及率で備えられるようになっており、家庭生活における利便性は飛躍的に向上しつつある。
一方、その結果、これらの家電製品をはじめとする各種製品の廃棄量も年々増加する傾向にある。ここで、従来は、これらの家電製品をはじめとする製品の廃棄物の再資源化は、鉄くずの回収ルートを通して行われる場合が多かった。
しかし近年では、家電製品をはじめとする各種製品の部材の構成材料が変化し、鉄をはじめとする金属からなる部材が減少してプラスチック組成物からなる部材の割合が増加する傾向にある。プラスチック組成物は、鉄をはじめとする金属よりもデザインの自由度が大きく、構成成分の調製や添加剤の使用などにより金属では実現の難しい種々の特性を付与することができ、軽量であり耐久性が高いことなどの多くの利点を有するためである。
なお、本明細書においては、プラスチック組成物からなる部材を「プラスチック部材」と呼称する。また、本明細書においては、プラスチック部材を備えた製品を「プラスチック製品」と呼称する。さらに、本明細書においては、プラスチック製品の廃棄物を「プラスチック廃棄物」とも呼称する。
近年の家電製品をはじめとする各種製品の廃棄物は、各種構成部材の材質構成が複雑化しており、鉄や銅をはじめとする有価金属からなる部材の割合が少なく、有価性が低く、かつ従来の処理方法では多大の手間と経費がかかるプラスチック部材の割合が多くなっており、従来の鉄くずの回収ルートではこのような廃棄物を再資源化しても採算がとれないため、対応が難しい状況になりつつある。
そして、これらのプラスチック部材は、原油などの埋蔵化石燃料を基礎原料として合成されるものが多く、資源の有効活用の観点から、これらのプラスチック製品の再資源化の推進が近年強く要求されてきている。
また、原油などの埋蔵化石燃料の燃焼による二酸化炭素および硫黄酸化物の放出による地球温暖化、酸性雨といった環境破壊や、塩素化合物を含むプラスチック組成物の焼却処理によるダイオキシンの生成、飛散といった環境汚染、さらには嵩の大きいプラスチック廃棄物の増大によるゴミ埋立処理場の不足といった問題を抑制するという観点からも、これらのプラスチック廃棄物の再資源化が重要かつ緊急の課題となってきつつある。
ここで、上記の状況を受けて、2001年4月に家電リサイクル法が施行された。ここで、家電リサイクル法においては、2002年1月現在においては、エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機の家電4品目のリサイクルが義務付けられ、また、それぞれの製品の再商品化率については、エアコン60%以上、テレビ55%以上、冷蔵庫50%以上、洗濯機50%以上の法定基準値が定められている。
しかし、これらの家電製品をはじめとするプラスチック製品は、一般に複数のプラスチック部材を備えており、それらのプラスチック部材はプラスチック組成物の材質が異なることも多く、異なる材質のプラスチック組成物からなる複合部材であることも多い。
なお、本明細書においては、材質が異なる複数のプラスチック組成物からなる部材または異なる材質のプラスチック組成物からなる複合部材を、「混合プラスチック部材」と呼称する。また、本明細書においては、混合プラスチック部材を備えた製品を「混合プラスチック製品」とも呼称する。さらに本明細書においては、混合プラスチック製品の廃棄物を「混合プラスチック廃棄物」とも呼称する。
ここで、これらの混合プラスチック廃棄物に含まれる混合プラスチック部材を再度加工して、家電製品をはじめとする各種の混合プラスチック製品の部材またはその原料として使用するには、これらの混合プラスチック部材をプラスチック組成物の系統ごとに分離した上で、再度加工する必要がある。なお、本明細書においては、このように、廃棄物を処理した後、製品の部材またはその原料に再び加工して使用することを、サーマルリサイクルと対比して、「マテリアルリサイクル」と呼称する。
一方、従来から提案されているプラスチック廃棄物の再資源化方法には、単独の材質のプラスチック組成物だけを含むプラスチック廃棄物を、手解体で分離して再資源化する方法が多い。しかし、このように手解体で分離して再資源化する方法には、多大の手間と経費がかかるという問題がある。さらに、このような方法では混合プラスチック廃棄物には対応できないという問題がある。
また、このような問題を回避するための方法としては、混合プラスチック廃棄物から、プラスチック組成物の系統別に分別することなく、混合プラスチック部材を分離して燃料として使用するという、いわゆるサーマルリサイクルに関する方法も従来から多く提案されている。
このようにして、混合プラスチック廃棄物をサーマルリサイクルにより再資源化する方法としては、たとえば特許文献1に、混合プラスチック廃棄物から分離した混合プラスチック部材を熱分解炉で加熱乾留分解し、分解ガスおよび油を燃料として使用する方法が開示されている。しかしこの方法によれば、混合プラスチック廃棄物のサーマルリサイクルによる再資源化は可能であるが、燃料による炭酸ガスの発生などの問題があるため、社会的要請に充分に沿った方法であるとはいえない。
そこで、混合プラスチック廃棄物から混合プラスチック部材を分離して、さらにその混合プラスチック部材をプラスチック組成物の系統ごとに分離することのできる方法について、各方面で多くの開発努力がなされている。
たとえば、混合プラスチック部材の比重差を利用し、液体中でプラスチック組成物の系統ごとに分離する方法が、従来より広く用いられてきた。つまり、液体中に混合プラスチック部材または混合プラスチック部材の破砕物を投入した際、液体比重より小さな物は浮遊し、液体比重より大きな物は沈降することを用いて分離する方法である。
