JP2005254693A - 廃家電品による再生プラスチック、再生プラスチックの製造方法及び再生プラスチックを用いた機器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 再生プラスチックは、廃家電からプラスチック製部材を回収し、該プラスチック製部材を粉砕し、前記粉砕物を湿式の異物除去工程に通し、風力選別、浮沈選別、遠心脱水選別の順に該粉砕物の異物を除去し、前記異物除去を行った粉砕プラスチックに酸化防止剤を含む添加剤を加えて得る。この場合、前記廃家電が廃冷蔵庫であり、前記プラスチック製部材がPP製ケースとすることができる。
【選択図】 図1
Description
この場合、前記廃家電が廃冷蔵庫であり、プラスチック製部材がPP(ポリプロピレン)製ケースとすることができる。
次に、圧縮機を取り外した冷蔵庫を破砕機、風力選別機に投入し(ステップS−12)、断熱材の発泡剤であるフロンとウレタンを分離する。
次に、鉄を分離したのちの冷蔵庫を分級装置に投入し(ステップS−14)、細粒と、粗粒・中粒とに分離する。
非鉄金属(銅)を回収したのち、比重選別機に投入して(ステップS−16)、さらに渦電流選別機に投入し(ステップS−17)、鉄、非鉄金属(アルミ)を回収して、プラスチックを分離する(ステップS−21)。
従って、物性値が均一なプラスチックを材質別に回収するには、粉砕する前に部品別に回収を行うことが望ましい。
図1は、本発明の実施の形態に係る再生プラスチックの製造工程を示すフローチャートで、リサイクルセンターに回収される廃冷蔵庫のPP(ポリプロピレン)製ケースのリサイクルを示す。
本発明に係る実施の形態では、手解体工程で容易に回収できる部品として、例えば廃冷蔵庫の引き出し扉の中に使用されているケース類を取り外して回収した。引き出し扉内のケースには、主に白色のものと、一部透明のものが使用されている。白色のケースはほとんどがPP(ポリプロピレン)製であり、一部にHIPS製のケースが使用されているが、たたいたときの音を確認して分別を行ってPP製のケースを回収した。透明のケースの材質はGPPSまたはAS(AS樹脂)であるが、今回は対象外とした。
回収時期を変えて製造した再生PPの物性値を表1に示す。
上記のように、回収して再生した再生PPはほぼ均一な物性値となった。
(ケースの粉砕)
図1に示すように、PP(ポリプロピレン)製ケースを回収し(ステップS−1)、異材質部品を除去したのち、コンテナなどに保管して所定の量を貯め、その後、粉砕を行った(ステップS−2)。例えば、粉砕機は1軸式で、スクリーンメッシュはφ15mmのものを使用した。押出し時の材料供給の安定性に問題がある場合は、粉砕機へPP製ケースを投入する際に、再度、打音などの簡易的な方法でHIPSのケースを除去したほか、若干数使用されているゴム栓やラベルなどを取り除いた。
得られた粉砕物には、回収・粉砕の工程で分別・除去しきれなかった食品屑などの汚れや、除去し忘れた異材質部品が含まれる場合があるため、湿式の異物除去工程に通した(ステップS−3)。
湿式の異物除去工程(ステップS−3)の詳細を、図2を用いて詳述する。粉砕品は、まず風力選別装置を用いて、発泡体やフィルム状の軽量異物を除去する(ステップS−3a)。
次に、浮沈槽に沈まなかった粉砕物を、遠心脱水装置を通して粉砕PPとして回収する(ステップS−3c)。
湿式粉砕を行うなどにより、粉砕後の段階で押出し工程の生産性を損なわないレベルまで異物・異材質の除去ができている場合は、この異物除去工程を省いても良い。
こうして、異物・異材質除去を行った粉砕PPに、所定の添加剤を加えて、ミキシングする(ステップS−4)。添加剤は、冷蔵庫のケースとして成形する際、および実使用期間中に消費されて減少していると考えられる酸化防止剤を、バージン材の添加量と同程度になるように加える。また、得られた再生PPを適用する部品の要求特性にあわせた顔料などの添加剤を加える。
また、得られる再生PPの量が適用部品のPP使用量より少ない場合など、必要に応じて、添加剤量を、再生PP100%で使用する場合よりも多量に高濃度で添加して、再生PPを、着色および耐候性などの機能性付与のためのマスターバッチとすることもできる。