このような湿式比重分離を用いたプラスチックの選別装置として、たとえば、特許文献2には、投入されたプラスチックを攪拌機を用いて起こす下降旋回流によって沈降させ、分離回収する方法が開示されている。しかし、このような方法ではプラスチックを十分に沈降させるためには大きな水流が必要であり、分離槽全体に循環流ができてしまい、本来沈降すべき液体比重より大きなものが水流により浮上したり、あるいはその逆が起こり、十分な分離精度を発揮できないという欠点がある。
また、特許文献3には、スクリューコンベアを用いてプラスチック廃棄物の破砕片を水中に投入し、浮遊物と沈降物を分離回収する方法が開示されている。しかし、前記湿式比重分離に投入される混合プラスチック部材または混合プラスチック部材の破砕物は一般に積層している。このため、前記スクリューコンベアを用いた投入方法では、投入時に液体比重より小さな物の破片上に液体比重より大きな物の破片が重なることで両者共に浮上してしまう、あるいは両者共に沈降してしまうといった欠点や、積層している破片の間隙に空気が入り込み、破片の表面に気泡を形成するため、本来沈降すべきものが気泡の浮力により浮上してしまうといった欠点があり、十分な分離精度が得られない。
特開平6−226242号公報 特開平6−126743号公報 特開2003−126727号公報
このように、市場から回収される比重の異なる複数種の材料で構成された混合物、特に混合プラスチック廃材を、湿式比重分離を用いて比重ごとに分離回収する混合物の分離回収方法において、混合物の積層や混合物表面への気泡の付着、あるいは水流による分離精度の低下がなく、簡易な効率のよい混合物の投入装置の開発が望まれているにも関わらず、そのような装置は未だ公知になっていないのが現状である。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、液体貯蔵槽に貯蔵された液体中に、前記液体よりも比重の小さい混合物を含む、比重の異なる複数種の材料で構成された混合物を簡易に効率よく投入することができる、混合物の投入装置を提供することである。
より詳しく述べると、本発明の目的は、市場から回収される比重の異なる複数種の材料で構成された混合物、特に混合プラスチック廃材から混合プラスチック部材を、積層することなくかつ大きな水流を起こすことなく湿式比重分離工程を行い得るように混合物を投入することができ、湿式比重分離して、さらにその混合プラスチック部材をプラスチック組成物の系統ごとに分離することができ、該プラスチック組成物からマテリアルリサイクルによりプラスチック原料またはプラスチック成形体を製造することができ、サーマルリサイクルされるプラスチック廃材を低減することができる、簡易な効率のよい混合物の投入装置を提供することである。
また、本発明の別の目的は、市場から回収される比重の異なる複数種の材料で構成された混合物、特に混合プラスチック廃材から混合プラスチック部材を分離して、さらにその混合プラスチック部材をプラスチック組成物の系統ごとに分離することができ、該プラスチック組成物からマテリアルリサイクルによりプラスチック原料またはプラスチック成形体を製造することができ、サーマルリサイクルされるプラスチック廃材を低減することができる、簡易な効率のよい混合物の分離回収方法を提供することである。
また、本発明の別の目的は、市場から回収された混合プラスチック廃棄物から混合プラスチック部材を分離して、さらにその混合プラスチック部材をプラスチック組成物の系統ごとに分離することができ、該プラスチック組成物からマテリアルリサイクルによりプラスチック原料またはプラスチック成形体を製造することができる方法を提供することにある。
また本発明のさらに別の目的は、市場から回収された混合プラスチック廃棄物からマテリアルリサイクルにより得られる、プラスチック原料またはプラスチック成形体を提供することである。
本発明は、上記課題を解決するために、液体貯蔵槽に貯蔵された液体中に、前記液体よりも比重の小さい混合物を含む、比重の異なる複数種の材料で構成された混合物を投入する際、前記混合物を積層することなく液中に投入すればよいとの着想を得、そのような混合物の投入装置を開発すべく、投入方法や混合物の形状等、多くの種類の方法について実験を行い、鋭意研究を重ねた。すなわち、本発明は以下のとおりである。
本発明は、液体貯蔵槽に貯蔵された液体中に、前記液体よりも比重の小さい混合物を含む、比重の異なる複数種の材料で構成された混合物を投入するための装置であって、前記混合物を液体貯蔵槽に貯蔵された液体中に沈降させるための沈降手段が設けられたベルトコンベアを備えることを特徴とするものである。
ここにおいて前記沈降手段は、前記ベルトコンベアの搬送面上における搬送方向と垂直な方向に対し0°〜10°の角度をなして、予め定められた間隔を有するように複数個ベルトコンベアに設置された板状体であることが好ましい。
前記沈降手段は、混合物と液体とを戻し得るものであることが好ましい。
また本発明の投入装置は、前記ベルトコンベアの幅方向両端に溢流阻害手段をさらに設けてなるものであることが好ましい。
また本発明の投入装置は、記ベルトコンベアの幅方向両端に前記混合物がベルトコンベアの内部に流入することを阻害する手段を設けたことが、好ましい。
また本発明の投入装置は、前記ベルトコンベアと予め定められた間隔を有するようにベルトコンベアの下方に略平行に設置された搬送板をさらに備えることが好ましい。
前記搬送板は、搬送方向前方の端部において下方へ曲折された形状を有することが好ましい。
また前記ベルトコンベアは、その搬送方向が水平方向に対し10°〜50°の範囲内の角度をなして傾斜し得るように調節可能に構成されたものであることが好ましい。
本発明の投入装置は、前記混合物が前記液体貯蔵槽の液面に達してから、前記沈降手段によって前記ベルトコンベアの搬送方向前方の端部にまで搬送されるまでの時間が5〜20秒間であるように構成されたものであることが、好ましい。
本発明は、上述した本発明の投入装置に比重の異なる複数種の材料で構成された混合物を投入する工程と、前記混合物を液体貯蔵槽に貯蔵された液体を用いて分離し、比重ごとに回収する工程とを有する、混合物の分離回収方法をも提供する。
本発明の分離回収方法において、前記液体は水であることが好ましい。
また前記混合物が、複数種のプラスチックで構成されたプラスチック廃材を含むことが好ましく、当該前記プラスチック廃材は、プラスチック成形体またはプラスチック成形体を備えた製品の破砕物であることが好ましい。ここにおいて、前記破砕物の粒径が5〜30mmであることが好ましい。また、前記プラスチック成形体を備えた製品は、エアコン、テレビ、冷蔵庫および洗濯機よりなる群から選ばれる製品であることが好ましい。
本発明において、前記プラスチック廃材はポリオレフィン系プラスチック組成物、ポリスチレン系プラスチック組成物およびその他の系統のプラスチック組成物よりなる群から選ばれる少なくともいずれかであるのが、好ましい。
また本発明の分離回収方法においては、ポリオレフィン系プラスチック組成物および/またはポリスチレン系プラスチック組成物および/またはその他の系統のプラスチック組成物が分離回収されるものであることが好ましい。
また本発明は、上述した本発明の分離回収方法を用いたプラスチック原料の製造方法、およびそれにより得られたプラスチック原料を提供する。本発明のプラスチック原料は、ペレット状であるのが好ましい。
本発明はまた、上述した本発明の分離回収方法を用いたプラスチック成形体の製造方法、およびそれにより得られたプラスチック成形体も提供する。本発明のプラスチック成形体は、エアコン、テレビ、冷蔵庫および洗濯機よりなる群から選ばれる製品に用いられることが、好ましい。
本発明によれば、市場から回収される比重の異なる複数種の材料で構成された混合物、特にプラスチック廃材から、混合物、特にプラスチック廃材を主原料とするマテリアルリサイクルにより、多様な用途に適用可能な高品質のプラスチック成形体を得ることができ、サーマルリサイクルされるプラスチック廃材を低減することができる、簡易な効率のよい混合物の投入装置を提供することができる。
また、本発明によれば、混合物を簡易にかつ効率よく分離することができる分離回収方法を提供することができる。
また本発明は、プラスチック廃材から、プラスチック廃材を主原料とするマテリアルリサイクルにより、多様な用途に適用可能な高品質のプラスチック原料の製造方法、ならびに、プラスチック成形体の製造方法を提供することができる。
さらに、本発明は、プラスチック廃材を主原料とするマテリアルリサイクルにより得られる、多様な用途に適用可能な高品質のプラスチック原料およびプラスチック成形体を提供することができる。
図1は、本発明の好ましい一例の混合物の投入装置を模式的に示す斜視図であり、図2は正面図である。本発明の投入装置は、十分な水位の液体1を貯蔵した液体貯蔵槽2と、前記液体1よりも比重の小さい混合物を含む比重の異なる複数種の材料で構成された混合物を液体貯蔵槽2内の液体1に沈降させるための沈降手段5が設けられたベルトコンベア4を基本的に備える。このような本発明の混合物の投入装置によれば、前記混合物を積層することなく、かつ大きな水流を起こすことなく、湿式比重分離工程を行い得るように、混合物を簡易かつ効率的に投入することができる。すなわち、投入された混合物が液体1の液面12に達すると、混合物のうち液体1よりも比重の大きい重量混合物10はそのまま液体1に沈降する。一方、混合物のうち液体1よりも比重の小さな軽量混合物9は液面12に浮上し、水面に拡散するが、沈降手段5によって捕えられ、液体1に沈降させられる。沈降手段5によって積層が解消されつつ沈降された軽量混合物9は、ベルトコンベア4の搬送方向のうち液体1に近い側の端部で沈降手段5から解放される。このようにして、軽量混合物9は、積層してしまうことなく、湿式比重分離工程に供される。
本発明の投入装置において、ベルトコンベア4に設けられた沈降手段5は、前記混合物を液体1に沈降させ得るように構成されるならば特に制限されるものではないが、ベルトコンベア4の搬送面上における搬送方向と垂直な方向に対し0°〜10°(好ましくは2°〜8°)の角度θ1をなして、予め定められた間隔を有するように複数個ベルトコンベアに設置された板状体で実現されることが好ましい。沈降手段5がこのような角度を有する複数個の板状体で実現されることによって、ベルトコンベア4の駆動部の上方面に達する前に水を十分に切ることができ、水とともにベルトコンベア4のコンベアベルト表面に付着した混合物が液体1内に送られるため、ベルトへの混合物の付着による生産効率の低下を防ぐことができるという利点がある。なお、前記角度θ1が10°を超えると、水を切る際に液体貯蔵槽2内で生じる水流が大きくなり、混合物の分離能に影響を及ぼす傾向にある。
沈降手段5が前記板状体で実現される場合、平面状であるベルトコンベアの搬送面に設置可能であるならばその形状は特に制限されるものではないが、図1に示す例のように断面方形状の板状体で実現されるのが好ましい。また、図5には、本発明の好ましい他の例の投入装置を模式的に示しているが、図5に示す例において、沈降手段5’はメッシュ状に実現されてなる。このように沈降手段5’がメッシュ状であることで、沈降手段5’が液中を進むことで生じる水流を低減させることができ、湿式比重分離への影響を低減させることができる。同様の効果を奏することができる観点から、沈降手段を開孔を設けた板状体としてもよい。