本実施の形態では、再生PP100%で適用部品を製造するために、酸化防止剤は、フェノール系酸化防止剤であるテトラキス−[メチレン−3−(3’、5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンを500ppm、リン系酸化防止剤であるトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトを500ppm添加し、顔料および耐候助剤も所定量添加した。
また、バージン材と2:1で混合して使用するため、所定の3倍量の添加剤を添加した再生PPマスターバッチも製造した。ただし、酸化防止剤は、バージン材に十分添加されているため、増量しないこととした。
粉砕PPは、洗浄工程を経ているものの、バージン材にくらべれば異物が多いので、異物除去のためにスクリーンを使用した。スクリーンは連続生産性を考慮して20メッシュのものを1枚使用したが、より高い意匠性を要求する部品にこの再生PPを使用する場合など、完成した再生PPの異物をより改善するには、80メッシュなどの細かいスクリーンを使用するのが望ましい。その際、押出し機のスクリーン面積を大きくしたり、スクリーンオートチェンジャーを使用すれば、スクリーン交換頻度増加による生産性低下を抑制することができる。
一般物性は、比重、メルトフローレイト(MFR)、引張強度、曲げ弾性率、シャルピー衝撃強度について、押出し工程中に1トン毎に5回サンプリングして測定し、ロット内バラツキの評価を行った。一般物性測定結果は、表2に示すとおりであった。
以上のように、一般物性測定結果から、物性値はバラツキが少なく良く均質化されているといえる。
以上のように、実機評価結果から、本実施例の再生PPは、エアコン室外機のサービスパネルとして使用可能であることが確認できた。
Claims (11)
- 廃家電からプラスチック製部材を回収し、該プラスチック製部材を粉砕し、前記粉砕物を湿式の異物除去工程に通し、風力選別、浮沈選別、遠心脱水選別の順に該粉砕物の異物を除去し、前記異物除去を行った粉砕プラスチックに酸化防止剤を含む添加剤を加えて得ることを特徴とする廃家電品による再生プラスチック。
- 前記廃家電が廃冷蔵庫であり、前記プラスチック製部材がPP製ケースであることを特徴とする請求項1記載の廃家電品による再生プラスチック。
- 廃家電からプラスチック製部材を回収し、該プラスチック製部材を粉砕し、前記粉砕物を湿式の異物除去工程に通し、風力選別、浮沈選別、遠心脱水選別の順に該粉砕物の異物を除去し、前記異物除去を行った粉砕プラスチックに酸化防止剤を含む添加剤を加えて再生プラスチックを得ることを特徴とする再生プラスチックの製造方法。
- 前記廃家電のプラスチック製部材がPP製部材であることを特徴とする請求項3記載の再生プラスチックの製造方法。
- 前記廃家電が廃冷蔵庫であり、前記プラスチック製部材がPP製ケースであることを特徴とする請求項4記載の再生プラスチックの製造方法。
- 前記酸化防止剤と顔料を含む添加剤を加えることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の再生プラスチックの製造方法。
- 前記添加剤を高濃度に含有させ、成形時にバージン材と混合することを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載の再生プラスチックの製造方法。
- 前記酸化防止剤をバージン材の添加量と同程度になるように加えることを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載の再生プラスチックの製造方法。
- 前記酸化防止剤が、フェノール系酸化防止剤及びリン酸系酸化防止剤であることを特徴とする請求項3〜8のいずれかに記載の再生プラスチックの製造方法。
- 請求項3〜9のいずれかに記載の製造方法によって製造された再生プラスチックを使用した機器。
- 再生PPをルームエアコン室外機用の外観意匠部品として使用したことを特徴とする請求項10記載の機器。
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