沈降手段5が前記板状体で実現される場合、各板状体間の予め定められた間隔は、混合物の積層を十分に解することができ、かつ装置の大きさが大きくなりすぎず、生産性の低下もみられないようバランスを取るためには、2〜25cmであるのが好ましく、5〜15cmであるのがより好ましい。なお、各板状体の前記間隔は、上記範囲内で同一であるように選ばれてもよく、また上記範囲内で互いに異なるように選ばれてもよいが、好ましくは上記範囲内で同一であるように選ばれる。
本発明の投入装置において、前記沈降手段は、液体1を液体貯蔵槽2に戻し得るものであることが好ましい。これによって、液体の循環が図れ、コストが抑制されるという利点がある。このように液体1を液体貯蔵槽2に戻し得る沈降手段は、図1〜図3に示したようなベルトコンベアに設置された、搬送面上における搬送方向と垂直な方向に対し0〜10°の角度を有する複数個の板状体とすることで実現することができる。
図3は、図1および図2に示した投入装置に用いられるベルトコンベア4を模式的に示す上面図であり、図4はその正面図である。本発明の投入装置は、図3に示すように、前記ベルトコンベアの幅方向両端に溢流阻害手段6をさらに設けたものであることが好ましい。この溢流阻害手段6は、沈降手段5によって沈降せしめられている間に、軽量混合物9などがベルトコンベア4より溢流するのを防止するためのものであり、このように溢流を防止することができるものであれば特に制限されるものではないが、たとえばゴム板やプラスチック板などを用いて実現される。このような溢流阻害手段6を設けることにより、軽量混合物9などがベルトコンベア4より溢流することなく、混合物を効率よく沈降させることができ、またコンベアベルトの内側やチェーン部、駆動部などへの混合物の流入をより効果的に抑制することができる。
また、本発明の投入装置は、前記ベルトコンベアの幅方向両端に、前記混合物がベルトコンベアの内部に流入することを阻害する手段(混合物流入阻害手段)7をさらに設けてなることが好ましい。このような混合物流入阻害手段7をさらに有することで、水面に浮上した軽量混合物9などがコンベアベルトの内側やチェーン部、駆動部などに流入しないようにすることができる。混合物流入阻害手段7は、特に制限されるものではないが、たとえば、ベルトコンベア側面を鉄板やプラスチック類で覆うことによって実現することができる。
本発明の投入装置は、前記ベルトコンベア4と予め定められた間隔を有するようにベルトコンベア4の下方に略平行に設置された搬送板8をさらに備えることが好ましい。このような搬送板8を備えることで、混合物を搬送板8に沿って液体貯蔵槽2内の液体1に搬送しながら、ベルトコンベア4に設けられた沈降手段5にて混合物を効率的に沈降せしめることができるようになる。
搬送板8は、その形成材料は特に制限されるものではなく、たとえばプラスチック板、ゴム板、金属板などで形成されたものを適宜用いることができる。中でも、混合物との摩擦に対する耐久性や形態安定性および水中での寿命の観点から、ステンレスで形成された搬送板8を用いるのが好ましい。
また前記搬送板8は、搬送方向前方(図1、図2中の白抜きの矢符A)の端部において下方へ曲折された形状を有するのが好ましい。搬送板8がこのような形状を有することにより、液体貯蔵槽2内の液体1に投入される混合物が、軽量混合物9と重量混合物10により効率よく分離されつつ投入され、液体1を用いた混合物の湿式分離の分離能が向上されるという利点がある。
搬送板8が上記形状を有する場合、搬送板8の主要部分(すなわち、上述したようにベルトコンベア4と略平行な部分)に対して曲折された部分(曲折部分)がなす角度θ2は、10〜40°の範囲内であることが好ましく、15〜35°の範囲内であることがより好ましい。前記角度θ2が10°未満であると、比重分離工程における分離能の向上がみられない傾向にあるためであり、また前記角度θ2が40°を超えると、混合物のうち、液体よりも比重の高いものが液体貯蔵槽2の底面のより広範囲に拡散してしまい、回収が困難になるという傾向にあるためである。
本発明の投入装置において、前記ベルトコンベア4は、その搬送方向が水平方向に対してなす角度θ3が10°〜50°(より好ましくは15°〜45°)の範囲内で調節可能に傾斜されてなるのが好ましい。ベルトコンベア4がこのような範囲内の角度で調節可能に傾斜されてなることで、混合物に含まれる高比重物、低比重物の構成比の変化に対応できるという利点がある。なお、上述したように搬送板8はベルトコンベア4に対し略平行に設けられているので、ベルトコンベア4と同様にその主要部分が水平方向に対して角度θ3をなして傾斜するように設置される。これにより、投入された混合物を、搬送板8の搬送方向に沿った自由落下により液体貯蔵槽2内の液体1の液面12にまで滑落させることができる。
前記角度θ3が10°未満であると、重量混合物が搬送板を滑落せず、投入部に溜まってしまう傾向がある。また前記角度θ3が50°を超えると、重量混合物の滑落速度が大きく、混合物の投入の際の積層が十分に解消されることなく軽量混合物と共に滑落してしまい、液体貯蔵槽2内の液体1による湿式比重分離で十分な分離能を発揮できなくなる傾向にある。なお、上記範囲内での角度θ3の調節は、たとえば、ベルトコンベアの搬送方向端部のうち、下方にある端部を固定し、上方にある端部を可動とするというようにして実現することができる。
このような本発明の投入装置を用いた混合物の投入は、搬送板8の上部、またはベルトコンベア4上へ投入することによって行われる。好ましくは、ベルトコンベア4の幅を十分に利用できるように混合物を投入する。また、搬送板8の上部より水を流したり、水と共に投入してもよい。また、混合物の投入の際、ベルトコンベアおよび/または搬送板は振動モータなどによって振動を与えるようにしてもよい。
本発明の投入装置はまた、前記混合物が前記液体貯蔵槽2の液面12に達してから、前記沈降手段5によって前記ベルトコンベア4の搬送方向前方の端部4aにまで搬送されるまでの時間が5〜20秒間となるように構成されたものであることが好ましい。前記時間が5秒間未満であると、混合物の投入時の積層が十分に解消されず、また沈降手段5によって大きな水流が生じ、湿式比重分離工程の分離能に悪影響を及ぼしてしまう虞がある。また、前記時間を20秒間を超えて設定しても、混合物の積層をそれ以上解消することはできず、湿式比重分離への良好な影響はみられない上に、生産効率の低下に繋がる傾向にある。なお、上述した時間は、ベルトコンベア4の搬送速度や長さを調整することによって適宜設定することができる。
本発明はまた、上述した本発明の投入装置に、比重の異なる複数種の材料で構成された混合物を投入する工程と、前記混合物を液体貯蔵槽に貯蔵された液体を用いて分離し、比重ごとに回収する工程とを有する、混合物の分離回収方法をも提供する。ここで、本発明の方法にて分離回収される混合物は、プラスチック部材を備えた使用済み製品の破砕物であることが望ましい。ここで、プラスチック部材を備えた使用済み製品とは、エアコン、テレビ、冷蔵庫および洗濯機からなる群から選ばれる製品であることが推奨される。
ここで、使用済み製品として廃棄されたエアコン、テレビ、冷蔵庫および洗濯機(本明細書において「家電4品目」と呼称する)から回収されたプラスチック系破砕物のプラスチック組成物の系統別の構成比および比重の代表的な一例について、表1および表2を用いて説明する。
表1には、家電4品目から回収されたプラスチック部材に用いられるプラスチック組成物の系統別の構成比の代表的な一例を示す。また、表2には、主要な系統別のプラスチック組成物の比重の範囲の代表的な一例を示す。
Figure 0004657011
Figure 0004657011
表1から明らかなように、家電4品目から回収されたプラスチック部材において、ポリオレフィン系プラスチック組成物およびポリスチレン系プラスチック組成物からなるプラスチック部材をマテリアルリサイクルすることができれば、家電4品目のプラスチック部材の再資源化率は60%を超えるといえる。
また、これらの表から明らかなように、家電4品目に多量に使用されているポリオレフィン系プラスチック組成物の比重の範囲は、一般に0.89〜0.91の範囲に含まれることが分かる。また、ポリスチレン系プラスチック組成物の比重の範囲は、一般に1.04〜1.05の範囲に含まれることが分かる。そして、その他の系統のプラスチック組成物からなる部材の大部分は、その比重が、一般に1.10〜2.00の範囲に含まれることが分かる。
ここで、本明細書において、「プラスチック組成物」と呼称する際には、狭義のプラスチック組成物のみを示すのではなく、ゴム組成物や高分子組成物なども含む広い意味でのプラスチック組成物を示すものとする。
そして、上記より、一般的には、比重が1.06〜1.10の範囲にある分離液を用いることにより、ポリオレフィン系プラスチック組成物およびポリスチレン系プラスチック組成物からなる部材と、その他の系統のプラスチック組成物からなる部材とを分離することが可能であることが分かる。また、上記より、一般的には、比重が0.92〜1.01の範囲にある分離液(中でも比重が0.95〜1.00の範囲にある分離液)を用いることにより、ポリオレフィン系プラスチック組成物からなる部材と、ポリスチレン系プラスチック組成物からなる部材とを分離することが可能であることが分かる。
図6は、本発明の混合物の分離回収方法の好ましい一例を示すフローチャートである。以下、図6を用いて、本発明のプラスチック廃材の再資源化方法をさらに詳細に説明する。
この具体例においては、まず、図6に示すように、家庭などから廃棄された使用済みの家電4品目を回収する(ステップ101)。そして、該家電4品目の廃棄物を解体して、コンプレッサ、熱交換器などの大型の金属部品や、洗濯機の水槽、冷蔵庫の野菜ケースなどの大型のプラスチック成形品を部品ごとに回収する(ステップ102)。
次に、大型金属部材などが回収された家電4品目の廃棄物の残りの部材を、たとえば衝撃式破砕装置やせん断式破砕装置などの大型破砕機で粗破砕する(ステップ103)。ステップ103における破砕物の粒径は、特に制限されるものではないが、10mm以上であるのが好ましく、40mm以上であることがより好ましい。また、破砕物の粒径は80mm以下であることが好ましく、60mm以下であることがより好ましい。破砕物の粒径が10mm未満または80mmを超える場合には、次工程での金属の選別精度が低下するという傾向があり、さらに粒径が10mm未満の場合には、破砕に長時間を要するため、プラスチックが溶融あるいは熱酸化劣化を起こすという傾向があり、また、粒径が80mmを超えると、嵩比重が小さくなり以後の工程での作業性に悪影響を及ぼすという傾向がある。具体的には、粒径が60mm程度となるように破砕するのが特に好ましい。なお、コンプレッサ、熱交換器をはじめとする大型の金属部材などの破砕が困難な部材は、予め分解してプラスチック部材を含む廃棄物から取り外しておいてもよい。
続いて、該家電4品目の廃棄物の破砕物を、鉄、銅、アルミニウムなどで形成された金属系破砕物とプラスチック系破砕物に選別する(ステップ104)。当該ステップにおける破砕された廃棄物を金属系破砕物とプラスチック系破砕物との選別には、たとえば、鉄の選別に適した磁力を用いた選別装置、アルミニウムや銅の選別に適した渦電流を用いた選別装置、粒度を均一にしてふるいにかけるトロンメル装置などを好適に用いることができる。
次に、金属系破砕物を選別(ステップ104)した後のプラスチック系破砕物より、低嵩比重破砕物をさらに選別することが好ましい(ステップ105)。ここで、低嵩比重破砕物とは、嵩比重が0.3以下の破砕物を意味する。低嵩比重破砕物の具体例としては、ポリウレタン系断熱材の破砕物や発泡スチロール系の破砕物などが挙げられる。この低嵩比重破砕物は、たとえば風力を用いた選別装置や、振動ふるいを用いた装置により選別することができる。なお、破砕された廃棄物を金属系破砕物とプラスチック系破砕物と低嵩比重破砕物とに選別する際に、風力による選別、磁力による選別、渦電流による選別を行う場合には、その順序は特に特に制限するものではないが、選別の効率の観点からは、まず磁力により鉄系金属破砕物を分離し、次いで渦電流によりアルミニウム系金属や銅系金属の破砕物を選別し、続いて風力により低嵩比重破砕物を選別し、残った混合プラスチック系の破砕物を、以下のステップに供することが好ましい。
前記で得られた混合プラスチック系の破砕物は、微破砕工程(ステップ106)に供される。この微破砕は、たとえば、せん断式破砕装置を用いて行うことができる(微破砕後のものを、以下「微破砕物」と呼ぶ。)。微破砕物の大きさに特に制限はないが、5mm以上であることが好ましく、特に8mm以上であることがより好ましい。また、この粒径は30mm以下であることが好ましく、特に20mm以下であることが好ましい。この粒径が5mm未満の場合には、破砕に長時間を要するためプラスチックが溶融あるいは熱酸化劣化を起こすという傾向があり、この粒径が30mmを超えると、加熱成形工程での作業性に悪影響を及ぼすという傾向があるためである。また、この粒径が5mm未満である場合でも30mmを超える場合でも、次以降のステップである湿式比重分離工程の選別能力に悪影響を及ぼす傾向がある。
なお、本発明の分離回収方法においては、手解体(ステップ102)により回収された水槽、冷蔵庫の野菜ケースなどの大型のプラスチック成形品を、上述したステップ103〜ステップ105のステップを経ることなく、そのまま微破砕工程(ステップ106)に供するようにしてもよい。
このようにして微破砕工程(ステップ106)を経た混合物が、本発明でいう「比重の異なる複数種の材料で構成された混合物」に相当する。このような混合物を、上述してきた本発明の投入装置を用いて液体貯蔵槽内に収容された液体(比重分離液)に投入し、湿式比重分離工程(すなわち、混合物を液体を用いて分離し、比重ごとに回収する工程)に供する(ステップ107)。
たとえばポリオレフィン系プラスチック組成物を分離回収する際には該液体の比重は0.92以上であることが好ましく、特に0.95以上であることがより好ましい。また、この比重は1.01以下であることが好ましく、特に1.00以下であることがより好ましい。この比重が0.92未満の場合には、ポリオレフィン系プラスチックの一部が沈降し回収率が低下するという傾向があり、この比重が1.01を超えると、ポリスチレン系プラスチックの一部が混入するという傾向があるためである。ここで、比重が0.92以上かつ1.01以下の上記液体は、特に限定するものではないが、水であることが望ましい。
さらに、たとえばポリオレフィン系やポリスチレン系以外の、その他の系統のプラスチック組成物を分離回収する際には、該液体の比重は1.00以上であることが好ましく、特に1.01以上であることがより好ましい。また、この比重は1.10以下であることが好ましく、特に1.08以下であることがより好ましい。この比重が1.00未満の場合には、ポリオレフィン系プラスチックが混入するという傾向があり、この比重が1.10を超えると、ポリアミド系、ポリカーボネート系、ゴムなどが混入するという傾向がある。ここで、比重を1.10以下かつ1.00以上である上記液体は、特に限定するものではないが、水にNaClを溶解した溶液であることが望ましい。あるいはその他の有機物あるいは無機物などを溶解させた溶液あるいはその混合溶液でもよい。
さらに、該プラスチック廃材をポリオレフィン系プラスチック組成物、ポリスチレン系プラスチック組成物およびその他の系統のプラスチック組成物の3系統のプラスチック組成物に分離回収する際には、比重が0.92以上かつ1.01以下の上記液体および1.10以下かつ1.00以上である上記液体の2種類を用いるのがよい。この際、特に順序を限定するものではないが、比重が1.00以上かつ1.10以下の上記液体を用いてポリオレフィン系プラスチック組成物およびポリスチレン系プラスチック組成物と、その他の系統のプラスチック組成物とに分離した後、比重が0.92以上かつ1.01以下の上記液体を用いてポリオレフィン系プラスチック組成物とポリスチレン系プラスチック組成物とを分離することが望ましい。
そして、湿式比重分離工程により系統ごとに選別されたプラスチック廃材を、成形し、成形用プラスチック原料とし(ステップ108)、このプラスチック原料を射出成形機に投入しプラスチック成形体を作成する(ステップ109)のが、好ましい。このように、本発明の分離回収方法においては、系統別に分離されたプラスチック廃材を加熱溶融した後、特定の形状に成形することにより、マテリアルリサイクルを行うことが好ましい。
マテリアルリサイクルされるプラスチックの具体例としては、ポリオレフィン系、ポリスチレン系、ポリカーボネート系、ポリメチルメタクリレート系などのプラスチックが挙げられる。これらの中でも、ポリエチレン系やポリプロピレン系などのポリオレフィン系プラスチック、およびポリスチレン系、ABS系などのポリスチレン系プラスチックは、表3に示されるように、他のプラスチックに比べて加工性、経済性などの点で優れているので、本発明の分離回収方法にて好適にマテリアルリサイクルすることが可能である。
すなわち、本発明の分離回収方法にて分離回収されるプラスチック廃材は、ポリオレフィン系プラスチック組成物、ポリスチレン系プラスチック組成物およびその他の系統のプラスチック組成物よりなる群から選ばれる少なくともいずれかであり、該ポリオレフィン系プラスチック組成物の比重が0.85〜1.00(より好適には0.89〜0.91)の範囲にあり、該ポリスチレン系プラスチック組成物の比重が1.00〜1.08(より好適には1.04〜1.05)にあり、該その他の系統のプラスチック組成物の大部分の比重が1.08〜2.00(より好適には1.10〜2.00)の範囲にあることが、好ましい。また、本発明における被回収物は、ポリオレフィン系プラスチック組成物および/またはポリスチレン系プラスチック組成物および/またはその他の系統のプラスチック組成物であることが、好ましい。
ここで、プラスチックの融点をT℃とすると、この時の加熱温度はT℃以上であることが好ましく、特に(T+10)℃以上であることがより好ましい。また、このときの加熱温度は(T+120)℃以下であることが好ましく、特に(T+80)℃以下であることがより好ましい。このときの加熱温度がT℃未満の場合には、該プラスチックが十分に溶融しないために成形し難いという傾向があり、このときの加熱温度が(T+120)℃を超えると、該プラスチックが熱劣化するという傾向がある。
本発明の分離回収方法は、図6に示した各ステップの全てを備える必要はなく、本発明の投入装置に、比重の異なる複数種の材料で構成された混合物を投入する工程と、前記混合物を液体貯蔵槽に貯蔵された液体を用いて分離し、比重ごとに回収する工程とを少なくとも有していればよい。
また、本発明の分離回収方法には、図6に示されていないステップが必要により付加、あるいは削除されていても構わない。なお、本発明においては、ステップ101、102を省略し、プラスチック廃材を粗破砕工程(ステップ103)あるいは微破砕工程(ステップ106)に供するようにしてもよい。
本発明はまた、上述した本発明の分離回収方法を用いたプラスチック原料の製造方法、および当該製造方法で得られたプラスチック原料をも提供する。本発明のプラスチック原料は、ペレット状であることが好ましい。このとき、このペレットの粒径は1mm以上であることが好ましく、特に2mm以上であることがより好ましい。また、このペレットの粒径は8mm以下であることが好ましく、特に5mm以下であることがより好ましい。このペレットの粒径が1mm未満の場合には、浮遊するため作業性が低下するという傾向があり、このペレットの粒径が8mmを超えると、成形機のシリンダー内で十分に溶融しないため均一混練されないという傾向があるためである。
なお、ペレット状のプラスチック原料を成形する場合、押出成形した後に、シートカット、ストランドカット、ホットエアカット、アンダーウォーターカットなどのいずれの方法により造粒してもよい。これらの造粒方法の中でも、後に射出成形により特定の形状に成形する場合には、樹脂原料の供給が円滑に行え、大量処理にも対応できるアンダーウォーターカットが特に好ましい。
なお、本発明のプラスチック原料の形状としては、ペレット状に特に限定されるものではなく、たとえばシート状、フィルム状、パイプ状などいずれの形態であってもよく、押出成形機の種類、使用の態様あるいは求められる特性などから適宜決定すればよい。
さらに、本発明のプラスチック原料には、熱安定剤や光安定剤、帯電防止剤、滑剤、フィラー、銅害防止剤、抗菌剤、着色剤などの添加剤を、必要により、本発明の効果を害しない範囲の量で添加してもよい。
さらに本発明は、上述した本発明の分離回収方法を用いたプラスチック成形体の製造方法、ならびに当該製造方法で製造されたプラスチック成形体も提供する。本発明の方法により製造されたプラスチック成形体は、プラスチックからなる部材(プラスチック部材)であってもよい。この場合、このプラスチック部材は、エアコン、テレビ、冷蔵庫および洗濯機よりなる群から選ばれる製品に用いられることが好ましい。
前記プラスチック部材は、上記のプラスチック原料から、射出成形などの方法を用いて成形することができる。このとき用いる射出成形機としては、特に限定するものではないが、たとえばスクリューインライン式射出成形機、プランジャ式射出成形機などが挙げられる。
また、このプラスチック部材の成形のステップをより簡略化するために、ペレット状などの形状を有するプラスチック原料を作製することなく、破砕したプラスチックを射出成形機にそのまま投入し、プラスチックからなる部材を直接作製しても構わない。
さらに、このプラスチックからなる部材は、熱安定剤や光安定剤、帯電防止剤、滑剤、フィラー、銅害防止剤、抗菌剤、着色剤などの添加剤を、必要により、本発明の効果を害しない範囲の量で添加した上で成形して作製してもよい。これらの添加剤を添加するステップとしては、押出成形機または射出成形機への上記のプラスチック原料または破砕したプラスチックの投入時が好ましい。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例>
図6の手順に従って、実験材料に含まれるポリオレフィン系プラスチック系組成物を分離回収した。なお、実験材料は、プラスチック組成物からなる成形体を備えた製品としてエアコン、テレビ、冷蔵庫および洗濯機を入手し、その製品を廃棄物として用いて、手解体を行った(ステップ102)後、通常の破砕機を用いて粗破砕して(ステップ103)得られた破砕物を、通常の磁力を用いた選別機により金属系破砕物を選別し(ステップ104)、さらに通常の風力を用いた選別機により低嵩比重破砕物を選別した(ステップ105)。このようにして、破砕物より金属系破砕物および低嵩比重破砕物を除いた残りのプラスチック混合物を、通常の破砕機を用いて微破砕して(ステップ106)調製した。
上述のようにして調製した実験材料を、図1に示した本発明の混合物の投入装置を用いて、液体を収容した液体貯蔵槽に投入し、湿式比重分離工程(ステップ107)に供した。当該実施例で用いた投入装置において、沈降手段5は、角度θ1が5°であるように12枚の板状体を10cmの間隔をあけてベルトコンベア4上に設けたものを用いた。搬送板8としては、ステンレス製の板状体(曲折部分における角度θ2:25°)を用い、ベルトコンベア4および搬送板8が角度θ3が40°となるように互いに略平行に設置した。実験材料は、ベルトコンベア4と略平行に設置された搬送板8の上部へ投入された。また液体としては比重1.0の水を用いた。
このようにして湿式比重分離工程(ステップ107)へ投入された家電破砕物のうち、軽量側にて選択的に分離回収されるポリオレフィン系プラスチック組成物を脱水、乾燥した後、スクリュー径45mmの二軸溶融混練押出機を用いて230℃で溶融混練し、ペレット状のプラスチック原料を作成した。
次に、作成したペレット状のプラスチック原料を10トン射出成形機をホッパーに投入し、成形温度230℃、金型温度40℃の射出成形条件で成形し、プラスチック成形体を作成した。
今回開示された実施の形態および実施例は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
本発明の好ましい一例の混合物の投入装置を模式的に示す斜視図である。 本発明の好ましい一例の混合物の投入装置を模式的に示す正面図である。 図1および図2に示した投入装置に用いられるベルトコンベア4を模式的に示す上面図である。 図1および図2に示した投入装置に用いられるベルトコンベア4を模式的に示す正面図である。 本発明の好ましい他の例の混合物の投入装置を模式的に示す斜視図である。 本発明の分離回収方法の好ましい一例を示すフローチャートである。
符号の説明
1 液体、2 液体貯蔵槽、4 ベルトコンベア、5 沈降手段、6 溢流阻害手段、7 混合物流入阻害手段、8 搬送板、9 軽量混合物、10 重量混合物。

Claims (18)

  1. 液体貯蔵槽に貯蔵された液体中に、前記液体よりも比重の小さい混合物を含む、材質が異なる複数のプラスチック組成物で構成された混合物を投入するための装置であって、
    前記混合物を液体貯蔵槽に貯蔵された液体中に沈降させるための沈降手段が設けられたベルトコンベアを備え、
    前記沈降手段が前記ベルトコンベアの搬送面上における搬送方向と垂直な方向に対し0°〜10°の角度をなして、予め定められた間隔を有するように複数個ベルトコンベアに設置された板状体である、混合物の投入装置。
  2. 前記沈降手段が、液体を液体貯蔵槽に戻し得るものである、請求項1に記載の投入装置。
  3. 前記ベルトコンベアの幅方向両端に溢流阻害手段をさらに設けたことを特徴とする、請求項1または2に記載の投入装置。
  4. 前記ベルトコンベアの幅方向両端に前記混合物がベルトコンベアの内部に流入することを阻害する手段を設けたことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の投入装置。
  5. 前記ベルトコンベアと予め定められた間隔を有するようにベルトコンベアの下方に略平行に設置された搬送板をさらに備える、請求項1〜4のいずれかに記載の投入装置。
  6. 前記搬送板は、搬送方向前方の端部において下方へ曲折された形状を有する、請求項5に記載の投入装置。
  7. 前記ベルトコンベアは、その搬送方向が水平方向に対し10°〜50°の範囲内の角度をなして傾斜し得るように調節可能に構成されたものである、請求項1〜6のいずれかに記載の投入装置。
  8. 前記混合物が前記液体貯蔵槽の液面に達してから、前記沈降手段によって前記ベルトコンベアの搬送方向前方の端部にまで搬送されるまでの時間が5〜20秒間であるように構成されたものである、請求項1〜7のいずれかに記載の投入装置。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の投入装置に比重の異なる複数種の材料で構成された混合物を投入する工程と、
    前記混合物を液体貯蔵槽に貯蔵された液体を用いて分離し、比重ごとに回収する工程とを有する、混合物の分離回収方法。
  10. 前記液体が水であることを特徴とする請求項9に記載の方法。
  11. 前記混合物が、複数種のプラスチックで構成されたプラスチック廃材を含むことを特徴とする請求項9または10に記載の方法。
  12. 前記プラスチック廃材は、プラスチック成形体またはプラスチック成形体を備えた製品の破砕物であることを特徴とする請求項11に記載の方法。
  13. 前記破砕物の粒径が5〜30mmであることを特徴とする請求項12に記載の方法。
  14. 前記プラスチック成形体を備えた製品は、エアコン、テレビ、冷蔵庫および洗濯機よりなる群から選ばれる製品であることを特徴とする請求項12または13に記載の方法。
  15. 前記プラスチック廃材が、ポリオレフィン系プラスチック組成物、ポリスチレン系プラスチック組成物およびその他の系統のプラスチック組成物からなる群から選ばれる少なくともいずれかであることを特徴とする、請求項11〜14のいずれかに記載の方法。
  16. ポリオレフィン系プラスチック組成物および/またはポリスチレン系プラスチック組成物および/またはその他の系統のプラスチック組成物が分離回収されるものである、請求項11〜15のいずれかに記載の方法。
  17. 請求項11〜16のいずれかの混合物の分離回収方法を用いたプラスチック原料の製造方法。
  18. 請求項11〜16のいずれかの混合物の分離回収方法を用いたプラスチック成形体の製造方法。
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